JP4755536B2 - 原子炉内の楔支持構造物の取外し方法および楔支持構造物取外し装置 - Google Patents
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Description
図4に炉内構造物の保全工事の作業環境の例を示す。これは、図1に示す沸騰水型原子炉において原子炉圧力容器蓋8を外して、炉内構造物であるドライヤ9、シュラウドヘッド5と一体のセパレータ10を原子炉圧力容器1内から取り出し、さらに炉心3から燃料集合体3aを取り出した後の状態である。
このような遠隔・水中の保全工事の中には、既設の炉内構造物を取り外し、新しい炉内構造物と交換する作業などがある。そのような作業に用いられる装置の例として、例えば特許文献1に記載された原子炉内大径ボルト取外し装置が知られている。
前記特許文献1の従来技術では、ボルトを緩めて取り外すことはできても、取り外したボルト、押さえ金具をそれぞれ別個に別の回収器具を用いて回収する必要があり、取り外した押さえ金具、ボルトを炉内構造物の狭小な箇所に落としてしまう可能性があった。
そこで、本発明では、前記楔支持構造物を取り外す場合に、前記取り外したボルト、押さえ金具をそのまま一緒に回収することができる楔支持構造物の取外し方法および楔支持構造物取外し装置を提供することにある。
以下、本発明に係る楔支持構造物の取外し方法および楔支持構造物取外し装置の第1の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態が適用される楔支持構造物を含む炉内構造物などの説明)
先ず、図1から図3を参照しながら本実施の形態が適用される楔支持構造物を含む炉内構造物などを説明する。図1は沸騰水型原子炉の縦断面模式図である。
沸騰水型原子炉では、原子炉圧力容器1内には、冷却材および炉心3が収容されており、この炉心3は燃料集合体3a、図示しない制御棒などから構成され、炉心シュラウド2内に収容されている。
炉心シュラウド2は、原子炉圧力容器1の底部に溶接され立ち上がっているシュラウドサポート4によって、軸方向荷重を支えられているとともに、径方向にも原子炉圧力容器1の内周面に保持されている。
燃料集合体3aは、炉心3下部の炉心支持板6と上部の上部格子板11により、所定の間隔に水平方向の位置決めをされて、炉心シュラウド2内に林立している。
なお、炉心シュラウド2の上部を蓋うシュラウドヘッド5は、セパレータ10と一体にシュラウドヘッド5に林立したスタンドパイプを介して接続されており、炉心シュラウド2の上部フランジ2a(図3参照)とフランジ構造で脱着可能に接続されている。
炉心シュラウド2は、図3に示すように炉心3(図1参照)の周囲を囲う中間胴2dの上に上部格子板11を支える中間フランジ2cが接続し、さらに上方に上部胴2bが接続して延び、その上端にシュラウドヘッド5の図示しないフランジと組み合わされる上部フランジ2aが接続している構成を有している。
上部格子板11の上面の周縁部の前記上部胴ブラケット13に対応する位置には、上面から所定高さを有する雌ねじを切られた固定ボルト取付け座17が設けられている。そして、L字型の押さえ板(押さえ金具)15を用いて、その一端を楔14の上端面と当接させ、他端を固定ボルト(ボルト)16によって固定ボルト取付け座17に締め付けて固定した後、その固定ボルト16ボルトを押さえ板15に回り止め溶接することにより、楔支持構造物20として構成している。
また、上部胴2bの内周面に沿って図3に示すように上下2段に高圧炉心スプレイヘッダ19Aと低圧炉心スプレイヘッダ19Bが配置されており、特に低圧炉心スプレイヘッダ19Bが楔支持構造物20に接近して存在している。従って、楔支持構造物20を極めて狭小な空間で取り扱うことになり、押さえ板15、固定ボルト16を取り外した後、それらを誤って上部格子板11の外周面と上部胴2b内周面との間に落とし込むと、上部フランジ2a、高圧炉心スプレイヘッダ19A、低圧炉心スプレイヘッダ19Bが上方からの作業の邪魔になり極めて回収しづらい周囲環境である。
次に、図4から図9を参照しながら本実施の形態における楔支持構造物取外し方法と楔支持構造物取外し装置を説明する。
本実施の形態では、以下の手順で押さえ板15と固定ボルト16を取り外し、回収する。
(工程A)固定ボルト16の回り止め溶接の破断。
(工程B)押さえ板15の把持および固定ボルト16の緩め。
(工程C)押さえ板15と固定ボルト16の原子炉圧力容器1からの取り出し。
(工程D)廃棄用キャスク111への収納。
工程Aでは、回り止め溶接破断装置を用い、工程Bから工程Dでは押さえ金具取外し装置を用いる。
図4から図6を参照しながら回り止め溶接破断装置について説明する。
作業者100は、図4に示すように、例えば、作業台車104に乗り、作業台車104上から長い主軸32の下方に設けた回り止め溶接破断装置30本体を操作する。原子炉ウエル103の底には、取り外した押さえ板15と固定ボルト16を収納するための廃棄用キャスク111が前もって設置されている。
なお、水深約25m下の作業が監視できるように図示しない水中カメラが設置され、作業台車104には図示しないモニタが設置され、作業者100は、モニタを見ながら作業を進める。また、回り止め溶接破断装置30を設置する操作に用いられるロープ61(図5参照)、主軸32上端のハンドル60(図6参照)、および回転操作中のハンドル60を安定させるためのロープ62(図6参照)は、図4では図示を省略してある。
なお、先端部35aの下端は固定ボルト16の頭の形状に適合した6角面または挿入性を考慮した多角面の内面を有したボックス構造である。
なお、ソケット35、ソケット接続部36は、例えば、ステンレス鋼で構成されている。
短尺の支持ピン38Aは、下部フランジ31c下面にシールプレート18の上端が当接したとき、短尺の支持ピン38Aの下端が上部フランジ2aの上面に当らないような長さに設定されている。
主軸32の上端は、T字型のハンドル60に接続している。図6に示すようにハンドル60の中央には、開口65を有し、円盤状の平坦面の荷重受座63が設けられ、吊り金具64の図示しない下端が開口65余に径の大きい円盤状になっていて荷重受座63の下面と摺動可能な構造となっている。
その後、ハンドル60を回転操作しやすいように吊り金具64にロープ62が通されて、ハンドル60が作業台車104の適当な箇所、例えば、チェンブロックから吊り下げられる。その上で、作業者100がハンドル60を左回りに回動すると、減速機筐体31は支持ピン38A、38Bにより回転しないようにシールプレート18に支持されているので、主軸32の回転トルクは、減速機33で増幅されてソケット35に伝わり、固定ボルト16の回り止め溶接を破断する。
作業者100は、固定ボルト16の回り止め溶接が破断され、固定ボルト16が固定ボルト取付け座17内で回るようになったことを前記モニタで確認したら、ロープ61を引っ張って回り止め溶接破断装置30を上方に移動させ、作業台車104を移動させるなり、作業台車104上の位置を移動して、次の固定ボルト16の回り止め溶接破断作業を続ける。
すべての固定ボルト16の回り止め溶接破断作業が終わると、次に固定ボルト16の緩め作業と、押さえ板15および固定ボルト15の回収作業を行う。
図7および図8を参照しながら(適宜図4、図6を参照)本実施の形態における楔支持構造物取外し装置である押さえ金具取外し装置40について説明する。
作業者100は、例えば、作業台車104に乗り、作業台車104上から長い主軸41の下方に設けた、押さえ金具取外し装置40本体を操作する。
押さえ金具取外し装置40の主軸41の上部のハンドルは、回り止め溶接破断装置30の主軸32の上部のハンドルと同様に図6に示したものである。
なお、ソケット45は、例えば、ステンレス鋼で構成されている。
エアシリンダ筐体51は、取付け座48に溶接したリブ付のL字型の取付け金具49にボルト固定されている。
エアシリンダ筐体51の下面には、駆動軸53の挿通する孔と、その両側にガイドロッド55の挿通する孔が設けられている。
図8の(b)に示すように、把持プレート57は、一端が取付け座54にネジ56で固定され、他端が内軸42の中心線の延長と直交するようにソケット45の下端側に延びている。把持プレート57は、2つに分かれたフィンガー部57bを他端側に有し、その間に2段の幅の溝58を有している。溝58の開口している側の幅広の部分の幅“W”は、押さえ板15(図7参照)の板幅に対応するように設定され、それより狭い根元部分の幅および縁部57aの内径は固定ボルト取付け座17の外径に対応するように設定されている。また、図7に示すように把持プレート57のフィンガー部57bが、上部格子板11の径方向外側に向けて、押さえ板15(図7参照)の下側に挿入され、縁部57aにまで固定ボルト取付け座17が入ったとき、ソケット45は固定ボルト16の頭の直上に位置するように、縁部57aは設定されている。
押さえ金具取外し装置40は、軽量なので、荷重は図6に示すようにハンドル60に設けられた吊り金具64に通されたロープ62だけで荷重を受けることができる。固定ボルト16の頭へのソケット45の位置合わせは、作業者100が作業台車104の位置調整、作業台車104上のロープ62の吊り位置調整、ロープ62の引き伸ばし長さの調整、主軸41の操作を行うことによりなされる。
把持プレート57はソケット45側に引き寄せ状態を保っているので、ソケット45の先端部のボックス内面に固定ボルト16の頭が入った状態のまま、把持プレート57とソケット45の間に挟まれて押さえ板15、固定ボルト16は保持されている。
本実施の形態によれば、容易に回り止め溶接破断装置30を用いて固定ボルト16の回り止め溶接を破断できる。その後、押さえ金具取外し装置40を用いて、把持機構部50を操作して、固定ボルト16と押さえ板15を保持しながら固定ボルト16を緩め、そのまま固定ボルト16と押さえ板15をともに保持しながら廃棄用キャスク111上に移動し、廃棄することができる。
その結果、作業工程が短縮され、さらに固定ボルト16を完全に緩めて固定ボルト取付け座17から取り外したときに、その場所から他の場所に転がり落ちたり、回収途中でトングから落としたりという作業ミスを防止できる。
また、EDM(Electric Discharge Machining:放電加工)により固定ボルト16の頭部分を切断して、押さえ板15を外す方法よりも作業が迅速に行え、EDMの場合よりも下準備が短くてすむ。
以上のように、本実施の形態によれば、従来の方法よりも確実に押さえ板15および固定ボルト16を迅速に取り外し、確実に回収できる。
また、本実施の形態において把持機構部50にエアシリンダ52を用いる代わりに水圧式のシリンダに変えても良い。
なお、作動流体の漏洩による原子炉圧力容器1内の水を汚染することを防止する点からは、空気圧または水圧による方法が望ましい。
次に、図10を参照しながら本発明の第2の実施の形態の楔支持構造物取外し装置である押さえ金具取外し装置の説明をする。本実施の形態の押さえ金具取外し装置40Aは、図10に示すように、第1の実施の形態の回り止め溶接破断装置30のソケット接続部36の下側にさらに外筒43Aを取り付ける。外筒43Aは、ソケット35Aのソケット接続部36より下側の部分の内、ソケット35Aの先端部を除く部分を収容し、それに取付け座48を設けて、把持機構部50を取付けてある。
第1の実施の形態と同じ構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態におけるソケット35Aは、先端まで一体のものであるところが、第1の実施の形態と異なる。また、外筒43Aの下端部には、ソケット35Aの回転がスムーズに行えるようにベアリング46または摺動部品を軸受けとして組み込んである。
以上のように押さえ金具取外し装置40Aは、第1の実施の形態における回り止め溶接破断装置30と押さえ金具取外し装置40の両方の機能を持ったものである。
なお、第1の実施の形態と同様に、図示しない空気圧操作パネルが作業台車104に積載されている。
(工程1;ソケットの位置決めと回り止め溶接の破断)
押さえ金具取外し装置40Aの把持プレート57を図10に示すように押さえ板15の下側に挿入して位置決めし、第1の実施の形態と同様に図示しない空気圧操作パネルを操作して把持プレート57をソケット35A側に引き寄せ、ソケット35Aの先端を固定ボルト16に被せる。
この把持プレート57の押さえ板15の下側への挿入および位置合せは、作業台車104からの2本のロープ61により、押さえ金具取外し装置40A本体が吊り下げられ、作業台車104の位置、ロープ61の作業台車104上の吊り位置および引き伸ばし長さを調整することにより行われる。このとき、ソケット35Aの先端の位置の微調整は、荷重をほとんど受けていない主軸32の上端を作業者100が操作することにより行われる。
次に、作業者100が主軸32を手動で回動させ、主軸32から入力された回転トルクを減速機33で増幅して、増幅された回転トルクで回動されるソケット35Aで回り止め溶接を破断する。
その後、把持プレート57をソケット35A側に引き寄せ状態にしたまま、主軸32を回動して固定ボルト16を緩め、固定ボルト取付け座17から外す。把持プレート57はソケット35A側に引き寄せ状態を保っているので、ソケット35Aの先端部のボックス内面に固定ボルト16の頭が入った状態のまま、把持プレート57とソケット35Aの間に挟まれて押さえ板15、固定ボルト16は保持されている。
そして、ロープ61を上方に引っ張り上げて、押さえ金具取外し装置40Aの本体を上方に移動させ、廃棄用キャスク111の上方にまで移動させ、ここで空気圧操作パネルを操作してピストン下面側の圧力を抜いて、上面側に圧力を掛けると、把持プレート57がソケット35Aから引き離され、押さえ板15および固定ボルト16が廃棄用キャスク111内に投入される。
なお、本実施の形態において把持機構部50のエアシリンダを第1の実施の形態と同様にフェイルセーフの設計としても良いし、エアシリンダを用いる代わりに水圧式のシリンダに変えても良い。
なお、作動流体の漏洩による原子炉圧力容器1内の水を汚染することを防止する点からは、空気圧または水圧による方法が望ましい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態における回り止め溶接破断装置30と押さえ金具取外し装置40の機能を1つの押さえ金具取外し装置40Aを用いて実現しているので、固定ボルト16の回り止め溶接を破断後、装置の交換を必要とせず、そのまま固定ボルト16と押さえ板15をソケット35Aと把持プレート57で保持しながら固定ボルト16を緩め、そのまま固定ボルト16と押さえ板15をともに保持しながら廃棄用キャスク111上に移動し、廃棄することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、従来の方法よりも確実に押さえ板15および固定ボルト16を迅速に取り外し、確実に回収できる。
次に、図11を参照しながら本発明の第3の実施の形態の押さえ金具取外し装置の説明をする。本実施の形態の押さえ金具取外し装置40Bは、第2の実施の形態の押さえ金具取外し装置40Aが主軸32を作業者100が手動で回動させ、減速機33の入力軸を回動させていたものを、図11に示すようにエアモータ73で減速機33の入力軸を回動させるものである。第2の実施の形態と同じ構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本押さえ金具取外し装置40Bでは、減速機筐体31の上に上部フランジ31bを介して固定されたエアモータ73が取り付けられている。エアモータ73は、上部フランジ31bに取り付けられたエアモータ筐体71内に収容されている。エアモータ73は、後記の空気圧操作パネルからエアホース72により駆動源の空気圧が供給される。
作業者100は、前記の空気圧操作パネルにより、エアホース52aおよびエアホース72への空気圧を制御する。把持機構部50のエアシリンダへの空気圧制御は、ピストン下面側への加圧、つまり把持プレート57のソケット35A側への引き寄せ、ピストン上面側への加圧、つまり把持プレート57の下側への引き離しの2点動作である。エアモータ73への空気圧制御はオン、オフの2点動作である。なお、固定ボルト16の回り止め溶接破断時は、エアモータ73の負荷が大きく回転数が低いのでエアモータ73に供給される空気流量が少なく、回り止め溶接が破断されると、負荷が軽くなり固定ボルト16を緩める動作なので空気流量が増し、固定ボルト16が外れると、さらに負荷が減り空気流量が増す。従って、空気圧操作パネルの流量メータの指示を見ることと、水中カメラのモニタでソケット35Aの先端部を見ることにより、固定ボルト16が外れたことを確認できる。
空気圧の空気圧操作パネルへの供給は、作業床面に設けられたサービス用の空気圧源ノズルに接続されたエアホースから供給される。
(工程1;ソケットの位置決めと回り止め溶接の破断)
押さえ金具取外し装置40Bの把持プレート57を図11に示すように押さえ板15の下側に挿入して位置決めし、図示しない空気圧操作パネルを操作して把持プレート57をソケット35A側に引き寄せ、ソケット35Aを固定ボルト16に被せる。
この把持プレート57の押さえ板15の下側への挿入および位置合わせは、作業台車104からの1本のロープ61Aにより、押さえ金具取外し装置40B本体が吊り下げられ、作業台車104の位置、ロープ61Aの作業台車104上の吊り位置および引き伸ばし長さを調整することにより行われる。このとき、ソケット35Aの先端の位置の微調整は、荷重をほとんど受けていない2本のロープ61を作業者100が操作することにより行われる。
次に、作業者100が空気圧操作パネルを操作してエアモータ73を回動させ、その回転トルクを減速機33で増幅して、増幅された回転トルクで回動されるソケット35Aで回り止め溶接を破断する。
その後、把持プレート57をソケット35A側に引き寄せ状態にしたまま、さらにエアモータ73を回動させ続け固定ボルト16を緩め、固定ボルト取付け座17から外す。前記の流量メータの指示と水中カメラのモニタによる確認で固定ボルト16が外れたことを確認して、作業者100は空気圧操作パネルのエアモータ73のスイッチをオフし、エアモータ73を止める。把持プレート57はソケット35A側に引き寄せ状態を保っているので、ソケット35Aの先端部のボックス内面に固定ボルト16の頭が入った状態のまま、把持プレート57とソケット35Aの間に挟まれて押さえ板15、固定ボルト16は保持されている。
そして、ロープ61Aを上方に引っ張り上げて、押さえ金具取外し装置40Bの本体を上方に移動させ、廃棄用キャスク111の上方にまで移動させ、ここで空気圧操作パネルを操作してピストン下面側の圧力を抜いて、上面側に圧力を掛けると、把持プレート57がソケット35Aから引き離され、押さえ板15および固定ボルト16が廃棄用キャスク111内に投入される。
なお、本実施の形態において把持機構部50のエアシリンダを第1の実施の形態と同様にフェイルセーフの設計としても良いし、エアシリンダを用いる代わりに水圧式のシリンダに変えても良い。
なお、作動流体の漏洩による原子炉圧力容器1内の水を汚染することを防止する点からは、空気圧または水圧による方法が望ましい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態における回り止め溶接破断装置30と押さえ金具取外し装置40の機能を1つの押さえ金具取外し装置40Bを用いて実現しているので、固定ボルト16の回り止め溶接を破断後、装置の交換を必要とせず、そのまま固定ボルト16と押さえ板15をソケット35Aと把持プレート57で保持しながら固定ボルト16を緩め、そのまま固定ボルト16と押さえ板15をともに保持しながら廃棄用キャスク111上に移動し、廃棄することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、従来の方法よりも確実に押さえ板15および固定ボルト16を迅速に取り外し、確実に回収できる。
また、第1の実施の形態から第3の実施の形態の楔支持構造物取外し装置を作業台車104上から操作する例で説明したがそれに限定されるものではなく、燃料交換機上から操作しても良い。
2 炉心シュラウド
2a 上部フランジ
2b 上部胴
2c 中間フランジ
2d 中間胴
3 炉心
3a 燃料集合体
4 シュラウドサポート
5 シュラウドヘッド
6 炉心支持板
11 上部格子板
13 上部胴ブラケット
14 楔
15 押さえ板(押さえ金具)
16 固定ボルト(ボルト)
17 固定ボルト取付け座
18 シールプレート
20 楔支持構造物
30 回り止め溶接破断装置
31 減速機筐体
31a 胴
31b 上部フランジ
31c 下部フランジ
31d 吊り耳
32 主軸
33 減速機(トルク増幅手段)
33a 出力軸(回転軸)
34 接続部
34a 接続軸
35、35A ソケット
35a 先端部
35b 根元部
35c 接続フランジ
36 ソケット接続部
37 シール
38A、38B 支持ピン
40、40A、40B 押さえ金具取外し装置(楔支持構造物取外し装置)
41 主軸
42 内軸(回転軸)
43、43A 外筒
45 ソケット
47 接続ピン
48 取付け座
49 取付け金具
50 把持機構部
51 エアシリンダ筐体
52 エアシリンダ
52a エアホース
53 駆動軸
55 ガイドロッド
57 把持プレート
60 ハンドル
61、61A、62 ロープ
63 荷重受座
64 吊り金具
71 エアモータ筐体
73 エアモータ
72 エアホース
100 作業者
103 原子炉ウエル
104 作業台車
111 廃棄用キャスク
Claims (8)
- 原子力発電プラントにおける原子炉内に設けられた炉内機器のうち、前記原子炉内に楔を用いて固定され、前記楔には抜け防止用の押さえ金具がボルトを締めることでまたはナットを締めることで固定された楔支持構造物を前記原子炉内から取り外すための楔支持構造物取外し装置であって、
前記ボルトまたは前記ナットを回動させるソケットと、
該ソケットに回転トルクを伝える回転軸と、
該回転軸または前記ソケットを収容している外筒に固定された、前記押さえ金具を把持するための把持機構部と、
を備え、
該把持機構部は、
伸縮可能な駆動軸と、該駆動軸に固定された把持プレートと、を有し、
前記ソケットの先端を前記ボルトの頭または前記ナットに取り付けるとき、先に前記把持プレートを前記押さえ金具の下側に挿入してから取り付け、
前記ボルトまたは前記ナットを緩めるため前記ソケットを回動中、前記ソケット側に前記把持プレートを引き寄せ、
前記ボルトまたは前記ナットが外れたとき、前記押さえ金具と前記ボルトまたは前記ナットをともに前記ソケットの先端と前記把持プレートとで挟んで保持することを特徴とする楔支持構造物取外し装置。 - 前記回転軸は、手動で回動させる主軸の回転トルクを増幅させるトルク増幅手段の出力軸であり、
前記トルク増幅手段は筐体内に収容され、
該筐体は、増幅された回転トルクの反力を炉内構造物で受けさせるための支持ピンを有していることを特徴とする請求項1に記載の楔支持構造物取外し装置。 - 前記回転軸は、モータ主軸の回転トルクを増幅させるトルク増幅手段の出力軸であり、
前記トルク増幅手段は筐体内に収容され、
該筐体は、増幅された回転トルクの反力を炉内構造物で受けさせるための支持ピンを有していることを特徴とする請求項1に記載の楔支持構造物取外し装置。 - 前記トルク増幅手段は、倍力レンチであり、
前記ボルトまたは前記ナットが回り止め溶接されている場合には、該回り止め溶接を増幅された回転トルクで破断することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の楔支持構造物取外し装置。 - 前記増幅された回転トルクの反力を、前記支持ピンを介して受ける炉内構造物は、炉心シュラウドであることを特徴とする請求項2から請求4のいずれか1項に記載の楔支持構造物取外し装置。
- 前記ソケットが交換可能、またはソケットの先端側と根元側が分離可能な構成であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の楔支持構造物取外し装置。
- 原子力発電プラントにおける原子炉内に設けられた炉内機器のうち、前記原子炉内に楔を用いて固定され、前記楔には抜け防止用の押さえ金具がボルトを締めることでまたはナットを締めることで固定された楔支持構造物を前記原子炉内から取り外すための、前記ボルトまたは前記ナットを回動させるソケットと、該ソケットに回転トルクを伝える回転軸と、該回転軸または前記ソケットを収容している外筒に固定された、前記押さえ金具を把持するための把持機構部と、を備えた楔支持構造物取外し装置を用いて楔支持構造物取外し方法であって、
前記把持機構部の伸縮可能な駆動軸に固定した把持プレートを前記押さえ金具の下側に挿入してから前記ソケット側に前記把持プレートを引き寄せ、前記ボルトまたは前記ナットを、前記ソケットを回動させて緩める工程Bと、
前記ボルトまたは前記ナットが外れたとき、前記押さえ金具と前記ボルトまたは前記ナットをともに前記ソケットの先端と前記把持プレートとで挟んで保持して回収する工程Cを備えることを特徴とする楔支持構造物取外し方法。 - 原子力発電プラントにおける原子炉内に設けられた炉内機器のうち、前記原子炉内に楔を用いて固定され、前記楔には抜け防止用の押さえ金具がボルトを締めることでまたはナットを締めることで固定された楔支持構造物を前記原子炉内から取り外すための楔支持構造物取外し方法であって、
前記ボルトまたは前記ナットの回り止め溶接を、手動またはモータで回動させる入力軸の回転トルクをトルク増幅手段で増幅させ、増幅された回転トルクをソケットを介して前記ボルトの頭または前記ナットに伝え、前記ソケットの反力を、前記トルク増幅手段を収容する筐体に設けた支持ピンを用いて炉内構造物で受けさせて破断する工程1と、
前記増幅手段の出力軸または前記ソケットを収容する外筒に取り付けられた把持機構部の伸縮可能な駆動軸に固定した把持プレートを前記押さえ金具の下側に挿入した状態で前記ソケット側に前記把持プレートを引き寄せ、前記回り止め溶接を破断されたボルトまたは前記ナットを、前記ソケットを回動させて緩める工程2と、
前記ボルトまたはナットが外れたとき、前記押さえ金具と前記ボルトまたは前記ナットをともに前記ソケットの先端と前記把持プレートとで挟んで保持して回収する工程3を備えることを特徴とする楔支持構造物取外し方法。
Priority Applications (1)
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