JP2006090498A - 真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の芯材を一度に真空包装し、真空断熱材を作製するプロセスにおいて、芯材の位置決めを確実なものにし、生産性を向上する。
【解決手段】真空断熱材1は、芯材3と、芯材3を挿入して芯材3の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔7を設けた位置決めフィルム4と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材3を孔7内に保持した状態の位置決めフィルム4を芯材3の厚み方向の両側から覆う外被材2とを備え、減圧下で外被材2の熱溶着層と位置決めフィルム4とを熱溶着してなり、位置決めフィルム4は、外被材2の熱溶着層と熱溶着される表面層が外被材2の熱溶着層と同じガスバリア性に優れるが熱収縮を起こすポリアクリロニトリル5からなり、中間層が熱収縮を起こさない2軸延伸ポリエチレンテレフタレート6からなるラミネート構成であるので、芯材3の位置決めが確実なものになる。
【選択図】図1
【解決手段】真空断熱材1は、芯材3と、芯材3を挿入して芯材3の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔7を設けた位置決めフィルム4と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材3を孔7内に保持した状態の位置決めフィルム4を芯材3の厚み方向の両側から覆う外被材2とを備え、減圧下で外被材2の熱溶着層と位置決めフィルム4とを熱溶着してなり、位置決めフィルム4は、外被材2の熱溶着層と熱溶着される表面層が外被材2の熱溶着層と同じガスバリア性に優れるが熱収縮を起こすポリアクリロニトリル5からなり、中間層が熱収縮を起こさない2軸延伸ポリエチレンテレフタレート6からなるラミネート構成であるので、芯材3の位置決めが確実なものになる。
【選択図】図1
Description
本発明は、断熱または保温が必要な様々な機器に使用することができる真空断熱材に関するものである。
従来、複数の芯材からなる真空断熱材としては、図11に示すように、3つの芯材31のそれぞれが独立した空間内に位置するように、隣接する芯材31の間に位置する外被材30が熱溶着されており、芯材31の間に位置する熱溶着部32で折り曲げ可能な真空断熱材29がある(例えば、特許文献1参照)。
これは、2枚の外被材30の3辺を熱溶着し、一辺部に開口部を有した状態の袋状に形成し、その内部に複数の芯材31を配置させ、次に外被材30内の空気を所定の圧力まで排気し、開口部を熱溶着により封止すると共に芯材31の各間に位置する部分を熱溶着して得られる。
特開平7−98090号公報
しかしながら、上記従来の真空断熱材の製造方法では、複数の芯材31は摩擦力で外被材30上の所定位置に保持されているだけであるので、真空排気時に芯材31が所定位置から移動してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、真空断熱材の製造時に芯材を正確な位置に固定することを可能とし、生産性の高い真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、芯材と、前記芯材を挿入して前記芯材の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔を設けた位置決めフィルムと、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材を前記孔内に保持した状態の前記位置決めフィルムを前記芯材の厚み方向の両側から覆う外被材とを備え、減圧下で前記外被材の前記熱溶着層と前記位置決めフィルムとを熱溶着してなり、前記位置決めフィルムに、熱収縮を起こさないフィルムまたは熱収縮を起こさないフィルム層を有するラミネートフィルムを用いたのである。
これにより、位置決めシートに熱収縮が起こらず、芯材の位置固定を確実なものとし、量産性を向上する。また、単独では熱収縮を起こす材料であってもラミネート構成を限定することにより、熱収縮を防止できるようになるために使用が可能となる。
本発明の真空断熱材は、製造時に、熱収縮が起こらない位置決めフィルムを使って芯材を外被材内の所定位置に固定できるので、外被材内の芯材の位置の精度に優れ、複数の芯材を一度に真空包装できるため生産性が向上するとともに、熱収縮を起こすフィルムであってもラミネート構成を限定することにより位置決めフィルムとしての使用が可能になり、使用する材料の選択範囲を広げることができる。
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、芯材と、前記芯材を挿入して前記芯材の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔を設けた位置決めフィルムと、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材を前記孔内に保持した状態の前記位置決めフィルムを前記芯材の厚み方向の両側から覆う外被材とを備え、減圧下で前記外被材の前記熱溶着層と前記位置決めフィルムとを熱溶着してなり、前記位置決めフィルムが熱収縮を起こさないフィルムまたは熱収縮を起こさないフィルム層を有するラミネートフィルムであるものであり、位置決めフィルムとして熱収縮しないフィルムを使用することによって芯材の位置固定を確実にできる。
ここで、芯材は、繊維、粉末、発泡樹脂、多孔質体、薄膜積層体など、特に指定するものではない。例えば繊維系では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿、ポリエステル等の合成繊維等の有機繊維などが使用可能である。また、粉末ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂の粉末等の有機粉末などが使用可能である。また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォームなどが使用可能である。
また、外被材は、少なくともガスバリア層と熱溶着層を有する構成であればよく、その構成は特に指定するものではない。ガスバリア層としては、金属箔、または金属蒸着や無機蒸着を施したプラスチックフィルムが使用可能である。金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅などの箔が使用可能であり、蒸着の材料としては、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、シリカ、アルミナなどが使用可能である。蒸着を施すプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリイミドなどが使用可能である。また、熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルムなどが使用可能である。
位置決めフィルムは、真空包装機チャンバー内環境温度(約100℃)での熱収縮率が5%以下であれば、確実に位置固定ができることがわかっており、本明細書において「熱収縮を起こさない」とは、100℃での熱収縮率が5%以下であることを意味する。100℃での熱収縮率が5%以下であれば材料は特に指定するものではなく、単層でもラミネートフィルムでもよいが、外被材との熱溶着が可能となるように位置決めフィルムの外被材に接する面には外被材の熱溶着層と同一の材料を使用する必要がある。
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における位置決めフィルムが、熱収縮を起こすフィルムを外被材の熱溶着層に接する面に有するラミネートフィルムであり、位置決めフィルムと向き合う外被材の熱溶着層が位置決めフィルムの外被材に接する面と同一材料であるものである。
位置決めフィルムの外被材に接する面と外被材の熱溶着層とは同一の材料を使用する必要があり、熱溶着層に熱収縮を起こす材料を使用するなら、これに合わせて位置決めフィルムの外被材に接する面には同じ材料を使用しなければならないことになる。この場合、熱収縮を起こす材料を単体で位置決めフィルムとして使用することは難しいが、ラミネート構成を限定するよって熱収縮を抑制できるため、位置決めフィルムとしての使用が可能となる。このため、熱溶着層に使用する材料の選択範囲を広げることができる。熱収縮するフィルムとしては、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレートなどがあり、これらのフィルムはポリオレフィン系フィルムに比べて高ガスバリア性であるために、断熱性能を長期に渡って維持しやすくなる。
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項2に記載の発明における熱収縮するフィルムが、ポリアクリロニトリルであるものであり、ポリアクリロニトリルは熱収縮を起こす特性を持っているが、外被材の熱溶着層にポリアクリロニトリルを使用すると、ポリアクリロニトリルが高いガスバリア性を有するために他の材料を使用した場合に比べ、真空断熱材端面からのガス侵入が少なくなり、断熱性能を長期に渡って維持しやすくなる。
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項3に記載の発明における位置決めフィルムが、一方向にのみ熱収縮を起こす特性であるポリアクリロニトリルの縦方向と横方向が直行するようにラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層がポリアクリロニトリルであるものであり、ラミネートにより熱収縮を抑制できるだけでなく、熱溶着層に存在するフィルムの種類がポリアクリロニトリルのみに限定されるため、端面からのガス侵入を非常に少なくできる。
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項3に記載の発明における位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリル、熱収縮を起こさないフィルム、ポリアクリロニトリルを順にラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層がポリアクリロニトリルであるものであり、熱収縮を起こさないフィルムをポリアクリロニトリルの間に挟むことによって、二方向に熱収縮を起こすポリアクリロニトリルの使用も可能になる。
請求項6に記載の真空断熱材の発明は、請求項3に記載の発明における位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリル、熱収縮を起こさないフィルム、ポリオレフィン系フィルムを順にラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層の一方が、ポリアクリロニトリル、もう一方が位置決めフィルムと同一材料のポリオレフィン系フィルムであり、ポリアクリロニトリル同士、ポリオレフィン系フィルム同士が向き合っているものであり、熱収縮を起こさないフィルムをポリアクリロニトリルとポリオレフィン系フィルムの間に挟むことによって、熱収縮を抑制しやすくなる。また、ポリオレフィン系のフィルムを使用することにより、低コスト化が可能となる。
請求項7に記載の真空断熱材の発明は、請求項5または6に記載の発明における熱収縮を起こさないフィルムが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートであるものであり、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートは、比較的安価であり、寸法安定性も優れている。
請求項8に記載の真空断熱材の発明は、請求項3に記載の発明における位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリルとポリオレフィン系樹脂をラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層の一方が、ポリアクリロニトリルであり、もう一方が位置決めフィルムと同一材料のポリオレフィン系フィルムであり、ポリアクリロニトリル同士、ポリオレフィン系フィルム同士が向き合っているものであり、位置決めシートの一層にポリオレフィン系のフィルムを使用し、しかもフィルムが2層構造であるため、より低コスト化が可能となる。
請求項9に記載の真空断熱材の発明は、請求項6または8に記載の発明におけるポリオレフィン系フィルムが、直鎖状低密度ポリエチレンであるものであり、オレフィン系フィルムの中でも直鎖状低密度ポリエチレンは、ポリアクリロニトリルと熱溶着温度が非常に近いために、熱溶着条件が他のフィルムを使用した場合に比べて容易である。
請求項10に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の発明において、同一平面上の同一空間内に複数の芯材が配設されたものであり、位置決めフィルムによる芯材の位置固定が確実に行えるため、一つの空間内に芯材が複数存在する構成が可能であり、同一空間内の芯材と芯材の間で真空断熱材を曲げることができる。
請求項11に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の発明において、同一平面上の熱溶着部を隔てた独立空間内に複数の芯材が配設されたものであり、位置決めフィルムによる芯材の位置固定が確実に行えるため、複数の芯材を所望位置に固定でき、熱溶着部で真空断熱材を曲げることや切り離して使用することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図、図2は同実施の形態における真空断熱材の製造時に用いた位置決めフィルムの平面図、図3は同実施の形態における真空断熱材の製造時にできる切断前の真空断熱材の平面図、図4は図3に示す真空断熱材から折り曲げ可能に芯材を三つ一列に並ぶように切り出した真空断熱材の平面図である。
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図、図2は同実施の形態における真空断熱材の製造時に用いた位置決めフィルムの平面図、図3は同実施の形態における真空断熱材の製造時にできる切断前の真空断熱材の平面図、図4は図3に示す真空断熱材から折り曲げ可能に芯材を三つ一列に並ぶように切り出した真空断熱材の平面図である。
図1、図2、図3において、真空断熱材1は、芯材3と、芯材3を挿入して芯材3の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔7を設けた位置決めフィルム4と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材3を孔7内に保持した状態の位置決めフィルム4を芯材3の厚み方向の両側から覆う外被材2とを備え、減圧下で外被材2の熱溶着層と位置決めフィルム4とを熱溶着してなる。なお、芯材3は複数あり、それぞれ同一平面上の熱溶着部8を隔てた複数の独立空間内に一つずつ配設されている。
図1に示すように、外被材2には、表材と裏材にそれぞれ異なった構成のラミネートフィルムを使用した。表材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル5、ガスバリア層がアルミ箔、その外側にナイロンを2層設けた構成であり、裏材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル5、ガスバリア層が蒸着を施したポリエチレンテレフタレートを3層重ねた構成である。また、芯材3はガラス繊維から構成される成形体である。位置決めフィルム4は、ポリアクリロニトリル5、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート6、ポリアクリロニトリル5という構成である。
真空断熱材1の作製は、まず、図2に示すように位置決めフィルム4に芯材3と同一形状で芯材3を挿入して位置決め可能な大きさの孔7を設ける。次に、外被材2の裏材の上に位置決めフィルム4を置き、芯材3を位置決めフィルム4に設けた孔7にはめ込み、これを外被材2の表材で覆う。さらに、これを減圧下にて面状のシリコンゴムヒーターで外被材2の全面を加熱し、熱溶着を行い、図3のような真空断熱材1を得る。最後に熱溶着部8で所望の形状に切り取る。
位置決めフィルム4が熱収縮を起こさないために、複数の芯材3を同一平面状に並べた場合でも、位置決めが確実にできるため、一度に多数の芯材3を真空包装でき、生産性が向上した。また、熱溶着層がポリアクリロニトリル5であるため、真空断熱材端部からの侵入ガスが少なく、断熱性能の信頼性が向上した。熱溶着部で一つ一つをバラバラに切り離して使用することもできるが、図4のように切り取ると芯材間の熱溶着部8で折り曲げることも可能となる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図、図6は同実施の形態における真空断熱材の製造時に用いた位置決めフィルムの平面図、図7は同実施の形態における真空断熱材の製造時にできる切断前の真空断熱材の平面図、図8は図7に示す真空断熱材から芯材が四つくっついて一列に並ぶ部分を切り出した真空断熱材の平面図である。
図5は本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図、図6は同実施の形態における真空断熱材の製造時に用いた位置決めフィルムの平面図、図7は同実施の形態における真空断熱材の製造時にできる切断前の真空断熱材の平面図、図8は図7に示す真空断熱材から芯材が四つくっついて一列に並ぶ部分を切り出した真空断熱材の平面図である。
図5、図6、図7において、真空断熱材9は、芯材11と、芯材11を挿入して芯材11の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔14を設けた位置決めフィルム12と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材11を孔14内に保持した状態の位置決めフィルム12を芯材11の厚み方向の両側から覆う外被材10とを備え、減圧下で外被材10の熱溶着層と位置決めフィルム12とを熱溶着してなる。なお、芯材11は複数あり、同一平面上の熱溶着部8を隔てた六つの独立空間内に、二つずつ、または四つずつ配設されている。
本実施の形態の外被材10には、表材と裏材にそれぞれ異なった構成のラミネートフィルムを使用した。表材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル12、ガスバリア層がアルミ箔、その外側にナイロンを2層設けた構成であり、裏材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル13、ガスバリア層がポリビニルアルコールとポリエチレンの共重合体の蒸着フィルムとポリエチレンテレフタレート蒸着フィルム、その外側にナイロンを設けた構成である。また、芯材11はガラス繊維から構成される成形体である。位置決めフィルム12は、一方向にのみ熱収縮を生じるポリアクリロニトリル13を直行させてラミネートしている。
本実施の形態の真空断熱材は、図6に示すように位置決めフィルムに孔14を設け、一つの孔14に芯材11を分割してはめ込んだ。実施の形態1と同様の方法で、図7のような真空断熱材9を得、最後に熱溶着部15で切り離し、図8のような真空断熱材9を得た。
位置決めフィルム12が熱収縮を起こさないために、一つの孔14に複数の芯材11を並べた場合でも、位置決めが確実にできるため、芯材11がずれることがなかった。また、熱溶着層がポリアクリロニトリルであるため、真空断熱材端部からの侵入ガスが少なく、断熱性能の信頼性が向上した。この真空断熱材9は、芯材11部での曲げが可能となり、湾曲した部位への適用も可能となった。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における真空断熱材の断面図である。
図9は、本発明の実施の形態3における真空断熱材の断面図である。
図9において、真空断熱材16は、芯材18と、芯材18を挿入して芯材18の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔を設けた位置決めフィルム19と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材18を孔内に保持した状態の位置決めフィルム19を芯材18の厚み方向の両側から覆う外被材17とを備え、減圧下で外被材17の熱溶着層と位置決めフィルム19とを熱溶着してなる。
本実施の形態の外被材17には、表材と裏材にそれぞれ異なった構成のラミネートフィルムを使用した。表材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル20、ガスバリア層がアルミ箔、その外側にナイロン2層を設けた構成であり、裏材は、熱溶着層が直鎖状低密度ポリエチレン21、ガスバリア層が蒸着を施したポリエチレンテレフタレートを3層重ねた構成である。また、芯材18は乾式シリカとガラス繊維から構成される成形体である。位置決めフィルム19は、ポリアクリロニトリル20、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート22、直鎖状低密度ポリエチレン21という構成である。
真空断熱材の作製方法は実施の形態1と同様である。
位置決めフィルム19が熱収縮を起こさないために、複数の芯材18を同一平面状に並べた場合でも、位置決めが確実にできるため、一度に多数の芯材18を真空包装でき、生産性が向上した。また、ポリアクリロニトリルと直鎖状低密度ポリエチレンの熱溶着温度が近いことから、熱溶着も容易であった。また、外被材17の表材の熱溶着層がポリアクリロニトリルであるため、表材裏材の熱溶着層にともに直鎖状低密度ポリエチレンを使用した場合に比べて、真空断熱材端部からの侵入ガスが少なく、断熱性能の信頼性が向上した。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における真空断熱材の断面図である。
図10は、本発明の実施の形態4における真空断熱材の断面図である。
図10において、真空断熱材23は、芯材25と、芯材25を挿入して芯材25の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔を設けた位置決めフィルム26と、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材25を孔内に保持した状態の位置決めフィルム26を芯材25の厚み方向の両側から覆う外被材24とを備え、減圧下で外被材24の熱溶着層と位置決めフィルム26とを熱溶着してなる。
本実施の形態の外被材24には、表材と裏材にそれぞれ異なった構成のラミネートフィルムを使用した。表材は、熱溶着層がポリアクリロニトリル27、ガスバリア層がアルミ箔、その外側にナイロン2層を設けた構成であり、裏材は、熱溶着層が直鎖状低密度ポリエチレン28、ガスバリア層がポリビニルアルコールとポリエチレンの共重合体の蒸着フィルムとポリエチレンテレフタレート蒸着フィルム、その外側にナイロンを設けた構成である。また、芯材25は乾式シリカとガラス繊維から構成される成形体である。位置決めフィルム26は、ポリアクリロニトリル27、直鎖状低密度ポリエチレン28をラミネートしたものである。
真空断熱材の作製方法は実施の形態1と同様である。
位置決めフィルム26が熱収縮を起こさないために、複数の芯材25を同一平面状に並べた場合でも、位置決めが確実にできるため、一度に多数の芯材25を熱溶着でき、生産性が向上した。また、ポリアクリロニトリルと直鎖状低密度ポリエチレンの熱溶着温度が近いことから、熱溶着も容易であった。また、外被材24の表材の熱溶着層がポリアクリロニトリルであるため、表材裏材の熱溶着層にともに直鎖状低密度ポリエチレンを使用した場合に比べて、真空断熱材端部からの侵入ガスが少なく、断熱性能の信頼性が向上した。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、製造時に、芯材を外被材内の所定位置に固定できるので、外被材内の芯材の位置の精度に優れ、複数の芯材を一度に真空包装でき、また熱溶着部で自由に切り取ることが可能である。このため、小型でも有効断熱面積を広く必要とするコンピューターなどの電子機器の断熱用途、および折り曲げが必要な防寒ジャケットなどの保温用途などに適用できる。
1 真空断熱材
2 外被材
3 芯材
4 位置決めフィルム
9 真空断熱材
10 外被材
11 芯材
12 位置決めフィルム
16 真空断熱材
17 外被材
18 芯材
19 位置決めフィルム
23 真空断熱材
24 外被材
25 芯材
26 位置決めフィルム
2 外被材
3 芯材
4 位置決めフィルム
9 真空断熱材
10 外被材
11 芯材
12 位置決めフィルム
16 真空断熱材
17 外被材
18 芯材
19 位置決めフィルム
23 真空断熱材
24 外被材
25 芯材
26 位置決めフィルム
Claims (11)
- 芯材と、前記芯材を挿入して前記芯材の厚み方向に対して垂直な方向の位置決めを行う孔を設けた位置決めフィルムと、少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材を前記孔内に保持した状態の前記位置決めフィルムを前記芯材の厚み方向の両側から覆う外被材とを備え、減圧下で前記外被材の前記熱溶着層と前記位置決めフィルムとを熱溶着してなり、前記位置決めフィルムが熱収縮を起こさないフィルムまたは熱収縮を起こさないフィルム層を有するラミネートフィルムである真空断熱材。
- 位置決めフィルムが、熱収縮を起こすフィルムを外被材の熱溶着層に接する面に有するラミネートフィルムであり、位置決めフィルムと向き合う外被材の熱溶着層が位置決めフィルムの外被材に接する面と同一材料である請求項1に記載の真空断熱材。
- 熱収縮するフィルムが、ポリアクリロニトリルである請求項2に記載の真空断熱材。
- 位置決めフィルムが、一方向にのみ熱収縮を起こす特性であるポリアクリロニトリルの縦方向と横方向が直行するようにラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層がポリアクリロニトリルである請求項3に記載の真空断熱材。
- 位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリル、熱収縮を起こさないフィルム、ポリアクリロニトリルを順にラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層がポリアクリロニトリルである請求項3に記載の真空断熱材。
- 位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリル、熱収縮を起こさないフィルム、ポリオレフィン系フィルムを順にラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層の一方が、ポリアクリロニトリル、もう一方が位置決めフィルムと同一材料のポリオレフィン系フィルムであり、ポリアクリロニトリル同士、ポリオレフィン系フィルム同士が向き合っている請求項3に記載の真空断熱材。
- 熱収縮を起こさないフィルムが、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである請求項5または6に記載の真空断熱材。
- 位置決めフィルムが、ポリアクリロニトリルとポリオレフィン系樹脂をラミネートした構成であり、外被材の熱溶着層の一方が、ポリアクリロニトリルであり、もう一方が位置決めフィルムと同一材料のポリオレフィン系フィルムであり、ポリアクリロニトリル同士、ポリオレフィン系フィルム同士が向き合っている請求項3に記載の真空断熱材。
- ポリオレフィン系フィルムが、直鎖状低密度ポリエチレンである請求項6または8に記載の真空断熱材。
- 同一平面上の同一空間内に複数の芯材が配設された請求項1から9のうちいずれか一項に記載の真空断熱材。
- 同一平面上の熱溶着部を隔てた独立空間内に複数の芯材が配設された請求項1から10のうちいずれか一項に記載の真空断熱材。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2014097630A1 (ja) * | 2012-12-20 | 2017-01-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 真空断熱材、それを備える断熱箱体、及び真空断熱材の製造方法 |
-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004278968A patent/JP2006090498A/ja active Pending
Cited By (1)
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JPWO2014097630A1 (ja) * | 2012-12-20 | 2017-01-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 真空断熱材、それを備える断熱箱体、及び真空断熱材の製造方法 |
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