JP2005195676A - 電子写真用塗工紙および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 木材繊維を主体とする基材の両面に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層が、片面あたり固形分量で5〜15g/m2の範囲で設けられてなり、28℃85%R.H.の環境下における平衡水分含有率が8質量%以下であることを特徴とする電子写真用塗工紙、およびその塗工紙を用いた画像形成方法である。
【選択図】 なし
Description
<1> 木材繊維を主体とする基材の両面に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層が、片面あたり固形分量で5〜15g/m2の範囲で設けられてなり、
28℃85%R.H.の環境下における平衡水分含有率が8質量%以下であることを特徴とする電子写真用塗工紙である。
<2> 透気度が、400秒以上7000秒以下であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用塗工紙である。
前記用紙として、<1>または<2>に記載の電子写真用塗工紙を使用することを特徴とする画像形成方法である。
<4> 未定着のトナー画像が形成された前記用紙を、一対のロールからなる定着装置の前記ロール間に形成されたニップ部に挿通して、加熱および加圧することを特徴とする<3>に記載の画像形成方法である。
前記定着装置が、表面近傍に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロールと、該加熱定着ロール表面に外周面が当接して前記ニップ部を形成するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトの内周面に当接され、前記加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを押圧して、前記ニップ部を形作る圧接面を備えた圧力付与部材と、を備えてなることを特徴とする<3>に記載の画像形成方法である。
<7> 前記用紙に未定着のトナー画像を形成した後、前記定着装置に導入するに先立ち、当該用紙を、そのトナー画像が形成された側の表面温度が50℃以上となるように予め加熱することを特徴とする<3>に記載の画像形成方法である。
[電子写真用塗工紙]
本発明の電子写真用塗工紙は、木材繊維を主体とする基材の両面に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層が、片面あたり固形分量で5〜15g/m2の範囲で設けられてなり、
28℃85%R.H.の環境下における平衡水分含有率が8質量%以下であることを必須要件とする。
前述したように一般的に、定着工程で、塗工紙内部の水分が熱や圧力により水蒸気化し、塗工層を有するがゆえに高圧蒸気化し、定着ニップ部から出たときに当該高圧蒸気が塗工層の細孔から噴出するため、まだ軟化状態にあるトナー画像層を破壊し、ブリスターと呼ばれる画像欠陥を作り出す。また、このように定着工程で塗工紙中の水分が急激に状態変化することにより、基材の木材繊維、特にセルロース繊維間の水素結合が再形成されることにより寸法が収縮し、縮みやカールが発生する。
なお、本発明において、「28℃85%R.H.の環境下」とは、既述の如く、28℃85%R.H.環境に48時間調湿した塗工紙のことを指す。以下、単に「高湿環境下」と言う場合がある。
例えば、基材中に配合する填料(炭酸カルシウムやカオリンなど)の配合量を増やすことで、親水基であるOH基を多量に含む木材パルプであるセルロース繊維割合を減少させることができる。填料配合量としては、基材中10質量%以上とすることが好ましく、15質量%以上とすることがさらに好ましい。
以上、高湿環境下における平衡水分含有率を低減させる手段をいくつか挙げたが、これらの手段を複数組み合わせても構わないし、さらに他の手段を組み合わせても構わない。
また上質系および中質系の古紙パルプを配合することもできる。古紙パルプの配合量としては、用途や目的等に応じて決定されるが、例えば、資源保護の観点から古紙パルプを配合する場合には、全繊維中10質量%以上、好ましくは30質量%以上配合することができる。
本発明に用いる基材には、上記のものの他に、染料、pH調整剤等、通常の塗工紙用基紙に配合される各種助剤を適宜使用しても構わない。
当該塗工層に含まれる顔料としては、通常の一般塗工紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子およびその他の有機系顔料等が挙げられ、これらを単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
合成接着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系等の各種共重合体、およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体等が挙げられる。これらの合成接着剤の中から1種類以上を使用することができ、目的に応じて、2種以上組み合わせて使用することができる。これらの合成接着剤は、顔料100質量%当たり好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%程度の範囲で使用される。
また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
調製された塗工用組成物は、一般の塗工紙製造に使用される塗工装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによって基材両面に塗布して形成される。このとき、一回で塗布しても構わないが、多数回に分けて多層状にして、1つの塗工層を設けても構わない。かかる塗工層の塗膜厚としては、前記基材の片面あたり、固形分量(乾燥重量)で片面に5〜15g/m2の範囲とすることが必須であり、5〜13g/m2の範囲とすることが望ましく、6〜11g/m2の範囲とすることがより望ましい。
一方、前記透気度が400秒未満であると、用紙光沢が低くなりやすく、また塗工層の強度が低くなりやすく、紙粉発生などの懸念がある。当該透気度の下限値としては、500秒以上であることがさらに好ましい。
本発明の画像形成方法は、電子写真方式により用紙表面に、未定着のトナー画像を形成し、これを加熱および加圧することで定着画像を得る画像形成方法であって、
前記用紙として、上記本発明の電子写真用塗工紙を使用することを特徴とする。
以下、本発明の画像形成方法において適用可能な画像形成装置の例を挙げる。
図2は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、矢印A方向に回転する感光体11を備え、感光体11の周りには、ロール型の帯電器12、露光装置13、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の現像剤をそれぞれ収容する現像器14a、14b、14cおよび14dを内蔵した現像装置14、ベルト状の中間転写体15、クリーナー16、および光除電器17が、この順序で配置されている。中間転写体15は、支軸ロール18a,18b,18cにより張架されている。支軸ロール18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接している。支軸ロール18cは、中間転写体15を介して、転写用ロール19で圧接されている。また、転写用ロール19により、中間転写体15の周面から被転写体7にトナー画像が転写される。
帯電器12により帯電させた感光体11を露光装置13により、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の各画像情報に基づいて露光して、感光体11表面に各色の潜像を形成させる。この感光体11表面の潜像は、現像装置14に内蔵された現像器14a、14b、14cおよび14dのうち前記各色に対応した現像器にて現像されトナー画像が形成される。現像されたトナー画像は、支軸ロール18aと対向する部位にて、ベルト状の中間転写体15の外周面に静電的に転写される。
この操作をシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色についてそれぞれ行い、中間転写体15の外周面に順次積層することで、中間転写体15の外周面には、未定着のフルカラートナー画像が形成される。
このようにして得られた被転写体7表面の未定着画像は、転写工程の下流に位置する定着装置により定着される。かかる定着装置としては、熱および圧力を加えることにより定着する定着装置であれば、特に限定することなくいずれも使用することができる。
以下に、いくつかの好ましい定着装置の例を示す。
まず、熱ロール型の定着装置の例(定着装置I)について詳記する。本例の定着装置は、図3に概略構成図で示されるものであり、図2に示される上記<画像形成装置I>において採用されているものである。
本例の定着装置は、主として、ロール形状を有する熱ロール1と、これに対向配置された圧着ロール2とからなる。熱ロール1は、その内部にこれを加熱するための加熱源3が配され、コア8の外周に、弾性層5が形成され、さらにその上に熱ロール1の表面を成す定着部材表面層4が形成されてなる。
本例の定着装置は、必要に応じてさらに、熱ロール1の表面に付着したトナーを除去するためのクリーニング部材(不図示)、圧着ロール2を加熱するための加熱源3’、被転写体7を熱ロール1から剥離させる爪(フィンガー、不図示)などを有していてもよい。なお、図3に示される定着装置における加熱源3は、温度制御装置(不図示)により、熱ロール1表面温度が一定となるように制御されている。
次に、ベルト−ロールニップ型の定着装置の例(定着装置II)について詳記する。本例の定着装置は、図4に概略構成図で示されるものである。
本例の定着装置は、加熱源を内蔵した加熱定着ロール21と、3つの支持ロール22,23,24に張架され上記加熱定着ロール21に圧接されるエンドレスベルト25と、このエンドレスベルト25の内面側に当接され、加熱定着ロール21の表面に沿ってエンドレスベルト25を押圧する圧力付与部材31と、で主要部が構成されている。
硬度計により、JIS−K6301に準拠して、荷重9.8N(1,000gf)を付加して計測した結果である。なお、コア32としてはアルミニウムでなくても熱伝導率の高い金属製のものを使用することができ、被覆層23としては耐熱性の高い弾性体であれば他の材料を使用することができる。
次に、ベルト−ベルトニップ型の定着装置の例(定着装置III)について詳記する。本例の定着装置は、図5に概略構成図で示されるものである。
本例の定着装置においては、矢印E方向に周回する定着ベルト43と、これに従動して矢印F方向に周回する加圧ベルト45と、が圧接して定着用のニップ部を形成している。用紙47が投入される箇所で加圧ロール41および加圧ロール42により、定着ベルト43および加圧ベルト45のそれぞれ周内から相互に対向する形で押圧され、前記ニップ部の入口が形成されている。このニップ部に入るまでに、定着ベルト43は、第1、第2、第3の3つの加熱部によって、十分にその表面が加熱されるようになっている。
第2加熱部は、定着ベルト43の裏面(内周面)に接するアルミニウム製の加熱ロール48により構成されている。加熱ロール48の内部にはヒータ55aが配されており、加熱ロール48の表面温度を感知すべく配された温度センサ44aの検知データをもとに、不図示の温調手段により温度制御されている。
定着ベルト43は、矢印E方向への周回により順次、第1加熱部で予熱され、第2加熱部で裏面側から、第3加熱部で表面側から、それぞれ加熱され、定着に必要な温度に加熱された状態で前記ニップ部に達する。前記ニップ部の直前には、定着ベルト43の表面温度を感知する温度センサ44cが配されており、その検知データをもとに、不図示の制御手段により、第2加熱部および/または第3加熱部の加熱条件をフィードバック制御している。
前記ニップ部の入口での定着ベルト43の表面は、トナーの溶融温度以上の温度となるように上記3つの加熱部において加熱される。本例では、定着ベルト43表面が175℃となるように加熱している。より詳細には、第1加熱部でおよそ115〜120℃まで、第2加熱部でおよそ160〜170℃まで加熱し、第3加熱部で175℃まで加熱調整している。
本例では、以上の構成により、毎分60枚(A4横送り)の連続高速定着を実現している。
図6は、本発明の画像形成方法において予熱を施す際に使用可能な予備加熱装置の一例(予備加熱装置I)を示す概略構成図である。
本例の予備加熱装置は、主として、加熱ロール63、駆動ロール64および張架ロール65により張架され、張架ロール65の駆動力により矢印G方向に回転する加熱ベルト62と、その外周に配された押圧ロール61および帯電器66と、加熱ベルト62の内周に配された対向板68および加熱板69と、により構成される。
次に、本発明の画像形成方法に用いることができるトナーないし現像剤としては、特に限定されないが、以下の如きものが好適に用いることができる。
(トナー)
本発明の画像形成方法に用いるに好適なトナーの樹脂成分としては、一般に、ポリエステル樹脂あるいはスチレン−アクリル樹脂が主に用いられる。前記好適なトナーの顔料成分としては、特に制限は無く、従来公知のものが問題なく使用可能である。
ここでトナーの体積平均粒子径とは、小径側から累積体積が50%になる粒子径を意味し、例えばコールターカウンターTA−II(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)などの測定器を用いて測定することができる。
ここでトナーの体積平均粒度分布指標GSDvとは、小径側から累積体積が84%になる粒子径D84vに対する、同累積体積が16%になる粒子径D16vの比(D84v/D16v)の平方根のことをいい、体積平均粒子径と同様の装置を用いて測定することができる。
SF1=ML2×100π/4A・・・(1)
(上記式中、MLはトナーの粒子の径の最大長を表し、Aはトナーの粒子の投影面積を表す。)
なお、本発明においては形状係数SF1の平均値としては、測定対象となるトナーの粒子200個について、画像解析して得た形状係数SF1の値を平均したものを用いた。
本発明の画像形成方法に用いることができる現像剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。
当該現像剤は、トナー単独からなる一成分系の現像剤と、トナーおよびキャリアを組み合わせて用いる二成分系現像剤とがある。
前記二成分系現像剤における、トナーおよびキャリアの混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明の電子写真用塗工紙を用いているため、画像の欠陥がなく、優れた寸法安定性を有する。
なお、用紙特性の評価方法については、後でまとめて説明することにする。
(電子写真用塗工紙例I)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)80質量部とNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)20質量部とを混合したパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られた、ろ水度500mlのパルプスラリーに、パルプ100質量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)20質量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.3質量部、およびアルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.08質量部を添加し、さらにポリアクリルアマイド樹脂(ハーマイドEX360、ハリマ化成(株)製)を1.0質量部添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%の紙料スラリーを調製した。
LBKP100質量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られた、ろ水度500mlのパルプスラリーに、パルプ100質量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)15質量部、硫酸アルミニウム0.4質量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.5質量部、およびアルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.15質量部を添加し、ポリアクリルアマイド樹脂(ハーマイドEX360、ハリマ化成(株)製)を0.8質量部添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%の紙料スラリーを調製した。
LBKP100質量部のパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られた、ろ水度450mlのパルプスラリーに、パルプ100質量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)12質量部、硫酸アルミニウム0.4質量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600、日本食品化学工業(株)製)0.5質量部、およびアルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.10質量部を添加し、ポリエチレン系ワックス(SPW109、荒川化学工業(株)製)1.0質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3%の紙料スラリーを調製した。
上記電子写真用塗工紙例IIIにおいて、基材の填料である軽質炭酸カルシウムの配合量を3質量%とし、アルケニル無水コハク酸の配合量を0.07質量部とし、ポリエチレン系ワックスを添加せず、ポリビニルアルコールの代わりに酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が乾燥重量で1.0g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布したこと以外は、上記電子写真用塗工紙例IIIと同様の方法で用紙の製造を行い、坪量80g/m2の電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の高湿環境下(28℃85%R.H.の環境下)における平衡水分含有率は、10.1質量%であった。
上記電子写真用塗工紙例IIにおいて、基材の填料である軽質炭酸カルシウムを添加せず、アルケニル無水コハク酸の配合量を0.07質量部とし、ポリアクリルアマイド樹脂、酸化デンプンおよびポリビニルアルコールを添加しないこと以外は、上記電子写真用塗工紙例IIと同様の方法で、坪量170g/m2の基材を得た。この基材に電子写真用塗工紙例IIと同様にして塗工層を形成し、坪量180g/m2の電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の高湿環境下(28℃85%R.H.の環境下)における平衡水分含有率は、9.2質量%であった。
市販の印刷用コート紙であるOKトップコートN(坪量104.7g/m2、王子製紙(株)製)を電子写真用塗工紙例VIとした。この塗工紙の高湿環境下(28℃85%R.H.の環境下)における平衡水分含有率は、11.1質量%であった。
以上のようにして製造された各例の電子写真用塗工紙について、用紙特性についてそれぞれ評価した。既述のものを含み、下記表1にまとめる。なお、用紙特性の評価方法は、後述の通りである。
(1)坪量
JIS P−8124に規定される方法により測定した。
(2)白紙光沢度
JIS P−8142の規定に従い、入射角度75°で測定した。
(3)透気度
J Tappi No.5に規定される方法(王研式透気度)により測定した。
(4)高湿環境下(28℃85%R.H.の環境下)における平衡水分含有率
28℃85%R.H.環境に48時間放置された紙の水分含有率を絶乾法で求めた。
(画像形成方法I)
前述した図3に示される定着装置Iを内蔵する、図2に示される画像形成装置Iにより、画像形成を行った。
前述した図2に示される画像形成装置Iに対して、定着装置を、図4に示される定着装置IIに代えた画像形成装置により、画像形成を行った。
前述した図2に示される画像形成装置Iに対して、定着装置を、図5に示される定着装置IIIに代えた画像形成装置により、画像形成を行った。
図2に示される画像形成装置Iにおける、支軸ロール18cおよび転写用ロール19よりなる転写部位の下流であって、主として熱ロール1および圧着ロール2よりなる図3に示される定着装置Iの上流に、前述した図6に示される予備加熱装置Iを設置し、当該予備加熱装置Iの直後に、用紙表面温度測定装置(赤外線放射温度計、キーエンス製)を設けて、被転写体7表面の温度をモニターした。
電子写真用塗工紙例I〜VIと、画像形成方法I〜IIIと、用紙加熱例の有・無とについて、下記表2に示す組み合わせで、後述する品質評価に即した各画像を形成する記録テストを行い、これらを実施例1〜6および比較例1〜3とした。
上記各実施例および比較例で得られた画像および用紙の状態について、以下の項目の品質評価を行った。結果は下記表2にまとめて示す。
(1:ブリスター)
ブリスター発生レベルの評価には、シアン色およびマゼンタ色による2次色ベタ画像で、画像面積率200%のときの、片面プリント時の記録テストを行った。用紙はそれぞれ、28℃85%R.H.環境に48時間放置した後に記録テストに供した。トナーには、乳化凝集法(樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と着色剤を分散した着色剤分散液とを混合し、樹脂粒子および着色剤をトナー粒径に凝集させ、得られた凝集体を樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱、融合させるトナーの製造方法)により得たトナーであって、形状係数SF1が134、体積平均粒度分布指標GSDvが1.22のものを使用した。
得られた記録画像について、触感、目視ないし光学顕微鏡による観察で、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
○:ブリスターが発生しているが、目視では確認できないもの。
△:ブリスターが目視で確認でき、画像を乱している程度もの。
×:ブリスターが触感で確認でき、画像光沢を低下させているもの。
各用紙を、それぞれ28℃85%R.H.環境に48時間放置された用紙を記録テストに供した。形成した画像は、ISO/JIS−SCIDサンプル(日本規格協会発行)の画像識別番号N3(画像名称:果物かご)を用いた。
画像を出力した時の、用紙のカール・波打ちについて、下記の評価基準で評価した。
○:少しカールおよび/または波打ちが発生するが、許容できる範囲である。
△:かなりカールおよび/または波打ちが発生し、許容できないレベルに達している。
×:カールが大きく、場合によっては円筒となる。
表2に示される結果から明らかなように、本発明の電子写真用塗工紙は、ブリスターの発生がなく、カール・波打ちが小さいものであった。それに対して、比較例1では、高湿環境下での平衡水分含有率が大きいため、ブリスターが顕著に発生し、定着後カール・波打ちも非常に大きいものとなった。また、比較例2では、高湿環境下での平衡水分含有率が大きく、坪量も大きいため、ブリスターが顕著に発生し、定着後カール・波打ちも非常に大きいものとなった。さらに、比較例3では、市販の印刷用塗工紙を用いているが、ブリスターが顕著に発生し、定着後カール・波打ちも非常に大きいものとなった。
したがって、本発明の電子写真用塗工紙が、従来の塗工紙に比べ、電子写真方式の複写機およびプリンターでの定着画像のブリスター欠陥が抑えられ、定着後におけるカールや波打ちの発生についても抑制されることがわかる。
Claims (7)
- 木材繊維を主体とする基材の両面に、顔料および接着剤を主成分とする塗工層が、片面あたり固形分量で5〜15g/m2の範囲で設けられてなり、
28℃85%R.H.の環境下における平衡水分含有率が8質量%以下であることを特徴とする電子写真用塗工紙。 - 透気度が、400秒以上7000秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用塗工紙。
- 電子写真方式により用紙表面に、未定着のトナー画像を形成し、これを加熱および加圧することで定着画像を得る画像形成方法であって、
前記用紙として、請求項1または2に記載の電子写真用塗工紙を使用することを特徴とする画像形成方法。 - 未定着のトナー画像が形成された前記用紙を、一対のロールからなる定着装置の前記ロール間に形成されたニップ部に挿通して、加熱および加圧することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 未定着のトナー画像が形成された前記用紙を、エンドレスベルトおよびロールからなる定着装置のエンドレスベルト−ロール間に形成されたニップ部に挿通して、加熱および加圧することで定着画像を得る画像形成方法であって、
前記定着装置が、表面近傍に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロールと、該加熱定着ロール表面に外周面が当接して前記ニップ部を形成するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトの内周面に当接され、前記加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを押圧して、前記ニップ部を形作る圧接面を備えた圧力付与部材と、を備えてなることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。 - 未定着のトナー画像が形成された前記用紙に、加熱した定着ベルトを当接させて前記トナー画像に押圧し、前記トナー画像を加熱加圧後、該定着ベルトと前記トナー画像を表面に保持する前記用紙とを密着させたまま移動させ、前記トナー画像が所定温度以下に冷却された後、前記トナー画像を保持する前記用紙を前記定着ベルトから剥離する定着装置に導入することで定着画像を得ることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 前記用紙に未定着のトナー画像を形成した後、前記定着装置に導入するに先立ち、当該用紙を、そのトナー画像が形成された側の表面温度が50℃以上となるように予め加熱することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
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2003
- 2003-12-26 JP JP2003435650A patent/JP2005195676A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008203514A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Canon Inc | 画像加熱装置 |
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