JP2007333602A - 燃料検査装置の強制退避装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過誤による強制退避を防止し、強制退避後に検査装置を使用済み燃料プールから引上げることなく復旧し、検査を続行することを可能とする。
【解決手段】プールの上から作業者が長尺の治具を使用して、検査装置用の台を横移動用の台に対して燃料集合体と反対側の方向に移動させ、あるいは燃料集合体の方向に移動させることにより、燃料検査装置の強制退避および復旧を行うことが可能であることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置。前記長尺の治具は、噛合い部を有し、前記燃料検査装置の強制退避装置は、前記長尺の治具の噛合い部に対応した噛合い部を有し、燃料検査装置の強制退避および復旧は、前記長尺の治具の噛合い部を、前記強制退避装置の噛合い部に噛合せて回転させることにより行なわれることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料検査装置の強制退避装置に関し、特に使用済みプールの上から作業者が操作することにより燃料検査装置を燃料集合体から退避させる強制退避装置に関する。
原子炉の運転中に燃料集合体から放射能の漏洩が認められたときには、原子炉の運転サイクルの終了後に、(1)漏洩をおこした、即ち破損した燃料棒が組み込まれた燃料集合体を特定し、(2)当該燃料集合体中の破損した(燃料棒の「破損」の結果「放射能の漏洩」が生じるため、燃料棒には原則として「破損」を使用する)燃料棒を特定し、(3)当該燃料棒の破損箇所を特定し、破損箇所やその周辺部位を観察して破損の原因を究明することが行なわれている。
漏洩をおこしている燃料集合体の特定は、使用済み燃料用プール(以下、原則として「プール」と記す)内で各燃料集合体を他の燃料集合体から隔離して個々に放射能を放出しているか否かを調べるシッピング検査によりなされる。(非特許文献1)破損を起こした燃料棒の特定は、放射能が漏洩していると特定された燃料集合体の各燃料棒を超音波(UT)検査することによりなされる。最後に、破損箇所の特定と当該箇所の観察等が、ファイバースコープ検査装置によりなされる。
以下、超音波による検査とファイバースコープによる検査の概略を説明する。なお、シッピング検査は、本発明に直接の関係がないため、説明を省略する。
超音波による検査、即ち超音波を使用して破損した燃料棒を特定する検査は、破損した燃料棒は内部に冷却水が浸入しているため、健全な燃料棒に比べて超音波の伝導性が悪化していることを利用する。具体的には、燃料集合体には燃料棒が例えば17×17の行列状に配列して組み込まれているが、燃料棒が17本並んだ1つの列の一方側に燃料棒の超音波検査装置(以下、検査装置については、全て「燃料棒の」は、省略する)の発信子側のプローブを配置し、他方の側に受信子側のプローブを配置し、両方のプローブのペア(以下、「検出端」とも記す)を検査対象の燃料棒の列の一端から多端に、即ち列に沿って水平に移動させて行き、各燃料棒の位置毎に超音波の受信強度を調べる。
そして、1つの列の検査が終了すると、一旦検出端を燃料集合体から引抜き、超音波検査装置を1列の幅の分だけ横方向に移動させ、次いで隣接する列の検査を行なうため再度検出端を燃料集合体内に差し込んで同様の検査を行なう。以下、この様な操作を繰返して全ての燃料棒の列について検査を行ない、受信強度が弱くなる位置にある燃料棒を破損した燃料棒として特定する。
破損したと特定された燃料棒の破損箇所やその周辺部位のファイバースコープ(以下、これも「検出端」とも記す)による観察も同様に、破損していると特定された燃料棒と隣接する燃料棒の間のスペースにファイバースコープを差し込み、上下に隣接する支持グリッド間毎に(スパン毎)に観察を行なう。1スパン分の1方向からの観察が終了すると、一旦検出端を燃料集合体から引抜き、燃料集合体を90度回転させたり上下に1スパン移動させたりしてから再度検出端を燃料集合体内に差し込み、他の方向から観察したり、他のスパンを観察したりすることがなされる。
次に、超音波検査装置やファイバースコープ検査装置等の燃料検査装置(以下、誤解の生じる恐れがないときには、「検査装置」とも記す)の設置について説明する。これらの検査装置は、検査の必要性が発生したときに使用済み燃料プール内に沈めこまれ、検査対象の燃料集合体に対してセッティング(位置決めしての設置)がなされ、さらに検査のために超音波プローブやグラスファイバー等の検出端が燃料集合体内に挿入される。この様子を、図4を参照しつつ説明する。
図4は、プール内で検査対象の燃料集合体の側面に検査装置がセッティングされ、さらにその検出端が行列状に配置された燃料棒の間に挿入されている状態を概念的に示す図である。本図の上の図は上方から見た様子を示し、本図の下の図は側面から見た様子である。
図4において、100は検査装置の本体部であり、101は検査装置の検出端であり、200は検査装置用の台であり、201は検査装置の本体部のスライド用梁であり、202は水中モータ(防水チャンバに格納されたモータや水中駆動型のモータ)であり、203はボールねじであり、205は検査装置用の台のスライド用脚部であり、206は検査装置用の台側のバネ止めであり、207は検査装置用の台側のピン用の孔であり、300は横移動用の台であり、301は検査装置用の台のスライド用梁であり、302は横移動用の台側のバネ止めであり、303は退避用バネであり、304は横移動用の台側のピン用の孔であり、400は検査装置用の台200と横移動用の台300が相互に移動するのを防止するためのピン(ストッパー)であり、401はピンを引抜くための紐であり、500は燃料集合体であり、501はその燃料棒であり、502はその支持グリッドである。
なお、図4は概念図であり、このため各部の構造、寸法等は必ずしも正確ではない。例えば、燃料棒の断面は必要な箇所のみ大きく描いている。また実際には、横移動用の台300の下部に検査装置を横方向に移動させるためのレールや制御盤等が設置され、さらに動力用や制御用の配線等をも備えており、検査装置によっては水中ポンプのみならずエアーシリンダによって駆動されたりもし、さらにプール内には使用済み燃料用のラック、水中カメラ、クレーン等他の設備も配置されている。しかし、これらは自明の事項であり、また本発明との関連性が薄いため、図示や説明は省略する。
図4に示す様に、燃料棒の検査は、水平断面が正方形の燃料集合体の1辺に検査装置を正確に位置決めして設置し、検査装置の検出端101を燃料棒の列(行)の間に差し込んで行なう。このため、検査装置用の台200の燃料集合体500と反対側の端部に水中モータ202が固定して設置され、また検査装置の本体部100は検査装置の本体部のスライド用梁201に滑動自在に嵌め込まれた状態でボールねじ203を介して水中モータ202に結合されている。このため、水中モータ202が正逆の回転を行うことにより、検査装置の本体部100は検査装置の本体部用のスライド用梁201をスライドして燃料集合体500へ接近したり、遠ざかったりすることとなる。
また、燃料集合体500の他のスパン(上下に並んだ2個の支持グリッドの間)を検査するときは、一旦検査装置の検出端101を燃料集合体500から引抜き、クレーン操作により燃料集合体500をプール内で上下方向に移動させてから、再度検査装置の検出端101を燃料集合体500内に差し込んで行う。
以上の説明で判るように、放射能の漏洩が生じた燃料集合体の燃料棒を検査する際には、プール内で水中モータ202を駆動して燃料集合体の内部に検査装置の検出端を差し込んだり、抜き出したりすることがなされている。
このため、燃料集合体の内部に検査装置の検出端を挿入している時に、何らかの事故で電気、圧縮空気等の動力源が機能不全となったり、水中モータが故障したりすれば、燃料集合体を安全に検査装置から切り離すことが困難となる。
特に、検査装置サイドのみの故障であれば、クレーンは燃料集合体を吊り下げた状態を保持する必要があるため、そのままでは他の作業にも必要であるのに使用不可能となってしまう。
このため、検査装置には、強制退避装置が組み込まれている。以下、図5を参照しつつ強制退避装置を説明する。
図5は、検出端101が燃料集合体500内に差し込まれていた検査装置の本体部100が、強制退避装置の作動によりそれが載っている検査装置用の台200ごと横移動用の台300上を燃料集合体500と反対側の方向へ移動している(強制退避している)様子を概念的に示す図である。図5の上の図は、強制退避装置が作動する前の状態、即ち図4の上の図に対応した状態を示す図であり、下の図は作動した後の状態を示す図である。なお、図5も概念図であり、このため水中モータ、検査装置の本体部のスライド用梁、個々の燃料棒等は図示していない。
図5の上の図に示す状態では、検査装置用の台200の下面端に固定されているバネ止め206と横移動用の台300の上面に固定されているバネ止め302間には退避用バネ303により引張力が作用しているが、両方の台200、300に形成されたピン用の孔207、304に挿入されているピン400のため、検査装置用の台200は横移動用の台300の上に固定されている。なお、検査の際には、検査装置の本体部100は、この状態の検査装置用の台200上で、燃料集合体500の方向やその反対の方向に動くこととなる。
図5の上の図では、検査のため検査装置の検出端101が燃料集合体500の内部に差し込まれている。この状態で、燃料検査装置の駆動源が何らかの事故で機能を喪失したときには、具体的には例えば水中モータの故障やその駆動用電源や圧縮空気の喪失のときには、検査装置を強制退避させるため、使用済み燃料プールの上から作業員がピンを引き抜くための紐401を引っ張ってピン400を上方へ引抜く。
図5の下の図に、ピン400を引抜いた後の状態を示す。両方の台200、300に形成されたピン用の孔207、304に挿入されているピン400が引抜かれたため、退避用バネ303の引張力のため検査装置用の台200が横移動用の台300の上を燃料集合体500と反対側の方に移動している。またこれに伴い、検査装置用の台200に固定された検査装置の本体部100も燃料集合体500と反対側の方に移動し、それに取付けられている検査装置の検出端101は燃料集合体500から抜き出されている。
この結果、燃料集合体500をクレーンで移動させたり、使用済み燃料用のラック内へ安全に格納したりすることが可能となる。
なお、前記のごとく、横移動用の台300は図示していない横方向(図面の上下方向)への移動用のレール等により拘束されているため、強制退避装置が作動しても動かず、燃料集合体に対する相対位置は不変である。
財団法人 原子力安全研究協会 軽水炉燃料のふるまい編集委員会「軽水炉燃料のふるまい」平成10年7月 153頁〜154頁
しかしながら、検査装置をプールに沈み込める作業の際には、ピン引き抜き用の紐は作業員が保持し、沈み込み作業終了後はプールサイドの安全柵等に結び付けたりしているが、水中での検査装置のセッティングのために他に幾本かの紐を使用することもあり、作業中や作業完了後に錯誤で作業員が強制退避するための紐を引っ張ってしまい、ピンが引抜かれてしまう危険性を完全には排除できない。万が一にも過誤でピンが引抜かれてしまえば、強制退避装置の作動の原理はいわゆるスプリングアンドピン方式であり、また使用済み燃料プール内であるため、検査装置を一旦使用済み燃料プールから引上げない限り、バネにより燃料集合体と反対の側に移動した検査装置の本体部100や検査装置用の台200を元の位置に戻すこと(復旧、リカバリー)は不可能となる。
また、検査装置の駆動源が機能を喪失したため紐を引っ張ってピンを引抜いた後に駆動源の機能が回復したため、検査を続行しようとする場合でも、検査装置を一旦使用済み燃料プールから引上げてピンを再度挿入しない限り、復旧は不可能となる。
さらに、検査装置を一旦プールから引上げ、ピンを挿入して再度使用済み燃料プールに沈み込めるのは、大きな作業時間のロスとなり、作業員の被曝の危険性も増すこととなる。
このため、作業員の過誤等による強制退避が防止できる技術の開発が望まれていた。
また、過誤による強制退避や必要に応じての強制退避がなされても、検査装置を一旦プールから引上げることなく復旧し(検査装置用の台を検査装置の本体部ごと強制退避前の元の位置に戻し)、そのまま検査を続行することが可能である技術の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、強制退避と復旧にラックアンドピニオン機構を採用し、プールの上から作業者が目視しつつ検査装置の強制退避と復旧を行える様にしたものである。
以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
プールの上から作業者が長尺の治具を使用して、検査装置用の台を横移動用の台に対して燃料集合体と反対側の方向に移動させ、あるいは燃料集合体の方向に移動させることにより、燃料検査装置の強制退避および復旧を行うことが可能であることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置である。
本請求項の発明の燃料検査装置の強制退避装置は、プールの上から作業者が長尺の治具を使用して検査装置用の台を横移動用の台に対して燃料集合体と反対側の方向に移動させ、あるいは燃料集合体の方向に移動させることにより、強制退避装置を操作して燃料検査装置の強制退避およびその後の復旧を行うため、紐を引張るのと異なり作業そのものが強制退避との関連性が強くなる。このため、作業者が過誤により強制退避装置を稼動させる危険性が少なくなる。
また、万が一の作業者の過誤による強制退避、燃料検査装置の駆動源が機能喪失したための強制退避のいずれであっても、プールの上からの操作により復旧することが可能であり、従来のごとく検査装置を一旦プールから引上げて調整した後、再度プールに沈める作業が不必要となる。
また、プールの上からの操作により復旧することが可能であるため、駆動源の機能喪失による強制待避の場合には、駆動源の機能が回復したときには、そのまま検査を続行することが可能となる。
なおここに、「検査装置用の台」とは、燃料棒を検査するために燃料集合体内に差し込まれる検出端が取付けられ、検査の際には燃料集合体と反対側の方向および燃料集合体の方向に移動可能であるように検査装置の本体部が載せられている台を指す。
また、「横移動用の台」とは、検査装置用の台が強制退避および復旧を行う際に動かず、基礎となる台を指す。従って、本請求項の発明の横移動用の台は、必ずしも燃料検査装置を横移動させるための台には限定されない。
また、「長尺」とは、プールに沈められている検査装置の強制退避装置を操作可能であれば長さを問わないが、一般的には設置箇所の水深、被曝防止等の面から少なくとも10mは必要とされる。
請求項2に記載の発明は、前記の燃料検査装置の強制退避装置であって、
前記長尺の治具は、噛合い部を有し、
前記燃料検査装置の強制退避装置は、前記長尺の治具の噛合い部に対応した噛合い部を有し、
燃料検査装置の強制退避および復旧は、前記長尺の治具の噛合い部を、前記強制退避装置の噛合い部に噛合せて回転させることにより行なわれることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置である。
本請求項の発明の燃料検査装置の強制退避装置は、長尺の治具と燃料検査装置の強制退避装置が、相互に噛合う噛合い部を有し、相互に噛合った状態でプールの上から長尺の治具を回転させることにより燃料検査装置用の台を燃料集合体と反対側の方向に移動させあるいは燃料集合体の方向に移動させるための噛合い機構を稼動させることにより燃料検査装置を強制退避および復旧するものであり、前記噛合い機構は具体的にはラックアンドピニオン、ウォームギヤーや傘歯車とボールねじの組合わせ等であるため、操作が簡単であり、スプリングやバネ等を使用しないため、故障の危険性が少ない。
また、作業者の過誤による過度の退避等を防止するためのストッパーの組込みも容易となる。
請求項3に記載の発明は、前記の燃料検査装置の強制退避装置であって、
燃料検査装置の強制退避および復旧は、前記長尺の治具の噛合い部を、前記検査装置用の台に設置されているピニオンの頂部に設けられた噛合い部に噛合せて正方向あるいは逆方向に回転させることにより、前記ピニオンが燃料検査装置の横移動用の台に固定されたラックと噛合いつつ同じ方向に回転し、これに伴って前記検査装置用の台が燃料集合体と反対側の方向あるいは燃料集合体の方向に移動することによりなされることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置である。
本請求項の発明においては、ピニオンの頂部に噛合せた長尺の治具を正方向あるいは逆方向に回転させることにより、燃料検査装置用の台と横移動用の台間のラックアンドピニオン機構を稼動させて強制退避と復旧を行なうため、動作が確実となる。即ち、操作が簡単であり、また燃料検査装置用の台と横移動用の台間のずれ等が生じ難くなる。
ここに、回転の「正方向」と「逆方向」は、燃料集合体と反対側の方向に移動させる回転、燃料集合体の方向に移動させる回転を指し、時計の回転とは無関係である。
請求項4に記載の発明は、前記の燃料検査装置の強制退避装置であって、
前記ラックとピニオンは、前記検査装置用の台に外力が直接作用しても回転しない構造であることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置である。
本請求項の発明においては、強制退避装置の強制退避及び復旧の動作は、セルフロックとなっている。このため、作業者が長尺の治具を使用して噛合い部を回転させるときには、検査装置用の台は燃料集合体の反対側の方向や燃料集合体の方向に移動して強制退避あるいは復旧がなされることとなる。しかし、検査装置用の台に燃料集合体と反対側の方向や燃料集合体の方向に移動させようとする外力が直接作用してもラックとピニオンが噛合いつつ相互に移動することはなされず、検査装置用の台の移動は阻止されることとなる。
なお、以上の他、遠隔で操作が可能な電磁的ロック等を有していても良いのはもちろんである。
請求項5に記載の発明は、前記の燃料検査装置の強制退避装置であって、
前記長尺の治具の噛合い部を前記強制退避装置の噛合い部に噛合せるためのガイド部を有していることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置である。
本請求項の発明の燃料検査装置の強制退避装置は、長尺の治具の噛合い部に対するガイド部を有しているため、プールの上から長尺の治具の噛合い部を燃料検査装置側の噛合い部に正しく噛合せることが容易となる。
また、ガイド部は、強制退避装置の噛合い部の機械的な保護もなすこととなる。
本発明においては、プールの上から作業者が長尺の治具を使用して強制退避装置を操作して強制退避およびその後の復旧を行うため、作業そのものが強制退避との関連性が強くなり、このため作業者が過誤により強制退避装置を稼動させる危険性が少なくなる。
また、万が一の作業者の過誤による強制退避、燃料検査装置の駆動源が機能喪失したための強制退避のいずれであっても、検査装置をプールに沈めたままで、プールの上からの操作により復旧することが可能であり、従来のごとく検査装置を一旦プールから引上げて調整した後、再度プールに沈める作業が不必要となる。
また、プールの上からの操作により復旧することが可能であるため、駆動源の機能喪失による強制待避の場合には、駆動源の機能が回復したときには、そのまま検査を続行することが可能となる。
また、長尺の治具を回転させることによって稼動する噛合い機構、具体的にはラックアンドピニオン、ウォームギヤーや傘歯車とねじの組合わせ等であるため、操作が簡単であり、スプリングやバネ等を使用しないため、故障の危険性が少ない。
また、過度の退避等を防止するためのストッパーの組込みも容易となる。
また、ガイドがあるため、長尺の治具の噛合い部と検査装置用の台のピニオンの噛合い部との噛合いも容易となる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
図1、図2及び図3を参照しつつ、本実施の形態の燃料検査装置の強制退避装置を説明する。
図1は、従来技術の強制退避装置の作動機構を説明した図5に対応する図であり、図1の上の図は、強制退避装置が作動する前の状態を示し、下の図は作動した状態を示す。図1において、ラックアンドピニオン機構を採用した強制退避装置の作動により、燃料集合体500内に差し込まれていた検査装置の検出端101が、検査装置の本体部100と共に、それを載せている検査装置用の台200ごと横移動用の台300上を燃料集合体500と反対側の方向に移動し、燃料集合体500から引き抜かれている様子を概念的に示す図である。
図2は、ラックアンドピニオン機構の要部を概念的に示す図であり、図3は、プールの上から作業者が操作している様子を概念的に示す図である。
図1から図3において、260はガイド兼平軸受けであり、601はラック(歯を並べた細長い板)であり、610はピニオン(小歯車)であり、611はそのギヤー部であり、612はその胴部であり、613はその頂部であり、614は受け皿部であり、620はピニオンを回転させる治具(長尺の治具)である。
なお、図1、図2、図3とも概念図であるため、図4と同様に、水中モータ、検査装置の本体部のスライド用梁、個々の燃料棒、プールの安全柵等は図示していない。
図1と図2に示す様に、横移動用の台300の上側の表面には、検査装置の検出端101を差し込む方向に沿ってラック601が取付けられている。
また、検査装置用の台200には、図2に示す様に、プールの上から常に目視可能な位置に貫通孔が形成され、その内部にガイド兼平軸受け260が装着されており、さらにその内部に下端がラック601と噛合うピニオン610が装備されている。この、ピニオン610の頂部613は、四角柱状であり、これに対応して長尺の治具620の下端には、ピニオン610の四角柱状の頂部613と噛合う孔が形成されている。ピニオンの胴部612は、ガイド兼平軸受け260内で回転可能であり、さらに胴部612の頂点の受け皿部614が、四角柱状のピニオンの頂部613を嵌め込んだ状態の長尺の治具620の下端を受けることが可能な構造となっている。
また、図2の下の図に示す様に、点線で示すピニオンを回転させる長尺の治具620の下端は、ガイド兼平軸受け260及びピニオン610の四角柱状の頂部613と受け皿部614の形状に整合させてある。
このため、長尺の治具620をプールの上からピニオン610の上に降ろす際に、自然と正しい位置決めが、ひいては噛合いがなされることとなる。
以上の下で、図1の上の図に示す様に、検査装置の本体部100の検出端101が燃料集合体500内に差し込まれた状態で、その駆動源が機能を喪失したときには、図3に示す様に、プールの上から作業者がピニオン610に回転用の長尺の治具620の下端に設けた孔の内部にピニオン610の四角柱状の頂部613を嵌め込んで噛合わせ、手動でピニオン610を回転させ、図1の下の図に示す様に検査装置の本体部100を検査装置用の台200ごと燃料集合体500と反対側の方向に移動させ、検査装置の検出端101を燃料集合体500から引抜くこととなる。そしてこの後、燃料集合体500をプール底部の使用済み燃料ラック内に収納し、クレーンを移動させて他の作業に使用する等の作業がなされることとなる。
次に、噛合い部の噛合い機構の損傷を防止する構造について説明する。
本実施の形態では、長尺の治具620の多少形状が複雑となる噛合い部は内側にあるため、作業者の過誤により下端部(先端部)を何か物にぶつけても、噛合いを行なう部分は損傷し難い。
また、検査装置側の強制退避と復旧のためのラック601とピニオン610は、検査装置用の台200、ガイド兼平軸受け260により保護されているため、何らかの過誤による損傷を受け難い。
最後に、セルフロック機構について説明する。
本実施の形態では、ラックアンドピニオン機構の噛合いの角度(ピッチ角)を調節して、検査装置用の台200に何らかの過誤で外力が直接作用しても、ラック601とピニオン610間の回転は生じない様にしている。このため、検査装置用の台200は横移動用の台300に対して移動しない。従って、検査装置のプールへの沈め込み、セッティング等の際に、何らかの過誤により作用した外力のために検査装置が退避することが防止される。
なお、セルフロックが機能発揮されるためには、ラックアンドピニオン機構のラックとピニオン歯先(歯車)の噛合いの角度(いわゆるピッチ角)が適切な範囲でなければならないが、これは水中における実験等により簡単に求められるため、説明は省略する。
本発明の実施の形態の燃料検査装置の強制退避装置の原理を示す図である。 前記燃料検査装置の強制退避装置のラックアンドピニオン部の要部を概念的に示す図である。 前記燃料検査装置の強制退避装置を、作業者が操作している様子を示す図である。 燃料検査装置で燃料集合体を検査している様子を、概念的に示す図である。 従来技術の燃料検査装置の強制退避装置の原理を示す図である。
符号の説明
100 検査装置の本体部
101 検査装置の検出端
200 検査装置用の台
201 検査装置の本体部のスライド用梁
202 水中モータ
203 ボールねじ
205 検査装置用の台のスライド用脚部
206 検査装置用の台側のバネ止め
207 検査装置用の台側のピン用の孔
260 ガイド兼平軸受け
300 横移動用の台
301 検査装置用の台のスライド用梁
302 横移動用の台側のバネ止め
303 退避用バネ
304 横移動用の台側のピン用の孔
400 ピン
401 ピンを引抜くための紐
500 燃料集合体
501 燃料棒
502 支持グリッド
601 ラック
610 ピニオン
611 ギヤー部
612 胴部
613 頂部
614 受け皿部
620 長尺の治具

Claims (5)

  1. プールの上から作業者が長尺の治具を使用して、検査装置用の台を横移動用の台に対して燃料集合体と反対側の方向に移動させ、あるいは燃料集合体の方向に移動させることにより、燃料検査装置の強制退避および復旧を行うことが可能であることを特徴とする燃料検査装置の強制退避装置。
  2. 前記長尺の治具は、噛合い部を有し、
    前記燃料検査装置の強制退避装置は、前記長尺の治具の噛合い部に対応した噛合い部を有し、
    燃料検査装置の強制退避および復旧は、前記長尺の治具の噛合い部を、前記強制退避装置の噛合い部に噛合せて回転させることにより行なわれることを特徴とする請求項1に記載の燃料検査装置の強制退避装置。
  3. 燃料検査装置の強制退避および復旧は、前記長尺の治具の噛合い部を、前記検査装置用の台に設置されているピニオンの頂部に設けられた噛合い部に噛合せて正方向あるいは逆方向に回転させることにより、前記ピニオンが燃料検査装置の横移動用の台に固定されたラックと噛合いつつ同じ方向に回転し、これに伴って前記検査装置用の台が燃料集合体と反対側の方向あるいは燃料集合体の方向に移動することによりなされることを特徴とする請求項2に記載の燃料検査装置の強制退避装置。
  4. 前記ラックとピニオンは、前記検査装置用の台に外力が直接作用しても回転しない構造であることを特徴とする請求項3に記載の燃料検査装置の強制退避装置。
  5. 前記長尺の治具の噛合い部を前記強制退避装置の噛合い部に噛合せるためのガイド部を有していることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の燃料検査装置の強制退避装置。
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