JP2006079757A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Soichi Oikawa
壮一 及川
Takayuki Iwasaki
剛之 岩崎
Tomoyuki Maeda
知幸 前田
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Abstract

【課題】 磁気記録媒体に記録された情報を読み出す際のS/N比を向上させ、高密度記
録を行なうことが可能な磁気記録媒体及び磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る磁気記録媒体及び磁気記録再生装置は、基板と、前記基板上
に形成した下地層と、前記下地層上に形成した磁気記録層とを有し、前記磁気記録層は、
円形で大きさの揃った非晶質により分割された磁性粒子の集合体であるクラスタを、前記
下地層面に一様に六方格子状の最密構造で規則配列させるとともに、前記クラスタ間に母
材を配置し、前記クラスタ間を分離して、前記磁性粒子の結晶軸が、前記下地層の結晶配
向に比較して特定の方向に配向することで、S/N比を向上させ高密度記録を可能とする

【選択図】 図6

Description

この発明は、情報の記録・再生を行なうための磁気記録再生装置に用いられる磁気記録
媒体及び磁気記録媒体を有する磁気記録再生装置に関する。
近年のコンピュータの処理速度向上に伴って、情報の記憶・再生を行なう磁気記録再生
装置(HDD)には高速・高密度化が要求されている。しかしながら、高密度化には物理
的な限界がある。
磁気記録再生装置では、高密度記録を行なうためには磁性体層に記録される磁区を小さ
くする必要がある。小さな記録磁区を磁気的に識別するためには磁区間の境界が滑らかで
あることが必要であり、そのためには磁区を構成する磁性粒子を微小化する必要がある。
また、高密度記録を行なうためには磁性体層の膜厚も小さくする必要があり、従って磁性
体層の各磁区を構成する磁性粒子の体積は小さくなる。
しかし、磁性粒子を微小化すると、各磁性粒子の有する磁気異方性エネルギー(磁気異
方性エネルギー密度×磁性粒子体積)が熱揺らぎエネルギーよりも小さくなってしまう可
能性がある。磁性粒子の磁気異方性エネルギーが熱揺らぎエネルギーよりも小さくなって
しまうと、熱揺らぎによって任意の位置の磁性粒子が反転しまうために媒体ノイズが増加
してS/N比が低下するだけでなく、もはや磁区を保持することができなくなる。熱揺ら
ぎによる磁化の反転の程度は、磁気異方性エネルギーと熱揺らぎエネルギーとの間のエネ
ルギー差に対して指数的に変化する。つまり、磁気異方性エネルギーが熱揺らぎエネルギ
ーよりもわずかに大きくなるように個々の磁性粒子の粒径を調整すれば、熱揺らぎによる
S/N比の低下および磁化の反転を実用上避けることができる。従って、磁性粒子の粒径
を調整してS/N比の低下および磁化の反転を防ぐためには、個々の磁性粒子の粒径をで
きるだけ小さくするとともに、粒径のばらつきをできる限り小さくして不必要に粒径の小
さな磁性粒子が存在しないようにすることが必要である。
しかしながら、従来行われてきたようなスパッタ法によって磁性体の連続薄膜を作製す
る方法では、磁性粒子の粒径を直接的に調整することができず、磁性粒子を一様に小さく
することは困難であった。また、スパッタ法で磁性体の連続薄膜を作製する代わりに、半
導体プロセス等の研究で使われている電子線描画によって磁性体薄膜を直接加工すること
も行われている。これは、磁性材料を電子線によって人工的に「切る」ことによって磁性
粒子を作製するため、粒径および粒径のばらつきが小さな磁性粒子を作製することができ
る。また、電子線描画を使ってディスク全面にわたりコヒーレントに磁性粒子を配列させ
たような場合には、通常のランダムに磁性粒子が配置している場合に比べて、磁化転移部
から来るノイズやジッタ、サイドライティング等の問題が小さくなることが報告されてい
る(R.White:Data Storage,September 1997,p.
55)。しかしながら、電子線描画はコストおよび時間がかかるため、磁気記録媒体を低
コストで大量生産する用途には適用できない。
また、近年、粒子径約4nmで、かつ分散もほとんどないFePt粒子を規則配列させ
たという報告がなされたが、その結晶配向はランダムであった。
大まかには、磁化容易軸が膜面内方向を向けば現行の長手媒体,垂直方向を向けば垂直
媒体と分類されるほど結晶軸の配向を制御する意味は大きいが、それぞれの媒体において
も、配向分散を小さく抑えるほどSNRmが改善される傾向が明らかになってきているこ
とからも、結晶配向の制御は非常に重要である。
粒径や配列を制御した上で配向も制御できる方法としては、例えば配向した下地層上に
空孔を形成してその上から金属粒子を埋め込む方法などがいくつも報告されている(例え
ばUSP6,719,841など)。しかしながら、大抵はプロセスの都合上空孔の径が
大きく、埋め込みやすくはあるが磁性粒子径が大きいために、粒子径や配列が制御できて
いても、現行の媒体よりも低い特性しか得られない。空孔の形成は触媒の分野などでも盛
んに研究が行われており、直径6nm以下という報告もあるが、その埋め込みは、スパッ
タやメッキといった通常考え得る方法では極めて困難であった。
米国特許第6,719,841明細書(図1、概要)
本発明の目的は、S/N比を向上させ高密度記録を行なうことが可能な磁気記録媒体及
び磁気記録再生装置を提供することである。
上述の課題を解決するために、この発明に係る磁気記録媒体は、基板と、前記基板上に
形成した下地層と、前記下地層上に形成した磁気記録層とを有し、前記磁気記録層は、円
形で大きさの揃った非晶質により分割された磁性粒子の集合体であるクラスタを、前記下
地層面に一様に六方格子状の最密構造で規則配列させるとともに、前記クラスタ間に母材
を配置し、前記クラスタ間を分離して、前記磁性粒子の結晶軸が、前記下地層の結晶配向
に比較して特定の方向に配向することを特徴とするものである。
また、この発明に係る磁気記録再生装置は、基板と、前記基板上に形成した下地層と、
前記下地層上に形成した磁気記録層を有する磁気記録媒体であって、前記磁気記録層は、
円形で大きさの揃った非晶質により分割された磁性粒子の集合体であるクラスタを、前記
下地層面に一様に六方格子状の最密構造で規則配列させるとともに、前記クラスタ間に母
材を配置し、前記クラスタ間を分離して、前記磁性粒子の結晶軸が、前記下地層の結晶配
向に比較して特定の方向に配向する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の磁気記録層に情
報を記録する記録ヘッドと、前記磁気記録層に記録された情報を再生するための再生シー
ルドギャップを有する再生ヘッドとを有し、前記再生ヘッドの再生シールドギャップの間
隔が前記磁気記録層の前記クラスタの直径よりも大きいことを特徴とするものである。
この発明によれば、上記のような構成をとることにより、S/N比を向上させ高密度記
録を行なうことが可能な磁気記録媒体及び磁気記録再生装置を提供することが可能となる
以下、図面を参照して、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明に係る磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。磁気ディスク10は
スピンドル11に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示し
ないモータにより回転する。一方、アクチュエータアーム12が固定軸13に取り付けら
れ、サスペンション14およびその先端のヘッドスライダー15を支持している。磁気デ
ィスク10が回転すると、ヘッドスライダー15の媒体対向面は磁気ディスク10の表面
から所定量浮上した状態で保持され、情報の記録/再生を行なう。アクチュエータアーム
12の基端にはリニアモータの1種であるボイスコイルモータ16が設けられている。
ボイスコイルモータ16はアクチュエータアーム12のボビン部に巻き上げられた図示
しない駆動コイルとこのコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向
ヨークからなる磁気回路とを含む。アクチュエータアーム12は固定軸13の上下2個所
に設けられた図示しないボールベアリングによって支持され、ボイスコイルモータ16に
より回動するようになっている。
図1に示した磁気ディスク10のような磁気記録媒体は、基板上に磁気記録層が形成さ
れた構造を有する。基板と磁気記録層との間には下地層(シード層)が形成されていても
よい。磁気記録層上には保護層が形成されていてもよい。
図2に本発明の磁気記録再生装置における媒体と記録/再生ヘッドとの位置関係を模式
的に示す。図2ではディスク表面の一部に形成された1つのトラック20を示している。
トラック20はトラック幅Wtを有する。ヘッドスライダー15の先端部には記録/再生
ヘッド30が形成されている。
ディスクの回転によりヘッドスライダー15がディスクとの間に一定距離を保って浮上
し、記録/再生ヘッド30はディスクに対して相対的に移動する。記録ヘッドから発せら
れる磁界によりトラック20上に一連の記録セル(記録磁区)21が形成され、情報が記
録される。一方、再生ヘッドがトラック20上に形成された記録セル21を走査すること
により、記録された情報が再生される。
図3に再生ヘッドおよび記録ヘッドのトラック幅の関係を模式的に示す。図3において
、31aおよび31bは再生ヘッドの磁極、32aおよび32bは記録ヘッドの磁極を示
す。図3に示すように、再生ヘッドのトラック幅Wrは記録ヘッドのトラック幅Wwより
も狭くなっている。これは、トラック端における磁区の乱れが再生信号に及ぼす影響を除
くためである。この記録ヘッドは単磁極型の垂直磁気記録ヘッドである。
次に図4乃至図6を用いて本発明の一実施形態に係る磁気記録媒体の構造について説明
する。は、本発明に係る磁気記録媒体の一例を示す平面図である。
<本実施形態に用いる磁気記録媒体の基板>
基板60としては、例えばガラス基板、Al系合金基板、セラミック、カーボンや、酸
化表面を有するSi単結晶基板、及びこれらの基板にNiP等のメッキが施されたもの等
を用いることができる。
ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスがあり、アモルファスガラス
としては汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結
晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。セラミック基板と
しては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結
体や、これらの繊維強化物などが使用可能である。
基板60としては、上記金属基板、非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いて
NiP層が形成されたものを用いることもできる。また、基板60上への薄膜の形成方法
として以下に述べる実施形態では、スパッタリング法のみを取り上げたが、真空蒸着法や
電解メッキ法などでも同様の効果を得ることができる。
<本実施形態に用いる磁気記録媒体の軟磁性層>
本実施形態では、高透磁率である軟磁性(裏打ち)層61を設けることにより、軟磁性
(裏打ち)層61上に垂直磁気記録層64を有する、いわゆる垂直二層媒体が構成される
。この垂直二層媒体において、軟磁性(裏打ち)層61は、垂直磁磁気記録層64を磁化
するための磁気ヘッド15、例えば単磁極ヘッドからの記録磁界を、水平方向に通して、
磁気ヘッド15側へ還流させるという磁気ヘッド15の機能の一部を担っており、磁界の
記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる役目を果たし得る
軟磁性(裏打ち)層61には、Fe、Ni、Coを含む材料を用いることができる。こ
のような材料として、FeCo系合金、例えばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合
金例えばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、
FeSi系合金例えばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiR
u、FeAlOなど、FeTa系合金例えばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、F
eZr系合金例えばFeZrNなどを挙げることができる。
また、Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZr
N等の微結晶構造、あるいは微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構
造を有する材料を用いることも可能である。
また、軟磁性(裏打ち)層61の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、
Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることができる。Coは
、好ましくは80at%以上含まれるのがよい。このようなCo合金は、スパッタ法によ
り製膜した場合にアモルファス層が形成されやすく、アモルファス軟磁性材料は、結晶磁
気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示す。また、このアモ
ルファス軟磁性材料を用いることにより、媒体の低ノイズ化を図ることができる。
好適なアモルファス軟磁性材料としては、例えばCoZr、CoZrNb、及びCoZ
rTa系合金などを挙げることができる。
<本実施形態に用いる磁気記録媒体の垂直磁気記録層>
本実施形態における垂直磁気記録層64は、Coを主成分とするとともに少なくともP
tを含み、さらに酸化物を含んだ材料からなり、この酸化物としては、特に酸化シリコン
,酸化チタンが好適である。
垂直磁気記録層64は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)41が分散している
ことが好ましい。この磁性粒子41は、垂直磁気記録層64を上下に貫いた柱状構造であ
ることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層64の磁性粒
子41の配向および結晶性を良好なものとし、高密度記録に適した信号/ノイズ比(S/
N比)が得ることができる。
このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。酸化物の含有量
は、Co、Cr、Ptの総量に対して、3mol%以上12mol%以下であることが好
ましい。さらに好ましくは5mol%以上10mol%以下である。垂直磁気記録層64
中の酸化物の含有量として上記範囲が好ましいのは、層64を形成した際、磁性粒子41
の周りに酸化物が析出し、磁性粒子41の孤立化、微細化をすることが可能となるためで
ある。
酸化物の含有量が上記範囲を超えた場合、酸化物が磁性粒子41中に残留し、磁性粒子
41の配向性、結晶性を損ね、さらには、磁性粒子41の上下に酸化物が析出し、結果と
して磁性粒子41が垂直磁気記録層64を上下に貫いた柱状構造が形成されなくなるため
好ましくない。また、酸化物の含有量が上記範囲未満である場合、磁性粒子41の分離、
微細化が不十分となり、結果として記録再生時におけるノイズが増大し、高密度記録に適
した信号/ノイズ比(S/N比)が得られなくなるため好ましくない。
垂直磁気記録層64のCrの含有量は、0at%以上16at%以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは10at%以上14at%以下である。Cr含有量が上記範囲で
あるのは、磁性粒子41の一軸結晶磁気異方性定数Kuを下げすぎず、また、高い磁化を
維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られるた
めに好適だからである。
Cr含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子41のKuが小さくなるため熱揺らぎ特
性が悪化し、また、磁性粒子41の結晶性、配向性が悪化することで、結果として記録再
生特性が悪くなるため好ましくない。
垂直磁気記録層64のPtの含有量は、10at%以上25at%以下であることが好
ましい。Pt含有量が上記範囲であるのは、垂直磁気記録層64に必要なKuを得、さら
に磁性粒子41の結晶性、配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ
特性、記録再生特性が得られるため、好適だからである。
Pt含有量が上記範囲を超えた場合、磁性粒子中にfcc構造の層が形成され、結晶性
、配向性が損なわれるおそれがあるため好ましくない。また、Pt含有量が上記範囲未満
である場合、高密度記録に適した熱揺らぎ特性を得るためのKuが得られないため好まし
くない。
垂直磁気記録層64は、Co、Cr、Pt、酸化物のほかに、B、Ta、Mo、Cu、
Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reから選ばれる1種類以上の元素を含むことがで
きる。上記元素を含む事により、磁性粒子41の微細化を促進、あるいは結晶性や配向性
を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性を得るこ
とができる。
上記元素の合計の含有量は、8at%以下であることが好ましい。8at%を超えた場
合、磁性粒子41中にhcp相以外の相が形成されるため、磁性粒子41の結晶性、配向
性が乱れ、結果として高密度記録に適した記録再生特性、熱揺らぎ特性が得られないため
好ましくない。
また、垂直磁気記録層64としては、上記の他、CoPt系合金、CoCr系合金、C
oPtCr系合金、CoPtO、CoPtCrO、CoPtSi、CoPtCrSi,お
よびPt、Pd、Rh、およびRuからなる群より選択された少なくとも一種を主成分と
する合金とCoとの多層構造、さらに、これらにCr、BおよびOを添加したCoCr/
PtCr、CoB/PdB、CoO/RhOなどを使用することができる。
垂直磁気記録層64の厚さは、好ましくは5ないし60nm、より好ましくは10ない
し40nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置として
動作し得る。垂直磁気記録層64の厚さが5nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイ
ズ成分の方が高くなる傾向があり、垂直磁気記録層64の厚さが40nmを超えると、再
生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。
垂直磁気記録層64の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすること
が好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性
が劣る傾向がある。
垂直磁気記録層64の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が
0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
<本実施形態に用いる磁気記録媒体の保護層>
垂直磁気記録層64上には、保護層65を設けることができる。
保護層は、垂直磁気記録層64の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッド15が磁気記録媒体
10に接触したときに磁気記録媒体10表面の損傷を防ぐ目的設けられる。その材料とし
ては、例えばC、SiO2、ZrO2を含むものがあげられる。
保護層65の厚さは、1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、磁気ヘッ
ド15と磁気記録媒体10の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。
また、保護層65上には、図示しない潤滑層を設けることも可能である。
潤滑層に使用される潤滑剤としては、従来公知の材料、例えばパーフルオロポリエーテ
ル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
<本実施形態に用いる磁気記録媒体を搭載する磁気記録再生装置>
図1は、本実施形態に係わる磁気記録再生装置を示す外観斜視図である。この磁気記録
再生装置は、筐体の内部に磁気記録媒体である磁気ディスク10と、磁気ヘッド15と、
磁気ヘッド15を搭載するアクチュエータアーム12と、このアクチュエータアーム12
を駆動するボイルコイルモータ16と回路基板とを備えている。
磁気ディスク10はスピンドルモータ11に取り付けられて回転され、垂直磁気記録方
式により各種のディジタルデータが記録される。磁気ヘッド15は、いわゆる複合型ヘッ
ドであり、単磁極構造の記録ヘッド32a、32bと、GMR膜やTMR膜などを用いた
再生ヘッド31aとが共通のスライダ機構に搭載される。再生ヘッド31aにはシールド
型MR再生素子などが用いられる。
アクチュエータアーム12は、磁気ヘッド15を磁気ディスク10の記録面に対向支持
する。アクチュエータアーム12はボイスコイルモータ(VCM)16により、アクチュ
エータアーム12及びサスペンション14を介して磁気ヘッド15を磁気ディスク10の
任意の半径位置に位置決めする。回路基板にはヘッドICを備え、アクチュエータアーム
12の駆動信号および、磁気ヘッド15を読み書き制御するための制御信号などを生成す
る。
<第1の実施例>
<垂直磁気記録媒体の作製>
非磁性基板60として、ディスク状の洗浄済みのガラス基板60(オハラ社製、外直径
2.5インチ)を用意した。このガラス基板60をマグネトロンスパッタ装置(アネルバ
社製C−3010)の製膜チャンバ内に収容して、到達真空度2×10のマイナス5乗P
a以下となるまで製膜チャンバ内を排気した後、(特に記載がなければ主に)ガス圧約0
.6PaのAr雰囲気中で以下のように、スパッタリングを順次行なった。
非磁性基板60上に、まず、軟磁性層裏打ち層61として厚さ200nmのCoZrN
b合金を形成した。
次に、厚さ5nmのTiシード層62、厚さ20nmのRu下地層63を順次積層した

ここで、粒子径20nmのポリスチレン(PS)粒子51と粒子径5nmのチタニア(
TiO2)粒子52を水溶液に分散させた溶液を作製した。これをRu下地層63上に塗
布した後、所定の時間乾燥させて、図5に示すように、PS粒子51が単層の最密構造で
規則配列し、そのPS粒子51間にTiO2粒子52が詰まったPS−TiO2膜を作製
した。
このようにして基板60上に形成した薄膜を400℃以上まで加熱して、PS粒子51
を十分に気化させ、かつTiO2粒子52をRu下地層63上に固化させて、PS粒子5
1があった部分が空孔(ポア)となったポーラス膜を作製した。
この例では、二種類の粒子としてポリスチレン(PS)51とチタニア(TiO2)5
2を用いたが、これ以外の物質、例えば、ポリスチレン(PS)51をアクリル粒子など
の有機物とし、チタニア(TiO2)52粒子をシリカ、アルミナや、セラミック粒子と
しても同様の効果が得られる。また、この例では加熱によりPS粒子51を気化させたが
、酸素ガスを用いてスパッタエッチを行なうことによりPS粒子51を除去しても良く、
ポリスチレン(PS)51を金属とすれば、加熱することなく金属の溶解によってもポア
を形成することもできる。その他、二種類の粒子の溶液を塗布する方法以外に、アルミを
蒸着させて陽極酸化するなどの方法を用いてポアを形成しても良い。
その後、再び製膜チャンバ内に戻して、Ar雰囲気中で逆スパッタ(薄膜側をスパッタ
)を行った。この工程は、一度大気や溶液に曝したことにより薄膜表面に形成/付着した
と考えられる膜/不純物などを除去、およびポアの底抜きをしてRu下地層63の清浄な
表面を露出させる効果がある。
この上に、基板60側にバイアス電圧を印加した状態で、(Co−16at%Pt−1
0at%Cr)−8mol%SiO2コンポジットターゲットのスパッタを行い、垂直磁
気記録層64を形成した。バイアス電圧を印加しなくても、TiO2粒子52から作られ
たポーラス膜とRu下地層63に対するCoPtCr磁性粒子41の結合エネルギー差か
ら、磁性粒子41がポア内のRu63上に選択的に成長することも期待できるが、バイア
ス電圧を印加することにより、ポア上部に付着した原子のスパッタによる除去やArイオ
ンによるミキシングなどにより、ポア内に磁性粒子41を埋め込む効果が期待できる。
続いて、CVDにより厚さ3nmのC保護層65を積層した。
上述のようにスパッタリングに供された基板60を、製膜チャンバから取り出し、ディ
ッピング法により、保護層65上に厚さ1.3nmのパーフルオロポリエーテルからなる
図示しない潤滑層を形成して、垂直磁気記録媒体10を得た。
<垂直磁気記録媒体の分析>
得られた垂直磁気記録媒体10における垂直磁気記録層64の平面TEM観察を行った
ところ、図4のように、アモルファス状の粒界層42を持つ複数の結晶粒子41(平均す
ると粒径は約6nm)がほぼ円形のクラスタ43を成し(クラスタ43径はおよそ20n
m)、そのクラスタ43は六方格子状に規則配列しており、上述した作製方法により規則
配列したポア内に磁性粒子41のグラニュラが埋め込まれた様子を確認することができた
図4に示すように、クラスタ43内の結晶粒子41間およびクラスタ43間には厚みが
あり、EDX分析を行ったところ、結晶粒子41間およびクラスタ43間ともO(酸素)
が多く検出され、また、結晶粒子41間ではほとんど検出されなかったTiがクラスタ4
3間には多く含まれており、さらに、クラスタ43の周辺ではCが検出された。このこと
から、クラスタ43間の領域がTiO2粒子(クラスタ母材)44から作られた状態のま
ま残っていることが確認でき、また、PS粒子51を気化させた際にその主成分であるC
の一部が気化せずに残ったものと推測される。
また、磁気記録媒体10の断面TEM観察を行ったところ、図6の断面図に示すように
、Ru下地層63および垂直磁気記録層64とも結晶粒子は柱状に成長しており、基本的
に下地層粒子1個の上に記録層粒子1個が成長していて、格子縞からそれらの間にはエピ
タキシー関係が認められた。
さらに,XRDを用いてθ−2θスキャンを行ったところ、Ru(00.2)およびC
oPtCr−SiO2記録層64の(00.2)からの回折ピークが観測され、基板60
からの反射を除くと、これら以外の明確なピークは観測されなかった。このことからも、
下地層63上に記録層64がエピタキシャル成長していることが裏付けられる。さらに、
記録層64のピークについてロッキングカーブの測定を行ったところ、半値全幅デルタθ
50は、6.3度と結晶軸の分散は小さく、良好な結晶配向が得られていることが分かっ
た。
磁気特性に関しては、まずVSMを用いて膜面垂直方向に磁界Hを印加したときの磁化
曲線を測定したところ、H=Hcにおける磁化曲線の傾きはほぼ4πMs(Ms:飽和磁
化)であった。さらに、保磁力Hcの掃引時間依存性から(Sharrockの方法によ
り)vKu/kT(Ku:一軸磁気異方性定数、k:ボルツマン定数、T:温度)を計算
し、トルク磁力計により測定したKuの値を用いて、磁化の反転単位である活性化体積v
の大きさを求めたところ、記録層64厚で除した磁化反転単位径は約20nmであった。
これらの結果から、クラスタ43内の磁性粒子41は一斉に反転し、磁化反転の単位はク
ラスタ43であって、クラスタ43間の磁気的相互作用は弱いかほとんどなく、少なくと
も相対的にクラスタ43内の磁性粒子41間の相互作用は強いものと推定される。
記録再生特性に関しては、リードライトアナライザ(米国GUZIK社製1632)お
よびスピンスタンド(S1701MP)を用いて評価を行った。また、記録再生用のヘッ
ドは、記録部に飽和磁束密度約2Tを有する単磁極ヘッド、および再生素子に巨大磁気抵
抗効果を利用し、再生シールドギャップは約100nmであるヘッドを用いた。再生信号
出力/媒体ノイズ比(線記録密度約50kFCIにおける振幅/線記録密度約400kF
CIにおける2乗平均値;以降SNRm)を求めたところ、23.4dBという良好な値
が得られた。さらに、この記録媒体10に対して線記録密度約100kFCIの信号を記
録し、熱揺らぎによる出力劣化(Thermal Decay:以降TDと称する)の評
価を行った。記録操作終了後から100,000秒の間、再生出力を定期的に測定したが
、再生出力の低下は測定誤差の範囲内であり、信号減衰率としてはほぼ0dB/deca
deであった。
<比較例1〜標準的な垂直媒体との比較>
<クラスタ径の均一化と規則配列の効果>
比較例1においては、上記実施形態の媒体と同様にRu下地層63の形成後、溶液の塗
布からポーラス膜の形成および逆スパッタを行なわなかった以外は、同様にして作製し垂
直磁気記録媒体を得た。つまり、磁化反転単位径や規則配列のための加工を何ら行ってい
ない一般的なスパッタ製膜による媒体である。
この比較例1の垂直磁気記録層の平面TEM観察を行ったところ、アモルファス状の粒
界層を持つ多数の結晶粒子が不規則ではあるが一様に広がったグラニュラ構造が形成され
ており、粒径の分布を計算したところ平均粒径は約6nmで標準偏差は1.5nm程度で
、かつ粒界層の厚みも1〜2nmと上記実施形態のクラスタ43内の微細構造とほぼ同様
であった。
磁気特性に関しては、まずVSMを用いて上記実施形態と同様に磁化曲線を測定したと
ころ、その傾きは4πMsより大きかった。さらに、上記実施形態と同様にして活性化体
積vの大きさを求めたところ、記録層厚で除した磁化反転単位径は約14nmであった。
これらの結果から、磁性粒子間にはある程度の磁気的相互作用が働いており、粒子径の分
散や配列の不規則性も考慮すると、磁化が反転する単位(磁気的クラスタ)の大きさにも
バラツキがあるものと推定される。なお、上記実施形態と比較例1では、記録層64の製
膜条件も微細構造もほぼ同じなので、上記実施形態におけるクラスタ43内の相互作用は
、この比較例1とほぼ同等と考えられる。
記録再生特性に関しても、上記実施形態と同様にして評価を行ったところ、SNRmは
21.8dB,TDは−0.05dB/decadeであった。比較例1の方が反転単位
の微細化が進んでいるにも関わらず、上記実施形態の方が高いSNRmが得られたのは、
反転単位径の均一化と規則配列の効果と考えられる。熱揺らぎ耐性の低下については、反
転単位の微細化だけではなく、径分散により径の小さい磁気クラスタの反転も一因と考え
られる。
<比較例2>
<クラスタ内がグラニュラの効果>
次に比較例2において、上記実施形態と同様にポーラス膜表面の逆スパッタ後、CoP
tCr−SiO2コンポジットターゲットではなく、SiO2を含まないCoPtCr合
金のみのターゲットを用いてスパッタを行った以外は、同様にして作製し垂直磁気記録媒
体を得た。
垂直磁気記録層の平面TEM観察を行ったところ、複数の結晶粒子がほぼ円形のクラス
タを成し、六方格子状に規則配列していて、ポア内への磁性粒子の埋め込みに成功したと
ころまでは共通していたが、クラスタ内にアモルファス状の粒界層は観察されず,密に詰
まった多結晶となっていた。
磁気特性に関しては、まずVSMを用いて上記実施形態と同様に磁化曲線を測定したと
ころ、その傾きはほぼ4πMsであった。さらに、上記実施形態と同様にして活性化体積
vの大きさを求めたところ、記録層厚で除した磁化反転単位径は約20nmであった。
記録再生特性に関しても、上記実施形態と同様にして評価を行ったところ、SNRmは
18.5dBと大幅に悪化した。これらの結果から、クラスタ内の磁性粒子間には強い相
互作用が働いているものと推定され、反転単位径の均一化や規則配列の効果も見込めるも
のの、クラスタ内の微細構造のSNRmに対する効果は非常に大きいものと推定される。
<比較例3>
<結晶配向分散抑制の効果>
次に比較例3において、上記実施形態と同様にCoZrNb軟磁性裏打ち層上にTiシ
ード層を形成しないでRu下地層を積層した以外は、同様にして作製し垂直磁気記録媒体
を得た。
垂直磁気記録層の平面TEM観察および媒体の断面TEM観察を行ったところ、Tiシ
ード層がない以外の微細構造は上記実施形態とほぼ同様であった。
XRDのθ−2θスキャンについても上記実施形態とほぼ同様の結果が得られたが、そ
の時のピーク強度は明らかに低下し、さらに、記録層のピークについてロッキングカーブ
の測定を行ったところ、半値全幅デルタθ50は11.1度と結晶配向の分散が大幅に悪
化していることが分かった。
記録再生特性に関しても、上記実施形態と同様にして評価を行ったところ、SNRmは
20.4dBと明らかに悪化した。これらの結果から、配向分散の制御は非常に重要であ
ると考えられる。
<比較例4>
<クラスタ径と再生シールドギャップの相関>
次に比較例4において、上記実施形態と同様にPS粒子径を20nmではなく100n
mにした以外は、同様にして作製し垂直磁気記録媒体を得た。
垂直磁気記録層の平面TEM観察を行ったところ、アモルファス状の粒界層を持つ複数
の結晶粒子(平均すると粒径は約6nm)がほぼ円形のクラスタを成し、六方格子状に規
則配列していて、ポア内に磁性粒子のグラニュラが埋め込まれている点は共通であり、ほ
ぼクラスタ径のみをおよそ100nmまで大きくした構造が形成できている様子が確認で
きた。
磁気特性に関しても、ほぼ蒸気実施形態と同様の結果が得られ、活性化体積vの大きさ
もほぼ同様で、記録層厚で除した反転単位径は約100nmであった。 記録再生特性に
関しては、上記実施形態と同様にして評価を行ったものの、再生信号の安定性が悪く、媒
体ノイズも特定の周波数でピークを持つなど、十分に評価できなかった。
一方、上記実施形態の垂直磁気記録媒体を、再生シールドギャップが100nmではな
く約150nmと広い以外は同様のヘッドを用いて記録再生特性の評価を行ったところ、
SNRmは25.3dBと上記実施形態よりも更に良い値が得られた。
これらの結果から、クラスタ43の径に対して磁気ヘッド15の再生シールドギャップ
が大きいほど良好な記録再生特性が得られることが分かり、反対に再生シールドギャップ
の大きさがクラスタ43の径に近づいてくると、再生ヘッドにとって磁気記録媒体10は
一様でなくなってくることから、最低でもシールドギャップはクラスタ43の径より大き
い必要がある。
<第2の実施形態>
<面内磁気記録媒体の作製>
本発明の第2の実施形態として、上記実施形態において,非磁性基板60上に、CoZ
rNb/Ti/Ruを順次積層する代わりに下地層63として厚さ40nmのCrMo合
金のみを形成し、溶液の塗布からポーラス膜の形成および逆スパッタまでは同様に行った
後、高いArガス圧に微量のO2ガスを加えた雰囲気中でCoPtCr合金ターゲットの
バイアススパッタを行った以外は、同様にして作製し面内磁気記録媒体10を得た。
面内磁気記録層の平面TEM観察を行ったところ、記録層の作製方法は異なる物の、上
記実施例と同様の微細構造が得られた。
VSMのデルタMの測定から、ある程度粒子間に磁気的な相互作用が働いていることが
分かった。磁化反転単位径は約20nmであった。
記録再生特性に関しては、記録部をリングヘッドとした以外は上記実施形態と同様にし
て評価を行った。SNRmは22.7dB、TDは−0.02dB/decadeという
値が得られ、面内磁気記録媒体としても良好な値であった。
<比較例5〜標準的な面内媒体との比較>
<反転単位の微細化と規則配列の効果>
比較例5において、本発明の第2の実施形態と同様にCrMo下地層の形成後、溶液の
塗布からポーラス膜の形成および逆スパッタを行なわず、O2ガス圧を高めた以外は、同
様にして作製し面内磁気記録媒体を得た。つまり、磁化反転単位径や規則配列のための加
工を何ら行っていない一般的なスパッタ製膜による面内磁気記録媒体である。
面内磁気記録層の平面TEM観察を行ったところ、アモルファス状の粒界層を持つ多数
の結晶粒子が不規則ではあるが一様に広がったグラニュラ構造が形成されており、粒径の
分布を計算したところ平均粒径は約6nmで標準偏差は2nm程度と上記第2の実施形態
のクラスタ内の値とほぼ同様であったが、粒界層の厚みは2〜3nmと上記第2の実施形
態よりも厚くなっており、酸素の添加量を増やした効果が認められた。
VSMのデルタMの測定から、粒子間の磁気的相互作用はほとんど働いていないことが
分かった。磁化反転単位径は約6nmであったが、粒子径の分散や粒界層の厚みムラも考
慮すると、磁化反転単位径の大きさにもバラツキがあるものと推定される。
記録再生特性に関しても、上記第2の実施形態と同様にして評価を行ったところ、SN
Rmは22.4dB,TDは−0.21dB/decadeであった。比較例5の方が大
幅に反転単位が小さく磁気的な結合も分断されているにも関わらず、上記第2の実施形態
において同等か若干高いSNRmが得られたのは、反転単位径の均一化と規則配列の効果
と考えられる。なお、熱揺らぎ耐性は実用上十分な値とは言えず、SNRmが同等であれ
ば上記第2の実施形態の面内磁気記録媒体の方が優れていると言える。
以上、この構造の実施形態によれば、上記のような構成をとることにより、S/N比を
向上させ高密度記録を行なうことが可能な磁気記録媒体及び磁気記録再生装置を提供する
ことが可能となる。
本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置の一例を示す斜視図 本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置におけるトラック及び記録/再生ヘッドを示す斜視図 本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置における記録ヘッド及び再生ヘッドのトラック幅を示す平面図 本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の磁性層構造を示す平面図(詳細図) 本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の磁性層構造を示す平面図(概略図) 本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の層構造を示す断面図
符号の説明
10……磁気ディスク
11……スピンドル(SPM)
12……アクチュエータアーム
13……固定軸
14……サスペンション
15……ヘッドスライダー
16……ボイスコイルモータ(VCM)
20……トラック
21……記録セル
30……記録/再生ヘッド30
31a、31b……再生ヘッドの磁極
32a、32b……記録ヘッドの磁極
41……磁性粒子
42……粒界層
43……クラスタ
44……クラスタ母材
51……PS粒子
52……TiO2粒子
60……基板
61……軟磁性層(裏打ち)
62……シード層
63……下地層
64……磁性層
65……保護層

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成した下地層と、
    前記下地層上に形成した磁気記録層とを有し、
    前記磁気記録層は、円形で大きさの揃った非晶質により分割された磁性粒子の集合体で
    あるクラスタを、前記下地層面に一様に六方格子状の最密構造で規則配列させるとともに
    、前記クラスタ間に母材を配置し、前記クラスタ間を分離して、前記磁性粒子の結晶軸が
    、前記下地層の結晶配向に比較して特定の方向に配向する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記クラスタ間は前記母材により磁気的に分断されているとともに、前記磁性粒子間に
    は磁気的相互作用が働いている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記クラスタ間は前記母材により磁気的に分断され、前記クラスタが磁化反転単位を形
    成している
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁性粒子は、Coを主成分とするhcp構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記下地層の材料は結晶性で配向され、前記磁性粒子の結晶配向と一定の関係を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記磁気記録層の前記母材は、TiまたはSiの酸化物を主成分とする材料で充填され
    ている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記磁気記録層の前記母材に、更にCが含まれる
    ことを特徴とする請求項4または請求項6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 基板と、前記基板上に形成した下地層と、前記下地層上に形成した磁気記録層を有する
    磁気記録媒体であって、前記請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体の磁気記録層に情報を記録する記録ヘッドと、
    前記磁気記録層に記録された情報を再生するための再生シールドギャップを有する再生
    ヘッドとを有し、
    前記再生ヘッドの再生シールドギャップの間隔が前記磁気記録層の前記クラスタの直径
    よりも大きい
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
  9. 前記磁気記録媒体の下地層は軟磁性の裏打ち層で、前記磁気記録層の磁性粒子は垂直配
    向しているとともに、前記記録ヘッドは単磁極型の垂直磁気記録ヘッドである
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気記録再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019215949A (ja) * 2014-12-12 2019-12-19 ソニー株式会社 磁気記録媒体
US20220328224A1 (en) * 2021-03-31 2022-10-13 Tdk Corporation Soft magnetic alloy, soft magnetic alloy ribbon, soft magnetic powder, and magnetic component

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