JP2006084379A - 原子力容器貫通管台の補修方法および補修装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉容器に設けられている貫通管台(2)の一端部を止栓(3)し、次に、貫通管台(2)の他端側より貫通管台の内面を切削加工し、次に、切削により発生した切削切粉を系外に除去した後、前記止栓(3)を取り外すことを特徴とする原子力容器貫通管台の補修方法。
【選択図】図1
Description
なお、前記ドリル装置による切削は、汎用のドリルやバイトなどの切削工具を駆動する装置を用いればよい。
まず、図1(a)に示すように、原子炉容器の下部鏡1に貫通して立設されている複数の貫通管台2の下端を止栓3により塞ぐ。
次に、ドリル装置(補修装置)4を原子炉建屋内のクレーン(図示せず)により吊り下げ、所定の貫通管台まで搬送し、図1の(b)に示すように、貫通管台2の上端部にドリル装置4を、固定機構6により取り付け固定する。
次に、ドリル装置4のドリル回転モータ5aを駆動して、ドリル5をa矢印方向に回転させると共に、ドリル送りモータ5bを駆動して、ドリル5をb矢印の下方方向に移動させ、貫通管台2の内面をドリル5により止栓3の手前まで切削加工する。
また、図1(b)において、7はドリル5の支持筒、7aは支持筒7側に固定されていて、ドリル送りモータ5bの回転により上下移動するラック歯を示す。
ドリル装置4内には、その先端部から出没することで、貫通管台2の内面を切削する切削工具であるドリル51を備えている。更に、貫通管台2への固定および解除機能を有する固定機構10と、固定機構10の固定を強制解除する非常時固定解除機構30と、ドリル51を駆動するドリル回転機構50と、ドリル51をドリル装置4の軸方向に移動させるドリル送り機構70と、ドリル51をドリル装置4内に収納する非常時ドリル引抜き機構90と、貫通管台2内に圧力水を吐出する貫通管台内面ブロー機構120と、ドリル装置4内の切削切粉を系外に除去する切粉回収機構160とを備えている。
また、ドリル装置4の先端部外周位置の下部外筒109に、貫通管台2の上端部を撮像して、貫通管台を確認する照明付カメラ113が設けられている。また、ドリル装置4の切削切粉収納空間4aを形成する下部外筒109に、ドリル51に水ジェットを吹付けてドリル51を清掃するドリル清掃用ノズル112(図3、6参照方)が設けられている。
(1)固定機構10
図2、3において固定機構10は、その下端部が貫通管台2の上部に挿入されて固定される。補修装置のこの部分への挿入は、建屋内のクレーンで工具吊金具105に接続された操作用ロッド(図示せず)を吊下げ、装置底部に設けた照明付カメラ115よりの画像を監視しながら手動にて挿入される。固定機構10には、図7に示すように、下部外筒109の底部に取付けられたシリンダ12、内部に収納される円錐状の内面を有するピストン13、この内側に設けられた工具固定用金具11等で構成される。工具固定用金具11は、円周上120°ピッチで合計3個所の位置でピストン13の内側に収納されている。
通常時の補修装置の固定及び固定解除は、前述の工具固定機構10により行われるが、万一、固定の解除が出来なくなった場合には、工具固定機構10に隣接して下部外筒109に支持されている非常時固定解除機構30(図7参照方)により解除を行う。非常時、固定を解除するための軸32は、図7に示すように、外筒37に収納され、上方には取扱工具の挿入を容易にするためのラッパ状のガイド36を設けている。このガイド36は、下方に位置する外筒37の上部に固定され、外筒37はサポート38を介して下部外筒109に固定されている。軸32の下方部は、ネジ35が加工されておりナット31とかみ合っている。
ナット31が上下移動することで、レバー33はピン34の回りを回転し、その他端はピストン13の上部と結合しているため、ピストン13が上下する構造である。従って、ピストン13を上方向に移動させるように軸32を取扱工具により回転させれば固定の解除が達成される。
貫通管台内面を切削するドリル51は、装置の上方に設けられた、図2に示すドリル回転機構50により回転駆動される。ドリル回転機構50は、上部外筒101内に収納され、ドリル送り用中空軸78の上端に設けられた蓋板91の上に取付けられる減速機付エアモータ54、その出力軸と結合する工具回転軸53、その下端に設けられたチャック機構52、このチャック機構により保持されるドリル51等より構成される。工具回転軸53は上,下端においてドリル送り用中空軸78の内面で支持されているベアリング57及び58により半径方向に支持されている。また、図3において、55はドリル駆動用のエア供給口、56はエア排出口を示す。
図2、3に示すドリル送り機構70は、ドリル回転機構50の先端に取付けられたドリル51を送るための機構であり、モータ71、減速機72、減速機72の出力軸に取付けられた平歯車73、この平歯車とかみ合っている平歯車74、この平歯車74の回転を伝えるシャフト75、シャフト75に取付けられドリル送り用中空軸78のネジ77とかみ合いこのドリル送り用中空軸78を上下方向に進めるための送りネジ76、ドリル送り機構70を支持している支持筒82等より構成されている。この支持筒82は、そのフランジ81が中間外筒106の中間外筒上フランジ107上にボルト80で取付けられている。又、中間外筒106は中間外筒下フランジ108、平板111、下部外筒上フランジ110、ボルト119等により下部外筒109に固定され最終的には、固定機構10のシリンダ12を介して貫通管台2に固定される構造である。
切削作業時のドリル51の引抜きは、ドリル送り機構70により行うが、非常時には、図2、3に示す非常時ドリル引抜き機構90によりドリル51の引抜きを行う。ドリル引抜き機構90は、上部外筒101の上端に設けられた蓋板104上に固定され、工具挿入時のガイド92とモータ軸とピン93により結合するモータ軸回転用軸91等より構成され、モータ軸と結合しているモータ軸回転用軸91を別途上方から挿入する工具にて手動回転することで、モータ軸を回転しドリル51の引抜き(ドリル装置4内への収納)を行う。
図1に示す貫通管台内面ブロー機構120は、チューブ挿入シリンダ121、ナイロンチューブ123、上下でナイロンチューブ123と結合しているステンレス製パイプ122、ブロー用のナイロンチューブ123を内装するステンレス製ガイド管124(図4、5参照方)等から構成されている。チューブ挿入シリンダ121はドリル送り機構70を固定している支持筒82の側面に固定されている。
スプリング取付金具130の上下端は、2本のガイド149を挟むように2枚の板150を配置し、下端側はボルト131により締付け、ガイド149の外周をスライドできる構造とし、ボルト131の端部にスプリング129の下端を固定している。スプリング129の上端は、ステンレス製パイプ122の下端に取付けられたナイロンチューブ123を接続するための接続金具132に固定されている。
(a)ナイロンチューブ吊下げ部分
装置内に収納されているナイロンチューブ123は、上部外筒101の蓋板104にコイル状に巻かれた状態で吊られているため、ナイロンチューブ123が貫通管台2内に挿入される場合は、コイルが伸ばされた状態になるが貫通管台2内から引抜いた状態ではコイル長が復元しナイロンチューブ123のたるみを解消している。
(b)ステンレス製パイプとピストンロッドの接続部
ナイロンチューブ123と上下で接続しているステンレス製パイプ122の先端は、ピストンロッド128の先端とスプリング129を介して接続している。このようにスプリング129を介した接続とすることで、ステンレス製パイプ122の下方向の移動量をスプリング129で吸収し、ナイロンチューブ123に過大な押込み力を加えないようにしている。
(c)ステンレス製ガイド管のスイング構造
図5に示すように、ナイロンチューブ123の先端は、本機構の下端部に設けたステンレス製ガイド管124内に収納、ガイドされ、貫通管台2内に挿入される。挿入される場合はステンレス製パイプ122の先端位置は、貫通管台2の上方にあるが、ドリル51で切削する場合はこの位置を回避した位置(図6中、2点鎖線位置)までスイングできる構造としている。これは下部外筒109の底に設けたシリンダ136によりステンレス製ガイド管124を上方の差込み部分を中心として回転させる構造である。
切粉回収機構160は、図3に示すように下部外筒109の下部側面に設けた切粉回収用のパイプ161と吸込ポンプ(図示せず)から構成され、下部外筒109の底部(切削切粉収納空間4a)に吹き上げられ貯留している切粉を、吸込ポンプで吸引することにより切粉の系外への回収を図っている。
図2に示すように、下部外筒109の下部側面には照明付カメラ113が取付けてあり、ドリル51による切削状況等を監視する。又、ドリル装置4の貫通管台2への着脱に際しては、2台の照明付カメラ113からの画像を監視しながらドリル51の貫通管台2への挿入を行う。
2 貫通管台
3 止栓
4 ドリル装置
5、51 ドリル
6、10 固定機構
50 ドリル回転機構
70 ドリル送り機構
90 非常時ドリル引抜き機構
109 下部外筒
112 ドリル清掃用ノズル
113 照明付カメラ
120 貫通管台内面ブロー機構
160 切粉回収機構
Claims (7)
- 原子炉容器に設けられている貫通管台の一端部を止栓し、次に、貫通管台の他端側より貫通管台の内面を切削加工し、次に、切削により発生した切削切粉を系外に除去した後、前記止栓を取り外すことを特徴とする原子力容器貫通管台の補修方法。
- 原子炉容器に設けられている貫通管台の一端部を止栓し、次に、貫通管台の他端部に切削切粉収納空間を有すドリル装置を取り付けて貫通管台の内面を切削加工し、次に、切削により発生した切粉を、前記ドリル装置を介して系外に除去した後、前記止栓を取り外すことを特徴とする原子力容器貫通管台の補修方法。
- 前記切削切粉の除去を、水を供給することで、同水と共に前記切削切粉を系外に除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力容器貫通管台の補修方法。
- 前記切削切粉の除去時または除去前に、前記貫通管台内に圧力水を吐出することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の原子力容器貫通管台の補修方法。
- 原子炉容器に設けられている貫通管台の軸方向に沿って支持され、切削切粉収納空間を有すドリル装置と、同ドリル装置の先端部に設けられ貫通管台への固定および解除機能を有する固定機構と、同固定機構の固定を強制解除する固定解除機構と、前記ドリル装置に設けられ前記貫通管台の内面を切削する切削工具を駆動する切削工具回転機構と、前記切削工具を前記ドリル装置の軸方向に移動させる切削工具送り機構と、前記切削工具を前記ドリル装置内に収納する切削工具引抜き機構と、貫通管台内に圧力水を吐出するブロー機構と、前記ドリル装置内の切削切粉を系外に除去する切粉回収機構とを具えたことを特徴とする原子力容器貫通管台の補修装置。
- 前記ドリル装置の先端部外周に、貫通管台を確認する照明付カメラを設けたことを特徴とする請求項5に記載の原子力容器貫通管台の補修装置。
- 前記ドリル装置に前記切削工具清掃のための流体吐出ノズルを設けたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の原子力容器貫通管台の補修装置。
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JP2007333602A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Nuclear Fuel Ind Ltd | 燃料検査装置の強制退避装置 |
JP2013019875A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-01-31 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法 |
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