JP2006078776A - 画像形成方法及び電子写真用転写紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 顔料及び接着剤を含む塗工層が設けられていない転写紙を用い、体積平均粒径が2〜5μmの範囲の小粒径トナーを使用し、単色あたりの最大トナー載り量が一定量以下の画像を転写し定着しても、定着部材の離型性の低下が少なく、定着部材の寿命を低下させることのない画像形成方法及び電子写真用転写紙を提供することである。
【解決手段】 電子写真方式により用紙表面にトナー画像を形成する画像形成工程と、定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーの体積平均粒径が2〜5μmの範囲であり、前記用紙が塗工層が形成されていない転写紙であり、該転写紙の十点平均表面粗さが5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であり、かつ、前記用紙表面の単色あたりのトナー載り量が0.10〜0.35mg/cm2の範囲であることを特徴とする画像形成方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乾式電子写真方式の複写機あるいはプリンター等の画像形成方法、特にフルカラーの画像形成方法及びそれに用いる電子写真用転写紙に関する。
近年、電子写真方式の記録装置の進歩により、従来オフセット印刷などの商業印刷用として用いられてきた塗工紙(表面に塗工層が形成された紙)を利用し、電子写真方式で光沢のある塗工紙にデジタル信号をオンデマンドでカラープリントするいわゆるオンデマンドプリンティングを初めとするグラフィックアーツ領域やショートラン印刷領域における実用化が顕著となり始めている。 ここでグラフィックアーツ領域とは、版画のようなもので印刷した部数の少ない創作印刷物や、筆跡・絵画などのオリジナルの模写、複写、そしてリプロダクションとよばれる大量生産方式による印刷物製造関連業務市場全般を指し、印刷物の製造に関わる業種・部門を対象とする領域であると定義される。
例えば、前記ショートラン印刷領域においては、電子写真法における無版印刷の特徴を生かしてモノクロ印刷のみならず、富士ゼロックスColorDocuTech60で代表されるようなショートランカラー市場をターゲットとする技術が開発され、画質、用紙対応性、製品価格、枚あたり価格の観点で大きな進展が見られつつある(例えば、非特許文献1参照)。
また、グラフィックアーツ領域での高画質化については、これまで通常に用いられてきたPPC用紙、プリンター用紙に代わり、これまで商業用印刷の分野に用いられてきた高い白紙光沢を有する塗工紙(商業印刷用塗工紙)が、得られる画像の鮮やかさから、用いられるケースが増えてきている。また、特にショートラン市場では、電子写真方式の特質として、オフセット印刷などとは異なり、紙への画像形成材料であるトナーが印刷用インクほど浸透することが少ないことにより、いわゆる普通紙(塗工層を有していない転写紙)を多く使う傾向が顕著になってきている。
一方、電子写真法を用いたプリンターや複写機ではカラー化が進み、また装置の解像度の向上から静電潜像が細密化してきている。これに伴い、静電潜像に対し忠実に現像を行い、より高画質画像を得るために、近年、トナーの小径化が進んでいる。特にデジタル潜像を有彩色トナーにより現像・転写・定着するフルカラー複写機においては、体積平均粒径が6〜8μmの小粒径トナーを採用して、ある程度の高画質を達成している。しかしながら、今後のさらなる高解像度化(細線再現性向上、階調性向上等)の要求を実現するめには、トナーのさらなる小粒径化と適正な粒度分布とが必要となる。
また、転写紙等の被転写体(用紙)上に形成される画像の厚み(以下、単に「画像厚み」という)は、オフセット印刷では最大でも数μm以内であるが、電子写真方式では、トナーの粒子径を7〜8μm程度の小粒径としても、フルカラートナーで形成されるプロセスブラックの場合、トナー層が最低3層重なることになり、画像厚みは十数μmから20μm程度にまで達してしまう。そして、このように画像厚みの大きい画像は、視覚的に違和感を与えるものとなり、オフセット印刷並みの高画質を達成するためには、オフセット印刷との画像構造の違いを改善する、即ち、画像厚みを小さくする必要がある。また、このように被転写体上にトナーが多量に載った画像は、その凹凸が大きいために損傷を受けやすく、形成された画像の耐性が低いものとなる。
このように、細線の再現性や階調性向上の要求があり、また画像厚みについてもより小さくすることが画質向上に繋がるため、体積平均粒径が5μm以下程度までのトナーの小粒径化が望まれている。
しかし、小粒径のトナーを用いる際には、転写紙としていわゆる通常の普通紙を用いた場合には、特に転写紙の表面に存在する空隙部分にトナーの粒子が入り込みやすくなることから、部分的にトナーが転写紙の表面空隙に入り込まず、空間を残してかぶさるような状態となった場合には、土台が存在しないため、定着時にトナーは定着されず、定着ロールなどの定着部材ヘオフセットしてしまう問題が発生する。
さらに、小粒径のトナーでトナー載り量(被転写体上の単位面積あたりのトナー転写量)を減らす場合には、転写紙からの紙粉成分が定着部材に付着しやすくなり、こうした紙粉が定着部材を汚したままニップ内の圧力や部材周囲部材との摺動が生じると、定着部材表面の離型性が低下し、定着部材の寿命を大きく低下させてしまうという問題がある。
特にグラフィックアーツや、ショートラン市場でよく使われる塗工紙への画像形成を考慮したときに、前述したように画像厚みを減少させるために、トナーの小粒径化とともに、転写紙へのトナー載り量を減らす方向にあるためこの問題は避けて通れない問題である。
これに対して、例えば、転写紙表面の十点平均粗さ(Rz)を一定値以下にし、体積平均粒径が2〜5μmの小粒径トナーと組み合わせる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、表面のRzをトナーの粒径の2倍を下回る値とした転写紙の提案がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、上述したように、単に、転写紙の表面粗さを低減しただけでは、若干トナーの定着性は向上するものの、定着部材の離型性を低下させる原因物質である紙粉の低減には効果がない。
さらに、この問題に関連して、定着システムを含めた提案がある(例えば、特許文献3、4参照)。これらは、定着工程に入る際に転写紙からトナーを引き剥がす方向に電界を形成することにより定着効率を向上させたり、また、扁平なトナーを定着ニップ上流で転写紙上で予熱したりするものであるが、やはりいずれも紙粉発生を防止するためには何の効用もない。
以上より、オフセット印刷を基準とするような高い生産性と信頼性を得るためには、使用する用紙に対し、最適な画像を維持し、離型性不良にともなうトラブルの発生を防止することが市場価値を高めるために重要であり、トナー、用紙、及び定着システムの3者からの改良が必要である。
このように、グラフィックアーツ領域及びショートラン印刷領域の要求に応えるためには、従来の電子写真技術を、トータルなシステムとして、さらに高度に発展させた技術が必要となってきている。特に、ショートラン市場では、普通紙を用いて、チラシやパンフレット、リーフレット、小規模の雑誌などを作成する要望が増えてきており、上述した問題を解決する必要がある。
特開平11−237800号公報 特開平6−11880号公報 特開2003−140483号公報 特開2003−29484号公報 日本画像学会誌,Vol.40,No.2,2001
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。
すなわち、本発明は、間接乾式電子写真方式のフルカラー複写機及びプリンター等において、用紙として顔料及び接着剤を含む塗工層が設けられていない転写紙を用い、体積平均粒径が2〜5μmの範囲の小粒径トナーを使用し、単色あたりの最大トナー載り量が一定量以下の画像を転写し定着しても、定着部材の離型性の低下が少なく、定着部材の寿命低下を抑制した画像形成方法及びそれに用いる電子写真用転写紙を提供することを目的とする。
かかる実情において、本発明者らが鋭意研究を行った結果、顔料及び接着剤を含む塗工層をもたない電子写真用転写紙であっても、特定の表面強度と表面性をもつ転写紙を使用すれば、特定の粒子径範囲のトナーを用いて電子写真方式で一定量以下のトナー載り量を持つ未定着のトナー画像を形成し、各種の定着装置を用いて定着をした際に、定着部材の寿命を向上させることができることを見出した。
すなわち本発明は、
<1> 少なくとも、トナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法であって、
前記トナーの体積平均粒径が2〜5μmの範囲であり、前記用紙が表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されていない転写紙であり、該転写紙の十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であり、かつ、前記用紙表面に形成される単色あたりのトナー載り量が0.1〜0.35mg/cm2の範囲であることを特徴とする画像形成方法である。
<2> 前記転写紙の灰分量が、1〜10質量%の範囲であることをを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
<3> 前記転写紙が、澱粉類及び下記(a)〜(f)のうちから選択される樹脂を少なくとも1種含有する表面サイズ剤により、片面あたりの処理量が固形分で0.8〜3.0g/m2の範囲となるように表面処理されてなることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
(a)けん化度が90mol%以上のポリビニルアルコール
(b)変性ポリビニルアルコール
(c)スチレン−無水マレイン酸共重合体
(d)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(e)スチレン−ブタジエン共重合体
(f)ポリアクリル酸エステル
<4> 前記定着工程が、前記未定着のトナー画像が形成された用紙を、加熱された定着ロールと圧着ロールとが圧接され形成されたニップ部に、前記トナー画像が形成された面が定着ロール側となるように挿通して、前記トナー画像を加熱及び圧着する工程であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<5> 前記定着工程が、前記未定着のトナー画像が形成された用紙を、加熱された定着ロールと該定着ロールの外周面に当接するエンドレスベルトとによって形成されるニップ部に、前記トナー画像が形成された面が定着ロール側となるように挿通して、前記トナー画像を加熱及び圧着する工程であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<6> 前記定着工程が、前記未定着のトナー画像が形成された用紙を、加熱した定着ベルトと加圧ベルトとが圧接され形成されたニップ部に、前記トナー画像が形成された面が定着ベルト側となるように挿通しトナー画像を加熱及び圧着後、前記定着ベルトと定着されたトナー画像を表面に保持する前記用紙とを密着させたまま移動させ、前記トナー画像が所定温度以下に冷却された後、前記定着されたトナー画像を表面に保持する用紙を定着ベルトから剥離する工程であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<7> 少なくとも、体積平均粒径が2〜5μmの範囲のトナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に、単色あたりのトナー載り量が0.1〜0.35mg/cm2の範囲の未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法に用いる電子写真用転写紙であって、
表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されておらず、十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙である。
本発明によれば、乾式電子写真方式のフルカラー複写機及びプリンター等により小粒径トナーを用いて画像形成を行う場合、表面に顔料及び接着剤を含む塗工層を持たないようないわゆる普通紙を使用して画像を形成したとしても、定着部材の離型性の低下が少なく、定着部材の寿命を長くすることが可能な画像形成方法及びそれに用いる電子写真用転写紙を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、トナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーの体積平均粒子径が2〜5μmの範囲であり、前記用紙が表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されていない転写紙であり、該転写紙の十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であり、かつ、前記用紙表面に形成される単色あたりの最大トナー載り量が0.1〜0.35mg/cm2の範囲であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用転写紙は、上記画像形成方法に用いられる転写紙であって、表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されておらず、十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であることを特徴とする。
以下、併せて説明する。
本発明者等は、普通紙(表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されていない電子写真用転写紙(以下、「転写紙」という場合がある))を用い、体積平均粒径が2〜5μmの範囲である小粒径トナーを使用して画像形成を繰り返した際に、特に定着工程で発生する定着部材の離型性低下に伴う寿命低下の解決ために鋭意検討し、以下のような発明をなし得た。
すなわち、顔料及び接着剤を含有する塗工層(以下、単に「塗工層」という場合がある)が設けられていない転写紙を用いて画像形成を行った場合、画像厚みを小さくするために、2〜5μmの範囲の体積平均粒径を有し、さらに単色あたりの最大トナー載り量を0.35mg/cm2以下としたような画像を形成しようとすると、前述したように定着ニップ内で転写紙の表面層から紙粉が発生し、定着ロール等の定着部材表面を汚染する。そして、ニップ内の熱や圧力、定着部材と接触する摺動部材、従動部材などとの接触により定着部材表面の離型性が徐々に低下してしまう。
本発明者等が鋭意検討した結果、トナーの小粒径化、トナー載り量低減によりトナー画像の盛り上がりが少なくなると、通常の粒径のトナーで従来知られるトナー載り量の時の画像と比較して、定着ニップ内で、定着部材に対して普通紙表面が直接触れる領域が増え、定着ニップ内の変形により生じるニップ上下の部材の周速差により転写紙表面に大きなシゴキ力(摺擦力)が生じやすくなり、その結果として、転写紙表面から紙粉が発生しやすくなることが判明した。
さらに、前記転写紙では、転写紙表面や内部に連通する空隙などの影響により、特に5μm以下の粒径のトナーを含むトナー画像を十分に定着することができない場合があり、孤立したトナー塊を生成しやすい。こうしたトナー塊は、十分に溶融しておらず、離型性が低下し紙粉成分も付着したような定着部材に接着しやすくなり、これが堆積しさらに定着部材の離型性を低下させることも見出された。
こうした状態の定着部材は、離型性が大きく低下しているために、トナー画像が定着時に定着部材に転移してしまうオフセット現象が発生し、画像を汚してしまったり、さらには、こしの小さい転写紙では巻き付きが発生してしまったりすることが認められた。本発明者等はこうした現象を突き止め、詳細に分析を行い検討を行った。
ここで、本発明における顔料及び接着剤を含む塗工層とは、炭酸カルシウム、カオリンクレーなどの白色顔料を50質量%以上含み、スチレン−ブタジエン系やスチレン−アクリル系に代表されるラテックス類、及び/または、澱粉系に代表される水性ポリマーを接着剤として前記白色顔料に対して50質量%以上含む塗料を、固形分量(乾燥質量)で少なくとも転写紙の片面あたり2g/m2以上塗布された塗工層のことを指し、白色顔料の含有量が50質量%を下回る塗料で表面層を形成した転写紙や、上述した塗料を用い固形分量で少なくとも片面あたり2g/m2未満の塗工量で表面層が形成された転写紙は本発明における転写紙に含まれる。
前述のように、顔料及び接着剤を含む塗工層が設けられていない転写紙では、トナーの粒子径を小さく(体積平均粒径で2〜5μm)し、その際の単色あたりの最大トナー載り量をある一定以下(0.35mg/m2以下)にするだけでは、画像の盛り上がりは小さくなるものの、定着工程で紙粉の発生が顕著となってしまう。
これに対処するためには、まず、上記状態での転写紙の摺動摩耗やシゴキ摩耗に対する抵抗力を大きくし、トナーの定着性を向上させるために転写紙の表面粗さを小さくすることが重要である。しかし、転写紙の表面粗さを低減させることのみでは紙粉の低減には十分でなく、本発明においては、転写紙の十点平均表面粗さ(Rz)を小さくすることに加え、転写紙表面のテーバー摩耗量を低減することで、定着工程での紙粉発生を防止し、トナーの定着性も向上でき、定着部材の離型性低下を防止できることを見出した。
ここで前記十点平均表面粗さ(Rz)は、JIS B 0601に準じ、公知の触針式表面粗さ測定機(例えばサーフコーダーSE−30、小坂研究所製)を使用して測定することができる。
本発明における十点平均粗さRzの測定は、サーフコーダーSE−30を用いた。測定条件は、本発明の十点平均粗さRz5〜18μmの範囲では基準長さの標準値が異なっているので、Rzが10μm以下の場合は基準長さ(L)=0.8mm、評価長さ(Ln)=4mm、またRzが10μmを超えた場合は、基準長さ(L)=2.5mm、評価長さ(Ln)=12.5mmで実施されたもので、十点平均表面粗さ(Rz)を5〜18μmと単に記載した場合でも、基準長さ、評価長さは上記の値で測定したものである(記載についてはμmRz、L mm、Ln mmの順で記載することもある)。なお、測定環境は23℃、50%RHとした。
さらに、本発明におけるテーバー摩耗量は、JIS P 8111に準じて調湿した転写紙を、(株)東洋精機製作所製のテーバーロータリーアブレーションテスターを用いて、外径50mmの摩耗輪CS−10により摩耗回転速度を60rpm、試験荷重を2.45N(250gf)、摩耗回転数を50回転、測定環境を23℃、50%RHとして測定した。
図1に、上記テーバー摩耗量の測定を行っている状態の一例を示す。図1(a)は平面状(円形)の試料が回転する状態を回転面と垂直方向から見た図、図1(b)は前記回転面と平行方向から見た図である。ターンテーブル100の表面に固定された測定試料110には、2つの摩耗輪120が錘122により荷重された状態で当接しており、測定試料110がスピンンドル130に支持されたターンテーブル100の回転に伴って回転することにより、摩耗輪120が従動回転して測定試料110の摩耗輪120との当接部分が徐々に摩耗していくこととなる。
本発明におけるテーバー摩耗量は、測定試料とした転写紙の前記摩耗前後の質量を測定することにより求めた。
前記のように、定着工程で発生する転写紙からの紙粉発生を防止するためには、テーバー摩耗量で規定される転写紙の摩擦力に対する強度が重要な要因となる。そのためには、紙内部の強度が強いことも必要ではあるが、特に表面層の強度が必要となる。その強度を向上させるために効果的であるのは、高分子(樹脂)などで表面保護を行うことである。
本発明においては、転写紙表面のテーバー摩耗量を前記規定範囲とするために、通常抄紙工程で実施される表面サイズ剤を用いた酸化変性澱粉や酵素変性澱粉などの澱粉類の表面処理において、該澱粉類にフィルム形成能の高い材料を加えた表面サイズ剤を用いることが望ましいことを見出された。すなわち、(a)けん化度が90mol%以上のポリビニルアルコール、(b)カチオン基などを導入した変性ポリビニルアルコール、(c)スチレン−無水マレイン酸共重合体、(d)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、(e)スチレン−ブタジエン共重合体、及び(f)ポリアクリル酸エステルのうちから選択される少なくとも1種以上の樹脂を加えることによりその効果を発現させることができる。
なお、これらの樹脂のうちでは、けん化度が90mol%以上のポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体を用いることが特に好ましい。
前記各樹脂の重量平均分子量は300〜10000の範囲であることが好ましい。また、表面サイズ剤中への添加量としては、前記澱粉類100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましい。
前記表面サイズ剤は、サイズプレス工程やゲートロールコーターなどで、後述する原紙表面に表面処理することができ、片面あたりの処理量としては固形分(乾燥質量)で0.8〜3.0g/m2の範囲であることが好ましく、1.0〜3.0g/m2の範囲であることがより好ましい。処理量が0.8g/m2に満たないと前記表面層の強度が十分でなくテーバー摩耗量が大きくなってしまう場合がある。処理量が3.0g/m2より大きいと、特に高湿環境で粘着性を持ち、紙送り不良などを発生するために好ましくない場合がある。
次に、本発明の転写紙を構成する原紙について説明する。本発明の転写紙は、前記のように通常表面サイズ剤により表面処理されてなるが、本発明の転写紙には表面処理されていない原紙も含まれる。
本発明の転写紙において、原紙に使用されるパルプ繊維は、特に限定されるものではないが、例えば、クラフトパルプ繊維、サルファイトパルプ繊維、セミケミカルパルプ繊維、ケミグラウンドパルプ繊維、砕木パルプ繊維、リファイナーグラウンドパルプ繊維、サーモメカニカルパルプ繊維等を使用することが好ましい。また、これらの繊維中のセルロースあるいはヘミセルロースを化学的に修飾した繊維も必要に応じて使用することができる。
さらに、綿パルプ繊維、麻パルプ繊維、ケナフパルプ繊維、バガスパルプ繊維、ビスコースレーヨン繊維、再生セルロース繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、セルロースアセテート繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール共重合体、フルオロカーボン系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、シリコンカーバイド繊維等の各繊維を、単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
また、必要に応じて、前記パルプ繊維にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂を含浸あるいは熱融着させて得られた繊維を使用することもできる。
さらに、上質系及び中質系の古紙パルプを配合することもできる。該古紙パルプの配合量としては、用途や目的等に応じて決定されるが、例えば、資源保護の観点から古紙パルプを配合する場合には、全繊維中10質量%以上、好ましくは30質量%以上配合することが好ましい。
本発明に用いる原紙には、填料を使用しても構わない。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイオロフェライト、セリサイト、タルク等の珪酸類や、二酸化チタン等の無機填料、及び尿素樹脂、スチレン等の有機顔料、さらにはポリエステル系や、スチレンアクリル系などの熱可塑性樹脂微粒子を配合することも可能である。
前記無機系填料の配合量は、原紙全体の0〜10質量%の範囲で配合することが望ましく、0〜8質量%の範囲で配合することがより望ましい。また、特に熱可塑性の有機顔料は、定着工程での熱により繊維間を融着させることができるので、原紙全体の0〜10質量%の範囲で配合することが望ましく、0〜5質量%の範囲で配合することがより望ましい。10質量%を超えて配合した場合には、樹脂含浸した場合と同様に転写紙の不透明度を低下させるので好ましくない。
なお、本発明においては、転写紙の表面強度を高く保つために、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルクなどの白色顔料からなる填料をあまり多く配合しない方がよい。これらの無機系の白色顔料を多く配合すると、繊維間で生成される水素結合を分断したり、繊維間距離が大きくなりやすく結合強度が低下する。さらに、摩耗力が働いた際に発生する紙粉中に、無機系顔料が多く含まれることなり、定着部材を傷つける可能性が高くなる。
そのため、前記無機系の白色顔料の配合量は、好ましくは原紙全体の0〜10質量%の範囲であることが好ましく、0〜8質量%の範囲がより好ましい。上記配合量は、灰分量として測定できることから、本発明における転写紙の灰分量が前記範囲であることが好ましい。
なお、本発明における灰分量は、JIS P 8003に規定される方法(575℃で4時間灰化処理)に準じて求めることができる。
また、本発明に用いられる原紙には、内添または外添により、サイズ剤等の各種薬品を使用することができる。サイズ剤の種類としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせても使用できる。
これらの中では、電子写真方式の複写機やプリンター等におけるコピー後の用紙保存性の観点からは、中性サイズ剤、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルケテンダイマー、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が好ましい。また、表面サイズ剤として、酸化変性澱粉、酵素変性澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース変性体を単独もしくは組み合わせて使用することができる。
さらに、本発明の転写紙に用いる原紙には、用紙の電気抵抗値を調整する目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物や、アルキルリン酸エステル酸、アルキル硫酸エステル酸、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウム塩等の有機系の材料を単独あるいは混合して使用することができる。
また、紙力増強剤を内添あるいは外添することができる。紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド−エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体等が挙げられ、これらの材料を単独あるいは混合して使用することができる。
本発明の転写紙の好ましい態様としては、前述したように、前記原紙表面にサイズプレス、ゲートロールなどを用いて、澱粉類や特定の樹脂を少なくとも含む表面サイズ剤により表面処理されてなるものが挙げられるが、このとき、前記無機填料や、有機顔料をテーバー摩耗量が本発明に規定する数値範囲となるように配合しても構わない。
また、前記種々の材料の他に、染料、pH調整剤等、通常の塗工紙用基紙に配合される各種助剤を適宜使用しても構わない。
本発明に使用する転写紙の坪量(JIS P−8124)は、特に限定されないが、50〜105g/m2の範囲であることが望ましい。坪量が50g/m2を下回ると、転写紙のこしが小さくなることより定着工程での巻き付きや、剥離不良にともなう画像欠陥が発生しやすくなる場合がある。105g/m2を上回ると、トナーを定着させやすくさせるために、定着速度を低下させるなどの手段が必要となり、生産性を低下させる場合がある。
転写紙表面の十点平均表面粗さ(Rz)を低下させる手段としては、抄造工程でのウエットプレス工程での圧力を増加させたり、カレンダー工程でカレンダーロールの線圧を増加させる方法を挙げることができる。特にカレンダー工程が有効である。また、使用するパルプの濾水度を低下させることによっても調整は可能である。さらには、填料を増配することも効果的ではあるが、紙粉発生を助長する可能性があるので多量には配合しないほうが好ましい。Rzを低下させる手段としては、必ずしもこれらに限られるものではなく、公知のどのような手段を用いても構わない。
本発明に使用する転写紙を仕上げる場合には、開封直後の製品水分率が適切な範囲内、具体的には好ましくは3〜6.5質量%、より好ましくは4.5〜5.5質量%程度の範囲内に収まるように、抄紙機で含水量を調整することが好ましい。また、保管時に吸脱湿が発生しないように、ポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等の材料を用いて包装することが望ましい。
次に、本発明の画像形成方法に用いるトナー及び現像剤について説明する。
本発明の画像形成方法に用いることができるトナー、現像剤としては、以下の如きものが好適に用いることができる。
本発明の画像形成方法に用いるに好適なトナーの樹脂成分としては、一般に、非晶質ポリエステル系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられるが特に制限されるものではない。また、好適なトナーの顔料成分としては、特に制限は無く、従来公知のものが問題なく使用可能である。
前記好適なトナーの製造方法については、粉砕法、重合法等どのような製造方法を採用してもかまわないが、樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と着色剤を分散した着色剤分散液とを混合し、樹脂微粒子及び着色剤をトナー粒径程度まで凝集させ、得られた凝集粒子を樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱、融合させる乳化重合凝集法が好ましい。該乳化重合凝集法は、特開平6−250439号公報や特許第3141783号明細書などに記載される方法を用いることができるが、これに限られるものではない。
本発明におけるトナーには離型剤を用いることができ、例えば、前記樹脂微粒子分散液等に混合して配合することができる。この場合、好ましくは、樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂微粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂微粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス;及びそれらの変性物などを挙げることができる。 本発明においては、オイルレス定着装置を用いた場合の離型性能確保の観点からポリエチレン系、パラフィン系、カルナバ系のワックスを使用することが好ましい。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。また、これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で微粒子状に分散させ、粒径が1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。また必要に応じて、画像の耐候性などを向上させるために重合性紫外線安定性単量体などを含有させても良い。
重合性紫外線安定性単量体の例としては4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのピペリジン系化合物が効果的である。これらは、1種または2種以上を用いることができる。
これらの離型剤は、トナー構成固体分総質量に対して5〜25質量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムに用いた場合の定着画像の剥離性を確保する上で望ましく、さらに好ましくは7〜20質量%の範囲で添加する。 なお、得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
また、本発明の画像形成方法に用いるトナーは、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を、乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。 水中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
本発明において、前記トナーの体積平均粒径は2〜5μmの範囲である。また、体積平均粒径は2.5〜4.5μmの範囲であることがより好ましく、2.5〜4.0μmの範囲がさらに好ましく、2.5〜3.5μmの範囲が特に好ましい。トナーの体積平均粒径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下してしまう。一方、5μmを越えると、画像の解像性が低下したり、単色あたりのトナー載り量を多くする必要がある。
また、本発明におけるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.28以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。特に乳化重合凝集法で製造することにより、かかる粒度分布のシャープなトナーを得ることができる。GSDvが1.28を越えると、画像の鮮鋭性、解像性が低下するため好ましくない。
前記体積平均粒径、GSDvは、以下のように求められる。まず、例えば、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)で測定される粒度分布を基にして、体積について小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径を体積D16v、累積50%となる粒径を体積D50v(これを体積平均粒径とする)、累積84%となる粒径を体積D84vと定義する。
そして、体積平均粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v1/2として算出される。
本発明において、前記好適なトナーの粒子としては、下記式(1)で定義される形状係数SF1の平均値が100〜140の範囲であることが望ましく、110〜135の範囲であることがより望ましい。
SF1=ML2×100π/4A ・・・ (1)
(上記式中、MLはトナーの粒子の径の最大長を表し、Aはトナーの粒子の投影面積を表す。)
上記形状係数SF1は、トナーの形状などの形態を表現する係数として使用され、光学顕微鏡等がとらえた画像から、トナーの粒子の面積、長さ、形状等を高精度に定量解析する事が出来る、画像解析という統計的手法に基づくものであり、例えばイメージアナライザー(NIRECO社製、Image Analyzer LUZEX III等)により測定可能である。
なお、本発明においては形状係数SF1の平均値としては、測定対象となるトナーの粒子200個について、画像解析して得た形状係数SF1の値を平均したものを用いた。
上記式(1)から明らかなように、形状係数SF1は、トナー粒子径の最大長を2乗した値を当該トナー粒子の面積で割った値にπ/4を掛け、更に100倍して得られる数値であり、トナー粒子の形状が球に近いほど100に近い値となり、逆に細長い程、大きな値となる。すなわち、トナーの最大径と最小径との差、つまり、形状係数SF1は、歪みを表す指標となる。完全球形であれば、SF1=100である。
本発明の画像形成方法に用いることができる現像剤は、トナーを含むものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。前記現像剤としては、例えばトナー単独からなる一成分系の現像剤と、トナー及びキャリアを組み合わせて用いる二成分系現像剤とがある。
二成分系現像剤において用いられるキャリアとしては、特に制限はなく、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアを使用することができる。前記二成分系現像剤における、トナー及びキャリアの混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
次に、前記転写紙、トナーを用いた本発明の画像形成方法の画像形成プロセス等について説明する。
本発明の画像形成方法は、少なくとも、トナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法であって、本発明の画像形成方法において、トナー画像を形成する画像形成工程自体は、用紙として前記本発明の電子写真用転写紙及び前記トナーを使用することを条件として、公知の画像形成工程をすべて適用することができる。例えば、潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する現像工程、現像されたトナー画像を被転写体としての用紙に転写する転写工程などを含むものが挙げられる。
また、別の方法として、潜像担持体と被転写体との間に中間的にベルト等を用いてカラートナー画像を重ね合わせてから被転写体としての用紙にカラートナー画像を一括転写し、加熱溶融して定着する方法等を採用すれば、フルカラー画像を形成することもでき、本発明において当該方法を適用することもできる。
特に本発明においては、定着工程において従来知られる各種の定着装置を使用しても、前述の本発明における転写紙を用いていることから、離型性の低下が少なく、定着工程における巻きつき、剥離不良に伴う画像欠陥の発生を防止することができる。
以下、本発明の画像形成方法において適用可能な画像形成装置の例を挙げる。
図2は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、矢印A方向に回転する感光体11を備え、感光体11の周りには、ロール型の帯電器12、露光装置13、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色の現像剤をそれぞれ収容する現像器14a、14b、14c及び14dを内蔵した現像装置14、ベルト状の中間転写体15、クリーナー16、及び光除電器17が、この順序で配置されている。中間転写体15は、支軸ロール18a,18b,18cにより張架されている。支軸ロール18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接している。支軸ロール18cは、中間転写体15を介して、転写用ロール19で圧接されている。また、転写用ロール19により、中間転写体15の周面から被転写体(用紙)7にトナー画像が転写される。
図2に示す画像形成装置においては、以下のように画像が形成される。帯電器12により帯電させた感光体11を露光装置13により、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色の各画像情報に基づいて露光して、感光体11表面に各色の潜像を形成させる。この感光体11表面の潜像は、現像装置14に内蔵された現像器14a、14b、14c及び14dのうち前記各色に対応した現像器にて現像されトナー画像が形成される。現像されたトナー画像は、支軸ロール18aと対向する部位にて、ベルト状の中間転写体15の外周面に静電的に転写される。
なお、感光体11表面のトナー画像を被転写体(用紙)7に転写した後、感光体11表面に残存したトナーは、クリーナー16よって除去される。また、感光体11表面に残存した残留電荷は、光除電器17によって除電される。そして感光体11は、次の画像形成に備えられる。
この操作をシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色についてそれぞれ行い、中間転写体15の外周面に順次積層することで、中間転写体15の外周面には、未定着のフルカラーのトナー画像が形成される。
中間転写体15の外周面に形成されたフルカラーのトナー画像は、中間転写体15の矢印P方向への進行に伴い、支軸ロール18cと転写用ロール19とが中間転写体15を介して圧接されている部位(ニップ部)まで移動する。中間転写体15外周面のトナー画像は、当該ニップ部を通過する際、ともに挿通され矢印B方向に進行する被転写体7表面に転写される。
本発明において、前記のようにして感光体表面に現像され、その後用紙に転写されたトナー画像のトナー載り量(以下、「TMA」という場合がある)を単色につき(100%の面積率を形成する場合)0.10〜0.35mg/cm2以の範囲である。TMAは0.15〜0.30mg/cm2の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.30mg/cm2の範囲である。
TMAが0.10〜0.35mg/cm2の範囲であると、前記のように得られる画像が高画質化するとともに、用紙の加熱ロールに対する離型性が向上するので、トナーが加熱ロールに付着することによって生じるオフセット現象や、トナーが加熱ロールに追従することにより生じる紙詰まり等のトラブルが発生しない。また、TMAが0.10mg/cm2に満たないと、得られる画像におけるトナーの充分な発色を確保することができない。
なお、TMAの具体的な測定方法としては、4.0cm2の面積の未定着ベタトナー画像を転写紙上に形成し、これを秤量し、次いでエアブローにより転写紙上のトナーを除去した後、転写紙のみの質量を測定し、トナー除去前後の質量差からTMAを算出した。
このようにして得られた被転写体(用紙)7表面の未定着画像は、転写工程の下流に位置する定着装置により定着される。かかる定着装置としては、熱及び圧力を加えることにより定着する定着装置であれば、特に限定することなくいずれも使用することができる。
本発明の画像形成方法に用いる定着装置としては、接触型熱定着装置を挙げることができ、例えば芯金外周にゴム弾性層が形成され、必要に応じてさらに定着部材表面層を具備した加熱ロールと、芯金外周にゴム弾性層が形成され、必要に応じて定着部材表面層を具備した加圧ロールと、からなる熱ロール型の定着装置や、そのロールとロールとの組み合わせを、ロールとベルトとの組み合わせや、ベルトとベルトとの組み合わせに代えた定着装置等を挙げることができる。
なお、本発明において定着部材とは、前記用紙に形成された未定着トナー画像を加熱及び圧着する加熱ロール、加圧ロールやベルトをいう。
定着部材の基材(コア)には、耐熱性に優れ、変形に対する強度が強く、熱伝導性の良い材質が選択され、ロール型の定着装置の場合には、例えばアルミ、鉄、銅等が選択され、ベルト型の定着装置の場合には、例えばポリイミドフィルム、ステンレス製ベルト等が選択される。ロール型の定着装置における基材の表面には、通常シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなるゴム弾性層が設けられている。
前記定着部材の基材やゴム弾性層には、目的に応じて各種の添加剤等が含有されていてもよく、例えば、磨耗性向上、抵抗値制御等の目的でカーボンブラックや金属酸化物、SiCなどのセラミックス粒子等が含有されていてもよい。
以下に、本発明における定着工程に用いられるいくつかの好ましい定着装置の例を示す。
まず、熱ロール型の定着装置の例(定着装置I)について詳記する。本例の定着装置は、図3に概略構成図で示されるものであり、図2に示される画像形成装置において採用されるものである。
この定着装置は、主として、ロール形状を有する定着ロール1と、これに対向配置された圧着ロール2とからなる。定着ロール1は、その内部にこれを加熱するための加熱源3が配され、コア8の外周に、弾性層5が形成され、さらにその上に定着ロール1の表面を成す表面層4が形成されてなる。
そして、トナー画像6が形成された被転写体(用紙)7が、矢印B方向への進行により、圧着ロール2と定着ロール1との間のニップ部に挿通されると、その通過の際に、加熱及び圧着されてトナー画像の定着が行われる。
本例の定着装置は、必要に応じてさらに、定着ロール1の表面に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材(不図示)、圧着ロール2を加熱するための加熱源3’、被転写体7を定着ロール1から剥離させる爪(フィンガー、不図示)などを有していてもよい。なお、図3に示される定着装置における加熱源3は、温度制御装置(不図示)により、定着ロール1表面温度が一定となるように制御されている。
定着ロール1及び/または圧着ロール2には、単層または積層構造の弾性層5,5’が備えられていることが好ましい。弾性層5,5’には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムが用いられ、そのゴム硬度(JIS−A)は、60以下であることが好ましい。定着部材が弾性層5,5’を有すると、被転写体7上のトナー画像6の凹凸に追従して前記定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性を向上させることができる点で有利である。
前記弾性層5,5’の厚みとしては、0.1〜3mmの範囲であることが好ましく、0.5〜2mmの範囲であることがより好ましい。弾性層5,5’の厚みが3mmを超えて厚すぎると、定着部材の熱容量が大きくなり、定着部材を所望の温度まで加熱するのに長い時間を要する上、消費エネルギーも増大してしまう点で好ましくない。また、その厚みが0.1mm未満で薄すぎると、定着部材表面における変形がトナー画像の凹凸に追従できなくなり、溶融ムラが発生する場合があり、また、剥離に有効な弾性層の歪みが得られ難い点で好ましくない。
次に、ベルト−ロールニップ型の定着装置の例(定着装置II)について詳記する。本例の定着装置は、図4に概略構成図で示されるものである。
本例の定着装置は、加熱源を内蔵した定着ロール21と、3つの支持ロール22,23,24に張架され上記定着ロール21に圧接されるエンドレスベルト25と、このエンドレスベルト25の内面側に当接され、定着ロール21の表面に沿ってエンドレスベルト25を押圧する圧力付与部材31と、で主要部が構成されている。
定着ロール21は、内部に円筒状のコア32を有しており、モータ38によって矢印C方向に回転駆動されるものである。このコア32は、外径47mm、内径42mm、長さ350mmのアルミニウムで形成されている。コア32の表面には、下地層23aとして硬度45°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが厚さ2mmで直接被覆され、さらにその上にトップコート層23bとしてRTVシリコーンゴムが厚さ50μmでディップコートされている。これにより被覆層23が形成されており、被覆層23は鏡面に近い表面状態に仕上げられている。
なお、下地層23aのゴムの硬度は、Teclock社製のスプリングタイプのA型硬度計により、JIS−K6301に準拠して、荷重9.8N(1,000gf)を付加して計測した結果である。また、コア32としてはアルミニウムでなくても熱伝導率の高い金属製のものを使用することができ、被覆層23としては耐熱性の高い弾性体であれば他の材料を使用することができる。
コア32の内部には、加熱源として出力850Wのハロゲンランプ35が配置されている。また、定着ロール21の表面には、温度センサ30が配置され、加熱定着ロール21表面の温度を計測する。そして、温度センサ30の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ35がフィードバック制御されて、例えば加熱定着ロール21の表面が150℃に調節されるようになっている。
また、定着ロール21の近傍にはオイル供給装置9が配設されている。オイル供給装置9は、離型剤を貯蔵するタンク9aからスポンジ状の吸上げ部材9b、ロール9c,9dを通じて定着ロール21の表面に離型剤を常に一定量供給する。これにより用紙37に、トナー36による未定着のトナー画像を定着する際に、トナー36の一部が定着ロール21にオフセットするのが防止されている。オイル供給装置9によって供給される離型剤としては、例えば粘度1000mm2/s(1000cSt)のジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が使用される。
圧力付与部材31は、ベースプレート31aの表面に弾性層31bと低摩擦層31cとを積層して形成したものであり、ベースプレート31a側に配置された圧縮コイルスプリング26によって加熱定着ロール21に向けて押圧されている。ベースプレート31aは、例えば、幅(エンドレスベルト25の走行方向)20mm、長さ(エンドレスベルト25の走行方向に対して垂直方向)320mm、厚さ5mmのステンレス鋼製のものである。また、弾性層31bは、ゴム硬度23°のシリコーンスポンジ(シリコーンゴムの発泡体)からなる厚さ5mmのものである。なお、ここでゴム硬度は、高分子計器社製のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷重2.94N(300gf)を付加して計測した結果である。さらに、低摩擦層31cとしては、ポリテトラフルオロエチレンを含浸させたガラス繊維シートである中興化成製の「FGF−400−4」(商品名)を用いている。
ここで弾性層31bが設けられていることにより、エンドレスベルト25と接触する低摩擦層31cの接触面は、加熱定着ロール21の外周面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷重によって圧力付与部材31を定着ロール21に向けて押圧すれば、弾性層31bが変形し、低摩擦層31cの接触面が加熱定着ロール21の外周面に沿って圧接されるように変形するようになっている。したがって、圧力付与部材31が圧縮コイルスプリング26によって加熱定着ロール21に押圧されると、エンドレスベルト25は定着ロール21に隙間なく圧接され、ベルトニップ部が形成される。
また、低摩擦層31cの表面には、粘度1000mm2/s(1000cSt)のジメチルシリコーンオイル(商品名「KF−96」、信越化学株式会社製)が塗布されており、これによってエンドレスベルト25と圧力付与部材31との間の摩擦係数が小さくなるようになされている。そして、ジメチルシリコーンオイルを塗布した状態では、エンドレスベルト25と加熱定着ロール21との間の摩擦係数μ1よりも、圧力付与部材31とエンドレスベルト25との間の摩擦係数μ2は小さくなっている(μ1>μ2)。このように、エンドレスベルト25の両面における摩擦係数を設定することによって、エンドレスベルト25は、加熱定着ロール21の回転に伴って従動し、圧力付与部材31上を滑りながら走行するようになる。
エンドレスベルト25は、例えばポリイミドフィルムにより厚さ75μm、幅300mm、周長188mmに形成されている。このエンドレスベルト25は、加熱定着ロール21と離れた位置に配置された支持ロール22,23,24の周囲に約78.4N(8kgf)の張力で巻回されている。支持ロール22,23,24はステンレスによって形成されており、その直径は、それぞれ18mm,18mm,23mmである。
このエンドレスベルト25は、圧力付与部材31が加熱定着ロール21に向けて押圧されていることにより、加熱定着ロール21に隙間なく圧接される。このとき、圧力付与部材31の接触圧力は、約5.5×104Pa(0.56kgf/cm2)に設定されている。また、加熱定着ロール21は、モータ38により周速度V=220mm/secで矢印C方向に回転しており、この回転によりエンドレスベルト25も速度220mm/secで従動回転するようになっている。
次に、本例の定着装置の動作について説明する。本例の定着装置では、図4中の右側において、図示しない転写装置により用紙37の表面にトナー36によるトナー画像が転写され、前記ベルトニップ部に向けてこの用紙37が搬送されてくる。用紙37は、ベルトニップ部の圧力付与部材31の配置されている位置に侵入する。そして、ベルトニップ部に作用する圧力とハロゲンランプ35によって加熱定着ロール21を通じて与えられる熱により、トナー画像36が用紙37表面に定着される。
次に、ベルト−ベルトニップ型の定着装置の例(定着装置III)について詳記する。本例の定着装置は、図5に概略構成図で示されるものである。
本例の定着装置においては、矢印E方向に周回する定着ベルト43と、これに従動して矢印F方向に周回する加圧ベルト45と、が圧接して定着用のニップ部を形成している。用紙47が投入される箇所で加圧ロール41及び加圧ロール42により、定着ベルト43及び加圧ベルト45のそれぞれ周内から相互に対向する形で押圧され、前記ニップ部の入口が形成されている。このニップ部に入るまでに、定着ベルト43は、第1、第2、第3の3つの加熱部によって、十分にその表面が加熱されるようになっている。
第1加熱部は、前記ニップ部の入口を通過した後の冷却部で、定着ベルト43を冷却するために設けられた冷却板52により定着ベルト43から奪った熱を、ヒートパイプ53でアルミニウム製の加熱板51へ移動させ、定着ベルト43の加熱に用いるように構成されている。
第2加熱部は、定着ベルト43の裏面(内周面)に接するアルミニウム製の加熱ロール48により構成されている。加熱ロール48の内部にはヒータ55aが配されており、加熱ロール48の表面温度を感知すべく配された温度センサ44aの検知データをもとに、不図示の温調手段により温度制御されている。
第3加熱部は、定着ベルト43の表面(外周面)に接するアルミニウム製の加熱ロール49により構成されている。加熱ロール49の内部にはヒータ55bが配されており、加熱ロール49の表面温度を感知すべく配された温度センサ44bの検知データをもとに、不図示の温調手段により温度制御されている。
定着ベルト43は、矢印E方向への周回により順次、第1加熱部で予熱され、第2加熱部で裏面側から、第3加熱部で表面側から、それぞれ加熱され、定着に必要な温度に加熱された状態で前記ニップ部に達する。前記ニップ部の直前には、定着ベルト43の表面温度を感知する温度センサ44cが配されており、その検知データをもとに、不図示の制御手段により、第2加熱部及び/または第3加熱部の加熱条件をフィードバック制御している。
未定着のトナー画像が表面に形成された用紙47が矢印D方向に進行し、加圧ロール41及び加圧ロール42が対向配置されて定着ベルト43及び加圧ベルト45間に形成される前記ニップ部の入口に挿通されると、そこで熱及び圧力が加えられ、トナー画像を構成するトナーが溶融する。このトナーが溶融した状態では、それが粘着剤の働きをして、定着ベルト43と用紙47とが粘着状態になるが、その後冷却部で、冷却板52により定着ベルト43から熱が奪われ冷却される。この奪われた熱は、既述のように第1加熱部で利用される。そして、定着ベルト43と加圧ベルト45とが当接している区間(ニップ部)の出口に相当する剥離部における定着ベルト43の温度が、トナーがある程度固化して定着ベルト43から離れやすい粘度となる温度以下となるように、前記冷却部において冷却される。そして前記剥離部において、用紙47が定着ベルト43から剥離され矢印D方向にそのまま進行し、機外に排出される。
本例では、前記冷却部において、定着ベルト43表面の温度が100℃以下となるように冷却した。当該温度としては、90℃以下となるように調整することが、より望ましい。
また、前記ニップ部の入口での定着ベルト43の表面は、トナーの溶融温度以上の温度となるように上記3つの加熱部において加熱される。本例では、定着ベルト43表面が175℃となるように加熱している。より詳細には、第1加熱部でおよそ115〜120℃の範囲まで、第2加熱部でおよそ160〜170℃の範囲まで加熱し、第3加熱部で175℃程度まで加熱調整することが好ましい。
本例の定着装置では、このように3つの加熱部で強力に定着ベルト43を加熱しており、加熱効率が高いため、高速定着が実現できる。また、定着後の冷却すべき用紙47及び定着ベルト43の熱を第1加熱部に移動させて再利用しているので、用紙剥離性が良好であることは勿論のこと、熱効率も良好である。
本例では、以上の構成により、例えば毎分60枚(A4横送り)の連続高速定着を実現することができる。
以上、1つの画像形成装置ないし3つの定着装置を挙げて、本発明の画像形成方法に適用可能な画像形成装置ないし定着装置を説明したが、本発明においては、これら各実施例の装置に限定されず、従来公知の各種画像形成装置ないし定着装置を適用することができる。これら各例において説明した個々の要素を、他の例において適用することもできる。
本発明の画像形成方法においては、前記用紙に未定着のトナー画像を形成した後、前記定着装置に導入するに先立ち、当該用紙を、そのトナー画像が形成された側の表面温度が50℃以上となるように予め加熱(以下、「予熱」という場合がある。)することができる。予熱により用紙の表面温度を50℃以上にすることで、定着時の熱エネルギーを低減させることが可能となり生産性の向上が見込まれる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。勿論、本発明は、以下に説明する実施例により限定されるものでない。なお、実施例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、各々「質量部」及び「質量%」を示すものとする。
また、用紙特性の評価方法については、後でまとめて説明することにする。
<電子写真用転写紙の作製>
(転写紙1)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度490mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)13.5部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.15部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、けん化度99mol%のポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製)1.4部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.4部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.7g/m2、けん化度99mol%のポリビニルアルコールが0.1g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:0.9g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が80秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙1を得た。
得られた転写紙1の、テーバー摩耗量は9.8mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は15μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は13%であった。
(転写紙2)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度480mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、重質炭酸カルシウム(ソフトン1200、備北粉化工業製)11部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.20質量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が1.0g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:1.1g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が60秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙2を得た。
得られた転写紙2の、テーバー摩耗量は7.0mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は18μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は10%であった。
(転写紙3)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度490mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8.5部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.18部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、スチレン−無水マレイン酸共重合体(スクリプセット540、ニチユソリューション製)1.25部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.25部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.8g/m2、スチレン−無水マレイン酸共重合体が0.1g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:1.0g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が80秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙3を得た。
得られた転写紙3の、テーバー摩耗量は5.0mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は15μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は8%であった。
(転写紙4)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度470mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)6部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.20部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、けん化度99mol%のポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製)2.2部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.1部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.9g/m2、けん化度99mol%のポリビニルアルコールが0.2g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:1.2g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が80秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙4を得た。
得られた転写紙4の、テーバー摩耗量は4.0mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は15μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は5%であった。
(転写紙5)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度490mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、重質炭酸カルシウム(ソフトン1200、備北粉化工業製)を17部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.15部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.25部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.8g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:0.9g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が65秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙5を得た。
得られた転写紙5の、テーバー摩耗量は12mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は18μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は16%であった。
(転写紙6)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度500mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)10.5部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.12部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.66部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.6g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:0.7g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が85秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙6を得た。
得られた転写紙6の、テーバー摩耗量は15mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は15μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は10%であった。
(転写紙7)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)からなる濾水度510mlのパルプスラリーに、パルプ100部に対し、重質炭酸カルシウム(ソフトン1200、備北粉化工業製)を17部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.15部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.05部となるように各々を添加した。これらの混合物を白水で希釈した紙料スラリーを抄紙した。
さらに、表面サイズ剤として水100部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)10部、導電剤として硫酸ナトリウム1.4部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、片面あたりの処理量が乾燥質量で、各々酸化澱粉が0.7g/m2、硫酸ナトリウムが0.1g/m2(全処理量:0.8g/m2)となるように表面処理した後、カレンダー工程により王研式平滑度が25秒になるように平滑化処理を施し、坪量が70g/m2の転写紙7を得た。
得られた転写紙7の、テーバー摩耗量は15mgであり、十点平均表面粗さ(Rz)は21μmRz、L2.5mm、Ln12.5mm、灰分は16%であった。
以上のようにして製造された各転写紙にの用紙特性について、それぞれ表1にまとめて示す。なお、王研式平滑度は、J Tappi No.5に規定される方法(王研式平滑度)により測定した。
<トナー及び現像剤の作製>
まず、以下の樹脂微粒子分散液の調製等での特性評価法について説明する。
(トナー、樹脂微粒子の分子量、分子量分布測定方法)
本発明におけるトナー及び樹脂微粒子の分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)を用い、カラムは、TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度を0.5質量%、流速を0.6ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
(樹脂微粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の体積平均粒径)
樹脂微粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(トナー、樹脂微粒子のガラス転移点、離型剤の融点)
トナー、樹脂微粒子のガラス転移点及び離型剤の融点は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
次に、実施例、比較例に用いたトナー、現像剤について説明する。
(各種分散液の調製)
−樹脂微粒子分散液の調製−
・スチレン 480部
・nブチルアクリレート 120部
・アクリル酸 8部
・ドデカンチオール 16部
上記各成分を混合溶解して溶液を調製した。
他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12部をイオン交換水250部に溶解し、これに前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化させた(単量体乳化液A)。さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)1部を555部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。
上記重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。次いで、過硫酸アンモニウム9部をイオン交換水43部に溶解したものを、前記重合用フラスコ中に定量ポンプを介して20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。その後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了した。
これにより粒子の体積平均粒径が190nm、ガラス転移点が50℃、重量平均分子量が19000、固形分量が42%のアニオン性樹脂微粒子分散液を得た。
−着色剤粒子分散液(1)の調製−
・黄色顔料(クラリアントジャパン社製、Pigment Yellow74) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR) 5部
・イオン交換水 200部
上記各成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が200nm、固形分量が21.5%のYellow着色剤粒子分散液(1)を得た。
−着色剤粒子分散液(2)の調製−
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにシアン顔料(大日精化社製、銅フタロシアニンPigment Blue15:3)を用いた以外は着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、体積平均粒径が190nm、固形分量が21.5%のCyan着色剤粒子分散液(2)を得た。
−着色剤粒子分散液(3)の調製−
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(大日インキ化学社製、Pigment Red122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、体積平均粒径が160nm、固形分量が21.5%の着色剤粒子分散液(3)を得た。
−着色剤粒子分散液(4)の調製−
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりに黒顔料(キャボット製、カーボンブラック)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、体積平均粒径が170nm、固形分量が21.5%の着色剤粒子分散液(4)を得た。
−離型剤粒子分散液の調製−
・パラフィンワックス(HNP09、日本精蝋製、融点:75℃) 50部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファクス) 5部
・イオン交換水 200部
上記各成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が115nm、固形分量が21.0%の離型剤粒子分散液を得た。
(トナー粒子1の作製)
・樹脂微粒子分散液 126.05部(樹脂分:52.94部)
・着色剤粒子分散液(1) 39.5部(顔料分:8.5部)
・離型剤粒子分散液38.1部(離型剤分:10部)
・ポリ塩化アルミニウム 0.13部
前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら43℃まで加熱し、48℃で50分間保持した後、樹脂微粒子分散液を68部(樹脂分:28.56部)追加して緩やかに攪拌した。その後、45℃に昇温し、そのままの温度で100分間維持、粒度分布がより狭くなっていくことをコールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)で確認した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.5に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱した。この95℃までの昇温の間、系内のpHは5.3まで低下したがそのまま保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、得られた固形分を40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、300rpmで15分間攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、12時間真空乾燥し、イエローのトナー粒子1を得た。
このトナー粒子1の粒径をコールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)で測定したところ、体積平均粒径が3.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20、表面性指標が1.49であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子1の形状係数SF1は123の球状形状であった。
(現像剤1の作製)
上記のトナー粒子1 50部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.6部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。そして、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製)を1%被覆した体積平均粒径が50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して、離型剤配合量が10%、体積平均粒径が3.5μmのイエロートナーを含む現像剤1を作製した。
(トナー粒子2〜4、現像剤2〜4の作製)
トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液(1)の代わりに着色剤粒子分散液(2)を用いた以外は同様の方法でシアンのトナー粒子2を作製し、同様の方法でシアントナーを含む現像剤2を調製した。なお、上記トナー粒子2の体積平均粒径は3.5μmであり、離型剤配合量は10%、表面性指標、形状係数もトナー粒子1とほぼ同等であった。
また、トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液(1)の代わりに着色剤粒子分散液(3)を用いた以外は同様の方法でマゼンタのトナー粒子3を作製し、同様の方法でマゼンタトナーを含む現像剤3を調製した。なお、上記トナー粒子3の体積平均粒径は3.5μmであり、離型剤配合量は10%、表面性指標、形状係数もトナー粒子1とほぼ同等であった。
トナー粒子1の作製において、着色剤粒子分散液(1)の代わりに着色剤粒子分散液(4)を用いた以外は同様の方法でブラックのトナー粒子4を作製し、同様の方法でブラックトナーを含む現像剤4を調製した。なお、上記トナー粒子4の体積平均粒径は3.5μmであり、離型剤配合量は10%、表面性指標、形状係数もトナー粒子1とほぼ同等であった。
<評価装置>
(画像形成装置I)
図3に示される定着装置Iを図2に示される画像形成装置に内蔵させ、4色の現像器に各々現像剤1〜4を装填して画像形成装置Iとした。なお、この装置において、プロセススピードは220mm/sec、定着温度は170℃とした。
(画像形成装置II)
図4に示される定着装置IIを図2に示される画像形成装置に内蔵させ、4色の現像器に各々現像剤1〜4を装填して画像形成装置IIとした。なお、この装置において、プロセススピードは220mm/sec、定着温度は170℃とした。
(画像形成装置III)
図5に示される定着装置IIIを図2に示される画像形成装置に内蔵させ、4色の現像器に各々現像剤1〜4を装填して画像形成装置IIIとした。なお、この装置において、プロセススピードは220mm/sec、定着温度は170℃とした。
<実施例1〜12、比較例1〜9>
転写紙1〜7と画像形成装置I〜IIIとを表1に示す組み合わせとして、実施例1〜12及び比較例1〜9を実施した。各々の例においては、画像面積率20%の自然画像を4色のトナーを用いてA4サイズで10000枚連続で記録テストを行い、定着工程で発生する定着部材の離型性低下に伴う用紙走行トラブル、画像欠陥等を、以下の評価基準で評価した。
なお、上記評価条件において、トナーの体積平均粒径を6μmとし、TMAを0.5mg/cm2とした場合には、画像にはほとんど問題が発生しない。
◎:10000枚の走行時に定着工程での走行トラブルはまったくない。剥離不良に伴う画像欠陥も見当たらない。
○:10000枚の走行時に定着工程での走行トラブルはまったくない。剥離不良に伴う画像欠陥がわずかに見られるが許容レベルである。
×:10000枚の走行終了前に定着工程での巻き付きジャムや、剥離不良に伴う画像欠陥がひどくなった。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 2006078776
実施例、比較例に示すように、テーバー摩耗量、Rzが本発明に規定する範囲内となる転写紙を用いた場合のみ、小粒径トナーを用い低TMAの条件で画像形成を行っても問題が発生しないことがわかった。
テーバ摩耗量を測定している状態を示す概略図である。 本発明の画像形成方法に用いる電子写真方式の画像形成装置の好適な一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成方法に適用される定着装置の一例を示す概略構成図である 本発明の画像形成方法に適用される定着装置の他の一例を示す概略構成図である 本発明の画像形成方法に適用される定着装置の他の一例を示す概略構成図である
符号の説明
1、21 定着ロール
2 圧着ロール
6、36 トナー画像
7、37、47 被転写体(用紙)
9 オイル供給装置
11 感光体
12 帯電器
13 露光装置
14 現像装置
15 中間転写体
16 クリーナー
19 転写用ロール
25 エンドレスベルト
31 圧力付与部材
41、42 加圧ロール
43 定着ベルト
45 加圧ベルト
51 加熱版
52 冷却版
100 ターンテーブル
110 測定試料
120 摩耗輪
130 スピンドル

Claims (2)

  1. 少なくとも、トナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法であって、
    前記トナーの体積平均粒径が2〜5μmの範囲であり、前記用紙が表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されていない転写紙であり、該転写紙の十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であり、かつ、前記用紙表面に形成される単色あたりのトナー載り量が0.1〜0.35mg/cm2の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 少なくとも、体積平均粒径が2〜5μmの範囲のトナーを含む現像剤を用いた電子写真方式により、用紙表面に、単色あたりのトナー載り量が0.1〜0.35mg/cm2の範囲の未定着のトナー画像を形成する画像形成工程と、該トナー画像を加熱及び圧着することにより定着画像を得る定着工程とを含む画像形成方法に用いる電子写真用転写紙であって、
    表面に顔料及び接着剤を含む塗工層が形成されておらず、十点平均表面粗さ(Rz)が5〜18μmの範囲、テーバー摩耗量が1〜10mgの範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙。
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