JP2006083653A - 車両用開きドアの開放装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアを自動的に所定開度開放させる。
【解決手段】車両の開きドア1がヒンジ連結されたピラー2を押圧してドアを所定開度開
放する押圧体11をドア1のヒンジ側端部1aに設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用開きドアを所定開度だけ自動的に開く様にした車両用開きドアの開放
装置に関する。
従来、車両用開きドアの自動開閉装置は、ドアがヒンジ連結されたピラーに先端が枢着
され、ドアのヒンジ側端部より出没自在に設けたドア開閉用ロッドを適宜伝動機構部を介
して駆動源に連繋している。
又、自動開閉装置は、車両に装備されたドアロックによる施錠を強制的に解除するドア
ロック解除装置に連繋されており、ドアを自動開放する場合には、先ずドアロック解除装
置にてドアロックによる施錠を解除した後、自動開閉装置によってドア開閉用ロッドをド
アのヒンジ側端部より突出させることにより全開するまで開扉動作する。
一方、ドアの自動閉鎖は、自動開閉装置によってドア開閉用ロッドをドア内へ没入させ
ることにより、ドアを閉扉動作させて全閉する(例えば、特許文献1)。
特開昭58−189473号公報
しかしながら、上記構成の自動開閉装置では、例えば隣接する駐車スペースに余裕が無
く、ドアを全開させたくない様な場合であっても、ドアを自動開放すると、ドアは全開し
ようとするため、隣接駐車された車両にドアが衝突する危険を招来している。
本発明は、車両の開きドアがヒンジ連結されたピラーを押圧してドアを所定開度開放す
る押圧体をドアのヒンジ側端部に設けることにより、ドアを自動で所定開度開放し、その
後は手動で開け閉めする様にして、上記課題を解決する。
又、押圧体はドアを所定開度開放すると、かかる開放状態を保持する様に停止し、又先
端がピラーに枢着され、ドアのヒンジ側端部に設けた挿通口と、該挿通口に連続すると共
に、上下一対の挟持体にて押圧付勢された挿通路を挿通したドアチェックリンクにおいて
、該ドアチェックリンクの上下に設けられる係合突起が、押圧体による前記ドア開放状態
で挟持体に係止される様に設定することにより、押圧体により所定開度開放されたドアは
開き方向及び閉じ方向のいずれにも動きが規制され、その状態を保持する。
又、押圧体による上記ドア開放状態で挟持体に係止されているドアチェックリンクの係
合突起が、挟持体の押圧力に抗して挟持体間を挿通したことを検出するドア拡開検出装置
を設け、該ドア拡開検出装置からの検出信号により、押圧体を復帰させる様に成すことに
より、ドアを手動で開く際には押圧体を復帰させ、その後支障なくドアを閉じられる様に
する。
要するに請求項1に係る発明では、ドアの自動開放に際し、押圧体がピラーを押圧して
ドアを所定開度を以て開く様に成したので、ドアは全開せずに少し開いた状態のため、駐
車スペースに余裕がなくても、隣接駐車された車両にドアが当たらない様に開くことが出
来る。
この様に、ドアが少し開くので、例えば両手に荷物を持っていてドアを手動で開けられ
ない場合であっても、少し開いたドアと車体との隙間に身体をねじ込んで荷物を車内に置
いたり、乗車できる。
請求項2に係る発明では、押圧体によって所定開度開放された状態のドアは、その閉じ
方向では、その開放状態を保持する様に停止している押圧体によって閉扉動作が抑止され
、その開き方向では、ドアの前記開放状態に対応してドアチェックリンクの係合突起が挟
持体に係止されることにより開扉動作が抑止されるので、ドアは所定開度開放した状態を
保持できる。
この様に、所定開度を以て一旦開放されたドアは、それ以上勝手に開いたり閉じたりす
ることがないため、例え傾斜地等に駐車した場合であっても、その開放状態を保持でき安
全である。
請求項3に係る発明では、押圧体によって所定開度開放された状態のドアを、これより
手動で開放する場合、その開放状態で挟持体に係止されているドアチェックリンクの係合
突起が、手動によるドアの開放動作により、挟持体の押圧力に抗して挟持体間を挿通して
ドアを大きく開くことができると共に、かかるドアの動作をドア拡開検出装置が検出して
押圧体を復帰させられるので、その後ドアを手動で閉鎖するに際し、通常のドアと同様に
何らの支障なくドアを締め切ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
以下本発明の実施の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
図1は車両の開きドアの内部を示す図であり、該ドア1は車体のピラー2にヒンジ3に
て回動自在に連結され、車両に既設されたドアロック(図示せず)を強制解除するロック
解除装置4と、ドア1を所定開度開放させるアクチュエータ5と、ドア1を所定開度で段
階的にホールドするドアチェック6を内装している。
ドアロックは、ドアに内装されたドアロック本体と、車体側に設けたストライカとから
成り、ドアロック本体に組み込まれたラッチがストライカに係合することによりドア1を
施錠する装置であり、ロック解除装置4は、アクチュエータ5に連繋され、ドア1の開放
時に、前記ラッチによるストライカの係合を強制的に解除するものであり、ドアロックに
おいてラッチがストライカを開放するために設けられたラッチの解除レバーを解除方向に
押圧揺動するロック強制解除機構7をドアロック本体に組み付けている。
ロック強制解除機構7は、操作ワイヤ8を介してドア1内で離間配置された操作機構部
9に連繋しており、該操作機構部9は、これに駆動源として組み付けられた電動モータ10
の作動により、操作ワイヤ8を介してロック強制解除機構7を動作させ、ラッチの解除レ
バーを解除方向に揺動させてラッチによるストライカの係合を解除し、電動モータ10の停
止後、ロック強制解除機構7を復帰させ、ドア1が全閉された時にラッチがストライカに
係合して施錠する様に成している。
そして、ロック解除装置4によるドアロック解除後、アクチュエータ5が作動し、ドア
1を開放操作する様に成している。
尚、ロック解除装置4及びアクチュエータ5によるドア1を開放させるための一連の動
作は、リモコンスイッチ又は運転席に設けたスイッチにより起動する様に設定されている
アクチュエータ5は、ピラー2を押圧してドア1を所定開度開放する押圧体11をドア1
のヒンジ側端部1aに設けている。
押圧体11は先端がピラー2を押圧するキャップ12にて閉塞された筒体から成り、ドア1
内部に設置された駆動部13にピラー2に対し進退自在に組み付けており、ドア1の全閉状
態でキャップ12がピラー2に図示例の様にほぼ当接した状態、又はピラー2より離間した
状態(図示せず)を押圧体11の始動前(初期)状態と成している(図1、2参照)。
駆動部13は正逆回転自在な駆動モータ14を駆動源とする伝動機構部15と、押圧体11に外
嵌してこれを出没自在に支持する略筒状のガイドパイプ16と、押圧体11の出没動作後、こ
れを停止させる押圧体停止手段17とから主に構成されている。
図3に示す様に、伝動機構部15は、駆動モータ14の駆動軸が挿入されたギヤボックス18
内で、その駆動軸に軸着したウォームホイール19と、該ウォームホイール19に噛合される
と共にギヤボックス18内で軸受されたウォーム20と、該ウォーム20と同軸に連結され、ギ
ヤボックス18と内部連通する様にこれに固定されたガイドパイプ16内に挿入した送りねじ
棒21とから成る。
送りねじ棒21は、ガイドパイプ16内で押圧体11の基端側から螺入されており、駆動モー
タ14の作動にてウォームギヤ19、20を介して回転する送りねじ棒21により、押圧体11をガ
イドパイプ16より出没動作させる。
ガイドパイプ16は、その側面における一母線上にその基端から先端側へ渡り一条の溝22
が形成され、該溝22には押圧体11の基端よりガイドパイプ16外方へ突設した軸棒23を挿通
し、該軸棒23において溝22との交差部位に溝22を摺動する転子23aを装着している。
押圧体停止手段17は、上記軸棒23と、ガイドパイプ16の先端側及び中央に隣接配置され
たマイクロスイッチ24、25とから成り、該マイクロスイッチ24、25はガイドパイプ16の溝
22の形成面側を被覆したカバーボックス17aに内装されている。
そして、押圧体11がその初期状態より所定長さ進出することによりピラー2を押圧して
ドア1を所定開度開放した時に、押圧体11と共に溝22に沿って移動する軸棒23が先端側の
マイクロスイッチ24のレーバースイッチ24aを押圧し、これによりマイクロスイッチ24が
ONされ、該マイクロスイッチ24からの検出信号が駆動モータ14に入力され、該駆動モー
タ14を停止させ、押圧体11はドア1の前記開放状態を保持する様に停止する。
又、中央のマイクロスイッチ25は、上記の様に押圧体11がドア1を所定開度開放した状
態を保持する様に停止した状態から初期状態へ復帰した時に、軸棒23がそのレーバースイ
ッチ25aを押圧し、これによりマイクロスイッチ25がONされ、該マイクロスイッチ25か
らの検出信号が駆動モータ14に入力され、該駆動モータ14を停止する様に成している。
押圧体11の復帰動作は、後述するドア拡開検出装置26からの検出信号が駆動モータ14に
入力されることで成される。
尚、押圧体11は、駆動部13の作動によりピラー2を押圧してドア1を所定開度開放する
構成であれば良いので、駆動部13を油圧又は空気圧式のシリンダとしたシリンダロッドで
あったり、又は駆動部13の駆動モータ14に軸着したピニオンに噛合したラックであっても
良いし、これらの様に直線往復運動する形式のものに限らず、例えばカム板を利用したも
のであっても良い。
ドアチェック6は、図4に示す様に、所定長さを有する略棒状材の先端と基端間に上下
一対の係合突起27、28(図示例では2組)を複数組膨出形成したドアチェックリンク29と
、該ドアチェックリンク29を挿通支持するドアチェック本体30とから成る。
ドアチェックリンク29は、先端がピラー2に枢着されると共に、ヒンジ側端部1aに出没
自在に挿通され、ドアチェック本体30は、ドア1のヒンジ側端部1aに貫設したドアチェッ
クリンク29の挿通口31に連続する様に挿通路32を設けたカバー体33をヒンジ側端部1a内側
に固定している。
カバー体33内には、挿通路32の上下にドアチェックリンク29の挟持体34を設けている。
挟持体34はドアチェックリンク29の上下面を転動するローラー35と、該ローラー35を回
転自在に支持すると共に、カバー体33内を上下に摺動する軸受36と、各軸受36とカバー体
33内の上下面の夫々の間に圧縮介装されたバネ材37とから成り、該バネ材37によって軸受
36を介した上下の各ローラー35はドアチェックリンク29の上下面の夫々を押圧する様に付
勢されている。
そして、アクチュエータ5の押圧体11による上記ドア開放状態において、ドアチェック
リンク29の先端寄りの第一の係合突起27が挟持体34に係止される様に設定しており、これ
によりドア1の開き方向への開扉動作が抑止され、その開放状態を保持する様に成してい
る(図5参照)。
尚、ドアチェックリンク29の基端側には、カバー体33の挿通路32の入口32aより大きい
ストッパー38を突設し、ドア全開時にストッパー38がカバー体33における入口32a周面に
当接する様に成している。
ドア1の全閉状態において、ドアチェックリンク29の係合突起27、28間の係合突起27寄
り部位には、ローラーレバー26a先端を摺接させたマイクロスイッチから成るドア拡開検
出装置26を設置している。
このドア拡開検出装置(マイクロスイッチ)26は、押圧体11によって所定開度開放され
たドア1を手動で開き方向へ拡開操作する時に、押圧体11による上記ドア開放状態で挟持
体34に係止されているドアチェックリンク29の係合突起27が、挟持体34の押圧力に抗して
挟持体34間を挿通したことを検出し、押圧体11を復帰させる。
即ち、上記手動開放に応じ挟持体34間を係合突起27が挿通移動すると、後続の係合突起
28がローラーレバー26aを押圧し、これによりマイクロスイッチ26がONされ、該マイク
ロスイッチ26からの検出信号が駆動部13の駆動モータ14に入力され、該駆動モータ14が作
動することにより、押圧体11を後退復帰させる(図6参照)。
この復帰後は押圧体停止手段17のマイクロスイッチ25により上述の如く駆動モータ14は
停止する。
尚、ドアチェックリンク29の基端側に設けたストッパー38の軌道上には、マイクロスイ
ッチ26から突出しているローラーレバー26aが有するため、ストッパー38の下部にはロー
ラーレバー26aの挿通可能な凹部38aを設けている。
上記の様に構成された車両用開きドアの開放装置は、ドア1の閉鎖状態において、リモ
コンスイッチ等により開信号を受けると、先ずロック解除装置4の電動モータ10が作動し
、ドアロックによる施錠を解除する。
次いで、アクチュエータ5の駆動モータ14が作動し、ウォームギヤ19、20を介して送り
ねじ棒21が一方向に回転することにより押圧体11を進出させ、その先端のキャップ12がピ
ラー2を押圧し、ドア1を所定開度開放させる。
ドア1を所定開度開放すると、押圧体11の軸棒23がマイクロスイッチ24のレバースイッ
チ24aを押圧して駆動モータ14を停止させ、ドア1を所定開度開放した進出状態で押圧体
11は停止し、ドア1のかかる開放状態を閉じ方向に対し保持する。
上記開放状態では、ドア1の開度に対応してドアチェックリンク29は、その先端側がド
ア1のヒンジ側端面部1aの挿通口31より所定長さ進出し、ドアチェックリンク29の先端寄
りの係合突起27はバネ材37の付勢力により挿通路32の間隔が狭められたローラー35に係止
される。
かかる状態ではドアチェックリンク29にドア1の開き方向へ一定以上の荷重が作用しな
い限り、係合突起27はローラー35の押圧力に抗してローラー35間の間隔を拡開してドアチ
ェック本体30内を通過できないので、ドア1の上記開放状態は開き方向に対しても保持さ
れている。
上記開放状態のドア1を更に拡開するには、手動によりドア1を開放操作する。
この手動操作により、係合突起27はローラー35の押圧力に抗してローラー35間の間隔を
拡開して挿通路32内を通過し、かかる時点で、移動する係合突起27の後続の係合突起28に
よりローラーレバー26aが押圧され、マイクロスイッチ26をONし、該マイクロスイッチ
26からの検出信号が駆動部13の駆動モータ14に入力され、該駆動モータ14が作動し、ウォ
ームギヤ19、20を介して送りねじ棒21が前記と逆方向に回転することにより、押圧体11を
後退復帰させる。
この復帰した時点で、押圧体11の軸棒23がマイクロスイッチ25のレバースイッチ25aを
押圧すると駆動モータ14が停止する。
ドア1が全開される間には、係合突起28も係合突起27に続いてローラー35間の間隔を拡
開して挿通路32内を通過し、全開状態でストッパー38がカバー体33における入口32a周面
に当接してその状態が保持される。
そして、ドア1の閉鎖は、手動でドア1を閉扉操作することにより成し得る。
この際、押圧体11は既に復帰しているため、ドア1は支障なく全閉される。
尚、本実施例では、押圧体11によるドア1の開度は約10度に設定しているが、押圧体
11の突出長の変更によりその開度は適宜に設定可能である。
車両ドアの内部を示す図である。 図1のAーA断面図である。 アクチュエータの断面図である。 ドア閉鎖状態のドアチェックを示す断面図である。 ドアが所定開度開放した状態のドアチェックを示す断面図である。 ドア拡開中のドアチェックを示す断面図である
符号の説明
1 ドア
1a ヒンジ側端部
2 ピラー
3 ヒンジ
11 押圧体
26 ドア拡開検出装置
27 係合突起
29 ドアチェックリンク
31 挿通口
32 挿通路
34 挟持体

Claims (3)

  1. 車両の開きドアがヒンジ連結されたピラーを押圧してドアを所定開度開放する押圧体を
    ドアのヒンジ側端部に設けたことを特徴とする車両用開きドアの開放装置。
  2. 押圧体はドアを所定開度開放すると、かかる開放状態を保持する様に停止し、又先端が
    ピラーに枢着され、ドアのヒンジ側端部に設けた挿通口と、該挿通口に連続すると共に、
    上下一対の挟持体にて押圧付勢された挿通路を挿通したドアチェックリンクにおいて、該
    ドアチェックリンクの上下に設けられる係合突起が、押圧体による前記ドア開放状態で挟
    持体に係止される様に設定したことを特徴とする請求項1記載の車両用開きドアの開放装
    置。
  3. 押圧体による上記ドア開放状態で挟持体に係止されているドアチェックリンクの係合突
    起が、挟持体の押圧力に抗して挟持体間を挿通したことを検出するドア拡開検出装置を設
    け、該ドア拡開検出装置からの検出信号により、押圧体を復帰させる様に成したことを特
    徴とする請求項2記載の車両用開きドアの開放装置。
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