以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部位などには同一の符号を付している場合がある。
[袋の開封用テープ]
図1は、本発明の袋の開封用テープの一例を示す概略断面図である。図1において、1は袋の開封用テープ(単に「開封用テープ」と称する場合がある)、1aはテープ基材、1a1はテープ基材1aに予め形成された凹部、1bは粘着剤層、1cは離型処理剤層である。なお、図1で示される開封用テープの断面図は、開封用テープの長手方向に対して垂直な方向で切断した際の断面図であり、図の左右の方向が幅方向となっている。
図1で示される開封用テープ1は、予め形成された凹部1a1を有するテープ基材1aと、テープ基材1aの平面側の面に形成された粘着剤層1bと、テープ基材1aの凹部を有する面側に形成された離型処理剤層1cとにより構成されている。このように、本発明の開封用テープでは、予め所定の位置に凹部が形成されたテープ基材が用いられているので、テープ基材に形成された凹部を利用して、凹部に沿って袋を切断する(特に、手で切断する)ことが可能となっている。そのため、本発明の開封用テープを利用すると、手で容易に切断して、袋を所定の開口部形状で開封させることができる。
しかも、前記開封用テープでは、予め所定の位置に凹部が形成されたテープ基材を用いており、テープ基材上に粘着剤層を形成して粘着テープを作製した後に、凹部を形成しているのではないので、粘着テープに凹部を形成させるための二次加工工程を必要とせず、通常の粘着テープと同様の製造工程で製造することができ、この観点からはコスト高にはならない。
また、開封用テープのテープ基材に凹部が形成されているので、1本の開封用テープを袋の開封しようとする部位(開封予定部位)に凹部が位置するように、袋の外面に貼り合わせるだけでよく、同一側の面上に粘着テープ2本を所定の位置関係で貼り合わせる必要がない。しかも、袋が内面同士を接着させた封止端部を有しており、開封用テープを、袋の両面に、封止端部側の部位(例えば、袋の封止端部よりも内側の外面の部位)に貼り合わせる場合でも、表裏に貼り合わせられている開封用テープの位置関係が、正確又はほぼ正確な表裏対称な位置関係となっておらず、多少ずれていても、開封時には、この多少のズレを吸収して開封することができる構造となっている。そのため、開封用テープを袋に貼り合わせる際には、複雑化された貼り合わせ装置を必要とせず、簡便な貼り合わせ装置で貼り合わせることが可能である。さらに、1本の開封用テープを用いているだけであるので、貼り合わせ作業中に開封用テープを交換する際にも、容易に開封用テープの交換を行うことができる。従って、貼り合わせ加工が容易であり、優れた貼り合わせ作業性で、開封用テープを袋に貼り合わせることができる。
さらに、本発明では、開封用テープを袋の外面に貼り合わせており、袋の内面側に切り取り用の糸や細い金属線、あるいは一方向に裂ける性質を有するフィルムを取り付けているのではないので、開封用部材としての開封用テープを袋に貼り付ける際には、特別な装置や技術を必要としない。しかも、密閉袋等の閉鎖系袋の開封用テープとして用いる場合、袋の密閉前、密閉中、密閉後のいつであっても、開封用テープを袋又は袋部材に貼り付けることができるので、袋の製造工程に特別な制約を生じさせることがない。なお、密閉袋等の閉鎖系袋に対して適用する場合、開封用テープは、通常は、袋を密閉した後に貼り付けており、袋の開封予定部位に、容易に貼り付けることが可能となっている。
さらにまた、開封用テープには、金属線などの破袋させる可能性のあるものが使用されていないので、保管又は保存中に、破袋の虞がなく、例えば、開封用テープの貼着により閉鎖系袋の閉鎖性(特に、密閉性)が損なわれる可能性がない。そのため、開封用テープが貼着された袋を保管や保存する際には、特別な条件を生じさせない。
また、テープ基材としては、予め凹部が形成されたテープ基材を用いているだけであるので、開封用テープにおける各部材の素材として、一方向に裂ける性質などの素材の性質に特別な限定を生じさせない。
(テープ基材)
テープ基材としては、前述のように、予め凹部が形成されているテープ基材が用いられている。なお、テープ基材に形成された凹部は、袋(閉鎖系袋など)を開封する際の切断部として利用されるので、テープ基材の所定の位置に所定の形状で形成されていることが重要である。また、テープ基材は、通常、長尺状(特に長尺帯状)の形態を有しており、凹部は、全体として、長尺状のテープ基材の長手方向に向かって形成されていることが重要である。すなわち、凹部は、開封用テープとした際に、開封用テープの長手方向に向かって形成されるような形態で、テープ基材に形成されていることが重要である。なお、開封用テープ(又はテープ基材)の長手方向に向かって形成された凹部は、長手方向に平行に形成されていてもよく、長手方向に非平行に形成されていてもよい。また、開封用テープ(又はテープ基材)の長手方向に平行に形成された凹部は、凹部全体として、長手方向に平行に形成されていればよく、部分的又は局所的には、長手方向に非平行な部位があってもよい。
凹部としては、テープ基材の両面に形成されていてもよいが、何れか一方の面に形成されていることが好ましい。また、テープ基材の一方の面側において、長手方向に向かって形成された長尺状の凹部は、平行又は非平行に、複数個形成されていてもよいが、1個のみが形成されていることが好ましい。
なお、本発明の開封用テープでは、長手方向に向かって形成された長尺状の凹部としては、全体として長尺状の凹部となっていればよく、例えば、下記に示されるような直線状や曲線状の凹部が1個形成されていることにより、全体として長尺状の凹部が形成されていてもよく、また、複数個の凹部が、全体として直線状や曲線状に連続的に形成されていることにより(例えば、点線状の凹部が形成されていることにより)、全体として長尺状の凹部が形成されていてもよい。
このような凹部としては、長手方向に直線状[例えば、図2(a)で示されるような長手方向に平行な「一」字型形状、図2(b)で示されるような「V」字型形状や、これらを組み合わせた形状など]、長手方向に曲線状[例えば、図2(c)で示されるような「U」字型形状、図2(d)で示されるような波線形状や、これらを組み合わせた形状など]や、これらの直線状及び曲線状を組み合わせた形状など如何なる形状で形成されていてもよい。従って、開封用テープにおける凹部は、開封用テープの長手方向に直線状乃至曲線状に形成された構成を有していることが好ましい。なお、長手方向に曲線状の凹部が形成されている場合、曲線状の凹部は、全体としては、長手方向に平行に形成することができる。
図2は、本発明におけるテープ基材に予め形成されている凹部の一例を部分的に示す概略斜視図である。図2において、(a)は「一」字型形状の直線状に形成された凹部を示しており、(b)は「V」字型形状の直線状に形成された凹部を示しており、(c)は「U」字型形状の曲線状に形成された凹部を示しており、(d)は波線形状の曲線状に形成された凹部を示している。尚、図2において、2a〜2dは、それぞれ、テープ基材であり、2a1〜2d1は、それぞれ、テープ基材2a〜2dにおける凹部である。
本発明の開封用テープでは、テープ基材に形成された凹部が、テープ基材の長手方向に平行に直線状に形成されている場合、該凹部としては、テープ基材の幅方向の中央部に形成されていてもよく、テープ基材の幅方向の中央部よりも幅方向の何れかの端部側にずれた位置に形成されていてもよい。テープ基材の長手方向に平行に直線状に形成されている凹部が、テープ基材の幅方向の中央部よりも幅方向の何れかの端部側にずれた位置に形成されていると、袋に貼着している開封用テープの凹部に沿って、袋を切断した際に、袋本体部としての開封された袋(開封袋)に残存する開封用テープの残存物の幅を調整することができる。例えば、開封袋等の開口部を有する袋(開口袋)に、残存する開封用テープの残存物の幅が多い方が好ましい場合は、開封用テープにおける凹部がずれて形成されている側の端部が、袋(開封する前の袋)の端部側に位置する形態で、開封用テープを袋の外面に貼着することができ、一方、開封袋等の開口袋に、残存する開封用テープの残存物の幅が少ない方が好ましい場合は、開封用テープにおける凹部がずれて形成されている側の端部が、袋(開封する前の袋)の端部側に位置しない形態で(すなわち、開封用テープにおける凹部がずれて形成されていない側の端部が、袋(開封する前の袋)の端部側に位置する形態で)、開封用テープを袋の外面に貼着することができる。
なお、本発明では、テープ基材に形成された凹部は、袋を開封する際の切断部として利用されるので、凹部の長手方向の形状を、切断部の形状(すなわち、開口部形状)とすることができる。そのため、テープ基材に予め形成される凹部の形状は、袋の開口部形状に応じて適宜設定することができる。逆に、袋の開口部形状は、凹部の長手方向の形状を適宜調整することにより、任意の種々の形状とすることができる。
また、テープ基材に予め形成された凹部において、長手方向に対して垂直な方向(幅方向)で切断した際の断面形状としては、特に制限されず、図3(a)で示されるような「コ」字型形状、図3(b)で示されるような「V」字型形状、図3(c)で示されるような「U」字型形状や、これらを組み合わせた形状など如何なる断面形状であってもよい。凹部の断面形状としては、「コ」字型形状、「V」字型形状が好ましく、さらには「コ」字型形状が好適である。
図3は、本発明におけるテープ基材に予め形成されている凹部の一例を示す概略断面図である。なお、図3で示されるテープ基材の断面図は、テープ基材の長手方向に対して垂直な方向(幅方向)で切断した際の断面図であり、図1と同様に、図の左右の方向が幅方向となっている。図3において、(a)は「コ」字型形状に形成された凹部を示しており、(b)は「V」字型形状に形成された凹部を示しており、(c)は「U」字型形状に形成された凹部を示している。尚、図3において、3a〜3cは、それぞれ、テープ基材であり、3a1〜3c1は、それぞれ、テープ基材3a〜3cにおける凹部である。
テープ基材に予め形成された凹部において、凹部の幅としては、特に制限されず、5mmを超えていてもよいが、5mm以下(例えば、0.1〜5mm)であることが好ましく、特に3mm以下(例えば、1〜3mm)であることが好適である。凹部の幅が広すぎると、袋を開封した際の開口部形状がギザギザになり易く、開口部形状の美観性が低下する。
また、テープ基材に予め形成された凹部において、凹部の厚みとしては、特に制限されず、凹部が形成されていない部分(「凹部非形成部」と称する場合がある)の厚みよりも薄くなっていればよいが、凹部非形成部の厚みに対して95%以下であることが好ましく、特に凹部非形成部の厚みに対して80%以下(なかでも70%以下)であることが好適である。凹部の厚みが、凹部非形成部の厚みに対して95%を超えていると、テープ基材の素材などにもよるが、凹部に沿って切断することが困難になる場合がある。
なお、凹部の厚みにおいて、凹部非形成部の厚みに対する割合の下限としては、特に制限されないが、凹部の厚みが薄すぎると、テープ基材を製造する際に凹部が切断されやすくなり、テープ基材の製造安定性や製造作業性が低下する。そのため、凹部の厚みとしては、テープ基材の素材などに応じて、5μm未満であってもよいが、5μm以上であることが好ましく、特に10μm以上(なかでも20μm以上)であることが好適である。
このようなテープ基材としては、例えば、プラスチック製基材により作製することができる。前記プラスチック製基材を構成する素材又は材料としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン系樹脂;ポリイミド(PI);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のポリアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメタクリレート系樹脂;アクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリビニルアルコール;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリカーボネート;ウレタン系樹脂:エポキシ系樹脂;フッ素系樹脂などの各種樹脂が挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
プラスチック製基材としては、柔軟性やコスト等の観点から、ポリオレフィン系樹脂(なかでもポリエチレンやポリプロピレン、特にポリプロピレン)により形成されているプラスチック製基材が好適である。
なお、テープ基材は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。
テープ基材の表面には、粘着剤層等との密着力の向上等を目的に、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
テープ基材の厚みとしては、特に制限されないが、通常、5〜1000μm(好ましくは10〜500μm)である。
(粘着剤層)
本発明の開封用テープにおいて、粘着剤層は粘着剤により形成されている。粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
粘着剤としては、エマルジョン系粘着剤や溶剤系粘着剤である場合、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの粘着剤であって、それぞれの形態(例えば、エマルジョンの形態、溶液の形態など)の粘着剤が挙げられる。
また、粘着剤としては、ホットメルト型粘着剤である場合、スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系ブロックコポリマー)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーや、ポリオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂をベースポリマーとするホットメルト型粘着剤などが挙げられる。なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)などが挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体などの他、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体など)などのポリオレフィン;ポリプロピレン変性樹脂などが挙げられる。酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
なお、粘着剤には、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分の他に、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、界面活性剤などの適宜な添加剤が含まれていてもよい。
粘着剤層の形成方法としては、公知乃至慣用の粘着剤層の形成方法を採用することができ、例えば、テープ基材の所定の面における所定の部位上に、所定の厚さの粘着剤層が形成されるように直接塗工して、必要に応じて乾燥・硬化する方法(塗布方法)、セパレータ上に、所定の厚さの粘着剤層が形成されるように粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層をテープ基材上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。
粘着剤層の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度の範囲から選択することができる。
なお、粘着剤層は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。
粘着剤層は、通常、テープ基材の一方の面側のみに形成されている。粘着剤層が形成されているテープ基材の面としては、テープ基材の一方の面のみに凹部が形成されている場合、凹部が形成されている側の面であってもよいが、凹部が形成されていない側の面(すなわち、平面側の面)であることが好ましい。従って、開封用テープとしては、テープ基材の一方の面側のみに凹部が予め形成されており、且つテープ基材の平面側の面に粘着剤層が形成されていることが好ましい。
(剥離面)
本発明の開封用テープにおいて、離型処理剤層は、任意に設けられている。すなわち、開封用テープは、離型処理剤層を有していてもよく、有していなくてもよい。なお、開封用テープが剥離面を有している場合、該剥離面は、離型処理剤層表面であってもよく、テープ基材表面であってもよい。
開封用テープの剥離面は、粘着剤層を保護するために用いることができる。また、開封用テープの剥離面は、袋を開封した後、開封された袋の開口部を折り畳んで封止する際に、袋の開閉用テープを開口部の端部に貼り合わせる時の貼付面(止着領域)として利用することができる。このように、開封用テープの剥離面に、袋の開閉用テープの粘着面が重ね合わせられる形態で、袋の開閉用テープを貼り合わせることにより、開封された袋(開封袋)を、開閉を繰り返して行うことが可能な形態で封止することができる。
なお、開封用テープが剥離面を有していない場合、粘着剤層は、セパレータにより保護することができる。このようなセパレータとしては、公知のセパレータから適宜選択して用いることができる。
開封用テープにおける剥離面が離型処理剤層表面となっている場合、テープ基材の所定の面に、離型処理剤(剥離処理剤)を塗布して、離型処理剤層を形成することにより、この離型処理剤層表面を剥離面として利用することができる。このような離型処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤、フッ素系離型処理剤などの公知の離型処理剤から1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
離型処理剤層の厚さとしては、特に制限されず、任意に設定することができる。また、離型処理剤層は単層の形態を有していてよく、積層の形態を有していてもよい。
一方、開封用テープにおける剥離面がテープ基材表面となっている場合、テープ基材として、低接着性基材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマーなど)を用いることにより、テープ基材表面を剥離面として利用することができる。
(開封用テープの製造方法)
開封用テープの製造方法としては、特に制限されず、公知の粘着テープの製造方法から適宜選択することができる。例えば、開封用テープが、予め形成された凹部を有するテープ基材と、前記テープ基材の平面側の面に形成された粘着剤層と、前記テープ基材の凹部を有する面側に形成された離型処理剤層とにより構成されている場合、予め形成された凹部を有するテープ基材の平面側の面に、粘着剤を塗布し、必要に応じて乾燥や硬化を行って粘着剤層を形成し、また、予め形成された凹部を有するテープ基材の凹部を有する面に、離型処理剤を塗布し、必要に応じて乾燥や硬化を行って離型処理剤層を形成することにより、製造することができる。
なお、予め形成された凹部を有するテープ基材の製造方法も特に制限されない。予め形成された凹部を有するテープ基材の製造方法としては、平面状のテープ基材を作製した後に、研削加工などにより凹部を形成する方法であってもよいが、テープ基材を作製する際に、凸部を有するロール等を用いて、テープ基材を作製する当初から凹部を有するテープ基材を作製する製造方法が好適である。このように、テープ基材として、予め凹部が形成されたテープ基材を製造することにより、テープ基材の二次加工を行わなくてよいので、低コストでテープ基材を製造することができる。具体的には、例えば、テープ基材を押出し製膜工程を利用して作製する場合、凸部を有するロールを用いて成形することにより、凹部を有するテープ基材を製造することができる。この際、ロールに形成された凸部の高さや幅、ロールを押し当てる圧力などを調整することにより、テープ基材に形成される凹部の幅や厚さなどを自由に設計することができる。
本発明の開封用テープは、テープ基材の一方の面に形成された粘着剤層と、他方の面に形成された離型処理剤層とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回し、使用時に巻き戻して適宜な長さに切断する形態で提供することもできる。
このような開封用テープとしては、幅方向の長さや長手方向の長さとしては、特に制限されず、テープ基材における凹部の形成位置や幅、貼着する袋の大きさや種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、開封用テープの幅方向の長さとしては、例えば、3mm〜10cm(好ましくは5mm〜5cm、さらに好ましくは1cm〜3cm)の範囲から選択することができる。一方、開封用テープの長手方向の長さとしては、袋の貼着部位の長さとなる。
なお、袋を切断して開封させた後に、袋本体部である開封袋に残存する開封用テープの残存物に、開閉用テープの袋封止部位の粘着剤層を貼付する場合、開封用テープにおける幅方向の端部(テープ基材の端部と同じ)と、テープ基材に形成されている凹部との間の距離(凹部が、テープ基材の中央部からずれて形成されている場合は、大きい方の距離)としては、例えば、3mm〜8cmとなっていることが好ましく、さらに好ましくは5mm〜5cmであり、特に5mm〜2cmであることが好適である。
[袋の開閉用テープ]
図4は、本発明の袋の開閉用テープの一例を示す概略断面図である。図4において、4は袋の開閉用テープ(単に「開閉用テープ」と称する場合がある)、4aは開閉用テープ4における袋貼着部位、4a1は袋貼着部位4aにおけるテープ基材、4a2は袋貼着部位4aにおける粘着剤層、4a3は袋貼着部位4aにおける離型処理剤層、4bは開閉用テープ4における袋封止部位、4b1は袋封止部位4bにおけるテープ基材、4b2は袋封止部位4bにおける粘着剤層、4b3は袋封止部位4bにおける離型処理剤層、5aは袋貼着部位4a又はテープ基材4a1の開放端部(自由端部)、5bは袋貼着部位4aと袋封止部位4bとの接合部(テープ基材4a1とテープ基材4b1との接合部)、5cは袋封止部位4b又はテープ基材4b1の開放端部(自由端部)、6は摘み部である。また、Aは袋貼着部位4aと袋封止部位4bとが剥離可能に接着されている接着部位、Bは袋貼着部位4aと袋封止部位4bとが接着されていない非接着部位である。
図4で示される開閉用テープ4は、テープ基材4a1の一方の面に粘着剤層4a2が形成され且つ他方の面に離型処理剤層4a3が形成された構成を有する袋貼着部位4aにおける離型処理剤層4a3上に、テープ基材4b1の一方の面の開放端部(自由端部)5c側の部位に粘着剤層4b2が形成され且つ他方の面に離型処理剤層4b3が形成された構成を有する袋封止部位4bにおける粘着剤層4b2が重ね合わせられることにより、袋貼着部位4aと袋封止部位4bとが、接着部位Aで剥離可能に接着され、非接着部位Bで接着されないような形態で積層された積層構造を有しているとともに、テープ基材4a1とテープ基材4b1とが、一枚の連続的に形成されているテープ基材が折り曲げられる(折り畳まれる)ことにより形成された構造を有している。
なお、図4で示される開閉用テープ4において、粘着剤層4a2は、袋の外面に貼着するための粘着剤層(「袋貼着用粘着剤層」と称する場合がある)として用いられる。一方、粘着剤層4b2は、開口部を有する袋(開口袋)を折り畳んで封止させるまでは離型処理剤層4a3に貼り合わせられ、且つ袋を封止させる際には、開口袋を折り畳んだ際の端部(開口部)又は端部側の部位に貼着して、開口部を折り畳んだ状態で保持させるための粘着剤層(「袋封止用粘着剤層」と称する場合がある)として用いられる。
このように、本発明の開閉用テープは、テープ基材の一方の面に粘着剤層(袋貼着用粘着剤層)が形成されているとともに、他方の面が剥離面となっている構成を有し、且つ袋の外面に貼着するための袋貼着部位と、テープ基材の一方の面に部分的に粘着剤層(袋封止用粘着剤層)が形成されているとともに、他方の面が剥離面となっている構成を有し、且つ前記袋貼着部位の剥離面に部分的に剥離可能な形態で貼着された袋封止部位とを有しており、且つ袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、一方の端部側で接合され、且つこの接合部側で、袋封止用粘着剤層が形成されていない構成を有していることが重要である。
前記開閉用テープでは、袋封止部位の袋封止用粘着剤層を袋貼着部位の剥離面に貼着することにより、袋封止部位が袋貼着部位上に積層された構成を有しているので、袋封止部位は、袋貼着部位に剥離可能(再剥離可能)な形態で貼着されている。すなわち、袋封止部位は、袋貼着部位に対する貼着・剥離を繰り返して行うことが可能となっている。
特に、前記開閉用テープでは、袋封止部位の袋封止用粘着剤層が、袋貼着部位と接合している接合部側の部位には形成されていないので[すなわち、袋封止部位と袋貼着部位とが、接合部に対して反対側に相当する開放端部側(又は自由端部側)の部位で、粘着剤層により密接に貼り合わせられ、一方、接合部側の部位で、単に重ね合わせられているだけの形態であるので]、袋封止部位を袋貼着部位から剥離させた後に、袋封止部位が自重で袋貼着部位側に倒れてきても、袋封止部位は袋貼着部位に重ならずに離れた状態を効果的に保持することができ、袋封止部位が袋貼着部位に自然に再接着することが防止されている。
従って、開閉用テープを利用して、開口袋の開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させる際には(具体的には、例えば、袋封止部位を袋貼着部位から剥離させた後に、開口袋の開口部を折り畳んで、折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を、袋貼着部位の剥離面上に位置させ(袋封止部位と袋貼着部位との間に位置させ)、開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位の表面に、袋封止部位の袋封止用粘着剤層を貼付させることにより)、袋貼着部位から一旦剥離させた袋封止部位は、袋貼着部位から剥離された状態が効果的に保持されているので、開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を、容易に、袋封止部位と袋貼着部位との間に位置させて、袋封止部位の粘着剤層を、開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位に貼付させることができる。そのため、本発明の開閉用テープを用いると、開口袋を、開閉が可能な形態で、容易に封止させることが可能となっている。
なお、袋封止部位と袋貼着部位とが接合部で接合された構成を有しているので(特に、袋封止部位のテープ基材と、袋貼着部位のテープ基材とが、一枚のテープ基材を折り曲げることにより形成された構成を有している場合)、袋封止部位を袋貼着部位から剥離させる際には、袋封止部位の粘着剤層が、袋貼着部位の離型処理層から剥がれると、袋封止部位に、立ち上がる力(例えば、折り曲げに対する反発力による立ち上がる力)が作用するため、袋封止部位が袋貼着部位から迅速に離れ、そのため、軽い力で容易に剥離させることも可能となっている。
このように、本発明の開閉用テープは、袋の外面に貼着させることにより、袋を、開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させることが可能であり、袋の外面に貼着させるための袋貼着部位と、開口部を折り畳んだ状態で保持させるための袋封止部位とが積層された構成を有しており、且つ下記の(a)〜(e)の構成を有している。
(a)袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、一方の端部側で接合している構成
(b)袋貼着部位が、テープ基材の一方の面に、袋の外面に貼着させるための粘着剤層を有し、且つ他方の面に離型処理剤層を有する構成
(c)袋封止部位が、テープ基材の一方の面に部分的に、開口部を折り畳んだ状態で保持させるための粘着剤層を有し、且つ他方の面に離型処理剤層を有する構成
(d)袋貼着部位の離型処理剤層側の面と袋封止部位の粘着剤層側の面とが接触する形態で、袋貼着部位と袋封止部位とが積層された構成
(e)袋封止部位の粘着剤層が、袋貼着部位と接合している接合部側の部位には形成されていない構成
本発明では、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とは、一方の端部側で接合された形態を有していれば、その接合形態は特に制限されない。例えば、図4で示されるように、1枚の部材(テープ基材)が折り畳まれて積層された接合形態や、図5(a)や図5(b)で示されるように、2枚の部材(テープ基材)が接着等により一体化された接合形態などが挙げられる。具体的には、図4では、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、1枚の連続的に形成されているテープ基材が折り曲げられることにより形成された構造を有しており、図5(a)や図5(b)では、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、2枚の各テープ基材を接着等により、接合部又は接合部以外の部位で、接合して形成された構造を有している。すなわち、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とは、長尺状の1枚の部材により形成されていてもよく、所定の位置関係で接着等により接合された2枚の部材により形成されていてもよい。
従って、開閉用テープとしては、1枚の部材を折り畳むことにより袋貼着部位と袋封止部位とが形成された構造の折り畳み型テープであってもよく、別々の部材を積層し且つ所定の位置関係で接着等により接合させることにより袋貼着部位と袋封止部位とが形成された構造の複合型テープであってもよい。
なお、図5は、本発明の袋の開閉用テープの他の例を示す概略断面図である。図5(a)において、71は開閉用テープ、71aは開閉用テープ71における袋貼着部位、71a1は袋貼着部位71aにおけるテープ基材、71a2は袋貼着部位71aにおける粘着剤層、71a3は袋貼着部位71aにおける離型処理剤層、71bは開閉用テープ71における袋封止部位、71b1は袋封止部位71bにおけるテープ基材、71b2は袋封止部位71bにおける粘着剤層、71b3は袋封止部位71bにおける離型処理剤層、81aは袋貼着部位71a又はテープ基材71a1の開放端部(自由端部)、71cは袋貼着部位71aと袋封止部位71bとを接合する接着剤層(テープ基材71a1とテープ基材71b1とを接合する接着剤層)、81bは袋貼着部位71aと袋封止部位71bとの接合部(テープ基材71a1とテープ基材71b1との接合部)、81cは袋封止部位71b又はテープ基材71b1の開放端部(自由端部)である。図5(a)で示される開閉用テープ71では、袋貼着部位71aと袋封止部位71bとは接合部81bで接合されており、一方、テープ基材71a1とテープ基材71b1とは、別々の部材(テープ基材)であり、2枚のテープ基材が、接合部81bで、接着剤層71cにより接合されている。
また、図5(b)において、72は開閉用テープ、72aは開閉用テープ72における袋貼着部位、72a1は袋貼着部位72aにおけるテープ基材、72a2は袋貼着部位72aにおける粘着剤層、72a3は袋貼着部位72aにおける離型処理剤層、72bは開閉用テープ72における袋封止部位、72b1は袋封止部位72bにおけるテープ基材、72b2は袋封止部位72bにおける粘着剤層、72b3は袋封止部位72bにおける離型処理剤層、82aは袋貼着部位72a又はテープ基材72a1の開放端部(自由端部)、72cは袋貼着部位72aと袋封止部位72bとを接合する接着剤層(テープ基材72a1とテープ基材72b1とを接合する接着剤層)、82bは袋貼着部位72aと袋封止部位72bとの接合部(テープ基材72a1とテープ基材72b1との接合部)、82cは袋封止部位72b又はテープ基材72b1の開放端部(自由端部)である。図5(b)で示される開閉用テープ72では、袋貼着部位72aと袋封止部位72bとは接合部82bで接合されており、一方、テープ基材72a1とテープ基材72b1とは、別々の部材(テープ基材)であり、2枚のテープ基材が、接合部82b以外の部位で、接着剤層72cにより接合されている。
本発明の開閉用テープとしては、袋封止部位における袋貼着部位側の面において、袋貼着部位と接合している接合部側の部位には、粘着剤層が形成されておらず、この粘着剤層が形成されていない部位の幅(接合部から自由端部側の方向の長さ)としては、特に制限されない。本発明では、袋封止部位における袋貼着部位側の面において、少なくとも、袋貼着部位と接合している接合部から1mmの範囲内の部位(好ましくは、少なくとも、袋貼着部位と接合している接合部から3mmの範囲内の部位、さらに好ましくは、少なくとも、袋貼着部位と接合している接合部から5mmの範囲内の部位)で、粘着剤層が形成されていないことが望ましい。すなわち、袋封止部位の粘着剤層は、袋封止部位と袋貼着部位との接合部より1mm以上離れた部位(好ましくは3mm以上離れた部位、さらに好ましくは5mm以上離れた部位)から、自由端部側に形成されていることが望ましい。
このように、本発明の開閉用テープは、袋貼着部位と袋封止部位とによる特定の構成を有しているので、開口袋を開閉可能な形態で容易に封止させることができる。具体的には、開口袋の開口部を折り曲げて折り畳んだ際に、折り畳まれた際の端部(例えば、開口部の端部)又は該端部側の部位を、開閉用テープにおける袋貼着部位と袋封止部位との間に位置させることができるように、袋の外面に開閉用テープを貼着することにより、開口袋の開口部を折り畳んだ際の端部又は該端部側の部位を、袋貼着部位と袋封止部位との間に位置するように折り畳み、この折り畳まれた端部又は該端部側の部位に、開閉用テープの袋封止部位を貼付することにより、開口袋を開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させることができる。
この際、開閉用テープの袋封止部位を貼付する開口袋の部位の表面が、粘着剤層に対する剥離面としての機能を有していると、繰り返し開閉可能な形態で、袋を容易に封止することができる。そのため、本発明では、下記に示されるように、開口袋における開口部を折り畳んだ際の端部又は該端部側の部位が、袋封止部位の粘着剤層に対する剥離面となっていることが好ましい。なお、開口袋における開口部を折り畳んだ際の端部又は該端部側の部位が剥離面となっている開口袋としては、例えば、(i)剥離面としての機能を発揮する材料により開口袋の外面が形成されている形態の開口袋、(ii)前記開封用テープを貼着した閉鎖系袋を、テープ基材の背面(テープ基材の粘着剤層が形成されていない面)が剥離面となっている開封用テープにおけるテープ基材に形成された凹部に沿って切断した際の開封袋、(iii)テープ基材の背面(テープ基材の粘着剤層が形成されていない面)が剥離面となっている粘着物を外面の所定の部位に貼着させた開口袋などが挙げられる。
本発明の開閉用テープとしては、袋封止部位と袋貼着部位との接合部から、袋封止部位又は袋貼着部位の自由端部までの長さ(分離方向の長さ)や、袋封止部位と袋貼着部位との接合部と平行な方向の長さ(幅方向の長さ)としては、特に制限されず、袋封止部位を片手で容易に袋貼着部位から剥離させるときの取り扱い性や、袋の大きさ等を考慮して最適な長さとすることができる。
なお、袋封止部位の端部には、図4で示されるように、摘み部が形成されていることが好ましい。摘み部が形成されていると、摘み部を利用して、袋封止部位を容易に剥離させたり、貼着させたりすることができる。
なお、図4、図5(a)や(b)などでは、層構成が明確になるように図示しているため、テープ基材が折り畳まれた部位には、厚み方向に幅があり、該幅の上下部の2カ所で折られている形態で表現しているが、実際は、折り畳む際の方法に応じて、U字型に折られた形態、V字型に折られた形態などの各種形態で折られた形態となっている。
(袋貼着部位)
開閉用テープにおける袋貼着部位は、前述のように、テープ基材(「袋貼着用基材」と称する場合がある)の一方の面に粘着剤層(袋貼着用粘着剤層)が形成されているとともに、他方の面が剥離面となっている構成を有している。袋貼着用基材としては、例えば、紙などの紙系基材;織布、不織布、フェルト、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。袋貼着用基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックのフィルムやシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリアミド(ナイロン)、芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメタクリレート系樹脂;アクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリビニルアルコール;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリカーボネート;ウレタン系樹脂:エポキシ系樹脂;フッ素系樹脂などの各種樹脂が挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
プラスチック製基材としては、柔軟性やコスト等の観点から、ポリオレフィン系樹脂(なかでもポリエチレンやポリプロピレン、特にポリプロピレン)により形成されているプラスチック製基材が好適である。
なお、袋貼着用基材は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。また、袋貼着用基材の表面には、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
袋貼着用基材の厚みとしては、特に制限されないが、通常、5〜1000μm(好ましくは10〜500μm)である。
また、袋貼着用粘着剤層は粘着剤により形成されており、該粘着剤(「袋貼着用粘着剤」と称する場合がある)としては、特に制限されず、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。袋貼着用粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
袋貼着用粘着剤としては、エマルジョン系粘着剤や溶剤系粘着剤である場合、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの粘着剤であって、それぞれの形態(例えば、エマルジョンの形態、溶液の形態など)の粘着剤が挙げられる。
また、袋貼着用粘着剤としては、ホットメルト型粘着剤である場合、スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系ブロックコポリマー)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーや、ポリオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂をベースポリマーとするホットメルト型粘着剤などが挙げられる。なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーやポリオレフィン系樹脂としては、開封用テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤の項で例示されたスチレン系熱可塑性エラストマーやポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
なお、袋貼着用粘着剤には、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分の他に、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、界面活性剤などの適宜な添加剤が含まれていてもよい。
袋貼着用粘着剤層の形成方法としては、前記開封用テープにおける粘着剤層の形成方法と同様の形成方法を採用することができる。
袋貼着用粘着剤層の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度の範囲から選択することができる。なお、袋貼着用粘着剤層は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。
さらにまた、袋貼着部位における剥離面は、開封用テープにおける剥離面と同様に、離型処理剤層表面による剥離面であってもよく、袋貼着用基材表面であってもよい。なお、剥離面が離型処理剤層表面となっている場合、開封用テープの場合と同様に、公知の離型処理剤(例えば、シリコーン系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤、フッ素系離型処理剤など)を袋貼着用基材上に塗布して、離型処理剤層を形成することにより、離型処理剤層表面を剥離面とすることができる。離型処理剤層の厚さとしては、特に制限されず、任意に設定することができる。また、離型処理剤層は単層の形態を有していてよく、積層の形態を有していてもよい。
一方、剥離面が袋貼着用基材表面となっている場合、開封用テープの場合と同様に、低接着性基材(例えば、フッ素系ポリマーやオレフィン系ポリマーなど)を用いることにより、袋貼着用基材表面を剥離面とすることができる。
(袋封止部位)
開閉用テープにおける袋封止部位は、前述のように、テープ基材(「袋封止用基材」と称する場合がある)の一方の面に部分的に粘着剤層(袋封止用粘着剤層)が形成されているとともに、他方の面が剥離面となっている構成を有している。袋封止用基材としては、前記袋貼着用基材と同様の薄葉体を用いることができ、袋貼着用基材と同様に、プラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック製基材としては、前記袋貼着用基材と同様のプラスチック製基材が挙げられる。
なお、袋封止用基材は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。また、袋封止用基材の表面には、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
袋封止用基材の厚みとしては、特に制限されないが、通常、5〜1000μm(好ましくは10〜500μm)である。
もちろん、図4(a)、図5(a)や図5(b)で示されるように、袋封止用基材が、袋貼着用基材と連続的に形成されている場合(すなわち、1枚の連続的に形成された基材を折り畳むことにより、袋封止用基材と、袋貼着用基材とが形成されている場合)、袋封止用基材と袋貼着用基材とは、同一の基材である。
また、袋封止用粘着剤層としては、前記袋貼着用粘着剤層と同様の粘着剤により形成することができる。
袋封止用粘着剤層の形成方法としては、前記開封用テープにおける粘着剤層や袋貼着用粘着剤層の形成方法と同様の形成方法を採用することができる。
袋封止用粘着剤層の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度の範囲から選択することができる。なお、袋封止用粘着剤層は、単層、積層のいずれの形態を有していてもよい。
袋封止部位において、袋封止用基材の粘着剤層が形成されていない面(袋封止用基材背面)は、剥離面になっている。袋封止部位における袋封止用基材背面が剥離面になっているので、開閉用テープは、ロール状に巻回した形態や、積層した形態で作製することができる。
袋封止部位における剥離面は、開封用テープにおける剥離面や袋貼着部位における剥離面と同様に、離型処理剤層表面による剥離面であってもよく、袋封止用基材表面であってもよい。なお、剥離面が離型処理剤層表面となっている場合、開封用テープや袋貼着部位の場合と同様に、公知の離型処理剤(例えば、シリコーン系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤、フッ素系離型処理剤など)を袋封止用基材上に塗布して、離型処理剤層を形成することにより、離型処理剤層表面を剥離面とすることができる。離型処理剤層の厚さとしては、特に制限されず、任意に設定することができる。また、離型処理剤層は単層の形態を有していてよく、積層の形態を有していてもよい。
一方、剥離面が袋封止用基材表面となっている場合、開封用テープや袋貼着部位の場合と同様に、低接着性基材(例えば、フッ素系ポリマーやオレフィン系ポリマーなど)を用いることにより、袋封止用基材表面を剥離面とすることができる。
なお、本発明の開閉用テープにおいて、図6で示されるように、袋封止部位は、袋貼着部位と同じ形状又は大きさを有していてもよく、異なる形状又は大きさを有していてもよい。図6は、本発明の開閉用テープの例を示す概略断面図である。図6(a)において、91は開閉用テープ、91aは袋貼着部位、91a1はテープ基材、91a2は粘着剤層、91a3は離型処理層、91bは袋封止部位、91b1はテープ基材、91b2は粘着剤層、91b3は離型処理層、91b4は摘み部用印刷層、91cは開放端部、91dは接合部、91eは開放端部、91fは摘み部である。図6(a)で示される開閉用テープ91は、摘み部91fを有する袋封止部位91bの開放端部91eが、袋に貼着される袋貼着部位91aの開放端部91cよりも外側に突出しており、摘み部91fを有する袋封止部位91bは、袋に貼着される袋貼着部位91aよりも大きい構成となっている。
図6(b)において、92は開閉用テープ、92aは袋貼着部位、92a1はテープ基材、92a2は粘着剤層、92a3は離型処理層、92bは袋封止部位、92b1はテープ基材、92b2は粘着剤層、92b3は離型処理層、92b4は摘み部用印刷層、92cは開放端部、92dは接合部、92eは開放端部、92fは摘み部である。図6(b)で示される開閉用テープ92は、摘み部92fを有する袋封止部位92bの開放端部92eと、袋に貼着される袋貼着部位92aの開放端部92cとが一致しており、摘み部92fを有する袋封止部位92bと、袋に貼着される袋貼着部位92aとは同じ大きさの構成となっている。
図6(c)において、93は開閉用テープ、93aは袋貼着部位、93a1はテープ基材、93a2は粘着剤層、93a3は離型処理層、93bは袋封止部位、93b1はテープ基材、93b2は粘着剤層、93b3は離型処理層、93b4は摘み部用印刷層、93cは開放端部、93dは接合部、93eは開放端部、93fは摘み部である。図6(c)で示される開閉用テープ93は、袋に貼着される袋貼着部位93aの開放端部93cが、摘み部93fを有する袋封止部位93bの開放端部93eよりも外側に突出しており、摘み部93fを有する袋封止部位93bは、袋に貼着される袋貼着部位93aよりも小さい構成となっている。
(開閉用テープの製造方法)
開閉用テープの製造方法としては、前記構成の開閉用テープを製造することができる方法であれば特に制限されない。例えば、開閉用テープが、図4(a)で示されるように、テープ基材の一方の面に粘着剤層が形成され且つ他方の面に離型処理剤層が形成された構成を有する袋貼着部位の離型処理剤層上に、テープ基材の一方の面に粘着剤層が形成され且つ他方の面に離型処理剤層が形成された構成を有する袋封止部位の粘着剤層が重ね合わせられた積層構造を有しており、さらに、袋貼着部位におけるテープ基材と袋封止部位におけるテープ基材とが、一枚の連続的に形成されているテープ基材が折り畳まれることにより形成された構造を有している場合、(i)テープ基材として、袋貼着部位におけるテープ基材と袋封止部位におけるテープ基材との合計の長さを有するテープ基材を用い、該テープ基材の所定の面における所定の部位に、袋貼着部位における粘着剤層、袋貼着部位における離型処理剤層、袋封止部位における粘着剤層、および袋封止部位における離型処理剤層を形成した後、袋貼着部位における離型処理剤層上に、袋封止部位における粘着剤層が重ね合わせられ、且つ所定の部位で折り曲がるように、テープ基材を折り曲げて折り畳むことにより開閉用テープを製造する方法や、(ii)テープ基材として、袋貼着部位におけるテープ基材と袋封止部位におけるテープ基材との合計の長さを有するテープ基材を用い、該テープ基材の所定の面における所定の部位に、袋貼着部位における離型処理剤層、および袋封止部位における粘着剤層を形成した後、袋貼着部位における離型処理剤層上に、袋封止部位における粘着剤層が重ね合わせられ、且つ所定の部位で折り曲がるように、テープ基材を折り曲げて折り畳み、さらに、この折り畳まれたテープ基材の所定の面における所定の部位上に、袋貼着部位における粘着剤層、および袋封止部位における離型処理剤層を形成することにより開閉用テープを製造する方法などが挙げられる。なお、摘み部を有している場合、適宜な段階で、摘み部用印刷層を形成することができる。
なお、本発明の開閉用テープは、袋貼着部位と袋封止部位とが積層された状態の開閉用テープが連続的に形成されている長尺状の連続体を、袋貼着部位における粘着剤層と、袋封止部位における離型処理剤層とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回し、使用時に巻き戻して適宜な幅に切断する形態で提供することもできる。
[袋]
本発明の袋には、外面に、開封用テープ及び/又は開閉用テープが貼着されている。すなわち、本発明の袋は、(1)開封用テープが貼着された袋であって、所定の開口部形状で開封させることが可能な袋(「開封用テープ貼着袋」と称する場合がある)、(2)開閉用テープが貼着された袋であって、開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させることが可能な袋(「開閉用テープ貼着袋」と称する場合がある)、(3)開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋であって、袋を開封させる際には所定の開口部形状で開封させることが可能であり、且つ開封後には、開封された袋の開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させることが可能な袋(「開封・開閉用テープ貼着袋」と称する場合がある)である。
(開封用テープ貼着袋)
開封用テープ貼着袋は、所定の開口部形状で開封させるための開封用テープが貼着されているので、開封用テープを貼着する袋としては、開口部を有していない閉鎖系の袋(閉鎖系袋)である。開封用テープとしては、もちろん、前記開封用テープを用いることができる。
開封用テープを貼着させる袋の外面(表面)の部位(位置)としては、袋の開封しようとする部位(開封予定部位)で、袋を開封させることができるような部位であれば特に制限されない。本発明では、袋の開封予定部位上に開封用テープの凹部が位置する袋の外面部位に、開封用テープを貼着させることが重要である。このように、開封用テープの凹部が、袋の開封予定部位上に位置するように、開封用テープを袋の外面に貼着させることにより、袋を開封させる際には、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部に沿って、袋を切断させて開封させることができ、その結果、袋を所定の開口部形状で開封させることができる。
このように、袋を開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部に沿って開封させた際の開口部形状は、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部の形状に対応している(すなわち、凹部の形状により調整される)ので、開封用テープとしては、テープ基材に予め形成された凹部の形状が、袋の目的とする開口部形状(所定の開口部形状)に対応した形状となっている開封用テープを用いることが重要である。
具体的には、開封用テープは、図7で示されるように、袋の外面に貼着させることができる。図7は、開封用テープが貼着された袋の一例を示す概略平面図である。図7において、10は4方袋、10aは4方袋10における周囲の封止端部、10a1は一方の短辺の封止端部、10a2は他方の短辺の封止端部、10a3は一方の長辺の封止端部、10a4は他方の長辺の封止端部、11は開封用テープ、11aは開封用テープ11におけるテープ基材に形成された凹部である。図7で示される4方袋10は、2枚のシート状基材の内面同士を、4辺の端部付近で熱融着等により接着させて、封止端部10a(10a1,10a2,10a3,10a4)を形成することにより作製された閉鎖系の袋(閉鎖系袋)であり、この4方袋10における短辺の封止端部10a1側の部位に、両面に、開封用テープ11が、幅方向(横方向)の全面に貼着されている。すなわち、開封用テープ11は、4方袋10における封止端部10a1よりも内側の部位に、該封止端部10a1側の端部と平行な方向に、全面的に(封止端部10a3から封止端部10a4にかけて)貼着されている。なお、図7では、4方袋10の一方の面(表面)側のみしか図示されていないため、他方の面(裏面)側に貼着されている開封用テープが図示されていないが、4方袋の封止端部10a1側の部位に、両面に、表裏対称となるように、開封用テープが貼着されている。
また、開封用テープ11は、凹部11aが長手方向に且つ中央部に片面側のみに直線状に形成されたテープ基材と、前記テープ基材の平面側の面に形成された粘着剤層と、前記テープ基材の凹部を有する面側に形成された離型処理剤層とにより構成されている。なお、開封用テープ11は、4方袋10の開封させたい部位の表裏の外面に、開封用テープ11におけるテープ基材に形成された凹部11aが位置するように、開封用テープ11の粘着剤層を利用して、4方袋10に貼着されている。従って、開封用テープ11は、テープ基材に形成された凹部11a側の面、すなわち、離型処理剤層による剥離面が外面側に位置した形態で4方袋に貼着されている。
この4方袋10は、開封用テープ11におけるテープ基材に形成された凹部11aに沿って、開封用テープ11を上部と下部とに分断するような形態で、4方袋10および開封用テープ11の全体を切断することにより、開封することができる。このように、袋を開封させる際には、開封用テープにおけるテープ基材に形成された凹部を利用しているので、容易に、且つ所定の開口部形状で、袋を手で切断して開封させることができる。
また、図8に、開封用テープを貼着した袋の他の例を示す。図8は、開封用テープが貼着された袋の他の例を示す概略平面図である。図8(a)において、12aは4方袋、12a1は4方袋12aにおける封止端部、13aは開封用テープ、13a1は開封用テープ13aにおけるテープ基材に形成された凹部である。また、図8(b)において、12bは4方袋、12b1は4方袋12bにおける封止端部、13bは開封用テープ、13b1は開封用テープ13bにおけるテープ基材に形成された凹部である。4方袋(12a,12b)は、それぞれ、図7で示される4方袋10と同様に、2枚のシート状基材の内面同士を、4辺の端部付近で熱融着等により接着させた封止端部(12a1,12b1)を有しており、短辺の封止端部側の部位に、片面に、開封用テープ(13a,13b)が、幅方向の全面に貼着されている。また、開封用テープ(13a,13b)は、テープ基材の長手方向に片面側のみに曲線状に凹部(13a1,13b1)が形成された構成を有している。
なお、袋が4方袋の場合、長辺の封止端部側は、開封する辺の長さが長いため、通常、良好な美観性で開封することが難しいが、本発明の開封用テープを利用すると、開封する予定の端部の長さに関係なく、袋を所定の部位で且つ所定の開口部形状で開封させることができるので、図9で示されるように、袋が4方袋における長辺の封止端部側の部位に開封用テープを貼着しても、良好な美観性で、所定の開口部形状で開封することができる。このように、開封用テープを袋に貼着する部位としては、特に制限されない。
図9は、開封用テープが貼着された袋の他の例を示す概略平面図である。図9において、14は4方袋、14aは4方袋14における周囲の封止端部、14a1は一方の短辺の封止端部、14a2は他方の短辺の封止端部、14a3は一方の長辺の封止端部、14a4は他方の長辺の封止端部、15は開封用テープ、15aは開封用テープ15におけるテープ基材に形成された凹部である。図9で示される4方袋14は、2枚のシート状基材の内面同士を、4辺の端部付近で熱融着等により接着させて封止端部14a(14a1,14a2,14a3,14a4)を形成することにより作製された閉鎖系袋であり、この4方袋14における長辺の封止端部14a3よりも内側の部位に、片面に、開封用テープ15が、該封止端部14a3側の端部と平行な方向に、全面的に(封止端部14a1から封止端部14a2にかけて)貼着されている。
本発明では、開封用テープは、図10(a)で示されるように、袋の片面のみに貼着されていてもよく、図10(b)で示されるように、袋の両面に貼着されていてもよい。図10は、開封用テープが貼着された袋の例を示す概略断面図である。図10(a)において、15aは4方袋、15a1は4方袋15aにおける封止端部、16aは開封用テープ、16a1は開封用テープ16aにおけるテープ基材、16a2は開封用テープ16aにおける粘着剤層、16a3はテープ基材16a1に形成された凹部、16a4は開封用テープ16aにおける離型処理層である。また、図10(b)において、15bは4方袋、15b1は4方袋15bにおける封止端部、16bは開封用テープ、16b1は開封用テープ16bにおけるテープ基材、16b2は開封用テープ16bにおける粘着剤層、16b3はテープ基材16b1に形成された凹部、16b4は開封用テープ16bにおける離型処理層、16cは開封用テープ、16c1は開封用テープ16cにおけるテープ基材、16c2は開封用テープ16cにおける粘着剤層、16c3はテープ基材16c1に形成された凹部、16c4は開封用テープ16cにおける離型処理層である。図10(a)では、4方袋15aの片面に開封用テープ16aが貼着されている。一方、図10(b)では、4方袋15bのそれぞれの面に(両面に)、開封用テープ16b、開封用テープ16cが、表裏対象な形態で貼着されている。
なお、図10(a)などで示されるように、各種袋(4方袋など)の一方の面(片面)に、開封用テープを貼着させる場合、図11で示されるように、開封用テープが貼着されていない側の面には、押切加工が施されていることが好ましい。図11は、一方の面に開封用テープが貼着され、且つ他方の面に押切加工が施された袋の例を示す概略図であり、図11(a)は、4方袋の断面図、図11(b)は、4方袋の一方の面側(開封用テープが貼着されている面側)の平面図、図11(c)は他方の面側(押切加工部が形成されている面側)の平面図である。図11において、17は4方袋、17aは封止端部、17a1は上部の封止端部、17a2は下部の封止端部、17a3は左部の封止端部、17a4は右部の封止端部、18は開封用テープ、18aは開封用テープ18におけるテープ基材、18a1はテープ基材18aに形成された凹部、18bは開封用テープ18における粘着剤層、19は押切加工部である。図11で示される4方袋17では、一方の面に、開封用テープ18が貼付されており、他方の面に、押切加工部19が形成されている。より具体的には、開封用テープ18は、幅方向の中央部に、長手方向に向かって直線状に凹部18a1を有しており、4方袋17における封止端部17aのうち上部の封止端部17a1側の部位に、長手方向が上部の封止端部17a1側の端部と平行な方向となり、且つ左右の封止端部(17a3,17a4)側の端部間に全面的に貼付されている。一方、押切加工部19は、4方袋17における封止端部17aのうち上部の封止端部17a1側の部位に、該上部の封止端部17a1側の端部と平行な方向に直線状に、左右の封止端部(17a3,17a4)側の端部間に全面的に形成されており、且つ他方の面に貼着された開封用テープ18におけるテープ基材18aに形成されている凹部18a1の位置に対応した位置に、形成されている。従って、開封用テープ18におけるテープ基材18aに形成されている凹部18a1と、押切加工部19とは、表裏において対象となるような対応した位置関係を有している。そのため、開封用テープ18におけるテープ基材18aに予め形成された凹部18a1に沿って、4方袋17を手で切断させて開封させると、凹部18a1と、該凹部18a1の位置に対応する他方の面側の位置に形成された押切加工部19とに沿って、4方袋17を開封させることができる。
本発明において、袋に形成される押切加工部としては、例えば、袋を構成している表面基材に、押切加工部を形成するための公知乃至慣用の加工(例えば、ハーフカット加工、切れ目加工やエンボス加工など)を行うことにより、形成することができる。
なお、袋の一方の面のみに、開封用テープが貼着されているだけでは、手で切断した際に、前記開封用テープに関する凹部に沿った所定の形状で、他方の面も切断することができず、予期しない方向に切断されてしまう場合があるが、押切加工部を、開封用テープにおけるテープ基材に形成されている凹部の位置に対応した位置に設けることにより、両面とも、開封用テープに関する凹部に沿った所定の形状で切断することができる。従って、袋の一方の面のみに、開封用テープが貼着されている場合、他方の面には、開封用テープにおけるテープ基材に形成されている凹部の位置に対応した位置に、押切加工部が設けられていることが好ましい。
また、袋の両側の表面に開封用テープを貼着させる際には、図12で示されるように、袋の両側の表面で、表裏対称となるような形態で貼着されていてもよく、図13で示されるように、表裏非対称となるような形態で貼着されていてもよい。図12、図13は、それぞれ、開封用テープが貼着された4方袋の例を示す概略図である。図12において、20は4方袋、20aは4方袋20の一方の面(表面)、20bは4方袋20の他方の面(裏面)、21aは開封用テープ、21a1は開封用テープ21aにおけるテープ基材に形成された凹部、21bは開封用テープ、21b1は開封用テープ21bにおけるテープ基材に形成された凹部、22は4方袋20を開封させた後の開封された袋(開封袋)、22aは開封袋22の開口部である。図12では、直線状の凹部(21a1,21b1)がそれぞれ形成されたテープ基材を有する開封用テープ(21a,21b)が、4方袋20のそれぞれ面(表面、裏面)に、凹部(21a1,21b1)の位置が表裏対称となるような形態で貼着されており、また、この表裏対称となる形態で配置された直線状の凹部(21a1,21b1)に沿って、表裏対称となる形態で開封されている。
一方、図13において、23は4方袋、23aは4方袋23の一方の面(表面)、23bは4方袋23の他方の面(裏面)、24aは開封用テープ、24a1は開封用テープ24aにおけるテープ基材に形成された凹部、24bは開封用テープ、24b1は開封用テープ24bにおけるテープ基材に形成された凹部、25は4方袋23を開封させた後の開封された袋(開封袋)、25aは開封袋25の開口部である。図13では、曲線状の凹部(24a1,24b1)がそれぞれ形成されたテープ基材を有する開封用テープ(24a,24b)が、4方袋23のそれぞれ面(表面、裏面)に、凹部(24a1,24b1)の位置が表裏非対称となるような形態で貼着されており、また、この表裏非対称となる形態で配置された曲線状の凹部(24a1,24b1)に沿って、表裏非対称となる形態で開封されている。
なお、図13で示されるように、4方袋等の袋の両面に、テープ基材に形成された凹部が表裏非対称となる形態で開封用テープが貼着されていると、表裏の開口部でズレがあるため、手で切断して開封させた後に開口部を開く際に、一方の面の開口部を手で容易に持ちやすくなっているので、開口部を容易に開けることができる。
従って、袋の両面に、開封用テープを貼着させる場合や、袋の一方の面に開封用テープを貼着させ且つ他方の面に押切加工部を形成する場合などでは、一方の面の開口部を手で容易に持つことができるように、開口部形状が、表裏で少なくとも部分的に非対称となっていてもよい。なお、所定の形状の凹部を有している開封用テープを組み合わせたり、所定の形状の凹部を有している開封用テープと所定の形状の押切加工部とを組み合わせたりすることにより、開封した際の開口部形状を、表裏で少なくとも部分的に非対称とすることができる。
本発明では、開封用テープが貼着された袋には、袋を開封させる際の切断きっかけ用切れ目が形成されていることが好ましい。このような切断きっかけ用切れ目としては、袋における開封用テープが貼着された部位の少なくとも一方の端部(いずれかの片側の端部または両側の端部)に形成することができ、特に、図14で示されるように、開封用テープにおけるテープ基材に形成された凹部が含まれるような形態で、袋の端部に形成することが好ましい。図14は、開封用テープが貼着され且つ切断きっかけ用切れ目が形成された袋の例を示す概略平面図である。図14において、26は4方袋、26aは封止端部、27は開封用テープ、27aは開封用テープ27におけるテープ基材に形成された凹部、28は切断きっかけ用切れ目である。
なお、開封用テープとしては、図7〜9や、11〜14などでは、袋の一方の面または両面に、いずれかの封止端部側の部位に、該封止端部側の端部と平行な方向に、全面的に貼着されているが、袋を開封することができるような部位であれば、貼着する袋の外面上の部位は特に制限されない。開封用テープとしては、例えば、図15で示されるように、袋のコーナー部で開封することができるように、袋のコーナー部に、上部の端部から、側部の端部にかけて斜め方向に貼着されていてもよい。図15は、開封用テープが貼着された袋の例を示す概略平面図である。図15(a)において、29aは4方袋、29a1は封止端部、30aは開封用テープ、30a1は開封用テープ30aにおけるテープ基材に形成された凹部である。また、図15(b)において、29bは4方袋、29b1は封止端部、30bは開封用テープ、30b1は開封用テープ30bにおけるテープ基材に形成された凹部である。
このように、本発明では、袋の外面(表面)における端部から端部にかけての部位(例えば、幅方向の端部から端部にかけての部位や、斜め方向の端部から端部にかけての部位など)に、開封用テープを好適に貼着させることができる。従って、袋としては、開封用テープが、幅方向に対向している又は対向していない端部から端部にかけて切断することが可能なように貼着されていることが好ましい。すなわち、袋を開封した際には、袋が、袋本体部としての開口部を有している開封袋と、袋本体部(開封袋)から分離された切断分離部とに分割されるように、開封用テープを袋の外面に貼着することができる。
なお、袋の外面(表面)における端部から端部にかけての部位ではなく、袋の外面における端部から内部の何れかの部位にかけて開封用テープが貼着されていてもよい。この場合、袋を開封した際には、開封袋の開口部は、端部から端部にかけて開口されておらず、部分的に開口された状態となっている。
開封用テープが貼着された袋は、(i)袋の開封しようとする部位(開封予定部位)に、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部が位置するようにして、開封用テープを貼着させる方法、(ii)袋を形成するための部材(又は袋部材)(例えば、閉鎖系袋の場合は、閉鎖して(封鎖して)閉鎖系袋を製造する際の閉鎖する前の部材)において、袋を形成した際に開封しようとする部位に相当する部位に、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部が位置するようにして、開封用テープを貼着させた後、袋を形成させる方法などの各種の方法により製造することができる。
(開閉用テープ貼着袋)
開閉用テープ貼着袋は、開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させるための開閉用テープが貼着されているので、開閉用テープを貼着する袋としては、閉鎖系袋、開口袋のいずれであってもよい。開閉用テープとしては、もちろん、前記開閉用テープを用いることができる。
開閉用テープを貼着させる袋の外面(表面)の部位(位置)としては、袋を開封させた後の開封された袋(開封袋)や、予め開口部を有している開口袋などの各種の袋を、開閉可能な形態で封止させることができるような部位であれば特に制限されない。本発明では、開封袋等の開口袋における開口部を折り曲げて折り畳んだ際に、開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を、開閉用テープにおける袋貼着部位と袋封止部位との間に位置させることができる開口袋の外面の部位に、開閉用テープを貼着させることが重要である。このように、開閉用テープの袋貼着部位と袋封止部位との間に、開口袋の開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を位置させることができるように、開閉用テープを袋の外面に貼着させることにより、袋の開口部を折り畳んで封止させる際には、袋の開口部を折り畳んだ際の端部又は端部側の部位が開閉用テープにおける袋貼着部位と袋封止部位との間に位置するように折り畳んで、開口部が折り畳まれた際の端部又は端部側の部位に、開閉用テープの袋封止部位を貼付することができ、その結果、閉鎖系袋を開封させた後の開封袋等の開口袋を、開口部を折り畳んだ状態で保持させることが可能となり、開口袋を開閉可能な形態で封止させることができる。
この際、開閉用テープにおける袋貼着部位と袋封止部位とには、接合部側で接着されていない非接着部位が設けられているので、開口袋の開口部を折り曲げる前に、予め、開閉用テープにおける袋封止部位を袋貼着部位から剥離させても、この剥離された状態が保持されているので、開口袋の開口部を折り曲げて折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を、容易に、袋封止部位と袋貼着部位との間に位置させることができ、そのため、開口袋を容易に封止させることができる。
具体的には、開閉用テープは、図16で示されるように、袋の外面に貼着させることができる。図16は、開閉用テープが貼着された袋の一例を示す概略平面図である。図16(a)および(b)において、31a、31bは、それぞれ、開口袋、31a1、31b1は、それぞれ、開口袋(31a,31b)における開口部、31a2、31b2は、それぞれ、開口袋(31a,31b)における封止端部、32a、32bは、それぞれ、開閉用テープである。図16で示される開口袋(31a,31b)は、図7などで示される4方袋(すなわち、2枚のシート状基材の内面同士を、4辺の端部付近で熱融着等により接着させて封止端部を形成することにより作製された4方袋)から、いずれかの封止端部側の部位を、切断させて開封した形態の開口袋である。
図16(a)では、開閉用テープ32aが、開口袋31aにおける一方の外面(表面)上に、幅方向の一部分(中央部付近)に貼着されている。一方、図16(b)では、開閉用テープ32bが、開口袋31bにおける一方の外面(表面)上に、幅方向の全面にわたって貼着されている。
この開閉用テープ(32a,32b)は、図4で示される開閉用テープ4と同様の開閉用テープである。すなわち、開閉用テープ(32a,32b)は、テープ基材の一方の面に粘着剤層(袋貼着用粘着剤層)が形成され且つ他方の面が剥離面となっている構成を有する袋貼着部位と、テープ基材の一方の面に部分的に粘着剤層(袋封止用粘着剤層)が形成され且つ他方の面が剥離面となっている構成を有する袋封止部位とを有しており、且つ袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、一方の端部側で接合され、且つこの接合部側で、袋封止用粘着剤層が形成されていない構成を有している。なお、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とは、一枚の連続的に形成されているテープ基材が折り曲げられて折り畳まれることにより形成された構造を有している。
開閉用テープ(32a,32b)の袋貼着部位は、袋の外面に貼着するために用いられる部位であり、図16(a)や図16(b)では、袋貼着部位の粘着剤層を利用して、開閉用テープ(32a,32b)が、開口袋(31a、31b)の外面に貼着されている。また、袋封止部位は前記袋貼着部位の剥離処理層上に貼着されている。
このように、開口袋(31a,31b)には、開閉用テープ(32a,32b)が貼着されているので、開口袋(31a,31b)を封止させる際には、開口部(31a1,31b1)を開閉用テープ(32a,32b)が貼着されている側に、折り畳んだ際の端部(先端部)又は端部側の部位が、開閉用テープ(32a,32b)における袋貼着部位と袋封止部位との間に位置するように折り曲げて折り畳み、この折り畳まれた際の端部又は端部側の部位に、開閉用テープ(32a,32b)の袋封止部位を貼付することにより、開口袋(31a,31b)を開口部(31a1,31b1)を折り畳んだ状態で保持させて封止させることができる。
この際、開閉用テープにおける袋封止部位は、開口袋の開口部を折り曲げて折り畳む前に、予め、袋貼着部位から剥離させていてもよく、開口袋の開口部を折り曲げて折り畳んだ後に、折り畳んだ際の端部又は端部側の部位を、袋封止部位と袋貼着部位との間に位置させる際に、袋貼着部位から剥離させてもよい。なお、前述のように、開閉用テープにおける袋貼着部位と袋封止部位とには、図4などで示されるように、接合部側で接着されていない非接着部位が設けられているので、開口袋の開口部を折り曲げて折り畳む前に、予め、開閉用テープにおける袋封止部位を袋貼着部位から剥離させても、袋封止部位は袋貼着部位に自重により接着することがなく、剥離された状態が保持されている。
具体的には、図17で示されるようにして、開口袋を開閉用テープにより封止させることができる。図17は、図16(a)で示される開口袋を開閉用テープにより封止させている状態の例を示す概略断面図であり、図17(a)は平面図、図17(b)は断面図である。図17(a)および図17(b)において、31a3は、開口部31a1を開閉用テープ32a側の面に折り曲げて折り畳んだ際の折り曲げ部、32a1は袋貼着部位、32a1aはテープ基材、32a1bは粘着剤層(袋貼着用粘着剤層)、32a2は袋封止部位、32a2aはテープ基材、32a2bは粘着剤層(袋封止用粘着剤層)である。他の符号は、前記に同じである。
図17では、開口袋31aを、折り曲げ部31a3で折り曲げて、開口部31a1の端部が、開閉用テープ32aにおける袋貼着部位32a1と袋封止部位32a2との間に位置するように折り畳み、開口部31a1の端部側の部位に、袋封止部位32a2を貼着させて、開口袋31aを開口部31a1を折り畳んだ状態で保持させて封止させている。従って、折り畳んだ際の端部又は端部側の部位は、開口部の端部又は端部側の部位となっている。
なお、図17では、開口部の端部を袋貼着部位と袋封止部位との間に位置させることができるように、開口部側の部位を1回折り曲げて畳んでいるが、開口部を折り曲げる回数は、2回以上であってもよい。開口部を2回以上折り曲げて折り畳むことにより、開封袋をより一層優れた密閉性で封止させることができる。
なお、袋封止部位を貼付する開口袋の面を剥離面とすることにより、開封袋を容易に開閉することができる形態で封止することができる。
本発明では、開閉用テープは、図16に示されるように、袋の幅方向の全面又は一部分に貼着することができるが、開閉用テープを貼着する部位は、特に制限されず、袋の開口部又は開封予定部位やその形状、開口部側の部位を折り畳む際の折り畳み回数などに応じて適宜設定することができる。
また、図16や図17では、開閉用テープは、袋封止部位が、袋貼着部位から剥離させることができる開放端部側の部位を、袋の開口部側となるような形態で、袋の外面に貼着されている。
開閉用テープが貼着された袋は、(i)袋の外面の所定の部位に、開閉用テープを貼着させる方法、(ii)袋を形成するための部材(又は袋部材)(例えば、閉鎖系袋の場合は、閉鎖して(封鎖して)閉鎖系袋を製造する際の閉鎖する前の部材)において、袋を形成した際に所定の位置となるような部位に、開閉用テープを貼着させた後、袋を形成させる方法などの各種の方法により製造することができる。
(開封・開閉用テープ貼着袋)
開封・開閉用テープ貼着袋は、所定の開口部形状で開封させるための開封用テープと、開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させるための開閉用テープとが貼着されており、袋を所定の開口部形状で開封させることができるとともに、開封後には、開封袋を開閉可能な形態で封止させることができる。開封用テープ及び開閉用テープを貼着する袋としては、閉鎖系袋、開口袋の何れであってもよいが、開封用テープ貼着袋と同様に、閉鎖系袋であることが好ましい。開封用テープや、開閉用テープとしては、もちろん、前記開封用テープや、前記開閉用テープを用いることができる。
開封・開閉用テープ貼着袋は、前記開封用テープ貼着袋および前記開閉用テープ貼着袋を組み合わせたような形態の袋である。すなわち、開封用テープを貼着させる袋の外面の部位としては、前記開封用テープ貼着袋と同様に、袋の開封予定部位で、袋を開封させることができるような部位であればよい。また、開閉用テープを貼着させる袋の外面の部位としては、前記開閉用テープ貼着袋と同様に、袋を開封させた後の開封袋を、開閉可能な形態で封止させることができるような部位であればよい。なお、開封袋の開口部は、開封用テープの凹部に沿って切断して開封した際の開口部とすることができる。
具体的には、開封用テープ及び開閉用テープは、図18で示されるように、袋の外面に貼着させることができる。図18は、開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋の一例を示す概略平面図である。図18(a)、図18(b)において、33は4方袋、33aは4方袋33における周囲の封止端部、33a1は一方の短辺の封止端部、33a2は他方の短辺の封止端部、33a3は一方の長辺の封止端部、33a4は他方の長辺の封止端部、34は開封用テープ、34aは開封用テープ34におけるテープ基材に形成された凹部、35は開閉用テープ、36は開封用テープ、36aは開封用テープ36におけるテープ基材に形成された凹部、37は開閉用テープである。図18(a)および(b)で示される4方袋33は、図7などで示される4方袋と同様に、2枚のシート状基材の内面同士を、4辺の端部付近で熱融着等により接着させて、封止端部33a(33a1,33a2,33a3,33a4)を形成することにより作製された閉鎖系袋である。図18(a)では、開封用テープ34が、4方袋33における短辺の封止端部33a1側の部位に、両面に、表裏で対象となる形態で、幅方向(横方向)の全面に貼着されている。また、図18(b)では、開封用テープ36が、4方袋33における長辺の封止端部33a3側の部位に、両面に、表裏で対象となる形態で、長手方向(縦方向)の全面に貼着されている。
また、開閉用テープ35、開閉用テープ37は、それぞれ、開封用テープ34の凹部34a、開封用テープ36の凹部36aに沿って切断された際の開口部を折り曲げて折り畳んだ際に、前記開口部の端部が、袋貼着部位と袋封止部位との間に位置することができる部位に、貼着されている。このように、開封用テープと開閉用テープとが組み合わせられて用いられている場合、開閉用テープは、開封用テープに対して適切な位置関係となるような部位に貼着することが重要である。
なお、開封用テープ(34,36)は、テープ基材と粘着剤層とを少なくとも有しており、且つ前記テープ基材として、予め形成された凹部を有するテープ基材が用いられている。また、開閉用テープ(35,37)は、テープ基材の一方の面に粘着剤層が形成されているとともに、他方の面が剥離面となっている構成を有し、且つ袋の外面に貼着するための袋貼着部位と、テープ基材の一方の面に粘着剤層が形成された構成を有し、且つ前記袋貼着部位の剥離面に部分的に剥離可能な形態で貼着された袋封止部位とを有する積層構造を有しており、さらに、袋貼着部位を構成するテープ基材と、袋封止部位を構成するテープ基材とが、一方の端部側で接合され、且つこの接合部側で、袋封止用粘着剤層が形成されていない構成を有している。
このように、図18(a)や(b)で示される4方袋33には、開封用テープ(34,36)が貼着されているので、4方袋33を開封用テープ(34,36)の凹部を(34a,36a)利用して手で容易に、所定の開口部形状で切断して開封させることができ、また、この開封後、開封時に切断した開口部の端部(先端部)側の部位が、開閉用テープ(35,37)における袋貼着部位と袋封止部位との間に位置するように折り曲げて折り畳み、この折り畳まれた開口部の端部側の部位に、開閉用テープ(35,37)の袋封止部位を貼着させることにより、開封袋を開口部を折り畳んだ状態で保持させて封止させることができる。
具体的には、図18(a)で示される4方袋33は、開封用テープ34の凹部34aを利用して、凹部34aに沿って(図18(a)におけるX−Y線で)、手で切断して開封させると、開封袋となる袋本体部と、袋本体部から分離される切断分離部とに分割され、例えば、図19で示されるように、袋本体部としての開封袋38が得られる。このように、開封した後、例えば、図20で示されるように、開封袋の開口部38a(すなわち、開封時に切断した開口部)の端部(先端部)側の部位が、開閉用テープ35における袋貼着部位35aと袋封止部位35bとの間に位置するように折り曲げて折り畳み、この折り畳まれた開口部38aの端部側の部位の表面に、開閉用テープ35の袋封止部位35bの粘着剤層35b2を貼着させることにより、開封袋38を開口部38aを折り畳んだ状態で保持させて封止させることができる。なお、切断分離部は通常廃棄される。
図19は、開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋を、開封用テープの凹部を利用して開封させた状態の例を示す概略図であり、図19(a)は平面図、図19(b)は断面図である。また、図20は、開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋を開封させた後に、開閉用テープを利用して封止させた状態の例を示す概略図であり、図20(a)は平面図、図20(b)は断面図である。図19〜20において、35aは開閉用テープ35の袋貼着部位、35a1は袋貼着部位35aにおけるテープ基材、35a2は袋貼着部位35aにおける粘着剤層、35bは開閉用テープ35の袋封止部位、35b1は袋封止部位35bにおけるテープ基材、35b2は袋封止部位35bにおける粘着剤層(袋封止用粘着剤層)、35cは開閉用テープ35の摘み部、38は4方袋33を開封させた開封袋(袋本体部)、38aは開封袋38における開口部、38bは開封袋38の開口部38aを折り曲げた際の折り曲げ部、39は開封用テープ34における開封袋38に貼着している部分(開封用テープ袋本体貼着部)、39aは開封袋38の一方の面に貼着されている開封用テープ袋本体貼着部、39a1は開封用テープ袋本体貼着部39aの凹部、39a2は開封用テープ袋本体貼着部39aのテープ基材、39a3は開封用テープ袋本体貼着部39aの粘着剤層、39a4は開封用テープ袋本体貼着部39aの離型処理層、39bは開封袋38の他方の面に貼着されている開封用テープ袋本体貼着部、39b1は開封用テープ袋本体貼着部39bの凹部、39b2は開封用テープ袋本体貼着部39bのテープ基材、39b3は開封用テープ袋本体貼着部39bの粘着剤層、39b4は開封用テープ袋本体貼着部39bの離型処理層である。なお、他の符号は前記に同じである。
図19では、開封袋38は、4方袋33の両面に、表裏対象な形態で貼着されている開封用テープ34の凹部34aに沿って(X−Y線で)、切断された構成を有しており、袋本体部としての開封袋38の開口部38aの外面には、開封用テープ34における下部側の部位である開封用テープ袋本体貼着部(39a,39b)が、貼着した状態で残存している。従って、開口部38aの表面は、開封用テープ袋本体貼着部(39a,39b)の表面となっているので、離型処理剤層による剥離面となっている。もちろん、開封袋(袋本体部)38には、開閉用テープ35がそのままの形態で貼着している。なお、4方袋33の切断分離部(X−Y線よりも上部側の部位)の外面には、開封用テープ34における上部側(4方袋33における封止端部33a1側)の部位が貼着した状態となっており、これらは廃棄される。
図20では、開封袋38は、折り曲げ部38bで、開口部38aを開閉用テープ35が貼着されている側の面に、該開口部38aの端部が、袋貼着部位35aと袋封止部位35bとの間に位置するように、折り曲げられて折り畳まれた構成を有しており、また、袋封止部位35bの袋封止用粘着剤層35b2が、開封用テープ袋本体貼着部39bの剥離処理層39b4の表面に貼着されている構成を有している。
なお、開封袋38を封止させる際には、袋封止部位35bを袋貼着部位35aから剥離させるが、この際、袋貼着部位35aを構成するテープ基材35a1と、袋封止部位35bを構成するテープ基材35b1とが、一方の端部側で接合され、且つこの接合部側で、袋封止用粘着剤層35b2が形成されていない構成を有しているので、袋封止部位35bを袋貼着部位35aから剥離させても、自重により袋封止部位35bが袋貼着部位35aに貼着せず、剥離された状態が効果的に保持されている。そのため、袋封止部位35bと袋貼着部位35aとの間に、開封袋38の開口部38aの端部を容易に位置させることができ、容易に、開封袋38を開口部38aを折り畳んだ状態で保持させて封止させることができる。
なお、袋封止部位35bを袋貼着部位35aから剥離させる際には、図19や図20で示されるように、袋封止部位35bに摘み部35cが設けられていると、該摘み部35cを手で持つことにより、容易に、袋封止部位35bを袋貼着部位35aから手で剥離させることができる。
特に、開封袋38の表面が、袋封止部位35bの袋封止用粘着剤層35b2に対して離型性(剥離性)を発揮する(又は有する)表面(剥離面)となっていなくても、袋封止部位35bを貼付する表面(すなわち、開封袋38の開口部38aの端部側の部位の表面)は、開封用テープ袋本体貼着部39bの表面(すなわち、離型処理剤層による剥離面)とすることができるので、開封袋38を開閉可能な形態で封止させることができる。
従って、本発明の開封・開閉用テープ貼着袋は、図21で示されるように、開封用テープが、開閉用テープが設けられていない面側に少なくとも設けられており、袋を開封用テープの凹部に沿って切断して開封した後、開封された袋の開口部を開閉用テープが設けられている側に折り畳み、開閉用テープの袋封止部位を、袋の開口部において残存している開封用テープの剥離面に貼付させることにより、開封された袋を開閉可能な形態で封止することができる構成を有していることが好ましい。
図21は、本発明の開封・開閉用テープ貼着袋の例を示す概略断面図である。図21において、40は4方袋、40aは4方袋40における封止端部、41は開封用テープ、41aは開封用テープ41のテープ基材、41a1はテープ基材41aに予め形成された凹部、41bは開封用テープ41の粘着剤層、41cは開封用テープ41の離型処理層、42は押切加工部、43は開閉用テープ、43aは開閉用テープ43の袋貼着部位、43a1は袋貼着部位43aのテープ基材、43a2は袋貼着部位43aの粘着剤層、43bは開閉用テープ43の袋封止部位、43b1は袋封止部位43bのテープ基材、43b2は袋封止部位43bの粘着剤層、43cは摘み部である。図21で示される4方袋40は、一方の面に、いずれかの封止端部側の部位に、開封用テープ41が貼着されているとともに、他方の面に、前記開封用テープ41の凹部41a1の位置に対応した位置(表裏対象となる位置)に押切加工部42が設けられており、さらに、押切加工部42が設けられている面側(すなわち、開封用テープ41が設けられていない面側)に、開閉用テープ43が貼着されている。
このように、開閉用テープの袋封止部位を貼付する開封袋の面が、開封用テープの離型処理剤層による剥離面となっていると、袋の素材(中でも、表面の素材)が限定されないので、袋として種々の素材のものを用いることができる。従って、本発明では、開封用テープとしては、予め凹部が形成されているテープ基材の一方の面に粘着剤層が形成され、且つ他方の面が剥離面となっている構成を有しているものを用い、且つ開封用テープを、開閉用テープが設けられていない面側に少なくとも設けるとともに、袋を開封用テープにおける凹部に沿って開封した後、開口部を開閉用テープが設けられている側に折り畳み、開閉用テープの袋封止部位を、開封袋に残存している開封用テープ部分の剥離面に貼付させることにより、開封袋を開閉可能な形態で封止することができるように設けることが好ましい。この際、開封用テープの剥離面を、離型処理剤層表面とし、且つこの離型処理剤として重剥離型の離型処理剤を用いることにより、開閉用テープを、開封用テープの剥離面(重剥離型の離型処理剤層の表面)に貼付させて、開封袋を封止させても、開封袋の封止中に開閉用テープの剥がれを抑制または防止させることができ、しかも、開閉用テープを開封用テープの剥離面から剥がして開封させる時には、適度な力で剥離させることができるようになる。
また、本発明では、特に、開閉用テープの袋封止部位における粘着剤層を、開封袋の開口部の外面に貼着されている開封用テープの凹部よりも下部側の部分(開封用テープ袋本体貼着部)における剥離面に貼着させる場合、開封用テープの袋本体貼着部における剥離面が広い方が、袋封止部位における粘着剤層により、剥離可能な形態で貼着させやすい。従って、開封用テープとしては、テープ基材における粘着剤層に対して反対側の面に、離型処理層が形成された構成を有しており、且つ凹部に沿って袋を切断して開封させた際に、開封袋に残存する開封用テープの部分の方が、切断分離部よりも多くなるように、凹部が設けられていることが好ましい。具体的には、開封用テープが、テープ基材に長手方向に平行に形成された直線状の凹部を有している場合、テープ基材に長手方向に平行に形成された直線状の凹部は、テープ基材の幅方向の中央部よりも幅方向の何れかの端部側にずれた位置に形成されていることが好ましい。この際、開封用テープとしては、凹部がずれて形成されている側の開封用テープの端部が、袋の端部側に位置するように、袋の外面に貼着させることが重要である。
従って、本発明の開封・開閉用テープ貼着袋としては、図22で示されているように、袋の開封用テープが、テープ基材の幅方向の中央部よりも幅方向の何れかの端部側にずれた位置に且つテープ基材の長手方向に平行に直線状に、凹部が形成され、且つテープ基材における粘着剤層に対して反対側の面に、離型処理層が形成された構成を有しており、袋の開封用テープにおける凹部がずれて形成されている側の端部が、袋の端部側に位置する形態で、袋の開封用テープが袋の外面に貼着されている(袋の開封用テープが、前記直線状の凹部に沿って袋を切断して開封させた際に、開封袋に残存する開封用テープの部分の方が、多いように、袋の外面に貼着されている)ことが好適である。
図22は、本発明の開封・開閉用テープ貼着袋の例を示す概略断面図であり、図22(a)は、開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋を示し、図22(b)は(a)の袋を開封させた開封袋を示し、図22(c)は(b)の開封袋を開閉用テープを利用して封止した状態を示している。図22(a)〜(c)において、44は4方袋、44aは4方袋44における封止端部、45は開封用テープ、45aは開封用テープ45のテープ基材、45a1はテープ基材45に予め形成された凹部、45bは開封用テープ45の粘着剤層、45cは開封用テープ45の離型処理層、46は押切加工部、47は開閉用テープ、47aは開閉用テープ47の袋貼着部位、47a1は袋貼着部位47aのテープ基材、47a2は袋貼着部位47aの粘着剤層、47bは開閉用テープ47の袋封止部位、47b1は袋封止部位47bのテープ基材、47b2は袋封止部位47bの粘着剤層、47cは摘み部、48は4方袋44を凹部45a1に沿って切断して開封させた開封袋、48aは開封袋48の開口部である。図22(a)で示される4方袋44は、一方の面に、いずれかの封止端部側の部位に、開封用テープ45が貼着されているとともに、他方の面に、前記開封用テープ45の凹部45a1の位置に対応した位置(表裏対象となる位置)に押切加工部46が設けられており、さらに、押切加工部46が設けられている面側(すなわち、開封用テープ45が設けられていない面側)に、開閉用テープ47が貼着された構成を有している。前記開封用テープ45は、テープ基材45aに長手方向に平行に直線状に、且つテープ基材45aの幅方向の中央部よりも幅方向の何れかの端部側にずれた位置に凹部45a1が形成されており、凹部45a1がずれて形成されている側の開封用テープの端部が、4方袋44の何れかの封止端部44a側となるように、開封用テープ45が、4方袋44の何れかの封止端部44a側に貼着されている。そのため、図22(b)で示されるように、凹部45a1に沿って切断して(X−Y線で切断して)開封させた際には、開封袋48の開口部の表面には、凹部が開封用テープの幅方向の中央部に形成されている場合よりも、離型処理層がより大きな面積で残存することになり、図22(c)で示されるように、開封袋48における開閉用テープ47の袋封止部位47bを、容易に、開封袋48の開口部の表面に残存する開封用テープ45の部分における離型処理層45cに貼着させることができる。
開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋は、(i)袋の開封しようとする部位(開封予定部位)に、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部が位置するようにして、開封用テープを貼着させるとともに、袋の外面の所定の部位に、開閉用テープを貼着させる方法、(ii)袋を形成するための部材(又は袋部材)(例えば、閉鎖系袋の場合は、閉鎖して(封鎖して)閉鎖系袋を製造する際の閉鎖する前の部材)において、袋を形成した際に開封しようとする部位に相当する部位に、開封用テープにおけるテープ基材に予め形成された凹部が位置するようにして、開封用テープを貼着させるとともに、袋を形成した際に所定の位置となるような部位に、開閉用テープを貼着させた後、袋を形成させる方法や、これらの方法を組み合わせた方法などの各種の方法により製造することができる。
(袋)
本発明において、開封用テープや開閉用テープを貼着させる袋としては、特に制限されず、密閉された形態の袋(密閉袋)等の閉鎖系の袋(閉鎖系袋)であってもよく、前記閉鎖系袋が開封された袋(開封袋)等の開口部を有する袋(開口袋)であってもよい。本発明では、少なくとも開封用テープを貼着させる袋(例えば、開封用テープのみが貼着された袋、開封用テープ及び開閉用テープが貼着された袋など)としては、閉鎖系袋が好適であり、開封用テープが貼着されていない袋(例えば、開閉用テープのみが貼着された袋)としては、閉鎖系袋、開口袋のいずれであってもよい。
なお、閉鎖系袋としては、袋の開口部がなく、閉鎖された(封鎖された)形態を有する袋であればよい。従って、袋の素材又は材質により、閉鎖系袋は、通気性、透湿性などを有する形態の袋であってもよいが、密閉された形態の袋(密閉袋)であることが好ましい。閉鎖系袋としては、例えば、公知の閉鎖方法により閉鎖された形態の袋(特に、公知の密閉方法により密閉された形態の袋)から適宜選択して用いることができる。より具体的には、閉鎖系袋としては、図23で示されるように、いわゆる「4方袋」、いわゆる「3方袋」、いわゆる「ピロー袋」、いわゆる「スタンディングパウチ」、いわゆる「ガゼット袋」などが挙げられる。このような閉鎖系袋における閉鎖方法(封鎖方法)としては、特に制限されず、熱融着による閉鎖方法、接着剤を用いた閉鎖方法などが挙げられる。
図23は、袋の種類を示す概略図である。図23において、(a)は、いわゆる「4方袋」を示す平面図であり、(b)は、いわゆる「3方袋」を示す平面図であり、(c)は、いわゆる「ピロー袋」を示す平面図であり、(d)は、いわゆる「スタンディングパウチ」を示す斜視図であり、(e)は、いわゆる「ガゼット袋」を示す斜視図である。図23において、49は4方袋、49aは4方袋49の封止端部、50は3方袋、50aは折り曲げ部、50bは封止端部、51はピロー袋、51aは折り曲げ部、51bは封止端部、52はスタンディングパウチ、52aは封止部、53はガゼット袋、53aは封止部である。
なお、4方袋は、例えば、2枚の方形型のシート状基材を重ね合わせて、4辺の端部側の部分を、各種接着手段(熱融着など)により接着させて、封止端部を形成することにより作製することができる。また、3方袋は、例えば、1枚の方形型のシート状基材を、何れかの端部同士が対向している方向における中央部の1カ所で半分に折り曲げて2つ折りにし、3辺の端部側の部位を、各種接着手段(熱融着など)により接着させて、封止端部を形成することにより作製することができる。ピロー袋は、1枚の方形型のシート状基材を、端部同士が重なり合い、且つ何れかの端部同士が対向している方向における中央部の以外の2カ所で折り曲げて、3辺の端部側の部位を、各種接着手段(熱融着など)により接着させて、封止端部を形成することにより作製することができる。スタンディングパウチやガゼット袋などについても、1枚又は複数枚のシート状基材を用いて、公知乃至慣用の方法により作製することができる。
袋の素材としては、特に制限されず、例えば、紙(洋紙、和紙など)、織布、不織布、金属、樹脂(プラスチック)など、何れの素材であってもよい。これらの素材は、単独で用いられていてもよく、2種以上組み合わせて用いられていてもよい。従って、閉鎖系袋としては、紙とプラスチックフィルムとによる積層体や、金属箔とプラスチックフィルムとによる積層体等の各種積層体を素材としていてもよい。また、袋の表面には、各種の表面処理(例えば、剥離処理、コーティング処理、印刷処理等)が施されていてもよい。
なお、このような袋の内部に収納する内容物としては、特に制限されない。例えば、袋として、4方袋が用いられる場合、内容物として、パップ剤が収納されていてもよい。