JP2006081402A - ペット用の伸縮式リード装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
伸縮式のリード装置において、リードが長い状態で、その先端を犬の首輪から外して、操作手段を巻取リールが回転可能な状態に操作すると、ばねの付勢力により巻取リールが急速に回転してリードを巻き取るため、その先端に設けられていて、ある程度の重さの有る金属製の引掛金具が、リードと共に急速に器体側に移動してきて、操作者の手や顔等に当たって危険である。
【解決手段】
そこで本発明では、長尺紐状体６を巻き取り方向にばね８により付勢した巻取リール２を器体１に設けると共に、巻取リールの回転を不能とする操作手段１１を設けたリード装置に、巻取リールの回転により駆動する発電機１２を設け、この発電機で発電した電力を蓄える蓄電手段と、蓄電手段に接続された負荷手段を設けたペット用の伸縮式リード装置を提案する。
【選択図】 図２

Description

本発明は、犬等のペットを散歩させる際等に使用する伸縮式リード装置に関するものである。

家庭等で飼育されているペット、例えば犬を散歩させる際には、犬の首輪に紐状体、いわゆるリードを接続する。

このリードとしては、単なる紐状体の構成のものの他、例えば特許文献１，２に示されるように、長尺紐状体を巻き取り方向にばねにより付勢した巻取リールを器体に設けると共に、巻取リールの回転を不能とする操作手段を設けて伸縮式としたリード装置が従来から提案されている。

このような伸縮式のリード装置では、巻取リールが回転可能な状態に操作手段を操作している場合には、犬によってリードが引っ張られると、リードはばねの付勢力に抗して巻取リールから繰り出されて、その長さが長くなり、また犬との距離が短くなると、ばねの付勢力によってリードが巻取リールに巻き取られて長さが短くなり、このようにリードの長さを自在に調節することができる。

一方、巻取リールが回転不能な状態に操作手段を操作している場合には、リードを介して犬に引っ張り力を加えることができ、こうして散歩中等の犬を確実にコントロールすることができる。

このような伸縮式のリード装置において、リードが長い状態で、その先端を犬の首輪から外して、操作手段を巻取リールが回転可能な状態に操作すると、ばねの付勢力により巻取リールが急速に回転してリードを巻き取るため、その先端に設けられていて、ある程度の重さの有る金属製の引掛金具が、リードと共に急速に器体側に移動してきて、操作者の手や顔等に当たって危険である。

このような危険性をなくすために、特許文献３では、巻取リールに増速機構を介して重り車を連結した構成が提案されており、この構成では、重り車の質量が増速機構を介して倍加して巻取リールの回転負荷として働くので、比較的小さい重り車によって、ばねの付勢力による巻取リールの回転速度を抑制するというものである。
実公昭６２−４３９７４号公報 特開２００３−３１９７２９号公報 特開平４−３６０６３４号公報

巻取リールの回転に対する重り車の影響は、その慣性によって生じるため、巻取リールの回転に対する抵抗力は、回転数が上昇する際にのみ生じる。しかしながら重り車には巻取リールを介して常時ばねの付勢力が加わっているため、当然、重り車の回転数は次第に上がってくる。こうして重り車の回転数が上昇した状態においては、仮に、その回転数が維持されるものとすると、重り車による巻取リールの回転抑制効果は全くなくなる。

このように重り車では、巻取リールの回転数の上昇は、時間的には遅らせることができるが、その上昇自体を抑制することはできない。

重り車の質量を大きくすることにより、実質的に巻取リールの回転数の上昇を抑制することもできるが、この場合には、リード装置の重量が大きくなってしまい、使用感が悪くなる。
本発明はこのような課題を解決すると共に、リード装置に新たな付加価値を加えて、産業上の利用可能性を向上させることを目的とするものである。

上述した課題を解決するために本発明では、長尺紐状体を巻き取り方向にばねにより付勢した巻取リールを器体に設けると共に、巻取リールの回転を不能とする操作手段を設けたリード装置に、巻取リールの回転により駆動する発電機を設け、この発電機で発電した電力を蓄える蓄電手段と、蓄電手段に接続された負荷手段を設けたペット用の伸縮式リード装置を提案するものである。

また本発明では、上記構成において、発電機は交流発電機とし、蓄電手段との間に整流手段を設けた構成のペット用の伸縮式リード装置を提案する。

また本発明では、上記構成において、蓄電手段はコンデンサとしたり、又は二次電池とすることを提案する。

また本発明では、上記構成において、負荷手段は発光ダイオードとしたり、または発音装置とすることを提案する。

本発明においては、ばねの付勢力によって巻取リールが回転すると、その回転により発電機が駆動され、いわゆる発電制動の制動トルクが発生して、巻取リールの回転に対しての抵抗となる。この制動トルクは発電している際に、常時発生するため、巻取リールが、ある回転数よりも早く回転することを防止することができる。

制動トルクを得るために発電した電力は、蓄電手段に蓄えて、負荷手段において有効に利用することができる。

発電機を交流発電機とし、蓄電手段との間に整流手段を設けた構成とすれば、巻取リールの回転方向によらず、蓄電手段に電力を蓄電することができる。

次に本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
図１は図２のＢ−Ｂ線の個所の断面、図２は図１のＡ−Ａ線の個所の断面を模式的に示すものであり、これらの図において、符号１はリード装置の器体であり、この器体１は、例えば２分割の殻体１ａ，１ｂを結合して構成することができる。

符号２は器体１に設けた回転軸３の回りにベアリング４を介して回転可能に支持した巻取リールであり、この巻取リール２は中心側と外周側との間に仕切壁５を設けており、外周側には帯状の長尺紐状体６を巻き付けており、この長尺紐状体６は器体１に設けた連通口７を通して器体１の外側に繰り出す構成としている。

一方、巻取リール２の中心側には渦巻きばね、この場合、ゼンマイばね８を設置している。このゼンマイばね８の端部は、夫々巻取リール２と回転軸３に固定しており、図１に示すように、巻取リール２が反時計回りに回転する場合、即ち、長尺紐状体６が器体１の連通口７から繰り出される場合に、巻き付けられてエネルギーが蓄えられる構成としている。

一方、巻取リール２には円周上に、複数の、図においては８個の係合突起部９を形成しており、それらの係合突起部９間の凹部１０内に先端部を突出して係合突起部９と当接させる操作片１１を器体１に、上記凹部１０方向に進退可能に設けている。この操作片１１は、詳細の図示を省略しているが、前進させて先端部を凹部１０内に位置させた状態と、凹部１０内から後退させて先端部を係合突起部９と当接しない位置に至らせた状態の、いずれにおいても保持可能な保持機構及び操作機構を備えている。このような構成は、上述した特許文献１，２及び３等にも記載されているように周知であるので、図示は省略している。

以上の構成においてこの実施例では、図２に示すように、巻取リール２側に固定した回転子側要素１２ａと、器体１に固定した固定子側要素１２ｂとから成る発電機１２を設けており、更に後述するように、この発電機１２で発電した電力を蓄える蓄電手段１３と、蓄電手段１３に接続された負荷手段１４とを設けている。

この発電機１２の回転子側要素１２ａと固定子側要素１２ｂの構成は、適宜のものを適用することができる。

図３は発電機１２として、交流発電機を適用した実施例を示すもので、この場合には、発電機の１２の固定子側要素１２ｂと蓄電手段１３との間に、ブリッジ整流回路等の整流手段１５を設けている。

図３においては、負荷手段１４は発光ダイオードとして描いているが、この他、ブザー等の発音手段を負荷手段１４として構成しても良い。また蓄電手段１３は蓄電器として描いているが、その他、二次電池を蓄電手段１３として構成しても良い。

尚、図１においても符号１４は負荷手段１４としての発光ダイオードを示すものであり、また図１、図２において、符号１６は器体１を支持するための握り部を示すものである。

以上の構成において、操作手段としての操作片１１を図１の状態ではなく、先端部を凹部１０内から後退させて、巻取リール２が回転可能な状態に保持されている場合には、犬によって長尺紐状体６が引っ張られると、この長尺紐状体６はゼンマイばね８の付勢力に抗して巻取リール２から器体１の連通口７を経て繰り出されて、その長さが長くなる。この動作においては、ゼンマイばね８は次第に巻き付けられてエネルギーが蓄積して行く。

上記と逆に犬との距離が短くなると、ゼンマイばね８の付勢力によって長尺紐状体６が巻取リール２に巻き取られて長さが短くなり、このようにリードの長さを自在に調節することができる。

一方、操作手段としての操作片１１を図１の状態で示すように、先端部を凹部１０内に前進させて、その状態で保持すると、ゼンマイばね８の付勢力により巻取リール２が図中反時計回りに回転しようとしても、係合突起部９が操作片１１の先端部に当接するため、巻取リール２は回転不能な状態に保持される。従ってこの状態においては、所定長さに維持された長尺紐状体６を介して犬に引っ張り力を加えることができ、こうして散歩中等の犬を確実にコントロールすることができる。

次いで、長尺紐状体６が長く維持されている状態で、その先端の引掛金具（図示省略）を犬の首輪から外して、上述したように操作手段としての操作片１１を巻取リール２が回転可能な状態に操作すると、ゼンマイばね８の付勢力により巻取リール２が図中時計回りに回転させられる。

こうして巻取リール２が回転すると、その回転により発電機１２が駆動され、いわゆる発電制動の制動トルクが発生して、巻取リール２の回転に対しての抵抗となり、この制動トルクは発電している際に、常時発生するため、巻取リール２が、ある回転数よりも早く回転することを防止することができる。

従って、巻取リール２の急速な回転によって長尺紐状体６が急速に引っ張られて、その先端側に設けられている、重さの有る金属製の引掛金具が、長尺紐状体６と共に急速に器体１側に移動してきて、操作者の手や顔等に当たるということを効果的に防止することができる。

そしてこうして制動トルクを得るために発電機１２において発電した電力は、蓄電手段１３に蓄えるため、発光ダイオード等の負荷手段１４の電源とし有効に利用することができる。従って、このリード装置に大きな付加価値を付加することができる。

発電機１２を交流発電機とし、蓄電手段１３との間に整流手段１５を設けた構成とすれば、巻取リール２の回転方向によらず、蓄電手段１３に電力を蓄電することができる。この場合には、蓄電手段１３として容量が比較的大きな二次電池を使用することにより、十分な電力を蓄えることができ、例えば、負荷手段１４としての発光ダイオードの光量を大きくすることにより、夜間の照明等に利用することもできる。また負荷手段としては、その他、比較的電力の消費するラジオ等を構成することもできる。

本発明は以上の通り、巻取リールが回転すると、その回転により発電機が駆動され、いわゆる発電制動の制動トルクが発生して、巻取リールの回転に対しての抵抗となり、この制動トルクは発電している際に、常時発生するため、巻取リールが、ゼンマイばね等のばねによって付勢されて回転を起こしても、ある回転数よりも早く回転することを防止することができ、従って、巻取リールの急速な回転によって長尺紐状体が急速に引っ張られて、その先端側に設けられている、重さの有る金属製の引掛金具が、長尺紐状体と共に急速に器体１側に移動してきて、操作者の手や顔等に当たるということを効果的に防止することができる。

そして本発明では、上述した制動トルクを得るために発電した電力は、蓄電手段に蓄えて、負荷手段において有効に利用することができ、伸縮式リード装置に多大なる付加価値を付加することができ、産業上の利用可能性が非常に高い。

本発明に係るリード装置の実施例を示すもので、図２のＢ−Ｂ線模式的断面図である。 図１のＡ−Ａ線模式的断面図である。 本発明における他の構成の実施例を示す模式的回路図である。

符号の説明

１ 器体
１ａ，１ｂ 殻体
２ 巻取リール
３ 回転軸
４ ベアリング
５ 仕切壁
６ 長尺紐状体
７ 連通口
８ ゼンマイばね
９ 係合突起部
１０ 凹部
１１ 操作片
１２ 発電機
１２ａ 回転子側要素
１２ｂ 固定子側要素
１３ 蓄電手段
１４ 負荷手段（発光ダイオード）
１５ 整流手段（ブリッジ式整流回路）
１６ 握り部

Claims (6)

1. 長尺紐状体を巻き取り方向にばねにより付勢した巻取リールを器体に設けると共に、巻取リールの回転を不能とする操作手段を設けたリード装置に、巻取リールの回転により駆動する発電機を設け、この発電機で発電した電力を蓄える蓄電手段と、蓄電手段に接続された負荷手段を設けたことを特徴とするペット用の伸縮式リード装置
2. 発電機は交流発電機とし、蓄電手段との間に整流手段を設けたことを特徴とする請求項１に記載のペット用の伸縮式リード装置
3. 蓄電手段はコンデンサであることを特徴とする請求項１又は２に記載のペット用の伸縮式リード装置
4. 蓄電手段は二次電池であることを特徴とする請求項１又は２に記載のペット用の伸縮式リード装置
5. 負荷手段は発光ダイオードであることを特徴とする請求項１又は２に記載のペット用の伸縮式リード装置
6. 負荷手段はブザー等の発音装置であることを特徴とする請求項１又は２に記載のペット用の伸縮式リード装置
   

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