JP2006077800A - 粘性体ダンパー - Google Patents

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Mitsuru Sugisawa
充 杉沢
Yuki Hamada
由記 濱田
Michihito Kitazawa
理仁 北澤
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Abstract

【課題】シリンダ部が太くなくてコンパクトで、耐久性に優れ、製造コストの点からも経済性が高い粘性体ダンパーを提供すること。
【解決手段】ピストンを途中に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、ロッドの他方側を貫通させた状態でシリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するパッキングラウンドとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、パッキングラウンドには断面がリング状となる円筒形空間が設けられ、その円筒形空間にはリング状ピストンが嵌合されており、かつ円筒形空間はパッキングラウンドに設けられた貫通孔により内部空間と連通しており、内部空間とパッキングラウンドの円筒形空間には粘性体が充填された構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、土木、建築或いは機械分野において免震装置や制振装置として用いられる粘性体ダンパーに関する。
従来より、各種の構造物や機械などに生じる振動を抑制するために各種のダンパーが用いられているが、その一つとして、シリンダ内にオイル等の粘性体を充填した構造を持つ粘性体ダンパーが知られている。この粘性体ダンパーは、構造物や機械などにおける異なった部材間に設置され、地震や風あるいは交通振動などに起因する部材間の変位を熱エネルギーに変換して発散することにより、構造物や機械などの振動を抑制する。
上記の粘性体ダンパーは、設置状態によっては外気温の変化を直接受けることがあり、このような場合、粘性体の膨張による圧力変化により、シリンダの損傷、粘性体の漏れ、空気の吸込みなどが発生しやすい。また、台風時など、構造物の揺れが比較的長い時間続くような場合、シリンダ内の粘性体の温度上昇が生じて内圧が過度に上昇する可能性がある。これらの事態を回避するため、シリンダに連結した容器内に粘性体を密封したアキュムレータが用いられている。また、このアキュムレータは粘性体がシリンダ外部に流出した時のリザーバ(補充槽)として兼用される場合も多い。
そして、粘性体ダンパーにおけるアキュムレータの形態としては、外置きのピストン型が一般的であったが、デザイン上の観点や平面計画への制約を少なくしたいなどの理由から、最近では、シリンダの外部に鋼管を二重になるように設置してその間の空間をアキュムレータとして使用する二重管シリンダ型(特許文献1,2参照)や、ロッド内部に空間を形成してそこをアキュムレータとして使用するロッド内蔵型(特許文献3参照)が用いられるようになってきている。
特開2002−213515号公報 特開2002−349629号公報 特開2001−165222号公報
上記した粘性体ダンパーのうち、アキュムレータが二重管シリンダ型のものは、シリンダ部の外径が太くなるため、デザイン上の観点から、或いは平面計画に際しての納まりに問題を生じやすい。また、機構が複雑となるため、製造コストが増大する。一方、アキュムレータがロッド内蔵型のものは、ロッドの軸内を使用するために、アキュムレータとしての容量に限界がある。また、容量を増加し、かつロッドの耐力を確保するためには、ロッドの径を大きくする必要があり、装置の外径が大きくなるとともに、製造コスト増大の原因となりやすい。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダ部が太くなくてコンパクトで、耐久性に優れ、製造コストの点からも経済性が高い粘性体ダンパーを提供することにある。
請求項1に記載の発明である粘性体ダンパーは、ピストンを途中に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、ロッドの他方側を貫通させた状態でシリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するパッキングラウンドとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、パッキングラウンドには断面がリング状となる円筒形空間が設けられ、その円筒形空間にはリング状ピストンが嵌合されており、かつ円筒形空間はパッキングラウンドに設けられた貫通孔により内部空間と連通しており、内部空間とパッキングラウンドの円筒形空間には粘性体が充填されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明である粘性体ダンパーは、ピストンを途中に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、ロッドの他方側を貫通させた状態でシリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するパッキングラウンドとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、パッキングラウンドには断面がリング状となる円筒形空間が設けられ、その円筒形空間にはリング状ピストンがばねで付勢された状態で収納されており、かつ円筒形空間はパッキングラウンドに設けられた複数の貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、複数の貫通孔のそれぞれには調圧弁と逆止弁のいずれかが設置されており、シリンダチューブの内部空間とパッキングラウンドの円筒形空間には粘性体が充填されており、調圧弁は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブの内部空間からパッキングラウンドの円筒形空間への一方向にのみ粘性体の移動を許し、逆止弁は、パッキングラウンドの円筒形空間からシリンダチューブの内部空間への一方向のみ粘性体の移動を許すようになっていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明である粘性体ダンパーは、ピストンを他方側の端に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、シリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するエンドプレートとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、エンドプレートには円柱状空間が設けられ、その円柱状空間には円板状ピストンが嵌合されており、かつ円柱状空間はエンドプレートに設けられた貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、シリンダチューブの内部空間とエンドプレートの円柱状空間には粘性体が充填されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明である粘性体ダンパーは、ピストンを他方側の端に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、シリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するエンドプレートとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、エンドプレートには円柱状空間が設けられ、その円柱状空間には円板状ピストンがばねで付勢された状態で収納されており、かつ円柱状空間はエンドプレートに設けられた複数の貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、複数の貫通孔のそれぞれには調圧弁と逆止弁のいずれかが設置されており、シリンダチューブの内部空間とエンドプレートの円柱状空間には粘性体が充填されており、調圧弁は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブの内部空間から円柱状空間への一方向にのみ粘性体の移動を許し、逆止弁は、エンドプレートの円柱状空間からシリンダチューブの内部空間への一方向のみ粘性体の移動を許すようになっていることを特徴としている。
請求項1と請求項2に記載の発明である粘性体ダンパーは、アキュムレータを別途シリンダ外部に設置するタイプに比べて突起などがなくなり、しかもシリンダの外部が二重にならないので外径が太くならず、全体にコンパクトなものとなる。また、アキュムレータであるリング状の円筒形空間をパッキングラウンドに一体化して構成したので、粘性体の漏れが生じにくく、耐久性が良好なものとなり、しかも部品数が少なくなるので経済性がよい。また、リング状ピストンがロッドと接触するのを防げるため、リング状ピストンのシールの損傷を抑制でき、この点においても耐久性が向上する。
請求項3と請求項4に記載の発明である粘性体ダンパーは、アキュムレータを別途シリンダ外部に設置するタイプに比べて突起などがなくなり、しかもシリンダの外部が二重にならないので外径が太くならず、全体にコンパクトなものとなる。また、アキュムレータである円柱状空間をエンドプレートに一体化して構成したので、粘性体の漏れが生じにくく、耐久性が良好なものとなり、しかも部品数が少なくなるので経済性がよい。
図1は本発明に係る粘性体ダンパーの一例を示す断面図、図2(A)は図1のA−A断面図、図2(B)は図1のB−B断面図である。
この粘性体ダンパー10は、両ロッド型シリンダであり、図示のように、ピストン11を途中に固定したロッド12と、ロッド12における一方側の端部を外部に突出させた状態でピストン11を移動可能に収納したシリンダチューブ13と、ロッド11の他方側を貫通させた状態でシリンダチューブ13に蓋をして内部空間13aを形成するパッキングラウンド14とを備えている。そして、シリンダチューブ13の内部空間13aはピストン11の両側に分かれるとともに互いに連通している。この例では、ピストン11の外径をシリンダチューブ13の内径より僅かに小さくし、両者の間に生じる隙間によりピストン11の両側の内部空間13aは連通させているが、これに限定されるものではなく、例えば、ピストン11の外周面に溝を設けたり、ピストン11に貫通孔を設けたりすることで連通させてもよい。
ピストン11はロッド12に対してネジ等の手段で一体化されており、ロッド12の一方側の端部は制振対象物に接続するための連結部を設けたロッドエンド12aになっている。また、パッキングラウンド14は、周囲の雄ネジ部分がシリンダチューブ13における内面の雄ネジ部分に螺合している。そして、パッキングラウンド14の後側にはリング状のストッパ15が取り付けられ、さらにその後側には円筒状のシリンダエンド16がシリンダチューブ13の端部にネジにより取り付けられており、このシリンダエンド16の端部には制振対象物に接続するための連結部が設けられている。
パッキングラウンド14にはその外側の面に断面がリング状となる円筒形空間14aが設けられている。そして、その円筒形空間14aにはリング状ピストン17が嵌合されており、かつ円筒形空間14aはパッキングラウンド14に設けられた2つの貫通孔14bによりシリンダチューブ13の内部空間13aと連通している。そして、シリンダチューブ13の内部空間13aとパッキングラウンド14の円筒形空間14aにはオイル等の粘性体が充填されている。なお、以下の例でも同様であるが、粘性体としては、オイルの他に、パテ、ビンガム流体等を用いることもできる。
この粘性体ダンパー10は、ロッドエンド12aの連結部とシリンダエンド16の連結部により制振対象物に取り付けられる。そして、取付け状態の粘性体ダンパー10に力が作用すると、シリンダチューブ13における内部空間13a内の粘性体がピストン11とシリンダチューブ13の隙間を通って移動することで緩衝作用が行われる。この時、貫通孔14bの孔径を充分に細くしておくことにより、ピストン11の移動する速度が速い場合には、粘性体は貫通孔14aを通ることができないことから、減衰性能に対する影響を少なくでき、一方、温度変化など内部圧力の変化速度が遅い場合には、粘性体は貫通孔14bを通ってシリンダチューブ13の内部空間13aとパッキングラウンド14の円筒形空間14aの間を移動でき、シリンダ内圧が過大になるの抑制できる。
図3は本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図である。この粘性体ダンパーは図1に示す粘性体ダンパーの変形であるので、図1と同じ部位には同じ符号を付してある。また、図3におけるA−A断面図とB−B断面図はそれぞれ図2(A)と図2(B)と同じである。
この粘性体ダンパー10は、両ロッド型シリンダであり、図示のように、ピストン11を途中に固定したロッド12と、ロッド12における一方側の端部を外部に突出させた状態でピストン11を移動可能に収納したシリンダチューブ13と、ロッド11の他方側を貫通させた状態でシリンダチューブ13に蓋をして内部空間13aを形成するパッキングラウンド14とを備えている。そして、シリンダチューブ13の内部空間13aはピストン11の両側に分かれるとともに互いに連通している。この例では、ピストン11の外径をシリンダチューブ13の内径より僅かに小さくし、両者の間に生じる隙間によりピストン11の両側の内部空間13aを連通させている。
ピストン11はロッド12に対してネジ等の手段で一体化されており、ロッド12の一方側の端部は制振対象物に接続するための連結部を設けたロッドエンド12aになっている。また、パッキングラウンド14は、周囲の雄ネジ部分がシリンダチューブ13における内面の雄ネジ部分に螺合している。そして、パッキングラウンド14の後側には円筒状の押さえ金具18が取り付けられ、さらにその後側には円筒状のシリンダエンド16がシリンダチューブ13の端部にネジにより取り付けられており、このシリンダエンド16の端部には制振対象物に接続するための連結部が設けられている。
パッキングラウンド14にはその外部側の面に断面がリング状となる円筒形空間14aが設けられている。そして、その円筒形空間14aにはリング状ピストン17が押さえ金具18内のばね19によって付勢された状態で収納されており、かつ円筒形空間14aはパッキングラウンド14に設けられた2つの貫通孔14bによりシリンダチューブ13の内部空間13aと連通しており、一方の貫通孔14bには調圧弁20が、他方の貫通孔14bには逆止弁21がそれぞれ設置されている。そして、シリンダチューブ13の内部空間13aとパッキングラウンド14の円筒形空間14aにはオイル等の粘性体が充填されている。
パッキングラウンド14における一方の貫通孔14aに設置した調圧弁20は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブ13の内部空間13aからパッキングラウンド14の円筒形空間14aへの一方向にのみ粘性体の移動を許し、もう一方の貫通孔14aに設置した逆止弁21は、パッキングラウンド14の円筒形空間14aからシリンダチューブ13の内部空間13aへの一方向のみ粘性体の移動を許すようになっている。
この粘性体ダンパー10は、ロッドエンド12aの連結部とシリンダエンド16の連結部により制振対象物に取り付けられる。そして、取付け状態の粘性体ダンパー10に力が作用すると、シリンダチューブ13における内部空間13a内の粘性体がピストン11とシリンダチューブ13の隙間を通って移動することで緩衝作用が行われる。この時、パッキングラウンド14の貫通孔14bに調圧弁20を設置してあるので、シリンダチューブ13の内部空間13aとパッキングラウンド14の円筒形空間14aとの圧力差が設定値以上になるまでは、シリンダチューブ13の内部空間13aからパッキングラウンド14の円筒形空間14aへの粘性体の移動は生じない。したがって、より良好な減衰性能を確保できる。特に、低速時の減衰性能の低下を効果的に抑制することができる。また、粘性体がパッキングラウンド14の円筒形空間14aに多量に流入する結果、シリンダチューブ13の内部空間13aに比べて圧力が高くなった場合は、逆止弁21が開いて粘性体がシリンダチューブ13の内部空間13aに戻る。
また、この粘性体ダンパー10では、パッキングラウンド14の円筒形空間14aに収納したリング状ピストン17を付勢するばね19を設置したことにより、円筒形空間14aに粘性体が流入してリング状ピストン17が移動する場合、ばね19の弾性により円筒形空間14a内の圧力が高められる。これにより、粘性体はシリンダチューブ13の内部空間13aの圧力が低下した段階で内部空間13aに容易に戻ることができる。ばね19は、コイルばねを用いることにより、ロッド12を中心にしてリング状ピストン17に均等な力を与えることができ、かつコンパクトなダンパーを得ることができるが、皿ばねなど他の形式のばねを用いることも可能である。押さえ金具18は、ばね19を包含してその位置ズレを防止できるため、図示の如き円筒形のものが一般的である。この押さえ金具18の端部にばねを拘束するための突起18aなどが設けられる。また、押さえ金具18のリング状ピストン17側の内径を、リング状ピストン17の外形より小さくなるように設定することにより、リング状ピストン17の過剰な移動を拘束するストッパとすることもできる。
図4は本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図、図5(A)は図4のA−A断面図、図5(B)は図4のB−B断面図である。
この粘性体ダンパー30は、片ロッド型シリンダであり、図示のように、ピストン31を他方側の端に固定したロッド32と、ロッド32における一方側の端部を外部に突出させた状態でピストン31を移動可能に収納したシリンダチューブ33と、シリンダチューブ33に蓋をして内部空間33aを形成するエンドプレート34とを備えている。そして、シリンダチューブ33の内部空間33aはピストン31の両側に分かれるとともに互いに連通している。この例では、ピストン31の外径をシリンダチューブ33の内径より僅かに小さくし、両者の間に生じる隙間によりピストン31の両側の内部空間33aは連通させているが、これに限定されるものではなく、例えば、ピストン31の外周面に溝を設けたり、ピストン31に貫通孔を設けたりすることで連通させてもよい。
ピストン31はロッド32に対してネジ等の手段で一体化されており、ロッド32の一方側の端部は制振対象物に接続するための連結部を設けたロッドエンド32aになっている。また、エンドプレート34は、周囲の雄ネジ部分がシリンダチューブ33における内面の雄ネジ部分に螺合している。そして、エンドプレート34の後側にはリング状のストッパ35が取り付けられ、さらにその後側には円筒状のシリンダエンド36がシリンダチューブ33の端部にネジにより取り付けられており、このシリンダエンド36の端部には制振対象物に接続するための連結部が設けられている。
エンドプレート34にはその外側の面に円柱状空間34aが設けられている。そして、その円柱状空間34aには円板状ピストン37が嵌合されており、かつ円柱状空間34aはエンドプレート34に設けられた2つの貫通孔34bによりシリンダチューブ33の内部空間33aと連通している。そして、シリンダチューブ33の内部空間33aとエンドプレート34の円柱状空間34aにはオイル等の粘性体が充填されている。
この粘性体ダンパー30は、ロッドエンド32aの連結部とシリンダエンド36の連結部により制振対象物に取り付けられる。そして、取付け状態の粘性体ダンパー30に力が作用すると、シリンダチューブ33における内部空間33a内の粘性体がピストン31とシリンダチューブ33の隙間を通って移動することで緩衝作用が行われる。この時、貫通孔34bの孔径を充分に細くしておくことにより、ピストン31の移動する速度が速い場合には、粘性体は貫通孔34bを通ることができないことから、減衰性能に対する影響を少なくでき、一方、温度変化など内部圧力の変化速度が遅い場合には、粘性体は貫通孔34bを通ってシリンダチューブ33の内部空間33aとエンドプレート34の円柱状空間34aの間を移動でき、シリンダ内圧が過大になるの抑制できる。
図6は本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図である。この粘性体ダンパーは図4に示す粘性体ダンパーの変形であるので、図4と同じ部位には同じ符号を付してある。また、図6におけるA−A断面図とB−B断面図はそれぞれ図5(A)と図5(B)と同じである。
この粘性体ダンパー30は、片ロッド型シリンダであり、図示のように、ピストン31を他方側の端に固定したロッド32と、ロッド32における一方側の端部を外部に突出させた状態でピストン31を移動可能に収納したシリンダチューブ33と、シリンダチューブ13に蓋をして内部空間33aを形成するエンドプレート34とを備えている。そして、シリンダチューブ33の内部空間33aはピストン31の両側に分かれるとともに互いに連通している。この例では、ピストン31の外径をシリンダチューブ33の内径より僅かに小さくし、両者の間に生じる隙間によりピストン31の両側の内部空間33aを連通させている。
ピストン31はロッド32に対してネジ等の手段で一体化されており、ロッド32の一方側の端部は制振対象物に接続するための連結部を設けたロッドエンド32aになっている。また、エンドプレート34は、周囲の雄ネジ部分がシリンダチューブ33における内面の雄ネジ部分に螺合している。そして、エンドプレート34の後側には円筒状の押さえ金具38が取り付けられ、さらにその後側には円筒状のシリンダエンド36がシリンダチューブ33の端部にネジにより取り付けられており、このシリンダエンド36の端部には制振対象物に接続するための連結部が設けられている。
エンドプレート34にはその外側の面に円柱状空間34aが設けられている。そして、その円柱状空間34aには円板状ピストン37が押さえ金具38内のばね39によって付勢された状態で収納されており、かつ円柱状空間34aはエンドプレート34に設けられた2つの貫通孔34bによりシリンダチューブ33の内部空間33aと連通しており、一方の貫通孔34bには調圧弁40が、他方の貫通孔34bには逆止弁41がそれぞれ設置されている。そして、シリンダチューブ33の内部空間33aとエンドプレート34の円柱状空間34aにはオイル等の粘性体が充填されている。
エンドプレート34における一方の貫通孔34bに設置した調圧弁40は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブ33の内部空間33aからエンドプレート34の円柱状空間34aへの一方向にのみ粘性体の移動を許し、もう一方の貫通孔34bに設置した逆止弁41は、パエンドプレート34の円柱状空間34aからシリンダチューブ33の内部空間33aへの一方向のみ粘性体の移動を許すようになっている。
この粘性体ダンパー30は、ロッドエンド32aの連結部とシリンダエンド36の連結部により制振対象物に取り付けられる。そして、取付け状態の粘性体ダンパー30に力が作用すると、シリンダチューブ33における内部空間33a内の粘性体がピストン31とシリンダチューブ33の隙間を通って移動することで緩衝作用が行われる。この時、エンドプレート34の貫通孔34bに調圧弁40を設置してあるので、シリンダチューブ33の内部空間33aとエンドプレート34の円柱状空間34aとの圧力差が設定値以上になるまでは、シリンダチューブ33の内部空間33aからエンドプレート34の円柱状空間34aへの粘性体の移動は生じない。したがって、より良好な減衰性能を確保できる。特に、低速時の減衰性能の低下を効果的に抑制することができる。また、粘性体がエンドプレート34の円柱状空間34aに多量に流入する結果、シリンダチューブ33の内部空間33aに比べて圧力が高くなった場合は、逆止弁41が開いて粘性体がシリンダチューブ33の内部空間33aに戻る。
また、この粘性体ダンパー30では、エンドプレート34の円柱状空間34aに収納した円板状ピストン37を付勢するばね39を設置したことにより、円柱状空間34aに粘性体が流入して円板状ピストン37が移動する場合、ばね39の弾性により円柱状空間34a内の圧力が高められる。これにより、粘性体はシリンダチューブ33の内部空間33aの圧力が低下した段階で内部空間33aに容易に戻ることができる。ばね39は、コイルばねを用いることにより、ロッド32を中心にして円板状ピストン37に均等な力を与えることができ、かつコンパクトなダンパーを得ることができる。押さえ金具38は、ばね39を包含してその位置ズレを防止できるため、図示の如き円筒形のものが一般的である。この押さえ金具18の端部にばねを拘束するための突起38aなどが設けられる。また、押さえ金具38の円板状ピストン37側の内径を、円板状ピストン37の外形より小さくなるように設定することにより、円板状ピストン37の過剰な移動を拘束するストッパとすることもできる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による粘性体ダンパーは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明に係る粘性体ダンパーの一例を示す断面図である。 (A)は図1のA−A断面図、(B)は図1のB−B断面図である。 本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図である。 本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図である。 (A)は図4のA−A断面図、(B)は図4のB−B断面図である。 本発明に係る粘性体ダンパーの別の例を示す断面図である。
符号の説明
10 粘性体ダンパー
11 ピストン
12 ロッド
12a ロッドエンド
13 シリンダチューブ
13a 内部空間
14 パッキングラウンド
14a 円筒形空間
14b 貫通孔
15 ストッパ
16 シリンダエンド
17 リング状ピストン
18 押さえ金具
18a 突起
19 ばね
20 調圧弁
21 逆止弁
30 粘性体ダンパー
31 ピストン
32 ロッド
32a ロッドエンド
33 シリンダチューブ
33a 内部空間
34 エンドプレート
34a 円柱状空間
34b 貫通孔
35 ストッパ
36 シリンダエンド
37 円板状ピストン
38 押さえ金具
38a 突起
39 ばね
40 調圧弁
41 逆止弁

Claims (4)

  1. ピストンを途中に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、ロッドの他方側を貫通させた状態でシリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するパッキングラウンドとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、パッキングラウンドには断面がリング状となる円筒形空間が設けられ、その円筒形空間にはリング状ピストンが嵌合されており、かつ円筒形空間はパッキングラウンドに設けられた貫通孔により内部空間と連通しており、内部空間とパッキングラウンドの円筒形空間には粘性体が充填されていることを特徴とする粘性体ダンパー。
  2. ピストンを途中に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、ロッドの他方側を貫通させた状態でシリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するパッキングラウンドとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、パッキングラウンドには断面がリング状となる円筒形空間が設けられ、その円筒形空間にはリング状ピストンがばねで付勢された状態で収納されており、かつ円筒形空間はパッキングラウンドに設けられた複数の貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、複数の貫通孔のそれぞれには調圧弁と逆止弁のいずれかが設置されており、シリンダチューブの内部空間とパッキングラウンドの円筒形空間には粘性体が充填されており、調圧弁は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブの内部空間からパッキングラウンドの円筒形空間への一方向にのみ粘性体の移動を許し、逆止弁は、パッキングラウンドの円筒形空間からシリンダチューブの内部空間への一方向のみ粘性体の移動を許すようになっていることを特徴とする粘性体ダンパー。
  3. ピストンを他方側の端に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、シリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するエンドプレートとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、エンドプレートには円柱状空間が設けられ、その円柱状空間には円板状ピストンが嵌合されており、かつ円柱状空間はエンドプレートに設けられた貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、シリンダチューブの内部空間とエンドプレートの円柱状空間には粘性体が充填されていることを特徴とする粘性体ダンパー。
  4. ピストンを他方側の端に固定したロッドと、ロッドにおける一方側の端部を外部に突出させた状態でピストンを移動可能に収納したシリンダチューブと、シリンダチューブに蓋をして内部空間を形成するエンドプレートとを備え、シリンダチューブの内部空間はピストンの両側に分かれるとともに互いに連通しており、エンドプレートには円柱状空間が設けられ、その円柱状空間には円板状ピストンがばねで付勢された状態で収納されており、かつ円柱状空間はエンドプレートに設けられた複数の貫通孔によりシリンダチューブの内部空間と連通しており、複数の貫通孔のそれぞれには調圧弁と逆止弁のいずれかが設置されており、シリンダチューブの内部空間とエンドプレートの円柱状空間には粘性体が充填されており、調圧弁は、圧力差が設定値を越えるとシリンダチューブの内部空間から円柱状空間への一方向にのみ粘性体の移動を許し、逆止弁は、エンドプレートの円柱状空間からシリンダチューブの内部空間への一方向のみ粘性体の移動を許すようになっていることを特徴とする粘性体ダンパー。
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