JP2006086971A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数チャンネル出力の撮像素子をそなえた撮像装置において、OB画素の傷やノイズの影響を受けずに、安定した黒レベルを得る。
【解決手段】撮像素子の複数チャンネル出力それぞれにアナログクランプ回路備え、各々の出力端子から出力されるOB画素データをA/D変換した後、全チャンネルのOB画素をまとめて平均化し、目標クランプレベルとの差分を求めて、最終的なクランプレベル補正値を算出する。このクランプレベル補正値をそれぞれのアナログクランプ回路にフィードバックしてクランプレベルを補正し、アナログクランプする。
【選択図】図5
【解決手段】撮像素子の複数チャンネル出力それぞれにアナログクランプ回路備え、各々の出力端子から出力されるOB画素データをA/D変換した後、全チャンネルのOB画素をまとめて平均化し、目標クランプレベルとの差分を求めて、最終的なクランプレベル補正値を算出する。このクランプレベル補正値をそれぞれのアナログクランプ回路にフィードバックしてクランプレベルを補正し、アナログクランプする。
【選択図】図5
Description
本発明は、複数の出力端子をもつ撮像素子を備えたデジタルカメラ等の撮像装置において、複数の出力端子から出力される複数の出力データ間で、黒レベルを一定に保つためのクランプ方式に関する。
デジタル一眼レフカメラ等に用いられる固体撮像素子は、画質向上の要求から年々高画素数化が進んでおり、それと同時に速写性では単位時間当たりの連写駒数の向上のため、画像データ読み出し時間の短縮を要求されている。しかしながら、単一の出力端子から撮像素子からすべての画像データを読み出す従来の方式では、読み出し時間の短縮のために撮像素子を駆動するアナログ回路の駆動周波数を高めると、S/Nが悪くなる等の問題が生じ、限界があった。
このため、撮像素子の出力端子を複数にして複数の出力端子から同時に画像データを出力することで、駆動周波数をそれほど上げることなく画像データ読み出し時間を短縮する手法が一般的になりつつある(たとえば、特許文献1参照。)。たとえば現在、総画素数約四百万画素の撮像素子を2チャンネルの出力端子から読み出すことにより、秒間8駒の画像を撮影できるデジタル一眼レフカメラが製品化されている(たとえば、非特許文献1参照。)。
この方式を採用した際、複数の出力端子から出力される複数の画像データ間で特性の不一致があると、撮像素子からのデータ読み出し後に画像処理で1枚の画像に復元する際、画質に大きな影響を及ぼす。たとえば、1枚の画像の中心で左右2つの画像に分けて、2チャンネルの出力端子から別々に読み出す方式の撮像素子において、各チャンネル間で出力レベルのオフセットが違うと、1枚の画像に復元したときに左右の画像の分かれ目が目立ってしまう。また、左右の隣り合った画素を2チャンネルの出力端子から読み出す方式の撮像素子においては、各チャンネル間で出力レベルのオフセットが違うと、1枚の画像にしたときに縦方向に線が走ったような縦縞画像になってしまう。
このように画質に大きな影響を及ぼす画像データの特性として、まず第一に黒レベルの安定性が挙げられる。
画像データの黒レベルは、撮像素子のオプティカルブラック部(以下、OB部と呼ぶ)の信号を基準として画像データをクランプ処理、もしくはレベルシフト処理することで再生される。クランプ処理としては、通常は黒レベルの縦方向シェーディングに追従し、補正する機能を実現するため、横1ライン単位でクランプレベルを算出し、それにしたがってライン単位でクランプ処理を行う。クランプの方式としては、アナログ段の既知のCDS回路やゲインコントロール回路にクランプ回路を組み合わせたアナログクランプ方式と、画像データがA/Dコンバータを通ってデジタルデータとなった後にデジタル的に演算するデジタルクランプ方式とがあるが、後者は、A/Dコンバータによりダイナミックレンジが制限された後に処理されるため、クランプ後にダイナミックレンジが減ってしまったり、デジタルデータが量子化誤差を持つため、デジタル処理自体に丸め誤差、量子化誤差を持つために、デジタルクランプ後にフリッカノイズのような横引きノイズを発生させたりすることがあり、クランプ処理の精度の点で前者にくらべて性能が劣っている。たとえば特許文献2のように、A/D変換後のデジタルデータを演算しアナログ回路にフィードバックしてクランプする方式も存在するが、量子化誤差の影響を受けにくく、A/D変換後のダイナミックレンジも損なわないという点でアナログクランプ方式の特徴を備えているため、ここではアナログクランプ方式の一種と考える。
そこでデジタルクランプによる量子化誤差を避けつつ、A/Dコンバータのダイナミックレンジを有効に活用するためには、画素信号のオプティカルブラック画素(以下、OB画素と呼ぶ。)をA/Dコンバータを通る前のアナログ信号の時点で一定のレベルに保つようにクランプすることが望ましい。
特開平11−168741号公報(第13頁、図1)
特開2000−224440号公報(第8頁、図1)
「キヤノン株式会社 デジタルカメラ総合カタログ」、キヤノン株式会社、2003年、p.16
上記のアナログクランプ方式を用いたときに、従来の技術ではクランプレベルを決定する際に複数の画像データ間で別々のOB画素領域を用いていた。このときに、OB画素レベルが十分に安定し、かつ複数の画像データ間で一致したレベルでないと、画質に大きな悪影響を及ぼしてしまう。
図1、図2、図3、および、図4を用いて、従来のアナログクランプ方式の問題点を説明する。
図2は、横方向に並んだ4つの画素を別々の出力端子から出力する形式の、4チャンネルの出力端子を備えた撮像素子を模式的にあらわした図である。有効画素を白い四角で表しており、横12画素、縦12画素の計144画素が存在する。有効画素の出力信号は、横方向に隣り合った4つの画素がそれぞれ別々のチャンネルから出力され、左側の画素から順に出力される場合は、1つのチャンネルだけを見た場合、ある1つの画素の次に出力される画素はその4つ右隣の画素となる。OB画素は通常、撮像素子の画素配列のうち最終的に出力される画像データの素となる有効画素の周りの領域に固まって複数個存在するが、図2の場合、有効画素領域の左側に横4画素、縦12ラインの計48画素から構成されるOB画素領域が存在し、横方向に隣り合った4つのOB画素は有効画素部と同様に別々のチャンネルから出力される。1つのチャンネルだけを見た場合には、OB画素領域は横1画素、縦12ラインの12画素から構成されることになり、時系列的に見ると、各チャンネルともに最初に1画素のOB画素が出力され、その後で3画素の有効画素が出力されることで横1ライン分のデータの出力が終了する。これを縦12ライン分繰り返すことで1画面分の画像データが出力される。
図1は4チャンネルの出力端子を持つ撮像素子を備えた撮像装置のブロック図の一例である。カメラ操作スイッチ110の操作によって、全体制御CPU109がタイミング制御/駆動回路106を介して撮像素子101の露光制御、および画素データ読み出し制御といった、一連の撮影動作を行う。このように撮影された1枚の画像データは、撮像素子101において4つの領域に分割され、4チャンネルの出力端子から出力される。出力された4チャンネルの画像データは、各チャンネルにそれぞれ備えているCDS/AGC/ADC回路102、103、104、105に入力し、サンプリング処理、ゲイン補正処理、および、A/D変換処理をされた後、画像処理回路108に入力する。画像処理回路108では、4チャンネルの画像データを1枚の画像に合成し、色処理等の画像処理を行った後、最終的に不揮発性メモリー112に格納する。
このとき従来のアナログクランプ方式では、CDS/AGC/ADC回路102、103、104、105にて複数出力で別々のOB画素を基準としてアナログクランプしていた。つまり、ある横1ラインを見た場合チャンネル1はOB領域の一番左の1画素を基準とし、チャンネル2はその右隣の1画素、チャンネル3はその右隣の1画素、チャンネル4はその右隣の1画素を基準として各々のチャンネルが別々にクランプレベルを算出しクランプしていた。このとき各々のチャンネルに含まれるOB画素のノイズレベルが違ったり、ノイズレベルは各々のチャンネルでほぼ等しいが、あるひとつのチャンネルのみに画素欠陥による異常出力があったりすると、各々の画像データ間でクランプするレベルが異なり、アナログクランプ後の黒レベルが各チャンネル間で一致せず、ひとつの画像に復元した際に画質が悪化していた。
図3は、ある1ラインの画像データ出力に対して、各チャンネルそれぞれのOB画素からそれぞれ平均値を算出した結果と全チャンネルのOB画素の平均値を算出した結果を示したものである。クランプレベルを各チャンネルで別々のOB画素の平均値を用いて算出すると、OB画素が持つノイズ等の影響を受けて、各チャンネルのクランプレベルが異なってしまう。ノイズ等を考慮すると、安定した黒レベルを得るにはなるべく多くのOB画素を用いてクランプレベルを算出するのが望ましく、ライン間での安定性を考えた場合全チャンネルのOB画素平均値がもっとも安定した黒レベルと言える。
さらに、図4は縦方向の各ラインのクランプレベルをチャンネル毎に算出した結果を表した図であるが、チャンネル3のクランプレベルが突出してしまっている。これは、あるラインにおいてOB画素に非常に出力の大きな傷画素が含まれているような場合に起こる。実際にクランプに用いるクランプレベルは、ライン間で変化量を制限したり、ローパスフィルターをかけたりすることで安定化を図っているが限度があるため、この場合チャンネル3だけ他のチャンネルとは大きく異なった黒レベルとなってしまう可能性がある。このような黒レベルの各チャンネル間の不一致は、画面全体的がDC的にずれている場合や、DC的には同じレベルだが、あるラインだけ部分的にずれている場合があるが、どちらの場合も画質に大きな悪影響を及ぼす。図2のような撮像素子の場合、横方向に並んだ4画素が別々のチャンネルから出力され、縦1ラインを見ると同じチャンネルから出力されるため、黒レベルの不一致がある場合には、1つの画面に合成したときに画面全体あるいは画面の一部分に縦方向の線が等間隔に走ったような画像となってしまう。
また、従来のアナログクランプ方式を用いたときにも、多数のOB画素を平均化する等の処理をすることで安定した黒レベルを得ることができるが、この場合撮像素子の出力チャンネル数が増えていくと、それに伴ってOB画素の数も増やしていかなければならず、結果として全体の画素数が増加するためにチャンネル数を増やしても画像データの読み出しスピードが思ったようにあがらない要因にもなってしまい、画像データの読み出し速度を高める要求と、良好な画質を追求する要求とを同時に満たすことは難しかった。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、複数チャンネル出力の撮像素子をそなえた撮像装置において、OB画素の傷やノイズの影響を受けずに、安定した黒レベルを得る撮像装置を提供することを目的とする。
本出願に係る第1の発明は、上記の課題を解決するため、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、各々の出力チャンネルの各々のOB画素領域データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出し、このクランプレベルを各々のチャンネルのクランプ回路にフィードバックして、各チャンネルの画像データをアナログ的にクランプする。
本出願に係る第2の発明は、上記の課題を解決するため、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、各々の出力チャンネルの各々のOB画素データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出し、該クランプレベルを用いて各々のチャンネルをアナログクランプする際に、各々のチャンネル間のDC的なオフセット差を取り除くように、該クランプレベルのオフセットを補正してから、各々のチャンネルの画像データをアナログ的にクランプする。
本出願に係る第3の発明は、上記の課題を解決するため、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、画像データの領域によって、OB画素データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出するか、各々のチャンネルの別々のOB画素データを用いてクランプレベルを算出するかを切り替え、該算出したクランプレベルを各々のチャンネルのクランプ回路にフィードバックして、各チャンネルの画像データをアナログ的にクランプする。
本出願に係る第1の発明によれば、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、各々の出力チャンネルの各々のOB画素領域データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出し、このクランプレベルを各々のチャンネルのクランプ回路にフィードバックして、各チャンネルの画像データをアナログ的にクランプするために、チャンネルの数にしたがってたくさんのOB画素を用意しなくても、OB画素領域の傷画素やノイズの影響を受けることなく、画像データの全領域において複数チャンネル間で黒レベルがほぼ等しくなり、1枚の画像にしたときに自然で良好な画像が得られる。
本出願に係る第2の発明によれば、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、各々の出力チャンネルの各々のOB画素データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出し、該クランプレベルを用いて各々のチャンネルをアナログクランプする際に、各々のチャンネル間のオフセット差を取り除くように、該クランプレベルのオフセットを補正してから、各々のチャンネルの画像データをアナログ的にクランプするために、複数チャンネル間で、画像データの領域によらないDC的なオフセットずれがあった場合でも、チャンネルの数にしたがってたくさんのOB画素を用意しなくても、画像データの全領域において複数チャンネル間で黒レベルがほぼ等しくなり、1枚の画像にしたときに自然で良好な画像が得られる。
本出願に係る第3の発明によれば、複数チャンネルの出力端子を持つ撮像素子から出力される複数の画像データをアナログ的にクランプする際に、画像データの領域によって、OB画素データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出するか、各々のチャンネルの別々のOB画素データを用いてクランプレベルを算出するかを切り替え、該算出したクランプレベルを各々のチャンネルのクランプ回路にフィードバックして、各チャンネルの画像データをアナログ的にクランプするために、各々のチャンネルの別々のOB画素データを用いてクランプレベルを算出してクランプすることで、各チャンネル間のDC的なオフセットずれを自動的に取り除き、OB画素データを全チャンネル分まとめて平均化してクランプレベルを算出してクランプすることで、ノイズや傷画素等でOB画素レベルが各チャンネル別々に変動した場合でも、それに影響を受けることなく、画像データの全領域において複数チャンネル間で黒レベルがほぼ等しくなり、1枚の画像にしたときに自然で良好な画像が得られる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
図5を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。
図5は図2のような4チャンネルの出力端子を持つ撮像素子を備えた撮像装置の、画像信号読み出し部のブロック図である。ここでは1つの例として4チャンネルの出力端子を持った撮像素子を想定しているが、本発明が想定する撮像素子のチャンネル数は複数存在すればよく、4チャンネルでなくてもかまわない。また、画面を各チャンネルに分割する分割方法も図2のように画面上横方向に隣合う画素が別々のチャンネルとなるように分割する方法でなくても良く、画面全体を横に等分割して読み出すような方法等々でもかまわない。
撮像素子200で蓄積された画像信号は、画像上部から横1ライン毎に順に出力される。4つの隣合う画素は4チャンネルの出力端子から同時に出力されるため、横1ラインを出力する時間は、1チャンネルの出力端子から出力される場合と比べ、4分の1の時間で出力されることになる。撮像素子200から出力された4チャンネルのアナログ画像信号は、CDS/AGC/ADC回路201、202、203、204にて既知の相関二重サンプリングを行うことで、撮像素子200の出力信号のリセットノイズや1/fノイズが取り除かれ、信号のフィードスルー部のDC電圧が所定のレベルに固定される。さらに、ゲイン調整および、アナログ/デジタル変換されて後段のブロックにデジタル信号として出力される。ゲイン調整はA/D変換後のデジタルデータにおいて4チャンネルのゲイン差が取り除かれるように、4チャンネル別々のゲイン調整が行われる。
CDS/AGC/ADC回路201、202、203、204から出力された4チャンネルのデジタル画像信号は、4チャンネル別々に画像処理回路206に入力されるが、このデジタル画像信号のうちOB画素領域の信号は、選択的にクランプレベル算出回路205に入力される。ここではクランプレベル算出回路に入力する信号はOB画素領域の信号としているが、実際にはクランプを行いたい信号であれば何でも良く、OB画素領域の信号に限定するものではない。クランプレベル算出回路に入力する信号の選択手段は、任意の画像データ領域を選択することができる。たとえば、撮像素子の画素が実際には存在しない領域の信号である、空信号レベルをクランプレベル算出回路に入力してもかまわない。
横1ラインの隣り合った画素をそれぞれ4チャンネルに分けて読み出す方式の撮像素子の場合、クランプレベル算出回路205は横1ラインに含まれるOB画素の画素数分を一度にまとめて演算する。通常は1ライン分の画像データにおいて、4チャンネルそれぞれ同じ画素数だけクランプレベル算出回路205に入力するので、1チャンネルに含まれるOB画素が8画素ならば、32画素のOB画素がクランプレベル算出回路205に入力されることになる。この場合、クランプレベル算出回路205は1ライン毎にクランプレベルを算出することになるが、OB画素に含まれる画素欠陥やノイズによる影響を抑制するために前後のラインのOB画素を含めた、複数ラインのOB画素を演算してもかまわない。
クランプフィードバック回路には、クランプレベルフィードバックコンデンサが用意されており、初期状態において、所定のクランプ基準信号電圧が記憶されている。クランプレベル算出回路205は、1ラインに含まれるOB画素データをすべて加算もしくは、平均化等の処理を行い、目標クランプレベルとの差分を算出して、最終的に現在のラインにおけるクランプレベルの補正量を演算する。補正量の演算を行う際は、現在のクランプレベルと目標クランプレベルとの差分が大きくても、現在のクランプレベルからの変化量を制限して微調整のみ行うことでラインフリッカを低減させる等の処理を入れることも可能である。このクランプレベル補正値をD/Aコンバータ208にてアナログ信号に変換し、クランプレベルフィードバックコンデンサに送られることで、現在のラインにおけるクランプ基準信号がクランプ補正量分だけ補正され、新たなクランプ基準信号となる。クランプフィードバック回路全体としては、量子化誤差によるフリッカノイズを抑制するため、CDS/AGC/ADC回路201、202、203、204におけるA/D変換の量子化ビット精度よりも十分に高い精度でクランプ基準信号を算出することが必要である。このように算出されたクランプ基準信号が再度4チャンネル分のCDS/AGC/ADC回路201、202、203、204に入力する。
CDS/AGC/ADC回路201、202、203、204は、アナログクランプ回路を内蔵ており、クランプフィードバック回路によってフィードバックされた新たなクランプ基準レベルをもちいて4チャンネル別々にアナログクランプされる。
このようにアナログクランプ処理は4チャンネル別々に行われるものの、クランプ基準信号は4チャンネル共通であり、特定のチャンネルのみOB画素領域に傷画素があったり、ノイズが大きくても、該当チャンネルだけクランプ基準信号が変動するといったことはない。クランプレベルを全チャンネルのOB画素を用いて算出しているため、1チャンネルのみのOB画素を用いて算出する場合に比べ、サンプリング数を多くとることができるため、原理的に傷画素やノイズによる変動を起こしにくく、さらにたとえ傷画素やノイズによりクランプレベルが変動しても、全チャンネルに共通したクランプ基準レベルを用いているため、全チャンネルのクランプ基準レベルが等しく変動することになり、1枚の画像に合成したときに特定のチャンネルの画素だけ他のチャンネルの画素に比べてレベルが違うことによって縦に筋が走ったような画像になったり、チャンネル間の境界において画素レベルの段差が目立ったりするようなことはなく、画面上の低周波なシェーディング成分のみを補正することができる。この結果、黒レベルが安定した良好な画像が得られる。
図6を用いて、本発明の第2の実施例を説明する。
図6は実施例1における図5のブロック図において、クランプフィードバックコンデンサを4チャンネルのCDS/AGC/ADC回路210、211、212、213に別々に持たせたものである。
実施例1と同様に、初期状態において4つのクランプフィードバックコンデンサは4チャンネルで等しい所定のクランプ基準信号電圧を記憶している。CDS/AGC/ADC回路210、211、212、213から出力された画素データは画像処理回路215に入力すると同時に、OB画素領域の画像データのみが選択的にクランプレベル算出回路214に入力し、4チャンネル分のOB画素データを加算あるいは平均化等の処理を行い、クランプレベル目標値との差分を演算し、最終的にクランプレベル補正値を算出する。このクランプレベル補正値はデジタルデータのまま4チャンネルそれぞれのCDS/AGC/ADC回路210、211、212、213に入力する。CDS/AGC/ADC回路210、211、212、213は入力されたクランプレベル補正値をD/A変換して各々のチャンネル別々に備えるクランプフィードバックコンデンサに記憶している現在のクランプ基準レベルを補正し、新たなクランプ基準レベルとする。ことで、アナログ信号のクランプ基準レベルを生成し、このクランプ基準レベルをもとに各チャンネル別々にアナログクランプする。
このようにすることで実施例1と同様に、チャンネル間で黒レベルが別々に変動することのない、良好な画像が得られる。
さらに、CDS/AGC/ADC回路210、211、212、213における相関二重サンプリング処理の際に、各チャンネルで信号部のレベルに対するフィードスルー部のレベルが異なっている等の理由で、画面全体で各チャンネルがオフセット差を持っているような場合は、黒レベルの変動が各チャンネルで等しくても、1枚の画像にしたときにチャンネル間の境界が目立ってしまい、良好な画質が得られない場合がある。
このオフセット差があらかじめわかっている場合は、チャンネル間のオフセットを取り除くようにオフセット補正データを決定し、CDS/AGC/ADC回路210、211、212、213に設定する。4チャンネルそれぞれのCDS/AGC/ADC回路210、211、212、213はそれぞれのオフセット補正データが設定されたら、初期状態におけるクランプフィードバックコンデンサのクランプ基準信号電圧をチャンネル間のオフセット差がなくなるように補正する。この状態で、クランプフィードバック回路214からのクランプレベル補正値が入力されることで、画面縦方向のシェーディングの分だけ4チャンネルそれぞれのクランプ基準レベルが補正される。
このクランプ基準レベルをもとにアナログクランプすることで、1枚の画像にしたときにチャンネル間の境界が自然で良好な画質が得られる。
図7および図8を用いて、本発明の第3の実施例を説明する。
図7は、実施例2の図6に対し、画面の領域によって、全チャンネルのOB画素を用いて算出したクランプ基準レベルを用いるか、各チャンネル別々のOB画素を用いて算出したクランプ基準レベルを用いるかを切り替えるようにしたものである。
図8のようにOB画素を有効画素の上側と左側にそれぞれ備えた多チャンネル出力の撮像素子の場合、まず最初に画面上側のOB画素領域から読み出され、画面上側のOB画素領域がすべて読み出された後に、OB画素と有効画素を含むラインが読み出される。
図8の撮像素子において画面上部2ラインを読み出しているときには、1ラインすべてがOB画素となるので、4チャンネルに分割して読み出した場合でも平均化等の処理によってノイズや傷画素の影響を抑えるのに十分な数のOB画素を用いてクランプレベルを算出することができる。図8において画面上部の2ラインを読み出すときには、スイッチを下側に倒した状態にしておく。CDS/AGC/ADC回路217、218、219、220から出力された画像データは画像処理回路226に入力すると同時に、すべてのOB画素データが個別チャンネルクランプレベル算出回路221、222、223、224にも入力する。個別チャンネルクランプレベル算出回路221、222、223、224は4チャンネルそれぞれのOB画素データを加算もしくは平均化等の処理を行った後、目標クランプレベルとの差分を算出して、最終的に現在のクランプレベルの補正量を演算する。この補正量はデジタルデータのままのCDS/AGC/ADC回路217、218、219、220に入力し、それぞれのチャンネル毎に備えたクランプレベルフィードバックコンデンサに記憶されている現在のクランプ基準レベルを補正して新たなクランプ基準レベルとし、この出力を用いてアナログクランプする。画面上部2ラインのアナログクランプによって4チャンネルそれぞれのクランプ基準レベルを概略目標クランプレベルと等しい出力に到達するように補正することで、各チャンネルにDC的なオフセット差が存在しても、オフセット差を取り除くことができる。
次に画面上から3ライン目以降の有効画素を含むラインを読み出すときには、スイッチを上側に倒し、実施例2の場合と同様に全チャンネル共通クランプレベル算出回路の出力を用いてクランプレベル補正値を算出する。CDS/AGC/ADC回路217、218、219、220から出力された画像データは画像処理回路226に入力すると同時に、OB画素領域の画像データのみが選択的に全チャンネル共通クランプレベル算出回路225にも入力する。全チャンネルクランプレベル算出回路225は4チャンネル分のOB画素データを加算あるいは平均化等の処理を行い、クランプレベル目標値との差分を演算し、最終的にクランプレベル補正値を算出する。このクランプレベル補正値はデジタルデータのまま4チャンネルそれぞれのCDS/AGC/ADC回路217、218、219、220に入力する。各々のチャンネルのクランプフィードバックコンデンサは、画面上部の2ラインを各チャンネル別々にクランプしたクランプ基準レベルを記憶しており、CDS/AGC/ADC回路217、218、219、220が全チャンネル共通クランプレベル算出回路からのクランプレベル補正値によってクランプ基準レベルを補正する際には、現在記憶している各チャンネル別々のクランプ基準レベルに対して差分のみを補正することになる。このようにして新たなクランプ基準レベルを生成し、このクランプ基準レベルをもとに各チャンネル別々にアナログクランプする。
このときに、CDS/AGC/ADC回路217、218、219、220から出力されたOB画素のデータは、傷画素やノイズ以外のDC的なオフセット成分は画面上部2ラインのOB画素を各チャンネル別々にクランプしたことで、ほぼ同じレベルになっていると考えられるので、全チャンネル共通クランプレベル算出回路225によってクランプレベル補正値を算出することで各チャンネル間のDC的なオフセット差は取り除かれたままで、傷画素やノイズ成分によるOB画素の変動をおさえ、画面上の低周波シェーディング成分も補正されて、黒レベルが安定する。この結果、1枚の画像にしたときにチャンネル間で不自然なレベル差のない、理想的な画像が得られることになる。
100 主レンズ
101 撮像素子
102 CDS/AGC/ADC回路
103 CDS/AGC/ADC回路
104 CDS/AGC/ADC回路
105 CDS/AGC/ADC回路
106 タイミング制御/駆動回路
107 メモリー
108 画像処理回路
109 全体制御CPU
110 カメラ操作スイッチ
111 モニター
112 不揮発性メモリー
200 撮像素子
201 CDS/AGC/ADC回路
202 CDS/AGC/ADC回路
203 CDS/AGC/ADC回路
204 CDS/AGC/ADC回路
205 クランプレベル算出回路
206 画像処理回路
207 クランプフィードバック回路
208 D/Aコンバータ
209 撮像素子
210 CDS/AGC/ADC回路
211 CDS/AGC/ADC回路
212 CDS/AGC/ADC回路
213 CDS/AGC/ADC回路
214 クランプレベル算出回路
215 画像処理回路
216 撮像素子
217 CDS/AGC/ADC回路
218 CDS/AGC/ADC回路
219 CDS/AGC/ADC回路
220 CDS/AGC/ADC回路
221 個別チャンネルクランプレベル算出回路
222 個別チャンネルクランプレベル算出回路
223 個別チャンネルクランプレベル算出回路
224 個別チャンネルクランプレベル算出回路
225 全チャンネル共通クランプレベル算出回路
226 画像処理回路
101 撮像素子
102 CDS/AGC/ADC回路
103 CDS/AGC/ADC回路
104 CDS/AGC/ADC回路
105 CDS/AGC/ADC回路
106 タイミング制御/駆動回路
107 メモリー
108 画像処理回路
109 全体制御CPU
110 カメラ操作スイッチ
111 モニター
112 不揮発性メモリー
200 撮像素子
201 CDS/AGC/ADC回路
202 CDS/AGC/ADC回路
203 CDS/AGC/ADC回路
204 CDS/AGC/ADC回路
205 クランプレベル算出回路
206 画像処理回路
207 クランプフィードバック回路
208 D/Aコンバータ
209 撮像素子
210 CDS/AGC/ADC回路
211 CDS/AGC/ADC回路
212 CDS/AGC/ADC回路
213 CDS/AGC/ADC回路
214 クランプレベル算出回路
215 画像処理回路
216 撮像素子
217 CDS/AGC/ADC回路
218 CDS/AGC/ADC回路
219 CDS/AGC/ADC回路
220 CDS/AGC/ADC回路
221 個別チャンネルクランプレベル算出回路
222 個別チャンネルクランプレベル算出回路
223 個別チャンネルクランプレベル算出回路
224 個別チャンネルクランプレベル算出回路
225 全チャンネル共通クランプレベル算出回路
226 画像処理回路
Claims (3)
- 複数チャンネルの出力端子を有する撮像素子を備え、複数チャンネルの出力それぞれに対してアナログクランプ処理を行う際、全チャンネルのOB画素の情報を演算することでクランプレベルを決定し、該算出したクランプレベルに従って各々のチャンネル出力のクランプ処理を行うことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置において、該複数のアナログクランプ回路は、各々にクランプレベルオフセット補正回路を有し、全チャンネル分のOB画素の演算により決定したクランプレベル信号に対し、各チャンネル別々にオフセット補正を行うことを特徴とする撮像装置。
- 複数チャンネルの出力端子を有する撮像素子を備え、複数チャンネルの出力それぞれに対してアナログクランプ処理を行う際、画面の領域によって、各チャンネル別々のOB画素をもちいてクランプレベルを算出するか、すべてのチャンネルのOB画素をまとめてクランプレベルを算出するかを切り替え、該算出したクランプレベルに従って各々のチャンネル出力のクランプ処理を行うことを特徴とする撮像装置。
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- 2004-09-17 JP JP2004271523A patent/JP2006086971A/ja not_active Withdrawn
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