JP2006077155A - 石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料 - Google Patents
石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 水を使用しない簡便な方法で石炭の自然発火を防ぐことができる石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料を提供すること。
【解決手段】 塊状の石炭2と、石炭2より酸化しにくい炭化バイオマス等の塊状の物質4とを混合させて石炭混合燃料1を製造すること。
さらに、前記塊状の物質4の大きさは、前記塊状の石炭2間の空隙3を埋める大きさであること。
さらに、前記塊状の石炭2は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであること。
【選択図】 図1
【解決手段】 塊状の石炭2と、石炭2より酸化しにくい炭化バイオマス等の塊状の物質4とを混合させて石炭混合燃料1を製造すること。
さらに、前記塊状の物質4の大きさは、前記塊状の石炭2間の空隙3を埋める大きさであること。
さらに、前記塊状の石炭2は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであること。
【選択図】 図1
Description
本発明は、石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料に関するものであり、特に、水を使用しない簡便な方法で石炭の自然発火を防止する技術に関するものである。
石炭はその埋蔵量が豊富であり、エネルギーの安定供給の観点から重要な発電用燃料である。この石炭としては、亜瀝青炭、瀝青炭等がある。しかし、亜瀝青炭は自然発火しやすいので、産炭地近傍の発電所以外では、発電用燃料として使用されていなかった。
このような問題を解決するため、石炭の自然発火防止方法が提案されている。たとえば、石炭の微粉末と水とを混合したスラリーを200℃〜350℃の温度で、かつ70kg/cm2〜150kg/cm2の圧力下で所定時間保持して得られた改質炭スラリーまたはその濾液を石炭に散布して石炭の自然発火を防止する方法がある(たとえば特許文献1参照)。
また、泥炭、褐炭、亜瀝青炭等の低品位炭の水分を除去した後の乾燥炭を、水素および一酸化炭素を含有するガスを用いて、改質温度200℃〜400℃で熱処理して石炭の自然発火性を改善する方法がある(たとえば特許文献2参照)。
特開2000−297288号公報
特開平7−166180号公報
このような問題を解決するため、石炭の自然発火防止方法が提案されている。たとえば、石炭の微粉末と水とを混合したスラリーを200℃〜350℃の温度で、かつ70kg/cm2〜150kg/cm2の圧力下で所定時間保持して得られた改質炭スラリーまたはその濾液を石炭に散布して石炭の自然発火を防止する方法がある(たとえば特許文献1参照)。
また、泥炭、褐炭、亜瀝青炭等の低品位炭の水分を除去した後の乾燥炭を、水素および一酸化炭素を含有するガスを用いて、改質温度200℃〜400℃で熱処理して石炭の自然発火性を改善する方法がある(たとえば特許文献2参照)。
しかし、上述の特許文献1に記載された方法では、石炭を高圧下で改質処理する必要があり、そのための設備が必要となり、また、貯炭パイルに散布する改質炭スラリーまたはスラリー濾液には、フェノール類等が含まれている可能性があるので、排水処理の面で不都合となる可能性がある。さらに、石炭表面の濡れ性が改善され、石炭層内部の水分が多くなることから、自然発火上は好ましいが、石炭の取り扱い面においてはバンカ内等で石炭の詰まりが起こりやすくなることが考えられる。
また、特許文献2に記載された方法では、石炭全量を改質処理しなければならないという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、水を使用しない簡便な方法で石炭の自然発火を防ぐことができる石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料を提供することである。
また、特許文献2に記載された方法では、石炭全量を改質処理しなければならないという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、水を使用しない簡便な方法で石炭の自然発火を防ぐことができる石炭の自然発火防止方法および自然発火を防止した石炭混合燃料を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、塊状の石炭と、前記石炭より酸化しにくい(常温において酸化しにくい場合を含む。)塊状の物質とを混合させることを特徴とする石炭の自然発火防止方法である。
これにより、石炭より酸化しにくい塊状の物質を塊状の石炭に混合した混合物は石炭より酸化しにくくなるので、この混合物は塊状の石炭よりも自然発火性が低下する。
これにより、石炭より酸化しにくい塊状の物質を塊状の石炭に混合した混合物は石炭より酸化しにくくなるので、この混合物は塊状の石炭よりも自然発火性が低下する。
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質の大きさは、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさであることである。
これにより、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質を前記塊状の石炭に混合することにより、前記塊状の石炭層内部の空隙を少なくし空気がこの空隙に流入することを少なくすることができる。
これにより、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質を前記塊状の石炭に混合することにより、前記塊状の石炭層内部の空隙を少なくし空気がこの空隙に流入することを少なくすることができる。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質は、炭化バイオマス(バイオマスの炭化物)であることである。
これにより、炭化バイオマスを前記石炭より酸化しにくい塊状の物質として使用することにより、炭化バイオマスを新エネルギー源として利用することができる。
これにより、炭化バイオマスを前記石炭より酸化しにくい塊状の物質として使用することにより、炭化バイオマスを新エネルギー源として利用することができる。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載した発明において、前記塊状の石炭は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであることである。
これにより、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを前記塊状の石炭として使用することにより、瀝青炭および亜瀝青炭の塊の自然発火性を低下させることができる。
これにより、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを前記塊状の石炭として使用することにより、瀝青炭および亜瀝青炭の塊の自然発火性を低下させることができる。
さらに、請求項5記載の発明は、塊状の石炭と、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質とを混合させることを特徴とする自然発火を防止した石炭混合燃料である。
これにより、請求項1記載の発明と同様に、石炭より酸化しにくい塊状の物質を塊状の石炭に混合した石炭混合燃料が石炭よりも酸化しにくくなるので、この石炭混合燃料は塊状の石炭よりも自然発火しにくくなる。
これにより、請求項1記載の発明と同様に、石炭より酸化しにくい塊状の物質を塊状の石炭に混合した石炭混合燃料が石炭よりも酸化しにくくなるので、この石炭混合燃料は塊状の石炭よりも自然発火しにくくなる。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質の大きさは、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさであることである。
これにより、請求項2記載の発明と同様に、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質を前記塊状の石炭に混合することにより、前記塊状の石炭層内部の空隙を少なくし空気がこの空隙に流入することを少なくすることができる。
これにより、請求項2記載の発明と同様に、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質を前記塊状の石炭に混合することにより、前記塊状の石炭層内部の空隙を少なくし空気がこの空隙に流入することを少なくすることができる。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6記載の発明において、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質は、炭化バイオマスであることである。
これにより、請求項3記載の発明と同様に、炭化バイオマスを前記石炭より酸化しにくい塊状の物質として使用することにより、炭化バイオマスを新エネルギー源として利用することができる。
これにより、請求項3記載の発明と同様に、炭化バイオマスを前記石炭より酸化しにくい塊状の物質として使用することにより、炭化バイオマスを新エネルギー源として利用することができる。
請求項8記載の発明は、請求項5から請求項7までのいずれかに記載の発明において、前記塊状の石炭は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであることである。
これにより、請求項4記載の発明と同様に、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを前記塊状の石炭として使用した石炭混合燃料を製造することができる。
これにより、請求項4記載の発明と同様に、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを前記塊状の石炭として使用した石炭混合燃料を製造することができる。
請求項1記載の発明によれば、水を使用しない簡便な方法で塊状の石炭の層が自然発火しにくくなる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、塊状の石炭の層の自然発火を一層少なくすることができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果とともに、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(以下、「RPS法」という。)に対応することができる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3までのいずれかに記載した発明の効果とともに、瀝青炭および亜瀝青炭の塊を自然発火しにくくすることができる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、塊状の石炭よりも自然発火しにくい石炭混合燃料を製造することができる。
さらに、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果とともに、石炭混合燃料が一層自然発火しにくくなる。
さらに、請求項7記載の発明によれば、請求項5または請求項6記載の発明の効果とともに、RPS法に対応することができる。
さらに、請求項8記載の発明によれば、請求項5から請求項7までのいずれかに記載の発明の効果とともに、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを使用して石炭混合燃料を製造することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、塊状の石炭の層の自然発火を一層少なくすることができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果とともに、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(以下、「RPS法」という。)に対応することができる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3までのいずれかに記載した発明の効果とともに、瀝青炭および亜瀝青炭の塊を自然発火しにくくすることができる。
さらに、請求項5記載の発明によれば、塊状の石炭よりも自然発火しにくい石炭混合燃料を製造することができる。
さらに、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果とともに、石炭混合燃料が一層自然発火しにくくなる。
さらに、請求項7記載の発明によれば、請求項5または請求項6記載の発明の効果とともに、RPS法に対応することができる。
さらに、請求項8記載の発明によれば、請求項5から請求項7までのいずれかに記載の発明の効果とともに、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを使用して石炭混合燃料を製造することができる。
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る石炭混合燃料を説明し、図2は石炭混合燃料における炭化バイオマスの混合率と平均燃料比の関係を示し、図3は石炭混合燃料における炭化バイオマス混合率と平均揮発分の関係を示し、図4は石炭混合燃料における炭化バイオマス混合率と炭素分に対する酸素分の比の平均(平均O/C)の関係を示す。
図1は本発明の実施の形態に係る石炭混合燃料を説明し、図2は石炭混合燃料における炭化バイオマスの混合率と平均燃料比の関係を示し、図3は石炭混合燃料における炭化バイオマス混合率と平均揮発分の関係を示し、図4は石炭混合燃料における炭化バイオマス混合率と炭素分に対する酸素分の比の平均(平均O/C)の関係を示す。
図1に示すように、石炭混合燃料1は、塊状の石炭2(たとえば粒径が50mm以下の石炭)と、前記塊状の石炭2より酸化しにくい塊状の物質4を混合したものである。この塊状の物質4の大きさは、前記塊状の石炭2間の空隙3(石炭2の層中の空隙)を埋める大きさである。
そして、前記塊状の石炭2は、たとえば瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであり、前記石炭2より酸化しにくい塊状の物質4は、たとえば炭化バイオマス、木炭、コークス、石油コークス、炭化廃棄物(炭化RDF(ゴミ固形化燃料などのゴミから得られる燃料)など)、ゴム炭化物、活性炭である。前記バイオマスは、たとえば木くず、間伐材、廃材、籾殻等であり、このバイオマスを炭化炉内にて低酸素状態で500〜1,000℃の温度で部分燃焼または外部加熱することにより、可燃ガスと炭化物に熱分解して生成された炭化物が炭化バイオマスである。炭化バイオマスは、バイオマスよりも酸化しにくく、水分が少なく、灰分は多いものの、重量あたりの発熱量が高く、かさ密度が低く、輸送に適している。また炭化バイオマスは石炭よりも良好な粉砕性を有する。
そして、前記塊状の石炭2は、たとえば瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであり、前記石炭2より酸化しにくい塊状の物質4は、たとえば炭化バイオマス、木炭、コークス、石油コークス、炭化廃棄物(炭化RDF(ゴミ固形化燃料などのゴミから得られる燃料)など)、ゴム炭化物、活性炭である。前記バイオマスは、たとえば木くず、間伐材、廃材、籾殻等であり、このバイオマスを炭化炉内にて低酸素状態で500〜1,000℃の温度で部分燃焼または外部加熱することにより、可燃ガスと炭化物に熱分解して生成された炭化物が炭化バイオマスである。炭化バイオマスは、バイオマスよりも酸化しにくく、水分が少なく、灰分は多いものの、重量あたりの発熱量が高く、かさ密度が低く、輸送に適している。また炭化バイオマスは石炭よりも良好な粉砕性を有する。
図2に示すグラフは、燃料比1.0の石炭と燃料比5.5の炭化バイオマスを混合した場合の石炭混合燃料1の平均燃料比を示している。炭化バイオマス混合率(重量比)が高いほど、平均燃料比が高くなり、石炭混合燃料1の自然発火性は低下する。ここで、「燃料比」は、石炭混合燃料1中の揮発分に対する固定炭素の比(固定炭素/揮発分)であり、燃料比が低いほど自然発火しやすい。なお、仮にバイオマスを石炭に混合する場合には、バイオマスの粉砕動力の増加およびバイオマスの未燃分の増加を抑制するために、通常バイオマス混合率を5%以下にする必要があるが、炭化バイオマス混合率は図2から図4までに示すように、バイオマス混合率のような制限がない。
また、図3に示すグラフは、揮発分45.4%の石炭と揮発分15.4%の炭化バイオマスを混合した場合の石炭混合燃料1の平均揮発分を示す。石炭混合燃料1の炭化バイオマス混合率が高いほど、平均揮発分が減少し、自然発火性が低下する。この場合、17%程度の炭化バイオマス混合率が望ましい。なお、揮発分は無水無灰ベースである。
また、図4に示すグラフは、O/Cが0.115の石炭と、O/Cが0.09の炭化バイオマスを混合した場合の石炭混合燃料1の平均O/Cを示す。石炭混合燃料1の炭化バイオマス混合率が高いほど、平均O/Cが低くなり、自然発火性は低下する。この場合、20%程度の炭化バイオマス混合率が望ましい。
また、図3に示すグラフは、揮発分45.4%の石炭と揮発分15.4%の炭化バイオマスを混合した場合の石炭混合燃料1の平均揮発分を示す。石炭混合燃料1の炭化バイオマス混合率が高いほど、平均揮発分が減少し、自然発火性が低下する。この場合、17%程度の炭化バイオマス混合率が望ましい。なお、揮発分は無水無灰ベースである。
また、図4に示すグラフは、O/Cが0.115の石炭と、O/Cが0.09の炭化バイオマスを混合した場合の石炭混合燃料1の平均O/Cを示す。石炭混合燃料1の炭化バイオマス混合率が高いほど、平均O/Cが低くなり、自然発火性は低下する。この場合、20%程度の炭化バイオマス混合率が望ましい。
(実施例)
バイオマス(水分30%、燃料比0.2、破砕性14−15)を炭化炉で炭化し、炭化バイオマス(水分1%、燃料比5.5、破砕性100)にし、この炭化バイオマスを5mm以下の粒径になるように粉砕する。なお、破砕性(HGI)は、ハードグローブインデックスと呼ばれる石炭の粉砕性の難易度を表す指標であり、一定の石炭を所定時間粉砕に掛け、所定粒度以下の重量割合をその指数とする。このため、数字の大きいもの程粉砕されやすい石炭となる。通常は前記指数は50前後であり、前記指数が40以下のときは硬い石炭、前記指数が60以上のときは脆い石炭となる。ここでは、前記指数を炭化バイオマスにも適用している。
つぎに、前記炭化バイオマスと石炭(水分9%、燃料比1.0、破砕性50、粒径50mm以下)とを混合し、炭化バイオマス混合率を10%とする。このようにして、石炭混合燃料1(水分8%、燃料比1.5、破砕性55)を製造することができる。
この結果、a.石炭に炭化バイオマスを10%混合することで、燃料比を向上(1.5以上が望ましい)させることができる。b.50mm以下の粒径の石炭に5mm以下の粒径の炭化バイオマスを混合することにより、石炭層の空隙を減少させ、自然発火を抑制することができる。c.石炭中に事前に炭化バイオマスが混入されていることから、既設石炭火力での特別な改造等の対応は不要となる。d.石炭混合燃料1の破砕性は55となり、石炭の破砕性50よりも、石炭混合燃料1の破砕性が5増加するので、石炭混合燃料1の単位石炭流量当たりの粉砕動力が1kw/kg/h程度低減できる。また、石炭混合燃料1の未燃分増加の心配はない。このため、炭化バイオマス混合率の制約がなくなる。ただし、石炭の燃料比に合わせた炭化バイオマスの混合が必要となる。また、炭化バイオマスを石炭に混合することで、石炭混合燃料1の水分が少なくなり、石炭混合燃料1の輸送効率が向上する。
バイオマス(水分30%、燃料比0.2、破砕性14−15)を炭化炉で炭化し、炭化バイオマス(水分1%、燃料比5.5、破砕性100)にし、この炭化バイオマスを5mm以下の粒径になるように粉砕する。なお、破砕性(HGI)は、ハードグローブインデックスと呼ばれる石炭の粉砕性の難易度を表す指標であり、一定の石炭を所定時間粉砕に掛け、所定粒度以下の重量割合をその指数とする。このため、数字の大きいもの程粉砕されやすい石炭となる。通常は前記指数は50前後であり、前記指数が40以下のときは硬い石炭、前記指数が60以上のときは脆い石炭となる。ここでは、前記指数を炭化バイオマスにも適用している。
つぎに、前記炭化バイオマスと石炭(水分9%、燃料比1.0、破砕性50、粒径50mm以下)とを混合し、炭化バイオマス混合率を10%とする。このようにして、石炭混合燃料1(水分8%、燃料比1.5、破砕性55)を製造することができる。
この結果、a.石炭に炭化バイオマスを10%混合することで、燃料比を向上(1.5以上が望ましい)させることができる。b.50mm以下の粒径の石炭に5mm以下の粒径の炭化バイオマスを混合することにより、石炭層の空隙を減少させ、自然発火を抑制することができる。c.石炭中に事前に炭化バイオマスが混入されていることから、既設石炭火力での特別な改造等の対応は不要となる。d.石炭混合燃料1の破砕性は55となり、石炭の破砕性50よりも、石炭混合燃料1の破砕性が5増加するので、石炭混合燃料1の単位石炭流量当たりの粉砕動力が1kw/kg/h程度低減できる。また、石炭混合燃料1の未燃分増加の心配はない。このため、炭化バイオマス混合率の制約がなくなる。ただし、石炭の燃料比に合わせた炭化バイオマスの混合が必要となる。また、炭化バイオマスを石炭に混合することで、石炭混合燃料1の水分が少なくなり、石炭混合燃料1の輸送効率が向上する。
以上により、塊状の石炭2より酸化しにくい塊状の物質4を塊状の石炭2に混合した石炭混合燃料1は塊状の石炭2より酸化しにくくなるので、この石炭混合燃料1は塊状の石炭2の層よりも自然発火しにくくなる。
さらに、前記塊状の石炭2間の空隙3を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質4を前記塊状の石炭2に混合することにより、前記塊状の石炭2間の空隙3を少なくし空気(たとえば図1の矢印5で示す方向の空気の流れ)がこの空隙3に流入することを少なくすることができる。このため、空気中の酸素による石炭2の酸化を抑制することができる。なお、石炭2の酸化時には発熱し、この熱が蓄積されて石炭2の温度が上昇すると、石炭2の自然発火が発生しやすくなるので、空気の流入を抑制することで石炭2の自然発火を抑制することができる。このため、石炭混合燃料1の輸送時および貯蔵時における石炭混合燃料1の自然発火が抑制される。そして、このような自然発火しにくい石炭混合燃料1の輸送、貯蔵および石炭火力としての利用が容易になる。
さらに、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを塊状の石炭2として使用した石炭混合燃料1を製造することができる。このため、自然発火しやすいので従来使用されなかった亜瀝青炭を石炭火力等の燃料として利用することができる。
さらに、前記塊状の石炭2間の空隙3を埋める大きさの前記石炭より酸化しにくい塊状の物質4を前記塊状の石炭2に混合することにより、前記塊状の石炭2間の空隙3を少なくし空気(たとえば図1の矢印5で示す方向の空気の流れ)がこの空隙3に流入することを少なくすることができる。このため、空気中の酸素による石炭2の酸化を抑制することができる。なお、石炭2の酸化時には発熱し、この熱が蓄積されて石炭2の温度が上昇すると、石炭2の自然発火が発生しやすくなるので、空気の流入を抑制することで石炭2の自然発火を抑制することができる。このため、石炭混合燃料1の輸送時および貯蔵時における石炭混合燃料1の自然発火が抑制される。そして、このような自然発火しにくい石炭混合燃料1の輸送、貯蔵および石炭火力としての利用が容易になる。
さらに、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つを塊状の石炭2として使用した石炭混合燃料1を製造することができる。このため、自然発火しやすいので従来使用されなかった亜瀝青炭を石炭火力等の燃料として利用することができる。
また、炭化バイオマスはバイオマスよりも酸化しにくい。このため、この炭化バイオマスを石炭2より酸化しにくい塊状の物質4として使用することにより、RPS法の対応に寄与することができる。さらに、炭化バイオマスは粉砕しやすいので、これを粉砕するミルの動力は増大しない。また、バイオマスは粉砕性が低いので、燃焼性が低くその未燃分が増加する。このため、空気比を上げるなどしてバイオマスの燃焼性を向上させる必要がある。ただし、空気比を上げるとNOXが増大するので、あまり空気比を上げることはできない。また、燃焼により発生する灰の有功利用のためには、未燃分を5%以下にする必要がある。これに対し、炭化バイオマスは粉砕性が良いので、これを微粉砕することにより、炭化バイオマスの未燃分が増加することもない。
さらに、石炭火力にてバイオマスを混焼する場合には、バイオマス供給設備、バイオマス専用のミル設備等の追加が必要になるが、炭化バイオマスを混合した石炭混合燃料1を使用する火力発電設備の改造は不要である。
さらに、石炭火力にてバイオマスを混焼する場合には、バイオマス供給設備、バイオマス専用のミル設備等の追加が必要になるが、炭化バイオマスを混合した石炭混合燃料1を使用する火力発電設備の改造は不要である。
なお、上記実施の形態において、図1の石炭2および塊状の物質4の大きさおよび形状は、イメージ的に示したものであるので、図示したものに限定されない。
1 石炭混合燃料
2 塊状の石炭
3 塊状の石炭間の空隙
4 石炭より酸化しにくい塊状の物質
5 空気の流れ
2 塊状の石炭
3 塊状の石炭間の空隙
4 石炭より酸化しにくい塊状の物質
5 空気の流れ
Claims (8)
- 塊状の石炭と、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質とを混合させることを特徴とする石炭の自然発火防止方法。
- 請求項1記載の石炭の自然発火防止方法であって、
前記石炭より酸化しにくい塊状の物質の大きさは、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさであることを特徴とする石炭の自然発火防止方法。 - 請求項1または請求項2記載の石炭の自然発火防止方法であって、
前記石炭より酸化しにくい塊状の物質は、炭化バイオマスであることを特徴とする石炭の自然発火防止方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載した石炭の自然発火防止方法であって、
前記塊状の石炭は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであることを特徴とする石炭の自然発火防止方法。 - 塊状の石炭と、前記石炭より酸化しにくい塊状の物質とを混合させることを特徴とする自然発火を防止した石炭混合燃料。
- 請求項5記載の自然発火を防止した石炭混合燃料であって、
前記石炭より酸化しにくい塊状の物質の大きさは、前記塊状の石炭間の空隙を埋める大きさであることを特徴とする自然発火を防止した石炭混合燃料。 - 請求項5または請求項6記載の自然発火を防止した石炭混合燃料であって、
前記石炭より酸化しにくい塊状の物質は、炭化バイオマスであることを特徴とする自然発火を防止した石炭混合燃料。 - 請求項5から請求項7までのいずれかに記載の自然発火を防止した石炭混合燃料であって、
前記塊状の石炭は、瀝青炭および亜瀝青炭の少なくとも一つであることを特徴とする自然発火を防止した石炭混合燃料。
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