JP2006080263A - 電子デバイスの洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属配線の露出部分の腐食を抑制しつつ、ドライエッチング後に生じた堆積ポリマーを完全に除去し、それにより高信頼性を有する金属配線を得る。
【解決手段】 部分的に露出した金属配線が設けられているシリコン基板100上に洗浄液123を供給し、該洗浄液123によってシリコン基板100の表面を覆う。その後、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止して、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液の少なくとも一部分をシリコン基板100上に保持した後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液を除去する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体装置等の電子デバイスの製造工程における洗浄方法に関するものであり、特に金属配線が露出した半導体装置に対して、フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する半導体装置製造用洗浄剤を使用して基板洗浄を行なう方法に関する。
近年の集積度向上に伴う加工寸法の微細化が進む中、半導体装置製造において高歩留りを得るために、パーティクルのみならず、不純物等を除去できる洗浄技術が重要となっている。
例えば半導体装置の金属配線は以下のように形成される。すなわち、トランジスタや容量セル等が設けられたシリコン基板上に被加工膜(金属膜)を堆積した後、該被加工膜の上にリソグラフィ技術を用いて所望のレジストパターンを形成し、その後、該レジストパターンをマスクとして、ドライエッチング技術を用いて下層の被加工膜に対して選択的にエッチング処理を行ない、それによって所望の回路(金属配線)パターンを形成する。その後、不要となったレジストパターンを酸素プラズマによるアッシング処理によって除去した後、シリコン基板に対して薬液による洗浄を行なう。また、多層配線構造を形成する場合には、以上のような一連の工程が繰り返し実施される。
ところで、前述のドライエッチング処理においては、パターニングされた被加工膜の周辺部に、ドライエッチングガス、レジスト及び被加工膜等に由来する堆積ポリマーが生成することが知られている。特に、金属配線形成工程においては、下層配線と上層配線とを接続するコンタクトホール内部に堆積ポリマーが残存すると、配線抵抗の上昇又は断線等の問題が生じる。
このような製品不良の原因となる堆積ポリマーの除去には、フッ酸系水溶液による洗浄が有効である。しかし、コンタクトホールが形成される絶縁膜層の下層の金属配線層は、フッ酸系水溶液に溶解するため、後工程でコンタクトホール内に埋め込まれる金属層を下層の金属配線層と接続させることが困難になり、配線不良が起こることが知られている。
以下、この課題を解決するために提案されている洗浄液及びそれを用いた半導体装置の製造方法(例えば特許文献1参照)について図面を参照しながら説明する。
図12(a)〜(f)は、従来の配線形成方法における下層配線と上層配線とを接続するためのコンタクトホールの形成方法の各工程を示す断面図である。
図12(a)に示すように、シリコン基板(図示省略)上の第1の層間絶縁膜1上に、下側から順に膜厚0.5μmのAl−Si−Cu層(Al層、Si層及びCu層の積層体)2と反射防止膜となる膜厚50nmのTiN層3とが積層されてなる金属配線層が形成されていると共に該金属配線層の上に第2の層間絶縁膜4が成膜されている。その後、図12(b)に示すように、第2の層間絶縁膜4の上にフォトレジストを塗布してレジスト膜5を形成した後、通常のリソグラフィ技術を用いて、図12(c)に示すように、コンタクトホール形成領域に開口部を有するレジストパターン5Aを形成する。その後、図12(d)に示すように、レジストパターン5Aをマスクとして、通常のドライエッチング技術を用いて、第2の層間絶縁膜4を選択的にエッチングし、それによって第2の層間絶縁膜4にコンタクトホール6を形成する。このとき、第2の層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール6の内側には、ドライエッチングガス、フォトレジスト及び第2の層間絶縁膜4等に由来する堆積ポリマー7が生じる。
その後、図12(e)に示すように、不要となったレジストパターン5Aを通常の酸素プラズマによる灰化(アッシング)処理によって除去する。尚、この灰化処理においては、コンタクトホール6内に付着した堆積ポリマー7を完全に除去することはできない。そこで、灰化処理後、フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液を用いて洗浄を行なうことにより、コンタクトホール6の下側に形成された金属配線層の腐食を防止しながら、コンタクトホール6の側壁に付着した堆積ポリマー7を除去し、その後、純水洗浄及び乾燥を順次行なう。これにより、図12(f)に示すように、コンタクトホール6の内部を清浄化することができる。
図13(a)〜(d)は、枚葉式洗浄装置を用いた、堆積ポリマー7を除去するための従来の洗浄シーケンスの各工程を示す模式図である。
まず、図13(a)に示すように、図12(a)〜(f)に示す金属配線層及び層間絶縁膜等が設けられたシリコン基板(ウェハ)10をステージ21上に保持して回転させながら、吐出ノズル22から所定温度の洗浄液(フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液)23を一定時間シリコン基板10上に供給する。これにより、堆積ポリマー7の下地膜である第2の層間絶縁膜4がエッチングされ、それによって堆積ポリマー7が除去される。その後、図13(b)に示すように、吐出ノズル22からの洗浄液の供給を止めてシリコン基板10を回転させることにより、シリコン基板10上の洗浄液を振り切る。続いて、図13(c)に示すように、シリコン基板10を回転させながら、吐出ノズル22から純水24をシリコン基板10上に供給し、それによってシリコン基板10上に残留する洗浄液を除去し、最後に、図13(d)に示すように、シリコン基板10を回転させながら、吐出ノズル22から窒素25をシリコン基板10に吹き付けてシリコン基板10を乾燥させる。
特開平10−55993号公報
下層配線上にコンタクトホールを形成した後に前述の従来の洗浄方法を用いてコンタクトホール内壁に付着した堆積ポリマーを除去する場合、コンタクトホール内に露出している金属配線(下層配線)の面積が小さいこと及び洗浄液の侵入経路が面積の小さなコンタクトホールに限定されることから、コンタクトホール底部に露出する金属配線に接触可能な洗浄液の量は制限される。このため、金属配線が侵食されることなく、堆積ポリマーを完全に除去することが可能であった。
しかしながら、最近の高性能シリコン半導体装置においては、より高速化を目指すために、金属配線材料として従来のAl(アルミニウム)に代えてCu(銅)が使用されていると共に、従来とは異なる金属配線の形成方法が用いられている。その形成方法は、具体的には、下層に形成された金属配線の上に層間絶縁膜を形成した後、該層間絶縁膜にコンタクトホール又は溝パターン(配線溝)を形成し、そこに配線材料となる金属を埋め込み、その後、層間絶縁膜上にはみ出した不要な金属を通常のCMP技術を用いて削り取るというものである。ところが、この金属配線の形成方法において前述の従来の洗浄方法を用いた場合、下層に形成された金属配線の侵食が起こる。
以下、Cuを用いた埋め込み配線形成工程において、コンタクトホール内に埋め込まれた金属が侵食される過程を図面を参照しながら説明する。
図14(a)〜(f)は、従来の埋め込み配線形成方法の各工程を示す断面図である。
図14(a)に示すように、下層配線と上層配線とを接続するためのタングステンプラグ31が埋め込まれた第1の層間絶縁膜32上に第2の層間絶縁膜33を堆積する。その後、図14(b)に示すように、第2の層間絶縁膜33の上にフォトレジストを塗布した後、通常のリソグラフィ技術を用いて、埋め込み配線形成領域に開口部を有するレジストパターン34を形成する。すなわち、レジストパターン34は、埋め込み配線形成のための溝パターンである。
その後、図14(c)に示すように、レジストパターン34をマスクとして、通常のドライエッチング技術を用いて、第2の層間絶縁膜33を選択的にエッチングし、それによって第2の層間絶縁膜33に、配線材料となるCuを埋め込むための配線溝35を形成する。このとき、第2の層間絶縁膜33に形成された配線溝35の内側には、ドライエッチングガス、フォトレジスト及び第2の層間絶縁膜33等に由来する堆積ポリマー36が生じる。
次に、図14(d)に示すように、不要となったレジストパターン34を通常の酸素プラズマによる灰化処理によって除去する。しかし、この灰化処理においては、配線溝35の壁面又はタングステンプラグ31の露出部に付着した堆積ポリマー36を完全に除去することはできない。そこで、灰化処理後、フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液を用いて、前述の図13(a)〜(d)に示す洗浄方法を実施することにより、堆積ポリマー36を除去する。
ところが、図13(a)に示す工程における薬液(洗浄液23)による洗浄時間が短いと、図14(e)に示すように、タングステンプラグ31の侵食は起こらないが、第2の層間絶縁膜33に付着した堆積ポリマー36を完全に除去することはできない。一方、第2の層間絶縁膜33に付着した堆積ポリマー36を完全に除去するために、図13(a)に示す工程における薬液による洗浄を長時間行なった場合、図14(f)に示すように、タングステンプラグ31が侵食されてしまう。
前記の課題に鑑み、本発明は、金属配線の露出部分の腐食を抑制しつつ、ドライエッチング後に生じた堆積ポリマーを完全に除去でき、それにより高信頼性を有する金属配線を得ることができる電子デバイスの洗浄方法を提供することを目的とする。
前記の課題に対して本願発明者が実験を重ねた結果、金属配線上にコンタクトホールを形成した場合には金属配線が溶解することなく堆積ポリマーが除去されるのに対して、金属配線上に配線溝を形成した場合には堆積ポリマーが除去されるよりも早く下層の金属配線が侵食されてしまうメカニズムについて、以下のような知見が得られた。
図12(a)〜(f)に示すように、金属配線上にコンタクトホールを形成した場合、洗浄液の侵入経路が面積の小さいコンタクトホールに限定されるため、コンタクトホール底部に露出する金属配線に接触可能な洗浄液の量は制限され、その結果、金属配線が侵食されることがなかった。それに対して、図14(a)〜(f)に示すように、タングステンプラグ上に配線溝を形成した場合、洗浄液の侵入経路がコンタクトホールよりも大きくなるため、タングステンプラグ表面に供給される洗浄液の量が増大する。その結果、タングステンプラグ表面には、常に新しい洗浄液が供給されることとなり、洗浄液によるタングステンプラグの溶解が進行したものと考えられる。
ここで、金属プラグであるタングステンプラグを構成するタングステンと、洗浄液に含まれるフッ素化合物との間では、次の式(1)〜(3)の平衡反応が成り立つことが知られている。
2 O ⇔ H+ + OH- ・・・(1)
+ + F- ⇔ HF ・・・(2)
WO3 + 2OH- ⇔ WO4 2- + H2 O ・・・(3)
すなわち、洗浄液中において超純水は式(1)のように電離している。また、洗浄液はフッ素化合物を含有するため、式(2)のように、弱酸であるHFが生成される。さらに、式(1)及び式(2)より、洗浄液中での水酸化物イオン(OH- )の濃度が高くなる。
一方、金属プラグを構成するタングステンは、空気中の酸素と反応してタングステン酸化物(WO3 )を形成するが、このタングステン酸化物は、式(3)のように水酸化物イオン(OH- )と反応してイオン化し、それによってタングステン酸化物は溶解してしまう。
図14(a)〜(f)に示す従来の埋め込み配線形成方法において図13(a)〜(d)に示す従来の基板洗浄方法を用いた場合、配線溝35の底部に露出したタングステンプラグ31の表面には、常に新しい洗浄液が供給され続けるので、式(3)におけるイオン化したタングステン酸化物(WO4 2- )は生成されると同時に取り除かれることになる。また、洗浄液は空気中の酸素を巻き込みながら基板上に供給されるので、タングステンプラグ31の表面は常にタングステン酸化物(WO3 )が形成されている状態となる。よって、金属プラグであるタングステンプラグにおいては、タングステン酸化物が形成され且つ形成されたタングステン酸化物がイオン化して除去されることが繰り返されるため、洗浄液による長時間の洗浄処理を行なうと、金属プラグの侵食が発生することになる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであって、前記の目的を達成するために、本発明に係る電子デバイスの洗浄方法は、金属配線が設けられていると共に該金属配線の少なくとも一部分が露出している基板上に薬液を供給し、該薬液によって基板の表面を覆う第1の工程と、第1の工程よりも後に、基板上への薬液の供給を停止して、基板の表面を覆う薬液の少なくとも一部分を基板上に保持する第2の工程と、第2の工程よりも後に、基板の表面を覆う薬液を除去する第3の工程とを備えている。
尚、本願において、「金属配線」という用語は、上層配線と下層配線とを接続するプラグ、又は素子と配線とを接続するプラグを含むものとする。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第1の工程、第2の工程及び第3の工程は、基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施され、第2の工程は、基板上に薬液を静止状態で保持する工程を含むことが好ましい。
尚、本願において、「基板を水平に保持する」という用語は、基板となるウェハの主面が水平になるようにウェハを保持する」ことを意味する。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第1の工程、第2の工程及び第3の工程は、基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施され、第2の工程は、基板上に保持された薬液を揺動させる工程を含むことが好ましい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第1の工程、第2の工程及び第3の工程は、基板を水平に保持すると共に基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、第1の工程における基板上への薬液の供給量は、基板の表面の単位面積当たり0.00032[l/cm2 ]以上で且つ0.00287[l/cm2 ]以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間は100秒以上で且つ600秒以下であることが好ましい。この場合、第1の工程における基板に対する薬液の吐出量は、基板となるウェハ1枚当たり0.30[l/min/枚]以上で且つ0.90[l/min/枚]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間は20秒以上で且つ60秒以下であることがさらに好ましい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第1の工程、第2の工程及び第3の工程は、基板となるウェハを少なくとも2枚以上水平に保持する基板保持具を有すると共に該基板保持具をその重心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、第1の工程における基板上への薬液の供給量は、基板の表面の単位面積当たり0.00014[l/cm2 ]以上で且つ0.00106[l/cm2 ]以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間は100秒以上で且つ600秒以下であることが好ましい。この場合、第1の工程における洗浄装置の基板に対する薬液の吐出量は、15[l/min]以上で且つ25[l/min]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下であることがさらに好ましい。
尚、本願において、洗浄装置が前述の基板保持具を複数有する場合には該複数の基板保持具はそれらの重心を回転軸として回転するものとする。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第1の工程、第2の工程及び第3の工程は、基板を垂直に保持すると共に基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、第2の工程は、基板を10rpm以上で且つ30rpm以下の回転速度で回転させる工程を含むことが好ましい。この場合、第1の工程における基板に対する薬液の吐出量は、基板となるウェハ1枚当たり0.20[l/min/枚]以上で且つ0.60[l/min/枚]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間は200秒以上で且つ600秒以下であることがさらに好ましい。
尚、本願において、「基板を垂直に保持する」という用語は、基板となるウェハの主面が水平面に対して垂直になるようにウェハを保持する」ことを意味する。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、薬液はフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第2の工程は、基板上に保持された薬液に不活性ガスを吹き付ける工程を含むことが好ましい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、金属配線上に溝状の開口部を有する絶縁膜が形成されていてもよい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、金属配線は、W、Ti、Cu及びAlのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
本発明の電子デバイスの洗浄方法によると、基板上に薬液(洗浄液)を供給して該薬液により基板表面を覆った後、基板上への薬液の供給を停止すると共に基板を覆う薬液の少なくとも一部分を基板上に保持する。これにより、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線表面上における薬液の入れ替わりを防止することができるので、薬液と金属配線材料との間の平衡反応における平衡状態を保つことができる。従って、金属配線の侵食を防ぎながら、層間絶縁膜に付着した堆積ポリマーを除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施する場合において、第2の工程で基板上に薬液を静止状態で保持すると、前述の本発明の効果を確実に得ることができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施する場合において、第2の工程で基板上に保持された薬液を揺動させると、前述の本発明の効果を確実に得ることができると共に次のような効果を得ることができる。すなわち、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線表面上における薬液の入れ替わりを防止しながら、層間絶縁膜上の薬液を攪拌することができるので、層間絶縁膜に付着した堆積ポリマーの除去に要する洗浄時間をより一層短縮することが可能となる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、基板を水平に保持すると共に基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施する場合において、第1の工程における基板上への薬液の供給量が、基板表面の単位面積当たり0.00032[l/cm2 ]以上で且つ0.00287[l/cm2 ]以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間が100秒以上で且つ600秒以下であると、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線の侵食を防ぎつつ、層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。また、このとき、第1の工程における基板に対する薬液の吐出量が、基板となるウェハ1枚当たり0.30[l/min/枚]以上で且つ0.90[l/min/枚]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間が20秒以上で且つ60秒以下であると、洗浄装置のスループットを落とすことなく、金属配線の侵食を防ぎつつ層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、基板となるウェハを少なくとも2枚以上水平に保持する基板保持具を有すると共に該基板保持具をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施する場合において、第1の工程における基板上への薬液の供給量が、基板の表面の単位面積当たり0.00014[l/cm2 ]以上で且つ0.00106[l/cm2 ]以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間が100秒以上で且つ600秒以下であると、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線の侵食を防ぎつつ、層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。また、このとき、第1の工程における洗浄装置の基板に対する薬液の吐出量が、15[l/min]以上で且つ25[l/min]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間が20秒以上で且つ80秒以下であると、洗浄装置のスループットを落とすことなく、金属配線の侵食を防ぎつつ層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、基板を垂直に保持すると共に基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施する場合において、第2の工程で基板を10rpm以上で且つ30rpm以下の回転速度で回転させると、次のような効果が得られる。すなわち、基板表面の薬液が自重によって落下することを防止しつつ、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線表面上における薬液の入れ替わりを防止することができるので、薬液と金属配線材料との間の平衡反応における平衡状態を保つことができる。従って、金属配線の侵食を防ぎながら、層間絶縁膜に付着した堆積ポリマーを除去することができる。また、このとき、第1の工程における基板に対する薬液の吐出量が、基板となるウェハ1枚当たり0.20[l/min/枚]以上で且つ0.60[l/min/枚]以下であり、第1の工程における基板に対する薬液の吐出時間が20秒以上で且つ80秒以下であり、第2の工程における基板上での薬液の保持時間が200秒以上で且つ600秒以下であると、洗浄装置のスループットを落とすことなく、金属配線の侵食を防ぎつつ層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、薬液がフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有すると、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線の侵食を防ぎつつ、層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法において、第2の工程が、基板上に保持された薬液に不活性ガスを吹き付ける工程を含むと、基板上の薬液に含まれる純水成分の揮発を促進させることができるので、前述の式(3)に示す平衡反応における金属酸化物のイオン化反応を抑制することができ、それによって金属配線の侵食抑制効果を増大させることができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、金属配線上に溝状の開口部(例えば配線溝)を有する絶縁膜が形成されている基板に対して適用した場合、次のような効果が得られる。すなわち、この場合、金属配線に接触する薬液量が多くなるため、本発明のように、一定時間の薬液供給後に薬液供給を停止して、金属配線に接触する薬液の入れ替えを防止するための薬液保持時間を設けることは、特に有効である。すなわち、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線の侵食を防ぎつつ、層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
本発明の電子デバイスの洗浄方法を、W、Ti、Cu及びAlのうちの少なくとも1つを含む金属配線が露出している基板に対して適用した場合、本発明のように、一定時間の薬液供給後に薬液供給を停止して、金属配線に接触する薬液の入れ替えを防止するための薬液保持時間を設けることは、特に有効である。すなわち、例えば基板上に形成された層間絶縁膜の開口部に露出する金属配線の侵食を防ぎつつ、層間絶縁膜上のポリマーを確実に除去することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法について、該洗浄方法を金属配線の形成工程に適用する場合を例として、図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(f)は、本実施形態の洗浄方法の適用対象となる金属配線の形成方法、具体的には、下層配線と接続する金属プラグが形成された後に該プラグ上に埋め込み配線を形成するための溝パターン(配線溝)を形成する方法の各工程を示す断面図である。
図1(a)に示すように、例えばシリコンよりなる基板(図示省略)上の第1の層間絶縁膜102に、下層配線(図示省略)と後工程で形成する上層配線とを接続し且つ例えばタングステンよりなる金属プラグ101が埋め込まれている。次に、図1(b)に示すように、金属プラグ101及び第1の層間絶縁膜102のそれぞれの上に第2の層間絶縁膜103を堆積する。その後、図1(c)に示すように、第2の層間絶縁膜103の上にフォトレジストを塗布した後、通常のリソグラフィ技術を用いて、配線形成領域に開口部を有するレジストパターン104を形成する。その後、図1(d)に示すように、レジストパターン104をマスクとして、通常のドライエッチング技術を用いて、第2の層間絶縁膜103を選択的にエッチングし、それによって第2の層間絶縁膜103に、金属プラグ101に達する埋め込み配線形成用の配線溝105を形成する。このとき、第2の層間絶縁膜103に形成された配線溝105の内側には、ドライエッチングガス、フォトレジスト及び第2の層間絶縁膜103等に由来する堆積ポリマー106が生じる。
その後、図1(e)に示すように、不要となったレジストパターン104を例えば酸素プラズマによる灰化処理によって除去する。しかし、この灰化処理によって、配線溝105内に付着した堆積ポリマー106を完全に除去することはできない。そこで、灰化処理後、例えばフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液(洗浄液)を用いて基板洗浄を行なうことにより、不要な堆積ポリマー106を除去する。
ここで、本実施形態の特徴である、薬液による基板洗浄処理の詳細について、基板となるウェハを水平に保持すると共に該ウェハをその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置を用いる場合を例として述べる。
図1(e)に示す洗浄工程においては、まず、第2の層間絶縁膜103及び金属プラグ101のそれぞれの上に付着した堆積ポリマー106を除去するために、基板上に一定時間薬液を供給し続け、該薬液によって基板表面を覆う。具体的には、金属プラグ101上の堆積ポリマー106が全て除去されるのに要する時間程度、基板上に薬液を供給する。その後、基板上への薬液の供給を停止すると共に、基板上に存在する薬液を振り切って除去してしまわないように基板の回転を停止した後、第2の層間絶縁膜103上に付着している堆積ポリマー106が完全に除去されるまでの時間、基板表面を覆う薬液の少なくとも一部分を基板上に保持する。
このように薬液の供給を止めて基板上に薬液を保持することにより、前述の式(3)におけるイオン化したタングステン酸化物の除去及びタングステン酸化物の生成を抑制し、それによって式(3)に示す反応を平衡状態に保つことができる。すなわち、タングステンの溶解反応の進行つまりタングステンの侵食を抑制することができる。
尚、薬液供給中の第2の層間絶縁膜103上には、堆積ポリマー106を除去するために十分な量の薬液が存在するため、新たに薬液を供給しなくても、基板上に存在する薬液を一定時間基板上に保持することによって堆積ポリマー106の除去が可能となる。
以上に説明したように、第1の実施形態によると、金属配線(金属プラグ101)が露出した電子デバイスの洗浄方法において、基板上に薬液を供給して該薬液により基板表面を覆った後、基板上への薬液の供給を停止し、その後、基板を覆う薬液の少なくとも一部分を基板上に保持し、それによって、第2の層間絶縁膜103に形成された配線溝105に露出する金属プラグ101上における薬液の入れ替わりを防止する。このため、金属プラグ101を構成するタングステンと薬液との間の平衡反応における平衡状態を維持することができるので、金属プラグ101を構成するタングステンを腐食させることなく、配線溝105の壁面つまり第2の層間絶縁膜103に付着した堆積ポリマー106を除去することができる。
従って、以上に述べた本実施形態の洗浄処理の後に、純水洗浄及び乾燥を順次行なうことにより、図1(f)に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンを腐食させることなく、配線溝105の内部を清浄化することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態は、第1の実施形態における図1(e)に示す、堆積ポリマー106を除去するための基板洗浄処理の詳細内容に該当し、具体的には、図1(e)に示す基板洗浄処理を、基板となるウェハを水平に保持すると共に該ウェハをその中心を回転軸として回転させる構成を有する枚葉式の基板洗浄装置において実施するものである。
図2(a)〜(e)は、第2の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。
まず、図2(a)に示すように、金属プラグ101等の電子デバイスの構成要素が形成された、例えば直径8インチのシリコンウェハよりなるシリコン基板100をステージ121上に保持して、例えば460rpmの回転速度で回転させながら、シリコン基板100の上方に位置する吐出ノズル122から、例えばフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液(以下、洗浄液と称する)123をシリコン基板100上に供給する。このとき、シリコン基板100上への洗浄液123の供給量を、シリコン基板100の表面の単位面積当たり、例えば0.00106[l/cm2 ]に設定する。また、シリコン基板100に対する洗浄液123の吐出量を、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり、例えば0.5[l/min/枚]に設定する。さらに、図2(a)に示す洗浄液123の吐出ステップは、シリコン基板100の表面全体を洗浄液123によって覆うことを目的としているため、シリコン基板100に対する洗浄液123の吐出時間を例えば40秒に設定する。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100の回転を完全に停止し、その後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液の少なくとも一部分を例えば400秒間シリコン基板100上に静止状態で保持する。このとき、吐出ノズル122からの新たな洗浄液の吐出を行なわない。
次に、図2(c)に示すように、シリコン基板100上に残留する洗浄液をシリコン基板100から振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させる。このとき、図2(c)に示すように、吐出ノズル122からシリコン基板100に向けて窒素124を吹き付けてもよい。
次に、図2(d)に示すように、例えば460rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させながら、吐出ノズル122からシリコン基板100に向けて超純水125を吐出し、それによってシリコン基板100の表面に残留する洗浄液を除去する。次に、図2(e)に示すように、シリコン基板100上に残留する超純水を振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させると共に吐出ノズル122からシリコン基板100に向けて窒素124を吐出することによって、シリコン基板100の乾燥処理を行なう。これにより、本実施形態の洗浄処理は終了する。
尚、以上に説明した本実施形態の洗浄処理の各ステップにおけるシリコン基板100の回転速度は例示であって特に限定されるものではない。
本実施形態の洗浄処理においては、図2(a)に示す工程でシリコン基板100上に供給された洗浄液を、図2(b)に示す工程でシリコン基板100上に静止状態で保持することにより、例えば配線溝105内に露出する金属プラグ101を構成するタングステンに接する洗浄液の入れ替わりを防止することができる。このため、該タングステンと洗浄液との界面では、式(3)に示す反応の平衡状態が保たれる。従って、イオン化したタングステン酸化物は飽和状態となる結果、タングステン酸化物が新たにイオン化されることはなくなるので、金属プラグ101の侵食を抑制することができる。
尚、図1(e)に示す第2の層間絶縁膜103上に付着した堆積ポリマー106については、第2の層間絶縁膜103上に十分な量の洗浄液が存在することと、洗浄液による第2の層間絶縁膜103の溶解速度がタングステンと比較して十分に早いこととを理由として、図2(b)に示す工程でシリコン基板100上に洗浄液を一定時間静止状態で保持することによって完全に除去することができる。
図3は、図2(a)に示す洗浄液吐出ステップにおける、洗浄液の吐出時間と金属プラグ(タングステンプラグ)101のエッチング深さとの関係を示している。尚、図3の結果は、シリコン基板100に対する洗浄液123の吐出量を、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり、0.5[l/min/枚]に設定して得られたものである。また、図3において、横軸は洗浄液吐出時間を示し、縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示す。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEM(scanning electron microscope)により測定される。
図3に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制するためには、洗浄液の吐出時間を60秒以下に設定する必要がある。また、本実施形態においては、シリコン基板100の表面を十分に覆うことができるように洗浄液を供給する必要があるので、洗浄液の吐出時間を20秒以上に設定する必要がある。すなわち、本実施形態における洗浄液の好ましい吐出時間は20秒以上で且つ60秒以下である。
図4は、図2(b)に示す、洗浄液をシリコン基板100上に保持する工程における、洗浄液保持時間と、金属プラグ101のエッチング深さ及び第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106の除去性能のそれぞれとの関係を示している。尚、図4の結果は、図2(a)に示す洗浄液吐出ステップにおけるシリコン基板100に対する洗浄液123の吐出時間を40秒に設定して得られたものである。また、図4において、横軸は、シリコン基板100上において洗浄液を静止状態で保持した時間(洗浄液保持時間)を示し、左側の縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示し、右側の縦軸はポリマーの除去性能を示している。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEMにより測定される。また、ポリマーの除去性能は表面SEMにより測定される。
図4に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制すると共に第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106を除去するためには、洗浄液保持時間を100秒以上で且つ600秒以下に設定する必要がある。
ところで、除去しなければならない堆積ポリマーの形成状態は、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。従って、当然ながら最適な洗浄条件も、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。
そこで、本実施形態においては、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液123の供給量については、電子デバイスの製造方法に応じて、シリコン基板100の表面の単位面積当たり0.00032〜0.00287[l/cm2 ]の範囲から最適な条件を選択するものとする。ここで、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液123の供給量を前述の範囲から選択する理由は次の通りである。すなわち、枚葉式洗浄装置で使用される平均的な吐出量が後述のように0.30〜0.90[l/min]であるため、下限値0.30[l/min]及び上限値0.90[l/min]を、シリコン基板100となる直径8インチ(200mm)のシリコンウェハの面積及び60秒のそれぞれにより除して、単位面積当たり且つ単位時間(1秒)当たりの値に換算した後、換算された下限値に、後述する洗浄液123の吐出時間の最小値20秒を乗ずると共に、換算された上限値に、後述する洗浄液123の吐出時間の最大値60秒を乗ずる。
これにより、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液123の供給量の最小値は、
0.30[l/min]/314[cm2 ]/60[sec ]×20[sec
=0.00032[l/cm2
となる。
また、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液123の供給量の最大値は、
0.90[l/min]/314[cm2 ]/60[sec ]×60[sec
=0.00287[l/cm2
となる。
尚、シリコン基板100となる直径12インチ(300mm)のシリコンウェハの洗浄を、仮に枚葉式洗浄装置で使用される最大吐出量1.5[l/min]を用いて行なった場合には、前記と同様の計算により、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液123の供給量の最大値は、
1.5[l/min]/706.5[cm2 ]/60[sec ]×60[sec
=0.00212[l/cm2
となるので、前述の範囲0.00032〜0.00287[l/cm2 ]に含まれる。
また、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液123の吐出量については、洗浄工程のスループットを考慮しつつ前記の供給量を満たすように、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり0.30〜0.90[l/min/枚]の範囲から最適な条件を選択するものとする。尚、当該範囲は枚葉式洗浄装置の平均的な吐出量である。また、ここで、後述するバッチ式洗浄装置における洗浄液の吐出量の単位に合わせて[l/min/枚]を用いている。
同様に、図2(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液123の吐出時間についても、洗浄工程のスループットを考慮しつつ前記の供給量を満たすように、20〜60秒の範囲から最適な条件を選択するものとする(図3参照)。
尚、第2の実施形態における図2(b)に示す洗浄液の保持ステップにおいては、シリコン基板100上を覆う洗浄液を除去しない程度に、吐出ノズル122から例えば窒素等の不活性ガスを、シリコン基板100上を覆う洗浄液に向けて吐出することが好ましい。このようにすると、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分(超純水)の大気中への揮発を促進させることができるので、前述の式(3)に示す平衡反応におけるタングステン酸化物イオンの生成を抑制することができる。従って、金属プラグ101を構成するタングステンの侵食抑制効果を向上させることができる。また、シリコン基板100上を覆う洗浄液に不活性ガスを吹き付ける代わりに、処理チャンバー内を減圧状態にすることによって、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分の大気中への揮発を促進した場合にも同様の効果が得られる。
また、第2の実施形態における図2(b)に示す洗浄液の保持ステップにおいて、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100の回転を完全に停止し、その後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液を静止状態でシリコン基板100上に保持した。しかし、これに代えて、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100を極小さい回転速度で回転させながら、シリコン基板100上に保持された洗浄液を揺動させてもよい。或いは、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止した後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液を交互に静止させたり揺動させたりしてもよい。このように、シリコン基板100上に保持された洗浄液を揺動させることにより、第2の層間絶縁膜103に形成された配線溝105内の金属プラグ101に接する洗浄液の入れ替わりを防止しながら、第2の層間絶縁膜103上の洗浄液を撹拌することができるため、第2の層間絶縁膜103に付着した堆積ポリマー106の除去に要する洗浄時間をより一層短縮することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法について、該洗浄方法を金属配線の形成工程に適用する場合を例として、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態は、第1の実施形態における図1(e)に示す、堆積ポリマー106を除去するための基板洗浄処理の詳細内容に該当し、具体的には、図1(e)に示す基板洗浄処理を、基板となる口径10インチのウェハを水平に保持する2組の基板保持具を有すると共に該2組の基板保持具をそれらの重心を回転軸として回転させる構成を有するバッチ式の基板洗浄装置において実施するものである。
図5(a)〜(e)は、第3の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。尚、図5(a)〜(e)はそれぞれ、処理チャンバー内部をチャンバー上面から見た様子を示している。
図5(a)に示すように、基板洗浄装置の処理チャンバー201の中心部には、洗浄液や純水を吐出するための吐出ノズル202が設置されていると共に、吐出ノズル202を取り囲むように(具体的には吐出ノズル202を挟んで互いに向かい合うように)2組の基板ホルダ203が配置されている。ここで、各基板ホルダ203には、例えば直径10インチのシリコンウェハよりなり且つ金属プラグ101等の電子デバイスの構成要素が形成されたシリコン基板100が25枚を一組(1バッチ)として保持されている。
基板洗浄処理においては、まず、図5(a)に示すように、複数のシリコン基板100が2組の基板ホルダ203によって保持されている状態で、2組の基板ホルダ203をそれらの重心を回転軸として例えば460rpmの回転速度で回転させる(回転方向は図5(a)に示す時計回りの矢印方向)。それと同時に、吐出ノズル202から各シリコン基板100の側面に向けて、例えばフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液(以下、洗浄液と称する)204をスプレー状に吐出する。このとき、シリコン基板100上への洗浄液204の供給量を、シリコン基板100の表面の単位面積当たり、例えば0.00093[l/cm2 ]に設定する。また、このとき、洗浄液204の全吐出量を例えば22[l/min]に設定する。すなわち、2組の基板ホルダ203の両方に25枚一組のシリコン基板100が設置されている場合において、シリコン基板100に対する洗浄液204の吐出量を、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり、例えば0.44[l/min/枚]に設定する。さらに、図5(a)に示す洗浄液204の吐出ステップは、シリコン基板100の表面全体を洗浄液204によって覆うことを目的としているため、シリコン基板100に対する洗浄液204の吐出時間を例えば40秒に設定する。
次に、図5(b)に示すように、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100の回転を完全に停止し、その後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液の少なくとも一部分を例えば400秒間シリコン基板100上に静止状態で保持する。このとき、吐出ノズル202からの新たな洗浄液の吐出を行なわない。
次に、図5(c)に示すように、シリコン基板100上に残留する洗浄液をシリコン基板100から振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させる。
次に、図5(d)に示すように、例えば200rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させながら、吐出ノズル202からシリコン基板100に向けて超純水205を吐出し、それによってシリコン基板100の表面に残留する洗浄液を除去する。次に、図5(e)に示すように、シリコン基板100上に残留する超純水を振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させると共に吐出ノズル202からシリコン基板100に向けて窒素206を吐出することにより、シリコン基板100の乾燥処理を行なう。これにより、本実施形態の洗浄処理は終了する。
尚、以上に説明した本実施形態の洗浄処理の各ステップにおけるシリコン基板100の回転速度は例示であって特に限定されるものではない。
本実施形態の洗浄処理においては、図5(a)に示す工程でシリコン基板100上に供給された洗浄液を、図5(b)に示す工程でシリコン基板100上に静止状態で保持することにより、例えば配線溝105内に露出する金属プラグ101を構成するタングステンに接する洗浄液の入れ替わりを防止することができる。このため、該タングステンと洗浄液との界面では、式(3)に示す反応の平衡状態が保たれる。よって、イオン化したタングステン酸化物は飽和状態となる結果、タングステン酸化物が新たにイオン化されることはなくなるので、金属プラグ101の侵食を抑制することができる。
尚、図1(e)に示す第2の層間絶縁膜103上に付着した堆積ポリマー106については、第2の層間絶縁膜103上に十分な量の洗浄液が存在することと、洗浄液による第2の層間絶縁膜103の溶解速度がタングステンと比較して十分に早いこととを理由として、図5(b)に示す工程でシリコン基板100上に洗浄液を一定時間静止状態で保持することによって完全に除去することができる。
図6は、図5(a)に示す洗浄液吐出ステップにおける、洗浄液の吐出時間と金属プラグ(タングステンプラグ)101のエッチング深さとの関係を示している。尚、図6の結果は、洗浄液123の全吐出量を22[l/min]に設定して得られたものである。また、図6において、横軸は洗浄液吐出時間を示し、縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示す。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEMにより測定される。
図6に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制するためには、洗浄液の吐出時間を80秒以下に設定する必要がある。また、本実施形態においては、シリコン基板100の表面を十分に覆うことができるように洗浄液を供給する必要があるので、洗浄液の吐出時間を20秒以上に設定する必要がある。すなわち、本実施形態における洗浄液の好ましい吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下である。
第2の実施形態と同様に、図4は、洗浄液をシリコン基板100上に保持する工程(図5(b)に示す工程)における、洗浄液保持時間と、金属プラグ101のエッチング深さ及び第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106の除去性能のそれぞれとの関係を示している。すなわち、バッチ式の洗浄装置を用いた本実施形態の洗浄処理による洗浄性能は、枚葉式の洗浄装置を用いた第2の実施形態の洗浄処理による洗浄性能と同程度である。
尚、図4の結果は、図5(a)に示す洗浄液吐出ステップにおけるシリコン基板100に対する洗浄液204の吐出時間を40秒に設定して得られたものである。また、図4において、横軸は、シリコン基板100上に洗浄液を静止状態で保持した時間(洗浄液保持時間)を示し、左側の縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示し、右側の縦軸はポリマーの除去性能を示している。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEMにより測定される。また、ポリマーの除去性能は表面SEMにより測定される。
図4に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制すると共に第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106を除去するためには、洗浄液保持時間を100秒以上で且つ600秒以下に設定する必要がある。
ところで、除去しなければならない堆積ポリマーの形成状態は、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。従って、当然ながら最適な洗浄条件も、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。
そこで、本実施形態においては、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液204の供給量については、電子デバイスの製造方法に応じて、シリコン基板100の表面の単位面積当たり0.00014〜0.00106[l/cm2 ]の範囲から最適な条件を選択するものとする。ここで、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液204の供給量を前述の範囲から選択する理由は次の通りである。すなわち、バッチ式洗浄装置で使用される平均的な吐出量(1バッチを構成する全ウェハに対する吐出量)が後述のように15〜25[l/min]であるため、下限値15[l/min]及び上限値25[l/min]を、シリコン基板100となる直径12インチ(300mm)のシリコンウェハの最大処理枚数及び当該各ウェハの面積並びに60秒のそれぞれにより除して、単位面積当たり且つ単位時間(1秒)当たりの値に換算した後、換算された下限値に、後述する洗浄液204の吐出時間の最小値20秒を乗ずると共に、換算された上限値に、後述する洗浄液204の吐出時間の最大値80秒を乗ずる。
これにより、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100(直径300mmのシリコンウェハ)上への洗浄液204の供給量の最小値は、
15[l/min]/50[枚]/706.5[cm2 ]/60[sec ]×20[sec ]=0.00014[l/cm2
となる。
また、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100(直径300mmのシリコンウェハ)上への洗浄液204の供給量の最大値は、
25[l/min]/50[枚]/706.5[cm2 ]/60[sec ]×80[sec ]=0.00094[l/cm2
となる。
尚、シリコン基板100となる直径8インチ(200mm)のシリコンウェハの洗浄を想定する場合には、当該ウェハの最大処理枚数を100枚として、前記と同様の計算により、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100(直径200mmのシリコンウェハ)上への洗浄液204の供給量の最小値は、
15[l/min]/100[枚]/314[cm2 ]/60[sec ]×20[sec ]=0.000159[l/cm2
となる。
また、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100(直径200mmのシリコンウェハ)上への洗浄液204の供給量の最大値は、
25[l/min]/100[枚]/314[cm2 ]/60[sec ]×80[sec ]=0.00106[l/cm2
となる。
従って、シリコン基板100が直径300mmのシリコンウェハである場合及び直径200mmのシリコンウェハである場合のそれぞれを考慮して、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100上への洗浄液204の供給量については、シリコン基板100の表面の単位面積当たり0.00014〜0.00106[l/cm2 ]の範囲から最適な条件を選択するものとする。
また、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液204の吐出量(1バッチを構成する全ウェハに対する吐出量)については、洗浄工程のスループットを考慮しつつ前記の供給量を満たすように、15〜25[l/min]の範囲から最適な条件を選択するものとする。尚、当該範囲はウェハの直径に関わらず枚葉式洗浄装置の平均的な吐出量である。
同様に、図5(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液204の吐出時間についても、洗浄工程のスループットを考慮しつつ前記の供給量を満たすように、20〜80秒の範囲から最適な条件を選択するものとする(図6参照)。
尚、第3の実施形態において、シリコン基板100を保持する基板ホルダ203を2組備えた洗浄装置を用いた。しかし、シリコン基板100を回転させるに際してバランスが取れるように基板ホルダ203が配置されているのであれば、言い換えると、1つ又は複数の基板保持具をその重心又はそれらの重心を回転軸として回転させる構成を洗浄装置が有するのであれば、基板ホルダ203の数は特に限定されるものではない。また、本実施形態では、シリコン基板100を25枚1バッチとして1つの基板ホルダ203に保持したが、1バッチの枚数は特に限定されるものではない。さらに、本実施形態では、基板ホルダ203に収納可能な最大数のシリコン基板100を保持させたが、基板ホルダ203に、該最大数よりも少ない数のシリコン基板100を保持した場合にも、本実施形態の洗浄処理は実施可能である。
また、第3の実施形態における図5(b)に示す洗浄液の保持ステップにおいては、シリコン基板100上を覆う洗浄液を除去しない程度に、吐出ノズル202から例えば窒素等の不活性ガスを、シリコン基板100上を覆う洗浄液に向けて吐出することが好ましい。このようにすると、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分(超純水)の大気中への揮発を促進させることができるので、前述の式(3)に示す平衡反応におけるタングステン酸化物イオンの生成を抑制することができる。従って、第2の実施形態と同様に、金属プラグ101を構成するタングステンの侵食抑制効果を向上させることができる。また、シリコン基板100上を覆う洗浄液に不活性ガスを吹き付ける代わりに、処理チャンバー201内を減圧状態にすることによって、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分の大気中への揮発を促進した場合にも同様の効果が得られる。
また、第3の実施形態における図5(b)に示す洗浄液の保持ステップにおいて、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100の回転を完全に停止し、その後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液を静止状態でシリコン基板100上に保持した。しかし、これに代えて、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共にシリコン基板100を極小さい回転速度で回転させながら、シリコン基板100上に保持された洗浄液を揺動させてもよい。或いは、シリコン基板100上への洗浄液の供給を停止した後、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液を交互に静止させたり揺動させたりしてもよい。このように、シリコン基板100上に保持された洗浄液を揺動させることにより、第2の層間絶縁膜103に形成された配線溝105内の金属プラグ101に接する洗浄液の入れ替わりを防止しながら、第2の層間絶縁膜103上の洗浄液を撹拌することができるため、第2の層間絶縁膜103に付着した堆積ポリマー106の除去に要する洗浄時間をより一層短縮することが可能となる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法について、該洗浄方法を金属配線の形成工程に適用する場合を例として、図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態は、第1の実施形態における図1(e)に示す、堆積ポリマー106を除去するための基板洗浄処理の詳細内容に該当し、具体的には、図1(e)に示す基板洗浄処理を、基板となるウェハを垂直に保持すると共に該ウェハをその中心を回転軸として回転させる構成を有するバッチ式の基板洗浄装置において実施するものである。
図7(a)〜(e)は、第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。尚、図7(a)〜(e)はそれぞれ、処理チャンバー内部を、基板ホルダに保持されたシリコン基板の主面方向から見た様子を示している。
図7(a)に示すように、基板洗浄装置の処理チャンバー301内において、回転機構(図示省略)に接続された基板ホルダ302に、例えば口径8インチのシリコンウェハよりなり且つ金属プラグ101等の電子デバイスの構成要素が形成されたシリコン基板100が25枚を1バッチとして保持されている。また、処理チャンバー301内における基板ホルダ302に保持されたシリコン基板100の上方には、洗浄液や純水を吐出するための吐出ノズル303が設置されている。
基板洗浄処理においては、まず、図7(a)に示すように、複数のシリコン基板100を基板ホルダ302に保持した状態で、シリコン基板100をその中心を回転軸として例えば460rpmの回転速度で回転させる(回転方向は図7(a)に示す時計回りの矢印方向)。それと同時に、吐出ノズル303から各シリコン基板100に向けて、例えばフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液(以下、洗浄液と称する)304をスプレー状に吐出する。このとき、洗浄液304の全吐出量を例えば12[l/min]程度に設定する。すなわち、基板ホルダ302に25枚一組のシリコン基板100が設置されている場合において、シリコン基板100に対する洗浄液304の吐出量を、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり、例えば0.50[l/min/枚]程度に設定する。さらに、図7(a)に示す洗浄液304の吐出ステップは、シリコン基板100の表面全体を洗浄液304によって覆うことを目的としているため、シリコン基板100に対する洗浄液304の吐出時間を例えば20〜80秒に設定する。
次に、図7(b)に示すように、吐出ノズル303からシリコン基板100上への洗浄液の供給を停止すると共に、シリコン基板100をその中心を回転軸として例えば15rpmの回転速度で回転させる。尚、本実施形態においては、シリコン基板100は垂直に保持されているため、シリコン基板100の回転を完全に止めてしまうと、シリコン基板100上の洗浄液が落下してしまい、その結果、第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106を除去することができなくなる。そこで、本実施形態においては、図7(b)に示す工程で、シリコン基板100をその中心を回転軸として所定の小さい回転速度で回転させることによって、シリコン基板100の表面を覆う洗浄液の少なくとも一部分を例えば350秒間シリコン基板100上に保持する。このとき、吐出ノズル303からの新たな洗浄液の吐出を行なわない。
次に、図7(c)に示すように、シリコン基板100上に残留する洗浄液をシリコン基板100から振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させる。このとき、図7(c)に示すように、吐出ノズル303からシリコン基板100に向けて窒素305を吹き付ける。
次に、図7(d)に示すように、例えば460rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させながら、吐出ノズル303からシリコン基板100に向けて超純水306を吐出し、それによってシリコン基板100の表面に残留する洗浄液を除去する。次に、図7(e)に示すように、シリコン基板100上に残留する超純水を振り切るために、例えば800rpmの回転速度でシリコン基板100を回転させると共に吐出ノズル303からシリコン基板100に向けて窒素305を吐出することにより、シリコン基板100の乾燥処理を行なう。これにより、本実施形態の洗浄処理は終了する。
尚、以上に説明した本実施形態の洗浄処理の各ステップ(但し図7(b)に示す洗浄液の保持ステップを除く)におけるシリコン基板100の回転速度は例示であって特に限定されるものではない。
一方、本実施形態の図7(b)に示す洗浄液の保持ステップでは、ある程度の量の洗浄液がシリコン基板100上に保持されるよう、10〜30rpmの範囲の回転速度で回転させる。但し、本実施形態では、口径8インチのウェハをシリコン基板100として用いたが、シリコン基板100となるウェハの口径が変化した場合、図7(b)に示すステップで洗浄液をシリコン基板100上に保持できる最大回転速度は変化する。
図8は、本願発明者により求められた、シリコン基板となるウェハの口径と、該基板上に洗浄液を保持できる最大回転速度(最大回転数)との関係を示したグラフである。ここで、図8に示す結果は、シリコン基板上に吐出された洗浄液に働く遠心力に基づいて、シリコン基板上から洗浄液を振り切ることがない回転速度の最大値を求めたものである。また、図8において、縦軸はシリコン基板となるウェハの口径を示し、横軸は、シリコン基板上に洗浄液を保持できる最大回転速度を示している。
図8に示すように、現在主として使用されている口径8インチのウェハよりなるシリコン基板については、回転速度が20rpm以下であれば、シリコン基板上の洗浄液が遠心力により振り切られることはなく、それによって、堆積ポリマー除去に必要な量の洗浄液をシリコン基板上に保持することができる。また、今後主流になる口径10インチのウェハよりなるシリコン基板、及び口径6インチのウェハよりなるシリコン基板についてはそれぞれ、回転速度が18rpm以下及び25rpm以下であれば、シリコン基板上の洗浄液が遠心力により振り切られることはなく、それによって、堆積ポリマー除去に必要な量の洗浄液をシリコン基板上に保持することができる。
尚、使用する洗浄液の粘度、又は基板最表面(デバイス最表面)に形成された膜の洗浄液に対する濡れ性に依存して、基板上に洗浄液を保持できる最大回転速度は上昇するが、その場合でも回転速度を30rpm以下に設定すれば、シリコン基板上の洗浄液が遠心力により振り切られることはない。
また、シリコン基板100の回転を完全に止めてしまうと、重力によって洗浄液がシリコン基板上から落下してしまうことと、現在使用されている洗浄装置の回転制御性とを考慮すると、シリコン基板100の回転速度は10rm以上であることが望ましい。
以上のように、基板となるウェハの口径が変化した場合でも、洗浄液を基板上に保持するための回転速度を10〜30rpmの範囲に設定することによって、本実施形態の図7(b)に示す洗浄液の保持ステップを支障無く実施することができる。
本実施形態の洗浄処理においては、図7(a)に示す工程でシリコン基板100上に供給された洗浄液を、図7(b)に示す工程でシリコン基板100上に保持することにより、例えば配線溝105内に露出する金属プラグ101を構成するタングステンの近傍に存在する洗浄液の入れ替わりを防止することができる。このため、該タングステンと洗浄液との界面では、式(3)に示す反応の平衡状態が保たれる。よって、イオン化したタングステン酸化物は飽和状態となる結果、タングステン酸化物が新たにイオン化されることはなくなるので、金属プラグ101の侵食を抑制することができる。
尚、図1(e)に示す第2の層間絶縁膜103上に付着した堆積ポリマー106については、第2の層間絶縁膜103上に十分な量の洗浄液が存在することと、洗浄液による第2の層間絶縁膜103の溶解速度がタングステンと比較して十分に早いこととを理由として、図7(b)に示す工程でシリコン基板100上に洗浄液を一定時間保持することによって完全に除去することができる。
また、本実施形態の図7(b)に示す洗浄液の保持ステップでは、シリコン基板100を低速度で回転させているため、第2の層間絶縁膜103上に存在する洗浄液は常に移動しているため、第2又は第3の実施形態におけるシリコン基板100上に洗浄液を保持する工程でシリコン基板100上に保持された洗浄液を揺動させる場合と同様の効果が得られる。
第3の実施形態と同様に、図6は、図7(a)に示す洗浄液吐出ステップにおける、洗浄液の吐出時間と金属プラグ(タングステンプラグ)101のエッチング深さとの関係を示している。尚、図6の結果は、洗浄液304の全吐出量を12[l/min]に設定して得られたものである。すなわち、図6の結果は、シリコン基板100となるウェハ1枚当たりに対する洗浄液304の吐出量を0.5[l/min/枚]に設定して得られたものである。また、図6において、横軸は洗浄液吐出時間を示し、縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示す。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEMにより測定される。
図6に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制するためには、洗浄液の吐出時間を80秒以下に設定する必要がある。また、本実施形態においては、シリコン基板100の表面を十分に覆うことができるように洗浄液を供給する必要があるので、洗浄液の吐出時間を20秒以上に設定する必要がある。すなわち、本実施形態における洗浄液の好ましい吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下である。
図9は、図7(b)に示す、洗浄液をシリコン基板100上に保持する工程における、洗浄液保持時間と、金属プラグ101のエッチング深さ及び第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106の除去性能のそれぞれとの関係を示している。尚、図9の結果は、図7(a)に示す洗浄液吐出ステップにおけるシリコン基板100に対する洗浄液304の吐出時間を40秒に設定して得られたものである。また、図9において、横軸は、シリコン基板100上において洗浄液を保持した時間(洗浄液保持時間)を示し、左側の縦軸は金属プラグ101のエッチング深さを示し、右側の縦軸はポリマーの除去性能を示している。ここで、エッチング深さは、エッチング前の金属プラグ101の表面から、最も深くエッチングされた部分までの最大深さを意味し、断面SEMにより測定される。また、ポリマーの除去性能は表面SEMにより測定される。
図9に示すように、金属プラグ101を構成するタングステンの浸食を抑制すると共に第2の層間絶縁膜103上の堆積ポリマー106を除去するためには、洗浄液保持時間を200秒以上で且つ600秒以下に設定する必要がある。
ところで、除去しなければならない堆積ポリマーの形成状態は、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。従って、当然ながら最適な洗浄条件も、層間絶縁膜若しくはフォトレジストの種類又はドライエッチング条件等によって異なってくる。
そこで、本実施形態においては、電子デバイスの製造方法に応じて、図7(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液304の吐出量及び吐出時間のそれぞれについて、シリコン基板100となるウェハ1枚当たり0.20〜0.60[l/min/枚]の範囲、及び20〜80秒の範囲(図6参照)から最適な条件を選択するものとする。ここで、図7(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液304の吐出量を前述の範囲から選択する理由は次の通りである。すなわち、直径8インチ(200mm)のシリコンウェハを対象とするバッチ式洗浄装置(ウェハ垂直保持型)で使用される平均的な吐出量(1バッチを構成する全ウェハに対する吐出量)が5〜15[l/min]であるため、下限値5[l/min]及び上限値15[l/min]を、シリコン基板100となる直径200mmのシリコンウェハの処理枚数である25枚により除する。これにより、図7(a)に示す工程におけるシリコン基板100に対する洗浄液304の吐出量の最小値は0.20[l/min/枚]となり、当該吐出量の最大値は0.60[l/min/枚]となる。
尚、第4の実施形態における図7(b)に示す洗浄液の保持ステップにおいては、シリコン基板100上を覆う洗浄液を除去しない程度に、吐出ノズル303から例えば窒素等の不活性ガスを、シリコン基板100上を覆う洗浄液に向けて吐出することが好ましい。このようにすると、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分(超純水)の大気中への揮発を促進させることができるので、前述の式(3)に示す平衡反応におけるタングステン酸化物イオンの生成を抑制することができる。従って、金属プラグ101を構成するタングステンの侵食抑制効果を向上させることができる。また、シリコン基板100上を覆う洗浄液に不活性ガスを吹き付ける代わりに、処理チャンバー301内を減圧状態にすることによって、シリコン基板100上を覆う洗浄液に含まれる純水成分の大気中への揮発を促進した場合にも同様の効果が得られる。
また、第1〜第4の実施形態において、第1の層間絶縁膜102に金属プラグ101が埋め込まれていたが、金属プラグ101に代えて、金属配線が埋め込まれていても同様の効果が得られる。また、金属プラグ101の材料としてタングステンを用いたが、これに代えて、チタン、銅又はアルミニウム等を用いても同様の効果が得られる。
以下、本発明の各実施形態の洗浄方法を図1(a)〜(f)に示すデバイス構造に適用した場合と同様の洗浄効果が得られる、他のデバイス構造について図面を参照しながら説明する。
図10(a)及び(b)は、埋め込み配線形成のための溝パターン(配線溝)が形成されたデバイス構造の一例を示す断面図であり、図10(a)は概略構成を示す図であり、図10(b)は、図10(a)の領域Aの拡大図である。
図10(a)に示すように、例えばシリコンよりなる基板(図示省略)上の第1の層間絶縁膜102に、下層配線(図示省略)と後工程で形成する上層配線とを接続し且つ例えばタングステンよりなる金属プラグ101が埋め込まれている。ここで、図10(a)に示すデバイス構造と、図1(f)に示すデバイス構造とが異なっている点は、第1の層間絶縁膜102と金属プラグ101との間に密着層107が設けられていることである。
詳しくは、図10(b)に示すように、金属プラグ101が埋め込まれるホールの壁面となる第1の層間絶縁膜102に接するようにTi膜107Aが成膜されており、該Ti膜107Aの上に、タングステンとの密着性が良いTiN膜107Bが成膜されており、該TiN膜107Bの上に、金属プラグ101となるタングステン膜が成膜されている。すなわち、密着層107はTi膜107AとTiN膜107Bとの積層構造を有する。
図10(a)及び(b)に示す構造のデバイスに対して従来の洗浄方法を適用した場合、配線溝105の底部に露出しているタングステンのみならず、密着層107となるTiやTiNも溶解してしまう。それに対して、本発明の各実施形態の洗浄方法を適用した場合には、デバイス表面に露出した金属配線材料を溶解することなく、所望の構造を有するデバイスを製造することができる。
図11は、ハードマスクを用いてAl配線を形成する際のデバイス構造の他例を示す断面図である。
図11に示すように、例えばシリコンよりなる基板(図示省略)上の第1の層間絶縁膜102に、下層配線(図示省略)と後工程で形成する上層配線とを接続し且つ例えばタングステンよりなる金属プラグ101が密着層107を介して埋め込まれている。また、第1の層間絶縁膜102の上及び金属プラグ101の上には、Al−Si−Cu層108、及び反射防止膜となるTiN膜109が順次形成されている。さらに、第2のTiN膜109の上には、Al−Si−Cu層108を所望の配線パターンに加工するための酸化膜からなるハードマスク110が形成されている。
図11に示す構造のデバイスに対して従来の洗浄方法を適用した場合、ハードマスク110の開口部(溝パターン)に露出しているTiN膜109及びその下側のAl−Si−Cu層108が溶解してしまう。それに対して、本発明の各実施形態の洗浄方法を適用した場合には、デバイス表面に露出した金属配線材料を溶解することなく、所望の構造を有するデバイスを製造することができる。
また、第1〜第4の実施形態において、金属配線上の第2の層間絶縁膜103に配線溝(溝パターン)105を形成したが、これに代えて、コンタクトホールを形成する場合であっても、該ホールの開口面積や深さによっては、本発明の各実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1〜第4の実施形態において、洗浄液として、フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液を用いたが、洗浄液の種類が特に限定されないことは言うまでもない。
以上に説明したように、本発明は、電子デバイス製造に用いられる洗浄方法に関し、特に、フッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有する薬液を使用した基板洗浄処理に適用した場合、金属配線の侵食を防ぎつつ層間絶縁膜に付着した堆積ポリマーを除去できるという効果が得られ、非常に有用である。
(a)〜(f)は本発明の第1〜第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の適用対象となる金属配線の形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の洗浄液吐出ステップにおける、洗浄液吐出時間と金属プラグのエッチング深さとの関係を示す図である。 本発明の第2及び第3の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の洗浄液保持ステップにおける、洗浄液保持時間と、金属プラグのエッチング深さ及び層間絶縁膜上の堆積ポリマーの除去性能のそれぞれとの関係を示す図である。 (a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。 本発明の第3及び第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の洗浄液吐出ステップにおける、洗浄液吐出時間と金属プラグのエッチング深さとの関係を示す図である。 (a)〜(e)は本発明の第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。 本願発明者により求められた、基板となるウェハの口径と、該基板上に洗浄液を保持できる最大回転速度(最大回転数)との関係を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法の洗浄液保持ステップにおける、洗浄液保持時間と、金属プラグのエッチング深さ及び層間絶縁膜上の堆積ポリマーの除去性能のそれぞれとの関係を示す図である。 (a)及び(b)は本発明の各実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法を有効に適用することができるデバイス構造の一例を示す断面図であり、(a)は概略構成を示す図であり、(b)は(a)の領域Aの拡大図である。 本発明の各実施形態に係る電子デバイスの洗浄方法を有効に適用することができるデバイス構造の他例を示す断面図である。 (a)〜(f)は、従来の配線形成方法における下層配線と上層配線とを接続するためのコンタクトホールの形成方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(d)は従来の電子デバイスの洗浄方法の各工程を示す模式図である。 (a)〜(f)は従来の埋め込み配線形成方法の各工程を示す断面図である。
符号の説明
100 シリコン基板
101 金属プラグ
102 第1の層間絶縁膜
103 第2の層間絶縁膜
104 レジストパターン
105 配線溝
106 堆積ポリマー
107 密着層
107A Ti膜
107B TiN膜
108 Al−Si−Cu層
109 TiN膜
110 ハードマスク
121 ステージ
122 吐出ノズル
123 洗浄液
124 窒素
125 超純水
201 処理チャンバー
202 吐出ノズル
203 基板ホルダ
204 洗浄液
205 超純水
206 窒素
301 処理チャンバー
302 基板ホルダ
303 吐出ノズル
304 洗浄液
305 窒素
306 超純水

Claims (13)

  1. 金属配線が設けられていると共に該金属配線の少なくとも一部分が露出している基板上に薬液を供給し、該薬液によって前記基板の表面を覆う第1の工程と、
    前記第1の工程よりも後に、前記基板上への前記薬液の供給を停止して、前記基板の表面を覆う前記薬液の少なくとも一部分を前記基板上に保持する第2の工程と、
    前記第2の工程よりも後に、前記基板の表面を覆う前記薬液を除去する第3の工程とを備えていることを特徴とする電子デバイスの洗浄方法。
  2. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程は、前記基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施され、
    前記第2の工程は、前記基板上に前記薬液を静止状態で保持する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  3. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程は、前記基板を水平に保持する構成を有する洗浄装置において実施され、
    前記第2の工程は、前記基板上に保持された前記薬液を揺動させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  4. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程は、前記基板を水平に保持すると共に前記基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、
    前記第1の工程における前記基板上への前記薬液の供給量は、前記基板の表面の単位面積当たり0.00032[l/cm2 ]以上で且つ0.00287[l/cm2 ]以下であり、
    前記第2の工程における前記基板上での前記薬液の保持時間は100秒以上で且つ600秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  5. 前記第1の工程における前記基板に対する前記薬液の吐出量は、前記基板となるウェハ1枚当たり0.30[l/min/枚]以上で且つ0.90[l/min/枚]以下であり、
    前記第1の工程における前記基板に対する前記薬液の吐出時間は20秒以上で且つ60秒以下であることを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  6. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程は、前記基板となるウェハを少なくとも2枚以上水平に保持する基板保持具を有すると共に該基板保持具をその重心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、
    前記第1の工程における前記基板上への前記薬液の供給量は、前記基板の表面の単位面積当たり0.00014[l/cm2 ]以上で且つ0.00106[l/cm2 ]以下であり、
    前記第2の工程における前記基板上での前記薬液の保持時間は100秒以上で且つ600秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  7. 前記第1の工程における前記洗浄装置の前記基板に対する前記薬液の吐出量は、15[l/min]以上で且つ25[l/min]以下であり、
    前記第1の工程における前記基板に対する前記薬液の吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下であることを特徴とする請求項6に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  8. 前記第1の工程、前記第2の工程及び前記第3の工程は、前記基板を垂直に保持すると共に前記基板をその中心を回転軸として回転させる構成を有する洗浄装置において実施され、
    前記第2の工程は、前記基板を10rpm以上で且つ30rpm以下の回転速度で回転させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  9. 前記第1の工程における前記基板に対する前記薬液の吐出量は、前記基板となるウェハ1枚当たり0.20[l/min/枚]以上で且つ0.60[l/min/枚]以下であり、
    前記第1の工程における前記基板に対する前記薬液の吐出時間は20秒以上で且つ80秒以下であり、
    前記第2の工程における前記基板上での前記薬液の保持時間は200秒以上で且つ600秒以下であることを特徴とする請求項8に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  10. 前記薬液はフッ素化合物及び水溶性有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  11. 前記第2の工程は、前記基板上に保持された前記薬液に不活性ガスを吹き付ける工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  12. 前記金属配線上に溝状の開口部を有する絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
  13. 前記金属配線は、W、Ti、Cu及びAlのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの洗浄方法。
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