JP2006090088A - 防護柵 - Google Patents

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陽一 西田
Shoichi Inoue
昭一 井上
Toshimitsu Nomura
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Abstract

【課題】 支柱の軽量化を可能とし、施工性に優れた防護柵を提供する。
【解決手段】 防護柵は、斜面Mに間隔を置いて支柱2,2を立設すると共に、それら支柱2,2間に防護面5を設けてなり、前記支柱2を縦主材11,横材12及び斜材13を備えたトラス構造の骨組構造物とする。型鋼や鋼管などを支柱に用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られ、これにより支柱2の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、雪崩や落石の防護柵に関する。
従来、この種の防護柵として、所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を設け、各支柱間を水平ロープ材に掛止させたワイヤ製のネットで遮蔽した防護柵(例えば特許文献1)や、各支柱間にコンクリート製や金属製などからなる横杆を多段に設けた防護柵や、斜面に所定の間隔を隔てて立設され、防護ネットを張り巡らす防護柵用支柱において、支柱の下端が斜面に載置され、斜面に設けたアンカーと前記支柱の下部の間が据付用ロープで接続されて位置決めされている支柱を用いる防護柵(例えば特許文献2)や、前記アンカーと支柱の上部及び下部との間を据付用ロープで接続した吊柵式の防護柵(例えば特許文献3)などが知られている。
そして、前記特許文献1の防護柵では、支柱を斜面に固定しているため、落石などの大きな荷重を受ける防護柵に適しており、一方、上記特許文献2及び上記特許文献3の防護柵では、支柱を載置して据付用ロープにより吊った状態で保持するから、下部工が不要又は小型で済み、施工が簡易となるという利点を有し、比較的荷重の小さい落石条件や雪崩防止などに好適なものとなる。
そして、前記支柱にH型鋼を用い(例えば特許文献1)、また、支柱は剛性又は弾性の柱体であり、剛性柱体としては例えばH型鋼等の鋼柱、鋼管にコンクリートを充填した合成柱、PC構造柱等(例えば特許文献2及び特許文献4)が用いられている。
また、防護面として、各支柱間を水平ロープ材に掛止されたワイヤ製のネットで遮蔽し、このネットに金網(例えば特許文献1)を設けて構成したものや、多段に設けたロープ材に金網(例えば特許文献4)を設けて構成したものがある。さらに、雪崩柵において、横ワイヤーに金網を張設(例えば、特許文献5)したものや、鋼製の梁材(例えば、特許文献3及び特許文献6)を多段に設けて構成したものがある。
特開平6−173221号公報 特開2000−248515号公報(段落0013段) 特開平8−184014号公報 特開平6−146225号公報 特開2001−49626号公報 特開平5−287711号公報
上記のようなH型鋼や鋼管などを支柱に用いるものでは、支柱自体が重量物となるため、据付に重機が必要となり、搬入や据付けなどで施工に制約を受け易く、工費が嵩む問題がある。
また、上述したように吊柵式の防護柵では、下部工が不要又は小型で済み、施工性に優れた利点を有するが、支柱を斜面に載置して据付用ロープにより吊った状態で保持するから、支柱が位置固定されておらず、不安定な面がある。
さらに、吊柵式の防護柵では、斜面に支柱が固定されていないから、梁部材を支柱に固定して梁部材と支柱とを一体化する構造を採用するため、支柱間の不陸に対応することが難しく、また、現場に合わせて支柱間のスパン調整を行うことも難しい。
そして、特許文献5では、雪崩柵において、横ワイヤーに金網を張設して雪崩の発生を予防しており、横ワイヤーだけでは雪崩を防止できないため、支柱間を金網で遮蔽しなければならない。このため支柱間を小動物が通過することができず、自然環境に影響を与える問題があり、小動物の通過を可能にするには、雪崩予防柵を支柱間方向に分割し、分割した予防柵を斜面前後方向に配置し、小動物の通路を確保する必要がある。
ところで、落石防護柵では、基本的に、落石の衝撃を落石箇所の両側の支柱により受ける構造であるから、全て同一構造の支柱を用いることができるのに対して、雪崩予防柵では、積雪の荷重を支持して雪崩を予防する構造であるから、雪圧の辺縁効果によって予防柵の両端に位置する支柱に大きな荷重が加わり、両端の支柱の大型化が避けられない。このため、特に、重機の使用が困難な山の斜面に設けられる雪崩予防柵では、重量物である支柱がさらに大型なものになるため、搬入作業が煩雑になると共に、施工性が低下する問題がある。
そこで、本発明は、支柱の軽量化を可能とし、施工性に優れた防護柵を提供することを目的とし、さらに、自然環境への適応が可能な防護柵を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、斜面に間隔を置いて支柱を立設すると共に、それら支柱間に防護面を設けた防護柵において、前記支柱が骨組構造物からものである。
また、請求項2の発明は、斜面に間隔を置いて支柱を立設すると共に、それら支柱間に防護面を設けた防護柵本体の下端を前記斜面に載置し、前記斜面に設けた固定手段と前記防護柵本体とを接続した防護柵において、前記支柱が骨組構造物からなるものである。
また、請求項3の発明は、前記固定手段は、前記斜面に設けたアンカーを備え、このアンカーの上部に前記支柱を固定したものである。
また、請求項4の発明は、前記骨組構造物は、三角形の頂点に配置された3本の縦主材を備え、これら3本の縦主材の一つを前側にして前記支柱を立設し、前記固定手段は、両側の前記支柱中央位置前方の前記斜面とそれら支柱とを接続する据付用ロープを備えるものである。
また、請求項5の発明は、前記防護面が網状ロープ材を備え、この網状ロープ材に撓みを持たせたものである。
また、請求項6の発明は、前記防護面が、帯状体を備えるものである。
また、請求項7の発明は、前記帯状体間には、防護面の前後に連通する開口を設けたものである。
また、請求項8の発明は、前記支柱内に植物用空間を備えるものである。
請求項1の構成によれば、支柱が骨組構造物からなり、型鋼や鋼管などを用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られるから、支柱の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。
また、請求項2の構成によれば、支柱が骨組構造物からなり、型鋼や鋼管などを用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られるから、支柱の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。特に、雪崩予防柵では、両端の支柱が大型になるのに対して、支柱の重量増加を防止できる。
また、請求項3の構成によれば、アンカーの上部に前記支柱を固定したから、支柱が前後左右方向に位置決めされ、従来の吊柵式のもののように不用意に移動することがない。そして、支柱の据付位置に合わせてアンカーを斜面に設ければよく、また、コンクリート基礎などに比べて環境への影響が少ない。
また、請求項4の構成によれば、自然斜面では地形が不揃いで各柱間にかかる雪圧に違いが生じることがあり、このような場合に柱に偏荷重が作用するが、支柱形状が三角形であって、この支柱をサポートする据付用ロープが、両側の支柱中央位置前方で鋭角的に交差して平面略三角形形状を形成するので、それら両側の据付用ロープによって、偏荷重に対して、荷重を上手く分散でき、支柱にねじれやひずみが生じにくいものとなる。
また、請求項5の構成によれば、網状ロープ材に撓みを持たせて設置したから、剛性構造より雪圧が低減でき、積雪荷重に対して、耐力に優れた構造となる。また、網状ロープ材は可撓性を有するから、支柱間の不陸に対応可能である。
また、請求項6の構成によれば、帯状体は積雪に対して接触面積が大であるから、支柱間を金網などで遮蔽する必要がなくなり、金網を用いる場合でも網目の大きなもので対応可能となる。
また、請求項7の構成によれば、帯状体間を小動物が通過可能となり、防護柵を左右方向に連続して設けることができる。
また、請求項8の構成によれば、支柱は内部が開かれた骨組構造物からなるから、その内部において植物の生育が可能となり、これにより従来にない周囲の自然環境との適合性に優れた防護柵が得られる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な防護柵を採用することにより、従来にない防護柵が得られ、その防護柵について記述する。
以下、本発明の防護柵の実施例について説明すると、図1〜図3は本発明の実施例1を示し、同図は、落石や雪崩などの防護柵、特に雪崩防止用の防護柵の例を示す。同図に示すように、防護柵本体1は、斜面Mの横方向に支柱2,2を間隔を置いて立設し、これら支柱2,2の下端は斜面Mに載置されており、それら支柱2,2の前側(山側)に可撓性を有する網状ロープ材3を設け、この網状ロープ材3に金網などのネット材4を設け、これら網状ロープ材3とネット材4とにより防護面5を構成している。尚、斜面Mの傾斜方向が防護柵本体1の前後方向で、この前後方向と交差する方向が横方向である。尚、図中Yは山側である。
前記網状ロープ材3は、上下多段に設けた横ロープ材3Aと、左右に間隔を置いて配置した縦ロープ材3Bとを備え、それらロープ材3A,3Bを交点で連結したものであり、可撓性を有する。この網状ロープ3に図示しない結束具などにより前記ネット材4を取り付けている。そして、図3に示すように、前記網状ロープ材3の中央側が反山側である谷側に撓みを持って配置されている。
前記支柱2は、骨組構造物であって、三角形を単位とした構造骨組であるトラス構造物からなる。その支柱2は、三角形の頂点に配置された3本の縦主材11,11,11と、隣り合う縦主材11,11を連結すると共に縦主材11の長さ方向に所定間隔で設けられた横材12,12…と、縦主材11と横材12の節点を連結する斜材13とからなり、柱となる縦主材11の一部と梁である横材12と斜めの梁である斜材13により三角形が形成される。そして、三角形の頂点の縦主材11,11,11の一つを山側Yに配置し、残りの二つを左右に並べた位置に配置している。そして、前記縦主材11,横材12及び斜材13は、鋼管などからなる。
また、前記支柱2を固定する固定手段であるアンカー21,22が、前記斜面Mに固定されており、前記アンカー21はその上部21Aを支柱2の下部に固定し、詳細には、山側Yの縦主材11の下部にアンカー21の上部21Aを固定している。山側Yの前記アンカー22は、防護柵本体1の前方の山側Yで、支柱2,2の間に位置して配置され、さらに、端部の支柱2に対応して、支柱2,2のスパンのほぼ2分の1外側の位置にも前記アンカー22が設けられている。
そして、支柱2の前方山側Yの両側のアンカー22,22と、支柱2の上部とを控えロープ23,23により連結し、詳細には、山側の縦主材11の上部に控えロープ23の一端を連結している。また、図2に示すように、アンカー21,22は、ほぼ平行であって、斜面Mに対し直角方向に比べて、上部が下部より谷側に向いて設けられている。
さらに、支柱2の前方山側Yの両側のアンカー22,22と、支柱2の下部とを据付用ロープ24,24により連結し、詳細には、山側の縦主材11の下部に据付用ロープ24の一端を連結している。
図3に示すように、前記アンカー22は、支柱2の左右の横材12,12のほぼ延長線上に設けられ、前記支柱2,2間においては、両側の支柱2,2の中央位置前方の前記斜面Mに位置して設けられ、それら両側の支柱2,2の上部とアンカー22とを連結する控えロープ23,23は、アンカー22において、鋭角的に交差し、この例では、交差する前記角度θはほぼ60度である。また、それら両側の支柱2,2の下部とアンカー22とを連結する据付用ロープ24,24は、アンカー22において、鋭角的に交差し、この例では、交差する前記角度θはほぼ60度である。
したがって、図3に示す平面図において、両側の支柱2,2の中央位置前方のアンカー22に連結された控えロープ23,23と両側の支柱2,2とを結ぶ仮想線とがほぼ正三角形の形状をなすと共に、支柱2の左右と後の横杆12,12,12は正三角形の形状をなし、両者の形状はほぼ相似形をなす。このようにアンカー22に連結された控えロープ23,23を2辺とする三角形の形状と、支柱2の横杆12,12,12のなす三角形の形状とはほぼ相似形とすることが好ましく、この場合、正三角形以外でも、アンカー22に連結された控えロープ23,23の2辺の長さが等しい二等辺三角形と、支柱2の左右の横材12,12の2辺の長さが等しい二等辺三角形とがほぼ相似形としてもよい。
また、同様に、両側の支柱2,2の中央位置前方のアンカー22に連結された据付用ロープ24,24と両側の支柱2,2とを結ぶ仮想線とがほぼ正三角形の形状をなすと共に、支柱2の左右と後の横杆12,12,12は正三角形の形状をなし、両者の形状はほぼ相似形をなす。このようにアンカー22に連結された据付用ロープ24,24を2辺とする三角形の形状と、支柱2の横杆12,12,12のなす三角形の形状とはほぼ相似形とすることが好ましく、この場合、正三角形以外でも、アンカー22に連結された据付用ロープ24,24の2辺の長さが等しい二等辺三角形と、支柱2の左右の横材12,12の2辺の長さが等しい二等辺三角形とがほぼ相似形としてもよい。
また、図3などに示すように、前記防護面5は後方の縦主材11,11の間に設けられている。
次に、前記構成につき、その作用を説明すると、支柱2にトラス構造の骨組構造物を採用することにより、支柱2の軽量化が可能となり、また、骨組構造物は、高さ方向に分割し、分割箇所で縦主材11及び斜材13を連結し、組み立てることもでき、重機の使用できない斜面Mでも人力による搬入及び据付が可能となる。
また、防護柵が雪崩予防柵の場合、雪圧の辺縁効果により防護柵本体1の両端の支柱2を他の支柱2より強度の高いものにしなければならないが、縦主材11,横材12及び斜材13の強度を上げて対応することができ、支柱2自体が直接的に大型化することがなく、また、他の構造に比べて、支柱2の重量増加を抑えることができる。
そして、アンカー21,22及び控えロープ23により支柱2を据付け、支柱2,2間に網状ロープ材3及びネット材4を設け、防護面5を形成する。この場合、網状ロープ材3及びネット材4はそれぞれ可撓性を有するから、支柱2,2の間に不陸のある場合でも、これに対応した防護面5を形成できる。そして、網状ロープ材3に撓みを持たせて設置したから、積雪荷重に対して、耐力に優れた構造となる。
また、自然の斜面Mでは、地形が不揃いで、各支柱2,2間にかかる雪圧に違いが生じることがある。このとき、支柱2に偏荷重が作用するが、両側の支柱2,2の中央位置前方のアンカー22に連結された控えロープ23,23又は据付用ロープ24,24を2辺とする三角形と、支柱2の三角形とをほぼ相似形とすることにより、偏荷重に対して、上手く荷重を分散できるため、支柱2にねじれやひずみが生じ難い構造となる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、斜面Mに間隔を置いて支柱2,2を立設すると共に、それら支柱2,2間に防護面5を設けた防護柵において、支柱2が骨組構造物からなるから、型鋼や鋼管などを支柱に用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られ、支柱2の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、斜面Mに間隔を置いて支柱2,2を立設すると共に、それら支柱2,2間に防護面5を設けた防護柵本体1の下端である支柱2の下端を斜面Mに載置し、斜面Mに設けた固定手段たるアンカー21,22と防護柵本体1とを接続した防護柵において、支柱2が骨組構造物からなるから、型鋼や鋼管などを支柱に用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られ、支柱2の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。特に、雪崩予防柵では、両端の支柱2,2が大型になるのに対して、支柱2の重量増加を防止できる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、固定手段は、斜面Mに設けたアンカー21を備え、このアンカー21の上部21Aに支柱2を固定したから、支柱2が前後左右方向に位置決めされ、従来の吊柵式のもののように不用意に移動することがなく、斜面Mに支柱2を安定して立設することができ、支柱間を横梁などにより固定する必要がなく、可撓性を有する網状ロープ材3により防護面5を構成することができる。そして、支柱2の据付位置に合わせてアンカー21,22を斜面Mに設ければよく、また、コンクリート基礎などに比べて環境への影響が少なく済む。
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、前記骨組構造物は、三角形の頂点に配置された3本の縦主材11,11,11を備え、これら3本の縦主材11,11,11の一つを前側にして支柱2を立設し、固定手段は、両側の支柱2,2中央位置前方の斜面Mとそれら支柱2,2とを接続する据付用ロープたる控えロープ23,23又は/及び据付用ロープ24,24を備え、好ましくは両側の支柱2,2の控えロープ23,23又は/及び据付用ロープ24,24が鋭角に交差するように配置されているから、自然斜面では地形が不揃いで各柱間にかかる雪圧に違いが生じることがあり、このような場合に柱に偏荷重が作用するが、支柱2の形状が三角形であって、この支柱2をサポートする控えロープ23,23又は/及び据付用ロープ24,24が、両側の支柱2,2中央位置前方で鋭角的に交差して平面略三角形形状を形成するので、それら両側の控えロープ23,23又は/及び据付用ロープ24,24によって、偏荷重に対して、荷重を上手く分散でき、支柱2にねじれやひずみが生じにくいものとなる。
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、防護面5が網状ロープ材3を備え、この網状ロープ材3に撓みを持たせたから、積雪荷重に対して、耐力に優れた構造となる。また、網状ロープ材3は可撓性を有するから、支柱2,2間の不陸に対応可能である。
また、実施例上の効果として、図3に示すように、略三角形の頂点に配置された3本の縦主材11,11,11を有するトラス構造であるから、支柱2を前後左右に安定して立設することができる。
図4は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、支柱2内を植物用空間Kとしており、前記支柱2の下部の斜面Mの土が全部あるいは一部露出し、支柱2の下部の斜面Mに植物Sを植えて植生を施したり、支柱2内において露出した斜面Mの土に植物Sが自生可能になっており、支柱2の部分を緑化することができる。尚、植物Sとしては草花でもよい。
このように本実施例では、請求項8に対応して、支柱2内に植物用空間Kを備えるから、支柱2内の斜面Mに植生し、支柱2,2は内部が開かれた骨組構造物からなり、その内部に植物が生育し、従来にない周囲の自然環境との適合性に優れた防護柵が得られる。また、支柱2が植物Sを支持するから、各種の植物Sを育成することができる。
図5は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は雪崩・落石防止用の防護柵本体1であって、アンカー21,22及び控えロープ23は用いずに、固定手段として、斜面Mや斜面Mと道路(図示せず)との間に、基礎たるコンクリート基礎25を設け、このコンクリート基礎25に支柱2の下部を固定している。
このように本実施例においても、請求項1に対応して、斜面Mに間隔を置いて支柱2,2を立設すると共に、それら支柱2,2間に防護面5を設けた防護柵において、支柱2が骨組構造物からなるから、型鋼や鋼管などを支柱に用いるものに比べて、軽量にして同様な強度が得られ、支柱2の軽量化が可能で、搬入・据付などの施工性の向上を図ることができる。
図6及び図7は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は雪崩防止用の防護柵本体1であって、合成樹脂繊維などからなるメッシュ状の帯からなる帯状体31を用い、この帯状体31を支柱2,2間に多段に設けると共に、帯状体31,31の間に隙間を設け、この隙間により防護面5の前後に連通する開口32を設け、この開口32は小動物が通過可能な大きさを有する。また、上下多段の帯状体31,31…は縦方向の縦ロープ材3Bにより連結され、この縦ロープ材3Bは所定間隔で配置されている。図7に示すように、前記帯状体31は幅寸法Wが厚さ寸法Tより大きく、厚さを防護面5の前後方向に合わせて設けられている。尚、最下段の帯状体31と斜面Mとの間にも開口32が形成される。
このような雪崩予防柵においては、防護面5に幅広な帯状体31をロープ材の代わりに用いることにより、断面略円形のロープ材などに比べて雪との付着性に優れ、金網などでロープ材の間を塞がなくても、積雪を止めることができ、雪崩の予防が可能となる。したがって、帯状体31の間に間隔を設け、防護面5の前後に連通する比較的広い開口32を設けることができ、防護柵を設定しても、小動物が開口32を通過可能となる。
このように本実施例では、請求項6に対応して、防護面5が、帯状体31を備えるから、帯状体31は積雪に対して接触面積が大であり、支柱2,2間を金網などで遮蔽する必要がなくなり、金網を用いる場合でも網目の大きなもので対応可能となる。また、帯状体31は可撓性を有するから、支柱2,2間の不陸に対応可能である。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、帯状体31,31間には、防護面5の前後に連通する開口32を設けたから、帯状体31,31間を小動物が通過可能となり、防護柵を左右方向に連続して設けることができる。
また、実施例上の効果として、帯状体31が合成樹脂製繊維などの柔軟な帯からなり、合成樹脂繊維を編むなどして形成され、フッ素樹脂加工、例えばテフロン(登録商標)加工して耐候性を向上させており、軽量な帯状体31により現場での施工性に優れたものとなり、また、合成樹脂製繊維の帯状体31は柔軟性を有するから、運搬時には巻くなどしてコンパクトに収納でき、現場での取り扱いも容易なものとなる。また、帯状体31が柔軟性を有するから、小動物が開口を通過する際、帯状体31に当たっても安全である。さらに、合成樹脂製繊維からなる帯状体31は錆びたり腐ったりせず、耐久性に優れる。
図8は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例は雪崩防止用の防護柵本体1であって、帯状体の変形例を示し、この帯状体31Aは、合成樹脂製であって、アラミド繊維などからなり、複数の単位帯体35,35…を幅方向に間隔をおいて配置し、隣合う単位帯状体35,35を長さ方向に所定間隔で配置した連結部36により連結し、それら幅方向に隣合う単位帯状体35,35と長さ方向に隣合う連結部36,36との間に通孔37が設けられている。また、前記連結部36は複数の紐体36A,36A…を並べて形成されている。
このように、前記帯状体31Aは、複数の通孔37を有し、長さ方向の単位帯体35,35…と、これと交差方向である幅方向の連結部36,36…とが格子状をなすグリッド帯である。
そして、前記帯状体31Aを支柱2,2間に多段に設けると共に、帯状体31A,31Aの間に隙間を設け、この隙間により防護面5の前後に連通する開口32を設け、この開口32は小動物が通過可能な大きさを有する。
このように本実施例では、請求項6に対応して、防護面5が、帯状体31Aを備え、請求項7に対応して、帯状体31A,31A間には、防護面5の前後に連通する開口32を設けたから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
また、実施例上の効果として、帯状体31Aは、幅方向に間隔をおいて配置した複数の単位帯体35,35…と、それら幅方向に並んだ単位帯体35,35…を連結する連結部36と、それら幅方向に並んだ単位帯体35,35…間で連結部36,36間に設けた通孔37とを備えるから、帯状体31Aの幅を広くしても、風荷重などを削減できる。
図9は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記支柱2を固定する固定手段であるアンカー21,22が、前記斜面Mに固定されており、前記アンカー21はその上部21Aを支柱2に固定し、詳細には、支柱2内の中央で該支柱2の長さ方向に沿ってアンカー21が配置され、このアンカー21の下部を斜面Mに固定し、斜面Mより上方に露出したアンカー21の上部21Aを、柱2内の中央に挿通し、その上部21Aの上端を固定具61により支柱2の上部中央に固定している。尚、この場合、支柱2の上部に板材を固定し、この板材に前記上部21Aの上端を挿通し、その板材上で上部21Aの上端を固定具61により固定することができる。また、山側Yの前記アンカー22は、防護柵本体1の前方の山側Yで、支柱2,2の間に位置して配置され、さらに、端部の支柱2に対応して、支柱2,2のスパンのほぼ2分の1外側の位置にも前記アンカー22が設けられている。
そして、支柱2の前方山側Yの両側のアンカー22,22と、支柱2の上部とを控えロープ23,23により連結し、詳細には、山側の縦主材11の上部に控えロープ23の一端を連結している。また、図9に示すように、アンカー21は支柱2のほぼ長さ方向(斜面Mに対してほぼ直角方向)に沿って配置され、アンカー22はワイヤー23と斜面Mとのなす角度とほぼ同一かやや大きな角度で、斜面Mに対し直角方向に比べて、上部が下部より谷側に向いて設けられている。
このように本実施例では、請求項3に対応して、固定手段は、斜面Mに設けたアンカー21を備え、このアンカー21の上部21Aに支柱2を固定したから、上記各実施例に対応して、同様な作用・効果を奏し、また、この例では、支柱2の三角形の頂点に配置された3本の縦主材11,11,11のほぼ中心にアンカー21を挿通したから、アンカー21により3本の縦主材11,11,11を均等に押えて固定することができ、1本の縦主材11を固定する場合に比べて、積雪時に受ける偏荷重に対して有利な固定構造が得られる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、雪崩を防止する防護柵を主として説明したが、落石は土砂崩壊などに対応する防護柵にも適用可能である。また、実施例では、縦主材が3本の骨組構造物を例示したが、縦主材が4本のものでもよい。
本発明の実施例1を示す防護柵の正面図である。 同上、防護柵の縦断面図である。 同上、据付用ロープの配置を示す防護柵の平面図である。 本発明の実施例2を示す植物用空間を備えた支柱の側面図である。 本発明の実施例3を示す防護柵の正面図である。 本発明の実施例4を示す防護柵の正面図である。 同上、帯状体の一部切欠き斜視図である。 本発明の実施例5を示す帯状体の一部切欠き斜視図である。。 本発明の実施例6を示す防護柵の縦断面図である。
符号の説明
2 支柱
3 網状ロープ材
5 防護面
21 アンカー(固定手段)
21A 上部
22 アンカー(固定手段)
23 控えロープ(固定手段)
31,31A 帯状体
32 開口
35 単位帯体
36 連結部
37 通気孔
K 植物用空間
M 斜面
Y 山側

Claims (8)

  1. 斜面に間隔を置いて支柱を立設すると共に、それら支柱間に防護面を設けた防護柵において、前記支柱が骨組構造物からなることを特徴とする防護柵。
  2. 斜面に間隔を置いて支柱を立設すると共に、それら支柱間に防護面を設けた防護柵本体の下端を前記斜面に載置し、前記斜面に設けた固定手段と前記防護柵本体とを接続した防護柵において、前記支柱が骨組構造物からなることを特徴とする防護柵。
  3. 前記固定手段は、前記斜面に設けたアンカーを備え、このアンカーの上部に前記支柱を固定したことを特徴とする請求項2記載の防護柵。
  4. 前記骨組構造物は、三角形の頂点に配置された3本の縦主材を備え、これら3本の縦主材の一つを前側にして前記支柱を立設し、前記固定手段は、両側の前記支柱中央位置前方の前記斜面とそれら支柱とを接続する据付用ロープを備えることを特徴とする請求項2記載の防護柵。
  5. 前記防護面が網状ロープ材を備え、この網状ロープ材に撓みを持たせたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防護柵。
  6. 前記防護面が、帯状体を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防護柵。
  7. 前記帯状体間には、防護面の前後に連通する開口を設けたことを特徴とする請求項6記載の防護柵。
  8. 前記支柱内に植物用空間を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の防護柵。

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