JP2006082809A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の電動ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置において、電動ブレーキ装置の少なくとも1つに異常が生じた場合に、正常な電動ブレーキ装置の有効利用を図る。
【解決手段】車両の走行速度が設定速度より小さい場合には、すべての正常な電動ブレーキ装置が作動させられるが(S9,12の判定がNOである場合)、設定速度以上である場合には旋回内側の後輪の正常な電動ブレーキ装置が作動させられないことになる(S10,13)。車両の同じ側の異常である電動ブレーキ装置の個数が1個である場合には2個である場合より、設定速度が大きくされる。異常である電動ブレーキ装置の個数が少なく、走行状態が安定である場合には、正常なブレーキ装置を作動させるのであり、それによって、正常なブレーキ装置の有効利用を図り得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に関するものである。
特許文献1には、車両の前後左右の各々の位置に設けられた4つの車輪の回転をそれぞれ抑制する4つのブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置であって、前記4つの車輪のうちの1つ以上の車輪のブレーキ装置が異常である場合において、その異常であるブレーキ装置に対応する車輪の位置(以下、ブレーキ装置の位置と称する)に応じて決まる位置の正常なブレーキ装置の作動を禁止するブレーキ作動禁止部を含むものが記載されている。
このブレーキ制御装置においては、例えば、右後輪のブレーキ装置が1つ異常である場合には正常な左後輪のブレーキ装置の作動が禁止され、左前輪のブレーキ装置と左後輪のブレーキ装置との2つが異常である場合には、正常な右後輪のブレーキ装置の作動が禁止される。その結果、1つ以上のブレーキ装置が異常となった場合における車両の左側と右側とのブレーキ力の差が小さくされるため、車両の操縦安定性の低下を抑制することができる。
特許第2835173号公報
しかし、車両の操縦安定性の低下を抑制しつつ正常なブレーキ装置を上記の場合より有効に利用し得る場合があることが判明した。左側と右側とのブレーキ力の差に起因して操縦安定性は低下するのであるが、問題になるほどではない場合があるのである。そこで、本発明の課題は、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ちつつ、正常なブレーキ装置を有効に利用可能なブレーキ制御装置を得ることである。
上記課題は、車両に設けられた複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、前記複数のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、1つ以上が正常である場合において、前記車両の走行速度が、前記異常が検出されたブレーキ装置の個数が多い場合は少ない場合より小さい値である設定速度以上である場合に前記設定速度より小さい場合より、前記正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を小さくする異常時ブレーキ制御部を設けたことによって解決される。
本項に記載のブレーキ制御装置においては、車両の走行速度が、異常が検出されたブレーキ装置の個数が多い場合は少ない場合より小さい値である設定速度以上である場合に設定速度より小さい場合より、正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力が小さくされる。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組を、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)車両に設けられた複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
前記複数のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、1つ以上が正常である場合において、前記車両の走行速度が、前記異常が検出されたブレーキ装置の個数が多い場合は少ない場合より小さい値である設定速度以上である場合に前記設定速度より小さい場合より、前記正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を小さくする異常時ブレーキ制御部を設けたことを特徴とするブレーキ制御装置(請求項1)。
(2)前記設定速度が、前記異常が検出されたブレーキ装置の前記車両の幅方向のいずれか一方の側にある個数が2つの場合は1つの場合より小さい値とされた(1)項に記載のブレーキ制御装置(請求項2)。
異常であるブレーキ装置が車両の幅方向のいずれか一方の側に2つある場合と1つの場合とでは、2つある場合の方が、正常なブレーキ装置を作動させた場合に生じる一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が大きくなる。そのため、これらのブレーキ力差を許容すると操縦安定性が著しく低下するおそれがある。したがって、異常であるブレーキ装置が2つである場合の方が、車両の走行状態が安定であると検出され難くすることは妥当なことである。また、1つである場合の方が、安定であると検出され易くなり、正常なブレーキ装置を有効に利用し得る機会が多くなる。
(3)前記異常時ブレーキ制御部が、前記少なくとも1つの正常なブレーキ装置のブレーキ力を、前記車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より小さくなるように制御する制御部を含む(1)項または(2)項に記載のブレーキ制御装置(請求項3)。
(4)前記異常時ブレーキ制御部が、前記車両の走行速度が前記設定速度より小さい場合には、前記正常なブレーキ装置のすべてを作動させ、設定速度以上である場合には、前記正常なブレーキ装置の少なくとも1つを作動させない手段を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置(請求項4)。
車両の走行速度が設定速度より小さい場合は正常なブレーキ装置をすべて作動させても、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ち得るのであり、正常なブレーキ装置の有効利用を図ることができる。それに対して、設定速度以上である場合には、例えば、異常であるブレーキ装置に対応する車輪の位置に応じて決まる位置のブレーキ装置、すなわち、異常であるブレーキ装置と車両の幅方向の反対側のブレーキ装置の少なくとも1つの作動を禁止することが望ましい。車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差を小さくすることができ、操縦安定性の低下を抑制することができる。
(5)前記異常時ブレーキ制御部が、前記少なくとも1つの正常なブレーキ装置のブレーキ力の増加勾配と減少勾配との少なくとも一方を、異常なブレーキ装置が検出されない場合に比較して抑制する変化勾配抑制部を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置(請求項5)。
ブレーキ力の変化勾配を抑制すれば、幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力差の変化勾配が緩やかになる。ブレーキ力差が急激に変化することが回避されるため、ブレーキ力差に起因するヨーモーメントの変化を抑制することができ、ヨーモーメントの変化に伴って車両の挙動が変わっても、運転者の操舵によって容易に修正することができる。
増加勾配と減少勾配との少なくとも一方が抑制されるブレーキ装置は、正常なブレーキ装置すべてであっても、異常なブレーキ装置と幅方向の反対側に位置する正常なブレーキ装置の少なくとも1つであってもよい。
なお、抑制された増加勾配と減少勾配との少なくとも一方は、常に一定の大きさとしても、車両の走行状態等に基づいた大きさとしてもよい。
(6)車両の幅方向の互いに隔たった位置に設けられた少なくとも2つの車輪を含む3つ以上の車輪の回転をそれぞれ抑制する3つ以上のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
前記3つ以上のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、2つ以上が正常である状態において、車両の走行状態が予め定められた設定状態より安定側にある場合は、それ以外の場合に比較して、前記車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が大きくなることを許容する状態で、前記正常な2つ以上のブレーキ装置を作動させる異常時ブレーキ制御部を設けたことを特徴とするブレーキ制御装置。
本項に記載のブレーキ制御装置においては、車両の走行状態が予め定められた設定状態より安定側にある場合は、それ以外の場合に比較して、車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が大きくなることを許容する状態で、正常な2つ以上のブレーキ装置が作動させられる。
例えば、従来のブレーキ制御装置においては、右後輪のブレーキ装置が異常である場合には必ず正常な左後輪のブレーキ装置の作動が禁止されていたのに対し、本項に記載のブレーキ制御装置においては、車両の走行状態が設定状態より安定側にある場合は左後輪のブレーキ装置も作動させられるようにすることができる。この場合には、正常な左後輪のブレーキ装置を作動させても操縦安定性がほぼ良好な状態に保たれるのであり、正常なブレーキ装置の有効利用を図り得、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。
本項に記載のブレーキ制御装置には、(1)項ないし(5)項に記載の技術的特徴を採用することができる。
(7)前記異常時ブレーキ制御部が、前記車両の走行状態が設定状態より安定側にあるか否かを、車両の操舵状態と走行速度との少なくとも一方に基づいて検出する走行状態検出部を含む(6) 項に記載のブレーキ制御装置。
車両の走行状態が安定状態にあるか否かは、操舵状態と走行状態との少なくとも一方に基づいて検出することができる。
車両が、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回内側輪である方向に旋回している状態は、旋回外側輪である方向に旋回している状態より安定側にあると検出することができる。車両が旋回状態にある場合には、旋回に起因して旋回方向のヨーモーメントが生じる。また、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回内側輪である場合には、旋回内側より旋回外側の方がブレーキ力が大きくなり、これらのブレーキ力差に起因して旋回方向と反対方向のヨーモーメントが生じる。このように、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回内側輪である方向に旋回している状態においては、旋回に伴うヨーモーメントの方向とブレーキ力差に起因するヨーモーメントの方向とが逆になるため、スピン状態になり難くなる。それに対して、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回外輪である方向に旋回している状態においては、旋回に伴うヨーモーメントの方向とブレーキ力差に起因するヨーモーメントの方向とが同じになり、スピン状態になり易くなる。したがって、車両が、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回内側輪である方向に旋回している状態は、設定状態より安定側にあると検出されるようにすることができるのである。
また、車両が、異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回外側輪である方向に旋回している状態において、車両の舵角が小さい場合は大きい場合より安定状態にあるとすることができ、例えば、舵角が設定角度より小さい場合は設定状態より安定側にあると検出されるようにすることができる。なお、舵角に限らず、ステアリングホイールの操舵角,ヨーレイト等に基づいて同様に安定状態にあるか否かを検出することができる。
車両の走行速度が小さい場合は大きい場合より安定状態にあるとすることができ、例えば、設定速度より小さい速度で走行している状態は、設定状態より安定側にあると検出されるようにすることができる。また、走行速度が小さい場合は大きい場合より同じ舵角に対して車両に作用する横方向の力が小さくなるため、一方の側と他方の側とのブレーキ力差に起因してヨーモーメントが生じても、車両の挙動に大きな影響を及ぼすことがない。また、たとえ車両の挙動に多少影響が及んでも、走行速度が小さい場合は運転者の操舵によって容易に修正することができる。
なお、車両の走行状態が操舵状態と走行速度との両方に基づいて検出されるようにすれば、安定状態にあるか否かがより的確に検出される。
(8)前記走行状態検出部が、車両の走行速度が操舵状態に応じて決まる設定速度より小さい場合に、前記車両の走行状態が設定状態より安定側にあるとする(7) 項に記載のブレーキ制御装置。
例えば、〔実施例〕において説明するように、設定速度を、舵角が大きい場合は小さい場合より小さくすることができる。舵角が小さい場合は走行速度が大きくても安定であり、舵角が大きい場合は走行速度が小さい場合に安定であると検出されることは妥当なことである。
(9)前記異常時ブレーキ制御部が、前記異常であるブレーキ装置の位置と、前記車両の旋回方向とに基づいて、前記車両の走行状態が設定状態より安定側にあるか否かを検出する旋回方向対応走行状態検出部を含む(6) 項ないし(8) 項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
(10)前記旋回方向対応走行状態検出部が、前記車両の旋回方向が、前記異常であるブレーキ装置に対応する車輪が旋回内輪である場合は、安定側にあると検出する(9) 項に記載のブレーキ制御装置。
(11)前記設定状態を、異常であるブレーキ装置の個数が多い場合は少ない場合より安定側の状態とする(6) 項ないし(10) 項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
(12)前記異常時ブレーキ制御部が、前記正常な2つ以上の車輪のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を、前記車両の走行状態に基づいて制御する(6) 項ないし(11) 項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
正常な2つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力が走行状態に基づいて制御されるため、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ちつつ車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。
ブレーキ力は、例えば、走行状態の安定性の程度(安定度と略称する)に応じた大きさに制御されるようにすることができる。安定度が大きい場合は小さい場合よりブレーキ力が大きな値に制御されるようにするのである。この場合において、ブレーキ力は安定度に応じて連続的に変化させられるようにしても段階的に変化させられるようにしてもよい。また、ブレーキ力の制御にはブレーキ力を0にする制御も含まれる。ブレーキ力が0にされれば、そのブレーキ装置の作動が禁止されたことと同じになる。さらに、ブレーキ力が制御されるブレーキ装置は、異常であるブレーキ装置と幅方向の反対側の正常なブレーキ装置の少なくとも1つとすることが望ましい。
例えば、ブレーキ力が走行速度に基づいて制御されるようにすることができる。走行速度が大きい場合は小さい場合より安定度が低いと考えられるため、走行速度が大きい場合はブレーキ力を小さくするのである。ブレーキ力が0より大きく、通常の制御値より小さい値に制御されれば、そのブレーキ装置の作動が禁止される場合より車両全体のブレーキ力を大きくすることができ、通常の大きさに制御される場合より操縦安定性を良好な状態に保つことができる。
また、ブレーキ力が操舵状態に基づいて制御されるようにすることができる。操舵状態としての舵角が大きい場合は小さい場合より安定度が低いと考えられるため、舵角が大きい場合にブレーキ力が小さくされるようにするのである。
(13)前記異常時ブレーキ制御部が、前記車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が大きくなることを許容する状態で前記正常な2つ以上のブレーキ装置が作動させられた場合には、それ以外の場合より、前記2つ以上の正常なブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ装置のブレーキ力の増加勾配と減少勾配との少なくとも一方を小さくする変化勾配抑制部を含む(6) 項ないし(12) 項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
一方の側と他方の側とのブレーキ力差が大きくなることが許容された場合は、変化勾配を抑制することが望ましいが、大きなブレーキ力差が生じることがない場合は、変化勾配を抑制する必要はない。
(14)複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
前記複数のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、1つ以上が正常である状態において、前記1つ以上の正常なブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ装置のブレーキ力の増加勾配と減少勾配との少なくとも一方を、異常なブレーキ装置がない場合に比較して抑制する変化勾配抑制部を設けたブレーキ制御装置。
(15)前記ブレーキ装置が、車輪とともに回転するブレーキ回転体に、車体側部材に保持された摩擦係合部材を押し付けるアクチュエータであって、その摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付力が供給電気エネルギの制御により制御可能な電気制御アクチュエータを含む(1) 項ないし(14)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
ブレーキ装置は、電動アクチュエータとしての電動モータ等を含む電動ブレーキ装置とすることができる。この電動ブレーキ装置においては、摩擦係合部材がブレーキ回転体に電動モータ等の電動アクチュエータにより押し付けられてブレーキが作動させられるのであり、押付力が電動アクチュエータに供給される電気エネルギの制御によって制御されることになる。
ブレーキ装置は、ホイールシリンダと、そのホイールシリンダの液圧を制御可能な液圧制御弁装置とを含む液圧ブレーキ装置とすることができる。液圧制御弁装置は、ホイールシリンダと、高圧源と、低圧源との間に設けられた1つ以上の電磁制御弁を含むものであり、電磁制御弁の制御によりホイールシリンダ液圧を増圧,減圧することができ、それによって押付力を制御することができる。この場合には、ホイールシリンダと液圧制御弁装置とによって電気制御アクチュエータが構成される。電気制御アクチュエータは、また、ホイールシリンダと、ホイールシリンダに接続されたポンプと、そのポンプを駆動する電動のポンプモータとを含むものとすることができる。ポンプモータの制御によりポンプから吐出される作動液の液圧が制御され、それに応じてホイールシリンダ液圧が制御される。この形式の電気制御アクチュエータは、ポンプモータを駆動源、ホイールシリンダを出力部材、液通路内の作動液を伝達媒体とする電動アクチュエータと見なすことも可能である。
いずれにしても、ブレーキ装置においては、ブレーキ力が電気制御アクチュエータへの供給電気エネルギの制御によって制御されるが、ブレーキ力は、ブレーキ操作部材の操作状態に応じた大きさに制御されても、操作状態とは対応しない大きさに制御されてもよい。また、ブレーキ装置は、電気制御アクチュエータに電気エネルギが供給されることによってブレーキ力を発生させるものであるため、電気制御アクチュエータ等に異常が生じると電気エネルギを供給してもブレーキ力が発生させられないことになる。ブレーキ装置は、ブレーキ力がブレーキ操作部材の操作に基づいて機械的に発生させられるものであってもよいが、その場合でも、ブレーキ操作に基づいて機械的に発生させられる機械的ブレーキ力とは別に、電気制御アクチュエータへの電気エネルギの制御により電気的に制御可能なブレーキ力が発生させられ得ることが必要である。
なお、ブレーキ装置は上述の摩擦ブレーキ装置に限らず電動モータの回生制動により車輪の回転を抑制する回生ブレーキ装置とすることもできる。この場合には、車輪毎に車両を駆動する電動モータ(ホイールインモータ)を設け、車輪に加えられる回生制動トルクを別個に制御可能とする。
(16)複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
前記複数のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、1つ以上が正常である場合において、正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を、前記それら複数のブレーキ装置が設けられた車両の操舵状態に基づいて制御する異常時ブレーキ制御部を設けたことを特徴とするブレーキ制御装置。
正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を、車両の操舵状態に基づいて制御すれば、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ちつつ、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。
なお、本項に記載のブレーキ制御装置には、(1) 項ないし(15)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(17)前記異常時ブレーキ制御部が、前記異常が検出されたブレーキ装置に対応する車輪が旋回外側輪である場合は旋回内側輪である場合に比較して、前記正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの、異常が検出されたブレーキ装置とは前記車両の幅方向において反対側のブレーキ装置の少なくとも1つのブレーキ力を小さくする旋回方向対応ブレーキ力抑制部を含む(16)項に記載のブレーキ制御装置。
(18)前記旋回方向対応ブレーキ力抑制部が、前記ブレーキ力を小さくするブレーキ装置のブレーキ力を、操舵角度が大きい場合に小さい場合より小さくする(17)項に記載のブレーキ制御装置。
(19)前記異常時ブレーキ制御部が、さらに、前記車両の走行速度に基づいて前記ブレーキ力を制御する走行速度対応ブレーキ制御部を含む(16)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
車両の操舵状態のみでなく走行速度も考慮すれば、操縦安定性の低下を良好に抑制することが可能となる。
(20)複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数の主ブレーキ装置のブレーキ力と、前記複数の車輪のうちの少なくとも1つの車輪に対応して設けられた前記主ブレーキ装置とは別の副ブレーキ装置のブレーキ力とをそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
前記複数の主ブレーキ装置の1つ以上が異常である場合に、その異常である1つ以上の主ブレーキ装置と同じ車輪に対応する副ブレーキ装置のうちの少なくとも1つを作動させる異常時ブレーキ制御部を設けたことを特徴とするブレーキ制御装置。
主ブレーキ装置が異常である場合に副ブレーキ装置を作動させれば、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。また、副ブレーキ装置を作動させない場合に比較して、車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差を小さくすることができ、操縦安定性の低下を抑制することができる。
例えば、主ブレーキ装置をサービスブレーキ装置とし、副ブレーキ装置をパーキングブレーキ装置とすることができる。主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とのいずれか一方をディスクブレーキを含む装置とし他方をドラムブレーキを含む装置とすることができる。また、車両の駆動装置が駆動モータを含むものである場合であって、駆動モータが車輪毎に設けられたホイールインモータである場合には、主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とのいずれか一方を回生ブレーキ装置とし、他方をディスクブレーキを含むブレーキ装置とすることができる。
なお、本項に記載のブレーキ制御装置には、(1) 項ないし(19)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(21)前記異常時ブレーキ制御部が、車両の走行状態が予め定められた設定状態より安定側になるように、正常な主ブレーキ装置のブレーキ力を制御する異常時主ブレーキ力制御部を含む(20)項に記載のブレーキ制御装置。
複数の主ブレーキ装置のうちの1つ以上が異常である場合に、少なくとも1つの副ブレーキ装置が作動させられるとともに、正常な主ブレーキ装置のブレーキ力が制御されれば、安定な走行状態に保つことができる。
(22)前記異常時主ブレーキ力制御部が、前記主ブレーキ装置のブレーキ力を車両の走行状態に基づいて制御する(21)項に記載のブレーキ制御装置。
(23)前記複数の車輪のうちの少なくとも2つが、前記複数の車輪が設けられた車両の幅方向の互いに反対側に設けられたものである場合において、
前記異常時ブレーキ制御部が、前記車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が予め定められた設定差より大きくならないように、前記副ブレーキ装置のブレーキ力と主ブレーキ装置のブレーキ力との少なくとも一方を制御するブレーキ力差抑制型ブレーキ制御部を含む(20)項ないし(22)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
複数の主ブレーキ装置のうちの1つ以上が異常である場合に、主ブレーキ装置のブレーキ力と副ブレーキ装置のブレーキ力との少なくとも一方が制御されれば、ブレーキ力差を抑制することができる。
主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とで、出力可能なブレーキ力の大きさが異なる場合、例えば、副ブレーキ装置の能力が小さいため、通常制御状態において主ブレーキ装置によって出力されるブレーキ力より小さいブレーキ力しか出力できない場合には、異常である主ブレーキ装置の代わりに副ブレーキ装置を作動させても、幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力差が大きい場合がある。この場合に、ブレーキ力の差が大きくならないように、主ブレーキ装置のブレーキ力も制御されれば、操縦安定性の低下を抑制することができる。なお、ブレーキ力の制御は、ブレーキ力が設定値と0とのいずれかにされる(ブレーキ装置の作動,非作動を切り換える)ことによって行われてもよい。
前記車両の幅方向の一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が予め定められた設定差より大きいか否かは、実際のブレーキ力の差に基づいて判定しても、車両の旋回状態に基づいて判定してもよい。実際のブレーキ力は直接検出したり、ブレーキ装置の作動状態に基づいて間接的に検出したりすることができる。また、車両のヨーレイトが設定値より大きい場合、操舵角や舵角が設定値より大きい場合等には、左右のブレーキ力差が設定差より大きいとすることができる。
例えば、〔実施例〕において後述するように、車両の前後左右に設けられた4つの車輪の各々において、車輪の回転をそれぞれ抑制する4つの主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とが設けられている場合において、左側と右側とのいずれか一方の側において2つの主ブレーキ装置に異常が検出された場合に、これら主ブレーキ装置に代わってそれぞれ副ブレーキ装置が作動させられる場合がある。しかし、一方の側において2つの副ブレーキ装置が作動させられ、他方の側において2つの主ブレーキ装置が作動させられると(副+副:主+主)、一方の側と他方の側とのブレーキ力の差が大きくなる。そこで、他方の側の2つの主ブレーキ装置のいずれか一方のブレーキ力を抑制したり(副+副:主+主′)、ブレーキ力を0にしたり(作動を禁止したり)すれば(副+副:主)、ブレーキ力差を小さくすることができ、操縦安定性を良好な状態に保つことができる。
(24)前記ブレーキ力差抑制型ブレーキ制御部が、異常が検出された主ブレーキ装置の車輪に対応して設けられた副ブレーキ装置を作動させ、正常な主ブレーキ装置の少なくとも1つのブレーキ力を抑制する異常時主ブレーキ力抑制部を含む(23)項に記載のブレーキ制御装置。
主ブレーキ装置が異常である場合には、その車輪に対応する副ブレーキ装置を作動させる。しかし、副ブレーキ装置を作動させても左右のブレーキ力の差が大きい場合には、正常な主ブレーキ装置のブレーキ力を抑制するのであり、それによって、左右のブレーキ力の差を小さくすることができる。
(25)前記異常時主ブレーキ力抑制部が、車両の走行状態が予め定められた設定状態より安定側にない場合に、前記主ブレーキ装置のブレーキ力を抑制する(24)項に記載のブレーキ制御装置。
本項に記載のブレーキ制御装置によれば、ブレーキ力が不要に抑制されることを回避することができる。
(26)前記異常時ブレーキ制御部が、車両に加えられるブレーキ力が、運転者によるブレーキ操作状態に応じたブレーキ力に対して小さくならないように、主ブレーキ装置のブレーキ力と副ブレーキ装置のブレーキ力との少なくとも一方を制御するブレーキ力低下抑制型ブレーキ制御部を含む(20)項ないし(25)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
主ブレーキ装置が異常である場合に、その異常である主ブレーキ装置の作動を禁止して副ブレーキ装置を作動させた場合には、車両全体に加わるブレーキ力が運転者の意図するブレーキ力に対して不足する場合がある。それに対して、例えば、1つの車輪について異常である主ブレーキ装置と正常な副ブレーキ装置との両方を作動させれば、副ブレーキ装置によりブレーキ力を補うことが可能となり、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。
(27)前記主ブレーキ装置と前記副ブレーキ装置との両方が1つの車輪について設けられている場合において、これら主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とが互いに異なる駆動源に接続された(20)項ないし(26)項のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
主ブレーキ装置と副ブレーキ装置とが別個の駆動源に接続されていれば、いずれか一方の駆動源に異常が生じても他方の駆動源によってブレーキ装置を作動させることができ、その車輪にブレーキ力を加えることができる。主ブレーキ装置,副ブレーキ装置は前述の電動アクチュエータを含むものとすることができ、この場合には、各々の電動アクチュエータに電気エネルギを供給する電源が別個に設けられることになる。
以下、本発明の一実施例であるブレーキ制御装置を備えたブレーキシステムについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本ブレーキシステムは、4つのブレーキ装置を含むものである。ブレーキ装置10〜16は、左前輪20,右前輪22,左後輪24,右後輪26にそれぞれ設けられた電動ブレーキ装置であり、電動アクチュエータ(電気制御アクチュエータ)としての電動モータ28〜31と、電動モータ28〜31への供給電流を制御するモータコントローラ34〜37と、電動モータ28〜31の作動状態を検出する図示しない1つ以上のセンサとを含むものである。電動モータ28〜31の駆動により車体側部材に回転不能に保持された摩擦係合部材が車輪20〜26とともに回転するブレーキ回転体に押し付けられることによってブレーキ力が発生させられる。この摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付力が電動モータ28〜31への供給電流の制御により制御され、ブレーキ力が制御される。
モータコントローラ34〜37は、コンピュータを主体とするコンピュータ部,駆動回路等を含むものであり、主制御装置40から供給される情報に応じて電動モータ28〜31を制御する。また、モータコントローラ34〜37は、1つ以上のセンサの出力信号に基づいて電動モータ28〜31の作動状態を検出する。電動モータ28〜31の作動状態に基づいて電動モータ28〜31等が異常であるか否かを判定し、その結果を、主制御装置40に出力する。例えば、電動モータ28〜31への供給電流と作動状態との関係に基づいて異常であるか否かを検出することができる。本実施形態においては、電動モータ28〜31等が異常であるか否かの検出は、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられた後のイニシャルチェック時に行われる。また、センサ,モータコントローラ34〜37等によって異常検出部が構成される。
なお、ブレーキの作動状態を検出するセンサを設けることもできる。電動モータの作動状態とブレーキの作動状態とに基づけば、電動モータやブレーキが異常であるか否かを検出することができる。
主制御装置40は、CPU42,ROM44,RAM46,入力インターフェイス48,出力インターフェイス50等を含むコンピュータを主体とするとするものであり、入力インターフェイス48には、ブレーキ操作部材52の操作量を検出するブレーキ操作量検出装置54、ヨーレイトセンサ56、車速センサ58等が接続されている。
ブレーキ操作量検出装置54は、ブレーキ操作部材52に加えられる操作ストロークや操作力を検出するものであり、ヨーレイトセンサ56は、車両の鉛直軸回りの回転速度を検出するものである。ヨーレイト,車速,車両の構造を表すデータ等に基づいて舵角が検出される。車速センサ58は、車両の走行速度を検出するものであるが、車輪速に基づいて検出するものであっても、車両の駆動装置の出力軸の回転数等に基づいて検出するものであってもよい。
本ブレーキシステムにおいては、電動ブレーキ装置10〜16の各々において、電動モータ28〜31に電流が供給されることによってブレーキ力が発生させられるのであって、ブレーキ操作部材52の操作に伴って機械的に発生させられるわけではない。そのため、電動モータ28〜31等に異常が生じた場合には、電気エネルギが供給されてもブレーキ力が発生させられないことになる。ブレーキ力は、ブレーキ操作部材52の操作状態に応じた大きさに制御しても、ブレーキ操作部材52の操作状態に対応しない大きさに制御してもよいが、本実施形態においては、ブレーキ操作部材52の操作量に応じた大きさに制御される。
すべての電動ブレーキ装置10〜16が正常である場合には、要求ブレーキ力がブレーキ操作量に応じて演算により求められ、要求ブレーキ力を表す情報がモータコントローラ34〜37にそれぞれ出力される。その要求ブレーキ力に応じて、電動モータ28〜31がそれぞれモータコントローラ34〜37により制御される。
また、電動ブレーキ装置10〜16の少なくとも1つに異常が検出された場合には、それに応じて正常な電動ブレーキ装置が制御される。
以下、異常時の制御について図2,3に基づいて説明する。
まず、4つの電動ブレーキ装置10〜16のうちの1つに異常が生じた場合について説明する。
後輪側の電動ブレーキ装置14,16のいずれか一方に異常が検出された場合には、正常な電動ブレーキ装置すべての作動が許可される。2つの前輪20,22と1つの後輪を含む3輪でブレーキが作動させられても、車両の操縦安定性をほぼ良好な状態に保つことができるのである。
前輪側の電動ブレーキ装置10,12のいずれか一方に異常が検出された場合には、その異常である電動ブレーキ装置と幅方向の反対側の正常な後輪の電動ブレーキ装置の作動を許可するか禁止するかが、車両の走行速度と操舵状態とに基づいて決定される。例えば、左前輪20の電動ブレーキ装置10に異常が検出された場合には、正常な右後輪26の電動ブレーキ装置16の作動が、車両の走行状態が設定状態より安定側にあるか否かが判定され、安定側にある場合には許可され、それ以外の場合には禁止されるのである。
右前輪22の電動ブレーキ装置12に異常が検出された場合には、正常な左後輪24の電動ブレーキ装置14の作動を禁止するか許可するかが、車速と操舵状態とに基づいて決定されるのである。
次に、4つの電動ブレーキ装置10〜16のうちの2つに異常が検出された場合について説明する。
車両の左側と右側とのそれぞれ1つずつの電動ブレーキ装置に異常が検出された場合には、正常な2輪の電動ブレーキ装置が作動させられる。この場合には、左側と右側とで大きなブレーキ力差が生じることはない。
例えば、左右後輪24,26の電動ブレーキ装置14,16に異常が検出された場合、左右前輪20,22の電動ブレーキ装置10,12に異常が検出された場合、左前輪20,右後輪26の電動ブレーキ装置10,16に異常が検出された場合、右前輪22,左後輪24の電動ブレーキ装置12,14に異常が検出された場合が該当する。
また、左側と右側とのいずれか一方の側の、前後2つの車輪の電動ブレーキ装置に異常が検出された場合には、正常な他方の後輪の電動ブレーキ装置の作動を禁止するか許可するかが車速と操舵状態とに基づいて決定される。
例えば、左側の前後輪20,24の電動ブレーキ装置10,14に異常が検出された場合には、右後輪26の電動ブレーキ装置16の作動を禁止するか許可するかが決定され、右前後輪22,26の電動ブレーキ装置12,16に異常が検出された場合には、左後輪24の電動ブレーキ装置14の作動を禁止するか許可するかが決定されるのである。
異常な電動ブレーキ装置が1つの場合,2つの場合において、正常な電動ブレーキ装置の作動を禁止するか許可するかは、図3のマップで表されるテーブルに従って決定される。車速と舵角とが、図3のマップにおいて斜線を付した領域に属する場合には禁止されるのである。
すなわち、車両の走行状態が、左右のブレーキ力の差が大きくなると操縦安定性を良好な状態に保つことができない状態にある場合には禁止されるのであるが、大きなブレーキ力差が生じることが許容されても、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ち得る状態にある場合には許可される。具体的には、車速Vが舵角δ等に基づいて決まるしきい値より大きい場合は禁止され、しきい値以下である場合は許可される。しきい値が大きい場合は小さい場合より禁止され難くなるのであり、走行状態が安定側にある場合はしきい値が大きくされるのである。
しきい値は、異常である電動ブレーキ装置に対応する車輪の位置,旋回方向,舵角,異常であるブレーキ装置の個数等に基づいて決まる。
異常である電動ブレーキ装置に対応する車輪が旋回内輪側である状態では旋回外輪側である状態よりしきい値が大きくされる。旋回内輪側である状態では、旋回に伴うヨーモーメントの方向と左右ブレーキ力差に起因するヨーモーメントの方向とが逆になるため、スピン傾向が強くなることが回避される。旋回外輪側である状態では、旋回に伴うヨーモーメントの方向と左右ブレーキ力差に起因するヨーモーメントの方向とが同じになるため、スピン傾向が強くなる可能性が高く、左右ブレーキ力差が大きくなると、操縦安定性が低下するおそれがあるからである。
また、異常である電動ブレーキ装置に対応する車輪が旋回外輪側である状態では、しきい値が舵角δが大きくなるほど段階的に小さくされる。舵角δが大きいほど操縦安定性が低下するため、しきい値を小さくして、ブレーキ力差が生じることを許容され難く(ブレーキ装置の作動が禁止され易く)するのである。
さらに、しきい値は、異常である電動ブレーキ装置が2つである場合は1つである場合より小さくされる。左側,右側のいずれか一方の側の前輪,後輪の2つの電動ブレーキ装置が異常である場合には、左側と右側とでブレーキ力差が大きくなるため、車速が小さくても操縦安定性が低下するおそれがあるからである。図3の実線で表すしきい値が異常である電動ブレーキ装置が1つの場合であり、一点鎖線で表すしきい値が2つの場合である。
また、電動ブレーキ装置10〜16の少なくとも1つに異常が検出された場合には、作動が許可された電動ブレーキ装置による摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付力の変化勾配が抑制される。電動ブレーキ装置10〜16の制御により、各輪に加えられるブレーキ力の増加勾配,減少勾配が抑制されるのである。
すべての電動ブレーキ装置10〜16が正常である場合には、前述のように、ブレーキ操作量に基づいて決定された操作量対応要求ブレーキ力が要求ブレーキ力とされて各モータコントローラ34〜37に出力されるが、少なくとも1つが異常である場合には、ブレーキ操作量が増加傾向にある場合には、操作量対応要求ブレーキ力と前回の要求ブレーキ力に勾配抑制変化量を加えたブレーキ力との小さい方が要求ブレーキ力として出力され、減少傾向にある場合には、操作量対応要求ブレーキ力と前回の要求ブレーキ力から勾配抑制変化量を引いたブレーキ力との大きい方が出力される。いずれの場合においても、前回の要求ブレーキ力に勾配抑制変化量を加えたり、引いたりして得られた値を勾配抑制時要求ブレーキ力と称する。
電動ブレーキ装置は、図4,5のフローチャートで表される電動ブレーキ装置制御プログラムの実行に従って制御される。電動ブレーキ装置制御プログラムは、ブレーキ操作部材52が操作状態にある間繰り返し実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、4つの電動ブレーキ装置10〜16のいずれか1つに異常が検出されたか否かが判定される。本実施形態においては、イニシャルチェック時に行われた異常検出結果が読み込まれるのである。すべての電動ブレーキ装置10〜16が正常である場合には判定がNOとなり、S2,3において電動ブレーキ装置の通常制御が行われる。前述のように、各電動ブレーキ装置において、操作量対応要求ブレーキ力が出力されるように電動モータが制御されるのであり、各モータコントローラ34〜37に操作量対応要求ブレーキ力Breq を要求ブレーキ力Bout として出力する。
それに対して、少なくとも1つの電動ブレーキ装置が異常である場合には、判定がYESとなり、S4〜7において、異常である電動ブレーキ装置の位置が検出される。そして、異常である電動ブレーキ装置が1つであり、それが、前輪側に設けられた電動ブレーキ装置10,12のいずれか1つである場合、異常である電動ブレーキ装置が2つであり、それらが、左側の前後輪に設けられた電動ブレーキ装置10,14である場合、右側の前後輪に設けられた電動ブレーキ装置12,16である場合には、正常である電動ブレーキ装置の作動を禁止するか許可するかが決定される。
車両の走行状態が設定状態より安定側にあるか否かが判定されるのであり、設定状態より安定側にある場合には、左右ブレーキ力差が大きくなっても、操縦安定性が損なわれることがないと判定され、正常であるブレーキ装置の作動が許可される。それに対して、設定状態より安定側にない場合には、左右ブレーキ力差が大きくなると、操縦安定性が損なわれる可能性が高いと判定され、異常である電動ブレーキ装置と幅方向の反対側の正常である後輪の電動ブレーキ装置の作動が禁止される。左右ブレーキ力差が大きくならないようにするのである。
具体的には、異常である電動ブレーキ装置が、左前輪20の電動ブレーキ装置10の1つである場合、または、左側の前後輪20,24の電動ブレーキ装置10,14の2つである場合には、S8において、車速Vと舵角δとが読み込まれ、S9において、車速Vが、舵角δ(大きさおよび方向)に基づいて決定されたしきい値V2 より大きいか否かが判定される。車速Vと舵角δとが図3(a)のマップの破線が付された領域に属するか否かが判定されるのである。しきい値以下である場合には判定がNOとなり、右後輪26の電動ブレーキ装置16の作動が禁止されることなく、正常な3輪の電動ブレーキ装置12,14,16または2輪の電動ブレーキ装置12,16の作動が許可される。しきい値より大きい場合には、判定がYESとなり、S10において、右後輪26の電動ブレーキ装置16の作動が禁止される。
異常である電動ブレーキ装置が1つである場合において、正常な右後輪26の電動ブレーキ装置26の作動が禁止される場合には、図2のかっこ内の数字のように、減速度が最大でも0.5Gしか得られないが、3つの正常な電動ブレーキ装置の作動を許可すれば、最大で0,65Gの減速度を得ることができる。同様に、2つの電動ブレーキ装置が異常である場合において、正常な右後輪26の電動ブレーキ装置26の作動が禁止される場合には、最大でも0.35Gの減速度しか得られないが、2つの正常な電動ブレーキ装置の作動が許可されれば、0.5Gの減速度を得ることができる。
異常である電動ブレーキ装置が、右前輪22の電動ブレーキ装置11の1つである場合、または、右側の前後輪22,26の電動ブレーキ装置12,16の2つである場合には、S11,12において、前述の場合と同様に、車速Vと舵角δとの関係が、図3(b)のマップの破線が付された領域に属するか否かが判定される。車速Vが舵角δに応じて決まるしきい値V1 より大きいか否かが判定されるのである。しきい値以下である場合には正常な3つまたは2つの電動ブレーキ装置の作動が許可され、しきい値より大きい場合には、S13において、左後輪24の電動ブレーキ装置14の作動が禁止される。
また、本実施形態においては、電動ブレーキ装置10〜16のいずれか1つに異常が検出された場合には、作動が許可された電動ブレーキ装置のブレーキ力の変化勾配が図6に示すように抑制される。
S14において、ブレーキ操作量の変化量ΔFが0以上であるか否かが判定され、0以上である場合には、S15において、前回の要求ブレーキ力Bout に増加勾配ΔBu を加えた値(抑制勾配時要求ブレーキ力)が求められ、S16において、ブレーキ操作量に基づいて求められた操作量対応要求ブレーキ力Breq と比較される。勾配抑制時要求ブレーキ力Bout が操作量対応要求ブレーキ力Breq 以上であるか否かが判定されるのであり、勾配抑制時要求ブレーキ力の方が小さい場合には、判定がNOとなり、S3において、勾配抑制時要求ブレーキ力が作動が許可された正常な電動ブレーキ装置のモータコントローラに出力される。操作量対応要求ブレーキ力の方が小さい場合には、S2,3において、操作量対応要求ブレーキ力Breq が要求ブレーキ力Bout とされて、上述の作動が許可された正常な電動ブレーキ装置のモータコントローラに出力される。
増加勾配が抑制されることによって、左側と右側との間に生じるブレーキ力の差を緩やかに増加させることができ、これらブレーキ力の差に起因して車両の挙動が影響が及ぼされても、運転者による操舵修正が可能となる。
4つの電動ブレーキ装置10〜16すべてが正常である場合には、図6の破線に従って制御されることになるが、少なくとも1輪の電動ブレーキ装置が異常であると検出された場合には、実線に従って制御されることになるのである。
ブレーキ操作量が減少中である場合(ΔF<0)にも同様に、減少勾配が抑制される。S17において、勾配抑制時要求ブレーキ力が求められ、S18において操作量対応要求ブレーキ力以下か否かが判定される。操作量対応要求ブレーキ力より大きい場合には、S3において、勾配抑制時要求ブレーキ力がモータコントローラに出力され、操作量対応要求ブレーキ力の方が大きい場合には、操作量対応要求ブレーキ力が出力される。
ブレーキ力の減少勾配が抑制されれば、ブレーキ操作解除時においても同様に操縦安定性の低下を抑制することができる。
これらS2,3,14以降の実行は、各電動ブレーキ装置毎に行われる。すなわち、前回の要求ブレーキ力Bout の値がモータコントローラ毎に異なる場合があるのである。例えば、S9,12の判定結果が、制動途中にYESからNOとなり、今まで、禁止されていた電動ブレーキ装置16または14の作動が許可される場合がある。この場合には、S14以降の実行に従って要求ブレーキ力がモータコントローラ37または36に出力されることになるが、S15,17における前回の要求ブレーキ力は、新たに作動が許可される電動ブレーキ装置においては0である。また、電動ブレーキ装置16または14の作動の禁止が解除されるのは、ブレーキ操作部材52の操作力の増加中であり、減少中であることは殆どないと考えられる。操縦状態が一定である場合には、走行速度の増加に伴ってブレーキ装置の作動の禁止が解除されることはないからである。そのため、S14における判定がYESとなり、S15以降が実行されることになる。この場合には、勾配抑制時要求ブレーキ力Bout (0+ΔBu )は、操作量対応要求ブレーキ力Breq より小さいため、S16における判定がNOとなり、S3において、勾配抑制時要求ブレーキ力が要求ブレーキ力とされて、新たに作動が許可された電動ブレーキ装置のモータコントローラに出力される。したがって、制動途中に2輪制動状態から3輪制動状態(1輪制動状態から2輪制動状態)に移行させられた場合に、その新たに作動が許可された電動ブレーキ装置において、大きなブレーキ力が急激に発生させられることが回避され、操縦安定性が低下することが回避される。
以上のように、本実施形態においては、電動ブレーキ装置10〜16のうちの少なくとも1つに異常が検出された場合において、走行状態が安定状態であり、左右のブレーキ力差が大きくても、操縦安定性をほぼ良好な状態に保ち得ると判定された場合には、すべての正常な電動ブレーキ装置の作動が許可されるため、正常な電動ブレーキ装置の有効利用を図ることができ、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。また、特定の正常な電動ブレーキ装置の作動を許可するか禁止するかが、走行状態に基づいて判定されるため、許可された場合であっても、操縦安定性をほぼ良好な状態に保つことができる。さらに、異常が検出された場合には、ブレーキ力の変化勾配が抑制されるため、左側と右側とのブレーキ力差の変化勾配を抑制することができ、操縦安定性の低下を抑制することができる。
本実施形態においては、モータコントローラ34〜37、主制御装置40のうち図2,3のマップで表されるテーブルを記憶する部分、電動ブレーキ装置制御プログラムを記憶する部分,実行する部分等により、請求項1に記載の異常時ブレーキ制御部が構成される。
異常時ブレーキ制御部のうち、モータコントローラ34〜37、図2,3のマップで表されるテーブルを記憶する部分、電動ブレーキ装置制御プログラムのS1,4〜13を記憶する部分,実行する部分等により、走行速度対応ブレーキ力抑制部が構成され、異常時ブレーキ制御部のうちモータコントローラ34〜37、図3のマップで表されるテーブルを記憶する部分、電動ブレーキ装置制御プログラムのS1,4〜13を記憶する部分,実行する部分等により異常ブレーキ数対応ブレーキ力抑制部が構成される。走行速度対応ブレーキ力抑制部は旋回方向対応ブレーキ力抑制部でもある。また、異常時ブレーキ制御部のモータコントローラ34〜37、主制御装置40のうちの電動ブレーキ装置制御プログラムのS14〜18を記憶する部分,実行する部分等により変化勾配抑制部が構成される。さらに、主制御装置40のうちの電動ブレーキ装置制御プログラムのS8,9,11,12を記憶する部分,実行する部分および図3のマップで表されるテーブルを記憶する部分等により走行状態検出部が構成される。走行状態検出部は旋回方向対応走行状態検出部でもある。
なお、上記実施形態においては、しきい値が、舵角に基づいて段階的に変化させられるようにされていたが、連続的に変化させられるようにすることもできる。また、しきい値は、車速と、ヨーレイト,操舵角等の操舵状態を表す他の物理量とに基づいて決定することもできる。さらに、正常な電動ブレーキ装置の作動を禁止するのではなく、その電動ブレーキ装置のブレーキ力が抑制されるようにすることもできる。例えば、ブレーキ操作量に応じた操作量対応要求ブレーキ力と、車速と操舵状態との少なくとも一方とに基づいた大きさに制御されるようにするのである。
また、上記実施形態においては、変化勾配抑制制御(S14〜18,2,3の実行に従った制御)が、電動ブレーキ装置10〜16の少なくとも1つに異常が検出された場合に行われるようにされていたが、左右ブレーキ力差が大きくなることが許容された場合にのみ行われるようにしてもよい。例えば、S9,12における判定がNOとなった場合にのみ行われるようにするのである。さらに、作動が許可されたすべての正常な電動ブレーキ装置のブレーキ力の変化勾配を抑制するのではなく、作動が禁止されるか許可されるかの判定の対象となった電動ブレーキ装置(本実施形態においては、後輪の電動ブレーキ装置14,16のいずれか一方)のブレーキ力の変化勾配のみが抑制されるようにすることもできる。また、増加勾配と減少勾配との両方を抑制するのではなく、いずれか一方のみが抑制されるようにすることもできる。さらに、増加勾配抑制変化量ΔBu ,減少勾配抑制変化量ΔBd の少なくとも一方は、常に一定ではなく、走行状態に基づいた大きさとすることもできる。例えば、変化量ΔBを、走行状態が安定側にあるほど大きくし、それ以外の場合に小さくするのである。安定側にある場合には通常制御に近づけることができ、それ以外の場合には、さらに、操縦安定性の低下を抑制することができる。
ブレーキ装置は、車輪と共に回転するブレーキ回転体に、液圧により摩擦パッドを押し付ける液圧ブレーキ装置において、液圧を供給電流に基づいて制御する電気制御アクチュエータを備えた装置とすることもできる。この場合には、電気制御アクチュエータが、ホイールシリンダとその液圧を制御する電磁液圧制御装置とを含むものとなり、電磁液圧制御装置の電気的な制御により、ブレーキ力が各輪毎に制御される。この場合には、ブレーキ操作量検出装置54は、ブレーキ操作部材52の操作量を直接検出するものであっても、間接的に検出するものであってもよい。ブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシリンダが設けられている場合には、マスタシリンダの液圧を検出するもの等が間接的に検出するものに該当する。
また、電気制御アクチュエータは、ホイールシリンダとそのホイールシリンダに接続されたポンプとそのポンプを駆動する電動のポンプモータとを含むものとすることができる。ポンプモータへの供給電流の制御により、ブレーキ力が制御される。
さらに、ブレーキ装置は、上述の摩擦ブレーキ装置に限らず電動モータの回生制動により車輪の回転を抑制する回生ブレーキ装置とすることもできる。この場合には、車輪毎に車両駆動用の電動モータ(ホイールインモータ)を設ける必要がある。
また、上記実施形態においては、電動ブレーキ装置制御プログラムが、制動中繰り返し実行されるようにされていたが、上記プログラムのうち、S1,4〜13(電動ブレーキ装置作動決定プログラム)は、制動開始時、すなわち、ブレーキ操作部材が非操作状態から操作状態に切り換えられた時点に一回だけ実行され、S2,3,14〜18(変化勾配抑制制御プログラム)が、制動中繰り返し実行されるようにすることもできる。この場合には、制動開始時の走行状態に基づいて正常なブレーキ装置の作動が許可されたり禁止されたりする。また、電動ブレーキ装置作動決定プログラムと変化勾配抑制制御プログラムとの両方が実行されるようにすることは不可欠ではなく、いずれか一方のみが実行されるようにすることができる。
さらに、電動ブレーキ装置の異常の検出がイニシャルチェック時に行われ、その結果に応じて電動ブレーキ装置制御プログラムが実行されるようにされていたが、異常の検出はパーキングブレーキ作動中、制動中等に行われるようにすることもできる。この場合には、異常検出結果がその都度変わる場合もある。
次に、本発明を、電動サービスブレーキ装置と電動パーキングブレーキ装置との両方を備えたブレーキシステムに適用した場合について説明する。
図7において、主制御装置100は、CPU102,ROM104,RAM106,入力部108および出力部110等を含むコンピュータを主体とするものであり、入力部108には、上記実施形態における場合と同様にブレーキ操作量検出装置54,ヨーレイトセンサ56,車速センサ58等が接続されている。また、出力部110には、電動サービスブレーキ装置140〜146と電動パーキングブレーキ装置150〜156とが接続されている。電動サービスブレーキ装置140〜146は、ブレーキ回転体としてのディスクロータにマウンティングブラケットに回転不能に保持された摩擦パッドを押し付ける電動アクチュエータとしての電動モータ160〜166と、モータコントローラ170〜176と、当該電動サービスブレーキ装置140〜146の作動状態を検出する作動状態検出装置178a〜dとを含むものであり、電動パーキングブレーキ装置150〜156は、ブレーキ回転体としてのドラムにバッキングプレートに回転不能に支持された摩擦パッドとしてのシューを押し付ける電動アクチュエータとしての電動モータ180〜186と,モータコントローラ190〜196とを含むものである。本実施形態においては、車輪毎にいわゆる電動式のドラムインディスクブレーキ装置が設けられることになる。
電動サービスブレーキ装置140〜146毎に設けられた作動状態検出装置178a〜dは、電動モータ160〜166の作動状態を検出するものと、ディスクブレーキの作動状態を検出するものとの少なくとも一方を含むものとすることができる。例えば、摩擦パッドのディスクロータへの押付力を検出する加圧力センサを含むものとする。摩擦パッドのディスクロータへの押付力に基づけば、電動サービスブレーキ装置によって車輪に加えられる実際のブレーキ力(実際のサービスブレーキ装置によるブレーキ力のことであるが、本実施形態においては、パーキングブレーキ装置によるブレーキ力は制御されないため、以下、サービスブレーキ装置による実際のブレーキ力のことを実ブレーキ力と略称する)を検出することができ、実ブレーキ力が要求ブレーキ力(上述の場合と同様に、サービスブレーキ装置に対して要求されるブレーキ力のことであるが、以下、単に、要求ブレーキ力と略称する)とほぼ同じであれば、電動サービスブレーキ装置の作動が正常であるとすることができる。また、マウンティングブラケットに加わるトルクを検出するトルクセンサを含むものとすることができる。マウンティングブラケットに加わるトルクに基づけば実際に車輪に加わるブレーキ力を直接的に検出することができる。
さらに、作動状態検出装置178a〜dは、電動モータ160〜166に流れる電流を検出する電流計,電動モータ160〜166の回転数を検出するエンコーダ,電動モータが加圧部材を介して摩擦パッドをディスクロータに押し付ける際の加圧部材の位置を検出する位置センサ等を含むものとすることもできる。電動モータに流れる電流に基づけば、電動モータに加わる負荷を検出することができ、負荷に基づいて実ブレーキ力を取得することができる。また、加圧部材の位置(ディスクロータに対する相対位置)に基づいても実ブレーキ力を取得することができる。加圧部材の位置は、加圧部材が後退端にある状態からの電動モータの回転総数に基づいても検出することができる。
また、直接、実ブレーキ力に基づかなくても、例えば、電動モータへの供給電流と電動モータの作動状態とに基づいて電動サービスブレーキ装置が正常か否かを検出することができる。電動モータの作動状態が供給電流に応じた状態にあれば、電動モータが正常であるとすることができ、ブレーキ装置が正常であるとすることができる。
なお、電動モータ160〜166の作動状態とディスクブレーキの作動状態とに基づいて電動サービスブレーキ装置の作動が正常か否かを検出することも可能である。
本実施形態においては、電動サービスブレーキ装置140〜146等により主ブレーキ装置が構成され、電動パーキングブレーキ装置150〜156等により副ブレーキ装置が構成される。
また、右前輪22の電動サービスブレーキ装置142,左後輪24の電動サービスブレーキ装置144、左前輪20の電動パーキングブレーキ装置150,右後輪26の電動パーキングブレーキ装置156には電源200が接続され、左前輪20の電動サービスブレーキ装置140,右後輪26の電動サービスブレーキ装置146,右前輪22の電動パーキングブレーキ装置152,左後輪24の電動パーキングブレーキ装置154には電源202が接続されている。このように、電源を2つ設け、一部のブレーキ装置が一方の電源に接続され、残りのブレーキ装置が他方の電源に接続されるようにすれば、一方の電源に異常が生じても他方の電源によりブレーキを作動させることが可能となる。さらに、1つの車輪に対応して設けられている電動サービスブレーキ装置と電動パーキングブレーキ装置とがそれぞれ異なる電源に接続されているため、一の電源に異常が生じても、すべての車輪各々について必ずブレーキを作動させることが可能となる。同様に、コンピュータを主体とする主制御装置等を複数個設けたり、主制御装置の電源を複数個設けたりすることも可能である。
本ブレーキシステムにおいて、電動サービスブレーキ装置140〜146の少なくとも1つに異常が検出された場合には、正常な電動サービスブレーキ装置と電動パーキングブレーキ装置150〜156との作動を禁止するか許可するかが図8のマップで表されるテーブルに従って決定される。図9のフローチャートににおいて、S51において、電動サービスブレーキ装置140〜146の少なくとも1つに異常があるか否か判定され、少なくとも1つに異常がある場合には判定がYESとなり、S52において、異常な電動サービスブレーキ装置と同じ車輪に対応する電動パーキングブレーキ装置が設けられているか否かが判定される。本実施形態におけるブレーキシステムにおいては、すべての車輪について、電動サービスブレーキ装置と電動パーキングブレーキ装置との両方が設けられているため、判定がYESとなり、S53において、図8のテーブルに従って制御されることになる。
原則としては、異常である電動サービスブレーキ装置の代わりに電動パーキングブレーキ装置が作動させられる。しかし、電動パーキングブレーキ装置を作動させない場合や、正常な電動サービスブレーキ装置に代わって作動させる場合がある。また、正常な電動サービスブレーキ装置の作動を禁止または抑制する場合もある。
例えば、パーキングブレーキはサービスブレーキより出力されるブレーキ力が小さいため、単に、異常な電動サービスブレーキ装置の代わりに電動パーキングブレーキ装置を作動させるだけの場合には、左側と右側とのブレーキ力差が大きくなってしまう場合がある。そこで、左側と右側との一方の側の前後輪の電動パーキングブレーキ装置が作動させられた場合には、他方の側の後輪の電動サービスブレーキ装置は作動させられない(P+P:S)か作動が抑制される(P+P:S+S′)。また、左側と右側との一方の側において、電動パーキングブレーキ装置と電動サービスブレーキ装置とが作動させられた場合にも同様である(P+S:S)(P+S:S+S′)。
以下、禁止または抑制されることを禁止等されると略称する。
以下、具体的に説明する。
異常である電動サービスブレーキ装置が1つである場合において、その異常である電動サービスブレーキ装置が後輪側の電動サービスブレーキ装置144,146のいずれか一方である場合には、これらに代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられることはない。上記実施形態における場合と同様に、左右後輪24,26のいずれか一輪においてブレーキが作動させられなくても、車両の操縦安定性が著しく低下することがないからである。また、不要な電動パーキングブレーキ装置の作動を許可しないことによって、消費エネルギの低減を図ることも可能となる。
前輪側の電動サービスブレーキ装置140,142のいずれか一方が異常である場合には、それに代わって電動パーキングブレーキ装置150,152のいずれか一方が作動させられるとともに電動パーキングブレーキ装置が作動させられた側とは反対側の後輪の電動サービスブレーキ装置の作動が禁止等される。電動パーキングブレーキの方がブレーキ力が小さいため、他方の側の後輪の電動サービスブレーキ装置の作動を禁止等すれば、左側と右側とのブレーキ力差を小さくすることができる(P+S:S)(P+S:S+S′)。例えば、左前輪20の電動サービスブレーキ装置140に異常が生じた場合には、電動パーキングブレーキ装置150が作動させられるが、右後輪26の電動サービスブレーキ装置146は正常であっても作動が禁止等されるのである。
異常である電動サービスブレーキ装置が2つである場合について説明する。左側と右側とに1つずつ異常が生じた場合において、その異常が生じた電動サービスブレーキ装置が前輪側に設けられたものである場合には、それに代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられる。左右前輪20,22の電動サービスブレーキ装置140,142に異常が生じた場合には、電動パーキングブレーキ装置150,152が作動させられるのである。この場合には、結果的に、4輪すべてについてブレーキが作動させられることになり、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。
一方が前輪側の電動サービスブレーキ装置であり他方が後輪側のそれである場合には、前輪側の電動サービスブレーキ装置に代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられ、異常が生じた後輪においては電動パーキングブレーキ装置が作動させられることはない(S+P:S)。電動サービスブレーキ装置に異常が生じた後輪については、ブレーキが作動させられないことになる。例えば、左前輪20の電動サービスブレーキ装置140と右後輪26の電動サービスブレーキ装置146とに異常が検出された場合には、左前輪の電動パーキングブレーキ装置150は作動させられるが、右後輪26の電動パーキングブレーキ装置156が作動させられることがないのである。上述のように、後輪側においては1輪にブレーキが作動させられなくても、操縦安定性を良好な状態に保つことができるからである。
また、左右後輪24,26の電動サービスブレーキ装置144,146の両方が異常である場合には、これらに代わって電動パーキングブレーキ装置154,156が作動させられる。
それに対して、左側と右側とのいずれか一方の側の2つの電動サービスブレーキ装置に異常が生じた場合には、異常な2つの電動サービスブレーキ装置の代わりに2つの電動パーキングブレーキ装置を作動させ、他方の後輪の正常な電動サービスブレーキ装置の作動を禁止等する(P+P:S)(P+P:S+S′)。例えば、左側の前後輪20,24の電動サービスブレーキ装置140,144が異常である場合には、電動パーキングブレーキ装置150,154が作動させられ、正常な右後輪26の電動サービスブレーキ装置146の作動が禁止等されるのである。
異常である電動サービスブレーキ装置が3つである場合について説明する。3つのうちの1つが前輪側のブレーキ装置である場合には、その前輪側の異常である電動サービスブレーキ装置に代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられ、後輪側については前輪において電動パーキングブレーキ装置が作動させられた側と同じ側の電動パーキングブレーキ装置のみが作動させられる(P+P:S)。例えば、左前輪20,左右後輪24,26の電動サービスブレーキ装置140,144,146に異常が検出された場合には、左前輪20,左後輪24の電動パーキングブレーキ装置150,154が作動させられる。右後輪26の電動パーキングブレーキ装置156が作動させられることはない。
3つのうちの2つが前輪側のブレーキ装置である場合には、すべての車輪20〜26について電動パーキングブレーキ装置150〜156が作動させられる。正常な後輪の電動サービスブレーキ装置の作動が禁止されて電動パーキングブレーキ装置が作動させられることになる。4輪とも電動パーキングブレーキ装置とした方が車両の操縦安定性の低下を抑制し得るのである。
以上のように、本実施形態においては、電動サービスブレーキ装置に異常が生じた場合に、電動パーキングブレーキ装置が作動させられるため、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。また、左側と右側とのブレーキ力の差が大きくならないように電動サービスブレーキ装置140〜146と電動パーキングブレーキ装置150〜156との少なくとも一方が制御されるため、操縦安定性の低下を良好に抑制することができる。さらに、各ブレーキ装置140〜146,150〜156が1つの電源に接続されているわけではないため、電源200,202のいずれか一方に電圧降下等の異常が生じても、他方の電源によりブレーキを作動させることができる。本実施形態においては、主制御装置100の図9のフローチャートで表される電動ブレーキ装置制御プログラムを記憶する部分,実行する部分,図8のマップで表されるテーブルを記憶する部分等により異常時ブレーキ制御部が構成される。異常時ブレーキ制御部は、ブレーキ力差抑制型ブレーキ制御部でもある。
なお、電動サービスブレーキ装置140〜146と電動パーキングブレーキ装置150〜156との制御態様は上記実施形態における場合に限らず、図10,11に示す態様で制御することができる。
図11のフローチャートで表される電動ブレーキ制御プログラムは各車輪毎に、予め定められた設定時間毎に行われる。S71において、要求ブレーキ力から実ブレーキ力を引いた値が設定値以上大きいか否かが判定される。実ブレーキ力が要求ブレーキ力に対して不足していないか否かが判定されるのであり、設定値以上不足している場合には、その電動サービスブレーキ装置の作動は異常であるとする。設定値より小さく、実ブレーキ力と要求ブレーキ力との差が小さい場合にはS72以降は実行されない。設定値以上である場合には判定がYESとなり、S72,73において、その車輪の電動サービスブレーキ装置の作動が禁止され、電動パーキングブレーキ装置が作動させられる。
そして、S74において、ヨーレイトセンサ56の検出値に基づいてヨーレイトの絶対値が設定値以上であるか否かが判定される。設定値より小さい場合には、その制御状態のままにされる。設定値以上である場合には、図10のマップで表されるテーブルに従って、左右ブレーキ力差が小さくなるように、正常な電動サービスブレーキ装置のブレーキ力が抑制される。ブレーキ力は、予め定められた設定量だけ小さくされるようにしたり、ヨーレイトに応じた大きさに抑制されるようにしたりすることができる。また、ヨーレイトをフィードバックし、ヨーレイトの絶対値が設定値より小さくなるまでブレーキ力が小さくされるようにすることもできる。
図10に示すように、本実施形態においては、要求ブレーキ力に対して実際のブレーキ力が不足している場合には、その電動サービスブレーキ装置の作動を禁止し、必ず、その車輪に対応する電動パーキングブレーキ装置を作動させる。そして、ヨーレイトの絶対値が設定値以上である場合には、原則としては、正常な後輪の電動サービスブレーキ装置の制御により後輪に加わるブレーキ力が抑制されるが、後輪の電動サービスブレーキ装置が両方とも正常でない場合には、前輪の正常な電動サービスブレーキ装置の制御により前輪に加わるブレーキ力が抑制される。
具体的には、異常である電動サービスブレーキ装置が1つである場合において、その異常である電動サービスブレーキ装置が後輪側の電動サービスブレーキ装置144,146のいずれか一方である場合には、その異常である後輪の電動パーキングブレーキ装置154,156のいずれか一方が作動させられる。前述の図8のマップに従って制御される場合には、後輪の電動パーキングブレーキ装置が作動させられることはなかったが、本実施形態においては作動させられるのである。そして、ヨーレイトの絶対値が大きい場合には、正常な方の後輪の電動サービスブレーキ装置のブレーキ力が抑制され、左右ブレーキ力差が抑制される。
前輪側の電動サービスブレーキ装置140,142のいずれか一方が異常である場合には、上記実施形態における場合と同様に制御される。本実施形態においては、正常な後輪の電動サービスブレーキ装置の作動が禁止されることはないが、正常な電動サービスブレーキ装置の制御により、ブレーキ力が0にされる場合があり、その場合には、実質的に作動が禁止されたことと同じになる。
異常である電動サービスブレーキ装置が2つである場合について説明する。左側と右側とに1つずつ異常が生じた場合において、その異常が生じた電動サービスブレーキ装置が両方とも前輪側である場合、または、後輪側である場合には、それらに代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられる。この場合の制御は、上記実施形態における場合と同じである。
一方が前輪側の電動サービスブレーキ装置であり他方が後輪側のそれである場合には、これらに代わって電動パーキングブレーキ装置が作動させられるが、ヨーレイトの絶対値が設定値以上である場合には、正常な後輪の電動サービスブレーキ装置の制御により後輪のブレーキ力が抑制される(S+P:P+S′)。
それに対して、左側と右側とのいずれか一方の側の前後2つの電動サービスブレーキ装置に異常が生じた場合には、異常な2つの電動サービスブレーキ装置の代わりに2つの電動パーキングブレーキ装置を作動させる。そして、ヨーレイトの絶対値が設定値以上である場合には、後輪の正常な電動サービスブレーキ装置の制御により、ブレーキ力を抑制する(P+P:S+S′)。
異常である電動サービスブレーキ装置が3つである場合には、それらに代わって、電動パーキングブレーキ装置が作動させられる。そして、ヨーレイトの絶対値が設定値以上である場合には、残りの1つの正常な電動サービスブレーキ装置の制御により、ブレーキ力が抑制される(P+P:S′+P)(P+P:P+S′)。
以上のように、本実施形態においては、電動サービスブレーキ装置に異常が生じた場合には、その車輪に対応する電動パーキングブレーキ装置が必ず作動させられるため、車両全体のブレーキ力の低下を良好に抑制することができる。また、左側と右側とのブレーキ力の差が大きくならないように正常な電動サービスブレーキ装置のブレーキ力が抑制されるため、操縦安定性の低下を良好に抑制することができる。
さらに、正常な電動サービスブレーキ装置のブレーキ力の抑制は常に行われるのではなく、ヨーレイトの絶対値が設定値以上である場合のみに行われるようにされているため、車両全体のブレーキ力の低下を抑制することができる。また、電動モータが作動不能の場合のみならず、ブレーキ力の不足の異常が生じた場合にも適用されるため、車両全体のブレーキ力の不足を良好に回避することができる。
なお、上記実施形態においては、ヨーレイトに基づいて正常な電動サービスブレーキ装置のブレーキ力が抑制されるようにされていたが、舵角や操舵角、または、上述の第1実施形態における場合と同様に操舵状態に応じて決まる走行速度に基づいて抑制されるようにすることもできる。
また、上記実施形態においては、異常な電動サービスブレーキ装置の作動が禁止されるようにされていたが、禁止されることは不可欠ではなく、作動が継続して行われるようにしてもよい。1つの車輪について電動サービスブレーキ装置と電動パーキングブレーキ装置との両方によりブレーキ力が加えられることになるが差し支えない。
さらに、上記実施各形態においては、主ブレーキ装置がディスクブレーキを含む電動サービスブレーキ装置とされ、副ブレーキ装置がドラムブレーキを含む電動パーキングブレーキ装置とされていたが、電動パーキングブレーキ装置の代わりに回生ブレーキ装置とすることもできる。また、回生ブレーキ装置を主ブレーキ装置とし、ディスクブレーキを含む電動サービスブレーキ装置を副ブレーキ装置とすることもできる。
その他、本発明は、以上に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるブレーキ制御装置の周辺を表す図である。 上記ブレーキ制御装置の主制御装置のROMに格納された異常時制御テーブルを表すマップ(異常が検出された電動ブレーキ装置の位置と作動が禁止される電動ブレーキ装置の位置との関係を示す)を示す図である。 上記主制御装置のROMに格納された車速と舵角との関係を示すテーブルを表すマップを示す図である。 上記主制御装置のROMに格納された電動ブレーキ装置制御プログラムを表すフローチャートである。 上記プログラムの一部を表すフローチャートである。 上記プログラムの実行に従ってモータコントローラに出力される要求ブレーキ力を表す図である。 本発明の別の一実施形態であるブレーキ制御装置の周辺を表す図である。 上記ブレーキ制御装置の主制御装置のROMに格納された異常時制御テーブルを表すマップ(異常が検出された電動サービスブレーキ装置の位置と作動が許可される電動サービスブレーキ装置の位置と作動が許可される電動パーキングブレーキ装置の位置との関係を示す)を示す図である。 上記ブレーキ制御装置の主制御装置のROMに格納された電動ブレーキ装置制御プログラムを表すフローチャートである。 本発明の別の一実施形態であるブレーキ制御装置の主制御装置のROMに格納された異常時制御テーブルを表すマップを示す図である。 上記ブレーキ制御装置の主制御装置のROMに格納された電動ブレーキ装置制御プログラムを表すフローチャートである。
符号の説明
10〜16 電動ブレーキ装置
34〜37 モータコントローラ
40 主制御装置
56 ヨーレイトセンサ
58 車速センサ
100 主制御装置
140〜146 電動サービスブレーキ装置
150〜156 電動パーキングブレーキ装置
160〜166 電動モータ
170〜176 モータコントローラ
178a〜d 作動状態検出装置
180〜186 電動モータ
190〜196 モータコントローラ

Claims (5)

  1. 車両に設けられた複数の車輪の回転をそれぞれ抑制する複数のブレーキ装置のブレーキ力をそれぞれ制御するブレーキ制御装置に、
    前記複数のブレーキ装置のうちの1つ以上が異常であり、1つ以上が正常である場合において、前記車両の走行速度が、前記異常が検出されたブレーキ装置の個数が多い場合は少ない場合より小さい値である設定速度以上である場合に前記設定速度より小さい場合より、前記正常な1つ以上のブレーキ装置のうちの少なくとも1つのブレーキ力を小さくする異常時ブレーキ制御部を設けたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記設定速度が、前記異常が検出されたブレーキ装置の前記車両の幅方向のいずれか一方の側にある個数が2つの場合は1つの場合より小さい値とされた請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記異常時ブレーキ制御部が、前記少なくとも1つの正常なブレーキ装置のブレーキ力を、前記車両の走行速度が大きい場合は小さい場合より小さくなるように制御する制御部を含む請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記異常時ブレーキ制御部が、前記車両の走行速度が前記設定速度より小さい場合には、前記正常なブレーキ装置のすべてを作動させ、設定速度以上である場合には、前記正常なブレーキ装置の少なくとも1つを作動させない手段を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記異常時ブレーキ制御部が、前記少なくとも1つの正常なブレーキ装置のブレーキ力の増加勾配と減少勾配との少なくとも一方を、異常なブレーキ装置が検出されない場合に比較して抑制する変化勾配抑制部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のブレーキ制御装置。
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