JP2006073282A - 検出センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 検出感度を調整しつつ比較的に容易に製造可能な検出センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 近接センサ10は、回路基板31に対して、少なくとも検出用発光素子16及び安定確認用発光素子18の並設部分L1と、接続端子部34の周囲部分L3を除いた部分が不透明樹脂で一次成形され、上記部分L1,L2,L3部分が半透過性樹脂で2次成形されて製造される。
【選択図】 図1
Description
なお、本発明で「検出部」には、例えば、被検出物の近接状態に応じた検出信号を単に出力するものだけでなく、上記検出信号と設定閾値との比較動作までを行うものも含まれる。
また、「光透過性樹脂」は、透明樹脂に限らず、動作表示部の発光動作が視認可能な程度の透明性を有する樹脂であれば半透明樹脂であってもよい。
なお、「感度調整用インピーダンス素子」には、例えば抵抗やコンデンサなどが含まれる。
なお、「無効化手段」には、外部からの信号として開放用電流を受けることで開放して各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる開放手段(例えばヒューズ、トランジスタ)や、外部からの信号として短絡用電流を受けることで短絡して各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる短絡手段(例えばツェナダイオード)などが含まれる。
なお、請求項3の発明(下記の請求項8の発明も同様)には、次の構成が含まれる。
(1)「請求項3に記載の検出センサにおいて、前記複数の感度調整用インピーダンス素子は並列接続され、前記複数の無効化手段は、それぞれに対応する前記各感度調整用インピーダンス素子に対して直列接続され開放用電流を受けることで開放して前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数の開放手段である構成。」
(2)「請求項3に記載の検出センサにおいて、前記複数の感度調整用インピーダンス素子は直列接続され、前記複数の無効化手段は、それぞれに対応する前記各感度調整用インピーダンス素子に対して並列接続され短絡用電流を受けることで短絡して前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数の短絡手段である構成。」
請求項1に係る検出センサは、動作表示部及び調整操作部を除いた部分がその部分を覆うように非光透過性樹脂で成形され、動作表示部及び調整操作部の両部分がその両部分を覆うように同一の光透過性樹脂で成形されている。このような構成であれば、まず、動作表示部及び調整操作部を除いた部分を覆うように非光透過性樹脂で成形し(第1工程)、調整操作部にて検出感度の調整を行い(第2工程)、次いで、動作表示部及び調整操作部の両部分を覆うように光透過性樹脂で同時に成形する(第3工程)という請求項7の製造方法を適用することができる。つまり、検出部を覆う成形を行った後にその検出感度の調整ができ、動作表示部を光透過性樹脂で覆った検出センサを、従来のものよりも簡単かつ低コストで製造することが可能になる。
本構成によれば、動作表示部を覆う光透過性樹脂が光拡散性を有する樹脂であるから、例えば動作表示部が検出センサの周面から奥まった位置に配置されていてもそれを覆う部分全体から発光するようになり、その発光動作を視認しやすくなる。
検出感度の調整方法としては、例えばレーザ光を使って感度調整用抵抗素子を切断する、いわゆるレーザトリミング方法があるが、この方法はレーザ光を使用する必要があり製造コストが高価になる。また、可変抵抗等を備えて機械的ボリウムによって検出感度の調整を行う方法もあるが、この方法では、成形後に振動等によってボリウムの調整位置がずれで検出感度が変動してしまうという問題が生じ得る。
これに対して、請求項3,8の発明によれば、外部からの信号を与えることで(より具体的には、各短絡手段(例えばツェナダイオード)や開放手段(例えばヒューズ)に対して短絡用電流または開放用電流を印加することで)、各感度調整用インピーダンス素子を無効化させて検出感度調整を行う構成であるから、安価な製造コストで安定して感度調整を行うことができる。なお、請求項3の構成では、無効化手段を、外部からの信号を受けて各感度調整用インピーダンス素子を一時的に無効化させもの(例えばトランジスタなど)とし、このときの無効化状態に対応した情報を記憶する記憶手段を備え、検出動作時にはこの記憶手段から上記情報を読み出して調整した無効化状態に復帰させる構成も含まれる。これに対して、請求項4,9の構成では、無効化手段は一度短絡したら復帰しないツェナダイオードを使っているから上述の記憶手段等を設ける必要がなく構成を簡略化できるというメリットがある。
本構成によれば、信号ケーブルの接続部と、調整操作部とを共有化することで検出センサの小型化が可能になる。
上記各構成は、特に、検出コイルを有する近接センサに対して有用である。つまり、検出コイルを覆うように成形した後に、その覆った部分の肉厚や、成形圧力による検出コイルの特性変化などに応じて変動した検出感度を所望の感度に調整することができる。
本発明の実施形態1を図1〜図7によって説明する。
1.近接センサの構成
本実施形態の近接センサ10(本発明の「検出センサ」に相当)は、後述する検出コイル11を構成要素とするLC並列回路13を発振回路14によって発振させ、その発振振幅変化に基づき例えば金属製ワーク(本発明の「被検出物」に相当)の接近やその有無を判別するものである。
図1には、近接センサ10の回路構成が示されている。検出コイル11及びコンデンサ12からなるLC並列回路13は、発振回路14によって発振状態に維持されることで、検出コイル11から交流磁界H(検出領域H)を発生する。この発振状態で金属製ワークが接近すると、検出コイル11の磁気エネルギーが吸収され、これに応じてLC並列回路13の振幅電圧が変化(例えば減少)する。検出回路15は、例えばLC並列回路13の振幅電圧を所定の検出用閾値と大小比較し、この比較結果に基づき検出動作を行う。本実施形態では、検出動作として、LC並列回路13の振幅電圧が上記検出用閾値を下回ったときに、動作表示灯としての検出用発光素子16(本発明の「動作表示部」に相当。例えば緑色に発光する発光ダイオード)を発光させるとともに、出力回路17を介して検出信号を外部に出力する。
図3には、近接センサを検出面30側から見た上面図であり、図4は、検出面30とは反対側の面から見た底面図である。同図に示すように、近接センサ10は、全体として直方体状をなし、その直方体に対応した長方形上の回路基板31が内部に収容されている。回路基板31には、その長手方向の先端(図3で紙面左方向)寄りの位置に上記検出コイル11が搭載されおり、基端部には、上記各端子20〜23が配された接続端子部34(本発明の「調整操作部」に相当)が設けられいる。そして、ここに外部機器に連なる信号ケーブル32の各信号線が接続されている。
(1)第1工程
次に、近接センサ10の製造方法について、図5〜7を参照しつつ説明する。
まず、図5に示すように、回路基板31の表面上に検出コイル11等を半田付けし、裏面に検出用発光素子16及び安定確認用発光素子18等を半田付けする。そして、回路基板31に形成された貫通孔31aにスリーブ33を嵌合させる。
ここで、一次成形部材40によって覆われた検出コイル11部分、つまり検出面30部分の肉厚はばらついたり、成形圧力による検出コイル11の特性が変化するので、やはり検出感度調整が必要となる。そこで、所定の測定機器によって出力端子22からの検出信号レベルに基づき近接センサ10の検出感度を測定しつつ、この検出感度が所望の値になるように前述の感度調整作業を行うのである。即ち、接続端子部34の電源端子20及びグランド端子21間に高電流を印加しつつ入力端子23に所定の制御信号を与えて特定の感度調整抵抗を無効化させる。
検出感度の調整が完了すると、次に、接続端子部34の電源端子20、グランド端子21及び出力端子22に上記信号ケーブル32の各信号線を半田付けする。その後、上記L1、L2、L3部分について半透明樹脂によって二次成形を一括で行う。これにより、図7に示すように、上記検出用発光素子16及び安定確認用発光素子18がそれらの光を透過可能な半透明樹脂によって覆われる。また、信号ケーブル32が近接センサ10に対して一体的に成形される。また、各防水用壁42,43を半透明樹脂によって覆うように成形して防水性が図られる。なお、その後、本実施形態では、図3に示すように、二次成形部分に型番(同図では「ABC」「DE」)などをレーザ光によって発色印字する。
(1)本実施形態の近接センサ10は、回路基板31に対して、少なくとも検出用発光素子16及び安定確認用発光素子18の並設部分L1と、接続端子部34の周囲部分L3を除いた部分が不透明樹脂で一次成形され、上記部分L1,L2,L3部分が半透過性樹脂で2次成形されて製造される。従って、検出コイル11を覆う一次成形後に、その一次成形部材の厚みによって変動した検出感度を調整後に、2次成形を行うことができる。しかも、2回の成形で製造することができるため、前述した図9に示す構成に比べて簡単かつ低コストで製造することが可能になる。
(2)また、検出用発光素子16及び安定確認用発光素子18を覆う半透過性樹脂は光拡散性を有する樹脂であるから、本実施形態のように検出用発光素子16等が近接センサ10の周面から奥まった位置に配置されていてもそれを覆う2次成形部材全体から発光するようになり、その発光動作を視認しやすくなる。
これに対して、本構成によれば、ツェナダイオードD1〜D3に対して短絡用電流を印加することで検出感度調整を行う構成であるから、安価な製造コストで安定して感度調整を行うことができる。
図8は実施形態2を示す。前記実施形態との相違は、感度調整回路の回路構成にあり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
このような構成であっても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、検出センサとして近接センサ10を例に挙げて説明したが。これに限らず、例えば超音波センサなどであってもよい。
11…検出コイル(検出部)
16…検出用発光素子(動作表示部)
18…安定確認用発光素子(動作表示部)
19…感度調整回路
32…信号ケーブル
34…接続端子部(調整操作部)
D1〜D3…ツェナダイオード(短絡手段)
H1〜H4…ヒューズ素子(開放手段)
R1〜R4…感度調整用抵抗(感度調整用インピーダンス素子)
Claims (11)
- 被検出物の検出状態に応じた検出動作を行うとともにその検出感度が調整可能とされた検出部と、
前記検出部の動作状態に応じた発光動作を行う動作表示部と、
前記検出感度の調整操作を行う調整操作部とを備える検出センサにおいて、
少なくとも前記動作表示部及び前記調整操作部を除いた部分が、その部分を覆うように非光透過性樹脂で成形され、
前記動作表示部及び前記調整操作部を含み、かつ、前記非光透過性樹脂で成形されない部分が、その部分を覆うように光透過性樹脂で成形されていることを特徴とする検出センサ。 - 前記光透過性樹脂は、光拡散性を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の検出センサ。
- 前記検出部は、その検出感度を決定する複数の感度調整用インピーダンス素子と、それら複数の感度調整用インピーダンス素子それぞれに対応して設けられ、外部から信号を受けることで前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数の無効化手段と、を備えて構成され、
前記調整操作部は、前記各無効化手段に対して前記信号を外部から供給するための接続端子部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検出センサ。 - 前記複数の感度調整用インピーダンス素子は直列接続され、前記複数の無効化手段は、それぞれに対応する前記各感度調整用インピーダンス素子に対して並列接続されかつカソードが高電位側に接続されアノードが低電位側に接続され短絡用電流を受けることで短絡して前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数のツェナダイオードであることを特徴とする請求項3に記載の検出センサ。
- 前記調整操作部は、外部機器と接続される信号ケーブルが前記接続端子部に接続された状態で前記光透過性樹脂で成形されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の検出センサ。
- 前記検出部は、検出コイルと、その検出コイルを発振要素とする発振回路と、当該発振回路の発振出力に基づき前記被検出物の検出動作を行う検出回路とを備えて構成され、
少なくとも前記検出コイルを覆うように前記非光透過性樹脂で成形されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の検出センサ。 - 被検出物の近接状態又は前記被検出物の検出の有無に応じた検出動作を行うとともにその検出感度が調整可能とされた検出部と、
前記検出部の動作状態に応じた発光動作を行う動作表示部と、
前記検出感度の調整動作をさせるための調整操作部とを備える検出センサの製造方法において、
前記動作表示部及び前記調整操作部を除いた部分を覆うように非光透過性樹脂で成形する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記調整操作部にて前記検出感度の調整を行う第2工程と、
前記第2工程の後に、前記動作表示部及び前記調整操作部の両部分を覆うように同一の光透過性樹脂で同時に成形する第3工程とを含むことを特徴とする検出センサの製造方法。 - 前記検出部は、その検出感度を決定する複数の感度調整用インピーダンス素子と、それら複数の感度調整用インピーダンス素子それぞれに対応して設けられ、外部からの信号を受けることで前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数の無効化手段と、を備えて構成され、
前記調整操作部は、前記各無効化手段に対して前記信号を外部から供給するための接続端子部で構成され、
前記第2工程では、前記入力端子部に前記信号を与えることで前記検出感度の調整を行うことを特徴とする請求項7に記載の検出センサの製造方法。 - 前記複数の感度調整用インピーダンス素子は直列接続され、前記複数の無効化手段は、それぞれに対応する前記各感度調整用インピーダンス素子に対して並列接続されかつカソードが高電位側に接続されアノードが低電位側に接続され短絡用電流を受けることで短絡して前記各感度調整用インピーダンス素子を無効化させる複数のツェナダイオードであることを特徴とする請求項8に記載の検出センサの製造方法。
- 前記第2工程後に、前記入力端子部に信号ケーブルを電気的に接続し、この状態で前記第3工程を行うことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の検出センサの製造方法。
- 前記検出部は、検出コイルと、その検出コイルを発振要素とする発振回路と、当該発振回路の発振出力に基づき前記被検出物の検出動作を行う検出回路とを備えて構成され、
前記第1工程では、少なくとも前記検出コイルを覆うように前記非光透過性樹脂で成形することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の検出センサの製造方法。
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