JP2006082689A - インフレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 エアバッグの取付作業性のよいインフレータの提供。
【解決手段】 点火器40の作動により、第1破裂板26、第2破裂板36の順で破壊され、加圧ガスは排出経路34を通り、ガス排出口32から排出され、エアバッグを膨張させる。エアバッグの取付位置と点火器40から引き出されるリードワイヤの延長方向が逆であるため、エアバッグの取付時にリードワーヤが邪魔にならない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のエアバッグシステムに用いるインフレータに関する。
衝突事故の際に乗員を保護するエアバッグシステムに用いられるインフレータには、エアバッグの膨張ガス源として加圧ガスのみを用いたものがある。このタイプインフレータでは、インフレータのガス出口にエアバッグを取り付けるときの作業性を考慮すると、点火器から延ばされたリードワイヤが邪魔にならないように、ガス出口と点火器の位置が離れている方が好ましい。
特許文献1、2には、筒状ハウジングの一端側に点火装置を有し、他端側にガス出口を有するインフレータが開示されており、他端側のガス出口と筒状ハウジングの間には気密性を維持するための破裂板が配置されている。インフレータの作動時には、点火装置の作動による衝撃波により破裂板を破壊するものであるが、点火装置と破裂板がそれぞれ両端に位置しているため、破裂板の破壊性が不十分になるおそれもある。
USP6,273,462号 特開2003−252167号公報
本発明は、エアバッグの取付作業性がよく、作動時における破裂板の破壊性もよいインフレータを提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
両端面が閉塞された筒状ハウジング内に加圧ガスが充填されたインフレータであり、
一端面から内側軸方向に突き出して設けられた第1筒状突出部の開口部が第1破裂板で閉塞され、他端面から内側軸方向に突き出して設けられた第2筒状突出部の開口部が第2破裂板で閉塞されており、
第1破裂板と第2破裂板が正対し、筒状ハウジングの第1破裂板に正対する位置に点火手段が設けられており、
作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第2筒状突出部の端面側開口部が第1ガス排出口となり、そこから加圧ガスが排出されるものである、インフレータを提供する。
本発明では、点火手段に接続されたコネクタから延ばされるリードワイヤの延長方向と、ガス排出口の開口方向は逆方向になるため、ガス排出口側にエアバッグを取り付けるときにも、リードワイヤが邪魔になることがない。
なお、本発明(以下の各発明も同様である)では、ハウジング両端面より、各々第1筒状突出部及び第2筒状突出部を設けているが、これらは破裂板の固定を容易にするためのものであるから、両方を突出部とせずに、一方のみを突出部としてもよい。例えば、一方を筒状突出部とし、その開口部に破裂板を取り付け、反対端面は突出部ではなく平面に開口部を設け、その開口部に破裂板を取り付けてもよい。このとき、一方の突出部の長さを調整することで、2枚の破裂板の間隔を調整できる。
本発明(以下の各発明も同様である)では、点火手段として、着火電流によって着火する点火薬を備えた電気式点火器のみを用いるほか、点火器の出力を向上させるため、ブースター剤(B/KNOからなる伝火薬、又は公知のガス発生剤)を組み合わせてもよい。このときのブースター剤は、単に点火器の威力を強めるために用いるものである。
本発明では、第1破裂板と第2破裂板が正対しているため、点火手段の作動による衝撃波により、まず第1破裂板が破壊され、続いて第2破裂板が破壊されて開放されることにより、ハウジング内の加圧ガスが第1ガス排出口から排出される。第1破裂板と第2破裂板との間隔は、点火手段の出力、第1破裂板と第2破裂板の強度等を考慮して、確実に第2破裂板が破壊される間隔に設定する。
また、本発明は、課題の他の解決手段として、
外側シェルと、外側シェル内に挿入された一つの内側シェルとの組み合わせからなる、内部に加圧ガスが充填されたハウジングと、点火手段を有するインフレータであり、
ハウジングを形成する外側シェルが、一端側が全開放され、他端側が中央部に形成された筒状突出部の第1開口部を除いて閉塞された筒状のものであり、
ハウジングを形成する内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有して、第1ガス排出口を形成し、他端側開口部が第2開口部を形成しているものであり、
外側シェルと内側シェルが、内側シェルのフランジ部が外側シェルの全開放された開口部分に当接され、かつ外側シェルの第1開口部と内側シェルの第2開口部が間隔をおいて正対するように組み合わされ、前記当接部分が接続固定されることで内外のシェルが一体にされたものであり、
第1開口部が第1破裂板で閉塞され、第2開口部が第2破裂板で閉塞されており、外側シェルの第1破裂板に正対する位置に点火手段が取り付けられており、
作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第1ガス排出口から加圧ガスが排出されるものである、インフレータを提供する。
本発明は、上記した発明と同様の理由により、エアバッグの取付作業性がよく、2つの破裂板も確実に破壊される。更に、1つの外側シェルと1つの内側シェルの組み合わせでハウジングを形成することができるため、予め設計した2つのシェルを組み合わせることにより、自動的に第1開口部(第1破裂板)と第2開口部(第2破裂板)の間隔及び軸方向位置が決定される。また、2つのシェルが別部材となっているため、それぞれのシェルの開口部を破裂板で閉塞する作業も容易である。
更に本発明は、課題の他の解決手段として、
外側シェルと、外側シェル内に挿入された2つの内側シェルとの組み合わせからなる、内部に加圧ガスが充填されたハウジングと、点火手段を有するインフレータであり、
ハウジングを形成する外側シェルが、両端側が全開放された筒状のものであり、
ハウジングを形成する2つの内側シェルの一方である第1内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有し、このフランジ部の大きさが外側シェルの全開放された一端開口部分と同じ大きさのもので、フランジ部を有する一端側開口部が点火手段と接続され、他端側開口部が第1開口部を形成しているものであり、
ハウジングを形成する2つの内側シェルの他方である第2内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有し、このフランジ部の大きさが外側シェルの全開放された他端開口部分と同じ大きさのもので、フランジ部を有する一端側開口部が第1ガス排出口を形成し、他端側開口部が第2開口部を形成しているものであり、
外側シェルと内側シェルが、2つの内側シェルのそれぞれのフランジ部が外側シェルの全開放された両端開口部分に当接され、かつ第1内側シェルの第1開口部と第2内側シェルの第2開口部が間隔をおいて正対するように組み合わされ、前記当接部分が接続固定されることで内外のシェルが一体にされたものであり、
第1開口部が第1破裂板で閉塞され、第2開口部が第2破裂板で閉塞されておりる、
作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第1ガス排出口から加圧ガスが排出されるものである、インフレータを提供する。
本発明は、上記した発明と同様の理由により、エアバッグの取付作業性がよく、2つの破裂板も確実に破壊される。更に、1つの外側シェルと2つの内側シェルの組み合わせでハウジングを形成することができるため、予め設計した3つのシェルを組み合わせることにより、自動的に第1開口部(第1破裂板)と第2開口部(第2破裂板)の間隔及び軸方向位置が決定される。また、2つの内側シェルが別部材となっているため、それぞれのシェルの開口部を破裂板で閉塞する作業も容易である。
上記各発明では、第1開口部(第1破裂板)と第2開口部(第2破裂板)のハウジング軸方向の位置は所望位置に設定できる。例えば、第1開口部(第1破裂板)と第2開口部(第2破裂板)のハウジング軸方向の位置を中央部に設定することができ、この場合には、点火手段を外側シェルに設けられた筒状突出部、又は内側シェルの筒状部内に設置することができる。
上記各発明では、第2開口部が第1開口部よりも大きいものにすることができるほか、第2破裂板の破裂圧が第1破裂板の破裂圧よりも小さいものにすることができる。
上記各発明では、点火手段の作動により、最初に第1破裂板が破壊されて開口し、続いて第1破裂板と正対する第2破裂板が破壊されて開口するものであるため、第2破裂板が第1破裂板よりも破壊され易いことが好ましい。但し、ハウジング内は加圧ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素ガス等)が充填され、高圧状態であるため(30〜90MPa)、第1破裂板及び第2破裂板とも、前記圧力以上の破裂圧を有するものである。
本発明のインフレータでは、更に、複数の第2ガス排出口を備えた、加圧ガスを拡散放出するためのカップ状のディフューザ部を有しており、ディフューザ部が第1ガス排出口に取り付けられているものにすることができる。
このようなディフューザ部を設けることにより、第2ガス排出口の向きを所望方向に調整することができると共に、複数個所から加圧ガスが排出されるようにすることができる。
本発明のインフレータは、上記したインフレータのように縦長形状(軸方向長さが半径方向長さよりも長い形状)にすることができるほか、軸方向の長さが半径方向の長さよりも短いディスク状にすることもできる。
外側シェルと内側シェルの形状を横長形状(軸方向の長さが半径方向の長さよりも短い形状)にすることで、それらを組み合わせたハウジングをディスク状にすることができる。このようなディスク状にすることにより、自動車内の様々な場所にインフレータを設置できるようになる。
本発明のインフレータは、エアバッグの取付位置と点火手段から引き出されるロードワイヤの延長方向が逆方向であるため、エアバッグの取付作業時にリードワイヤが邪魔をすることがない。
更に本発明のインフレータは、点火手段と破裂板が近接しているので、破裂板を確実に破壊することができる。
(1)第1の実施の形態
図1により説明する。図1は、インフレータの軸方向の断面図である。
インフレータ10は、外側シェル20と、外側シェル20内に挿入された内側シェル30との組み合わせからなるハウジング11を有しており、ハウジング11内の空間(ガス充填室)12にはアルゴン、ヘリウム等の加圧ガスが充填されている(充填圧約60MPa)。
外側シェル20は、一端側が全開放(開口部21)され、他端側が中央部に形成された第1開口部23を除いて閉塞された(閉塞端面24)筒状のものである。第1開口部23は、外側シェルの閉塞端面24から軸方向(ハウジング11の軸方向をいう。以下同様である。)に突き出した筒状突出部25の開口部である。筒状突出部25は、軸方向の全長において同一径のものであるが、径を異ならせてもよい。なお、筒状突出部25ではなく、閉塞端面24と同一面上に第1開口部23を設けることもできる。
内側シェル30は、外側シェル20よりも径の小さな筒状本体部31と、筒状本体部31の一端側開口部32にフランジ部33を有している。このフランジ部33の大きさは、外側シェル20の全開放された開口部21と同じ大きさである。一端側開口部32が第1ガス排出口(以下「第1ガス排出口32」という)を形成し、他端側開口部が第2開口部35を形成している。筒状本体部31は、軸方向の全長において同一径のものであるが、径を異ならせてもよい。
第1ガス排出口32には、必要に応じて、複数の第2ガス排出口を周壁部に備えた、加圧ガスを拡散放出するためのカップ状のディフューザ部を取り付け、第1ガス排出口32から排出された加圧ガスが、第2ガス排出口から排出されるようにしてもよい。
外側シェル20と内側シェル30は、内側シェル30のフランジ部33が外側シェル20の全開放された開口部21に当接され、前記当接部分が溶接固定されることで内外のシェルが一体にされている。更に外側シェル20の第1開口部23と内側シェル30の第2開口部35は、間隔をおいて正対するように組み合わされている。
外側シェル20の第1開口部23は、その周縁に溶接固定された第1破裂板26で閉塞され、内側シェル30の第2開口部35は、その周縁に溶接固定された第2破裂板36で閉塞されている。
なお、加圧ガスは、外側シェル20の周面に設けられた充填孔(充填ピン26が差し込まれている)から充填され、加圧ガスの充填後、充填ピン26を溶接して外側シェル20と一体化することで充填孔が閉塞されている。
外側シェル20の第1破裂板26に正対する位置には、電気式の点火器40が取り付けられている。点火器40は、外側シェル20に溶接固定された点火器ハウジング41内においてカラー42で収容固定されている。点火器ハウジング41内は常圧であるが、外部雰囲気とは遮断されている。点火器40にはコネクタが嵌め込まれ、コネクタから延びたリードワイヤが自動車のバッテリーに接続される。
第1開口部23を閉塞する第1破裂板26と、第2開口部35を閉塞する第2破裂板36は、互いに間隔をおいて正対している。これらの破裂板は、点火器40の作動により、第1破裂板26が破壊され、続いて第2破裂板36が破壊されるものであるため、第1破裂板26と第2破裂板36の間隔は、このような破壊が確実に行われるように、点火器40の出力、破裂板の強度や大きさ等を考慮して設定する。本実施形態においては、公知のインフレータにおいて使用する電気式の点火器、公知のステンレス製の破裂板を用いたとき、第1破裂板26と第2破裂板36の間隔(それそれの破裂板の直径が約10mmであるときの中心部の間隔とする)は、約5〜20mmの範囲に設定される。
外側シェル20の筒状突出部25の軸方向長さと、内側シェル30の筒状本体部31の軸方向長さは、第1破裂板26の中心部と第2破裂板36の中心部との間隔と共に、2つの破裂板の軸方向の形成位置を考慮して決定する。図1では、2つの破裂板は、外側シェル20の閉塞端面24に近い位置にあるが、他の位置(閉塞端面24から、より離れた位置)にあってもよい。
第1開口部23と第2開口部35の大きさ(直径)は、同一でも異なっていてもよく、第1破裂板26と第2破裂板36の破裂圧(強度)は、同一でも異なっていてもよい。第1破裂板26と第2破裂板36には、破壊されたときに花弁状に開裂し、小片になって飛び散ることがないように、十字状のノッチを付けることができる。
インフレータ10は、助手席用インフレータ、側面衝突用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータに適している。
次に、本発明のインフレータ10の動作について説明する。なお、本発明のインフレータ10をエアバッグシステムに適用するときは、第1ガス排出口32を含めてフランジ部33を覆うように、或いは上記したカップ状のディフューザ部を取り付けるときには、そのディフューザ部の周壁部を覆うようにしてエアバッグを取り付けるが、リードワイヤは逆方向に引き出されるため、エアバッグの取付作業性は損なわれない。
点火器40の作動で生じた衝撃波により、最初に第1破裂板26が破壊され、第1開口部23が開放される。その後、衝撃波は第1開口部23を通って直進し、第2破裂板36を破壊して、第2開口部35を開放する。その結果、ハウジング11内に充填された加圧ガスは、第2開口部35から筒状本体部31内のガス排出経路34を通って第1ガス排出口32から排出され、エアバッグを膨張展開させる。
(2)第2の実施の形態
図2により説明する。図2は、インフレータの軸方向の断面図である。図2のインフレータ100は、図1のインフレータ10と類似した構造のものであるから、異なる構造部分についてのみ説明する。
インフレータ100では、内側シェル30の筒状本体部31の径(即ち、第2開口部35の径)が、外側シェル20の筒状突出部25の径(即ち、第1開口部23の径)よりも大きくなっている(直径比で約1.2〜2倍)。なお、破裂板の厚みも変化させることで、第2破裂板36の破裂圧を調整してもよい。
本実施形態では、第1破裂板26と第2破裂板36が同じ材質で同じ厚みであるから、より径の大きな第2破裂板36の方が第1破裂板26よりも破壊されやすくなる。
インフレータ100は、助手席用インフレータ、側面衝突用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータに適している。
インフレータ100は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、点火器40が第1破裂板26及び第2破裂板36に近接し、かつ第2破裂板36の方が第1破裂板26よりも破壊されやすいため、これらの破裂板が確実に破壊される。
(3)第3の実施の形態
図3により説明する。図3は、インフレータの軸方向の断面図である。図3のインフレータ200は、図1のインフレータ10と外観形状は類似したものであるから、異なる部分についてのみ説明する。
図3では、外側シェル20と、第1内側シェル60及び第2内側シェル70との組み合わせにより、ハウジングが形成されている。外側シェル20は、両端側が開放された筒状のものである。
第1内側シェル60は、筒状本体部61とフランジ部63とを有するもので、第2内側シェル70は、筒状本体部71とフランジ部73とを有するものである。これらのフランジ部は、いずれも外側シェル20の両端開口部21a、21bと同じ大きさのものである。筒状本体部61と筒状本体部71は、同じ径で、かつ同じ長さである。
第1内側シェル60のフランジ部63を有する一端側開口部64が点火器40と接続され、他端側開口部が第1開口部65を形成している。
第2内側シェル70のフランジ部73を有する一端開口部が第1ガス排出口74を形成し、他端側開口部が第2開口部75を形成している。
外側シェル20と2つの内側シェル60、70は、2つの内側シェルのそれぞれのフランジ部63、73が外側シェル20の全開放された両端開口部21a、21bに当接され、前記当接部分が溶接固定されることで内外のシェルが一体にされている。更に、第1内側シェル60の第1開口部65と第2内側シェル70の第2開口部75が間隔をおいて正対するように組み合わされている。
第1内側シェル60の第1開口部65は第1破裂板66で閉塞され、第2内側シェル70の第2開口部75は第2破裂板76で閉塞されている。筒状本体部61と筒状本体部71は同じ長さであるから、第1破裂板66と第2破裂板76は、軸方向中央部に位置している。
点火器40は、第1破裂板66及び第2破裂板76を確実に破壊するため、第1破裂板66に近接するように、第1内側シェル60の筒状本体部61内に挿入・固定されている。
第1ガス排出口74には、ディフューザ部50が取り付けられている。ディフューザ部50は、カップ状のハウジング51と、周面に設けられた複数の第2ガス排出口52を有している。第2ガス排出口52は、周方向及び/又は軸方向に均等間隔で配置されている。
図3のインフレータ200では、第2内側シェル70内に点火器40を挿入・配置し、第1内側シェル60側にディフューザ部50を取り付けてもよい。
インフレータ200は、助手席用インフレータ、側面衝突用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータに適している。
インフレータ200は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、点火器40が第1破裂板66及び第2破裂板76に近接しているため、これらの破裂板が確実に破壊される。
(4)第4の実施の形態
図4により説明する。図4は、インフレータの軸方向の断面図である。図4のインフレータ300は、図3のインフレータ200と類似した構造のものであるから、異なる構造部分についてのみ説明する。
第1内側シェル60の筒状本体部61が、第2内側シェル70の筒状本体部71よりも長くなっている。このため、第1破裂板66と第2破裂板76は、ディフューザ部50に近い位置にある。
インフレータ300は、助手席用インフレータ、側面衝突用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータに適している。
インフレータ300は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、点火器40が第1破裂板66及び第2破裂板76に近接しているため、これらの破裂板が確実に破壊される。
(5)第5の実施の形態
図5により説明する。図5は、インフレータの軸方向の断面図である。図5のインフレータ400は、図1のインフレータ10と類似した構造のものであるから、異なる構造部分についてのみ説明する。
外側シェル20と内側シェル30は、いずれも横長形状(軸方向の長さが半径方向の長さよりも短い形状)であるから、ハウジング11も全体として横長形状のディスク状となっている。
内側シェル30は、筒状本体部31を有しており、第1ガス排出口32側には、第1フランジ部33a、第2フランジ部33c、及びそれらの間に位置する環状垂壁部33bを有している。
内側シェル30の第2フランジ部33cと、外側シェル20の周面開口縁20a(僅かにフランジ状に延びている)において溶接一体化されている。インフレータ300は、運転席用のインフレータとして適している。
インフレータ400は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、点火器40が第1破裂板26及び第2破裂板36に近接しているため、これらの破裂板が確実に破壊される。インフレータ400は、運転席用インフレータに適している。
インフレータ400は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、点火器40が第1破裂板26及び第2破裂板36に近接しているため、これらの破裂板が確実に破壊される。第1破裂板26及び第2破裂板36の軸方向の位置は、所望の位置に設定できる。
(6)第6の実施の形態
図6により説明する。図6は、インフレータの軸方向の断面図である。図6のインフレータ500は、図5のインフレータ400と類似した構造のものであるから、異なる構造部分についてのみ説明する。
インフレータ500は、インフレータ400の内部が半径方向に配置された隔壁80により、軸方向に上下2室に分離された構造のものであり、隔壁80よりも下が第1ガス充填室81、上が第2ガス充填室82を形成している。第1ガス充填室81と第2ガス充填室82には、それぞれ等圧の加圧ガスが充填されている。
第1ガス充填室81の中央部には、点火手段として第1点火器40が配置されており、第1点火器40は、第1開口部23を閉塞する第1破裂板26に正対している。
外側シェル20の底面27には、第2筒状突出部28が設けられており、第2筒状突出部28の開口部は第3破裂板29で閉塞されている。第2筒状突出部28内には、第2点火器45が挿入・配置されている。
隔壁80の第3破裂板29が正対する位置には第4開口部38が設けられ、前記第4開口部38は第4破裂板39で閉塞されている。
次に、本発明のインフレータ500の動作について説明する。なお、本発明のインフレータ500をエアバッグシステムに適用するときは、ディフューザ50を覆うようにしてエアバッグを取り付けるが、リードワイヤは逆方向に引き出されるため、エアバッグの取付作業性は損なわれない。
第1点火器40の作動で生じた衝撃波により、最初に第1破裂板26が破壊され、第1開口部23が開放される。その後、衝撃波は第1開口部23を通って直進し、第2破裂板36が破壊されて、第2開口部35が開放される。その結果、第1ガス充填室81内に充填された加圧ガスは、第2開口部35から筒状本体部31内のガス排出経路34を通って第2ガス排出口52から排出され、エアバッグを膨張展開させる。
続いて第2点火器45作動で生じた衝撃波により、最初に第3破裂板29が破壊され、第2筒状突出部28の開口部(第3開口部)が開放される。その後、衝撃波は前記第3開口部を通って直進し、第4破裂板39を破壊して、第4開口部38が開放される。その結果、第2ガス充填室82内に充填された加圧ガスは、第4開口部38から第1ガス充填室81内に流入し、第2開口部35から筒状本体部31内のガス排出経路34を通って第2ガス排出口52から排出され、エアバッグを更に膨張展開させる。
第1点火器40と第2点火器45は、時間差をおいて作動する場合、同時に作動する場合、第1点火器40のみが作動する場合(第2点火器45は、インフレータの解体作業時の安全性を確保するため、エアバッグの膨張に関与しない程度に遅れて作動する)のいずれでもよい。インフレータ500は、運転席用インフレータに適している。
インフレータ500は、インフレータ10と同様に、エアバッグの取付作業性がよく、第1点火器40及び第2点火器45が各破裂板に近接しているため、これらの破裂板が確実に破壊される。
インフレータの軸方向断面図。 別形態のインフレータの軸方向断面図。 別形態のインフレータの軸方向断面図。 別形態のインフレータの軸方向断面図。 別形態のインフレータの軸方向断面図。 別形態のインフレータの軸方向断面図。
符号の説明
10、100、200、300、400、500 インフレータ
11 ハウジング
20 外側シェル
23 第1開口部
26 第1破裂板
30 内側シェル
34 第1ガス排出口
35 第2開口部
36 第2破裂板
40 点火器
50 ディフューザ
52 第2ガス排出口

Claims (5)

  1. 両端面が閉塞された筒状ハウジング内に加圧ガスが充填されたインフレータであり、
    一端面から内側軸方向に突き出して設けられた第1筒状突出部の開口部が第1破裂板で閉塞され、他端面から内側軸方向に突き出して設けられた第2筒状突出部の開口部が第2破裂板で閉塞されており、
    第1破裂板と第2破裂板が正対し、筒状ハウジングの第1破裂板に正対する位置に点火手段が設けられており、
    作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第2筒状突出部の端面側開口部が第1ガス排出口となり、そこから加圧ガスが排出されるものである、インフレータ。
  2. 外側シェルと、外側シェル内に挿入された一つの内側シェルとの組み合わせからなる、内部に加圧ガスが充填されたハウジングと、点火手段を有するインフレータであり、
    ハウジングを形成する外側シェルが、一端側が全開放され、他端側が中央部に形成された筒状突出部の第1開口部を除いて閉塞された筒状のものであり、
    ハウジングを形成する内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有して、第1ガス排出口を形成し、他端側開口部が第2開口部を形成しているものであり、
    外側シェルと内側シェルが、内側シェルのフランジ部が外側シェルの全開放された開口部分に当接され、かつ外側シェルの第1開口部と内側シェルの第2開口部が間隔をおいて正対するように組み合わされ、前記当接部分が接続固定されることで内外のシェルが一体にされたものであり、
    第1開口部が第1破裂板で閉塞され、第2開口部が第2破裂板で閉塞されており、外側シェルの第1破裂板に正対する位置に点火手段が取り付けられており、
    作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第1ガス排出口から加圧ガスが排出されるものである、インフレータ。
  3. 外側シェルと、外側シェル内に挿入された2つの内側シェルとの組み合わせからなる、内部に加圧ガスが充填されたハウジングと、点火手段を有するインフレータであり、
    ハウジングを形成する外側シェルが、両端側が全開放された筒状のものであり、
    ハウジングを形成する2つの内側シェルの一方である第1内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有し、このフランジ部の大きさが外側シェルの全開放された一端開口部分と同じ大きさのもので、フランジ部を有する一端側開口部が点火手段と接続され、他端側開口部が第1開口部を形成しているものであり、
    ハウジングを形成する2つの内側シェルの他方である第2内側シェルが、外側シェルよりも径の小さな筒状のもので、一端側開口部にフランジ部を有し、このフランジ部の大きさが外側シェルの全開放された他端開口部分と同じ大きさのもので、フランジ部を有する一端側開口部が第1ガス排出口を形成し、他端側開口部が第2開口部を形成しているものであり、
    外側シェルと内側シェルが、2つの内側シェルのそれぞれのフランジ部が外側シェルの全開放された両端開口部分に当接され、かつ第1内側シェルの第1開口部と第2内側シェルの第2開口部が間隔をおいて正対するように組み合わされ、前記当接部分が接続固定されることで内外のシェルが一体にされたものであり、
    第1開口部が第1破裂板で閉塞され、第2開口部が第2破裂板で閉塞されておりる、
    作動時において、第1破裂板及び第2破裂板が破壊されることにより、第1ガス排出口から加圧ガスが排出されるものである、インフレータ。
  4. 更に、複数の第2ガス排出口を備えた、加圧ガスを拡散放出するためのカップ状のディフューザ部を有しており、ディフューザ部が第1ガス排出口に取り付けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のインフレータ。
  5. インフレータが、軸方向の長さが半径方向の長さよりも短いディスク状である、請求項1〜4のいずれかに記載のインフレータ。

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