JP2006073261A - ガス拡散層の製造方法、ガス拡散層及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層の製造方法、ガス拡散層及び固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 局所的なフラッディングや固体高分子膜のドライアウトを防止すると共に、ガスの拡散性を高めたガス拡散層及びその製造方法を提供する。発電性能を安定化すると同時に高効率化した固体高分子型燃料電池を提供する。
【解決手段】 固体高分子型燃料電池に適用されるガス拡散層の製造方法であって、導電性材料12から形成される基材13の表面を親水性にする第1の工程と、第1の工程後に、親水性の官能基を有する撥水性物質15を用いて基材13に対して撥水処理加工をする第2の工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両搭載に適した固体高分子型燃料電池、固体高分子型燃料電池に適用されるガス拡散層及びガス拡散層の製造方法に関する。
燃料電池は、燃料として燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(酸素ガス)とを用いた発電装置であり、低公害かつ発電効率が高いため、「ポスト原子力」、「ポスト内燃機関」として注目されている。例えば、家庭用オンサイト発電用、携帯型小型発電用又は宇宙船搭載型発電用などの一部の分野において、燃料電池は実用化されている。自動車業界においても、内燃機関に代えて作動するモータ用の電源として燃料電池を利用する気運が急速に高まっている。自動車搭載用の燃料電池は、特に小型化かつ高出力化が要求されるため、各種の燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池の研究開発が進められている。
固体高分子型燃料電池は、発電の基本単位となる単位セル(単セル)を複数個積層した燃料電池スタックから構成される。単セルは、固体高分子電解質膜の両面側に燃料電極と酸化剤電極を配置して膜電極接合体(MEA)を構成しており、各電極は、固体高分子電解質膜側から触媒層とガス拡散層とを形成して、ガス拡散層の両面側に各々セパレータを配置している。
上記固体高分子型燃料電池では、セパレータに形成したガス流路から燃料ガスと酸化剤ガスが導入され、燃料電極及び酸化剤電極において、式1と式2に示す化学反応が進行する。
H → 2H+ + 2e- (燃料電極側)…(式1)
1/2O2 + 2H+ + 2e- → HO + Q (反応熱) (酸化剤電極側)…(式2)
電池全体としては、式3に示す化学反応が進行し、起電力が生じて外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
H + 1/2O2 → HO + Q (反応熱) (全体の反応)…(式3)
式1に示すように、燃料電極で発生したプロトン(水素イオン)は、固体高分子膜中のプロトン交換基を伝導して酸化剤電極側に移動する。プロトン交換基は、飽和に含水させると比抵抗が小さくなり、プロトン導電性電解質として機能する。このため、通常、加湿装置等を設置して反応ガスを加湿した上で単セルに供給し、固体高分子膜の含水状態を飽和に維持することにより、固体高分子型燃料電池の発電性能の低下を防いでいる。
また、式2に示すように、酸化剤電極側では酸化反応が進行すると同時に生成水が生じるが、生成水は、酸化剤ガスの流れに伴い単セル内の下流側に流れる。単セル内の下流側には、生成水の他にも加湿された酸化剤ガス中に含まれる水が流れるため、単セル内の下流側に流れた多量の水は過飽和となり、液滴が生じ、酸化剤ガスの流通性(ガス拡散性)が低下する恐れがあった。そこで、酸化剤ガスの加湿量を減らし、単セル内の下流側での液滴の発生を抑制したとしても、発電効率を高めて酸化剤ガスの利用率を高めた場合には、生成水が多量に存在し、液滴が生じる恐れが依然としてあった。
さらに、酸化剤ガスの加湿量を大幅に減らし、単セル内の下流側での液滴の発生を抑制したとしても、単セル内の上流側での水分量が逆に減少して固体高分子電解質膜がドライアウトし、発電性能が大幅に低下してしまう恐れがあった。
そこで、ガス拡散層に撥水処理加工をすることにより液滴化を抑制し、ガス拡散性を高めて発電性能を向上させた固体高分子型燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。本技術では、カーボン繊維から形成したカーボンペーパやカーボンクロス等を構成材料とした基材を用いて、基材にフッ素系樹脂等の撥水処理剤を含浸させて、ガス拡散層を形成している。
特開2002−56851号公報(第4頁)
しかしながら、特許文献1に記載の含浸法を用いて撥水処理する方法では、撥水処理剤がガス拡散層中に均一に分散しないため、撥水処理剤が少量あるいは存在しない領域があった。
ガス拡散層中に撥水処理剤が少量又は存在しない領域が生じると、酸化剤ガス中の液滴や生成水が滞留してガス拡散層中の微小孔を閉塞してしまい、ガス拡散性が低下してしまう恐れがあった。
逆に、ガス拡散層中に撥水処理剤が高濃度で分散された領域が存在すると、近傍の触媒層中に含まれる水分が過剰に排出されてしまい、固体高分子膜がドライアウトして燃料電池の発電性能が低下する恐れがあった。
さらに、ガス拡散層中に撥水処理剤が高濃度に分散されると、撥水処理剤がガス拡散層中の微小孔を埋めてしまい、ガス拡散層中の液滴や滞留した生成水が排出されなくなり、ガス拡散性が一層低下してしまう恐れがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明のガス拡散層の製造方法は、固体高分子型燃料電池に適用されるガス拡散層の製造方法であって、導電性材料から形成される基材の表面を親水性にする第1の工程と、第1の工程後に、親水性の官能基を含む撥水性物質を用いて基材に対して撥水処理加工をする第2の工程と、を含むことを要旨とする。
本発明のガス拡散層は、導電性材料から形成されると共に表面に微小孔が設けられた基材と、導電性材料の少なくとも一部と結着した撥水性物質が導電性材料の表面に均一に分散されて基材表面に被覆された撥水性皮膜と、を有することを要旨とする。
本発明の固体高分子型燃料電池は、固体高分子膜の両面側に形成された燃料電極と酸化剤電極とから構成される膜電極接合体と、膜電極接合体の両面側に形成された燃料電極側セパレータ及び酸化剤電極側セパレータとを備える固体高分子型燃料電池であって、燃料電極及び酸化剤電極は、固体高分子膜側から各セパレータ側に向かって、触媒層とガス拡散層とを各々形成しており、ガス拡散層は、導電性材料から形成されると共に表面に微小孔が設けられた基材と、導電性材料の少なくとも一部と結着した撥水性物質が導電性材料の表面に均一に分散されて基材表面に被覆された撥水性皮膜と、を有することを要旨とする。
本発明のガス拡散層の製造方法によれば、導電性材料表面を予め処理した上で撥水処理加工をしたため、浸漬法を用いて撥水処理加工をした場合であっても、撥水性物質を均一に分散したガス拡散層を得ることができる。
本発明のガス拡散層によれば、導電性材料の表面に撥水性物質を均一に分散したため、局所的なフラッディングや固体高分子膜のドライアウトを防止すると共に、撥水性物質によるガス拡散層中の微小孔の閉塞を抑制してガスの拡散性を高めることができる。
本発明の固体高分子型燃料電池によれば、発電性能を安定化すると同時に高効率化することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るガス拡散層及びガス拡散層の製造方法について、固体高分子型燃料電池に適用したガス拡散層を例に挙げて、図1から図8までを用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池を構成する単位セル(単セル)の断面を示す概略図である。図1に示すように、単セル1は、固体高分子膜2の両面側に燃料電極3と酸化剤電極4とを配置して膜電極接合体(MEA)5を形成している。燃料電極3は、固体高分子膜2側から、触媒層6とガス拡散層7とを配置して構成しており、酸化剤電極4は、固体高分子膜2側から触媒層8とガス拡散層9とを配置して構成している。膜電極接合体(MEA)5の両面側には、燃料電極側セパレータ10と酸化剤電極側セパレータ11とを配置しており、燃料電極側セパレータ10は、ガス拡散層7側に燃料を流通させる燃料ガス流路10Aを形成し、酸化剤電極側セパレータ11は、ガス拡散層9側に冷却水を流通させる冷却水流路11Bを形成している。
図1に示す燃料電極側及び酸化剤電極側の各ガス拡散層7、9は、燃料ガスを拡散させる機能と電気伝導体としての機能を有しており、図2(a)に、酸化剤電極側ガス拡散層9の構成を概略的に示す。図2(a)に示すように、酸化剤電極側ガス拡散層9は、カーボン繊維12を織ったカーボンペーパから構成される基材13と、基材13の表面に被覆された撥水性皮膜と、から構成される。図2(a)に示すA部拡大図を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、カーボン繊維12には多数の微小孔14が形成されており、微小孔14及び微小孔14周辺部のカーボン繊維12表面に撥水性物質15が均一に分散されて、基材13表面に撥水性皮膜16を被覆している。なお、ここでは、ガス拡散層9としてカーボンペーパから構成した例を挙げたが、ガス拡散層9はカーボンペーパに限定されるものではなく、カーボン不織布又はカーボンクロス等の導電性材料から形成することもできる。また、微小孔14及び微小孔14周辺部の全面に撥水性皮膜16を形成したが、撥水性皮膜16は、微小孔14又は微小孔14周辺部のいずれか一方のカーボン繊維12表面に形成すれば良い。
さらに、図2に示した酸化剤電極側ガス拡散層9の詳細な構成を図3に示す。図3に示すように、酸化剤電極側ガス拡散層9では、カーボン繊維12表面の微小孔14の占める面積の割合が、9a側から9c側に向かい、つまり酸化剤電極側セパレータ11側から固体高分子膜2側に向かって増加している。なお、酸化剤電極側ガス拡散層9a中のカーボン繊維12aの拡大図を図3(b)に示し、酸化剤電極側ガス拡散層9c中のカーボン繊維12cの拡大図を図3(c)に示す。
なお、カーボン繊維表面に占める微小孔の面積の割合は、後述するガス拡散層の製造方法において説明する酸化処理条件を変えることにより、各種変えることができる。酸化処理条件を変えて製造した微小孔の面積の割合が異なる数種類のカーボン繊維を混合するか、あるいは、複数種の層を積層することによりガス拡散層を構成することができる。
このようにカーボン繊維12に占める微小孔14の面積の割合を変化させると、撥水性皮膜16を形成する撥水性物質15の結着量が変わるため、酸化剤電極側セパレータ11側よりも固体高分子膜2側の撥水性が高くなる。これに伴い、酸化剤電極4側の触媒層8により生成した水は、ガス拡散層9に速やかに排出されて気化や拡散が促進される。この結果、耐フラッディング性能が向上するため、発電性能を長期に亘り安定化し、かつ高効率化することができる。
また、ガス拡散層中における微小孔の占める面積の割合は、セパレータに形成したガス流路に沿って以下に示すように変えても良い。
図4は、各セパレータに形成したガス流路を上面から見た場合の模式図を示し、図5(a)は、図4に示すX-X’断面図、図5(b)は、図4に示すY-Y’断面図を示す。図4及び図5に示すように、各セパレータ10、11には、複数平行に配置したリブによりガス流路17が形成されており、ガス流路17の一方の端部にガス入口18とガス入口マニホールド19とを配置し、他方の端部にガス出口20とガス出口マニホールド21とを配置している。
ここで、酸化剤電極側ガス拡散層において、構成材料であるカーボン繊維表面において微小孔が占める面積の割合を、ガスの流路に沿って、ガス入口側からガス出口側に向かい増加させることが好ましい。
図6(a)は、酸化剤電極側のガス拡散層を示す模式図である。図6(a)に示すように、酸化剤電極側ガス拡散層9は、後述するガス拡散層の製造方法において説明する酸化処理条件を変えて製造した2種類の層9m、9nにより構成している。各層9m、9nは、それぞれガス入口側(I側)とガス出口側(O側)に配置される。ガス拡散層9m中のカーボン繊維12m表面に形成した微小孔の占める面積の割合に対して、ガス拡散層9n中のカーボン繊維12n表面に形成した微小孔の占める面積の割合を増加させている。ガス拡散層9m中のカーボン繊維の拡大図を図6(b)に示し、ガス拡散層9n中のカーボン繊維12nの拡大図を図6(c)に各々示す。
このように微小孔の占める面積の割合を、ガス流路に沿って、ガス入口側(I側)からガス出口側(O側)に向かい増加させることにより、撥水性物質の結着量が変わり、ガス入口側(I側)に比べてガス出口側(O側)の撥水性が高くなる。
燃料電極側に比べて酸化剤電極側において過剰に生成水が生じる傾向があるため、酸化剤電極(カソード)側のガス出口側(O側)の撥水性を高めることにより、酸化剤電極側のガス出口側の触媒層で生成した水を速やかにガス拡散層側に排出することができる。このため、耐フラッディング性能が向上し、発電性能を長期に亘り安定化すると同時に高効率化することができる。
[ガス拡散層の製造方法]
本発明の実施の形態に係るガス拡散層の製造方法は、導電性材料から形成される基材の表面を親水性にする第1の工程後に、親水性の官能基を含む撥水性物質を用いて、表面を親水性とした基材に対して撥水処理加工を行い(第2の工程)、第2の工程後に、基材を乾燥する工程と、基材を焼成する工程と、を経る。
第1の工程は、基材表面を親水性にできればどの方法を用いても良いが、例えば、基材を液相酸化等の酸化処理をして親水性とすることが好ましい。基材を酸化処理すると基材表面に微小孔が形成されるが、この場合、第2の工程は、基材の微小孔及び微小孔周辺部の少なくともいずれかに撥水性物質を分散させて撥水性皮膜を形成することが好ましい。
第1の工程において基材表面を液相酸化する場合には、硝酸溶液、次亜塩素酸溶液、過硫酸アンモニウム水溶液等を用いることが好ましい。
親水性の官能基を含む撥水性物質としては、フッ素樹脂等を界面活性剤により安定させた材料を用いることが好ましい。界面活性剤は、特に限定されないが、非イオン系の界面活性剤を用いることが好ましく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(R-O-(CH2CH2O)nH)、脂肪酸ジエタノールアミドR-CON- (CH2CH2OH)2、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルR-(C6H4)-O- (CH2CH2O)n H等が挙げられる。
基材を乾燥する工程は、基材中に含まれる余剰な水分を排除することを目的としており、約80℃の温度で約10分〜30分程度、乾燥処理することが好ましい。
基材を焼成する工程は、基材中に含まれる界面活性剤を除去すると共に、撥水性物質を溶融させて基材に定着化することを目的としており、約350℃の温度で約30分〜60分程度、焼成処理することが好ましい。
さらに、ガス拡散層の製造方法を具体的に説明する。
まず、過硫酸アンモニウム水溶液を用いて、カーボン繊維から形成した基材の表面を液相酸化する(第1の工程)。液相酸化すると、図7(a)に示すように、基材を形成するカーボン繊維22の表面に微小孔23が形成されて、カーボン繊維22表面に酸素を含有する官能基(酸素含有官能基)24が導入される。これにより、酸素含有官能基が基材表面に分散されて、酸化処理した箇所が親水性となる。
次に、純水で固形分比が約10wt%に稀釈されたPTFEディスパージョン中にカーボン繊維22を浸漬する(第2の工程)。PTFEディスパージョンは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(R-O-(CH2-CH2-O)n H)によりPTFE粒子が安定化されている。カーボン繊維をPTFEディスパージョン中に浸漬すると、図7(b)に示すように、カーボン繊維22表面の含酸素官能基部にPTFE粒子の界面活性剤中の親水基部25が吸着し、カーボン繊維22表面にPTFE粒子26が均一に分散して固定化される。
その後、PTFE粒子26を分散したカーボン繊維22を80℃で20分間乾燥した後、350℃で50分間焼成する。すると、溶融したPTFE粒子26は、カーボン繊維22表面の微小孔23内部に侵入し、再固形化した後、ブリッヂング効果(アンカー効果)により、カーボン繊維22表面にPTFE粒子26が結着する。図7(c)に示したB部の拡大図を図8に示す。図8に示すように、カーボン繊維22とPTFE粒子26とが結着して、カーボン繊維22表面にPTFE粒子26が均一に分散して、基材13表面に撥水性被膜27が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガス拡散層を形成する導電性材料表面に酸素を含有した官能基を形成した上で撥水処理加工をしている。このため、浸漬法を用いた場合であっても、カーボン繊維表面に撥水性物質を均一に分散することができ、ガス拡散層の撥水性を均一化することができる。この結果、ガス拡散層中の局所的なフラッディングや固体高分子膜のドライアウトを防止することができる。また、ガス拡散層中の微小孔は、撥水性物質により閉塞されることがないため、ガス拡散性の低下を抑制することができる。
また、一般に、導電性材料表面を酸化処理すると、導電性材料表面に微小孔に表面凹凸が発生する。そこで、表面凹凸部に撥水性物質を入り込ませて、ブリッヂング効果(アンカー効果)を発揮させることにより、焼成処理前及び焼成処理後の撥水性物質をガス拡散層中の導電性材料表面上に結着して、基材表面に撥水性皮膜を形成することができる。
さらに、ガス拡散層中の撥水性を均一化できるため、長期に亘り、固体高分子型燃料電池の発電特性を安定化すると共に、高効率化することができる。
本発明の実施の形態に係る固体高分子型燃料電池の構成単位である単セルの構成を示す断面図である。 (a)は、図1に示す単セルの酸化剤電極側ガス拡散層の構成を示す概略図であり、(b)は、(a)に示すA部拡大図である。 図2に示す酸化剤電極側ガス拡散層の詳細な構成を示す図である。 各セパレータに形成したガス流路を上面から見た場合の模式図である。 (a)は、図4に示すX-X’断面図、(b)は、図4に示すY-Y’断面図である。 (a)は、酸化剤電極側のガス拡散層を示す模式図であり、(b)は、ガス拡散層9m中のカーボン繊維の拡大図、(c)は、ガス拡散層9n中のカーボン繊維12nの拡大図である。 本発明の実施の形態に係るガス拡散層の製造方法における、(a)から(c)までの各工程を説明する概略図である。 図7(c)に示したカーボン繊維の一部であるB部拡大図である。
符号の説明
9…酸化剤電極側ガス拡散層,
12…カーボン繊維,
13…基材,
14…微小孔,
15…撥水性物質,
16…撥水性皮膜,

Claims (10)

  1. 固体高分子型燃料電池に適用されるガス拡散層の製造方法であって、
    導電性材料から形成される基材の表面を親水性にする第1の工程と、
    前記第1の工程後に、親水性の官能基を含む撥水性物質を用いて前記基材に対して撥水処理加工をする第2の工程と、
    を含むことを特徴とするガス拡散層の製造方法。
  2. 前記第2の工程後に、前記基材を乾燥する工程と、前記基材を焼成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1記載のガス拡散層の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、前記基材を酸化処理することを特徴とする請求項1記載のガス拡散層の製造方法。
  4. 前記基材は、表面に微小孔を構成した導電性材料から形成されており、
    前記第2の工程は、前記微小孔及び前記微小孔周辺部の少なくともいずれかに撥水性物質を分散させて、基材表面に撥水性皮膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス拡散層の製造方法。
  5. 導電性材料から形成されると共に表面に微小孔が設けられた基材と、
    前記導電性材料の少なくとも一部と結着した撥水性物質が前記導電性材料の表面に均一に分散されて前記基材表面に被覆された撥水性皮膜と、
    を有することを特徴とするガス拡散層。
  6. 前記撥水性皮膜は、前記微小孔又は微小孔周辺の少なくとも一方の表面に形成されたことを特徴とする請求項5記載のガス拡散層。
  7. 前記導電性材料は、カーボン繊維であることを特徴とする請求項5記載のガス拡散層。
  8. 固体高分子膜の両面側に形成された燃料電極と酸化剤電極とから構成される膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面側に形成された燃料電極側セパレータ及び酸化剤電極側セパレータとを備える固体高分子型燃料電池であって、
    前記燃料電極及び酸化剤電極は、前記固体高分子膜側から前記各セパレータ側に向かって、触媒層とガス拡散層とを各々形成しており、
    前記ガス拡散層は、導電性材料から形成されると共に表面に微小孔が設けられた基材と、前記導電性材料の少なくとも一部と結着した撥水性物質が前記導電性材料の表面に均一に分散されて前記基材表面に被覆された撥水性皮膜と、を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  9. 前記酸化剤電極側のガス拡散層は、セパレータ側から触媒層側に向かって、基材を形成する導電性材料表面の微小孔の占める面積の割合を増加させたことを特徴とする請求項8記載の固体高分子型燃料電池。
  10. 前記酸化剤電極側のガス拡散層は、ガス拡散層中のガス入口側からガス出口側に向かい、ガスの流路に沿って、基材を形成する導電性材料表面の微小孔の占める面積の割合を増加させたことを特徴とする請求項8又は9記載の固体高分子型燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007273215A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Equos Research Co Ltd 燃料電池用拡散層の製造方法。

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JP2007273215A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Equos Research Co Ltd 燃料電池用拡散層の製造方法。

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