以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、サブフレーム期間を、1フレーム期間のある点で対称となるように設けた本発明のタイミングチャートについて説明する。
図1(A)に示すように、1フレーム期間をサブフレーム期間SF1〜SF6に分け、SF1とSF6、SF2とSF5、SF3とSF4のサブフレーム期間の長さがそれぞれ等しくなるようにする。すなわち、SF3とSF4との間(矢印箇所)で、1組のサブフレーム期間(SF1〜SF3)を反転させている。言い換えると、1組のサブフレーム期間(SF1〜SF3)の終端で、1組のサブフレーム期間を反転させている。このような矢印箇所はフレーム期間の半期ともいうことができる。
また発光期間を有する第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を有し、第1のサブフレーム期間では発光期間が順に短くなるように現れ、第2のサブフレーム期間では、発光期間の長さの順が反転して現れるように設けられていると記すこともできる。なお本発明において、発光期間の長さの順は第1のサブフレーム期間において順に短くなる必要はない。例えば、発光期間の長さの順がランダムに現れる場合であっても、それと反転するように第2のサブフレーム期間を設ければよい。例えば、第1のサブフレーム期間でのサブフレーム期間の順が2n:・・・・22:21:20となるように現れるとき、第2のサブフレーム期間では、サブフレーム期間の順が20:21:22・・・・:2nと現れるようにする。
さらに1フレーム期間に第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を有する必要はなく、2つのフレーム期間にわたって第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を有してもよい。
図1(B)には、図1(A)に示したタイミングチャートに、逆方向電圧印加期間(DS)を設けたことを特徴とするタイミングチャートを示す。その他の構成は、図1(A)に示した構成と同様であるため、説明を省略する。このように逆方向電圧印加期間において、発光素子へ印加する結果、その劣化状態を改善し、信頼性を向上させることができる。また、発光素子は、異物の付着や、陽極又は陰極にある微細な突起によるピンホール、電界発光層の不均一性を起因として、陽極と陰極が短絡する初期不良が生じることがある。逆方向電圧を印加することにより、この初期不良を解消し、画像の表示を良好に行うことができる。なお、このような短絡部の絶縁化は、出荷前に行うと好ましい。
なお本実施の形態において、逆方向電圧印加期間を設ける箇所は図1(B)に限定されない。例えば、各SF1〜SF6の前又は後に設けることができる。また逆方向電圧を印加する場合、必ずしも1フレーム期間に1回の割合で逆方向電圧印加期間を設ける必要もない。
以上のように、本実施の形態では、1フレーム期間中にある点で1組のサブフレーム期間が、反転していることを特徴とする。その結果、擬似輪郭を防止することができる。
なお本実施の形態において、1組のサブフレーム期間が有するサブフレーム期間数や長さは、図1に限定されない。また反転するある点の数も、図1のように1つに限定されず、複数設けてもよい。
図3には従来のサブフレーム期間を用いた表示と、本発明のサブフレーム期間を用いた表示とを示し、これら比較する。まず図3(A)(B)にはそれぞれ、フレーム毎に表示が移動する従来例、及び本発明例を示しており、模様が付されている箇所が黒表示を指し、模様が付されていない箇所が発光状態を指す。また図3(A)(B)において、横軸が画素部の行方向、又は列方向、縦軸が時間を示す。1フレーム期間は、4つのサブフレーム期間(SF1〜SF4)を有し、図3(A)ではSF1とSF3、SF2とSF4とが等しい発光状態となる。本発明では、1フレーム中において、前半と後半で、サブフレーム期間を反転させているため、図3(B)に示すような表示となり、SF1とSF4、SF2とSF3とが等しい発光状態となる。
図3(A)において矢印方向に視線をやると、黒表示箇所が多く、そのため本来ないはずの黒い輪郭線、すなわち動画擬似輪郭がみえてしまう。一方図3(B)において矢印方向に視線をやると、黒表示箇所と、白表示箇所とが同等あることがわかる。すなわち、図3(B)では、黒表示箇所と、白表示箇所とが打ち消しあうため、動画擬似輪郭を防止することができるのである。
また図3(C)(D)にはそれぞれ、図3(A)(B)と逆の発光タイミングを有する場合の従来例、及び本発明例を示している。
図3(C)において矢印方向に視線をやると、白表示箇所が多く、そのため本来ないはずの白い輪郭線、すなわち動画擬似輪郭がみえてしまう。一方図3(D)において矢印方向に視線をやると、白表示箇所と、黒表示箇所とが同等あることがわかる。すなわち、図3(D)では、白表示箇所と、黒表示箇所とが打ち消しあうため、動画擬似輪郭を防止することができるのである。
なお擬似輪郭を防止するためには、フレーム周波数を高めると好ましい。またフリッカーを防止するためにも、本実施の形態においてフレーム周波数を60Hz以上、好ましくは90Hz以上とするとよい。
また本実施の形態において、長い発光期間を有するサブフレーム期間ほど、1組のサブフレーム期間の中心付近、つまりフレーム期間の半期となるように、タイミングを決定することが望ましい。例えば、1組のサブフレーム期間がSF1〜SF5である場合、SF1が最も長い発光時間で、その他のサブフレーム期間SF2〜SF5が順に短くなる場合、サブフレーム期間の順をSF4、SF2、SF1、SF3、SF5、又はその逆であるSF5、SF3、SF1、SF2、SF4とすると望ましい。なぜなら、1組のサブフレーム期間の反転箇所(以下、発光重心とも記す)を、そのフレーム期間の中心付近、つまり半期とすることで、1組のサブフレーム期間を反転させたときの発光重心とのずれを少なくすることができるからである。その結果、フリッカーをより低減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるタイミングチャートについて説明する。
図2(A)には、1フレーム期間をサブフレーム期間SF1〜SF9に分け、SF1とSF6とSF7、SF2とSF5とSF8、SF3とSF4とSF9のサブフレーム期間の長さがそれぞれ等しくなるようにする。すなわち、SF3とSF4との間(矢印箇所)、及びSF6とSF7との間(矢印箇所)で、それぞれ直前の1組のサブフレーム期間(SF1〜SF3)を反転させている。言い換えると、1組のサブフレーム期間(SF1〜SF3)の終端で、それぞれ直前の1組のサブフレーム期間を反転させている。
図2(B)には、図2(A)に示したタイミングチャートに、逆方向電圧印加期間(DS)を設けたことを特徴とする。その他の構成は、図2(A)に示した構成と同様であるため、説明を省略する。このように逆方向電圧印加期間において、発光素子へ印加する結果、その劣化状態を改善し、信頼性を向上させることができる。また、発光素子は、異物の付着や、陽極又は陰極にある微細な突起によるピンホール、電界発光層の不均一性を起因として、陽極と陰極が短絡する初期不良が生じることがある。逆方向電圧を印加することにより、この初期不良を解消し、画像の表示を良好に行うことができる。なお、このような短絡部の絶縁化は、出荷前に行うと好ましい。
なお本実施の形態において、逆方向電圧印加期間を設ける箇所は図2(B)に限定されない。例えば、各SF1〜SF6の前又は後に設けることができる。また逆方向電圧を印加する場合、必ずしも1フレーム期間に逆方向電圧印加期間を設ける必要もない。
以上のように、本実施の形態では、1フレーム期間中の複数のある点で、直前の1組のサブフレーム期間が、反転していることを特徴とする。その結果、擬似輪郭を防止することができる。
なお本実施の形態において、1組のサブフレーム期間が有するサブフレーム期間数や長さは、図2に限定されない。また反転するある点の数も、図2は限定されない。
擬似輪郭を防止するためには、フレーム周波数を高めると好ましいため、本実施の形態においてもフレーム周波数を60Hz以上、好ましくは90Hz以上とする。
また本実施の形態において、長い発光期間を有するサブフレーム期間ほど、1組のサブフレーム期間の中心付近、つまりフレーム期間の半期となるように、タイミングを決定することが望ましい。例えば、1組のサブフレーム期間がSF1〜SF5である場合、SF1が最も長い発光時間で、その他のサブフレーム期間SF2〜SF5が順に短くなる場合、サブフレーム期間の順をSF4、SF2、SF1、SF3、SF5、又はその逆であるSF5、SF3、SF1、SF2、SF4とすると望ましい。なぜなら、1組のサブフレーム期間の発光重心を、そのフレーム期間の中心付近、つまり半期とすることで、1組のサブフレーム期間を反転させたときの発光重心とのずれを少なくすることができるからである。その結果、フリッカーをより低減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示装置の一つである発光装置の具体的な構成について説明する。図4に、本発明の発光装置の構成を、ブロック図で一例として示す。図4(A)に示す発光装置は、パネル101と、コントローラ102と、テーブル103とを有している。さらにパネル101は、各画素に発光素子を有する画素部104と、信号線駆動回路105と、走査線駆動回路106とを有している。
テーブル103は、ハードウェアとしてはROMやRAM等のメモリで構成され、またテーブルは、画素に応じて複数設けられている。またメモリには、各テーブルに対応した画素配置の情報等も記憶されている。そして該メモリには、サブフレーム率RSFに従って、1フレーム期間に含まれる複数のサブフレーム期間の数及び長さと、各階調において複数のサブフレーム期間のうち、発光の状態となるサブフレーム期間を定めるためのデータが記憶される。そしてサブフレーム率RSFは、フレーム周波数により定められた共有率Rshに従い、算出される。
コントローラ102は、テーブル103に記憶されているデータに従って、入力されたビデオ信号の階調に応じて、発光の状態となるサブフレーム期間を定め、それを出力することができる。またコントローラ102はフレームメモリを有しており、テーブル103に記憶されている複数の各サブフレーム期間の長さ、信号線駆動回路105または走査線駆動回路106の駆動周波数などに合わせて、クロック信号、スタートパルス信号などの、各種制御信号を生成することができる。
なお図4(A)では、ビデオ信号の変換と、制御信号の生成とを、共にコントローラ102で行う例について示したが、本発明はこの構成に限定されない。ビデオ信号の変換を行うコントローラと、制御信号を生成するコントローラとを、別個に発光装置に設けるようにしても良い。
図4(B)に、図4(A)に示したパネル101の、より具体的な構成の一例を示す。
図4(B)において信号線駆動回路105は、シフトレジスタ110、ラッチA111、ラッチB112を有している。シフトレジスタ110には、クロック信号(CLK)、スタートパルス信号(SP)などの各種制御信号が入力されている。クロック信号(CLK)とスタートパルス信号(SP)が入力されると、シフトレジスタ110においてタイミング信号が生成される。生成したタイミング信号は、一段目のラッチA111に順に入力される。ラッチA111にタイミング信号が入力されると、該タイミング信号のパルスに同期して、コントローラ102から入力されたビデオ信号が、順にラッチA111に書き込まれ、保持される。なお、本実施の形態ではラッチA111に順にビデオ信号を書き込んでいるが、本発明はこの構成に限定されない。複数のステージのラッチA111をいくつかのグループに分け、グループごとに並行してビデオ信号を入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときのグループの数を分割数と呼ぶ。例えば4つのステージごとにラッチをグループに分けた場合、4分割で分割駆動するといえる。
ラッチA111の全ステージのラッチへの、ビデオ信号の書き込みが一通り終了するまでの期間を、行選択期間と呼ぶ。実際には、上記行選択期間に水平帰線期間が加えられた期間を行選択期間に含むことがある。
1行選択期間が終了すると、2段目のラッチB112に、制御信号の一つに相当するラッチ信号が供給され、該ラッチ信号に同期してラッチA111に保持されているビデオ信号が、ラッチB112に一斉に書き込まれる。ビデオ信号をラッチB112に送出し終えたラッチA111には、再びシフトレジスタ110からのタイミング信号に同期して、次のビットのビデオ信号の書き込みが順次行われる。この2順目の1行選択期間中には、ラッチB112に書き込まれ、保持されているビデオ信号が画素部104に入力される。
なお、シフトレジスタ110の代わりに、例えばデコーダのような信号線の選択ができる回路を用いても良い。
次に、走査線駆動回路106の構成について説明する。走査線駆動回路106は、シフトレジスタ113、バッファ114を有している。また、レベルシフタを有していても良い。走査線駆動回路106において、シフトレジスタ113にクロック信号(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成される。生成された選択信号はバッファ114において増幅され、対応する走査線に供給される。走査線に供給される選択信号によって、1行分の画素に含まれているトランジスタの動作が制御されるので、バッファ114には、比較的大きな電流を走査線に供給することができるものを用いることが望ましい。
なお、シフトレジスタ113の代わりに、例えばデコーダのような信号線の選択ができる回路を用いても良い。
本発明において、走査線駆動回路106、信号線駆動回路105は、画素部104と同じ基板上に形成していても、異なる基板上に形成していても、どちらでも良い。また走査線駆動回路106、又は信号線駆動回路105をICチップにより形成し、実装しても良い。また本発明の発光装置が有するパネルは、図4(A)、図4(B)に示す構成に限定されない。パネル101は、コントローラ102から入力されたビデオ信号に従って、画素の階調が制御されるような構成を有していれば良い。
このような発光装置に、複数のテーブルを用いることにより、擬似輪郭を防止することができる。
またその他の表示装置においても、複数のテーブルが記憶されているメモリを用いることに入り、擬似輪郭を防止することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の発光装置が有する画素の等価回路図について、図5を用いて説明する。
図5(A)は、画素の等価回路図の一例を示したものであり、信号線6114、電源線6115、走査線6116、発光素子6113、トランジスタ6110、6111、容量素子6112を有する。信号線6114には信号線駆動回路によってビデオ信号が入力される。トランジスタ6110は、走査線6116に入力される選択信号に従って、トランジスタ6111のゲートへの、該ビデオ信号の電位の供給を制御することができる。トランジスタ6111は、該ビデオ信号の電位に従って、発光素子6113への電流の供給を制御することができる。容量素子6112は、トランジスタ6111のゲート・ソース間の電圧を保持することができる。なお、図5(A)では、容量素子6112を図示したが、トランジスタ6111のゲート容量や他の寄生容量で賄うことが可能な場合には、設けなくてもよい。
図5(B)は、図5(A)に示した画素に、トランジスタ6118と走査線6119を新たに設けた画素の等価回路図である。トランジスタ6118により、トランジスタ6111のゲートとソースを同電位とし、強制的に発光素子6113に電流が流れない状態を作ることができるため、全ての画素にビデオ信号が入力される期間よりも、サブフレーム期間の長さを短くすることができる。従って、駆動周波数を抑えつつ、高い総階調数の表示を行うことができる。
図5(C)は、図5(B)に示した画素に、新たにトランジスタ6125と、配線6126を設けた画素の等価回路図である。トランジスタ6125は、そのゲートの電位が、配線6126によって固定されている。そして、トランジスタ6111とトランジスタ6125は、電源線6115と発光素子6113との間に直列に接続されている。よって図5(C)では、トランジスタ6125により発光素子6113に供給される電流の値が制御され、トランジスタ6111により発光素子6113への該電流の供給の有無が制御できる。
なお、本発明の発光装置が有する画素回路は、本実施の形態で示した構成に限定されず、時間階調表示を行う表示装置であれば、本発明を適用することができる。また本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、発光素子への電流の供給を制御するトランジスタがp型薄膜トランジスタ(TFT)の場合における、画素の断面構造について、図6を用いて説明する。なお本発明では、発光素子が有する陽極と陰極の2つの電極のうち、トランジスタによって電位を制御することができる一方の電極を第1の電極、他方の電極を第2の電極とする。そして図6では、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極の場合について説明するが、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極であってもよい。
図6(A)に、TFT6001がp型で、発光素子6003から発せられる光を第1の電極6004側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図6(A)では、発光素子6003の第1の電極6004と、TFT6001が電気的に接続されている。
TFT6001はパターニングされた半導体膜、ゲート絶縁膜、ゲート電極、該半導体膜の不純物領域に接続されたソース電極及びドレイン電極を有する。このようなTFT6001は層間絶縁膜6007で覆われており、層間絶縁膜6007上には開口部を有する隔壁6008が形成されている。隔壁6008の開口部において第1の電極6004が一部露出しており、該開口部において第1の電極6004、電界発光層6005、第2の電極6006が順に積層されている。
層間絶縁膜6007は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサンを出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜(以下、シロキサン絶縁膜とも記す)を用いて形成することができる。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。層間絶縁膜6007に、低誘電率材料(low−k材料)と呼ばれる材料を用いていても良い。
隔壁6008は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。特に感光性の有機樹脂膜を隔壁6008に用い、第1の電極6004上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することで、第1の電極6004と第2の電極6006とが接続してしまうのを防ぐことができる。
第1の電極6004は、光を透過する材料又は、光を透過する程度の膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の大きな材料で形成し、陽極として用いるのに適するように形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第1の電極6004に用いることが可能である。またITO、酸化珪素を含む酸化亜鉛、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとも記す)、ITSOにさらに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第1の電極6004に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6004に用いることもできる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第1の電極6004を形成する。
また第2の電極6006は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電界発光層の第2の電極に接する位置に電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
電界発光層6005は、単数または複数の層で構成されている。複数の層で構成されている場合、これらの層は、キャリア輸送特性の観点から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などに分類することができる。電界発光層6005が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6004から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層する。なお各層の境目は必ずしも明確である必要はなく、互いの層を構成している材料が一部混合し、界面が不明瞭になっている場合もある。各層には、有機系の材料、無機系の材料を用いることが可能である。有機系の材料として、高分子系、中分子系、低分子系のいずれの材料も用いることが可能である。なお中分子系の材料とは、構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体に相当する。正孔注入層と正孔輸送層との区別は必ずしも厳密なものではなく、これらは正孔輸送性(正孔移動度)が特に重要な特性である意味において同じである。便宜上正孔注入層は陽極に接する側の層であり、正孔注入層に接する層を正孔輸送層と呼んで区別する。電子輸送層、電子注入層についても同様に、電子輸送性(電子移動度)が特に重要な特性である意味で同じであり、便宜上陰極に接する層を電子注入層と呼び、電子注入層に接する層を電子輸送層と呼んでいる。発光層は電子輸送層を兼ねる場合もあり、発光性電子輸送層とも呼ばれる。
図6(A)に示した画素の場合、発光素子6003から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6004側から取り出すことができる。
次に図6(B)に、TFT6011がp型で、発光素子6013から発せられる光を第2の電極6016側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図6(B)では、発光素子6013の第1の電極6014と、TFT6011が電気的に接続されている。また第1の電極6014上に電界発光層6015、第2の電極6016が順に積層されている。
第1の電極6014は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6014に用いることができる。
また第2の電極6016は、光を透過する材料または光を透過する程度の膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第2の電極6016を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることも可能である。またITO、酸化珪素を含む酸化亜鉛、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、ITSOにさらに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合されるもの用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6015において、第2の電極6016に接する位置に電子注入層を設けるのが望ましい。
電界発光層6015は、図6(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
このような図6(B)に示した画素の場合、発光素子6013から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6016側から取り出すことができる。
次に図6(C)に、TFT6021がp型で、発光素子6023から発せられる光を第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図6(C)では、発光素子6023の第1の電極6024と、TFT6021が電気的に接続されている。また第1の電極6024上に電界発光層6025、第2の電極6026が順に積層されている。
第1の電極6024は、図6(A)の第1の電極6004と同様に形成することができる。また第2の電極6026は、図6(B)の第2の電極6016と同様に形成することができる。電界発光層6025は、図6(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
図6(C)に示した画素の場合、発光素子6023から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出すことができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、発光素子への電流の供給を制御するトランジスタがn型TFTの場合における、画素の断面構造について、図7を用いて説明する。なお図7では、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極の場合について説明するが、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極であっても良い。
図7(A)に、TFT6031がn型で、発光素子6033から発せられる光を第1の電極6034側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図7(A)では、発光素子6033の第1の電極6034と、TFT6031が電気的に接続されている。また第1の電極6034上に電界発光層6035、第2の電極6036が順に積層されている。
第1の電極6034は、光を透過する材料または光を透過する程度の膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電界発光層の第1の電極に接する位置に電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第1の電極6034を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。さらに、光が透過する程度の膜厚を有する上記導電層の上または下に接するように、透光性酸化物導電材料を用いて透光性を有する導電層を形成し、第1の電極6034のシート抵抗を抑えるようにしても良い。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いた導電層だけを用いることも可能である。またITO、酸化珪素を含む酸化亜鉛、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、ITSOにさらに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合されるものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6035において第1の電極6034に接する位置に電子注入層を設けるのが望ましい。
また第2の電極6036は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の大きい材料が好ましく、陽極として用いるのに適するように形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6036に用いることができる。
電界発光層6035は、図6(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。ただし、電界発光層6035が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6034から、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層の順に積層する。
図7(A)に示した画素の場合、発光素子6033から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6034側から取り出すことができる。
次に図7(B)に、TFT6041がn型で、発光素子6043から発せられる光を第2の電極6046側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図7(B)では、発光素子6043の第1の電極6044と、TFT6041が電気的に接続されている。また第1の電極6044上に電界発光層6045、第2の電極6046が順に積層されている。
第1の電極6044は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
また第2の電極6046は、光を透過する材料または光を透過する程度の膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第2の電極6046に用いることが可能である。またITO、酸化珪素を含む酸化亜鉛、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、ITSOにさらに2〜20atomic%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第2の電極6046に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6046に用いることもできる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第2の電極6046を形成する。
電界発光層6045は、図7(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
図7(B)に示した画素の場合、発光素子6043から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6046側から取り出すことができる。
次に図7(C)に、TFT6051がn型で、発光素子6053から発せられる光を第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。図7(C)では、発光素子6053の第1の電極6054と、TFT6051が電気的に接続されている。また第1の電極6054上に電界発光層6055、第2の電極6056が順に積層されている。
第1の電極6054は、図7(A)の第1の電極6034と同様に形成することができる。また第2の電極6056は、図7(B)の第2の電極6046と同様に形成することができる。電界発光層6055は、図7(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
図7(C)に示した画素の場合、発光素子6053から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出すことができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、スクリーン印刷法、オフセット印刷法に代表される印刷法、または液滴吐出法を用いて発光装置を形成する場合について説明する。なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出して所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。上記印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも、信号線、走査線、選択線に代表される各種配線、TFTのゲート、発光素子の電極などを形成することが可能になる。ただし、パターンを形成する全ての工程に、印刷法または液滴吐出法を用いる必要はない。よって、例えば配線及びゲートの形成には印刷法または液滴吐出法を用い、半導体膜のパターニングにはリソグラフィ法を用いる、というように、少なくとも一部の工程において印刷法または液滴吐出法を用いていれば良く、リソグラフィ法も併用していても良い。またパターニングの際に用いるマスクは、印刷法または液滴吐出法で形成しても良い。
図8に、液滴吐出法を用いて形成された、本発明の発光装置の断面図を、一例として示す。図8において、発光装置は、TFT1301、TFT1302、及び発光素子1304を有する。TFT1302は、発光素子1304の第1の電極1350と電気的に接続されている。TFT1302はn型であることが望ましく、この場合、第1の電極1350は陰極として用い、第2の電極1331を陽極として用いるのが望ましい。
スイッチング素子として機能するTFT1301は、ゲート電極1310と、チャネル形成領域を含む第1の半導体膜1311と、ゲート電極1310と第1の半導体膜1311との間に形成されたゲート絶縁膜1317と、ソースまたはドレインとして機能する第2の半導体膜1312、1313と、第2の半導体膜1312に接続された配線1314と、第2の半導体膜1313に接続された配線1315とを有している。
TFT1302は、ゲート電極1320と、チャネル形成領域を含む第1の半導体膜1321と、ゲート電極1320と第1の半導体膜1321に形成されたゲート絶縁膜1317と、ソースまたはドレインとして機能する第2の半導体膜1322、1323と、第2の半導体膜1322に接続された配線1324と、第2の半導体膜1323に接続された配線1325とを有している。
配線1314は信号線に相当し、配線1315はTFT1302のゲート電極1320に電気的に接続されている。また配線1325は電源線に相当する。
液滴吐出法、印刷法を用いてパターンを形成することで、リソグラフィ法で行なわれるフォトレジストの成膜、露光、現像、エッチング、剥離などの一連の工程を簡略化することができる。また、液滴吐出法や印刷法は、リソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、発光装置の作製に費やされるコストを抑えることができる。
さらに、リソグラフィ法とは異なり、配線を形成するためにエッチングを行う必要がない。よって、配線を形成する工程に費やされる時間をリソグラフィ法の場合に比べて著しく短くすることが可能である。特に、印刷法を用いて配線の厚さを0.5μm以上、より望ましくは2μm以上で形成する場合、配線抵抗を抑えることができるので、配線の作製工程に費やされる時間を抑えつつ、発光装置の大型化に伴う配線抵抗の上昇を抑えることができる。
なお第1の半導体膜1311、1321は非晶質半導体であっても、セミアモルファス半導体(以下、SASとも記す)であってもどちらでも良い。
非晶質半導体は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4、Si2H6が挙げられる。この珪化物気体は、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
またSASも珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪化物気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。またさらに、珪化物気体中に、CH4、C2H6などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。SASを第1の半導体膜として用いたTFTは、1〜10cm2/Vsecや、それ以上の移動度を得ることができる。
また第1の半導体膜1311、1321は、非晶質半導体またはSASを結晶化した半導体を用いてもよい。例えば、レーザーや加熱炉を用いて、非晶質半導体又はSASを結晶化することができる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の発光装置の一形態に相当するパネルの外観について、図9を用いて説明する。図9は、第1の基板上に形成されたTFT及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの上面図であり、図9(B)は、図9(A)のA−A’における断面図に相当する。
第1の基板4001上には画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004が設けられており、少なくとも画素部を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また少なくとも画素部4002上には、シール材4005を介して、第2の基板4006が設けられている。図9に示す発光装置では、画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、充填材4007と共に密封されている。充填材4007として、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを用いることができる。
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは、複数のTFTを有しており、図9(B)では、信号線駆動回路4003に含まれるTFT4008と、画素部4002に含まれるTFT4009とを例示している。
また4011は発光素子に相当し、TFT4009のドレインと接続されている配線4017の一部が、発光素子4011の第1の電極として機能する。また透明導電膜4012が、発光素子4011の第2の電極として機能する。なお発光素子4011の構成は、本実施の形態に示した構成に限定されない。上記実施の形態のように、発光素子4011から取り出す光の方向や、TFT4009の極性などに合わせて、発光素子4011の構成は適宜変えることができる。
また信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号や電圧は、図9(B)に示す断面図では図示されていないが、引き回し配線4014及び4015を介して、接続端子4016から供給されている。
本実施の形態では、接続端子4016が、発光素子4011が有する第1の電極と同じ導電膜から形成されている。また、引き回し配線4014は、配線4017と同じ導電膜から形成されている。また引き回し配線4015は、TFT4009、TFT4008がそれぞれ有するゲート電極と、同じ導電膜から形成されている。
接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
但し、発光素子4011からの光の取り出し方向に位置する基板には、第2の基板4006は透光性を有していなければならない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、これらとしてPVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)がある。本実施の形態では充填材として窒素を用いる。
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本発明の表示装置は、擬似輪郭の発生を抑えることができるので、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の、携帯用の電子機器が有する表示部として用いるのに最適である。また本発明の表示装置は、擬似輪郭を防止することができるので、表示装置などの動画の再生を行うことができる、映像を観賞するための表示部を有する電子機器に最適である。
その他、本発明の表示装置を用いることができる電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)などが挙げられる。本実施の形態では、これら電子機器の具体例を図10に示す。
図10(A)は携帯電話であり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、音声出力部2104、操作キー2105を含む。本発明の表示装置を用いて表示部2102を作製することで、本発明の電子機器の一つである携帯電話を完成させることができる。
図10(B)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明の表示装置を用いて表示部2602を作製することで、本発明の電子機器の一つであるビデオカメラを完成させることができる。
図10(C)は表示装置であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403等を含む。本発明の表示装置を用いて表示部2402を作製することで、本発明の電子機器の一つである表示装置を完成させることができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施例1)
本実施例では、実施の形態1に示したタイミングチャートにおいて、フレーム周波数60Hz、サブフレーム数32としたときのタイミングチャートの具体例を示す。
フレーム周波数は60Hzであり、1秒間には、60フレーム存在することになる。このとき、1フレーム期間の長さは、およそ16.67msとなる。1つのフレーム期間には、サブフレーム期間SF1〜SF16と、これらが反転した分とを合わせて16×2=32サブフレーム期間が設けられており、これらサブフレームSF1〜SF16は発光重心がSF1〜SF16の中心付近となるように、並べられる。本実施例では、SF2、SF4、SF6、SF8、SF10、SF12、SF14、SF16、SF15、SF13、SF11、SF9、SF7、SF5、SF3、SF1の順にサブフレーム期間が現れる。そして、1フレーム期間にあるSF1の終端を介して、サブフレーム期間SF1〜SF16がそれぞれ反転している。
各サブフレーム期間の長さのそれぞれの比率は、SF1:SF2:SF3:SF4:SF5:SF6:SF7:SF8:SF9:SF10:SF11:SF12:SF13:SF14:SF15:SF16=1:2:4:8:10:10:10:12:12:14:17:21:25:30:36:43となっている。
本実施例では、図11に示すように、同じ長さを有するサブフレーム期間を複数設けることも特徴とする。これは共有率を考慮した上、サブフレーム期間の長さを決定したためである。なお共有率とは、階調が1段階異なっている2つのフレーム期間において、共通して発光の状態にあるサブフレーム期間の長さの割合である。
共有率を考慮したサブフレーム期間の数や長さの具体的な決め方について、説明する。まず共有率Rshを決定したら、次は共有率Rshから各サブフレーム期間の長さを決める。1フレーム期間に含まれるn個のサブフレーム期間を、最も短いほうから順にSF1〜SFnとする。そして、SF1〜SFp(p<nとする)を全て発光させたときに、階調m(m<2n)の表示を行うことができると仮定する。この場合、階調mを表示する際に発光するサブフレーム期間SF1〜SFpの、合計の長さをTmとすると、Tmは以下の式1で表すことができる。
次に、階調(m+1)を表示する場合について考える。SF1〜SFpを全て発光させたときに、階調mの表示を行うことができるので、階調(m+1)を表示するためには、SFpよりも長いSFp+1を用いる必要がある。またそれと共に、SFp+1から1階調分の長さ(例えばSF1に相当する長さ)を差し引いた分に相当する、単数または複数のサブフレーム期間を、SF1〜SFpから除いて表示を行う必要がある。よって、階調(m+1)を表示する際に発光するサブフレーム期間の、合計の長さをTm+1とすると、Tm+1は以下の式2で表すことができる。
ここで、Σ(SF1〜SFp+1)に対するSFp+1の割合を、サブフレーム率RSFとすると、RSFは以下の式3で表すことができる。
式3から、以下の式4を導き出すことができる。
また、階調mを表示する場合と、階調(m+1)を表示する場合とで、共に発光するサブフレーム期間の、合計の長さをWm/m+1とすると、Wm/m+1は以下の式5で表すことができる。
よって、式1、式4、式5から、以下の式6が導き出される。
また、階調mを表示する場合と、階調(m+1)を表示する場合とで、共に発光するサブフレーム期間の共有率Rshは、以下の式7のように表される。
よって、式2、式4、式6、式7から、以下の式8が導き出される。
したがって、式8から、以下の式9を導き出すことができる。
よって式9に、共有率Rshの値を代入することで、サブフレーム率RSFの値を導き出すことができる。サブフレーム率RSFはΣ(SF1〜SFp+1)に対するSFp+1の割合である。上記サブフレーム率RSFを用いることで、最も長いサブフレーム期間SFnから順に、各サブフレーム期間の長さを決めることができる。すなわち、共有率Rshにより求められたサブフレーム率RSFに従って複数のサブフレーム期間の数及び長さを決定することができる。
そして、このようなサブフレーム期間に従い、図11(B)に示すように、最初行から最終行の画素へ順に表示が行われる。図11(B)に、サブフレーム期間の長さの比率を示す。
また図11(C)には、消去用走査線駆動回路による走査のタイミングを示している。本実施例では、サブフレーム期間SF1〜SF15、及び反転したサブフレーム期間SF1〜SF15において、消去期間Se1〜Se15をそれぞれ設けている。
図11(D)には、書き込み用の走査線駆動回路による走査のタイミングを示しており、各サブフレーム期間には、書き込み期間Ta1〜Ta16、及び反転した書き込み期間Ta1〜Ta16が設けられている。
また図11(E)に示すように、1つの書き込み期間には、1列走査期間が設けられており、この間に全行(本実施例では324行)を選択する。
また1フレーム期間には、逆方向電圧印加期間(DS)が設けられている。逆方向電圧を発光素子へ印加する結果、発光素子の劣化状態を改善し、信頼性を向上させることができる。
(実施例2)
本実施例では、実施の形態2に示したような、1フレーム期間内に複数のある点が設けられたタイミングチャートにおいて、フレーム周波数60Hz、サブフレーム数48としたときの具体例を示す。
フレーム周波数は60Hzであり、1秒間には、60フレーム存在することになる。このとき、1フレーム期間の長さは、およそ16.67msとなる。1つのフレーム期間には、サブフレーム期間SF1〜SF16と、これらが2回反転した分とを合わせて16×3=48サブフレーム期間が設けられている。これらサブフレームSF1〜SF16はランダムに現れる。本実施例では、SF2、SF4、SF6、SF8、SF10、SF12、SF14、SF16、SF15、SF13、SF11、SF9、SF7、SF5、SF3、SF1の順にサブフレーム期間が現れる。そして、1フレーム期間の1/3のタイミング、及び2/3のタイミングで、サブフレーム期間SF1〜SF16がそれぞれ反転している。図12にはタイミングチャートAを、図13にはタイミングチャートBを示す。本実施例において、図12に示すタイミングチャートと、図13に示すタイミングチャートとが交互に現れる。そして、図12に示すタイミングチャートと、図13に示すタイミングチャートとは、互いに反転した関係を有する。
各サブフレーム期間の長さのそれぞれの比率は、SF1:SF2:SF3:SF4:SF5:SF6:SF7:SF8:SF9:SF10:SF11:SF12:SF13:SF14:SF15:SF16=1:2:4:8:10:10:10:12:12:14:17:21:25:30:36:43となっている。
本実施例では、図12及び図13に示すように、同じ長さを有するサブフレーム期間を複数設けることも特徴とする。これは共有率を考慮した上、サブフレーム期間の長さを決定したためである。なお共有率とは、階調が1段階異なっている2つのフレーム期間において、共通して発光の状態にあるサブフレーム期間の長さの割合である。具体的な共有率を考慮したサブフレーム期間の数や長さの決め方は、実施例1を参照すればよい。
そして、このようなサブフレーム期間に従い、図12(B)、及び図13(B)に示すように、最初行から最終行の画素へ順に表示が行われる。図12(B)、及び図13(B)は、サブフレーム期間の長さの比率を示す。
また図12(C)、及び図13(C)には、消去用走査線駆動回路による走査のタイミングを示している。本実施例では、サブフレーム期間SF1〜SF15、及び反転したサブフレーム期間SF1〜SF15において、消去期間Se1〜Se15をそれぞれ設けている。
図12(D)、及び図13(D)には、書き込み用の走査線駆動回路による走査のタイミングを示しており、各サブフレーム期間には、書き込み期間Ta1〜Ta16、及び反転した書き込み期間Ta1〜Ta16が設けられている。
また図12(E)、及び図13(E)に示すように、1つの書き込み期間には、1列走査期間が設けられており、この間に全行(本実施例では324行)を選択する。
また1フレーム期間には、逆方向電圧印加期間(DS)が設けられている。逆方向電圧を発光素子へ印加する結果、発光素子の劣化状態を改善し、信頼性を向上させることができる。
このように、1フレーム期間で2回反転する場合には、タイミングチャートA(A)と、タイミングチャートB(B)との順番を、奇数フレームにおいてABA、偶数フレームにおいてBABとする。また本実施例に限定されず、奇数フレームにおいてBAB、偶数フレームにおいてABAとしてもよい。すなわち、1フレーム期間を奇数個に分割する場合であっても、本発明の技術思想を適用することができる。そして、このような本発明のタイミングチャートにより擬似輪郭を防止できる。