JP2006085029A - 感光性ポリシラザン膜を用いたパターン形成方法 - Google Patents

感光性ポリシラザン膜を用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 引き置きによるパターンの寸法変動を抑制し、精度よいパターンを再現性よく製造する方法の提供。
【解決手段】 (1)基板上にポリシラザン化合物および光酸発生剤を含んでなる感光性組成物の塗膜を形成させる工程、(2)塗膜を像様露光する工程、(3)塗膜を弱アルカリ性水溶液に浸漬する工程、および(4)現像する現像工程を含んでなるパターン形成方法、およびそれにより得られたパターンを焼成してシリカ質膜を製造する方法。このシリカ質膜は、半導体デバイスに応用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリシラザン化合物を含む感光性組成物を用いてパターン化されたポリシラザン膜およびシリカ質膜を形成させる方法に関するものである。
半導体デバイスや液晶表示装置の製作においては、層間絶縁膜をはじめ様々な要素がパターニング加工されている。このような要素は、一般に半導体デバイス等の製造工程において400℃を超える高温に晒される。従って、有機材料では耐熱性が不十分であり、無機材料の使用が望まれる。かかる無機材料としては、パターン化されたシリカ質膜が、耐熱性の他、耐磨耗性、耐蝕性、絶縁性、透明性、等にも優れた被膜として半導体デバイス、液晶表示装置、プリント回路基板、等において有用であることが知られている。
また、半導体デバイス等の加工は微細化の一途をたどっており、このために薄膜レジストを用いた多層レジストプロセスが必要になってきている。そして、加工寸法が微細になると共に、寸法ばらつきに対する要求がより厳しくなってきており、レジストプロセスにおける寸法ばらつきの小さなレジスト材料が望まれている。
このような観点から、ポリシラザン化合物を含む感光性組成物を基板上に塗布し、像様露光し、現像することでパターンを形成させる方法、およびさらに焼成することでパターン状シリカ質膜を形成させる方法が検討されている(例えば特許文献1)。このような従来のパターン形成方法では、基本的には以下のような工程からなる。
(1)感光性組成物の塗布
(2)プリベーク
(3)露光
(4)加湿処理
(5)現像
このような製造方法によりパターンを形成する場合、各工程における処理条件をすべて同じにしても、製造される製品に性能差が生じることがある。特に露光処理を終えた後、加湿処理を行うまで放置(以下、引き置きという)すると、形成されるパターンのスペース部寸法が変化することがある。これは大気中の水分によって、本来、光が照射されない露光部の外周部において、光の漏れや散乱などによって少量の光によって照射された部分のポリシラザン化合物がシラノールに変化する反応が起きるためと考えられる。その結果、最終的に得られるパターンの寸法が安定せず、歩留まりの低下に結びつく。
このような問題を解決するには、引き置き時間を短くすることが考えられるが、従来の製造工程を利用した場合にはそれが困難であり、極めて高い精度を要求されるパターン寸法に対して十分な安定性を得ることは困難であった。
特開2001−288270号公報 特開2002−072504号公報
精度のよいパターンを有するシリカ質膜、あるいはフォトレジストをばらつき無く製造するためには、前記の問題点を解決する必要があり、引き置き時間の影響を受けない、すなわち歩留まりのよいパターン形成方法が望まれていた。
本発明によるパターン形成方法は、下記の工程を含んでなることを特徴とするものである:
(1)ポリシラザン化合物および光酸発生剤を含んでなる感光性組成物を基板上に塗布してポリシラザン化合物膜を形成させる塗布工程、
(2)ポリシラザン化合物膜を像様露光する露光工程、
(3)露光後のポリシラザン化合物膜をpH7〜11のアルカリ性水溶液に浸漬するアルカリ性水溶液処理工程、および
(4)ポリシラザン化合物膜の露光部分を除去して現像する現像工程。
また、本発明によるシリカ質膜の製造法は、前記のパターン形成方法により形成されたパターンを焼成し、パターン化されたシリカ質膜を形成させるものである。
また、本発明によるシリカ質膜は、前記のシリカ質膜の製造法により製造されたモノである。
さらに本発明による半導体デバイスは、前記のシリカ質膜を具備してなるものである。
本発明によれば、引き置き時間の変化によるパターンのスペース部等の寸法の変動が抑制され、精度および再現性のよいパターンが得られ、さらに製品間の精度のばらつきがないパターンを形成させることができる。パターンの精度に優れ、またばらつきが少ないために、精度のよい半導体デバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
本発明の方法に用いられる感光性組成物は、ポリシラザン化合物を含んでなる。このポリシラザン化合物は特に限定されないが、下記一般式(I)〜(III)の構成単位を少なくともひとつ含むものが好ましい。
Figure 2006085029
ここで、R〜Rは、各々独立に、水素、炭素数1〜3のアルキル基、置換もしくは無置換フェニル基を表す。
本発明において、ポリシラザン化合物は前記(I)〜(III)の構成単位からなるものが好ましい。このとき、R〜Rは、各々独立に選ぶことができ、したがって、すべての構成単位で同一であっても異なってもよく、またある構成単位と他の構成単位との間でも同一であっても異なってもよい。例えば、R〜Rの一部がメチルであり、その残部が水素であること、R、RおよびRの一部が水素であり、その残部がメチルであること、またRがメチルであり、R、R、RおよびRがメチルまたはフェニルであること、等、いずれも可能である。好ましくは、RおよびRはメチル基またはフェニル基であることが最も好ましい。また、基本構成単位及び他の構成単位の両方において、R、RおよびRは水素であることが好ましい。なお、これらの構成単位からなるポリシラザン化合物の末端基はR〜Rより任意に選択することができる。好ましいポリシラザン化合物は、一般式(II)の構成単位を主として含む、ポリアルキルシラザン、特にポリシルセスキアザンである。
本発明のポリシラザン化合物は、前記一般式(I)〜(III)の構成単位を下記のモル比で含むことが好ましい。
構成単位(I) :0.1〜100モル%、好ましくは1〜30モル%、
構成単位(II) :0〜99.9モル%、好ましくは70〜99モル%、
構成単位(III):0〜50モル%、好ましくは0〜20モル%
ここで、ポリシラザン化合物の安定性を高く保ち、保存時にポリシラザン化合物間での重合を防ぐという観点から、構成単位(I)の割合が高いことが好ましい。
本発明に用いることができるポリシラザン化合物の数平均分子量は100〜100,000、好ましくは500〜5000の範囲にある。ポリシラザン化合物の数平均分子量が100よりも低いと塗膜に流動性が生じ、反対に100,000よりも高いと溶媒への溶解が困難となり、いずれも好ましくない。
本発明に用いられる感光性組成物は、光酸発生剤をさらに含んでなる。光酸発生剤は、その固有の感光波長域にある光の照射により直接的にまたは、さらに増感色素(詳細後述)を使用する場合にはその増感色素が励起される波長域にある光の照射により間接的に、励起状態にされる。励起状態となった光酸発生剤によりポリシラザン化合物のSi−N結合が開裂し、ダングリングボンドの状態を経て雰囲気中の水分との反応することによりシラノール(Si−OH)結合が生成するものと考えられる。シラノールは後述の現像液に可溶であるため、感光性組成物の塗膜の光照射部分のみが溶解除去され、ポジ型のパターニングが達成される。
光酸発生剤の一例として過酸化物を挙げることができる。光酸発生剤として用いることのできる過酸化物系の具体例としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、t−ブチルペルオキシベンゾエート、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、n−ブチル 4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、m−トルオイルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ 2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ 2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシ 3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−(m−トルオイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ 2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−m−トルオイルベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルペルオキシド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゼン、等が挙げられる。
光酸発生剤は、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルまたはニトロベンジルエステルであることもできる。ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル系の光酸発生剤の具体例として、1,2−ナフトキノン−(2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノン−(2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライド、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−ナフタレン−1−スルホン酸との(モノ〜トリ)エステル、2,3,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノンと6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−ナフタレン−1−スルホン酸との(モノ〜トリ)エステル、等が挙げられる。ニトロベンジルエステル系の光酸発生剤の具体例として、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシレート、ニトロベンジルクロライド、ジニトロベンジルクロライド、ニトロベンジルブロミド、ジニトロベンジルブロミド、ニトロベンジルアセテート、ジニトロベンジルアセテート、ニトロベンジルトリクロロアセテート、ニトロベンジルトリフルオロアセテート、等が挙げられる。その他の光酸発生剤としてベンゾイントシレート、ニトロベンジルスルホン酸類、オニウム塩類〔例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩やトリフェニルスルホニウム塩〕、等も有用である。必要に応じてこれらの光酸発生剤を組み合わせて使用することもできる。
感光性組成物を一定期間以上保存しなければならない場合には、ニトロベンジルスルホン酸エステルをはじめとする一部の光酸発生剤については、保存時にポリシラザン化合物から遊離する微量のNHによって分解されるおそれがある。このような場合には、耐塩基性の光酸発生剤を選択することにより感光性組成物の保存安定性を向上させることができる。そのような耐塩基性の光酸発生剤としては、イミノスルホネート誘導体、ジスルホン誘導体、ジアゾメタン誘導体の他、4−メトキシ−α−((((4−メトキシフェニル)スルホニル)オキシ)イミノ)ベンゼンアセトニトリルのようなスルホキシム系化合物及び2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンのようなトリアジン系化合物が挙げられる。
本発明による感光性組成物は、上記光酸発生剤を、その種類及び用途に応じ、一般にポリシラザン化合物重量に対して0.05〜50重量%の量で含有する。光酸発生剤の含有量が0.05重量%よりも少ないと、分解反応速度が極めて遅くなり、反対に50重量%よりも多くなると、ポリシラザン化合物由来の特徴である緻密な膜が得難くなる。光酸発生剤は、ポリシラザン化合物重量に対して0.1〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%の量で含まれることが好ましい。
本発明による感光性組成物に増感色素を混合すると有利な場合がある。光酸発生剤によっては、例えば3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンのように、それ自体が励起される波長域が約330nmより短いものがある。光照射を、KrF系(248nm)、ArF系(193nm)、等のエキシマレーザーを使用して行う場合には、光酸発生剤が直接励起されるので増感色素は必要がない。しかしながら、高圧水銀灯(360〜430nm)などの安価な光源を用いる場合には、当該波長域で励起される増感色素を組み合わせることにより間接的に光酸発生剤を励起させることができる。このように、増感色素を組み合わせることにより、本発明の感光性組成物は常用の安価な光源や電子線を用いたパターニングが可能となる。
本発明に用いられる感光性組成物に使用することができる増感色素として、クマリン、ケトクマリン及びそれらの誘導体、チオピリリウム塩、等、具体的には、p−ビス(o−メチルスチリル)ベンゼン、7−ジメチルアミノ−4−メチルキノロン−2、7−アミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−ピリジルメチルヨージド、7−ジエチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−メチルキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリン、7−エチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−カルボエトキシキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、3−(2’−N−メチルベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、N−メチル−4−トリフルオロメチルピペリジノ−<3,2−g>クマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−ベンゾチアゾリルエチルヨージド、3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、並びに下式で表されるピリリウム塩及びチオピリリウム塩が挙げられる。
Figure 2006085029
さらに別の増感色素の具体例として以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006085029
特に好適な増感色素は、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン及び7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロエチルクマリンである。増感色素を組み合わせる場合、本発明による感光性組成物中、上記増感色素を、ポリシラザン化合物重量に対して一般に0.05〜50重量%、好ましくは1〜20重量%の量で含有させればよい。
本発明による感光性組成物に増感色素を混合した場合には、得られる被膜が着色することがある。当該組成物をフォトレジストとして使用する場合には、所望のパターニング加工の終了後に当該レジストを除去するので、レジストの着色が問題となることはほとんどない。しかしながら、本発明の感光性組成物を用いてパターニングされた層間絶縁膜を製作する場合など、増感色素を含む被膜をパターニング後に除去することなく使用する場合には、焼成後の被膜が可視光に対して透明であることが必要な場合もある。このような場合でも、本発明の感光性組成物に含まれる光酸発生剤が被膜焼成時に増感色素を分解して被膜を透明化することが可能である。さらに、光反応には直接関与しないが、被膜焼成時に増感色素を分解せしめる酸化触媒を本発明の感光性組成物に別途添加することにより、一層透明な被膜を得ることができる。このような酸化触媒の例として、プロピオン酸パラジウム、酢酸パラジウム、アセチルアセトナート白金、エチルアセトナート白金、パラジウム微粒子、白金微粒子などの金属の有機化合物や微粒子等が挙げられる。酸化触媒を添加する場合、本発明による感光性組成物中、ポリシラザン化合物重量に対して一般に0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で含有させればよい。また、このような酸化触媒を添加することにより、不要な色素を分解し脱色する他、ポリシラザン化合物のセラミックス化を促進することもできる。
本発明の別の態様として、上記の感光性組成物に顔料を添加することにより、耐熱性、絶縁性、硬度に優れパターン精度の良好なカラーフィルターやブラックマトリックスの作製に適した感光性組成物を得ることができる。本発明による顔料を含有する感光性組成物から得られるカラーフィルターやブラックマトリックスは、顔料がシリカ系セラミックス中に分散されているため、酸素が遮断され耐熱性(高温での耐酸化性)に優れると共に、顔料自体が導電性であってもカラーフィルターやブラックマトリックスとしては絶縁体となる。また、シリカ系セラミックス膜はアクリルやポリイミドといった一般的な有機膜と比べて硬度が高いので、カラーフィルターやブラックマトリックスの表面での作業性(膜の堆積、配線付け、ボンディング作業)が良好となり、歩留りを高めることができる。さらに、加熱時にセラミックス膜から発生する脱ガス量も一般的な有機膜から発生する脱ガス量よりも非常に少なくなる。
本発明の感光性組成物に添加することができる顔料の例として、グラファイト、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、銅クロム系ブラック、銅鉄マンガン系ブラック、コバルト鉄クロム系ブラック、等が挙げられる。顔料添加量は、一般にポリシラザン重量に対して0.05〜1000重量%、好ましくは10〜500重量%である。
溶剤を使用する場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、等の芳香族化合物;シクロヘキサン;シクロヘキセン;デカヒドロナフタレン;ジペンテン;n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン、等の飽和炭化水素化合物;エチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;p−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、等のエーテル類;メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、ステアリン酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル類、等を使用することが好ましい。これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、2種類以上の溶剤を混合してもよい。
溶剤の使用量(割合)は、採用するコーティング方法により作業性がよくなるように選択され、また用いるポリシラザン化合物の平均分子量、分子量分布、その構造によって異なるので、適宜、自由に混合することができる。しかしながら、ポリシラザン化合物の安定性や製造効率を考慮し、ポリシラザン化合物濃度は好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜40重量%とすることが好ましい。
また、本発明による感光性組成物に、必要に応じて適当な充填剤及び/または増量剤を加えることができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あるいは炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げられる。また用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅等の金属粉末の添加も可能である。これら充填剤は、針状(ウィスカーを含む。)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独または2種以上混合して用いることができる。また、これら充填剤の粒子の大きさは1回に適用可能な膜厚よりも小さいことが望ましい。また充填剤の添加量はポリシラザン化合物1重量部に対し、一般に0.05重量部〜10重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2重量部〜3重量部の範囲である。本発明の感光性組成物には、必要に応じてその他の添加剤、たとえば各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。
また、現像工程における現像効率を高めるため、当該技術分野でいわゆる溶解防止剤として知られている化合物を本発明の感光性組成物に添加することができる。一般的な溶解防止剤は、その疎水性により、塗膜の未露光部においてポリマーがアルカリ現像液に溶出することを防止するが、露光部においては露光によりまたは光酸発生剤により溶解防止剤自体が分解して親水性となることによりポリマーの分解を促進する作用を有している。上述したように、本発明によるポリシラザン化合物は現像液には溶解しないため、溶解防止剤の未露光部の溶出防止作用というメリットを享受することはほとんどないが、露光部の溶解促進作用が有利に働くことがわかった。すなわち、本発明の感光性組成物にいわゆる溶解防止剤を添加することにより、露光部の溶解速度が高くなるという点において、現像効率を向上させることができる。このような溶解防止剤の具体例として、t−ブトキシカルボニル(以下、t−BOC)化カテコール、t−BOC化ヒドロキノン、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸t−ブチルエステル、4,4’−オキシジ安息香酸t−ブチルエステル、等が挙げられる。溶解防止剤は、感光性組成物に対して0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で添加することができる。
本発明に用いられる感光性組成物の調製は、ポリシラザン化合物、光酸発生剤、およびその他の添加剤を混合することにより行われる。光酸発生剤が均一になるよう混合することが好ましく、そのためには各成分を十分に攪拌しながら混合することや、それぞれを溶剤に溶かして希釈してから混合することが望ましい。特に、混合に際して光酸発生剤が固体である場合には、これを溶剤に溶かしてから混合することが好ましい。添加時の温度や圧力に特に制限はなく、室温、大気圧下で添加を行うことができる。但し、光酸発生剤が励起されないよう、その添加時から後述の現像工程に至るまでは、使用する光酸発生剤の感光波長を含まない環境下、好ましくは暗所、で作業することが望ましい。
本発明によるパターン形成方法は、前記のポリシラザン化合物を含んでなる感光性組成物の塗膜を形成させる工程(塗布工程)と、前記塗膜を像様露光する工程(露光工程)と、露光後の塗膜をpH7〜11のアルカリ化合物水溶液に浸漬する工程(アルカリ性水溶液処理工程)と、前記塗膜の照射された部分を溶解除去する工程(現像工程)とを含んでなる。
本発明による感光性組成物の塗膜の形成は、一般的な塗布方法、即ち、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー塗り、スピンコート、等の方法を採用し、シリコン基板、ガラス基板、等の適当な基板上で行うことができる。また、基材がフィルムである場合にはグラビア塗布も可能である。所望により塗膜の乾燥工程を別に設けることもできる。塗膜は必要に応じて1回または2回以上繰り返して塗布することにより所望の膜厚とすることができる。所望の膜厚は用途により異なるが、例えば、フォトレジストの場合には0.05〜2μm、層間絶縁膜の場合には0.5〜4μm、カラーフィルターやブラックマトリックスの場合には0.3〜3μm、等が目安となる。
本発明の感光性組成物の塗膜を形成した後、該塗膜を乾燥させ、かつその後の脱ガス量を減少させるため、該塗膜をプリベーク(加熱処理)することが好ましい。プリベーク工程は、一般に40〜200℃、好ましくは60〜120℃の温度で、ホットプレートによる場合には一般に10〜180秒間、好ましくは30〜90秒間、クリーンオーブンによる場合には一般に1〜30分間、好ましくは5〜15分間、実施することができる。
本発明の感光性組成物の塗膜を形成し、必要に応じてプリベーク処理した後、該塗膜に光照射して像様露光する。このような光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザー、電子線等を使用することができる。照射光としては半導体のような超微細加工を除き、435nm以下の波長の光、特に360〜430nmの光(高圧水銀灯)を使用することが一般的である。中でも、液晶表示装置の場合には430nmの光を使用することが多い。このような場合に本発明の感光性組成物に増感色素を組み合わせると有利であることは上述した通りである。照射光のエネルギーは、光源や所期の膜厚にもよるが、一般に5〜4000mJ/cm、好ましくは10〜2000mJ/cmとする。このエネルギーが5mJ/cmよりも低いとポリシラザン化合物が十分に分解せず、反対に4000mJ/cmよりも高いと、露光過多となり、ハレーションの発生を招く場合がある。
像様露光するためには一般的なフォトマスクを使用を用いることができるが、そのようなフォトマスクについては当業者であれば周知である。また、電子線等を用いて走査露光することもできる。照射の際の環境は、一般に周囲雰囲気(大気中)、窒素雰囲気、または真空中とすればよいが、ポリシラザン化合物の分解を促進するために酸素含有量を富化した雰囲気を採用してもよい。
像様照射を受けた感光性組成物の露光部分では、ポリシラザン化合物のSi−N結合が開裂し、ダングリングボンドの状態を経て雰囲気中の水分との反応することによりシラノール(Si−OH)結合が生成し、ポリシラザン化合物が分解する。照射後の塗膜を現像することにより、感光性組成物の露光部分が除去され、未露光部分が基板上に残留してパターン(ポジ型)が形成される。残留するポリシラザン化合物は後述の現像液にはほとんど膨潤しないので、照射光のパターンと分解除去されるポリシラザン化合物のパターンはほぼ完全に一致し、良好なパターン精度(解像度)が得られる。
ところが、一般的な製造工程では露光後の塗膜が引き続く現像工程に移されるまでに放置(引き置き)されることが多い。これは製造工程において、各工程が独立に行われることに起因するものであって、その引き置き時間は各バッチ内またはバッチ間で一定にすることが困難である。このような引き置き時間が長いと、例えばパターンのスペース部寸法が増大することがあり、それによってパターンの再現性が劣化してしまう。これは、露光済みの塗膜が引き置きされると、大気中の水分と光酸発生剤とによって、本来、光が照射されない露光部の外周部において、光の漏れや散乱などによって少量の光によって照射された部分においてもシラザンの分解が徐々に進んでしまうためと考えられる。
このような問題点を解決するために、本発明によるパターン形成方法では、露光処理した塗膜をpH7〜11のアルカリ性水溶液に浸漬する工程を含んでなる。このような処理工程を組み合わせることで、引き置きによるパターン寸法の変化および再現性の劣化を防止することができる。これは以下のような理由によるものと考えられる。露光後の塗膜の内部では、引き置き時間に応じて、前記した露光部分の外周部分におけるポリシラザン化合物の分解が進む。このポリシラザン化合物の分解によりシラノールが生成する。この塗膜を現像すると、シラノールの量に応じた像が形成されるため、引き置き時間が変化するとパターン寸法が変化する。一方、本発明の方法によると、露光後の塗膜をアルカリ性水溶液に浸漬する。このとき、引き置き時間に応じて塗膜の表面状態が変化し、引き置き時間が長いほどアルカリ性水溶液が浸透しやすくなる。この結果、引き置き時間に応じたアルカリ性化合物を塗膜内に浸透させることができる。そして、塗膜内のアルカリ性化合物は塗膜内の酸を中和し、さらなるポリシラザン化合物の分解を抑制する。特にアルカリ水溶液に浸漬した後に加湿処理を行う場合には、加湿処理によるポリシラザンの分解を抑制する。このため、同様のアルカリ性水溶液浸漬処理を行っても、引き置き時間が少ない場合にはポリシラザン分解抑制効果が小さく、引き置き時間が長くなるほどポリシラザン分解抑制効果がおおきくなる。この結果、アルカリ性水溶液浸漬処理を行うと引き置き時間が変化しても、ポリシラザンの分解量、言い換えればシラノールの生成量がほぼ一定となり、パターンの寸法変化が抑制され、安定してパターンを形成させることができる。
このようなアルカリ性水溶液は、pHが7〜11のものであれば任意のものを用いることができるが、特にpHが8〜10のものが好ましい。ここで、pHが7以下であると本願発明の効果が発現しない。また、pHが11を超えたアルカリ性水溶液を用いると、引き置きを行った場合には引き置きによって生じたシラノールにより現像され、従来のように所期の寸法とは異なったパターンが現像されてしまう。さらに引き置きせず、露光直後にpH11を超えるアルカリ性水溶液を用いて処理すると、膜中の酸が全て中和されてしまい、仮にその後に加湿処理を行ったとしてもポリシラザン化合物の分解が進行せず、さらに現像してもパターンを形成することができない。
ここで用いられるアルカリ性水溶液は現像液に対してpHが低く、仮にこのアルカリ性水溶液を現像液の代用として用いようとすると、現像が不十分となって性状のパターンを得ることはできない。このようなアルカリ性水溶液は一般にアルカリ性化合物を含んでなるものであり、アルカリ性化合物を水に溶解させることで得られる。用いることができるアルカリ性化合物としては、例えば(イ)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アミン、(ロ)酢酸テトラメチルアンモニウム等の有機アミンのカルボン酸塩、(ハ)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、(ニ)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、(ホ)リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機カルボン酸のナトリウムまたはカリウム塩が挙げられる。これらのアルカリ性化合物から2種類以上のアルカリ性化合物を併用することもできる。これらのうち、取り扱い性の観点から、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましい。また、アルカリ性水溶液に必要に応じて任意の添加剤、例えば界面活性剤等、を添加することもできる。
露光済みの塗膜をこれらのアルカリ性水溶液に浸漬する時間は、塗膜中に含まれる光酸発生剤の種類および量、用いるアルカリ性水溶液の種類等により変化するが、一般に15秒〜2分、好ましくは30秒〜1分、である。浸漬後の塗膜は、必要に応じて、純水などで洗浄(リンス)することができる。
アルカリ性水溶液に浸漬された後、必要に応じて引き置きされた塗膜は、必要に応じて引き続き加湿処理に付される。このような加湿処理により、露光部分におけるポリシラザンの分解が促進され、処理時間の短縮をはかることができると共に、感度の改善も可能となる。
加湿処理は、水蒸気を含む雰囲気に塗膜を曝す場合には、20〜100℃、相対湿度35〜90%で行うのが一般的である。アルカリ性水溶液に浸漬した後に洗浄処理をした場合は、その洗浄を加湿処理の代用とすることもできる。
加湿処理に引き続いて、感光性ポリシラザン化合物組成物の露光部分の除去、すなわち現像を行う。この現像工程に際しては、現像液としてアルカリ水溶液を使用することができる。このようなアルカリ水溶液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等の水溶液が挙げられる。本発明における現像では、業界標準のアルカリ現像液である約2%のTMAH水溶液を使用すると便利である。現像に要する時間は、膜厚や溶剤にもよるが、一般に0.1〜5分、好ましくは0.5〜3分である。また、現像処理温度は、一般に20〜50℃、好ましくは20〜30℃、である。
現像により、ポリシラザン膜の露光部分が除去され、パターン形成が完了する。パターン化されたポリシラザン化合物膜は、そのまま化学耐性の強いフォトレジストとして用いることができる。本発明によるフォトレジストはポジ型であるため解像度が高く、しかも耐ドライエッチング性の高いフォトレジストとなる。特に、本発明によるフォトレジストは、耐酸素プラズマ性が高いので、2層レジスト法におけるシリコン含有レジストの代替材料として非常に有用である。本発明によるフォトレジストを保護膜として下層または基板をエッチングした後、用済みとなったフォトレジストを除去する。本発明のフォトレジストの除去には、上述の溶剤を使用してポリシラザン化合物を溶解除去するか、フッ素系ガスによるドライエッチングよって除去すればよい。
さらに、パターン化された膜を加熱焼成することにより、パターン化されたシリカ質膜を形成させることもできる。焼成を行うときの焼成条件はポリシラザン化合物の種類や、基板または電子部品等の耐熱性にもよって変化するが、焼成温度は一般に50〜1000℃、好ましくは150〜450℃であり、焼成時間は一般に5分以上、好ましくは10分以上である。焼成雰囲気は一般に周囲雰囲気(大気中)とすればよいが、ポリシラザン化合物の酸化を促進するために、酸素含有量および/または水蒸気分圧を富化した雰囲気を採用することもできる。また、特許文献2に記載されているように、塗膜を全面露光し、加湿処理してポリシラザン化合物のシラノール化を促進した後、焼成処理を行ってシリカ質膜を形成させてもよい。このようにして得られたシリカ質膜は、耐熱性の他、耐磨耗性、耐蝕性、絶縁性、透明性、等にも優れた被膜として半導体デバイス、液晶表示装置、プリント回路基板に有用なものである。
実施例1〜3
まず、参照例1として、以下の通りパターン形成を行った。
ポリシラザン化合物として、一般式(I)の構成単位(ここで、R、R=CH,R=Hである)を10モル%、一般式(II)の構成単位(ここで、R=CH、R=Hである)を90モル%含む変性ポリシルセスキアザン(数平均分子量2600)を準備した。このポリシラザン化合物の15重量%PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液に光酸発生剤2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンをポリメチルシラザンに対して1重量%添加し、更に増感色素7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロエチルクマリンをポリメチルシラザンに対して4重量%添加した。この溶液をシリコンウェハーにスピンコート(回転数2000rpm)し、塗膜を形成させた。塗膜の膜厚は0.35μmであった。この塗膜を110℃で1分間ホットプレート上で乾燥させた後、所定のパターンを有するフォトマスクを介して高圧水銀灯の光を10mJ/cm照射した。照射後直ちに25℃、80%相対湿度に調節されたチャンバー内に3分間置くことにより加湿処理して照射部の水分との反応を促進させた。その後テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38%水溶液(現像液)に塗膜を1分間浸漬したところ、塗膜の光照射部分が溶解して線幅1.0ミクロンのラインが形成された。
上記参照例1に対して、光酸発生剤の種類、露光条件、引き置き時間、アルカリ性水溶液の種類を変化させてパターン形成を行った。各条件は以下の通りである。
[光酸発生剤の種類]
A: 2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
B: トリフェニルスルホニウムトリフレート
C: t−ブチルペルオキシベンゾエート
いずれも添加量は1重量%
[露光条件]
高圧水銀灯: 10mJ/cmで所定のフォトマスクを介して照射
KrFエキシマレーザー光:20mJ/cmでフォトマスクを照射
エレクトロンビーム:20μC/cmでラインパターンを直描
[引き置き時間]
引き置きを行う場合には、光照射後に、23℃、50%相対湿度の環境下で引き置き、その後加湿処理またはアルカリ性水溶液浸漬処理を行う
[アルカリ性水溶液]
酢酸テトラメチルアンモニウム: 1重量%濃度水溶液(pH=8.0)
リン酸ナトリウム: リン酸ナトリウムpH標準液(pH=7.4であった)
ホウ酸ナトリウム: ホウ酸ナトリウムpH標準液(pH=9.2)
炭酸水素ナトリウム: 炭酸水素ナトリウムpH標準液(pH=10.0)
水酸化テトラメチルアンモニウム: 2.38重量%水溶液(PH=13.0)
アルカリ性水溶液で処理した場合は、その後純水で30秒リンスした。
得られた結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2006085029
*:線幅の欄におけるN/Aは、パターンが全く形成されなかったことを示す。
これらの結果より、本発明外の比較例では引き置きにより線幅変化が生じるのに対して、本発明の方法によれば、引き置き時間に関わらず線幅が一定であることが分かる。
実施例4
シリコンウェハーに下層レジスト層としてノボラック樹脂10重量%の乳酸エチル溶液をスピンコーティングし、250℃で2分間加熱することにより膜厚500nmの下層レジスト膜を形成させた。その後比較例に示したポリメチルシラザンの5重量%PGMEA溶液をスピンコーティングし、110℃で1分間加熱することにより膜厚100nmのポリメチルシラザン膜を形成させた。
その後EBを用いて20マイクロクーロン/cmで直描し、その後23℃、50%相対湿度の環境下で30分間置き引きし、その後酢酸テトラメチルアンモニウムの1重量%水溶液(pHを測定したところ8.0であった)に1分間浸漬した。
その後純水で30秒間リンスした。その後、25℃、80%相対湿度に調節されたチャンバー内に3分間置くことにより照射部の水分との反応を促進させた。その後テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38%水溶液(現像液)に塗膜を1分間浸漬したところ、塗膜の光照射部分が溶解して線幅0.1ミクロンのラインアンドスペースが形成された。
次に、マグネトロン型エッチング装置を用いて下層レジスト膜をドライエッチングしたところ、0.1ミクロンのラインアンドスペースパターンを形成することができた。ここでのエッチング条件は、ソースガスO/N=30/10SCCM、真空度0.5Pa、励起電力密度150W/cm、基板温度−30℃とした。
参照例5
ポリビニルフェノールの水酸基をt−ブトキシカルボニル基で保護したベースポリマーにトリフェニルスルホニウムトリフレートを1重量%含む化学増幅型レジストの15重量%PGMEA溶液をシリコンウェハーにスピンコート(回転数2000rpm)し、塗膜を形成させた。この塗膜を90℃で1分間ホットプレート上で乾燥させた後、所定のパターンを有するフォトマスクを介して高圧水銀灯の光を10mJ/cm照射した。その後、酢酸テトラメチルアンモニウムの1重量%水溶液(pH=8.0)に1分間浸漬した。純水で30秒間リンスした後、90℃で1時間ベークを行い、トラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38%水溶液(現像液)に塗膜を1分間浸漬したところ、パターンは全く形成されなかった。
比較例5
露光後、23℃、50%相対湿度の環境下で30分間引き置きをした後、酢酸テトラメチルアンモニウム水溶液に浸漬した他は、参照例5と同様に行った。この結果、パターンは全く形成されなかった。
参照例5および比較例5においてパターンが形成されなかったのは、露光後に酢酸テトラメチルアンモニウム水溶液に浸漬したことによって、膜中の酸がすべて中和されたためと考えられる。

Claims (9)

  1. 下記の工程を含んでなることを特徴とする、パターン形成方法:
    (1)ポリシラザン化合物および光酸発生剤を含んでなる感光性組成物を基板上に塗布してポリシラザン化合物膜を形成させる塗布工程、
    (2)ポリシラザン化合物膜を像様露光する露光工程、
    (3)露光後のポリシラザン化合物膜をpH7〜11のアルカリ性水溶液に浸漬するアルカリ性水溶液処理工程、および
    (4)ポリシラザン化合物膜の露光部分を除去して現像する現像工程。
  2. 前記ポリシラザン化合物が、ポリアルキルシラザンである、請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記アルカリ性水溶液が、酢酸テトラアルキルアンモニウムを含んでなるものである、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記アルカリ性水溶液が、リン酸、ホウ酸、または炭酸の、ナトリウム塩またはカリウム塩を含んでなるものである、請求項1または2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記アルカリ性水溶液のpHが8〜10である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. アルカリ性水溶液処理工程と現像工程との間に、ポリシラザン化合物膜を加湿する加湿処理工程をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に方法により形成されたパターンを焼成し、パターン化されたシリカ質膜を形成させる、シリカ質膜の製造法。
  8. 請求項7の方法により製造されたシリカ質膜。
  9. 請求項8のシリカ質膜を具備してなる半導体デバイス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008227465A (ja) * 2007-02-14 2008-09-25 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2013115198A (ja) * 2011-11-28 2013-06-10 Toshiba Corp パターン形成方法
JP2018081282A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 キヤノン株式会社 露光装置、および物品の製造方法

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