JP2006089314A - 着色樹脂被覆粒状肥料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粒状肥料表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆粒状肥料の表面に、顔料粉末からなる着色材被覆層と熱硬化性樹脂からなる樹脂被覆層とを交互にそれぞれ3〜5層有する着色樹脂被覆粒状肥料であり、粒状肥料表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆粒状肥料の表面に、顔料粉末からなる着色材を添加、被覆処理し、次いで液状の未硬化熱硬化性樹脂を添加、被覆した後、熱硬化させる処理を交互にそれぞれ3〜5回繰り返して行なうことによって製造される。
【選択図】 なし
Description
すなわち、このような樹脂被覆粒状肥料は、一般に非透水性の樹脂を使用して粒状肥料表面に5〜15重量%程度被覆処理して作られているが、その樹脂被膜の厚さが、粒状肥料の代表的な平均粒径3mmのもので、約25〜75μmと極めて薄く、このため僅かなピンホール、亀裂、膜厚の凹凸等の被膜欠陥がその肥料成分溶出性能の低下の主な原因となっている。
上記の着色材を被覆樹脂資材に分散或いは溶解させたものを粒状肥料表面に添加被覆する方法は被膜欠陥が大きくなりやすく、着色材の被覆樹脂資材への分散或いは溶解が不十分であったり、分散或いは溶解がし難いものであったり、または固体着色材の粒径が大きい場合等においては、前記被膜欠陥が増大してしまう。
これらの問題を補うため被覆樹脂量を多くする方法、または着色材量を少なくする方法が採られるが、前者は肥料成分溶出性能を改善するまでには至らず、後者は目的とする色調のものが得られないという問題を有している。
しかしながら、このような方法は、着色材が粒状肥料にも取込まれることから、目的とした色調の着色粒状肥料を得るには比較的多量の着色材が必要となること、粒状肥料が有色で濃い色の場合も目的とした色調の着色固形肥料を得るにはより多量の着色材が必要となることから経済的に好ましくなく、また、樹脂被覆量が多くなると樹脂の色が重なってくるため、目的とした色調を保持するには透明性の高い樹脂しか使用出来ないという問題点を有している。
着色材被覆層の1層の量は樹脂被覆粒状肥料の0.01〜0.1重量%が、熱硬化性樹脂としてはウレタン樹脂が、樹脂被覆層の1層の量は樹脂被覆粒状肥料の0.1〜1重量%が好ましい。
このような着色樹脂被覆粒状肥料は、粒状肥料表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆粒状肥料の表面に、顔料粉末からなる着色材を添加、被覆処理し、次いで液状の未硬化熱硬化性樹脂を添加、被覆した後、熱硬化させる処理を交互にそれぞれ3〜5回繰り返して行なうことによって製造される。
(1)樹脂被覆粒状肥料の製造:
25℃の水中において尿素肥料成分の80%が凡そ100日で溶出するタイプのウレタン樹脂で被覆された樹脂被覆粒状肥料(以下、100日タイプ樹脂被覆尿素肥料と記す)を以下の方法で製造した。粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の被覆量は8%とした。
25℃でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(商標登録)TM、住友バイエルウレタン社製)417.7gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール7.9gを加え、30分撹拌し、混合物425.6gを得た(以下混合物Aと記す)。
温度制御可能な転動型の被覆装置に粒状尿素(平均粒径3.1mm)10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ粒状尿素を転動状態にした。該粒状尿素の温度を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)374.4gと混合物A425.6gを混合して得られる液状の未硬化ウレタン樹脂組成物(以下液状樹脂組成物Aと記す)を除々に添加し熱硬化させながら被覆処理した。この被覆処理に要した時間は約50分であった。このようにしてウレタン樹脂被覆量8%の100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を得た。
前記(1)で得た100日タイプ樹脂被覆尿素肥料に以下の方法で着色材被覆層、および樹脂被覆層を形成した。着色材被覆層および樹脂被覆層の1層の量は100日タイプ樹脂被覆尿素肥料のそれぞれ0.05%、0.3%とした。
前記(1)と同様な温度制御可能な転動型の被覆装置に該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を転動状態にした。該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、着色材として茶色着色用顔料粉末5g(酸化第二鉄2.94gと黄色酸化鉄1.76gとカーボンブラック0.3gの混合物)を添加し、3分間転動させた後、液状樹脂組成物A30gを添加し、3分間転動させて熱硬化させた。この顔料粉末添加、液状樹脂組成物添加、および熱硬化の操作を3回行ない100日タイプの茶色着色樹脂被覆尿素肥料を得た。
本実施例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%であった。
このようにして得た茶色着色樹脂被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
樹脂被覆粒状肥料の緑色着色:
実施例1において、茶色着色用顔料粉末5gに代えて緑色着色用顔料粉末5g(黄色酸化鉄4.64gとフタロシアニンブルー0.26gとカーボンブラック0.1gの混合物)を使用する以外は、実施例1と同様な方法で100日タイプの緑色着色樹脂被覆尿素肥料を製造した。
本実施例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%と実施例1と同等とした。
このようにして得た緑色着色樹脂被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
顔料粉末全量を被覆用樹脂液全量に分散させ、粒状尿素に一度に全量添加被覆する方法で着色樹脂被覆粒状肥料を製造した。被覆樹脂は実施例1、2と同じウレタン樹脂を、粒状肥料は実施例1、2と同じ粒状尿素肥料を、顔料粉末は実施例1と同じ茶色着色用顔料粉末を使用した。
25℃でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(登録商標)TM、住友バイエルウレタン社製)467.9gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール8.9gと茶色着色用顔料粉末16g(酸化第二鉄9.41gと黄色酸化鉄5.65gとカーボンブラック0.94gの混合物)を加え、30分撹拌し、混合物492.8gを得た(以下混合物Bと記す)。
実施例1と同様の温度制御可能な転動型の被覆装置に粒状尿素(平均粒径3.1mm)10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ粒状尿素を転動状態にした。該粒状尿素の温度を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(住友バイエルウレタン社製、商品名:スミジュール44V10)420.8gと混合物B492.8gを混合して得られる液状の顔料粉末含有未硬化ウレタン樹脂組成物を除々に添加し熱硬化させながら被覆処理した。この被覆処理に要した時間は約50分であった。このようにして茶色着色被覆尿素肥料を得た。
本比較例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%と実施例1と同等とした。
このようにして得た茶色着色被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
顔料粉末を粒状尿素に一度に全量添加被覆し、次いで樹脂で被覆させる方法で着色樹脂被覆粒状肥料を製造した。被覆樹脂は実施例1、2と同じウレタン樹脂を、粒状肥料は実施例1、2と同じ粒状尿素肥料を、顔料粉末は実施例1と同じ茶色着色用顔料粉末を使用した。
25℃でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(住友バイエルウレタン社製、商品名:スミフェンTM)467.9gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール8.9gを加え、30分撹拌し、混合物476.8gを得た(以下混合物Cと記す)。
実施例1と同様の温度制御可能な転動型の被覆装置に粒状尿素(平均粒径3.1mm)10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ粒状尿素を転動状態にした。該粒状尿素の温度を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、茶色着色用顔料粉末16g(酸化第二鉄9.41gと黄色酸化鉄5.65gとカーボンブラック0.94gの混合物)を添加し、3分間転動させて茶色着色粒状尿素肥料を得た。
次いで、該茶色着色粒状尿素肥料に、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)420.8gと混合物C476.8gを混合して得られる液状の未硬化ウレタン樹脂組成物を除々に添加し熱硬化させながら被覆処理した。この被覆処理に要した時間は約50分であった。このようにして茶色着色樹脂被覆尿素肥料を得た。
本比較例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%と実施例1と同等とした。
このようにして得た茶色着色樹脂被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様な方法で得た100日タイプ樹脂被覆尿素肥料の表面に顔料粉末全量を被覆用樹脂液に分散させ一度に添加して被覆させる方法で着色樹脂被覆粒状肥料を製造した。被覆樹脂は実施例1、2と同じウレタン樹脂を、顔料粉末は実施例1と同じ茶色着色用顔料粉末を使用した。
25℃でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(商標登録)TM、住友バイエルウレタン社製)47gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.88gと茶色着色用顔料粉末15g(酸化第二鉄8.82gと黄色酸化鉄5.3gとカーボンブラック0.88gの混合物)を加え、30分撹拌し、混合物62.88gを得た(以下混合物Dと記す)。
実施例1と同様の温度制御可能な転動型の被覆装置に該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を転動状態にした。該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)42.12gと混合物D62.88gを混合して得られる液状の顔料粉末含有未硬化ウレタン樹脂組成物を一度に添加し、3分間転動させて熱硬化させた。このようにして100日タイプの茶色着色樹脂被覆尿素肥料を得た。
本比較例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%と実施例1と同等とした。
このようにして得た茶色着色樹脂被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同様な方法で得た100日タイプ樹脂被覆尿素肥料の表面に顔料粉末を一度に全量添加被覆し、次いで樹脂で被覆させる方法で着色樹脂被覆粒状肥料を製造した。被覆樹脂は実施例1、2と同じウレタン樹脂を、顔料粉末は実施例1と同じ茶色着色用顔料粉末を使用した。
25℃でポリオール混合槽に分岐ポリエーテルポリオール(スミフェン(商標登録)TM、住友バイエルウレタン社製)47gと硬化触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール0.88gを加え、30分撹拌し、混合物47.88gを得た(以下混合物Eと記す)。
実施例1と同様の温度制御可能な転動型の被覆装置に該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料10kgを仕込んだ。被覆装置の回転部を20〜30rpmで回転させ、仕込んだ該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を転動状態にした。該100日タイプ樹脂被覆尿素肥料を70〜75℃になるまで加熱保持しながら、茶色着色用顔料粉末15g(酸化第二鉄8.82gと黄色酸化鉄5.3gとカーボンブラック0.88gの混合物)を一度に添加し、3分間転動させた後、ポリイソシアネート化合物としてポリメリックMDI(スミジュール(登録商標)44V10、住友バイエルウレタン社製)42.12gと混合物E47.88gを混合して得られる液状の未硬化ウレタン樹脂組成物を添加し、3分間転動させて熱硬化させた。このようにして100日タイプの茶色着色樹脂被覆尿素肥料を得た。
本比較例の粒状尿素肥料に対するウレタン樹脂の総被覆量は約8.97%、および顔料粉末の総被覆量は約0.16%と実施例1と同等とした。
このようにして得た茶色着色樹脂被覆尿素肥料について、肥料成分溶出性能および色調を測定した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 粒状肥料表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆粒状肥料の表面に、顔料粉末からなる着色材被覆層と熱硬化性樹脂からなる樹脂被覆層とを交互にそれぞれ3〜5層有する着色樹脂被覆粒状肥料。
- 着色材被覆層の1層の量が樹脂被覆粒状肥料の0.01〜0.1重量%である請求項1記載の着色樹脂被覆粒状肥料。
- 熱硬化性樹脂がウレタン樹脂である請求項1記載の着色樹脂被覆粒状肥料。
- 樹脂被覆層の1層の量が樹脂被覆粒状肥料の0.1〜1重量%である請求項1記載の着色樹脂被覆粒状肥料。
- 粒状肥料表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆粒状肥料の表面に、顔料粉末からなる着色材を添加、被覆処理し、次いで液状の未硬化熱硬化性樹脂を添加、被覆した後、熱硬化させる処理を交互にそれぞれ3〜5回繰り返して行なうことを特徴とする着色樹脂被覆粒状肥料の製造方法。
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JP2004274839A JP2006089314A (ja) | 2004-09-22 | 2004-09-22 | 着色樹脂被覆粒状肥料およびその製造方法 |
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Citations (1)
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- 2004-09-22 JP JP2004274839A patent/JP2006089314A/ja active Pending
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