JP2004074947A - インフレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化され、破裂板の破壊性が高められたインフレータの提供。
【解決手段】ガス導入室22と点火器収容室26との間に破裂板29が固定され、点火器24と破裂板29の中心軸は一致している。このため、作動時における破裂板の破壊性が高められる。
【選択図】 図1
【解決手段】ガス導入室22と点火器収容室26との間に破裂板29が固定され、点火器24と破裂板29の中心軸は一致している。このため、作動時における破裂板の破壊性が高められる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車両用のエアバッグシステムに好適なインフレータ、及びそれを用いたエアバッグシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車両の膨張式安全システム用のインフレータには、運転席、助手席等の車両内の座席位置等に応じて最適な乗員保護ができるよう、各種インフレータが汎用されている。インフレータには、エアバッグの膨張手段として、アルゴン、ヘリウム等の加圧ガスを用いるものが知られている。このようなインフレータでは、破裂板が破壊されることで加圧ガスの流出が開始され、最終的にエアバッグが膨張展開されるものであるため、破裂板の破壊性を高めることが、インフレータの作動信頼性を高める上で重要となる。更に、小型軽量化の要請に応えるため、構造をできるだけ簡単にすると共に、製造工程の簡略化、長期間にわたる作動の確実性等の要求を合わせて充足する必要がある。
【0003】
特開2002−172995号公報には、ストアーガスインフレータに係る発明が開示されている。この発明の図2では、主室20と小室18が形成され、それらの間の分離壁24に導通口26と小孔28が形成されており、小室18に形成されたガス噴出口14と導通口26には、それぞれ破裂板(バーストシム)16、22が取付られている。イニシエータ30は、小室18内の加圧雰囲気中に設置されており、明細書中には、出力の小さな点火器であっても破裂板を破ることができると記載されている。しかし、このインフレータには、下記のとおりの問題点が存在している。
【0004】
このインフレータでは、小室18内を加圧雰囲気に維持するため、イニシエータ30のシールを確実に行い、小室18内のガスがイニシエータ30から漏れないように気密性を保持する必要があるが、高圧でガスを充填することを考慮すると、車両の耐用年数である10年以上もの間、気密性を維持するのは困難である。
【0005】
更に段落24には、「P2は(P1−Pm)と略等しいか又はそれよりも若干小さいものとなっている。」と記載されている。ここで、P2は破裂板22の破裂圧力、P1は破裂板16の破裂圧力、Pmは小室18及び主室20内に充填されるガスの充填圧力である。この開示内容からすると、イニシエータ30の作動により、小室18内は温度及びガスのモル数等が上昇するため、主室20内よりも高圧になったとき、2つの破裂板16、22が同時に破裂する場合には問題はないが、破裂板22の方が先に破裂した場合には、小室18内の圧力が主室20に逃げるため、イニシエータ30により生じた衝撃波は破裂板16には殆ど作用しないので、破裂板16は破裂せず、エアバッグを正常に膨張させることができない。
【0006】
更にイニシエータ30が作動し、衝撃波が進行する方向の延長線上に破裂板16、22がないため、破裂板の破壊の観点から検討すれば、明らかに確実性が劣る。
【0007】
本発明は、長期間にわたって確実に作動させることができると共に、組立作業や取付作業も容易なインフレータを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、一端が閉塞され、他端が開口された筒状のインフレータハウジングと、インフレータハウジングの開口部に接続された、ガス排出口を有するディフュザー部とを有しており、
インフレータハウジング内には加圧ガスが充填され、
ディフュザー部内には、ガス排出口に至るガス排出経路を閉塞しており、作動時には中心部を含む部分が破壊されてガス排出経路を開放する平板状の破裂板が設けられ、
更にディフュザー部内には、前記破裂板を破壊するための点火器が、インフレータハウジングの軸方向と直交し、かつ点火器の作動部が前記破裂板の中心部に対向する位置になるように設けられているインフレータを提供する。
【0009】
ここで「直交」とは90°を意味するものであるが、本発明の課題を解決できる範囲であれば、直交でない場合、例えば、インフレータハウジングの軸方向に対して±10°以内程度の傾きを設けて、点火器を斜めに取り付けることも含まれる。
【0010】
点火器とインフレータハウジング、点火器と破裂板との配置状態を上記のようにすることにより、インフレータ自体を小型化することができる。更に、破裂板の破壊性を高めることができると共に、リードワイヤの引き出し方向をエアバッグとは反対方向で、インフレータハウジングの軸方向にすることで、リードワイヤがエアバッグに干渉しなくなるため、インフレータの取付作業が容易となる。
【0011】
上記発明では、破裂板と点火器が、破裂板の中心軸と点火器の作動部の中心軸が一致するように配置されていることが好ましい。
【0012】
点火器は、通常先端部に点火薬が配された作動部を有しており、通電により点火薬が着火燃焼される結果、衝撃波、火炎、ガス等が生じ、これらにより破裂板が破壊される。このため、点火器の中心軸の方向へ、衝撃波、火炎及びガスが進行するので、破裂板と点火器の中心軸を一致させることにより、破裂板の破壊性を高めることができる。なお、破裂板は平板(例えば、円板)のものを用いるが、インフレータ内では、加圧ガスによる圧力を受けて椀状に変形するため、椀状の破裂板の頂点(凸部の頂点。ここが破裂板の中心部となる。)と点火器の作動部の中心軸が一致するように配置することになる。
【0013】
請求項3の発明のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
破裂板が、点火器収容室の開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路の点火器収容室側に取付られたものにすることが好ましい。
【0014】
このインフレータでは、インフレータハウジング内に充填された加圧ガスは、インフレータハウジング、ガス導入室、点火器収容室を通ってガス排出口から排出される。以下のインフレータにおいても同様である。
【0015】
このインフレータでは、点火器収容室は開口部を有しており、その開口部から破裂板を挿入固定し、更に点火器を挿入固定することができるので、組立作業が容易となる。破裂板の固定には、ガス導入室と点火器収容室を繋ぐガス排出経路に段差部を設け、その段差部の点火器収容室側において溶接固定する方法を適用できる。なお、点火器は、点火器収容室の開口部から挿入した後、前記開口部周縁をかしめることにより、固定することができる。
【0016】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0017】
請求項4の発明のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
ガス導入室内には、有底円筒状のカップが、その開口部がインフレータハウジング方向になるように挿入され、前記カップの側面が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路を閉塞する破裂板を形成していることが好ましい。
【0018】
このインフレータでは、ガス導入室の形状とカップの形状は同一にしておき、ガス導入室の閉塞端面にカップの閉塞端面(底)が当接されるようにすることが好ましい。
【0019】
このインフレータでは、カップ側面が破裂板を形成しているので、平板のものを溶接固定する場合に比べて、破裂板の取付作業が容易となる。特にガス導入室とカップ形状を同一にした場合、カップは加圧ガスで押圧された状態であるため、移動しにくく、更に一体成形されたカップ側面の一部が破裂板を形成するため、平板状(例えば、円板)の破裂板よりも加圧ガスのシールが確実となり、またカップの固定作業も容易となる。カップの固定は、ガス導入室にカップを挿入したのち、ガス導入室の入口の段差部において、カップの開口部周縁(好ましくはフランジを有する)を溶接固定する方法を適用できる。
【0020】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0021】
請求項5のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室側から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものであることが好ましい。
【0022】
このインフレータでは、ガス導入室と点火器収容室が同一方向に接続されているため、破裂板はガス導入室の開口部から挿入固定できるので、組立作業が容易となる。破裂板の固定には、ガス導入室と点火器収容室を繋ぐガス排出経路に段差部を設け、その段差部のガス導入室側において溶接固定する方法を適用できる。
【0023】
そして、このようにガス導入室側から破裂板を固定することにより、加圧ガスの圧力に対し、溶接固定された破裂板の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板の固着強度が低下して破裂板が剥がれるようなことがない。
【0024】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0025】
請求項6のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
点火器収容室内には、点火器を保持するための略筒状のリテーナが挿入固定され、
破裂板が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に位置する、リテーナの一端側開口部の外側から取付られたものであることが好ましい。
【0026】
このインフレータでは、破裂板は点火器を保持するためのリテーナの一端側開口部の外側から溶接固定されている。よって、リテーナを点火器収容室内に挿入する前の段階で破裂板を溶接固定できるため、上記した各インフレータと比べても、溶接固定作業が容易となる。
【0027】
破裂板を固定したリテーナは、破裂板を取り付けた部分がガス導入室側になるようにして点火器収容室に入れる。そして破裂板の周縁部、又は破裂板が取り付けられた側のリテーナの一端側が、ガス排出経路に接触された状態で(好ましくは、ガス排出経路に形成された段差部に圧接された状態で)、接触部を抵抗溶接することで、ガス導入室の気密性が確保される。この状態で、最終段階においてリテーナ内に点火器を挿入し、点火器収容室の開口部周縁をかしめて、点火器を固定する。
【0028】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0029】
請求項7のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、環状固定具の一面側に固定され、更に環状固定具が、前記一面側をガス導入室側に向けて点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に固定されたものであることが好ましい。
【0030】
環状固定具は、ガス排出経路に抵抗溶接で溶接固定する際の便宜のため、溶接部となる環状の突起部を設けておくことが望ましい。
【0031】
このインフレータでは、環状固定具を用いることにより、環状固定具に破裂板を溶接固定したものをディフュザー部内に挿入した後、環状固定具をディフュザー部内に溶接固定することができる。よって、厚みのある環状固定具をディフュザー部内に溶接固定する方が、薄い円板状の破裂板をディフュザー部内に溶接固定する場合に比べると溶接作業が容易となる。
【0032】
また、破裂板が取り付けられた側をガス導入室側に向けて、点火器収容室の開口部からディフュザー部内に挿入されているので、加圧ガスの圧力に対して、溶接固定された破裂板の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板の固着強度が低下して、破裂板が剥がれるようなことがない。
【0033】
請求項8のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部と、破裂板の取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものであり、前記ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部が蓋部により閉塞されたものであることが好ましい。
【0034】
このように、ガス導入室にインフレータ外部と連通する連通孔を設けることにより、破裂板をガス導入口から挿入し、固定し易くなる。またガス導入室、点火器収容室を上記のように配置することにより、インフレータハウジングの中心軸とディフュザー部の中心軸の間隔をより小さくすることができるので、インフレータを小型化することができる。
【0035】
上記各発明のインフレータでは、点火器には、コネクターを介して点火器に作動信号を送るリードワイヤが接続されており、リードワイヤの延びる方向が、エアバッグの取付方向とは異なり、かつインフレータハウジングの軸方向であることが好ましい。
【0036】
請求項10のインフレータは、一端が開口し、他端が閉塞された筒状ハウジングからなり、閉塞面近傍に第2ガス排出口を有するガス流出室を備えており、前記ガス流出室が、筒状ハウジングの開口部においてガス排出口に接続され、かつインフレータハウジングの軸方向に形成されているものである。
【0037】
このインフレータでは、インフレータハウジング内に充填された加圧ガスは、インフレータハウジング、ガス導入室、点火器収容室、ガス排出口及びガス流出室を通って第2ガス排出口から排出される。このようなガス流出室を設けることにより、インフレータへのエアバッグの取付作業が容易となる。
【0038】
上記発明では、第2ガス排出口が、ガス流出路の側面に均等間隔で複数形成されていることが好ましい。このようにガス排出口を形成することにより、インフレータを運搬乃至保管する際、火事等によりインフレータが作動し、加圧ガスがガス排出口から噴出された場合であっても、インフレータがロケットのように飛び出す事態が防止される。例えば、ガス排出口が1つのみの場合、加圧ガスが噴出することにより、インフレータ自体がロケットのように飛び出し、非常に危険となる。
【0039】
請求項12の発明は、課題の解決手段として、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜11のいずれか1記載のインフレータとエアバックが収容されたモジュールケースとを備えたエアバックシステムを提供する。
【0040】
【発明の実施の形態】
(1)実施形態1
図1により、一実施形態を説明する。図1は、インフレータ10の軸方向への部分断面図である。
【0041】
筒状のインフレータハウジング12は、一端側に開口部を有し、他端側は閉塞されており、内部空間14には、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、窒素ガスからなる加圧媒質が最大圧70,000kPa程度で充填されている。
【0042】
インフレータハウジング12は、パイプをスエージ加工又はスピンニング加工して製造することができ、既製のガスボンベをそのまま利用することもできる。パイプをスエージ加工又はスピンニング加工する場合は、一端側を加圧媒質の充填孔となる細孔を残した状態までに閉塞させる。
【0043】
加圧ガスは、インフレータハウジング12にディフュザー部20を接続した後、インフレータハウジング12の周面又は閉塞端面に設けられた細孔に嵌入したシールピンの隙間から充填し、その後、シールピンをインフレータハウジング12に対して溶接し、完全に閉塞する。
【0044】
ディフュザー部20はインフレータハウジング12の開口部側に接続されており、インフレータハウジング12内の加圧ガスを導入するガス導入室22と、点火器24を収容し、ガス排出口30を有する点火器収容室26とからなっている。
【0045】
ディフュザー部20は、ガス導入室22と点火器収容室26とが一つの略筒状ハウジング(第1ハウジング51)により外殻が形成されているが、各室毎に異なるハウジングにより外殻を形成しても良い。
【0046】
インフレータハウジング12とディフュザー部20は、インフレータハウジング12の開口部周縁部と第1ハウジング51との接触部分において、溶接固着されている。
【0047】
ガス導入室22は、インフレータハウジング12の中心軸と同じ方向に形成された筒状空間であり、開口部23において内部空間14と連通されているので、加圧ガスはガス導入室22内にも流入している。
【0048】
点火器収容室26は、インフレータハウジング12の軸方向と直交する方向に形成されており、ガス排出口30を有している。更に点火器収容室26は、点火器24の取付前は、点火器24を挿入するための開口部を有している。
【0049】
ガス導入室22と点火器収容室26間のガス排出経路には、円形開口部27を有する段差部25が設けられており、この段差部25の点火器収容室26側には円板状の破裂板29が取り付けられている。
【0050】
破裂板29は、点火器収容室26の開口部から挿入され、その周縁部が段差部25に溶接固定されている。このように点火器収容室26は開口部を有しているので、その開口部から破裂板29を挿入固定し、更に点火器24を挿入固定することができるので、組立作業が容易となる。
【0051】
破裂板29により、円形開口部27は閉塞されているため、インフレータ10の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。
【0052】
破裂板29は、取付前は円板状であるが、図示するように取付後は加圧ガスの圧力を受けて、点火器収容室26側に突き出た椀状に変形している。この突き出た部分の頂点が破裂板29の中心部となっており、インフレータ10の作動時には、この中心部を含む部分が破壊されて、閉塞されたガス排出経路が開放される。
【0053】
点火器収容室26内には点火器24が取付られており、点火器24は、開口部から挿入した後、前記開口部周縁32をかしめることで固定されている。
【0054】
点火器24は、インフレータハウジング12の軸方向と直交し、かつ点火器24の作動部の中心軸と、破裂板29の中心軸(突き出た頂点部分を通る軸)とが一致するように取り付けられている。このように、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0055】
点火器24には、コネクタ33が嵌合され、コネクタ33には点火器24に作動信号及び電流を送るリードワイヤ34が接続されている。リードワイヤ34の延びる方向は、エアバッグ50の取付方向とは異なり、かつインフレータハウジング12の軸方向となっている。
【0056】
このように、インフレータ10ではリードワイヤ34の延長方向を規制できるので、インフレータ10を含むエアバッグシステムを組み立てる際、エアバッグ50がリードワイヤ34の配線作業の邪魔になることがない。
【0057】
ガス流出室28は、筒状ハウジング(第2ハウジング)51により外殻が形成されており、開口部側がガス排出口30を覆うようにして、ディフュザー部20の第1ハウジング51に溶接固定されている。第1ハウジング51と第2ハウジング52とは、一体成形されていても良い。
【0058】
ガス流出室28は、インフレータハウジング12の軸方向に形成されており、先端部側の側面には複数の第2ガス排出口36を有している。これらの第2ガス排出口36は、ガス流出室28の側面に均等間隔で複数形成されている。均等間隔で複数形成されているとは、例えば、幅方向の断面から見た場合、90°の角度で4個、60°の角度で6個、45°の角度で8個をいうもので、均等間隔であれば奇数個であっても良い。
【0059】
このように第2ガス排出口36を均等間隔で複数個配置することにより、インフレータを運搬乃至保管する際、火事等によりインフレータが作動し、加圧ガスが第2ガス排出口36から噴出された場合であっても、インフレータがロケットのように飛び出す事態が防止される。
【0060】
ガス流出室28内には、第2ガス排出口36を内側から覆うようにして、金網等からなるスクリーン35が配置されている。このスクリーン35は、破裂板29の破壊片がエアバッグ50に流入することを防止するためのものである。
【0061】
インフレータ10では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図1のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ10全体を小型化することができる。
【0062】
ガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28は、ガス排出経路を形成するものであり、インフレータハウジング12内の加圧ガスは、ガス導入室22、点火器収容室26をこの順序で通って、ガス排出口30から排出されてガス流出室28内に流入する。その後、スクリーン35を経て、第2ガス排出口36から排出され、第2ガス排出口36を覆うように取り付けられたエアバッグ50を膨張展開させる。
【0063】
(2)実施形態2
図2により、他実施形態を説明する。図2は、インフレータ100の軸方向への部分断面図である。図2で示すインフレータ100は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図2中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0064】
ガス導入室22内には、ガス導入室22の内部形状と同一の外部形状を有する有底円筒状のカップ40が、カップ40の閉塞端面がガス導入室22の閉塞端面に当接され、その開口部41がインフレータハウジング12方向になるように挿入されている。カップ40は、開口部周縁に設けられたフランジ42において第1ハウジング51に溶接固定されている。
【0065】
カップ40の内部には、加圧ガスが流入されているため、カップ40の側面のうち円形開口部27に対応する箇所が椀状に膨張変形して、点火器収容室26とガス導入室22を連通するガス排出経路(円形開口部27)を閉塞する破裂板29を形成している。
【0066】
インフレータ100では、カップ40側面が破裂板29を形成しているので、平板のものを溶接固定する場合に比べて、破裂板の取付作業が容易となる。特にガス導入室22の内部形状とカップ40の形状が同一であり、カップ40は加圧ガスで押圧された状態であるため移動しにくく、更に一体成形されたカップ40側面の一部が破裂板29を形成するため、平板状(例えば、円板)の破裂板を用いるよりも加圧ガスのシールが確実となり、固定作業も容易となる。
【0067】
インフレータ100では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図2のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ100全体を小型化することができる。
【0068】
インフレータ100では、点火器24の作動部と、破裂板29(カップ40の側面)の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0069】
(3)実施形態3
図3により、他実施形態を説明する。図3は、インフレータ200の軸方向への部分断面図である。図3で示すインフレータ200は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図3中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0070】
ガス導入室22は、インフレータハウジング12の中心軸と直交する方向に形成された筒状空間であり、開口部23において内部空間14と連通されているので、加圧ガスはガス導入室22内にも流入している。
【0071】
点火器収容室26は、インフレータハウジング12の軸方向と直交する方向に形成されており、点火器24の取付前は、点火器24を挿入するための開口部を有している。
【0072】
ガス導入室22と点火器収容室26間のガス排出経路には、円形開口部27を有する段差部25が設けられており、この段差部25のガス導入室22側には、円板状の破裂板29が溶接固定されている。破裂板29は、取付前は円板状であるが、図示するように、取付後は加圧ガスの圧力を受けて、点火器収容室26側に突き出た椀状に変形している。この突き出た部分の頂点が破裂板29の中心部となっており、インフレータ200の作動時には、この中心部を含む部分が破壊されて、閉塞されたガス排出経路が開放される。
【0073】
破裂板29は、ガス導入室22の開口部23から挿入され、その周縁部が段差部25に溶接固定されている。この破裂板29により、円形開口部27は閉塞されているため、インフレータ200の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。
【0074】
インフレータ200では、ガス導入室22と点火器収容室26が同一方向に接続されているため、破裂板29はガス導入室22の開口部23から挿入固定できるので、組立作業が容易となる。更に、このようにガス導入室側22から破裂板29を固定することにより、加圧ガスの圧力に対し、溶接固定された破裂板29の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板29の固着強度が低下して破裂板29が剥がれるようなことがない。
【0075】
インフレータ200では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図3のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ200全体を小型化することができる。
【0076】
インフレータ200では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0077】
(4)実施形態4
図4及び図5により、他実施形態を説明する。図4は、インフレータ300の軸方向への部分断面図、図5は、図4で用いたリテーナの縦断面図である。図4で示すインフレータ300は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図4中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0078】
点火器収容室26内には、点火器24を保持するための略筒状のリテーナ60が挿入固定されている。リテーナ60は、両端に開口部61、62を有し、ガス排出経路となる複数のガス通過孔63を有するものである。
【0079】
破裂板29は、リテーナ60を点火器収容室26内に挿入する前の段階で、リテーナ60の開口部62側の開口周縁部64に外側から溶接固定され、リテーナ60を点火器収容室26内に挿入したとき、破裂板29の周縁部は段差部25に圧接されている。
【0080】
このようにリテーナ60を点火器収容室26内に挿入する前の段階で破裂板29を溶接固定できるため、上記した各インフレータと比べても、溶接固定作業が容易となるほか、組立作業も容易となる。更に、破裂板29の周縁部は、溶接固定された上に、リテーナ60の開口部周縁64と段差部25により挟み付けられた状態で段差部25と溶接されており、加圧ガスの圧力に対する対抗力が特に大きく、加圧ガスの圧力により、破裂板29の固着強度が低下して破裂板29が剥がれるようなことがない。
【0081】
破裂板29が固定された状態で、図4に示すように点火器収容室26内に挿入されたリテーナ60は、抵抗溶接によって、段差部25と開口部周縁64(及び破裂板29の周縁部)と溶接固定されている。
【0082】
ガス導入室22と点火器収容室26とを連通する円形開口部27は、破裂板29により閉塞されているため、インフレータ300の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。更に、点火器収容室26の内壁面とリテーナ60とは密着固定されているので、作動時において、加圧ガスが点火器収容室26からインフレータ300外に漏れることはない。
【0083】
インフレータ300では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図4のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ300全体を小型化することができる。
【0084】
インフレータ300では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0085】
(5)実施形態5
図6及び図7により、他実施形態を説明する。図6は、インフレータ400の軸方向への部分断面図、図7は、図6で用いた環状固定具の断面図である。図6で示すインフレータ400は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図6中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0086】
環状固定具70は、環状部71、中央孔72とを有するもので、一面側には、破裂板周縁部を溶接するための内環状突起部73、環状固定具70を溶接固定するための外環状突起部74とを有している。
【0087】
破裂板29は、環状固定具70の一面側から、内環状突起部73において溶接固定されている。破裂板29は、取付前は円板状であり、点火器収容室26へ取付後は、加圧ガスの圧力を受けて2点鎖線で示したように膨張変形する。
【0088】
破裂板29が溶接固定された環状固定具70は、点火器収容室26のインフレータ外部と連通する開口部から挿入され、段差部25において、外環状突起部74の部分で溶接固定されている。このとき、環状固定具70の破裂板29が取付られた側をガス導入室22側へ向けて取り付けると、加圧ガスの圧力で破裂板29が剥がれにくくなるので好ましい。
【0089】
このように薄い破裂板29の溶接をインフレータへの取付前に行い、厚い環状固定具70の溶接をディフュザー部への挿入後に行うことにより、ディフュザー部への挿入後に破裂板を溶接する場合に比べて、溶接作業が容易となる。
【0090】
インフレータ400では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図4のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ400全体を小型化することができる。
【0091】
インフレータ400では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0092】
(6)実施形態6
図8により、他実施形態を説明する。図8は、インフレータ500の軸方向への部分断面図である。図8で示すインフレータ500は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図8中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0093】
インフレータ500における破裂板29の取付状態は、図3に示すインフレータ200と同様であるが、ガス導入室22の構造の相違に伴い、インフレータ200とは取付手順が異なる。
【0094】
図8では、ガス導入室22は、開口部23において内部空間14とのみ連通しているが、破裂板29の取付前においては、蓋部80が装着されずに開口されているので、インフレータ外部と連通されている。
【0095】
破裂板29は、ガス導入室22のインフレータ外部と連通された開口部から挿入し、図3に示すインフレータ200と同様にして、段差部25において溶接固定されている。その後、蓋部80により開口部を閉塞した後、第1ハウジング51と蓋部80とが溶接され、ガス導入室22内は気密に保持されている。
【0096】
このような構造にすることで、図3のインフレータ200と比べた場合、インフレータハウジング12の中心軸とガス流出室28の中心軸の間隔をより短くすることができるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0097】
インフレータ500では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0098】
本発明のインフレータを用いたエアバッグシステムは、図1〜図4に示すインフレータを用い、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に図1〜図4に示すインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケース等と組み合わせたシステムとして設置される。
【0099】
本発明のインフレータは、運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用インフレータ等の各種インフレータに適用できる。
【0100】
【発明の効果】
本発明のインフレータによれば、インフレータ組立作業、エアバッグシステムの組立作業、エアバッグシステムの車両への取付作業が容易となる。更に、インフレータ自体を小型化することができ、インフレータ作動時には、破裂板の破壊性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インフレータの一実施形態の軸方向への断面図。
【図2】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図3】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図4】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図5】図4で用いたリテーナの縦断面図。
【図6】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図7】図6で用いた破裂板固定具に取り付けた破裂板の断面図。
【図8】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【符号の説明】
10、100、200、300、400、500 インフレータ
12 インフレータハウジング
20 ディフュザー部
22 ガス導入室
24 点火器
26 点火器収容室
28 ガス流出路
29 破裂板
30 ガス排出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車両用のエアバッグシステムに好適なインフレータ、及びそれを用いたエアバッグシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車両の膨張式安全システム用のインフレータには、運転席、助手席等の車両内の座席位置等に応じて最適な乗員保護ができるよう、各種インフレータが汎用されている。インフレータには、エアバッグの膨張手段として、アルゴン、ヘリウム等の加圧ガスを用いるものが知られている。このようなインフレータでは、破裂板が破壊されることで加圧ガスの流出が開始され、最終的にエアバッグが膨張展開されるものであるため、破裂板の破壊性を高めることが、インフレータの作動信頼性を高める上で重要となる。更に、小型軽量化の要請に応えるため、構造をできるだけ簡単にすると共に、製造工程の簡略化、長期間にわたる作動の確実性等の要求を合わせて充足する必要がある。
【0003】
特開2002−172995号公報には、ストアーガスインフレータに係る発明が開示されている。この発明の図2では、主室20と小室18が形成され、それらの間の分離壁24に導通口26と小孔28が形成されており、小室18に形成されたガス噴出口14と導通口26には、それぞれ破裂板(バーストシム)16、22が取付られている。イニシエータ30は、小室18内の加圧雰囲気中に設置されており、明細書中には、出力の小さな点火器であっても破裂板を破ることができると記載されている。しかし、このインフレータには、下記のとおりの問題点が存在している。
【0004】
このインフレータでは、小室18内を加圧雰囲気に維持するため、イニシエータ30のシールを確実に行い、小室18内のガスがイニシエータ30から漏れないように気密性を保持する必要があるが、高圧でガスを充填することを考慮すると、車両の耐用年数である10年以上もの間、気密性を維持するのは困難である。
【0005】
更に段落24には、「P2は(P1−Pm)と略等しいか又はそれよりも若干小さいものとなっている。」と記載されている。ここで、P2は破裂板22の破裂圧力、P1は破裂板16の破裂圧力、Pmは小室18及び主室20内に充填されるガスの充填圧力である。この開示内容からすると、イニシエータ30の作動により、小室18内は温度及びガスのモル数等が上昇するため、主室20内よりも高圧になったとき、2つの破裂板16、22が同時に破裂する場合には問題はないが、破裂板22の方が先に破裂した場合には、小室18内の圧力が主室20に逃げるため、イニシエータ30により生じた衝撃波は破裂板16には殆ど作用しないので、破裂板16は破裂せず、エアバッグを正常に膨張させることができない。
【0006】
更にイニシエータ30が作動し、衝撃波が進行する方向の延長線上に破裂板16、22がないため、破裂板の破壊の観点から検討すれば、明らかに確実性が劣る。
【0007】
本発明は、長期間にわたって確実に作動させることができると共に、組立作業や取付作業も容易なインフレータを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、課題の解決手段として、一端が閉塞され、他端が開口された筒状のインフレータハウジングと、インフレータハウジングの開口部に接続された、ガス排出口を有するディフュザー部とを有しており、
インフレータハウジング内には加圧ガスが充填され、
ディフュザー部内には、ガス排出口に至るガス排出経路を閉塞しており、作動時には中心部を含む部分が破壊されてガス排出経路を開放する平板状の破裂板が設けられ、
更にディフュザー部内には、前記破裂板を破壊するための点火器が、インフレータハウジングの軸方向と直交し、かつ点火器の作動部が前記破裂板の中心部に対向する位置になるように設けられているインフレータを提供する。
【0009】
ここで「直交」とは90°を意味するものであるが、本発明の課題を解決できる範囲であれば、直交でない場合、例えば、インフレータハウジングの軸方向に対して±10°以内程度の傾きを設けて、点火器を斜めに取り付けることも含まれる。
【0010】
点火器とインフレータハウジング、点火器と破裂板との配置状態を上記のようにすることにより、インフレータ自体を小型化することができる。更に、破裂板の破壊性を高めることができると共に、リードワイヤの引き出し方向をエアバッグとは反対方向で、インフレータハウジングの軸方向にすることで、リードワイヤがエアバッグに干渉しなくなるため、インフレータの取付作業が容易となる。
【0011】
上記発明では、破裂板と点火器が、破裂板の中心軸と点火器の作動部の中心軸が一致するように配置されていることが好ましい。
【0012】
点火器は、通常先端部に点火薬が配された作動部を有しており、通電により点火薬が着火燃焼される結果、衝撃波、火炎、ガス等が生じ、これらにより破裂板が破壊される。このため、点火器の中心軸の方向へ、衝撃波、火炎及びガスが進行するので、破裂板と点火器の中心軸を一致させることにより、破裂板の破壊性を高めることができる。なお、破裂板は平板(例えば、円板)のものを用いるが、インフレータ内では、加圧ガスによる圧力を受けて椀状に変形するため、椀状の破裂板の頂点(凸部の頂点。ここが破裂板の中心部となる。)と点火器の作動部の中心軸が一致するように配置することになる。
【0013】
請求項3の発明のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
破裂板が、点火器収容室の開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路の点火器収容室側に取付られたものにすることが好ましい。
【0014】
このインフレータでは、インフレータハウジング内に充填された加圧ガスは、インフレータハウジング、ガス導入室、点火器収容室を通ってガス排出口から排出される。以下のインフレータにおいても同様である。
【0015】
このインフレータでは、点火器収容室は開口部を有しており、その開口部から破裂板を挿入固定し、更に点火器を挿入固定することができるので、組立作業が容易となる。破裂板の固定には、ガス導入室と点火器収容室を繋ぐガス排出経路に段差部を設け、その段差部の点火器収容室側において溶接固定する方法を適用できる。なお、点火器は、点火器収容室の開口部から挿入した後、前記開口部周縁をかしめることにより、固定することができる。
【0016】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0017】
請求項4の発明のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
ガス導入室内には、有底円筒状のカップが、その開口部がインフレータハウジング方向になるように挿入され、前記カップの側面が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路を閉塞する破裂板を形成していることが好ましい。
【0018】
このインフレータでは、ガス導入室の形状とカップの形状は同一にしておき、ガス導入室の閉塞端面にカップの閉塞端面(底)が当接されるようにすることが好ましい。
【0019】
このインフレータでは、カップ側面が破裂板を形成しているので、平板のものを溶接固定する場合に比べて、破裂板の取付作業が容易となる。特にガス導入室とカップ形状を同一にした場合、カップは加圧ガスで押圧された状態であるため、移動しにくく、更に一体成形されたカップ側面の一部が破裂板を形成するため、平板状(例えば、円板)の破裂板よりも加圧ガスのシールが確実となり、またカップの固定作業も容易となる。カップの固定は、ガス導入室にカップを挿入したのち、ガス導入室の入口の段差部において、カップの開口部周縁(好ましくはフランジを有する)を溶接固定する方法を適用できる。
【0020】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0021】
請求項5のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室側から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものであることが好ましい。
【0022】
このインフレータでは、ガス導入室と点火器収容室が同一方向に接続されているため、破裂板はガス導入室の開口部から挿入固定できるので、組立作業が容易となる。破裂板の固定には、ガス導入室と点火器収容室を繋ぐガス排出経路に段差部を設け、その段差部のガス導入室側において溶接固定する方法を適用できる。
【0023】
そして、このようにガス導入室側から破裂板を固定することにより、加圧ガスの圧力に対し、溶接固定された破裂板の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板の固着強度が低下して破裂板が剥がれるようなことがない。
【0024】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0025】
請求項6のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前は開口部を有するものであり、
点火器収容室内には、点火器を保持するための略筒状のリテーナが挿入固定され、
破裂板が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に位置する、リテーナの一端側開口部の外側から取付られたものであることが好ましい。
【0026】
このインフレータでは、破裂板は点火器を保持するためのリテーナの一端側開口部の外側から溶接固定されている。よって、リテーナを点火器収容室内に挿入する前の段階で破裂板を溶接固定できるため、上記した各インフレータと比べても、溶接固定作業が容易となる。
【0027】
破裂板を固定したリテーナは、破裂板を取り付けた部分がガス導入室側になるようにして点火器収容室に入れる。そして破裂板の周縁部、又は破裂板が取り付けられた側のリテーナの一端側が、ガス排出経路に接触された状態で(好ましくは、ガス排出経路に形成された段差部に圧接された状態で)、接触部を抵抗溶接することで、ガス導入室の気密性が確保される。この状態で、最終段階においてリテーナ内に点火器を挿入し、点火器収容室の開口部周縁をかしめて、点火器を固定する。
【0028】
また、インフレータハウジングと、ディフュザー部を形成するガス導入室、点火器収容室とを上記のように配置することにより、インフレータハウジングとディフュザー部との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0029】
請求項7のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、環状固定具の一面側に固定され、更に環状固定具が、前記一面側をガス導入室側に向けて点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に固定されたものであることが好ましい。
【0030】
環状固定具は、ガス排出経路に抵抗溶接で溶接固定する際の便宜のため、溶接部となる環状の突起部を設けておくことが望ましい。
【0031】
このインフレータでは、環状固定具を用いることにより、環状固定具に破裂板を溶接固定したものをディフュザー部内に挿入した後、環状固定具をディフュザー部内に溶接固定することができる。よって、厚みのある環状固定具をディフュザー部内に溶接固定する方が、薄い円板状の破裂板をディフュザー部内に溶接固定する場合に比べると溶接作業が容易となる。
【0032】
また、破裂板が取り付けられた側をガス導入室側に向けて、点火器収容室の開口部からディフュザー部内に挿入されているので、加圧ガスの圧力に対して、溶接固定された破裂板の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板の固着強度が低下して、破裂板が剥がれるようなことがない。
【0033】
請求項8のインフレータでは、ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部と、破裂板の取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものであり、前記ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部が蓋部により閉塞されたものであることが好ましい。
【0034】
このように、ガス導入室にインフレータ外部と連通する連通孔を設けることにより、破裂板をガス導入口から挿入し、固定し易くなる。またガス導入室、点火器収容室を上記のように配置することにより、インフレータハウジングの中心軸とディフュザー部の中心軸の間隔をより小さくすることができるので、インフレータを小型化することができる。
【0035】
上記各発明のインフレータでは、点火器には、コネクターを介して点火器に作動信号を送るリードワイヤが接続されており、リードワイヤの延びる方向が、エアバッグの取付方向とは異なり、かつインフレータハウジングの軸方向であることが好ましい。
【0036】
請求項10のインフレータは、一端が開口し、他端が閉塞された筒状ハウジングからなり、閉塞面近傍に第2ガス排出口を有するガス流出室を備えており、前記ガス流出室が、筒状ハウジングの開口部においてガス排出口に接続され、かつインフレータハウジングの軸方向に形成されているものである。
【0037】
このインフレータでは、インフレータハウジング内に充填された加圧ガスは、インフレータハウジング、ガス導入室、点火器収容室、ガス排出口及びガス流出室を通って第2ガス排出口から排出される。このようなガス流出室を設けることにより、インフレータへのエアバッグの取付作業が容易となる。
【0038】
上記発明では、第2ガス排出口が、ガス流出路の側面に均等間隔で複数形成されていることが好ましい。このようにガス排出口を形成することにより、インフレータを運搬乃至保管する際、火事等によりインフレータが作動し、加圧ガスがガス排出口から噴出された場合であっても、インフレータがロケットのように飛び出す事態が防止される。例えば、ガス排出口が1つのみの場合、加圧ガスが噴出することにより、インフレータ自体がロケットのように飛び出し、非常に危険となる。
【0039】
請求項12の発明は、課題の解決手段として、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜11のいずれか1記載のインフレータとエアバックが収容されたモジュールケースとを備えたエアバックシステムを提供する。
【0040】
【発明の実施の形態】
(1)実施形態1
図1により、一実施形態を説明する。図1は、インフレータ10の軸方向への部分断面図である。
【0041】
筒状のインフレータハウジング12は、一端側に開口部を有し、他端側は閉塞されており、内部空間14には、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、窒素ガスからなる加圧媒質が最大圧70,000kPa程度で充填されている。
【0042】
インフレータハウジング12は、パイプをスエージ加工又はスピンニング加工して製造することができ、既製のガスボンベをそのまま利用することもできる。パイプをスエージ加工又はスピンニング加工する場合は、一端側を加圧媒質の充填孔となる細孔を残した状態までに閉塞させる。
【0043】
加圧ガスは、インフレータハウジング12にディフュザー部20を接続した後、インフレータハウジング12の周面又は閉塞端面に設けられた細孔に嵌入したシールピンの隙間から充填し、その後、シールピンをインフレータハウジング12に対して溶接し、完全に閉塞する。
【0044】
ディフュザー部20はインフレータハウジング12の開口部側に接続されており、インフレータハウジング12内の加圧ガスを導入するガス導入室22と、点火器24を収容し、ガス排出口30を有する点火器収容室26とからなっている。
【0045】
ディフュザー部20は、ガス導入室22と点火器収容室26とが一つの略筒状ハウジング(第1ハウジング51)により外殻が形成されているが、各室毎に異なるハウジングにより外殻を形成しても良い。
【0046】
インフレータハウジング12とディフュザー部20は、インフレータハウジング12の開口部周縁部と第1ハウジング51との接触部分において、溶接固着されている。
【0047】
ガス導入室22は、インフレータハウジング12の中心軸と同じ方向に形成された筒状空間であり、開口部23において内部空間14と連通されているので、加圧ガスはガス導入室22内にも流入している。
【0048】
点火器収容室26は、インフレータハウジング12の軸方向と直交する方向に形成されており、ガス排出口30を有している。更に点火器収容室26は、点火器24の取付前は、点火器24を挿入するための開口部を有している。
【0049】
ガス導入室22と点火器収容室26間のガス排出経路には、円形開口部27を有する段差部25が設けられており、この段差部25の点火器収容室26側には円板状の破裂板29が取り付けられている。
【0050】
破裂板29は、点火器収容室26の開口部から挿入され、その周縁部が段差部25に溶接固定されている。このように点火器収容室26は開口部を有しているので、その開口部から破裂板29を挿入固定し、更に点火器24を挿入固定することができるので、組立作業が容易となる。
【0051】
破裂板29により、円形開口部27は閉塞されているため、インフレータ10の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。
【0052】
破裂板29は、取付前は円板状であるが、図示するように取付後は加圧ガスの圧力を受けて、点火器収容室26側に突き出た椀状に変形している。この突き出た部分の頂点が破裂板29の中心部となっており、インフレータ10の作動時には、この中心部を含む部分が破壊されて、閉塞されたガス排出経路が開放される。
【0053】
点火器収容室26内には点火器24が取付られており、点火器24は、開口部から挿入した後、前記開口部周縁32をかしめることで固定されている。
【0054】
点火器24は、インフレータハウジング12の軸方向と直交し、かつ点火器24の作動部の中心軸と、破裂板29の中心軸(突き出た頂点部分を通る軸)とが一致するように取り付けられている。このように、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0055】
点火器24には、コネクタ33が嵌合され、コネクタ33には点火器24に作動信号及び電流を送るリードワイヤ34が接続されている。リードワイヤ34の延びる方向は、エアバッグ50の取付方向とは異なり、かつインフレータハウジング12の軸方向となっている。
【0056】
このように、インフレータ10ではリードワイヤ34の延長方向を規制できるので、インフレータ10を含むエアバッグシステムを組み立てる際、エアバッグ50がリードワイヤ34の配線作業の邪魔になることがない。
【0057】
ガス流出室28は、筒状ハウジング(第2ハウジング)51により外殻が形成されており、開口部側がガス排出口30を覆うようにして、ディフュザー部20の第1ハウジング51に溶接固定されている。第1ハウジング51と第2ハウジング52とは、一体成形されていても良い。
【0058】
ガス流出室28は、インフレータハウジング12の軸方向に形成されており、先端部側の側面には複数の第2ガス排出口36を有している。これらの第2ガス排出口36は、ガス流出室28の側面に均等間隔で複数形成されている。均等間隔で複数形成されているとは、例えば、幅方向の断面から見た場合、90°の角度で4個、60°の角度で6個、45°の角度で8個をいうもので、均等間隔であれば奇数個であっても良い。
【0059】
このように第2ガス排出口36を均等間隔で複数個配置することにより、インフレータを運搬乃至保管する際、火事等によりインフレータが作動し、加圧ガスが第2ガス排出口36から噴出された場合であっても、インフレータがロケットのように飛び出す事態が防止される。
【0060】
ガス流出室28内には、第2ガス排出口36を内側から覆うようにして、金網等からなるスクリーン35が配置されている。このスクリーン35は、破裂板29の破壊片がエアバッグ50に流入することを防止するためのものである。
【0061】
インフレータ10では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図1のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ10全体を小型化することができる。
【0062】
ガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28は、ガス排出経路を形成するものであり、インフレータハウジング12内の加圧ガスは、ガス導入室22、点火器収容室26をこの順序で通って、ガス排出口30から排出されてガス流出室28内に流入する。その後、スクリーン35を経て、第2ガス排出口36から排出され、第2ガス排出口36を覆うように取り付けられたエアバッグ50を膨張展開させる。
【0063】
(2)実施形態2
図2により、他実施形態を説明する。図2は、インフレータ100の軸方向への部分断面図である。図2で示すインフレータ100は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図2中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0064】
ガス導入室22内には、ガス導入室22の内部形状と同一の外部形状を有する有底円筒状のカップ40が、カップ40の閉塞端面がガス導入室22の閉塞端面に当接され、その開口部41がインフレータハウジング12方向になるように挿入されている。カップ40は、開口部周縁に設けられたフランジ42において第1ハウジング51に溶接固定されている。
【0065】
カップ40の内部には、加圧ガスが流入されているため、カップ40の側面のうち円形開口部27に対応する箇所が椀状に膨張変形して、点火器収容室26とガス導入室22を連通するガス排出経路(円形開口部27)を閉塞する破裂板29を形成している。
【0066】
インフレータ100では、カップ40側面が破裂板29を形成しているので、平板のものを溶接固定する場合に比べて、破裂板の取付作業が容易となる。特にガス導入室22の内部形状とカップ40の形状が同一であり、カップ40は加圧ガスで押圧された状態であるため移動しにくく、更に一体成形されたカップ40側面の一部が破裂板29を形成するため、平板状(例えば、円板)の破裂板を用いるよりも加圧ガスのシールが確実となり、固定作業も容易となる。
【0067】
インフレータ100では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図2のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ100全体を小型化することができる。
【0068】
インフレータ100では、点火器24の作動部と、破裂板29(カップ40の側面)の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0069】
(3)実施形態3
図3により、他実施形態を説明する。図3は、インフレータ200の軸方向への部分断面図である。図3で示すインフレータ200は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図3中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0070】
ガス導入室22は、インフレータハウジング12の中心軸と直交する方向に形成された筒状空間であり、開口部23において内部空間14と連通されているので、加圧ガスはガス導入室22内にも流入している。
【0071】
点火器収容室26は、インフレータハウジング12の軸方向と直交する方向に形成されており、点火器24の取付前は、点火器24を挿入するための開口部を有している。
【0072】
ガス導入室22と点火器収容室26間のガス排出経路には、円形開口部27を有する段差部25が設けられており、この段差部25のガス導入室22側には、円板状の破裂板29が溶接固定されている。破裂板29は、取付前は円板状であるが、図示するように、取付後は加圧ガスの圧力を受けて、点火器収容室26側に突き出た椀状に変形している。この突き出た部分の頂点が破裂板29の中心部となっており、インフレータ200の作動時には、この中心部を含む部分が破壊されて、閉塞されたガス排出経路が開放される。
【0073】
破裂板29は、ガス導入室22の開口部23から挿入され、その周縁部が段差部25に溶接固定されている。この破裂板29により、円形開口部27は閉塞されているため、インフレータ200の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。
【0074】
インフレータ200では、ガス導入室22と点火器収容室26が同一方向に接続されているため、破裂板29はガス導入室22の開口部23から挿入固定できるので、組立作業が容易となる。更に、このようにガス導入室側22から破裂板29を固定することにより、加圧ガスの圧力に対し、溶接固定された破裂板29の周縁部が対抗するため、加圧ガスの圧力により、破裂板29の固着強度が低下して破裂板29が剥がれるようなことがない。
【0075】
インフレータ200では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図3のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ200全体を小型化することができる。
【0076】
インフレータ200では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0077】
(4)実施形態4
図4及び図5により、他実施形態を説明する。図4は、インフレータ300の軸方向への部分断面図、図5は、図4で用いたリテーナの縦断面図である。図4で示すインフレータ300は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図4中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0078】
点火器収容室26内には、点火器24を保持するための略筒状のリテーナ60が挿入固定されている。リテーナ60は、両端に開口部61、62を有し、ガス排出経路となる複数のガス通過孔63を有するものである。
【0079】
破裂板29は、リテーナ60を点火器収容室26内に挿入する前の段階で、リテーナ60の開口部62側の開口周縁部64に外側から溶接固定され、リテーナ60を点火器収容室26内に挿入したとき、破裂板29の周縁部は段差部25に圧接されている。
【0080】
このようにリテーナ60を点火器収容室26内に挿入する前の段階で破裂板29を溶接固定できるため、上記した各インフレータと比べても、溶接固定作業が容易となるほか、組立作業も容易となる。更に、破裂板29の周縁部は、溶接固定された上に、リテーナ60の開口部周縁64と段差部25により挟み付けられた状態で段差部25と溶接されており、加圧ガスの圧力に対する対抗力が特に大きく、加圧ガスの圧力により、破裂板29の固着強度が低下して破裂板29が剥がれるようなことがない。
【0081】
破裂板29が固定された状態で、図4に示すように点火器収容室26内に挿入されたリテーナ60は、抵抗溶接によって、段差部25と開口部周縁64(及び破裂板29の周縁部)と溶接固定されている。
【0082】
ガス導入室22と点火器収容室26とを連通する円形開口部27は、破裂板29により閉塞されているため、インフレータ300の作動前には、ガス導入室22から点火器収容室26への加圧ガスの移動は阻止される。更に、点火器収容室26の内壁面とリテーナ60とは密着固定されているので、作動時において、加圧ガスが点火器収容室26からインフレータ300外に漏れることはない。
【0083】
インフレータ300では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図4のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ300全体を小型化することができる。
【0084】
インフレータ300では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0085】
(5)実施形態5
図6及び図7により、他実施形態を説明する。図6は、インフレータ400の軸方向への部分断面図、図7は、図6で用いた環状固定具の断面図である。図6で示すインフレータ400は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図6中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0086】
環状固定具70は、環状部71、中央孔72とを有するもので、一面側には、破裂板周縁部を溶接するための内環状突起部73、環状固定具70を溶接固定するための外環状突起部74とを有している。
【0087】
破裂板29は、環状固定具70の一面側から、内環状突起部73において溶接固定されている。破裂板29は、取付前は円板状であり、点火器収容室26へ取付後は、加圧ガスの圧力を受けて2点鎖線で示したように膨張変形する。
【0088】
破裂板29が溶接固定された環状固定具70は、点火器収容室26のインフレータ外部と連通する開口部から挿入され、段差部25において、外環状突起部74の部分で溶接固定されている。このとき、環状固定具70の破裂板29が取付られた側をガス導入室22側へ向けて取り付けると、加圧ガスの圧力で破裂板29が剥がれにくくなるので好ましい。
【0089】
このように薄い破裂板29の溶接をインフレータへの取付前に行い、厚い環状固定具70の溶接をディフュザー部への挿入後に行うことにより、ディフュザー部への挿入後に破裂板を溶接する場合に比べて、溶接作業が容易となる。
【0090】
インフレータ400では、インフレータハウジング12と、ディフュザー部20を形成するガス導入室22、点火器収容室26及びガス流出室28とを図4のように配置することにより、インフレータハウジング12とディフュザー部20(特にガス流出室28)との中心軸は一致しないものの、2つの中心軸の間隔が短くなるので、インフレータ400全体を小型化することができる。
【0091】
インフレータ400では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0092】
(6)実施形態6
図8により、他実施形態を説明する。図8は、インフレータ500の軸方向への部分断面図である。図8で示すインフレータ500は、図1で示すインフレータ10とほぼ同一構造のものであり、図8中、図1と同じ番号は同じものを示す。以下、図1との構造の相違と、構造の相違による作用効果の相違等を中心に説明する。
【0093】
インフレータ500における破裂板29の取付状態は、図3に示すインフレータ200と同様であるが、ガス導入室22の構造の相違に伴い、インフレータ200とは取付手順が異なる。
【0094】
図8では、ガス導入室22は、開口部23において内部空間14とのみ連通しているが、破裂板29の取付前においては、蓋部80が装着されずに開口されているので、インフレータ外部と連通されている。
【0095】
破裂板29は、ガス導入室22のインフレータ外部と連通された開口部から挿入し、図3に示すインフレータ200と同様にして、段差部25において溶接固定されている。その後、蓋部80により開口部を閉塞した後、第1ハウジング51と蓋部80とが溶接され、ガス導入室22内は気密に保持されている。
【0096】
このような構造にすることで、図3のインフレータ200と比べた場合、インフレータハウジング12の中心軸とガス流出室28の中心軸の間隔をより短くすることができるので、インフレータ全体を小型化することができる。
【0097】
インフレータ500では、点火器24の作動部と、破裂板29の中心部(突き出た部分の頂点)とが正対しているため、点火器24の作動時には衝撃波、火炎及びガスが破裂板29の中心部に集中して作用するため、破裂板29の破壊性が非常に高い。
【0098】
本発明のインフレータを用いたエアバッグシステムは、図1〜図4に示すインフレータを用い、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に図1〜図4に示すインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケース等と組み合わせたシステムとして設置される。
【0099】
本発明のインフレータは、運転席のエアバッグ用インフレータ、助手席のエアバッグ用インフレータ、サイドエアバッグ用インフレータ、カーテン用インフレータ、ニーボルスター用インフレータ、インフレータブルシートベルト用インフレータ、チューブラーシステム用インフレータ、プリテンショナー用インフレータ等の各種インフレータに適用できる。
【0100】
【発明の効果】
本発明のインフレータによれば、インフレータ組立作業、エアバッグシステムの組立作業、エアバッグシステムの車両への取付作業が容易となる。更に、インフレータ自体を小型化することができ、インフレータ作動時には、破裂板の破壊性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インフレータの一実施形態の軸方向への断面図。
【図2】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図3】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図4】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図5】図4で用いたリテーナの縦断面図。
【図6】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【図7】図6で用いた破裂板固定具に取り付けた破裂板の断面図。
【図8】インフレータの他実施形態の軸方向への断面図。
【符号の説明】
10、100、200、300、400、500 インフレータ
12 インフレータハウジング
20 ディフュザー部
22 ガス導入室
24 点火器
26 点火器収容室
28 ガス流出路
29 破裂板
30 ガス排出口
Claims (12)
- 一端が閉塞され、他端が開口された筒状のインフレータハウジングと、インフレータハウジングの開口部に接続された、ガス排出口を有するディフュザー部とを有しており、
インフレータハウジング内には加圧ガスが充填され、
ディフュザー部内には、ガス排出口に至るガス排出経路を閉塞しており、作動時には中心部を含む部分が破壊されてガス排出経路を開放する平板状の破裂板が設けられ、
更にディフュザー部内には、前記破裂板を破壊するための点火器が、インフレータハウジングの軸方向と直交し、かつ点火器の作動部が前記破裂板の中心部に対向する位置になるように設けられているインフレータ。 - 破裂板と点火器が、破裂板の中心軸と点火器の作動部の中心軸が一致するように配置されている請求項1記載のインフレータ。
- ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、点火器収容室の開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路の点火器収容室側に取付られたものである請求項1又は2記載のインフレータ。 - ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
ガス導入室内には、有底円筒状のカップが、その開口部がインフレータハウジング方向になるように挿入され、前記カップの側面が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路を閉塞する破裂板を形成している請求項1又は2記載のインフレータ。 - ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室側から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものである請求項1又は2記載のインフレータ。 - ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
点火器収容室内には、点火器を保持するための略筒状のリテーナが挿入固定され、
破裂板が、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に位置する、リテーナの一端側開口部の外側から取付られたものである請求項1又は2記載のインフレータ。 - ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、環状固定具の一面側に固定され、更に環状固定具が、前記一面側をガス導入室側に向けて点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路に固定されたものである請求項1又は2記載のインフレータ。 - ディフュザー部が、インフレータハウジング内の加圧ガスを導入するガス導入室と、点火器を収容する点火器収容室と、ガス排出口とを有し、各室がガス排出経路を形成し、作動時にはインフレータハウジング内の加圧ガスをガス排出口から噴出させるものであり、
ガス導入室がインフレータハウジングの軸方向に形成された空間で、インフレータハウジングと連通する開口部と、破裂板の取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、点火器収容室がインフレータハウジングの軸方向と直交する方向に形成された空間で、点火器取付前はインフレータ外部と連通する開口部を有するものであり、
破裂板が、ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部から挿入され、点火器収容室とガス導入室を連通するガス排出経路のガス導入室側に取付られたものであり、前記ガス導入室のインフレータ外部と連通する開口部が蓋部により閉塞されたものである請求項1又は2記載のインフレータ。 - 点火器には、コネクターを介して点火器に作動信号を送るリードワイヤが接続されており、リードワイヤの延びる方向が、エアバッグの取付方向とは異なり、かつインフレータハウジングの軸方向である請求項1〜8のいずれか1記載のインフレータ。
- 一端が開口し、他端が閉塞された筒状ハウジングからなり、閉塞面近傍に第2ガス排出口を有するガス流出室を備えており、前記ガス流出室が、筒状ハウジングの開口部においてガス排出口に接続され、かつインフレータハウジングの軸方向に形成されている請求項1〜9のいずれか1記載のインフレータ。
- 第2ガス排出口が、ガス流出路の側面に均等間隔で複数形成されている請求項10記載のインフレータ。
- 衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜11のいずれか1記載のインフレータとエアバックが収容されたモジュールケースとを備えたエアバックシステム。
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