JP2006081427A - 菌検出方法および菌計数装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】菌を含有するか含有する可能性のある検体から蛍光試薬を用いて菌を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較してより正確に菌の検出を行うことができる方法および菌計数装置を提供すること。
【解決手段】菌体内に蛍光試薬を取り込ませ、菌体周囲のpH値を変化させることにより蛍光発光強度が変化した光点を菌由来の光点と判断することを特徴とする菌検出方法で、pH値変化は多孔性ろ過膜13上に捕捉した菌体の周囲で水電気分解、あるいはCaged化合物を利用して起こさせることことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、菌を含有するか含有する可能性のある検体から蛍光試薬を用いて菌を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較してより正確に菌の検出を行うことができる方法および菌計数装置に関する。
蛍光試薬を用いて菌を検出する方法として蛍光性酵素基質であるフルオレセイン系蛍光試薬が菌を検出するための試薬として有用であることは、当業者によく知られている事実である。フルオレセイン系蛍光試薬が菌に細胞膜を透過して取り込まれると、細胞質内のエステラーゼなどの酵素により加水分解されてフルオレセイン骨格を有する蛍光物質(5−カルボキシフルオレセインなど)に変換されて発光機能が発現する。従って、多孔性ろ過膜上に捕捉した菌にフルオレセイン系蛍光試薬を接触させてから、または、フルオレセイン系蛍光試薬を接触させた菌を多孔性ろ過膜上に捕捉してから、フィルタ上に励起光を照射することで生じる光点を生菌と判定する方法が古くから知られている。
しかしながら、上記の方法では菌を正確に検出することができないという問題がある。なぜならば、菌に取り込まれた試薬から生成した蛍光物質の蛍光波長と類似した蛍光波長を有する自家蛍光物質が自然界には多く存在するので、このような自家蛍光物質がフィルタ上に存在すると、励起光を照射することで生じる光点が、いずれの物質由来のものであるのか区別をつけがたい側面を有するからである。
そこで、下記の特許文献1において、フィルタ上に励起光を照射することで生じる光点の蛍光画像を記録した後、染色された媒体に光照射して光退色を誘発せしめてから再び蛍光画像を記録し、光照射前後の蛍光画像の差画像として現れた光点を菌と判断する方法が提案されている。この方法は、菌に取り込まれた試薬から生成した蛍光物質に強力な励起エネルギーを有する励起光を照射することによる蛍光の減弱、即ち、光退色という現象を利用し、フィルタ上の自家蛍光物質の存在による菌の検出精度への影響を排除しようとするものである。
特開平10−215894号公報
しかしながら、上記の特許文献1において提案されている方法によっても、必ずしも満足できる成果を得ることができるわけではない。なぜならば、特許文献1の段落番号0018にも記載の通り、光退色は菌に取り込まれた試薬から生成した蛍光物質のみに起こる現象ではなく、岩石等も光退色するので、岩石等が夾雑物としてフィルタ上に存在すると、菌の検出精度に影響を及ぼすことになるからである。そこで本発明は、菌を含有するか含有する可能性のある検体から蛍光試薬を用いて菌を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較してより正確に菌の検出を行うことができる方法および菌計数装置を提供することを目的とする。
本発明の菌検出法は上記目的を達成するために、菌体内に蛍光試薬を取り込ませ、菌体周囲pH値を変化させることにより蛍光発光強度が変化した光点を菌由来の光点と判断するとしたものである。この手段により周囲pH値を変化させると蛍光発光強度が大きく変化する菌体と、あまり蛍光発光強度変化を起こさない岩石等夾雑物の自家蛍光物質と蛍光発光強度変化量で区分することが可能となる。
本発明によれば検体溶液中に含まれる菌体と岩石等夾雑物の自家蛍光物質との中から、正確に菌体の光点のみを選択することができる菌検出法、菌計数装置を提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明は菌体内に蛍光試薬を取り込ませ、菌体周囲pH値を変化させることにより蛍光発光強度が変化した光点を菌由来の光点と判断する菌検出方法であり輝度変化量の把握のみで正確に菌由来の光点を選別できるという作用を有する。また菌体周囲pH値変化を水溶液の電気分解によって発生させるとしたものであり、あるいは、菌体周囲pH値変化をCaged化合物水溶液に光を当てることで発生させるとしたものであり、菌体周囲pH値の変化発生のタイミングを制御できるという作用を有する。ここで菌体周囲とは、菌体細胞膜表面と菌体近傍多孔性ろ過膜面を示す。また、多孔性ろ過膜平面状に物質を分布、固定させて菌体等の周囲でpH値変化を起こさせることで一個一個の物体の蛍光輝度の対比ができるという作用を有する。また、多孔性ろ過膜の一定面積に予め定められた波長域で励起光を照射する光源と、前記励起光によって発光する予め定められた波長域の光を受光する受光手段と、多孔性ろ過膜に前記光源によって励起光が照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し撮影する手段と、多孔性ろ過膜上の菌周囲にpH値変化を起させる手段と、撮影した画像中の光点を抽出し菌周囲のpH値変化前後の輝度を比較し輝度が設定した以上に変化したときに菌と判定する菌判定手段と、前記一定面積を連続または断続的に移動させる移動手段と、菌判定手段から菌と判定された信号から菌の数量を積算する積算手段を有することにより、簡便に正確に一個一個の物体の蛍光輝度の対比をして菌の計数が自動で行えるという作用を有する。また、多孔性ろ過膜上の菌周囲にpH値変化を起こさせる水電気分解回路を備えること、あるいは多孔性ろ過膜上の菌周囲にCaged化合物を利用してpH値変化を起こさせる紫外光照射手段を備えることで一連の計測作業を菌計数装置内で自動で行え簡便さを高めるという作用を有する。また、多孔性ろ過膜を水電気分解用イオン交換フィルタとすること、あるいは多孔性ろ過膜表面に金属膜を形成し水電気分解用の1電極とすること、あるいは多孔性ろ過膜顕微鏡観察固定台を金属で形成し、水電気分解用の1電極とすること、あるいは多孔性ろ過膜を電気絶縁性を有する外縁構造体枠で全周保持すること、あるいは多孔性ろ過膜表面に水分を維持する機能を有することにより、極めて簡素な構造にて多孔性ろ過膜上に捕捉した菌体周囲で水電気分解によるpH値変化を起こすことができるという作用を有する。
本発明において用いることができる蛍光試薬としては、5−カルボキシフルオレセインジアセテートアセトキシメチルエステル、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテート、2',7'−ビス−(2−カルボキシエチル)−5−(6−)カルボキシフルオレセインアセトキシメチルエステル、5−(6−)スルホフルオレセインジアセテート、フルオレセインジアセテート、5−クロロメチルフルオレセインジアセテート、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテートスクシニミジルエステル、フルオレセイン−5−カルボニルアジドジアセテートなどの公知の試薬が挙げられる。これらの試薬は、菌に細胞膜を透過して取り込まれると、細胞質内のエステラーゼなどの酵素により加水分解されてフルオレセイン骨格を有する蛍光物質であるカルボキシフルオレセイン系化合物に変換されて発光機能が発現する。一般に蛍光性を示す蛍光物質は溶液中にあるとき、溶液のpH値により蛍光強度、蛍光波長が変化を示す。カルボキシフルオレセイン系化合物は特に溶液pH値の影響を強く受け、強酸、強アルカリの領域では蛍光強度が著しく低下することが知られており、この性質差異を積極的に利用するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、菌検出方法の流れを説明する。多孔性ろ過膜上に捕捉した菌に蛍光試薬を接触させるか、または、蛍光試薬を接触させた菌を多孔性ろ過膜上に捕捉する。この操作は自体公知の方法に準じて行えばよい。本発明において菌を含有するか含有する可能性のある検体は液状検体であるが、検査対象が飲料水などの液状サンプルの場合は、それ自体が液状検体となる。検査対象が野菜や肉をはじめとする食材などの固体サンプルの場合は、それをホモジナイズして液状検体としたり、その表面から綿棒などを用いて菌を採取し、これを生理食塩水などに遊離させて液状検体としたりする。また、まな板などの調理器具などが検査対象となる場合、その表面から綿棒などを用いて菌を採取し、これを生理食塩水などに遊離させて液状検体とする。こうした液状検体を多孔性ろ過膜で吸引ろ過することでフィルタ上に菌を捕捉してから蛍光試薬をフィルタの上方から滴下するか、または、液状検体に蛍光試薬を混合した後、液状検体を多孔性ろ過膜で吸引ろ過することで、フィルタ上に染色された菌を捕捉する。具体的には終濃度50μMとなる5−(6−)カルボシキフルオレセインジアセテートにて10分間程度染色を行う。
なお、多孔性ろ過膜としては、例えば、孔径が0.1μm〜1μmの公知のものを用いることができる。また、多孔性ろ過膜上に捕捉した菌を含む物質表面には液体を吸引ろ過した後でも、残水溶液分が物質表面上にぬれという形で残るように吸引ろ過圧力、ろ過時間を制御する。この残水溶液分を利用して水電気分解、あるいはCaged化合物を利用して菌体周囲のpH変化を起こすことを企てる。一回目の撮影測定中に乾燥し残水溶液分不足となり、後に行うpH変化が不十分となってしまわないように蛍光試薬には30%w/vのグリセロールを混合させておく。あるいは染色した菌が捕捉される多孔性ろ過膜の上に30%w/vのグリセロール水溶液を滴下して多孔性ろ過膜全体を覆うように濡らし後、吸引ろ過して除去することで乾燥防止を図る。
蛍光試薬接触後、菌細胞内に浸透した蛍光試薬が細胞内エステラーゼ酵素により加水分解し蛍光性を有すことができる時間を空け、フィルタ上に励起光を照射することで生じる光点を検出する。この操作は、例えば、カルボキシフルオレセイン系化合物は、波長が495nm付近の励起光を照射した場合、波長が524nm付近の蛍光を発するので、当該蛍光をCCDカメラを用いて露光時間1秒から10秒程度の露光時間で画像撮影することにより行えばよい。一回の撮影は画像の空間必要分解能より多孔性ろ過膜表面1mm角程度が上限となる微小な面積である。これを一回目の画像という。次に多孔性ろ過膜上の菌周囲にpH値変化を起させる。詳細説明は図を元に後述する。菌周囲の溶液をpH値3以下、あるいはpH値12以上に変化させ菌体内の蛍光物質の蛍光性を減弱させた後、一回目の撮影と同一場所の多孔性ろ過膜上面に励起光を照射し一回目の撮影露光時間と同一の時間で画像撮影する。これを二回目の画像という。一回目と二回目の画像で光点の定点比較をすることで光点の輝度変化を調べる。その結果、画像中のある光点において一回目の画像における輝度に比較して二回目の画像における輝度が設定した値以上に減少した光点は菌由来のものと定義できる。
次に図をもとに上記菌検出方法を実施する上での菌計数装置、微生物採取用フィルタについて説明する。図1は、本発明の菌検出方法を好適に実施するための菌計数装置の一態様を示す概念図で水電気分解を利用してpH変化を起こす方式の例である。この菌計数装置1は、光源2、光源集光手段としてのレンズ3受光部4を含む。光源2から発せられた励起光から目的の波長を取り出すために励起光分光フィルタ5で分光する。分光された励起光はダイクロイックミラー6を経て、光路を変化させられる。光路を変化させられた励起光はレンズ3を経て検査台7にセットされた微生物採取用フィルタ8(別途の操作によりフィルタ上に染色された菌を捕捉してあるもの、構成詳細は後述する)上に集光される。光源2から発せられた励起光は、レンズ3によって集光されるが、その際、レンズ3によって励起光を照射する範囲は微小な一定面積に集光される。ここで、微小な一定面積とは、菌の大きさに基づいて設定した場合、直径1mm程度の範囲を指し示す。励起光を照射する範囲は、フィルタ上の全域にわたって図略のステッピングモータなどを駆動源とする移動手段により連続的にまたは断続的に水平XY軸方向に移動させられる。励起光により励起された菌が発する蛍光は、再びダイクロイックミラー6を透過する。その際、蛍光はダイクロイックミラー6をそのまま透過し、受光部4に到達する。一定の時間内に受光部4に到達した蛍光は、目的の蛍光のみを取り出すために蛍光分光フィルタ9を経て、受光部4に内蔵された光電変換素子10に到達し、信号化され、認識されて画像にされる。画像は菌判定手段11に送られ一回目の画像と二回目の画像の同一点同一物体における輝度を比較し、菌判定、菌数積算の処理を行う。具体的には、まずすべての画像において画像に映る物体の抽出処理、画像データの2値化処理を行う。次に一回目の画像に映る物体にて、その物体の輝度値、画像中に占める大きさより、菌体映像点と仮定される物体を選別し最大輝度値を求める。次に2回目の画像にてその選別物体と同一の座標位置にある物体の最大輝度値、あるいは同一の座標の輝度値を求め、一回目の物体の輝度値と比較する。輝度変化量判定値と照らし合わせ、変化量の多い画像中の物体を菌と判定し、変化量の少ない物体を菌以外と判定する。このように1箇所の画像中で菌と判定された物体の数を積算手段12で積算し、同様に他の画像についても積算処理をした上で微生物採取用フィルタ全体にあたる菌数を積算して、検体中の菌数を求める。以上は菌判定手段、積算手段の概要であるが菌判定手段11、積算手段12は菌計数装置内に備えられるか、あるいは外部パーソナルコンピュータ等に備えられるか、どちらでもよい。また、菌計数装置1内の検査台7部分には微生物採取用フィルタ8を載せ顕微鏡観察の平面基準となる観察固定台16と微生物採取用フィルタ8を上から押えるフィルタ押さえ17が備えてある。多孔性ろ過膜上に捕捉した菌を含む物質表面に残存する水溶液、あるいは多孔性ろ過膜表裏に残存する水溶液を用いて水電気分解を実行させこれらの水溶液のpH値を変化させる水電気分解電源制御部22を備える。
図2は本発明の菌検出方法を好適に実施するための微生物採取用フィルタ8の一態様を示す斜視図とその断面図である。図の微生物採取用フィルタ8は多孔性ろ過膜面でのpH変化を水電気分解の方式で行う場合に用いるものである。Caged化合物を用いたpH変化方式の場合には、本図で説明する微生物採取用フィルタ8は必須のものではない。多孔性ろ過膜13は一例として材質ポリカーボネート、孔径が0.1μm〜1μmのいわゆるメンブレンフィルタという公知のものを用いる。この多孔性ろ過膜13の菌を補足する面(以降表面と称す)には導電性を有する金属、例えば金にて蒸着膜を形成してある。膜厚は数10オングストロームで充分である。また菌を補足する面とは反対の面(以降裏面と称す)にも導電性を有する金属にて蒸着膜を形成しても差し支えない。この導電性金属膜は水電気分解用の電極として用いる。この多孔性ろ過膜13を材質アクリル樹脂等絶縁性を有するリング状構造の外縁構造体14で挟み込み接合してある。外縁構造体14には溶液ろ過をする面と電極接点窓15を備える。それぞれの大きさはろ過量、電極形状により決定されるが、一例として溶液ろ過面直径13mm、電極接点窓15直径3mmが適切である。電極接点窓15から多孔性ろ過膜13表面の金属蒸着膜面に電極を接触させることができる。
図3(a)は微生物採取用フィルタ8を菌計数装置1内検査台7の観察固定台16に載せ、フィルタ押さえ17で固定した姿の横断面詳細図である。多孔性ろ過膜13表面の金属蒸着膜にはフィルタ押さえ17に備えられた電極接点18が電極接点窓15を通じて接触している。そして電源プラス極へと電気接続されている。また、多孔性ろ過膜13裏面は観察固定台16と接触している。観察固定台16の材質は金属等の導電性を示すもので形成され電源マイナス極へと接続されている。図3(b)は多孔性ろ過膜13部分を拡大したものである。多孔性ろ過膜13表面には金属蒸着膜19があり、また菌体20が載っており厚み数ミクロンという薄い水分21の膜が形成されている。また、多孔性ろ過膜13裏面は観察固定台16に接触し厚み数ミクロンという薄い水分21の膜が菌体周囲に形成されている。多孔性ろ過膜13には孔径が0.1μm〜1μmの無数の穴があり、膜表裏とを結んでおり、膜表裏は水分でつながった状態である。この状態に1.5V程度の直流電圧を1秒程度通電すると、多孔性ろ過膜13を挟んだ水分の電気分解が起きる。電気分解により発生したイオンは多孔性ろ過膜13の穴を経由して移動することができ、膜表裏でイオン状態を変更することが可能となる。プラス電極が接続された多孔性ろ過膜13の表面は酸性、裏面はアルカリ性へと変化させることができる。
電源電圧を1.5Vより高くすると、一気に電気分解が進行し気泡発生が顕著となり菌体周囲のpH値を維持することができなくなるため、印加する電圧値と時間は適切に選ぶ必要がある。また、水電気分解電源の電極プラスマイナスを逆に接続して水電気分解を行い多孔性ろ過膜13の表裏のpHを逆にしてもなんらさしつかえなく目的は達せられる。
次に図4は本発明の菌検出方法を好適に実施するための菌計数装置の一態様を示す概念図でCaged化合物を利用してpH変化を起こす方式の例である。前述した図1の多孔性ろ過膜面でのpH変化を水電気分解で発生させる方式と比較して異なるのは水電気分解電源制御部22や図3の電極接点18を有する代わりに紫外線照射部23を備える点である。また、図2で示す微生物採取用フィルタ8は多孔性ろ過膜のみで構成されていても差し支えない。
ではCaged化合物を利用した菌検出法を説明する。多孔性ろ過膜上に捕捉した菌に蛍光試薬を接触させるか、または、蛍光試薬を接触させた菌を多孔性ろ過膜上に捕捉する。具体的には終濃度50μMとなる蛍光試薬5−(6−)カルボシキフルオレセインジアセテートにて10分間程度染色を行う。蛍光試薬に30%w/vのグリセロールを混合させておき染色して乾燥防止を図るか、染色した菌が捕捉される多孔性ろ過膜の上に30%w/vのグリセロール水溶液を滴下して多孔性ろ過膜全体を覆うように濡らし後、吸引ろ過して除去することで多孔性ろ過膜上表面の乾燥が防止ができる。また、Caged化合物、具体的にはCagedproton終濃度100μMを蛍光試薬水溶液か、またはグリセロール水溶液を混合させておき、いずれかの作業により、多孔性ろ過膜上に捕捉した菌体周囲の残水溶液分にCaged化合物を含ませることが可能である。Caged化合物であるCagedprotonは波長360nm、出力数百mWの紫外光を数十秒照射されることで反応し、多孔性ろ過膜上に捕捉した菌体周囲の残水溶液分pH値を急激に下げることが出来るものである。したがって蛍光試薬接触10分程度後に、フィルタ上に波長が495nm付近の励起光を照射し、波長が524nm付近の蛍光を発するので当該蛍光をCCDカメラを用いて露光時間1秒から10秒程度の露光時間で一回目画像撮影を行う。その後菌計数装置1の検査台7をステッピングモータ等(図示せず)により水平方向に動かし、紫外線照射部23の下へ微生物採取用フィルタ8を移動させる。紫外線照射部23の光源は複数本の紫外LED(図示せず)で構成することができる。紫外線照射部23を点灯させ波長360nmの紫外光を多孔性ろ過膜全面に当てるとCaged化合物が反応し菌体周囲の残水溶液中のpH値に急激な変化がおきる。次に紫外線照射部23を消灯し検査台7を動かし微生物採取用フィルタ8をレンズ3の下へ移動させる。その後一回目の撮影と同一場所の多孔性ろ過膜上面に励起光を照射し一回目の撮影露光時間と同一の時間で画像撮影する。これを二回目の画像という。前述するように一回目と二回目の画像で光点の定点比較をして光点の輝度変化を調べればよい菌由来の光点が判定できる。
このような手段にて夾雑物を含む検体から菌由来の光点を正確に識別が可能となり、様々な検体の正確な菌数計測が可能となる。
本発明は、菌を含有するか含有する可能性のある検体から蛍光試薬を用いて菌を検出する方法であって、従来から知られている方法と比較してより正確に菌の検出を行うことができる方法および菌計数装置を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
本発明の菌計数装置の概略図 本発明の微生物採取用フィルタの斜視図とその断面図 図2の詳細断面図 本発明の別な形態の菌計数装置の概略図
符号の説明
1 菌計数装置
2 光源
3 レンズ
4 受光部
5 励起光分光フィルタ
6 ダイクロイックミラー
7 検査台
8 微生物採取用フィルタ
9 蛍光分光フィルタ
10 光電変換素子
11 菌判定手段
12 積算手段
13 多孔性ろ過膜
14 外縁構造体
15 電極接点窓
16 観察固定台
17 フィルタ押さえ
18 電極接点
19 金属蒸着膜
20 菌体
21 水分
22 水電気分解電源制御部
23 紫外線照射部

Claims (16)

  1. 菌体内に蛍光試薬を取り込ませ、菌体周囲のpH値を変化させることにより、蛍光発光強度が変化した光点を菌由来の光点と判断することを特徴とする菌検出方法。
  2. 菌体周囲のpH値変化を水溶液の電気分解によって発生させる請求項1記載の菌検出方法。
  3. 菌体周囲のpH値変化をCaged化合物水溶液に光を当てることで発生させる請求項1記載の菌検出方法。
  4. 菌体内に取り込ませる蛍光試薬の蛍光物質がカルボキシフルオレセイン系化合物であることを特徴とする請求項1記載の菌検出方法。
  5. フルオレセイン系蛍光試薬が5−カルボキシフルオレセインジアセテートアセトキシメチルエステル、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテート、2',7'−ビス−(2−カルボキシエチル)−5−(6−)カルボキシフルオレセインアセトキシメチルエステル、5−(6−)スルホフルオレセインジアセテート、フルオレセインジアセテート、5−クロロメチルフルオレセインジアセテート、5−(6−)カルボキシフルオレセインジアセテートスクシニミジルエステル、フルオレセイン−5−カルボニルアジドジアセテートから選ばれることを特徴とする請求項1または4記載の菌検出方法。
  6. Caged化合物がCagedproton,Cagedprotondimethoxyから選ばれることを特徴とする請求項3記載の菌検出方法。
  7. 多孔性ろ過膜上に捕捉した菌体周囲でpH値変化を起こさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の菌検出方法。
  8. 多孔性ろ過膜の一定面積に予め定められた波長域で励起光を照射する光源と、前記励起光によって発光する予め定められた波長域の光を受光する受光手段と、多孔性ろ過膜に前記光源によって励起光が照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し撮影する手段と、多孔性ろ過膜上の菌周囲にpH値変化を起させる手段と、撮影した画像中の光点を抽出し菌周囲のpH値変化前後の輝度を比較し輝度が設定した以上に変化したときに菌と判断する菌判定手段と、前記一定面積を連続または断続的に移動させる移動手段と、菌判定手段から菌と判定された信号から菌の数量を積算する積算手段を有することを特徴とする菌計数装置。
  9. 多孔性ろ過膜上の菌周囲にpH値変化を起こさせる水電気分解回路を備えることを特徴とする請求項8記載の菌計数装置。
  10. 多孔性ろ過膜上の菌周囲にCaged化合物を利用してpH値変化を起こさせる紫外光照射手段を備えることを特徴とする請求項8記載の菌計数装置。
  11. 多孔性ろ過膜を水電気分解用イオン交換フィルターとしたことを特徴とする請求項7記載の菌検出方法。
  12. 多孔性ろ過膜表面に金属膜を形成し水電気分解用の1電極とすることを特徴とする請求項7記載の菌検出方法。
  13. 多孔性ろ過膜顕微鏡観察固定台を金属で形成し、水電気分解用の1電極とすることを特徴とする請求項7記載の菌検出方法。
  14. 多孔性ろ過膜を電気絶縁性を有する外縁構造体枠で全周保持することを特徴とする請求項7記載の菌検出方法。
  15. 多孔性ろ過膜表面に水分を維持する機能を有することを特徴とする請求項7記載の菌検出方法。
  16. グリセロール溶液をろ過して多孔性ろ過膜を保湿することを特徴とする請求項15記載の菌検出方法。
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