JP2006083880A - 動力伝達軸のシール構造 - Google Patents

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毅 宮▲崎▼
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Abstract

【課題】 軸受支持部分と摺動部分との双方を備えた動力伝達軸に対して、各部分をそれぞれに対応したシールによってシールし、それによってシール交換時期を長くし、メンテナンスを容易にする。
【解決手段】 回転軸54と該回転軸54の外周部に一体回転自在で且つ摺動自在に嵌合した筒軸118とを有する動力伝達軸を備え、この動力伝達軸の回転軸54の部分を軸受115,116を介して軸受ハウジング60に回転自在に支持し、軸受ハウジング60の、軸方向の筒軸118側の内周面に回転用シール125を装着し、筒軸118の外周面に摺動用シール126を圧接し、軸受ハウジング60の内周面に径方向内方から対向し且つ前記回転用シール125が圧接するシール受面145と、筒軸118の外周面に径方向外方から対向し且つ前記摺動用シール126が装着されるシール装着面146とを備えたシール保持筒体130を、前記回転軸54に設ける。
【選択図】 図4

Description

本発明は動力伝達軸のシール構造に関し、主として車両用の動力伝達軸に適したシール構造に関するものである。
四輪駆動車等の車両では、エンジンの動力を前車軸又は後車軸に伝達するために、前後方向に延びるプロペラ軸を備えたものがある。このプロペラ軸としては、例えば、複数の軸部材を継手を介して接続し、中途部を軸受を介して車体に支持する構造が採用され、また、車体フレームの撓み等に起因したプロペラ軸の引張又は圧縮に対応できるように、一部の軸部材に、摺動により伸縮自在な多重軸構造が採用される。そして、軸部材同士の連結部分や軸受支持部分、或いは摺動部分等は、泥や水等から保護するために、ゴム製のブーツによって覆われるようになっている。
なお、下記特許文献1には、ゴム製のブーツを利用した例として、四輪駆動車のエンジンの動力を車輪等に伝達するために用いるプロペラ軸を、入力側シャフトと出力側シャフトとをジョイントで連結して構成し、その連結部分を、可撓ブーツで覆ったものが開示されている。
特開平9−112565号公報
車両において、エンジンの動力を駆動車軸に伝達するためのプロペラ軸は、通常、車体の底部に配置されるため、泥や水がかかり易く、地面の草木等にも接触しやすい環境にある。かかる環境下で繰り返して使用すると、泥等の堆積や草木との接触等に起因してブーツが劣化し、比較的早期に交換が必要になるという問題があった。
一方、上記ブーツを使わずに軸受支持部分や摺動部分をオイルシール乃至ダストシールによりシールすれば、当然、上記のような問題が生じることはない。しかし、摺動部分と軸受支持部分の双方を1つのシールでシールしようとすればシールの交換時期が早くなり、別々のシールを用いるには、各シールがそれぞれ適切に機能するような特別な装着構造が必要になる。
本発明は、回転及び摺動を行う動力伝達軸の軸受支持部分及び摺動部分に対し、それぞれに対応したシールを施すことができ、それによって各シールの交換時期を長くし、メンテナンスを容易にし得る、動力伝達軸のシール構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、回転軸54と該回転軸54の外周部に一体回転自在で且つ摺動自在に嵌合した筒軸118とを有する動力伝達軸を備え、この動力伝達軸の回転軸54の部分を軸受115,116を介して軸受ハウジング60に回転自在に支持し、軸受ハウジング60の、軸方向の筒軸118側の内周面に回転用シール125を装着し、筒軸118の外周面に摺動用シール126を圧接し、軸受ハウジング60の内周面に径方向内方から対向し且つ前記回転用シール125が圧接するシール受面145と、筒軸118の外周面に径方向外方から対向し且つ前記摺動用シール126が装着されるシール装着面146とを備えたシール保持筒体130を、前記回転軸54に圧入等により設けていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、シール保持筒体130が、シール受面145とシール装着面146とを互いに軸方向にずれた配置で備えていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の発明において、シール保持筒体130が、軸受ハウジング60の内周側で回転軸の外周面に圧入等により固定され、そして、この固定部分から筒軸118側に延び且つ径方向に拡径して、軸受ハウジング60の筒軸118側の端部内側に配置された第1拡径部130aと、第1拡径部130aから更に筒軸118側に延び且つ径方向に拡径して、筒軸118の径方向外方を覆う第2拡径部130bと、を有しており、第1拡径部130aの外周面が前記シール受面145を構成し、第2拡径部130bの内周面が前記シール装着面146を構成していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、回転用シール125の筒軸118側の側部にサイドダストリップ部135が突設され、該サイドダストリップ部135が圧接するシール受部130dが、シール保持筒体130の外周面から径方向外方に突設されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、軸受ハウジング60の反筒軸側の端部と回転軸54との間に第2回転用シール127が配置され、回転軸54の同側の端部に継手61が連結されており、第2回転用シール127の反筒軸118側の側部にサイドダストリップ部142が突設され、該サイドダストリップ部142が圧接するシール受体143が、継手61のヨーク61aとは別体として形成されて該ヨーク61aに固定されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、回転軸に、回転用シールのシール受面と摺動用シールのシール装着面とを備えたシール保持筒体を設けているので、動力伝達軸の軸受支持部分と摺動部分とを、それぞれ回転用シール及び摺動用シールによってシールすることができ、上記各部分に対して個別のシールを用いているので、シールの交換時期が長くなり、メンテナンスが容易になる。
請求項2の発明によれば、軸受ハウジングの径方向の寸法をコンパクトにすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明を容易に実現することができる。
請求項4の発明によれば、サイドダストリップ部及びシール受部によって、軸受部分に対する泥等の侵入を防止することができる。
請求項5の発明によれば、軸受ハウジングの反筒軸側の端部においても軸受部分に対する泥等の侵入を防止することができ、更に、ヨークと別体で形成されたシール受体を用いることによって、当該シール受体を機械加工等によってヨークに直接形成する場合に比べて製作が容易となり、コストダウンを図ることができる。
図1〜図4は、本発明に係る動力伝達軸のシール構造を、不整地用四輪駆動走行車に採用した実施の形態を示しており、詳しくは、車両の後部に搭載したエンジン33の動力を前輪22側へ伝達するための前輪駆動用プロペラ軸52の一部に、本発明を採用したものとなっている(図1)。以下、この四輪駆動走行車の構成を説明し、その中で本発明のシール構造についても併せて説明する。
〔四輪駆動走行車の車体構造〕
図1は四輪駆動走行車の左側面(運転者から見て左側の側面)図であり、図2は、当該走行車の車体フレーム及び動力伝達装置の平面図である。この走行車は、主として農用運搬車等に利用されるものであり、車体フレーム1が、メインフレーム部として前後方向に延びる左右1対の角パイプ2を備えており、角パイプ2は、前後方向に間隔をおいて配置された複数のクロスパイプ5により左右が一体に結合されている。
角パイプ2は、前後方向の中央部が後上がりに折れ曲がり、前半部に対して後半部が高くなっている。角パイプ2の前端部には前フレーム部8が一体に形成され、前記前フレーム部8の上端部には操舵ハンドル10、変速用シフトレバー11及び二駆四駆切換操作レバー12等が配設されると共に、前部カバー13が取り付けられている。角パイプ2の前後方向の中央部にはシート支持フレーム部14が一体に形成され、前記シート支持フレーム部14の上面にはシート15が取り付けられている。
前フレーム部8の下端部には前輪用減速部(減速機ケース)20が設けられ、前記前輪用減速部20は、差動ギヤ機構を内蔵すると共に左右に突出する前車軸21を備えており、各前車軸21は前輪用ショックアブソーバ23により上方から弾性支持されると共に、ナックルアーム(図示せず)等の操舵機構を介して操舵可能に前輪22に連結されている。
角パイプ2の後半部の上側には、荷台24が設けられると共にリヤフェンダ25が設けられている。また、前フレーム部8の前端部から乗車スペースの上方を通ってシート後方に至る部分には、運転者を覆うフレーム26が設けられている。
図3は、スイングアーム、エンジン及びトランスミッション等の左側面拡大図であり、シート15の略直下に配置されたクロスパイプ5には、後方に延びるスイングアーム30が揺動支点M1回りに上下揺動可能に支持されており、前記スイングアーム30には、後車軸31が支持されると共に、エンジン33及びトランスミッション34が、前記順序で前後に並ぶように搭載されている。トランスミッション34の後下端部には、前記後車軸31を内蔵する後輪用減速部(減速ケース部)36が設けられており、左右の後車軸31には後輪32がそれぞれ連結されている。
〔スイングアームの構造〕
図2及び図3に示すように、スイングアーム30はパイプ部材でできており、前端部が山形に形成されることにより、全体として平面視でホームベース形(家形五角形)に形成されている。スイングアーム30の前端部には前方に突出する支持ブラケット38が設けられ、一方、前記シート直下のクロスパイプ5の車幅方向(左右方向)の中央部には後方へ突出する支持ブラケット39が設けられ、前記スイングアーム30の支持ブラケット38を球面ジョイント(ピローボールジョイント)40によりクロスパイプ5の支持ブラケット39に支持している。これにより、スイングアーム30は、上下揺動に加え、左右の傾き及び左右の揺動も可能となっている。
また、図1に示すように、スイングアーム30の後端部は、左右1対の後輪用ショックアブソーバ42により上方から弾性支持され、規制リンク43により左右方向の揺れ及び傾きが一定範囲内に規制されている。
〔動力源及び動力伝達装置の全体構成〕
図2において、エンジン33の左端部には冷却用のファンケース部66が設けられており、エンジン33及びトランスミッション34の右側部には、ベルトコンバータ45が配置されている。また、図3に示すように、トランスミッション34の左下端部には、前輪駆動用動力取出部50が設けられ、該前輪駆動用動力取出部50内に、前方突出状に前輪駆動用動力取出軸51が設けられている。エンジン33の動力は、ベルトコンバータ45によってトランスミッション34に入力され、トランスミッション34から変速ギヤ等を経て適宜変速された後に、後輪用減速部36から後車軸31に伝達されるとともに、前輪駆動用動力取出部50の動力取出軸51にも伝達されるようになっている。
前輪駆動用動力取出軸51には、前後方向に延びる前輪駆動用プロペラ軸52(53、54、55)の後端が動力伝達可能に連結されており、前記前輪用減速部20の入力軸57には、前記前輪駆動用プロペラ軸52の前端が動力伝達可能に連結されている。従って、動力取出軸51からの動力は、前輪駆動用プロペラ軸52から前輪用減速部20を経て前車軸21に伝達される。トランスミッション34には、前輪駆動用取出軸51への動力伝達を断接するクラッチが設けられており、このクラッチの操作によって二輪駆動と四輪駆動とが切り換えられるようになっている。
〔前輪駆動用プロペラ軸の詳細構造〕
図2において、前輪駆動用プロペラ軸52は、前側、中間及び後側の3本のプロペラ軸部材53、54、55から構成されている。後側プロペラ軸部材55は、後端部がユニバーサル継手58を介して前輪駆動用動力取出軸51に連結されると共に、エンジン33のファンケース部66の下側空間をやや右斜め前方に延び、前端部が中間プロペラ軸部材54の後端部にユニバーサル継手62を介して連結されている。中間プロペラ軸部材54は、シート直下のクロスパイプ5内に設けられた軸受ハウジング60内に回転可能に支持されており、前端部がユニバーサル継手61を介して前側プロペラ軸部材53の後端部に連結されている。前側プロペラ軸部材53は車幅中心線C1に近付くように斜め前方に延び、前端部がユニバーサル継手56を介して前輪用減速部20の入力軸57に連結されている。前記中間プロペラ軸部材54の軸受ハウジング60は車幅中心線C1よりも左側に変位した位置に設けられている。
なお、図3に示すように、後側プロペラ軸部材55と前輪駆動用動力取出軸51は、側方から見て、いずれもスイングアーム30とエンジン33の下端部の間に位置している。また、後側プロペラ軸部材55の前端揺動支点(ユニバーサル継手62の中心)M2は、前記スイングアーム30の揺動支点M1とほぼ同じ高さに位置すると共に、ほぼ同じ前後方向位置に位置している。
〔中間プロペラ軸部材の詳細構造〕
図4は中間プロペラ軸部材54及び軸受ハウジング60の水平断面拡大図であり、前記軸受ハウジング60は、クロスパイプ5に形成された取付孔113に挿入されると共に、フランジ部60aに挿通したボルト114によりクロスパイプ5に固定されている。
軸受ハウジング60の内周面には、前後方向に間隔をおいて1対の軸受115、116が嵌着され、前記軸受115、116により中間プロペラ軸部材54が回転可能に支持されている。中間プロペラ軸部材54は、後側の軸受116より後方へ突出する部分の外周面にスプライン歯117が形成されており、前記スプライン歯117に、内周スプライン歯118aを有する筒軸118が軸方向(前後方向)摺動自在でかつ中間プロペラ軸部材54と一体回転可能にスプライン嵌合している。
上記中間プロペラ軸部材54及び筒軸118は、本発明の動力伝達軸を構成しており、したがって、この動力伝達軸は、中間プロペラ軸部材54の部分が軸受115,116を介して軸受ハウジング60に回転自在に支持されている。
前記筒軸118の後端部には、ユニバーサル継手62のヨーク部62aが一体に形成されており、これにより、ユニバーサル継手62は前後方向に移動可能となっている。すなわち、後側プロペラ軸部材55は、前端の揺動支点M2が前後方向移動可能となるように、ユニバーサル継手62及び筒軸118を介して中間プロペラ軸部材54に連動連結している。
また、筒軸118内の後端部にはばね受座(プラグ)120が嵌着され、前記ばね受座120と中間プロペラ軸部材54の後端部との間にはコイルばね121が縮設されており、これにより筒軸118が常時後方へ付勢されている。
前後の軸受115,116間等、軸受ハウジング60内には、グリスが充填されており、中間プロペラ軸部材54の後部(筒軸118側)は、後側の軸受116の後側に配置された回転用シール125とその後側に配置された摺動用シール126からなるダブルシール機構によりシールされている。中間プロペラ軸部材54の前部(反筒軸118側)は、前側の軸受115の前側に配置された単一の回転用シール(第2回転用シール)127によりシールされている。
なお、上記中間プロペラ軸部材(回転軸)54、筒軸118、軸受ハウジング60、軸受115,116、回転用シール125,127及び摺動用シール126等は、本発明に係る動力伝達軸のシール構造を構成するものであり、以下、この詳細について更に説明する。
中間プロペラ軸部材54には、後側の軸受116の内周側に、筒状のシール保持筒体130が圧入により固定されており、該シール保持筒体130は、中間プロペラ軸部材54と一体的に回転するようになっている。
シール保持筒体130は、圧入により固定された部分から後方(筒軸118側)に延びると共に2段階に順次拡径し、第1段目の(第1の)拡径部130aと第2段目の(第2の)拡径部130bとの間の段部130cには径方向の外方に突出するつば部130dが一体に形成されている。
第1の拡径部130aの外周面は、軸受ハウジング60の内周面と径方向内方から対向しており、これらの面の間には、前記回転用シール125が挿入されている。すなわち、軸受ハウジング60の内周面に、回転用シール125の外周部が装着され、第1の拡径部130aの外周面(シール受面)145に回転用シール125の内周部が圧接するようになっている。前記回転用シール125の前端縁は、軸受ハウジング60の内周面に形成された段部122により軸方向に係止されている。
第2の拡径部130bの内周面は、筒軸118の外周面に径方向外方から対向し、これらの面の間には、前記摺動用シール126が挿入されている。すなわち、第2の拡径部130bの内周面(シール装着面)146に摺動用シール126の外周部が装着され、筒軸118の外周面に摺動用シール126の内周部が圧接するようになっている。前記摺動用シール126は、前記段部130cと、シール保持筒体130に嵌着されたサークリップ123により軸方向に係止されている。
回転用シール125の内周面には、第1の拡径部130aの外周面145に圧接するメインのシールリップ部133が形成されると共に、後内方に二股状に突出して第1の拡径部130aの外周面に圧接するダストリップ部134が形成され、さらにこれらリップ部133、134に加え、回転用シール125の後端面には、後外方にU字状に突出して前記つば部(シール受部)130dの前端面に圧接するサイドダストリップ部135が形成されている。摺動用シール126の内周面には前後にハの字状に延びて筒軸118の外周面に圧接する1対のシールリップ部126aが形成されている。
第1の拡径部130aは、中間プロペラ軸部材54との間に、筒軸118の摺動を許容する空間147を形成しており、第1の拡径部130aには、該拡径部130aの径方向の内外を空気通過可能に連通する複数の連通孔131が形成されている。また、軸受ハウジング60内の空間に充填されるグリスの量は、当該空間の容積の約50%程度にとどめられており、これによって、筒軸118の摺動に伴う容積変化を吸収できるようになっている。
前側の回転用シール127は、軸受ハウジング60の内周面と中間プロペラ軸部材54の外周面の間に挿入されると共に、軸受ハウジング60の内周面に嵌着されたサークリップ124により軸方向に係止されている。前側の回転用シール127の基本的構造は、前記後側の回転用シール125と同じであり、内周面には中間プロペラ軸部材54の外周面に圧接するシールリップ部140及び二股状のダストリップ部141が形成され、前端面には前外方にU字状に突出するサイドダストリップ部142が形成されている。
このサイドダストリップ部142には板金製の環状のスリンガー(シール受体)143が前から圧接しており、前記スリンガー143は、断面形状がL字形に形成されると共に、ユニバーサル継手61のヨーク61aのナット部61bの外周に圧入固定されている。前記ナット部61bは中間プロペラ軸部材54の前端おねじ部54bに螺着されている。また、スリンガー143の前端縁は、ナット部61bに圧入し易いようにラッパ状にわずかに広がった形状となっている。
〔実施の形態の効果〕
(1)図4に示すように、中間プロペラ軸部材54にシール保持筒体130を備えることによって、水や泥がかかり易い位置に配置される中間プロペラ軸部材54及び筒軸118の軸受支持部分と摺動部分とを、それぞれ回転用シール125と摺動用シール126とによってシールすることができ、また、軸方向の摺動専用の摺動用シール126と回転専用の回転用シール125とを設けることで、それぞれのシール寿命を延ばすことができる。また、回転用シール125と摺動用シール126とを、軸方向に位置をずらして配置しているので、軸受ハウジング60の径方向の寸法をコンパクトにすることができる。
(2)図4に示すように、回転用シール125の軸方向端面にサイドダストリップ部135を設け、シール保持筒体130に形成したつば部130dに圧接しているので、軸受116を泥等の侵入から保護することができる。また、シール保持筒体130につば部130dを形成することによって、軸受ハウジング60とシール保持筒体130との間の隙間が小さくなるため、泥等の侵入を防止することができる。
(3)図4に示すように、中間プロペラ軸部材54において、軸受ハウジング60との間のシール構造として、第2回転用シール127の軸方向端面にサイドダストリップ部142を形成し、ヨーク61aに設けたスリンガー143に圧接しているので、軸受115を泥等の侵入から保護することができ、スリンガー143を、ヨーク61aとは別体で形成しているので、ヨーク61aとスリンガー143とを機械加工等によって一体的に形成する場合に比べて製作が容易に行え、コストダウンを図ることができる。
(4)図1において、走行中、エンジン33、トランスミッション34、後車軸31及び後輪32は、スイングアーム30と共に揺動支点M1を支点として上下に揺動し、これに伴って後側プロペラ軸部材55も上下に揺動するが、前記後側プロペラ軸部材55の揺動支点となる前端ユニバーサル継手62の支点M2は、前後方向に移動可能であり、しかも、前記スイングアーム36の揺動支点M1と高さがほぼ一致すると共に前後方向の位置もほぼ揃えられているので、揺動時に後側プロペラ軸部材55に無理な力がかかることはなく、これにより前輪22への動力伝達効率の低下を防ぎ、また緩衝性能も維持することができる。
(5)図1に示すように、スイングアーム30上に、後車軸31と共にエンジン33及びトランスミッション34を搭載し、トランスミッション34と車輌前部の前輪用減速部20との間を、前輪駆動用プロペラ軸52により動力伝達可能に連結したので、車輌の後半部の空きスペース、たとえば荷台24の下側スペースをエンジン33及びトランスミッション34の配置用に有効に利用でき、これにより、車輌のコンパクト化を図ることができると共に、シート周り及び操作装置周りを広く確保して、運転者にとって快適な乗車状態を維持できる。
(6)エンジン33とトランスミッション34と後車軸31とを同じスイングアーム30に搭載したので、スイングアーム30が揺動しても、トランスミッション34と後車軸31との相対的な位置関係は変化せず、後車軸31への動力損失を減少させ、燃費等の経済性を向上させることができる。特に運搬車等、後輪に大きな荷重がかかる車輌には適している。
(7)図2に示すように、前輪駆動用プロペラ軸52を、前側プロペラ軸部材53と、後側プロペラ軸部材55と、前後のプロペラ軸部材53、55を折曲可能に連結する中間プロペラ軸部材54とから構成し、後側プロペラ軸部材55を、図3のように前端揺動支点M2が側方から見て前記スイングアーム30の揺動支点M1とほぼ重なる位置で、ユニバーサル継手62により前後方向移動可能に中間プロペラ軸部材54に連結したので、スイングアーム30の揺動に伴って側方から見てスイングアーム30の揺動支点M1とほぼ同じ位置の揺動支点M2回りに後側プロペラ部材55が揺動し、揺動時に後側プロペラ軸部材55にかかる荷重を吸収し、前輪駆動用プロペラ軸52全体の円滑な回転を維持できる。
〔発明の他の実施の形態〕
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように変更可能である。
(1)回転用シール125と摺動用シール126とは、軸方向の位置が一致するように配置することができる。すなわち、シール保持筒体130を間に挟んでその内周側に摺動用シール126を配置し、その外周側に回転用シール125を配置することができる。この場合は、軸受ハウジング6の軸方向の寸法をコンパクトにすることができる。
(2)筒軸118、シール保持筒体130,回転用シール125,摺動用シール126の構成は、回転軸54の一端に限らず、両端(軸受ハウジング60の両側)に設けることができる。
(3)動力伝達軸の方向は、前後方向に限定されず、左右方向、上下方向等、任意の方向とすることができる。
(4)本発明は、四輪駆動走行車に限定されず、他の四輪車や二輪車等の車両の動力伝達軸に採用することができる。例えば、シャフトドライブ方式の自動二輪車では、伸縮可能なシャフトドライブ軸の摺動部分と、シャフトドライブ軸とドライブ軸ケースとの間の軸受部分に本発明のシール構造を採用することができる。その他にも、建設機械、農業機械、生産機械、ロボット等の動力伝達軸のシール構造としても本発明を採用することができる。
〔参考例〕
上記実施形態において、図4を参照して説明した軸受ハウジングの前側のシール構造(回転用シール127,スリンガー143等)は、図5に示すような回転軸154(動力伝達軸)に対しても適用可能である。すなわち、回転軸154は、軸方向の中途部が前後の軸受215,216を介して軸受ハウジング160に回転自在に支持されるとともに、軸方向の両端部にはヨーク161a,162aが固定されており、この回転軸154と軸受ハウジング160の間の、前側の軸受215の前方と後側の軸受216の後方とに、それぞれ回転用シール227が設けられている。前後のヨーク161a,162aには、スリンガー243が圧入により固定され、このスリンガー243に、各回転用シール227のサイドダストリップ部242が圧接している。
本発明は、車両や産業機械等の動力伝達軸、特に、泥や水等がかかり易い悪環境下にある動力伝達軸に対して有効に利用することができる。
本発明を適用した四輪駆動走行車(実施の形態)の左側面図である。 図1の四輪駆動走行車の車体フレーム及び動力伝達装置の平面図である。 図1のスイングアーム、エンジン及びトランスミッション等の左側面拡大図である。 中間プロペラ軸部材及び軸受ハウジングの水平断面拡大図である。 参考例を示す水平断面拡大図である。
符号の説明
54 中間プロペラ軸部材
60 軸受ハウジング
61a ヨーク
115 軸受
116 軸受
118 筒軸
125 回転用シール
126 摺動用シール
127 回転用シール
130 シール保持筒体
130a 第1拡径部
130b 第2拡径部
130d つば部(シール受部)
135 サイドダストリップ部
142 サイドダストリップ部
143 スリンガー(シール受体)

Claims (5)

  1. 回転軸(54)と該回転軸(54)の外周部に一体回転自在で且つ摺動自在に嵌合した筒軸(118)とを有する動力伝達軸を備え、この動力伝達軸の回転軸(54)の部分を軸受(115,116)を介して軸受ハウジング(60)に回転自在に支持し、軸受ハウジング(60)の、軸方向の筒軸(118)側の内周面に回転用シール(125)を装着し、筒軸(118)の外周面に摺動用シール(126)を圧接し、
    軸受ハウジング(60)の内周面に径方向内方から対向し且つ前記回転用シール(125)が圧接するシール受面(145)と、筒軸(118)の外周面に径方向外方から対向し且つ前記摺動用シール(126)が装着されるシール装着面(146)とを備えたシール保持筒体(130)を、前記回転軸(54)に圧入等により設けていることを特徴とする、動力伝達軸のシール構造。
  2. シール保持筒体(130)が、シール受面(145)とシール装着面(146)とを互いに軸方向にずれた配置で備えていることを特徴とする、請求項1記載の動力伝達軸のシール構造。
  3. シール保持筒体(130)が、軸受ハウジング(60)の内周側で回転軸(54)の外周面に圧入等により固定され、そして、この固定部分から筒軸(118)側に延び且つ径方向に拡径して、軸受ハウジング(60)の筒軸(118)側の端部内側に配置された第1拡径部(130a)と、第1拡径部(130a)から更に筒軸(118)側に延び且つ径方向に拡径して、筒軸(118)の径方向外方を覆う第2拡径部(130b)と、を有しており、
    第1拡径部(130a)の外周面が前記シール受面(145)を構成し、第2拡径部(130b)の内周面が前記シール装着面(146)を構成していることを特徴とする、請求項2に記載の動力伝達軸のシール構造。
  4. 回転用シール(125)の筒軸(118)側の側部にサイドダストリップ部(135)が突設され、該サイドダストリップ部(135)が圧接するシール受部(130d)が、シール保持筒体(130)の外周面から径方向外方に突設されていることを特徴とする、請求項3記載の動力伝達軸のシール構造。
  5. 軸受ハウジング(60)の反筒軸側の端部と回転軸(54)との間に第2回転用シール(127)が配置され、回転軸(54)の同側の端部に継手(61)が連結されており、第2回転用シール(127)の反筒軸(118)側の側部にサイドダストリップ部(142)が突設され、該サイドダストリップ部(142)が圧接するシール受体(143)が、継手(61)のヨーク(61a)とは別体として形成されて該ヨーク(61a)に固定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の動力伝達軸のシール構造。
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