JP2006079134A - Rfidシステム - Google Patents

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亮一 三宅
Koyo Ozaki
公洋 尾崎
Kenji Tateishi
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Abstract

【課題】 RFIDシステムの防爆性能を大幅に高める。
【解決手段】 アンテナ部2とコントローラ3との接続経路に遮断器5を設けるとともに、アンテナ部2を保護する防爆ケース8内に、センシングコイル4、平滑回路6、遮断器制御回路7を設ける。遮断器制御回路7は、平滑回路6により検出されたセンシングコイル4の誘起電圧を積分処理し、その信号レベルを所定のしきい値と比較する。さらに遮断器制御回路7は、前記信号レベルがしきい値を超えた場合には、遮断器5を作動させて、アンテナ部2の送信動作を停止させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体メモリを内蔵するRFIDタグと非接触の交信を行って、前記半導体メモリに対する情報の読み出しや書き込みを行うRFIDシステム(Radio Frequency Identification Systemの略)に関する。特にこの発明は、爆発性雰囲気のある危険領域で使用されるRFIDシステムに関する。
化学工場、自動車の塗装ラインなどの引火性ガスが存在する環境でRFIDタグによる情報管理を行う場合、少なくともRFIDタグおよび交信用のアンテナ部が危険領域内に置かれることになる。従来は、万一アンテナ部が発火するようなことがあっても、周囲の爆発性雰囲気に引火することがないように、アンテナ部を強固な防爆ケース内に収容している。また、RFIDタグについても、アンテナ部から送信される電磁エネルギーが所定の危険レベルを超えることがないように制御することにより、発火を防止するようにしている。
RFIDタグに対する送信制御において、たとえば、アンテナ部が故障して送信を頻繁に繰り返したり、電源や上位機器などの故障により送信用コイルに通常よりも高い電圧が印加されるなどすると、RFIDタグに送信される電磁エネルギーが異常に高められる可能性がある。一方、RFIDタグは前記防爆ケースのような物理的な防爆手段で保護されていないから、アンテナ部から高いレベルの電磁エネルギーが送信されると、発火するおそれがある。
このように、従来のシステムにおける防爆性能は、RFIDタグの発火を完全に防止するには至っていないという点において不十分である。この発明はこの問題に着目してなされたもので、どのような事態が生じても、RFIDタグに送信される電磁エネルギーが危険レベルを超えないように制御することにより、RFIDシステムの防爆性能を大幅に高めることを目的とする。
この発明にかかるRFIDシステムは、アンテナ部が防爆ケース内に収容されるとともに、前記アンテナ部からRFIDタグに送信される電磁エネルギーが所定の危険レベルを超えないように設計されたもので、前記アンテナ部により前記防爆ケース内に発生する電磁エネルギーの大きさを検出する検出手段と、前記アンテナ部の送信動作を停止させるための動作停止手段と、前記検出手段により検出された電磁エネルギーの大きさに基づき前記RFIDタグに前記危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性があるか否かを判別し、送信される可能性があると判別したときに前記動作停止手段を作動させる制御手段とを具備する。
前記RFIDタグは、アンテナ部からの送信波による誘導起電力を電源として、動作するものである。このRFIDタグに危険レベルに近い電磁エネルギーが送信されているかどうかを判別するには、本来であれば、アンテナ部に近い場所よりもRFIDタグに近い場所で電磁エネルギーの大きさを検出する方がよいと考えられる。しかしながら、この発明にかかるRFIDシステムは、爆発性雰囲気で使用されるものであるため、エネルギーの検出手段を防爆ケースの外に設ける訳にはいかない。アンテナ部からの送信エネルギーが急激に高くなった場合、危険状態を判別するより前に検出手段が発火する可能性があるからである。
そこでこの発明では、アンテナ部により防爆ケース内に発生する電磁エネルギーを検出し、そのエネルギーの大きさや変化に基づき、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性があるか否かを判別する。この電磁エネルギーは、アンテナ部の送受信コイルに生じる磁束によって引き起こされるもので、検出用のコイル(センシングコイル)などにより電気信号として取り出すことができる。
この発明の好ましい態様では、検出手段は、防爆ケース内に設置されたセンシングコイルと、このセンシングコイルの誘起電圧または誘起電流の大きさを検出する回路とにより構成される。この場合のセンシングコイルは、送受信コイルに対向する位置など、防塵ケース内の送信波に感応しやすい場所に配備するのが望ましい。
上記の態様によれば、アンテナ部の回路構成を変更することなく、RFIDタグへの電磁エネルギーの大きさを検出することができるから、既存のRFIDシステムを改良して使用することができる。また、センシングコイルに誘起される電圧や電流は、RFIDタグ側のコイルに誘起されるものに近いと考えることができるから、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性を精度良く判別することができる。なお、この態様では、少なくともセンシングコイルを防爆ケース内に含める必要があるが、後段の処理回路については、爆発性雰囲気のない安全領域に設けてもよい。
この発明にかかる他の好ましい態様では、前記検出手段は、アンテナ部の送受信コイルに流れる電流または前記送受信コイルにかかる電圧を検出する回路により構成される。さらに、他の好ましい態様にかかる検出手段は、アンテナ部に供給される電源のレベルを検出する回路により構成される。なお、これらの態様でも、電圧や電流を取り出すための回路(抵抗など)は、アンテナ部内に設ける必要があるが、後段の処理回路は安全領域に設けることもできる。
前記動作停止手段は、リレー等を含む遮断回路として構成するのが望ましい。この遮断回路は、アンテナ部内の所定位置(たとえば、送受信コイルと送信回路との接続経路、外部電源の取り込み口と送信回路との接続経路など)に設けることができる。この場合、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性がある場合には、送受信コイルへの電源供給を遮断することができるから、送受信コイルの磁束を消失させてRFIDタグへの異常なエネルギー送信を停止させることができる。
より好ましい態様にかかるRFIDシステムでは、前記動作停止手段を、外部電源および上位からの制御ラインとアンテナ部との接続を遮断する回路として構成する。この場合、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性がある場合には、アンテナ部全体への電源供給が遮断されることになる。また、制御ラインも遮断されるため、制御ライン経由で大電流が流れ込むのを阻止することができ、アンテナ部の送信動作をより確実に停止させることができる。
なお、前記動作停止手段や制御手段は、前記防爆ケース内に設けることもできるが、これに限らず、安全領域に設けることもできる。
前記制御手段は、検出手段により検出された信号を所定のしきい値と比較するコンパレータや、前記リレーの駆動回路などにより構成することができる。なお、この場合のしきい値は、前記危険レベルに対応する値よりも十分に小さくしておくのが望ましい。
また、RFIDタグへの送信状態をより詳細に分析するには、制御手段に、過去の所定時間内における検出信号のばらつき(偏差)を求める機能や、検出信号を微分して局所的な変化を抽出する機能などを持たせるのが望ましい。このような機能を具備する制御手段は、コンピュータまたは専用の演算回路が組み込まれたICにより構成することができる。
さらに、この発明にかかるRFIDシステムには、アンテナ部の送受信動作を制御するためのコントローラや、コントローラを制御する上位機器(パーソナルコンピュータなど)を含めることができる。また、このコントローラまたは上位機器に前記制御手段と同様の機能を組み込むようにすれば、RFIDタグへの電磁エネルギーを二重にチェックすることができるので、いずれか一方のチェック機能が損なわれても、RFIDタグへの電磁エネルギーを監視することができ、防爆性能をより一層高めることができる。
なお、アンテナ部の出力レベルを検出することが記載された先行技術文献として、下記の特許文献1が存在する。しかしながら、この特許文献1は、アンテナ部の断線や部品の劣化を判別する目的で出力レベルを検出するものであり、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性の有無を判別するために、アンテナ部から発生した電磁エネルギーの大きさを検出することや、RFIDタグに危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性がある場合にアンテナ部の送信動作を停止させることについては、何も記載されていない。
特開2002−74278号 公報
また、この発明にかかる他のRFIDシステムは、上記と同様、アンテナ部が防爆ケース内に収容されるとともに、前記アンテナ部からRFIDタグに送信される電磁エネルギーが所定の危険レベルを超えないように設計されたもので、前記アンテナ部が発生する電磁エネルギーの大きさを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された電磁エネルギーの大きさが所定値を超えるときに作動してRFIDタグに送信される電磁エネルギーを抑制する抑制手段とを具備する。
この発明の好ましい態様においては、前記検出手段および抑制手段は、前記アンテナ部の送受信コイルに対して密に設置される制御コイルを含んで構成されるものであり、また、前記抑制手段は、前記制御コイルに誘起される電圧が所定値を超えるとき前記制御コイルに通電して前記RFIDタグに作用する磁束を抑制する磁束を発生させる負荷通電回路をさらに備えて成るものである。
前記した制御コイルは、アンテナ部の送受信コイルが発生する磁束の大きさを検出する働きと、前記RFIDタグに作用する磁束を抑制する磁束を発生する働きとを兼ね備えており、好ましくはアンテナ部の送受信コイルと制御コイルとが結合係数がほぼ1となるように密に設置される。
前記制御コイルの誘起電圧が所定値を超えるときに負荷通電回路を通電させるために負荷通電回路中に例えば半導体スイッチを介装する。前記半導体スイッチとして例えばツェナーダイオードを用いて構成すると、制御コイルの誘起電圧がツェナー電圧を超えたところでツェナーダイオードが導通状態となる。なお半導体スイッチとして、ツェナーダイオードに限らず、例えばトランジスタを用いることもできる。
前記した負荷通電回路は、制御コイルの誘起電圧が所定値を超えるときに通電し、その電流が制御コイルに流れて磁束を発生させる。この磁束はアンテナ部の送受信コイルが発生する磁束を弱める方向に働くので、RFIDタグに作用する磁束が抑制されることになる。ここで失われた電磁エネルギーは制御コイルの内部抵抗と負荷通電回路とで消費される。
この発明によるRFIDシステムは、アンテナ部により防爆ケース内に発生した電磁エネルギーの大きさを検出し、この検出信号によりRFIDタグに危険レベルを超える大きさの電磁エネルギーが送信される可能性があると判別した場合には、アンテナ部の送信動作を停止させるものであり、この発明による他のRFIDシステムは、アンテナ部が発生する電磁エネルギーの大きさが所定値を超えるときにRFIDタグに送信される電磁エネルギーを抑制するものである。この発明によると、RFIDタグの発火を引き起こすようなエネルギーが送信されるのを防止することができ、RFIDシステムにおける防爆性能を大幅に高めることができる。
図1は、この発明の一実施例にかかるRFIDシステムの構成を示す。このRFIDシステムは、爆発性雰囲気のある危険領域で物品を管理するために使用されるものであって、管理対象の物品に添付されるRFIDタグ1、このRFIDタグ1との交信を行うアンテナ部2、アンテナ部2の送受信動作を制御するコントローラ3、コントローラ3に対する上位機器30などにより構成される。なお、コントローラ3は、RFIDシステム専用の機器であって、コンピュータを制御主体とする。一方、上位機器30は、コントローラ3との交信や管理用のプログラムが組み込まれたパーソナルコンピュータであって、入力用のキーボードやモニタなどの周辺機器を有する。また、アンテナ部2およびRFIDタグ1は危険領域に置かれるが、コントローラ3や上位機器30は安全領域に設置される。
この実施例のRFIDタグ1(以下、単に「タグ1」という。)は、樹脂製のケース体(図示せず。)内に送受信コイル10やIC11が収容された構成のものである。IC11には、CPU、メモリ、交信用の回路などが組み込まれており、アンテナ部2から送信されるコマンド信号に応じて、メモリに対する情報の読み出しや書き込みを実行し、その処理結果を示すレスポンス信号をアンテナ部2に返送するように設計されている。
なお、この実施例のタグ1は電源を内蔵せず、アンテナ部2からの送信波によりコイル10に生じた誘導起電力を電源とする。
前記アンテナ部2は、送受信コイル20、送信回路22(発振回路を含む。)、受信回路23、制御回路21などを具備する。なお、制御回路21にはCPUやメモリ(いずれも図示せず。)が含まれる。
このアンテナ部2は、電源ライン31および信号ライン32を含むケーブル(図示せず。)によりコントローラ3に接続される。コントローラ3は、電源33に接続されており、前記電源ライン31を介してアンテナ部2に駆動電力を供給するとともに、信号ライン32を介してアンテナ部2に各種コマンド信号を出力する。このコマンド信号は、アンテナ部2の制御回路21から送信回路22に与えられ、さらにタグ1へと送信される。また、タグ1からのレスポンス信号は、前記受信回路23から制御回路21に入力された後、前記信号ライン32を介してコントローラ3に伝送される。なお、アンテナ部2とコントローラ3とは一体化することもできる。
この実施例のアンテナ部2は、耐圧防爆設計がなされたプラスティック製ケース8(以下、単に「ケース8」という。)内に収容される。また、このアンテナ部2とコントローラ3とを接続するケーブル(電源ライン31や信号ライン32を含む。)は、アンテナ部2に直結された防爆対応配管(図示せず。)により保護される。さらに、アンテナ部2の各回路を、タグ1側に発火を引き起こすレベルの電磁エネルギーを送信することがないように設計することにより、危険領域での使用にかかる安全性を確保するようにしている。
さらに、この実施例では、前記アンテナ部2とコントローラ3との接続経路(前記電源ライン31、信号ライン32を含む。)に遮断器5を介装し、アンテナ部2の送受信コイル20からの送信波が異常な兆候を示したときに、この遮断器5を作動してアンテナ部2の送信動作を停止させるようにしている。
この実施例では、前記送信波の監視や遮断器5の開閉制御のために、センシングコイル4、整流用のダイオード61を含む平滑回路6、遮断器制御回路7などをケース体8内に配置する。遮断器5も、これらの回路やアンテナ部2とともに前記ケース8内に収容される。また、この実施例では、遮断器制御回路7,平滑回路6,センシングコイル4の駆動源として、専用の電源34を安全領域に配備する。この電源34からの電源ライン35も、前記コントローラ3側のライン31,32と同様に、防爆対応配管により保護される。
なお、電源ライン35の防爆対応配管は、コントローラ側のライン31,32と共通にしてもよい。また、専用電源34を設ける代わりに、電源33からコントローラ3への電源ラインを分岐させて、遮断器制御回路7に導くようにしてもよい。
前記センシングコイル4は、前記ケース8内の送受信コイル20に対向する位置に配備される。このセンシングコイル4に誘起された電圧は平滑回路6により直流にされた後、遮断器制御回路7に入力される。以下、この遮断器制御回路7に入力される信号を「検出信号」という。
遮断器制御回路7は、前記検出信号が所定のレベルに達したり、検出信号が異常な変化を示したことに応じて前記遮断器5を作動する。これにより、アンテナ部2は、電気的にも制御的にもコントローラ3から遮断されて、送信不能な状態となる。
なお、この実施例の遮断器5には、電磁リレーの接点が含まれており、遮断器制御回路7には、前記リレーの励磁コイルが含まれる。
図2(1)は、前記遮断器制御回路7の一例を、図2(2)は、この遮断器制御回路7で行われる検出処理の具体例を、それぞれ示す。
この例の遮断器制御回路7は、アンプ71、コンパレータ72、ラッチ回路73、リレー駆動回路74、および前記したリレーの励磁コイル75(以下、「リレーコイル75」という。)などにより構成される。前記アンプ71は、検出信号を積分して送信波の平均レベルを示す信号xを生成する(以下、この信号xを「平均レベル信号」という。)。
コンパレータ72は、前記平均レベル信号xを所定のしきい値Aと比較する。この比較出力はラッチ回路73を介してリレー駆動回路74に与えられる。リレー駆動回路74は、トランジスタを主体とするスイッチ回路であって、平均レベル信号xが前記しきい値Aを上回った時点(図2(1)中の時刻t1)でコンパレータ72からの出力がハイレベルになると、前記トランジスタが導通し、リレーコイル75が励磁される。これにより、前記遮断器5が作動し、アンテナ部2とコントローラ3との接続は遮断される。
図3(1)は、前記遮断器制御回路7の他の例を、図3(1)は、この遮断器制御回路7で行われる検出動作の具体例を、それぞれ示す。
この例の遮断器制御回路7は、図2(1)と同様のアンプ71、リレー駆動回路74、リレーコイル75のほか、A/Dコンバータ76やCPU77などにより構成される。
アンプ71で生成された平均レベル信号xはA/Dコンバータ76でディジタル変換され、CPU77に入力される。CPU77は、入力された平均レベル信号xを図示しないメモリに蓄積しつつ、この平均レベル信号xの変化の適否を判別する処理を実行する。そして、平均レベル信号xに異常な変化が生じていると判断すると、前記リレー駆動回路74に駆動信号を出力する。これによりリレーコイル75が励磁されて遮断器5が作動し、アンテナ部2とコントローラ3との接続が遮断される。
図3(2)の例では、平均レベル信号xの変動状態を検出するようにしている。具体的には、信号入力の都度、現在から所定時間に遡る期間に得た平均レベル信号xの標準偏差σを算出し、(x+3σ)の値を所定のしきい値Bと比較する。この結果、平均レベル信号xのばらつきが大きくなった時点t2にアンテナ部2の送信動作を停止させることができる。なお、図3(2)中の斜線の部分は、±3σの範囲におけるxの分布状態を示したものである。
図3(3)の例では、平均レベル信号xを微分して、その微分値を所定のしきい値Cと比較するようにしている。この処理によれば、平均レベル信号xが急激な変化を示した時点t3にアンテナ部2の送信動作を停止させることができる。
上記の各実施例によれば、アンテナ部2または上位のコントローラ3の故障や電源33の異常などにより送受信コイル20に通常よりも大きな磁束が生じたとき、または磁束に大きな変化が生じたときに、アンテナ部2の送信動作を停止させることができる。これにより、タグ1に発火を引き起こすような高い電磁エネルギーが送信されるのを回避することができ、RFIDシステムの防爆性能を高めることができる。
なお、図3(1)の例のように、遮断器制御回路7にCPU77を組み込んだ場合には、前記した3種類の検出処理を組み合わせて実施することができる。
図4は、図2(2)および図3(2)の検出処理を組み合わせて実施する場合のCPU77の処理手順を示す。まず、最初のST1(STはステップの略である。以下も同じ。)では、前記平均レベル信号xを入力する。この平均レベル信号xは、前記したようにメモリ内に蓄積される。
つぎのST2では、前記平均レベル信号xの値を前記しきい値Aと比較する。ここでxがしきい値A以上であれば、ST5に進み、前記リレー駆動回路74に駆動信号を与えることにより、アンテナ部2とコントローラ3との接続を遮断する。
一方、平均レベル信号xがしきい値Aより小さかった場合にはST3に進み、最新のものから順に所定数の平均レベル信号xを抽出し、これらの標準偏差σを算出する。ST4では、最新の平均レベル信号xと前記標準偏差σとに基づき(x+3σ)の値を算出し、その算出結果をしきい値Bと比較する。この(x+3σ)がしきい値B以上であった場合にも、ST5の回路遮断処理に移行する。
上記の手順によれば、平均レベル信号xがしきい値Aを上回った場合は勿論のこと、信号レベル自体はしきい値Aより小さいが、ばらつきが大きくなった場合にも、アンテナ部2の送信動作を停止させることができ、安全性を高めることができる。
なお、上記のように遮断器制御回路7にCPU77を組み込んだ場合には、図1中に点線で示すように、このCPU77と上位機器30とを接続し、前記平均レベル信号xやその処理結果などを示す情報を上位機器30に送信することができる。また、遮断器5を作動させた場合にも、その旨を速やかに上位機器30に送信することができる。
上位機器30では、遮断器制御回路7から送信された情報をモニタに表示したり、詳細に分析するなどの処理を行うことができる。
つぎに、この発明にかかるRFIDシステムの他の構成について、簡単に説明する。
まず、前記図1の構成例では、センシングコイル4、遮断器5、およびその中間の回路6,7をすべてケース8内に収容しているが、少なくともセンシングコイル4がケース8内に収容されていれば、一部の回路をコントローラ3のある安全領域に設置してもよい。
また、上記のセンシングコイル4,遮断器5,平滑回路6,遮断器制御回路7による回路を複数組並列に設けるようにすれば、安全度をさらに高めることができる。
また、図1の構成例では、センシングコイル4により送受信コイル20に生じた磁束の大きさを直接的に検出するようにしているが、これに代えて、たとえば、送受信コイル20に流れる電流もしくはこのコイル20にかかる電圧、またはコイル20への電源ライン24の電圧レベルなど、前記送受信コイル20の磁束の大きさを間接的に表す信号を検出するようにしてもよい。
また、アンテナ部2とコントローラ3との接続を遮断する方法に代えて、アンテナ部2の内部回路を遮断するようにしてもよい。たとえば、電源ライン24と送信回路22との接続を遮断したり、送信回路22と送受信コイル20との接続を遮断すれば、送受信コイル20の磁束を消失させることができ、図1の例と同様に、タグ1に大きな電磁エネルギーが送信されるのを防止することが可能となる。
ただし、図1の構成によれば、アンテナ部2の回路構成を変更せずに、センシングコイル4、遮断器5、回路6,7をケース8内に加えるだけでよい、というメリットがある。したがって、既存のRFIDシステムを簡単に設計変更して防爆性能を高めることができる。
上記した実施例は、RFIDタグ1の発火を引き起こすような電磁エネルギーが送信されるのを防止するために、RFIDタグ1に危険レベルを超える大きさの電磁エネルギーが送信される可能性があると判別した場合にアンテナ部2の送信動作を停止させるものであるが、図5に示す実施例のように、アンテナ部2が発生する電磁エネルギーの大きさが所定値を超えるときにRFIDタグ1に送信される電磁エネルギーを抑制するように構成することもできる。
図5に示すRFIDシステムは、前記アンテナ部2の送受信コイル20に対して結合係数がほぼ1となるように密に設置された制御コイル9と、この制御コイル9に誘起される電圧が所定値を超えるときに制御コイル9に通電してRFIDタグ1に作用する磁束を抑制する磁束を発生させる負荷通電回路90とを含むものである。
なお、RFIDタグ1やアンテナ部2の構成は、図1に示したものと同様であり、ここでは図1の実施例と同じ符号を付することで説明を省略する。また、同図のRFIDシステムは、アンテナ部2の送受信動作を制御するコントローラ3やコントローラ3に対する上位機器30を含むことも図1の実施例と同様である。
前記アンテナ部2は、図6に示すように、筐体25の内部にその構成部品が組み込まれて成るもので、その一面25aの内側に送受信コイル20が位置決め固定されている。前記制御コイル9は送受信コイル20と同径のものであり、筐体25の前記の面25aの外側に、面25aを挟んで送受信コイル20と対向配置されている。制御コイル9および負荷通電回路90は例えば1枚の基板上に実装され、アンテナ部2とともに前記した耐圧防爆設計がなされたプラスチック製ケース内に収容される。
なお、この実施例では、制御コイル9はアンテナ部2の側に送受信コイル20と対向して設けてあるが、RFIDタグ1の側に送受信コイル10と対向して設けてもよい。
この実施例の負荷通電回路90は、半導体スイッチとして2個のツェナーダイオード91a,91bを用いて構成されている。各ツェナーダイオード91a,91bは双方向に働くように逆向きに接続してある。各ツェナーダイオード91a,91bは、ツェナー電圧より低い逆方向電圧がかかっている間は非導通状態にあり、ツェナー電圧を超える逆方向電圧がかかると導通状態になるもので、制御コイル9に誘起された電圧がツェナー電圧を超えたところでツェナーダイオード91a,91bに電流が流れて負荷通電回路90が通電する。
図7(1)は、RFIDタグ1の送受信コイル10に送信される磁束を示しており、異常時の磁束は正常時に比べて振幅の大きさが数倍になっている。この実施例では、RFIDタグ1の送受信コイル10に送信される磁束の大きさが所定値(図中、±Mで示す。)を超えないように抑制するもので、異常時にアンテナ部2の送受信コイル20が発生した磁束による制御コイル9の誘起電圧が所定値を超えたとき、図7(2)に示すように、ツェナーダイオード91a,91bが導通状態となって負荷通電回路90が通電する。これにより制御コイル9に電流が流れて磁束が発生し、この磁束はアンテナ部2の送受信コイル20が発生する磁束を弱める方向に働く。その結果、RFIDタグ1に作用する磁束は、図7(3)に示すように抑制されたものとなる。ここで失われた電磁エネルギーは制御コイル9の内部抵抗と負荷通電回路90とで消費される。
図8は、半導体スイッチとして2個のトランジスタTR1,TR2を用いた負荷通電回路90を示している。同図中、R1,R2およびR3,R4はそれぞれ制御コイル9の誘起電圧を分圧する分圧抵抗、D1,D2は逆流阻止用のダイオードである。
同図の負荷通電回路90におけるA点とB点との間には制御コイル9に誘起された交流に電圧がかかるもので、異常時に一方の分圧抵抗R1,R2により分圧された正方向の電圧がトランジスタTR1のベース、エミッタ間の順方向電圧VBEを超えたとき、トランジスタTR1がオンし、ダイオードD1からトランジスタTR1に向かう方向に通電して制御コイル9に電流が流れる。このとき、他のトランジスタTR2はオフである。また、他方の分圧抵抗R3,R4により分圧された負方向の電圧がトランジスタTR2のベース、エミッタ間の順方向電圧VBEを超えたとき、トランジスタTR2がオンし、ダイオードD2からトランジスタTR2に向かう方向に通電して制御コイル9に前記と反対方向の電流が流れる。このとき、他のトランジスタTR1はオフである。
上記した実施例によると、図9に示すように、異常時にアンテナ部2の発生磁束の大きさが所定値を超えると、RFIDタグ1に作用する磁束が抑制されて一定値に保持されるもので、この動作は、異常時の磁束の変化に対して、時間遅れが小さく、リアルタイムで応答する。また、構成が簡易でありかつ負荷通電回路を構成する部品の点数も少ないので、製作が容易かつ安価である。さらに、電源が必要でなく、他の構成機器との信号の授受も不要であり、他の回路と独立して設置できるという利点がある。
なお、図1および図5の各実施例は、独立して実施できるが、両方を組み合わせて実施することも可能である。
この発明の一実施例にかかるRFIDシステムのブロック図である。 遮断器制御回路の例を示すブロック図、およびこの回路による判別動作の内容を示す説明図である。 遮断器制御回路の例を示すブロック図、およびこの回路による判別動作の内容を示す説明図である。 遮断器制御回路のCPUによる処理手順を示すフローチャートである。 この発明の他の実施例にかかるRFIDシステムのブロック図である。 制御コイルの設置例を示す斜視図である。 異常時の動作を示すタイムチャートである。 負荷回路の他の例を示す電気回路図である。 アンテナ部の発生磁束の変化に対するRFIDタグに作用する磁束の大きさを示す説明図である。
符号の説明
1 RFIDタグ
2 アンテナ部
4 センシングコイル
5 遮断器
6 平滑回路
7 遮断器制御回路
9 制御コイル
20 送受信コイル
31 電源ライン
90 負荷通電回路

Claims (7)

  1. アンテナ部が防爆ケース内に収容されるとともに、前記アンテナ部からRFIDタグに送信される電磁エネルギーが所定の危険レベルを超えないように設計されたRFIDシステムにおいて、
    前記アンテナ部により前記防爆ケース内に発生する電磁エネルギーの大きさを検出する検出手段と、前記アンテナ部の送信動作を停止させるための動作停止手段と、前記検出手段により検出された電磁エネルギーの大きさに基づき前記RFIDタグに前記危険レベルを超えるエネルギーが送信される可能性があるか否かを判別し、送信される可能性があると判別したときに前記動作停止手段を作動させる制御手段とを具備するRFIDシステム。
  2. 前記検出手段は、前記防爆ケース内に設置されたセンシングコイルと、このセンシングコイルの誘起電圧または誘起電流の大きさを検出する回路とにより構成される請求項1に記載されたRFIDシステム。
  3. 前記検出手段は、前記アンテナ部の送受信コイルに流れる電流または前記送受信コイルにかかる電圧を検出する回路である請求項1に記載されたRFIDシステム。
  4. 前記検出手段は、前記アンテナ部に供給される電源のレベルを検出する回路である請求項1に記載されたRFIDシステム。
  5. 前記動作停止手段は、外部電源および上位からの制御ラインとアンテナ部との接続を遮断する回路である請求項1に記載されたRFIDシステム。
  6. アンテナ部が防爆ケース内に収容されるとともに、前記アンテナ部からRFIDタグに送信される電磁エネルギーが所定の危険レベルを超えないように設計されたRFIDシステムにおいて、
    前記アンテナ部が発生する電磁エネルギーの大きさを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された電磁エネルギーの大きさが所定値を超えるときに作動してRFIDタグに送信される電磁エネルギーを抑制する抑制手段とを具備するRFIDシステム。
  7. 前記検出手段および抑制手段は、前記アンテナ部の送受信コイルに対して密に設置される制御コイルを含んで構成され、前記抑制手段は、前記制御コイルに誘起される電圧が所定値を超えるとき前記制御コイルに通電して前記RFIDタグに作用する磁束を抑制する磁束を発生させる負荷通電回路をさらに備えている請求項6に記載されたRFIDシステム。
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