以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施形態では、本発明の駆動方式を4ビット表示(16階調)の場合、及び6ビット表示(64階調)の場合に適用した例について述べる。
本実施形態の駆動方式は、1つの画素を複数のサブ画素に分割し、点灯しているサブ画素の数や面積を制御して階調を表現する面積階調方式と、1フレームを複数のサブフレームに分割し、各サブフレームに、発光回数や発光時間などの重み付けを行い、重み付けの総量を階調ごとに差を付けることによって階調を表現する時間階調方式を組み合わせるものである。つまり、1つの画素を、m個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割し、m個のサブ画素の面積比を20:21:22:・・・・:2m−3:2m−2:2m−1とする。また、1フレームをn個(nはn≧2の整数)のサブフレームに分割し、n個のサブフレームの点灯期間の長さの比を20:2m:22m:・・・・:2(n−3)m:2(n−2)m:2(n−1)mとする。そして、n個の各サブフレームにおいてm個の各サブ画素の点灯のさせ方を制御することにより、階調を表現する。
まず、4ビット階調(16階調)の場合について考える。始めに、各階調の表現方法、つまり、各階調において、各サブフレームで各サブ画素をどのように点灯させるのかについて説明する。本実施形態では、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4となるように、2個のサブフレーム(SF1、SF2)に分割した場合を例に挙げて説明する。なお、この例は、m=2、n=2に対応する。
ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4とした場合の各階調の表現方法を図1に示す。なお、図1の見方として、各サブフレームにおいて○印がついているサブ画素は点灯し、×印がついているサブ画素は非点灯であることを示している。
本実施の形態では、各サブ画素の面積と各サブフレームの点灯期間の積を、実質的な発光強度と考える。例えば、サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。一方、サブフレーム2(SF2)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は4となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は8となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって階調を表現する。
例えば、階調数1を表現する場合は、サブフレーム1でサブ画素1を点灯させる。階調数2を表現する場合は、サブフレーム1でサブ画素2を点灯させる。階調数3を表現する場合は、サブフレーム1でサブ画素1とサブ画素2を点灯させる。階調数6を表現する場合は、サブフレーム1でサブ画素2を点灯させ、サブフレーム2でサブ画素1を点灯させる。その他の階調数についても同様に、各サブフレームで点灯させる各サブ画素を選択する。
以上のように、各サブフレームで点灯させるサブ画素を選択することにより、4ビット階調(16階調)を表現することができる。
本実施の形態の駆動方式を用いると、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図1において、画素Aでは、階調数7を表示し、画素Bでは、階調数8で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図2に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が8(=8)と感じ、あるときは、階調数が10(=2+8)と感じる。本来は、階調数が7と8に見えるべきであるのに、階調数が8や10に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
なお、各サブフレームにおける点灯期間の長さは1、4であるとしたが、これに限定されない。また、サブフレームの分割数は2個としたが、これに限定されない。
例えば、一般にn個のサブフレームのうち少なくとも1個のサブフレームを、そのサブフレームが有する点灯期間の半分の点灯期間を有する2個のサブフレームにさらに分割してもよい。特に、点灯期間をさらに分割するサブフレームとして、前記n個のサブフレームのうち最長の点灯期間を有するサブフレームを選択してもよい。
つまり、4ビット階調(16階調)の場合、図1において最長の点灯期間4を有するサブフレーム2を、その半分の点灯期間2を有する2個のサブフレームにさらに分割してもよい。そこで、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:2:2となるように、3個のサブフレーム(SF1、SF2、SF3)に分割した例を、図3に示す。ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=2、SF3=2とする。
図3において、サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。一方、サブフレーム2(SF2)及びサブフレーム3(SF3)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2及びサブフレーム3の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の2倍となっているため、発光強度は2となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2及びサブフレーム3の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の2倍となっているため、発光強度は4となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって4ビット階調(16階調)を表現する。
図3のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図3において、画素Aでは、階調数7を表示し、画素Bでは、階調数8で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図4に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が6(=4+2)と感じ、あるときは、階調数が7(=1+2+4)と感じる。本来は、階調数が7と8に見えるべきであるのに、階調数が6や7に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
このように、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、サブフレームの分割数を増やすことにより、目が誤魔化され、視線が動いた場合の階調のずれがより小さくなる。したがって、擬似輪郭を低減させる効果が大きくなる。なお、点灯期間をさらに分割するサブフレームは、最長の点灯期間を有するサブフレームに限定されないが、特に、最長の点灯期間を有するサブフレームをその半分の点灯期間を有する2個のサブフレームにさらに分割した方が、擬似輪郭を低減させる効果がより大きくなるため、より望ましい。
なお、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、分割数を増やすことにより、同じ階調数を表現するための各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法が増える。したがって、各サブフレームにおける各サブ画素の選択方法は、これに限定されない。例えば、階調数8を表現する場合、図3では、サブフレーム2及びサブフレーム3でサブ画素2を点灯させていたが、サブフレーム2でサブ画素1及びサブ画素2を点灯させ、サブフレーム3でサブ画素1を点灯させてもよい。この場合を図5に示す。
なお、図5のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図5において、画素Aでは、階調数7を表示し、画素Bでは、階調数8で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図6に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が7(=1+2+2+2)と感じ、あるときは、階調数が8(=4+2+2)と感じる。本来は、階調数が7と8に見えるべきであり、正しく見えている。よって、従来の駆動方式よりも擬似輪郭が低減される。
このように、擬似輪郭が特に出やすい階調数に対して、選択的に各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えることにより、擬似輪郭を低減させる効果を大きくすることができる。
なお、各サブフレームの点灯期間の順序は、これに限定されない。例えば、図5において、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=2、SF3=2としたが、SF1=2、SF2=1、SF3=2としてもよいし、SF1=2、SF2=2、SF3=1としてもよい。なお、各サブフレームの点灯期間の順序は、点灯期間の昇順もしくは降順となるのが望ましい。なぜならば、各サブフレームの点灯期間の順序を点灯期間の昇順もしくは降順とすることにより、視線が動いたときの階調のずれを、従来の駆動方式よりもより小さくすることができるため、従来の駆動方式よりも擬似輪郭をより低減できるからである。
なお、点灯期間の長さは、全体の階調数(ビット数)や全体のサブフレーム数などにより、適宜変わるものである。よって、点灯期間の長さが同じであっても、全体の階調数(ビット数)や全体のサブフレーム数が変われば、実際に点灯している期間の長さ(例えば、何μsであるか)については、変わる可能性がある。
なお、点灯期間は、ずっと点灯し続ける場合に用いるものであり、点灯回数は、ある時間内において、点滅し続ける場合に用いるものである。点灯回数を用いる代表的なディスプレイは、プラズマディスプレイである。点灯期間を用いる代表的なディスプレイは、有機ELディスプレイである。
なお、本実施形態では、サブ画素の数は2個としていたが、これに限定されない。例えば、1つの画素を3個のサブ画素に分割してもよい。また、各サブ画素の面積比は1:2としていたが、これに限定されない。例えば、1:4に分割してもよいし、1:8に分割してもよい。また、1:2:4に分割してもよい。
例えば、各サブ画素の面積比を1:1とすると、同じサブフレームでどちらのサブ画素を発光させても発光強度は等しくなる。したがって、同じ階調数を表現する際に、どちらのサブ画素を発光させるかを切り換えてもよい。これにより、特定のサブ画素のみ集中して発光することを防ぐことができ、画素の焼き付きを防止できる。
なお、m個(mはm≧2の整数)のサブ画素のうち、m個のサブ画素の面積比を20:21:22:・・・・:2m−3:2m−2:2m−1とし、n個(nはn≧2の整数)のサブフレームのうち、n個のサブフレームの点灯期間の長さの比を20:2m:22m:・・・・:2(n−3)m:2(n−2)m:2(n−1)mとすることにより、少ないサブ画素数及び少ないサブフレーム数で、より多くの階調を表現することが可能となる。また、この方法で表現できる階調は、階調の変化率が一定となるため、よりなめらかな階調表示が可能となり、画質を向上させることができる。
次に、6ビット階調(64階調)の場合について考える。本実施形態では、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4:16となるように、3個のサブフレーム(SF1、SF2、SF3)に分割した場合を例に挙げて説明する。なお、この例は、m=2、n=3に対応する。
ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4、SF3=16とした場合の各階調の表現方法を図7に示す。
サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。一方、サブフレーム2(SF2)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は4となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は8となる。同様に、サブフレーム3(SF3)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム3の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の16倍あるため、発光強度は16となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム3の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の16倍となっているため、発光強度は32となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって6ビット階調(64階調)を表現する。
本発明の駆動方式を用いると、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図7において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図8に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が16(=16)と感じ、あるときは、階調数が45(=1+4+8+32)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が16や45に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
なお、各サブフレームにおける点灯期間の長さは1、4、16であるとしたが、これに限定されない。また、サブフレームの分割数は3個としたが、これに限定されない。
例えば、図7において最長の点灯期間16を有するサブフレーム3を、その半分の点灯期間8を有する2個のサブフレームにさらに分割してもよい。そこで、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4:8:8となるように、4個のサブフレーム(SF1、SF2、SF3、SF4)に分割した例を、図9に示す。ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4、SF3=8、SF4=8とする。
図9において、サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。一方、サブフレーム2(SF2)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は4となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は8となる。同様に、サブフレーム3(SF3)及びサブフレーム4(SF4)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム3及びサブフレーム4の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の8倍となっているため、発光強度は8となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム3及びサブフレーム4の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の8倍となっているため、発光強度は16となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって6ビット階調(64階調)を表現する。
図9のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図9において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図10に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が24(=16+8)と感じ、あるときは、階調数が29(=1+4+8+16)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が24や29に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
このように、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、サブフレームの分割数を増やすことにより、目が誤魔化され、視線が動いた場合の階調のずれがより小さくなる。したがって、擬似輪郭を低減させる効果が大きくなる。なお、点灯期間をさらに分割するサブフレームは、最長の点灯期間を有するサブフレームに限定されないが、特に、最長の点灯期間を有するサブフレームをその半分の点灯期間を有する2個のサブフレームにさらに分割した方が、擬似輪郭を低減させる効果がより大きくなるため、より望ましい。
なお、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、分割数を増やすことにより、同じ階調数を表現するための各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法が増える。したがって、各サブフレームにおける各サブ画素の選択方法は、これに限定されない。例えば、階調数32を表現する場合、図9では、サブフレーム3及びサブフレーム4でサブ画素2を点灯させていたが、サブフレーム3でサブ画素1及びサブ画素2を点灯させ、サブフレーム4でサブ画素1を点灯させてもよい。この場合を図11に示す。
なお、図11のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図11において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図12に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が29(=1+4+8+8+8)と感じ、あるときは、階調数が32(=16+8+8)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が29や32に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
このように、擬似輪郭が特に出やすい階調数に対して、選択的に各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えることにより、擬似輪郭を低減させる効果を大きくすることができる。
なお、本実施形態では、サブ画素の数は2個としていたが、これに限定されない。また、各サブ画素の面積比は1:2としていたが、これに限定されない。
例えば、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2:4となるように、3個のサブ画素(SP1、SP2、SP3)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:8となるように、2個のサブフレーム(SF1、SF2)に分割した例を、図13に示す。ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、SP3=4、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=8とする。なお、この例は、m=3、n=2に対応する。
図13において、サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。また、サブ画素3(SP3)のみが点灯した場合、サブ画素3の面積が4であるため、発光強度は4となる。一方、サブフレーム2(SF2)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の8倍となっているため、発光強度は8となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の8倍となっているため、発光強度は16となる。また、サブ画素3のみが点灯した場合、サブ画素3の面積は4であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の8倍となっているため、発光強度は32となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって6ビット階調(64階調)を表現する。
図13のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図13において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図14に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が16(=16)と感じ、あるときは、階調数が36(=4+32)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が16や36に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
また、図13において最長の点灯期間8を有するサブフレーム2を、その半分の点灯期間4を有する2個のサブフレームにさらに分割してもよい。そこで、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2:4となるように、3個のサブ画素(SP1、SP2、SP3)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4:4となるように、3個のサブフレーム(SF1、SF2、SF3)に分割した例を、図15に示す。ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、SP3=4、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4、SF3=4とする。
図15において、サブフレーム1(SF1)では、サブ画素1(SP1)のみが点灯した場合、サブ画素1の面積が1であるため、発光強度は1となる。また、サブ画素2(SP2)のみが点灯した場合、サブ画素2の面積が2であるため、発光強度は2となる。また、サブ画素3(SP3)のみが点灯した場合、サブ画素3の面積が4であるため、発光強度は4となる。一方、サブフレーム2(SF2)及びサブフレーム3(SF3)では、サブ画素1のみが点灯した場合、サブ画素1の面積は1であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は4となる。また、サブ画素2のみが点灯した場合、サブ画素2の面積は2であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は8となる。また、サブ画素3のみが点灯した場合、サブ画素3の面積は4であるが、サブフレーム2の点灯期間がサブフレーム1の点灯期間の4倍となっているため、発光強度は16となる。このように、サブ画素の面積とサブフレームの点灯期間の組合せによって、異なる発光強度を作り出すことができ、この発光強度でもって6ビット階調(64階調)を表現する。
図15のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図15において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図16に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が27(=1+2+8+16)と感じ、あるときは、階調数が28(=16+8+4)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が27や28に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
このように、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、サブフレームの分割数を増やすことにより、目が誤魔化され、視線が動いた場合の階調のずれがより小さくなる。したがって、擬似輪郭を低減させる効果が大きくなる。なお、点灯期間をさらに分割するサブフレームは、最長の点灯期間を有するサブフレームに限定されないが、特に、最長の点灯期間を有するサブフレームをその半分の点灯期間を有する2個のサブフレームにさらに分割した方が、擬似輪郭を低減させる効果がより大きくなるため、より望ましい。
なお、各サブフレームの点灯期間をより短くしたり、分割数を増やすことにより、同じ階調数を表現するための各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法が増える。したがって、各サブフレームにおける各サブ画素の選択方法は、これに限定されない。例えば、階調数32を表現する場合、図15では、サブフレーム2及びサブフレーム3でサブ画素3を点灯させていたが、サブフレーム2でサブ画素1及びサブ画素3を点灯させ、サブフレーム3でサブ画素1及びサブ画素2を点灯させてもよい。この場合を図17に示す。
なお、図17のような駆動方式を用いて、擬似輪郭を低減させることができる。例えば、図17において、画素Aでは、階調数31を表示し、画素Bでは、階調数32で表示しているとする。その場合の、各サブフレームにおける各サブ画素の点灯・非点灯の状態を、図18に示す。例えば、視線が動いたとすると、視線の追い方によって、あるときは階調数が27(=1+2+8+4+4+8)と感じ、あるときは、階調数が32(=16+4+8+4)と感じる。本来は、階調数が31と32に見えるべきであるのに、階調数が27や32に見えてしまい、擬似輪郭が発生してしまう。しかし、階調のずれが従来の駆動方式よりも小さくなるため、擬似輪郭が低減される。
このように、擬似輪郭が特に出やすい階調数に対して、選択的に各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えることにより、擬似輪郭を低減させる効果を大きくすることができる。
なお、サブ画素の番号と面積の対応は、これに限定されない。例えば、図15において、各サブ画素の面積をSP1=1、SP2=2、SP3=4としたが、SP1=1、SP2=4、SP3=2としてもよいし、SP1=2、SP2=1、SP3=4としてもよいし、SP1=4、SP2=2、SP3=1としてもよい。
このように、本発明の駆動方式を用いることにより、サブフレーム数を多くせずに、擬似輪郭を低減したり、階調数を大きくして表示させることが可能となる。また、従来の時間階調方式に比べて、サブフレームの個数を少なくすることができるため、各サブフレーム点灯期間を長く設けることができる。これにより、デューティー比を向上させることができ、発光素子にかかる電圧が小さくなる。したがって、消費電力を低減でき、発光素子の劣化も少なくなる。
なお、ある階調において、各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を時間的に、または、場所的に変更してもよい。つまり、時刻によって、各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えてもよいし、画素によって、各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えてもよい。さらに、時刻によって変えて、かつ、画素によっても変えてもよい。
例えば、ある階調を表現するとき、フレーム数が奇数番目のときと、偶数番目のときとで、各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を変えてもよい。例えば、6ビット階調(64階調)の場合、フレーム数が奇数番目のときは、図15に示したサブ画素の選択方法で階調を表現し、偶数番目のときは、図17に示したサブ画素の選択方法で階調を表現してもよい。このように、擬似輪郭が特に出やすい階調数に対するサブ画素の選択方法を、フレーム数が奇数番目のときと、偶数番目のときとで変えることにより、擬似輪郭を低減することができる。
なお、ここでは、擬似輪郭が特に出やすい階調数に対するサブフレームの選択方法を変えたが、任意の階調数に対して、サブ画素の選択方法を変えてもよい。
また、ある階調を表現するとき、奇数行目の画素を表示するときと、偶数行目の画素を表示するときとで、各サブフレームにおけるサブ画素の選択の仕方を変えてもよい。また、ある階調を表現するとき、奇数列目の画素を表示するときと、偶数列目の画素を表示するときとで、各サブフレームにおけるサブ画素の選択の仕方を変えてもよい。
また、ある階調を表現するとき、フレーム数が奇数番目のときと、偶数番目のときとで、サブフレームの分割数や点灯期間の比率を変えてもよい。例えば、6ビット階調(64階調)の場合、フレーム数が奇数番目のときは、サブフレームの点灯期間の比率を1:8とした図13のようなサブ画素の選択方法で階調を表現し、フレーム数が偶数番目のときは、サブフレームの点灯期間の比率を1:4:4とした図15のようなサブ画素の選択方法で階調を表現してもよい。
なお、各サブフレームの点灯期間の順序は、時刻によって変化してもよい。例えば、1フレーム目と2フレーム目とで、サブフレームの点灯期間の順序が変わってもよい。また、サブフレームの点灯期間の順序は、場所によって変わってもよい。例えば、画素Aと画素Bとで、サブフレームの点灯期間の順序が変わってもよい。また、それらを組み合わせて、サブフレームの点灯期間の順序が、時刻によって変化して、かつ、場所によって変化してもよい。例えば、図15において、フレーム数が奇数番目のときは、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4、SF3=4とし、フレーム数が偶数番目のときは、SF1=4、SF2=1、SF3=4としてもよい。
なお、本実施形態では、4ビット階調(16階調)や6ビット階調(64階調)の場合を例に挙げたが、表示する階調数はこれに限定されない。例えば、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4:16:32:32となるように、5個のサブフレーム(SF1〜SF5)に分割すると、8ビット階調(256階調)を表現することができる。この場合の各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を図19、図66、図67、図68に示す。図19は階調数0〜63、図66は階調数64〜127、図67は階調数128〜191、図68は階調数192〜255におけるサブ画素の選択方法を示す。
これまでは、階調数が増えると、それに線形に比例して点灯期間が増えている場合について述べた。そこで本実施形態では、ガンマ補正を行った場合について述べる。ガンマ補正とは、階調数が増えると、非線形で点灯期間が増えていくようにしたものを指す。人間の目は、輝度が線形に比例して大きくなっても、比例して明るくなっているとは感じない。輝度が高くなるほど、明るさの差を感じにくくなっている。よって、人間の目で、明るさの差を感じるようにするためには、階調数が増えていくにしたがって、点灯期間をより長くとる、つまり、ガンマ補正を行う必要がある。なお、階調数をx、輝度をyとすると、輝度と階調数の関係は、以下の(1)式で表される。
y = A×xγ ・・・・ (1)
ただし、(1)式において、Aは、輝度yを0≦y≦1に規格化するための定数である。ここで、階調数xの指数であるγがガンマ補正の程度を示すパラメータとなっている。
最も単純な方法は、実際に表示するビット数(階調数)よりも、多くのビット数(階調数)で表示できるようにしておく、というものである。例えば、6ビット階調(64階調)で表示を行うとき、実際には、8ビット階調(256階調)を表示できるようにしておく。そして、実際に表示するときには、階調数の輝度が非線形になるようにして、6ビット階調(64階調)で表示する。これにより、ガンマ補正を実現出来る。
一例として、6ビット階調(64階調)を表示できるようにしておいて、ガンマ補正を行って5ビット階調(32階調)を表示する場合の各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を図20に示す。図20は、全階調にわたってγ=2.2となるようなガンマ補正を行って5ビット階調(32階調)を表示する場合の各サブフレームにおけるサブ画素の選択方法を示している。なお、γ=2.2という値は人間の視覚特性を最もよく補うような値となっており、輝度が高くなっても、最も適切な明るさの差を感じることができるようになる。図20では、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が3までは、実際には6ビットの階調数0のサブフレームの選択方法で点灯させる。同様に、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が4のときは、実際には6ビットの階調数1で表示させ、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が6のときは、実際には6ビットの階調数2で表示させる。また、階調数xと輝度yのグラフを図21に示す。図21(A)は、全階調での階調数xと輝度yの関係を示し、図21(B)は、低階調側での階調数xと輝度yのグラフを示す。このように、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数と、6ビットでの階調数との対応表を作成し、それに応じて、表示させればよい。これにより、γ=2.2となるようなガンマ補正を実現出来る。
ただし、図21(B)から分かるように、図20の場合、階調数0〜階調数3や、階調数4〜階調数5、階調数6〜階調数7までは、同じ輝度で表示させることになる。なぜなら、6ビット表示では階調数が十分でないため、輝度の違いを表現できないからである。これを対策する方法として、次の2つが考えられる。
1つ目の方法は、表示できるビット数をさらに増やすことである。6ビットではなく、7ビット以上、好ましくは8ビット以上で表示できるようにする。その結果、低階調領域においてもなめらかな表示を行うことができる。
2つ目の方法は、低階調領域ではγ=2.2の関係を満足しないが、輝度が線形で変化するようにして、なめらかに表示させる方法である。この場合のサブフレームの選択方法を図22に示す。図22では、5ビットでの階調数が17までは、6ビットでの階調数と同じである。しかし、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が18のときは、実際には6ビットの階調数19のサブフレームの選択方法で点灯させる。同様に、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が19のときは、実際には6ビットの階調数21で表示させ、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数が20のときは、実際には6ビットの階調数24で表示させる。また、階調数xと輝度yのグラフを図23に示す。図23(A)は、全階調での階調数xと輝度yの関係を示し、図23(B)は、低階調側での階調数xと輝度yのグラフを示す。低階調領域では、輝度が線形に変化している。このようなガンマ補正を行うことにより、低階調側がよりなめらかに表示できるようになる。
つまり、低階調領域については、輝度を線形に比例するように変化させ、それ以外の階調領域(高階調領域)については、輝度を非線形に変化させることにより、低階調領域がよりなめらかに表示できるようになる。
なお、ガンマ補正済みの5ビットでの階調数と、6ビットでの階調数との対応表は、適宜変更することが可能である。よって、対応表を変更することにより、ガンマ補正の程度(すなわち、γの値)を容易に変更することが可能である。よって、γ=2.2に限定されない。
また、何ビット(例えばpビット、ここでpは整数)を表示できるようにしておいて、ガンマ補正済みで何ビット(例えばqビット、ここでqは整数)で表示するのかについても、これに限定されない。ガンマ補正済みで表示する場合、階調をなめらかに表現するためには、ビット数pを出来るだけ大きくしておくことが望ましい。ただし、あまり大きくしすぎると、サブフレーム数が多くなってしまうなど、弊害も出てきてしまう。よって、ビット数qとビット数pとの関係は、q+2≦p≦q+5、とすることが望ましい。これにより、階調をなめらかに表現しつつ、サブフレーム数も増えすぎない、ということを実現できる。
(実施の形態2)
本実施形態では、タイミングチャートの例について述べる。本実施形態では、1つの画素を、各サブ画素の面積比が1:2となるように、2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割し、1フレームを、各サブフレームの点灯期間の比率が1:4:16となるように、3個のサブフレーム(SF1、SF2、SF3)に分割した場合(図7)を例に挙げて説明する。
ここで、各サブ画素の面積を、SP1=1、SP2=2、各サブフレームの点灯期間をSF1=1、SF2=4、SF3=16とする。
まず、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されている場合のタイミングチャートを図24に示す。
なお、タイミングチャートとは、1フレームでの画素の発光のタイミングを示す図であり、横方向は時間、縦方向は画素が配置されている行を示している。
まず、信号書き込み期間において、1画面分の信号を全画素に入力する。この間は、画素は点灯しない。信号書き込み期間が終了したのち、点灯期間が始まり、画素が点灯する。そのときの点灯期間の長さは、1である。次に、次のサブフレームが始まり、信号書き込み期間において、1画面分の信号を全画素に入力する。この間は、画素は点灯しない。信号書き込み期間が終了したのち、点灯期間が始まり、画素が点灯する。そのときの点灯期間の長さは、4である。
同様のことを繰り返すことにより、点灯期間の長さが、1、4、16という順序で配置される。
このように、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されている駆動方法は、プラズマディスプレイに適用することが好適である。なお、プラズマディスプレイに用いる場合は、初期化の動作などが必要になる。しかしながら、図24では、簡単のため、省略している。
また、この駆動方法は、ELディスプレイ(有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ又は無機と有機とを含む素子からなるディスプレイなど)やフィールドエミッションディスプレイやデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用いたディスプレイなどに適用することも好適である。
その場合の画素構成を図25に示す。図25は、走査線を複数設け、どの走査線を選択するかを制御して、発光させる発光素子の数を変えることにより、階調を表現する場合の構成例である。なお、図25では、各サブ画素の面積を発光素子の数で表現している。したがって、サブ画素1には発光素子を1個、サブ画素2には発光素子を2個記載している。
まず、図25に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ2511、第1の駆動トランジスタ2513、第1の保持容量2512、信号線2515、第1の電源線2516、第1の走査線2517、第1の発光素子2514、第2の電源線2518から構成される。
第1の選択トランジスタ2511は、ゲート電極が、第1の走査線2517に接続され、第1の電極が、信号線2515に接続され、第2の電極が、第1の保持容量2512の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ2513のゲート電極と接続される。第1の保持容量2512は、第1の電極が、第1の電源線2516に接続される。第1の駆動トランジスタ2513は、第1の電極が、第1の電源線2516に接続され、第2の電極が、第1の発光素子2514の第1の電極に接続される。第1の発光素子2514は、第2の電極が、第2の電源線2518に接続される。
サブ画素2は、第2の選択トランジスタ2521、第2の駆動トランジスタ2523、第2の保持容量2522、信号線2515、第1の電源線2516、第2の走査線2527、第2の発光素子2524、第3の電源線2528から構成される。なお、サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
次に、図25に示した画素の動作について説明する。ここでは、サブ画素1の動作について説明する。第1の走査線2517の電位を高くすることにより、第1の走査線2517を選択し、第1の選択トランジスタ2511をオン状態にして、信号線2515から信号を第1の保持容量2512に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ2513の電流が制御され、第1の電源線2516から、第1の発光素子2514に電流が流れる。なお、サブ画素2の動作については、サブ画素1の動作と同様であるため、説明を割愛する。
このとき、第1及び第2の走査線のうち、どの走査線を選択するかによって、発光する発光素子の数が変化する。例えば、第1の走査線2517のみを選択した場合は、第1の選択トランジスタ2511のみがオン状態となり、第1の駆動トランジスタ2513のみの電流が制御されるため、第1の発光素子2514のみが発光する。つまり、サブ画素1のみ発光する。一方、第2の走査線2527のみを選択した場合は、第2の選択トランジスタ2521のみがオン状態となり、第2の駆動トランジスタ2523のみの電流が制御されるため、第2の発光素子2524のみが発光する。つまり、サブ画素2のみ発光する。また、第1及び第2の走査線2517、2527の両方を選択すると、第1及び第2の選択トランジスタ2511、2521がオン状態となり、第1及び第2の駆動トランジスタ2513、2523の電流が制御されるため、第1及び第2の発光素子2514、2524の両方が発光する。つまり、サブ画素1とサブ画素2の両方が発光する。
なお、信号書き込み期間においては、第2及び第3の電源線2518、2528の電位を制御することにより、発光素子2514、2524に電圧が加わらないようにしておく。例えば、SP1の場合、第2の電源線2518をフローティングにすればよい。もしくは、第2の電源線2518の電位を信号線2515の電位よりも、第1の駆動トランジスタ2513の閾値電圧分だけ低くすればよい。また、第2の電源線2518の電位を信号線2515の電位と同程度、もしくはそれよりも高くしてもよい。その結果、信号書き込み期間において、発光素子2514が点灯することを避けることが出来る。なお、SP2についても同様である。
なお、第2の電源線2518と第3の電源線2528は、それぞれ別の配線でもよいし、共通の配線でもよい。
なお、1つの画素をm個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割する場合、図25に示した画素構成を実現するためには、1つの画素が有する走査線の本数を2本以上m本以下とし、m個のサブ画素のうち少なくとも1個のサブ画素が有する選択トランジスタを、他のサブ画素が有する選択トランジスタと異なる走査線と接続すればよい。
なお、図25は、走査線を複数設け、どの走査線を選択するかを制御して、発光させる発光素子の数を変えることにより、階調を表現する場合の構成例であったが、信号線を複数設け、どの信号線にどのような信号を入力するかを制御して、発光させる発光素子の数を変えることにより、階調を表現ことも可能である。この場合の構成例を図26に示す。
まず、図26に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ2611、第1の駆動トランジスタ2613、第1の保持容量2612、第1の信号線2615、第1の電源線2616、走査線2617、第1の発光素子2614、第2の電源線2618から構成される。
第1の選択トランジスタ2611は、ゲート電極が、走査線2617に接続され、第1の電極が、第1の信号線2615に接続され、第2の電極が、第1の保持容量2612の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ2613のゲート電極と接続される。第1の保持容量2612は、第1の電極が、第1の電源線2616に接続される。第1の駆動トランジスタ2613は、第1の電極が、第1の電源線2616に接続され、第2の電極が、第1の発光素子2614の第1の電極に接続される。第1の発光素子2614は、第2の電極が、第2の電源線2618に接続される。
サブ画素2は、第2の選択トランジスタ2621、第2の駆動トランジスタ2623、第2の保持容量2622、第2の信号線2625、第1の電源線2616、走査線2627、第2の発光素子2624、第3の電源線2628から構成される。サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
次に、図26に示した画素の動作について説明する。ここでは、サブ画素1の動作について説明する。走査線2617の電位を高くすることにより、走査線2617を選択し、第1の選択トランジスタ2611をオン状態にして、第1の信号線2615から信号を第1の保持容量2612に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ2613の電流が制御され、第1の電源線2616から第1の発光素子2614に電流が流れる。なお、サブ画素2の動作については、サブ画素1の動作と同様であるため、説明を割愛する。
このとき、第1及び第2の信号線2615、2625に入力する信号によって、発光する発光素子の数が変化する。例えば、第1の信号線2615にLoの信号を入力し、第2の信号線2625にHiの信号を入力すると、第1の駆動トランジスタ2613のみがオン状態となるため、第1の発光素子2614のみが発光する。つまり、サブ画素1のみが発光する。一方、第1の信号線2615にHiの信号を入力し、第2の信号線2625にLoの信号を入力すると、第2の駆動トランジスタ2623のみがオン状態となるため、第2の発光素子2624のみが発光する。つまり、サブ画素2のみが発光する。また、第1及び第2の信号線2615、2625にLoの信号を入力すると、第1及び第2の駆動トランジスタ2613、2623が共にオン状態となるため、第1及び第2の発光素子2614、2624が発光する。つまり、サブ画素1とサブ画素2の両方が発光する。
なお、1つの画素をm個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割する場合、図26に示した画素構成を実現するためには、1つの画素が有する信号線の本数を2本以上m本以下とし、m個のサブ画素のうち少なくとも1個のサブ画素が有する選択トランジスタを、他のサブ画素が有する選択トランジスタと異なる信号線と接続すればよい。
なお、図25、図26では、各サブ画素には共通の電源線(第1の電源線2518、2618)が接続されていたが、図25、図26における第1の電源線に相当する電源線を複数設け、サブ画素に加える電源電圧を変えてもよい。例えば、図25において、第1の電源線に相当する電源線を2本にした場合の構成例を図27に示す。
まず、図27に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ2711、第1の駆動トランジスタ2713、第1の保持容量2712、信号線2715、第1の電源線2716、第1の走査線2717、第1の発光素子2714、第2の電源線2718から構成される。
第1の選択トランジスタ2711は、ゲート電極が、第1の走査線2717に接続され、第1の電極が、信号線2715に接続され、第2の電極が、第1の保持容量2712の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ2713のゲート電極と接続される。第1の保持容量2712は、第1の電極が、第1の電源線2716に接続される。第1の駆動トランジスタ2713は、第1の電極が、第1の電源線2716に接続され、第2の電極が、第1の発光素子2714の第1の電極に接続される。第1の発光素子2714は、第2の電極が、第2の電源線2718に接続される。
サブ画素2は、第2の選択トランジスタ2721、第2の駆動トランジスタ2723、第2の保持容量2722、信号線2715、第4の電源線2736、第2の走査線2727、第2の発光素子2724、第3の電源線2728から構成される。なお、サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
ここで、第1及び第4の電源線2716、2736に印加する電圧を制御することにより、第1及び第2の発光素子2714、2724に流れる電流を制御することができる。その結果、各サブ画素の発光強度を変えることができ、これにより階調を表現することができる。
なお、1つの画素をm個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割する場合、図27に示した画素構成を実現するためには、1つの画素が有する図25、図26における第1の電源線に相当する電源線の本数を2本以上m本以下とし、m個のサブ画素のうち少なくとも1個のサブ画素が有する駆動トランジスタを、他のサブ画素が有する駆動トランジスタと異なる前記電源線と接続すればよい。
次に、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されていない場合のタイミングチャートを図28に示す。各行において、信号書き込み動作を行うと、すぐに点灯期間が開始する。
ある行において、信号を書き込み、所定の点灯期間が終了したのち、次のサブフレームにおける信号の書き込み動作を開始する。これを繰り返すことにより、点灯期間の長さが、1、4、16という順序で配置される。
このようにすることにより、信号の書き込み動作が遅くても、1フレーム内にたくさんのサブフレームを配置することが可能となる。
このような駆動方法は、プラズマディスプレイに適用することが好適である。なお、プラズマディスプレイに用いる場合は、初期化の動作などが必要になるが、図28では、簡単のため、省略している。
また、この駆動方法は、ELディスプレイやフィールドエミッションディスプレイやデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用いたディスプレイなどに適用することも好適である。
ここで、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されていない駆動方法を実現するための画素構成を図29に示す。なお、このような駆動方法を実現するためには、同時に複数の行を選択することが可能でなければならない。
まず、図29に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ2911、第2の選択トランジスタ2921、第1の駆動トランジスタ2913、第1の保持容量2912、第1の信号線2915、第2の信号線2925、第1の電源線2916、第1の走査線2917、第2の走査線2927、第1の発光素子2914、第2の電源線2918から構成される。
第1の選択トランジスタ2911は、ゲート電極が、第1の走査線2917に接続され、第1の電極が、第1の信号線2915に接続され、第2の電極が、第2の選択トランジスタ2921の第2の電極、及び第1の保持容量2912の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ2913のゲート電極と接続される。第2の選択トランジスタ2921は、ゲート電極が、第2の走査線2927に接続され、第1の電極が、第2の信号線2925に接続される。第1の保持容量2912は、第1の電極が、第1の電源線2916に接続される。第1の駆動トランジスタ2913は、第1の電極が、第1の電源線2916に接続され、第2の電極が、第1の発光素子2914の第1の電極に接続される。第1の発光素子2914は、第2の電極が、第2の電源線2918に接続される。
サブ画素2は、第3の選択トランジスタ2931、第4の選択トランジスタ2941、第2の駆動トランジスタ2923、第2の保持容量2922、第1の信号線2915、第2の信号線2925、第1の電源線2916、第3の走査線2937、第4の走査線2947、第2の発光素子2924、第3の電源線2928から構成される。サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
次に、図29に示した画素の動作について説明する。ここでは、サブ画素1の動作について説明する。第1の走査線2917の電位を高くすることにより、第1の走査線2917を選択し、第1の選択トランジスタ2911をオン状態にして、第1の信号線2915から信号を第1の保持容量2912に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ2913の電流が制御され、第1の電源線2916から、第1の発光素子2914に電流が流れる。同様に、第2の走査線2927の電位を高くすることにより、第2の走査線2927を選択し、第2の選択トランジスタ2921をオン状態にして、第2の信号線2925から信号を第1の保持容量2912に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ2913の電流が制御され、第1の電源線2916から、第1の発光素子2914に電流が流れる。なお、サブ画素2の動作については、サブ画素1の動作と同様であるため、説明を割愛する。
第1の走査線2917と第2の走査線2927とは、別々に制御出来る。同様に、第3の走査線2937と第4の走査線2947とは、別々に制御出来る。また、第1の信号線2915と第2の信号線2925とは、別々に制御出来る。よって、同時に2行分の画素に信号を入力することが可能であるため、図28のような駆動法が実現出来る。
なお、図25の回路を用いて、図28のような駆動法を実現することも可能である。その場合のタイミングチャートを図30に示す。図30に示すように、1ゲート選択期間を複数(図30では2つ)のサブゲート選択期間に分割する。そして、各サブゲート選択期間内で、各々の走査線の電位を高くすることにより、各々の走査線を選択し、その時に対応する信号を信号線2515に入力する。例えば、ある1ゲート選択期間において、前半はi行目を選択し、後半はj行目を選択する。すると、1ゲート選択期間において、あたかも同時に2行分を選択したかのように動作させることが可能となる。
なお、このような駆動方法の詳細については、例えば、特開2001−324958号公報等に記載されており、その内容を本願と組み合わせて適用することが出来る。
なお、図29では、走査線と信号線を複数設けた例を示したが、信号線を1本にし、第1〜第4の選択トランジスタの第1の電極を信号線に接続してもよい。また、図29における第1の電源線に相当する電源線を複数設けてもよい。
次に、画素の信号を消去する動作を行う場合のタイミングチャートを図31に示す。各行において、信号書き込み動作を行い、次の信号書き込み動作が来る前に、画素の信号を消去する。このようにすることにより、点灯期間の長さを容易に制御できるようになる。
ある行において、信号を書き込み、所定の点灯期間が終了したのち、次のサブフレームにおける信号の書き込み動作を開始する。もし、点灯期間が短い場合は、信号消去動作を行い、強制的に非点灯状態にする。このようなことを繰り返すことにより、点灯期間の長さが、1、4、16という順序で配置される。
なお、図31では、点灯期間が1と4の場合において、信号消去動作を行っているが、これに限定されない。他の点灯期間においても、消去動作を行ってもよい。
このようにすることにより、信号の書き込み動作が遅くても、1フレーム内にたくさんのサブフレームを配置することが可能となる。また、消去動作を行う場合は、消去用のデータをビデオ信号と同様に取得する必要がないため、ソースドライバの駆動周波数も低減出来る。
このような駆動方法は、プラズマディスプレイに適用することが好適である。なお、プラズマディスプレイに用いる場合は、初期化の動作などが必要になるが、図31では、簡単のため、省略している。
また、この駆動方法は、ELディスプレイやフィールドエミッションディスプレイやデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用いたディスプレイなどに適用することも好適である。
ここで、消去動作を行う場合の画素構成を図32に示す。図32に示す画素は、消去トランジスタを用いて消去動作を行う場合の構成例である。
まず、図32に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ3211、第1の駆動トランジスタ3213、第1の消去トランジスタ3219、第1の保持容量3212、信号線3215、第1の電源線3216、第1の走査線3217、第2の走査線3227、第1の発光素子3214、第2の電源線3218から構成される。
第1の選択トランジスタ3211は、ゲート電極が、第1の走査線3217に接続され、第1の電極が、信号線3215に接続され、第2の電極が、第1の消去トランジスタ3219の第2の電極、及び第1の保持容量3212の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ3213のゲート電極と接続される。第1の消去トランジスタ3219は、ゲート電極が、第2の走査線3227に接続され、第1の電極が、第1の電源線3216に接続される。第1の保持容量3212は、第1の電極が、第1の電源線3216に接続される。第1の駆動トランジスタ3213は、第1の電極が、第1の電源線3216に接続され、第2の電極が、第1の発光素子3214の第1の電極に接続される。第1の発光素子3214は、第2の電極が、第2の電源線3218に接続される。
サブ画素2は、第2の選択トランジスタ3221、第2の駆動トランジスタ3223、第2の消去トランジスタ3229、第2の保持容量3222、信号線3215、第1の電源線3216、第3の走査線3237、第4の走査線3247、第2の発光素子3224、第3の電源線3228から構成される。サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
次に、図32に示した画素の動作について説明する。ここでは、サブ画素1の動作について説明する。第1の走査線3217の電位を高くすることにより、第1の走査線3217を選択し、第1の選択トランジスタ3211をオン状態にして、信号線3215から信号を第1の保持容量3212に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ3213、の電流が制御され、第1の電源線3216から第1の発光素子3214に電流が流れる。
信号を消去したい場合は、第2の走査線3227の電位を高くすることにより、第2の走査線3227を選択し、第1の消去トランジスタ3219をオン状態にして、第1の駆動トランジスタ3213がオフ状態になるようにする。すると、第1の発光素子3214には、電流が流れないようになる。その結果、非点灯期間を作ることができ、点灯期間の長さを自由に制御できるようになる。
なお、サブ画素2の動作は、サブ画素1の動作と同様であるため、説明を割愛する。
図32では、消去トランジスタ3219、3229を用いていたが、別の方法を用いることも出来る。なぜなら、強制的に非点灯期間をつくればよいので、発光素子3214、3224に電流が供給されないようにすればよいからである。よって、第1の電源線3216から、発光素子3214、3224を通って、第2及び第3の電源線3218、3228に電流が流れる経路のどこかに、スイッチを配置して、そのスイッチのオンオフを制御して、非点灯期間を作ればよい。あるいは、駆動トランジスタ3213、3223のゲート・ソース間電圧を制御して、駆動トランジスタが強制的にオフになるようにすればよい。
ここで、駆動トランジスタを強制的にオフにする場合の画素構成の例を図33に示す。図33に示した画素は、消去ダイオードを用いて駆動トランジスタを強制的にオフにする場合の構成例である。
まず、図33に示した画素の構成について説明する。サブ画素1は、第1の選択トランジスタ3311、第1の駆動トランジスタ3313、第1の保持容量3312、信号線3315、第1の電源線3316、第1の走査線3317、第2の走査線3327、第1の発光素子3314、第2の電源線3318、第1の消去ダイオード3319から構成される。
第1の選択トランジスタ3311は、ゲート電極が、第1の走査線3317に接続され、第1の電極が、信号線3315に接続され、第2の電極が、第1の消去ダイオード3319の第2の電極、及び第1の保持容量3312の第2の電極、及び第1の駆動トランジスタ3313のゲート電極と接続される。第1の消去ダイオード3319は、第1の電極が、第2の走査線3327に接続される。第1の保持容量3312は、第1の電極が、第1の電源線3316に接続される。第1の駆動トランジスタ3313は、第1の電極が、第1の電源線3316に接続され、第2の電極が、第1の発光素子3314の第1の電極に接続される。第1の発光素子3314は、第2の電極が、第2の電源線3318に接続される。
サブ画素2は、第2の選択トランジスタ3321、第2の駆動トランジスタ3323、第2の保持容量3322、信号線3315、第1の電源線3316、第3の走査線3337、第4の走査線3347、第2の発光素子3324、第3の電源線3328、第2の消去ダイオード3329から構成される。サブ画素2の各素子及び配線の接続は、サブ画素1と同様であるため、説明を割愛する。
次に、図33に示した画素の動作について説明する。ここでは、サブ画素1の動作について説明する。第1の走査線3317の電位を高くすることにより、第1の走査線3317を選択し、第1の選択トランジスタ3311をオン状態にして、信号線3315から信号を第1の保持容量3312に入力する。すると、その信号に応じて、第1の駆動トランジスタ3313の電流が制御され、第1の電源線3316から第1の発光素子3314に電流が流れる。
信号を消去したい場合は、第2の走査線3327の電位を高くすることにより、第2の走査線3327を選択し、第1の消去ダイオード3319がオンして、第2の走査線3327から第1の駆動トランジスタ3313のゲート電極へ電流が流れるようにする。その結果、第1の駆動トランジスタ3313がオフ状態になる。すると、第1の電源線3316から第1の発光素子3314に電流が流れないようになる。その結果、非点灯期間を作ることができ、点灯期間の長さを自由に制御できるようになる。
信号を保持しておきたい場合は、第2の走査線3327の電位を低くすることにより、第2の走査線3327を非選択しておく。すると、第1の消去ダイオード3319がオフするので、第1の駆動トランジスタ3313のゲート電位は保持される。
なお、サブ画素2の動作は、サブ画素1の動作と同様であるため、説明を割愛する。
なお、消去ダイオード3319、3329は、整流性がある素子であれば、なんでもよい。PN型ダイオードでもよいし、PIN型ダイオードでもよいし、ショットキー型ダイオードでもよいし、ツェナー型ダイオードでもよい。
また、ダイオード接続(ゲートとドレインを接続)されたトランジスタを用いてもよい。その場合の回路図を図34に示す。第1及び第2の消去ダイオード3319、3329として、ダイオード接続されたトランジスタ3419、3429を用いている。なお、図34では、ダイオード接続されたトランジスタとしてNチャネル型を用いているが、これに限定されない。Pチャネル型を用いてもよい。
なお、さらに別の回路として、図25の回路を用いて、図31のような駆動法を実現することも可能である。その場合のタイミングチャートを図30に示す。図30に示すように、1ゲート選択期間を複数(図30では2つ)のサブゲート選択期間に分割する。そして、各サブゲート選択期間内で、各々の走査線の電位を高くすることにより、各々の走査線を選択し、その時に対応する信号(ビデオ信号と消去するための信号)を信号線2515に入力する。例えば、i行目の画素には信号を書き込み、j行目の画素では信号を消去する場合、ある1ゲート選択期間において、前半のサブゲート選択期間ではi行目を選択し、後半のサブゲート選択期間ではj行目を選択する。そして、i行目が選択されているときは、i行目の画素に入力すべきビデオ信号を信号線2515に入力する。一方、j行目が選択されているときは、j行目の画素の駆動トランジスタがオフするような信号を信号線2515に入力する。すると、1ゲート選択期間において、あたかも同時に2行分を選択したかのように動作させることが可能となる。
なお、このような駆動方法の詳細については、例えば、特開2001−324958号公報等に記載されており、その内容を本願と組み合わせて適用することが出来る。
なお、図32〜図34では、走査線を複数設けた例を示したが、信号線を複数設けてもよいし、図32〜図34における第1の電源線に相当する電源線を複数設けてもよい。
なお、本実施の形態において示したタイミングチャートや画素構成や駆動方法は、一例であり、これに限定されない。様々なタイミングチャートや画素構成や駆動方法に適用することが可能である。また、本実施形態で示した画素構成において、トランジスタの極性は、これに限定されない。
なお、本実施の形態において、1フレーム内に、点灯期間や信号書き込み期間や非点灯期間が配置されていたが、これに限定されない。それ以外の動作期間が配置されていてもよい。例えば、発光素子に加える電圧を、通常とは逆の極性のものにするような期間、いわゆる、逆バイアス期間を設けてもよい。逆バイアス期間を設けることにより、発光素子の信頼性が向上する場合がある。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施形態では、本発明の表示装置における画素のレイアウトについて述べる。例として、図25に示した回路図について、そのレイアウト図を図35に示す。なお、回路図やレイアウト図は、図25や図35に限定されない。
図35では、第1及び第2の選択トランジスタ3511、3521、第1及び第2の駆動トランジスタ3513、3523、第1及び第2の保持容量3512、3522、第1及び第2の発光素子の電極3514、3524、信号線3515、電源線3516、第1及び第2の走査線3517、3527が配置されている。サブ画素1(SP1)について、第1の選択トランジスタ3511のソース電極とドレイン電極は各々、信号線3515と第1の駆動トランジスタ3513のゲート電極に接続されている。第1の選択トランジスタ3511のゲート電極は、第1の走査線3517に接続されている。第1の駆動トランジスタ3513のソース電極とドレイン電極は各々、電源線3516と第1の発光素子の電極3514に接続されている。第1の保持容量3512は、第1の駆動トランジスタ3513のゲート電極と電源線3516の間に接続されている。サブ画素2(SP2)についても、同様の接続関係がなされている。そして、第1及び第2の発光素子の電極3514、3524の面積比が1:2となっている。
信号線3515、電源線3516は、第2配線によって形成され、第1及び第2の走査線3517、3527は、第1配線によって形成されている。
図36には、サブ画素の面積比を1:2:4にした場合の画素のレイアウト図を示す。図36では、第1、第2及び第3の選択トランジスタ3611、3621、3631、第1、第2及び第3の駆動トランジスタ3613、3623、3633、第1、第2及び第3の保持容量3612、3622、3632、第1、第2及び第3の発光素子の電極3614、3624、3634、信号線3615、電源線3616、第1、第2及び第3の走査線3617、3627、3637が配置されている。そして、第1、第2及び第3の発光素子の電極3614、3624、3634の面積比が1:2:4となっている。
トップゲート構造の場合は、基板、半導体層、ゲート絶縁膜、第1配線、層間絶縁膜、第2配線、の順で膜が構成される。ボトムゲート構造の場合は、基板、第1配線、ゲート絶縁膜、半導体層、層間絶縁膜、第2配線、の順で膜が構成される。
なお、本実施形態では、駆動トランジスタをシングルゲート構造で記載したが、マルチゲート構造でもよい。図35で、駆動トランジスタ3513、3523をダブルゲート構造にしたレイアウト図を図37に示す。また、チャネル領域に関しては、シングルチャネル構造でもよいし、マルチチャネル構造でもよい。
なお、R(赤)、G(緑)、B(青)の各画素において、画素の総発光面積を変えてもよい。この場合の実施の形態を図38に示す。図38では、画素の総発光面積が大きい順にG、R、Bとなっている。これにより、R、G、Bの適切な色バランスを実現でき、より高精細なカラー表示が可能となる。
また、R、G、B、W(白)構成において、RGB部のサブ画素の数とW部のサブ画素の数とが異なってもよい。この場合の実施の形態を図39に示す。図39では、RGB部は2個のサブ画素に分割されており、W部は3個のサブ画素に分割されている。これにより、より高精細な白表示が可能となる。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態2で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施形態では、表示装置、および、信号線駆動回路や走査線駆動回路などの構成とその動作について説明する。本実施形態では、1つの画素を2個のサブ画素(SP1、SP2)に分割した場合を例に説明する。
例えば、画素構成として、複数の走査線を設けるタイプを採用した場合を考える。まず、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されている場合、表示装置は、図40(A)に示すように、画素部4001、第1及び第2の走査線駆動回路4002、4003、信号線駆動回路4004を有している。この場合の画素構成は、一例として、図25のようになっている。
まずは、走査線駆動回路について説明する。第1及び第2の走査線駆動回路4002、4003は、画素部4001に選択信号を順次出力する。第1及び第2の走査線駆動回路4002、4003の構成の一例を図40(B)に示す。走査線駆動回路は、シフトレジスタ4005やバッファ回路4006などから構成されている。
次に、図40(B)に示した第1及び第2の走査線駆動回路4002、4003の動作を簡単に説明する。シフトレジスタ4005には、クロック信号(G−CLK)、スタートパルス(G−SP)、クロック反転信号(G−CLKB)が入力され、これらの信号のタイミングに従って、順次サンプリングパルスが出力される。出力されたサンプリングパルスは、バッファ回路4006で増幅され、各走査線から画素部4001へ入力される。
なお、バッファ回路4006の構成として、レベルシフタ回路を有してもよい。また、走査線駆動回路4002は、シフトレジスタ4005やバッファ回路4006の他に、パルス幅制御回路などが配置されてもよい。
ここで、第1の走査線駆動回路4002は、サブ画素1(SP1)に接続された走査線に順次選択信号を出力するための駆動回路であり、第2の走査線駆動回路4003は、サブ画素2(SP2)に接続された走査線に順次選択信号を出力するための駆動回路である。なお、一般に、1つの画素をm個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割した場合、m個の走査線駆動回路を設ければよい。
次に、信号線駆動回路について説明する。信号線駆動回路4004は、画素部4001にビデオ信号を順次出力する。画素部4001では、ビデオ信号に従って、光の状態を制御することにより、画像を表示する。信号線駆動回路4004から画素部4001へ入力するビデオ信号は、電圧である場合が多い。つまり、各画素に配置された発光素子や発光素子を制御する素子は、信号線駆動回路4004から入力されるビデオ信号(電圧)によって、状態を変化させる。画素に配置する発光素子の例としては、EL素子やFED(フィールドエミッションディスプレイ)で用いる素子や液晶やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)などがあげられる。
信号線駆動回路4004の構成の一例を図40(C)に示す。信号線駆動回路4004は、シフトレジスタ4007、第1ラッチ回路(LAT1)4008、第2ラッチ回路(LAT2)4009、増幅回路4010などから構成されている。なお、増幅回路4010の構成として、バッファ回路を有してもよいし、レベルシフタ回路を有してもよいし、デジタル信号をアナログに変換する機能を有する回路を有してもよいし、ガンマ補正を行う機能を有する回路を有してもよい。
また、画素は、EL素子などの発光素子を有している。その発光素子に電流(ビデオ信号)を出力する回路、すなわち、電流源回路を有していることもある。
ここで、信号線駆動回路4004の動作を簡単に説明する。シフトレジスタ4007は、クロック信号(S−CLK)、スタートパルス(SP)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、これらの信号のタイミングに従って、順次サンプリングパルスが出力される。
シフトレジスタ4007より出力されたサンプリングパルスは、第1ラッチ回路(LAT1)4008に入力される。第1ラッチ回路(LAT1)4008には、ビデオ信号線4011より、ビデオ信号が入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各列でビデオ信号を保持していく。
第1ラッチ回路(LAT1)4008において、最終列までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、ラッチ制御線4012よりラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1ラッチ回路(LAT1)4008に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2ラッチ回路(LAT2)4009に転送される。その後、第2ラッチ回路(LAT2)4009に保持されたビデオ信号は、1行分が同時に、増幅回路4010へと入力される。そして、増幅回路4010から出力される信号は、画素部4001へ入力される。
第2ラッチ回路(LAT2)4009に保持されたビデオ信号が増幅回路4010に入力され、そして、画素部4001に入力されている間、シフトレジスタ4007においては再びサンプリングパルスが出力される。つまり、同時に2つの動作が行われる。これにより、線順次駆動が可能となる。以後、この動作を繰り返す。
なお、信号線駆動回路やその一部(電流源回路や増幅回路など)は、画素部4001と同一基板上に存在せず、例えば、外付けのICチップを用いて構成されることもある。
以上のような走査線駆動回路及び信号線駆動回路を用いることにより、画素に信号を書き込む期間と点灯する期間とが分離されている場合の駆動を実現できる。
次に、画素の信号を消去する動作を行う場合、表示装置は、図41に示すように、画素部4101、第1、第2、第3及び第4の走査線駆動回路4102、4103、4104、4105、信号線駆動回路4106を有している。この場合の画素構成は、一例として、図32のようになっている。なお、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の構成は、図40で説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
ここで、第1及び第3の走査線駆動回路4102、4104は、サブ画素1に接続された走査線を駆動させるための回路である。ここで、第1の走査線駆動回路4102は、サブ画素1に接続された第1の走査線(選択トランジスタが接続されている走査線)に順次選択信号を出力する。一方、第3の走査線駆動回路4104は、サブ画素1に接続された第2の走査線(消去トランジスタが接続されている走査線)に順次消去信号を出力する。これにより、サブ画素1に選択信号や消去信号が書き込まれる。
同様に、第2及び第4の走査線駆動回路4103、4105は、サブ画素2に接続された走査線を駆動させるための回路である。ここで、第2の走査線駆動回路4103は、サブ画素2に接続された第3の走査線に順次選択信号を出力する。一方、第4の走査線駆動回路4105は、サブ画素2に接続された第4の走査線に順次消去信号を出力する。これにより、サブ画素2に選択信号や消去信号が書き込まれる。
以上のような走査線駆動回路及び信号線駆動回路を用いることにより、画素の信号を消去する動作を行う場合の駆動を実現できる。
なお、本実施形態では、画素構成として複数の走査線を設けるタイプを採用した場合について説明したが、画素構成として複数の信号線を設けるタイプを採用した場合は、各サブ画素に対応した信号線駆動回路を設ければよい。
例えば、画素の信号を消去する動作を行う場合、表示装置は、図42に示すように、画素部4201、第1及び第2の走査線駆動回路4202、4203、第1及び第2の信号線駆動回路4204、4205を有している。なお、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の構成は、図40で説明したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
ここで、第1の走査線駆動回路4202は、第1の走査線(選択トランジスタが接続されている走査線)に順次選択信号を出力するための駆動回路であり、第2の走査線駆動回路4203は、第2の走査線(消去トランジスタが接続されている走査線)に順次消去信号を出力するための駆動回路である。
また、第1の信号線駆動回路4204は、サブ画素1(SP1)に接続された信号線に順次ビデオ信号を出力するための駆動回路であり、第2の信号線駆動回路4205は、サブ画素2(SP2)に接続された信号線に順次ビデオ信号を出力するための駆動回路である。なお、一般に、1つの画素をm個(mはm≧2の整数)のサブ画素に分割した場合、m個の信号線駆動回路を設ければよい。
以上のような走査線駆動回路及び信号線駆動回路を用いることにより、画素の信号を消去する動作を行う場合の駆動を実現できる。
なお、信号線駆動回路や走査線駆動回路などの構成は、図40〜図42に限定されない。
なお、本発明におけるトランジスタは、どのようなタイプのトランジスタでもよいし、どのような基板上に形成されていてもよい。したがって、図40〜図42で示したような回路が、全てガラス基板上に形成されていてもよいし、プラスチック基板に形成されていてもよいし、単結晶基板に形成されていてもよいし、SOI基板上に形成されていてもよいし、どのような基板上に形成されていてもよい。あるいは、図40〜図42における回路の一部が、ある基板に形成されており、図40〜図42における回路の別の一部が、別の基板に形成されていてもよい。つまり、図40〜図42における回路の全てが同じ基板上に形成されていなくてもよい。例えば、図40〜図42において、画素部と走査線駆動回路とは、ガラス基板上にトランジスタを用いて形成し、信号線駆動回路(もしくはその一部)は、単結晶基板上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で接続してガラス基板上に配置してもよい。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Automated Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。
なお、本実施の形態で説明した内容は、実施の形態1〜実施の形態3で説明した内容を利用したものに相当する。したがって、実施の形態1〜実施の形態3で説明した内容は、本実施の形態にも適用できる。
(実施の形態5)
本実施形態では、本発明の表示装置を構成するトランジスタの構造について説明する。本実施形態では、トランジスタの半導体層にアモルファスシリコン(a−Si:H)膜を用いた場合について説明する。図43にはトップゲートのトランジスタ、図44及び図45にはボトムゲートのトランジスタの場合について示す。
アモルファスシリコンを半導体層に用いたトップゲート構造のトランジスタの断面を図43(A)に示す。図43(A)に示すように、基板4301上に下地膜4302が形成されている。さらに下地膜4302上に画素電極4303が形成されている。また、画素電極4303と同層に同じ材料からなる第1の電極4304が形成されている。
基板はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、下地膜4302としては、窒化アルミ(AlN)や酸化シリコン(SiO2)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)などの単層やこれらの積層を用いることができる。
また、下地膜4302上に配線4305及び配線4306が形成され、画素電極4303の端部が配線4305で覆われている。配線4305及び配線4306の上部にN型の導電型を有するN型半導体層4307及びN型半導体層4308が形成されている。また、配線4305と配線4306の間であって、下地膜4302上に半導体層4309が形成されている。そして、半導体層4309の一部はN型半導体層4307及びN型半導体層4308上にまで延長されている。なお、この半導体層はアモルファスシリコン(a−Si:H)、微結晶半導体(μ−Si:H)等の非結晶性を有する半導体膜で形成されている。また、半導体層4309上にゲート絶縁膜4310が形成されている。また、ゲート絶縁膜4310と同層の同じ材料からなる絶縁膜4311が第1の電極4304上にも形成されている。なお、ゲート絶縁膜4310としては酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などが用いられる。
また、ゲート絶縁膜4310上に、ゲート電極4312が形成されている。また、ゲート電極と同層に同じ材料でなる第2の電極4313が第1の電極4304上に絶縁膜4311を介して形成されている。第1の電極4304及び第2の電極4313で絶縁膜4311を挟まれた容量素子4319が形成されている。また、画素電極4303の端部、駆動トランジスタ4318及び容量素子4319を覆い、層間絶縁膜4314が形成されている。
層間絶縁膜4314及びその開口部に位置する画素電極4303上に有機化合物を含む層4315及び対向電極4316が形成され、画素電極4303と対向電極4316とで有機化合物を含む層4315が挟まれた領域では発光素子4317が形成されている。
また、図43(A)に示す第1の電極4304を図43(B)に示すように第1の電極4320で形成してもよい。第1の電極4320は配線4305及び4306と同層の同一材料で形成されている。
また、アモルファスシリコンを半導体層に用いたボトムゲート構造のトランジスタを用いた表示装置のパネルの部分断面を図44に示す。
基板4401上にゲート電極4403が形成されている。また、ゲート電極と同層に同じ材料からなる第1の電極4404が形成されている。ゲート電極4403の材料にはリンが添加された多結晶シリコンを用いることができる。多結晶シリコンの他に、金属とシリコンの化合物であるシリサイドでもよい。
また、ゲート電極4403及び第1の電極4404を覆うようにゲート絶縁膜4405が形成されている。ゲート絶縁膜4405としては酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などが用いられる。
また、ゲート絶縁膜4405上に、半導体層4406が形成されている。また、半導体層4406と同層に同じ材料からなる半導体層4407が形成されている。
半導体層4406上にはN型の導電性を有するN型半導体層4408、4409が形成され、半導体層4407上にはN型半導体層4410が形成されている。
N型半導体層4408、4409、4410上にはそれぞれ配線4411、4412が形成され、N型半導体層4410上には配線4411及び4412と同層の同一材料からなる導電層4413が形成されている。
半導体層4407、N型半導体層4410及び導電層4413からなる第2の電極が構成される。なお、この第2の電極と第1の電極4404でゲート絶縁膜4405を挟み込んだ構造の容量素子4420が形成されている。
また、配線4411の一方の端部は延在し、その延在した配線4411上部に接して画素電極4414が形成されている。
また、画素電極4414の端部、駆動トランジスタ4419及び容量素子4420を覆うように絶縁物4415が形成されている。
画素電極4414及び絶縁物4415上には有機化合物を含む層4416及び対向電極4417が形成され、画素電極4414と対向電極4417とで有機化合物を含む層4416が挟まれた領域では発光素子4418が形成されている。
容量素子の第2の電極の一部となる半導体層4407及びN型半導体層4410は設けなくてもよい。つまり第2の電極は導電層4413とし、第1の電極4404と導電層4413でゲート絶縁膜が挟まれた構造の容量素子としてもよい。
なお、図44(A)において、配線4411を形成する前に画素電極4414を形成することで、図44(B)に示すような、画素電極4414からなる第2の電極4421と第1の電極4404でゲート絶縁膜4405が挟まれた構造の容量素子4422を形成することができる。
なお、図44では、逆スタガ型のチャネルエッチ構造のトランジスタについて示したが、もちろんチャネル保護構造のトランジスタでもよい。チャネル保護構造のトランジスタの場合について、図45(A)、(B)を用いて説明する。
図45(A)に示すチャネル保護型構造のトランジスタは図44(A)に示したチャネルエッチ構造の駆動トランジスタ4419の半導体層4406のチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物4501が設けられている点が異なり、他の共通しているところは共通の符号を用いている。
また、同様に、図45(B)に示すチャネル保護型構造のトランジスタは図44(B)に示したチャネルエッチ構造の駆動トランジスタ4419の半導体層4406のチャネルが形成される領域上にエッチングのマスクとなる絶縁物4501が設けられている点が異なり、他の共通しているところは共通の符号を用いている。
本発明の画素を構成するトランジスタの半導体層(チャネル形成領域やソース領域やドレイン領域など)に非晶質半導体膜を用いることで、製造コストを削減することができる。
なお、本発明の画素構成の適用することができるトランジスタの構造や、容量素子の構造は上述した構成に限られず、さまざまな構成のトランジスタの構造や、容量素子の構造のものを用いることができる。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態4で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施形態では、トランジスタを始めとする表示装置を作製する方法として、プラズマ処理を用いて表示装置を作製する方法について説明する。
図46は、トランジスタを含む表示装置の構造例を示した図である。なお、図46において、図46(B)は図46(A)のa−b間の断面図に相当し、図46(C)は図46(A)のc−d間の断面図に相当する。
図46に示す表示装置は、基板4601上に絶縁膜4602を介して設けられた半導体膜4603a、4603bと、当該半導体膜4603a、4603b上にゲート絶縁膜4604を介して設けられたゲート電極4605と、ゲート電極を覆って設けられた絶縁膜4606、4607と、半導体膜4603a、4603bのソース領域またはドレイン領域と電気的に接続し且つ絶縁膜4607上に設けられた導電膜4608とを有している。なお、図46においては、半導体膜4603aの一部をチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610aと半導体膜4603bの一部をチャネル領域として用いたPチャネル型トランジスタ4610bとを設けた場合を示しているが、この構成に限られない。例えば、図46では、Nチャネル型トランジスタ4610aにLDD領域を設け、Pチャネル型トランジスタ4610bにはLDD領域を設けていないが、両方に設けた構成としてもよいし両方に設けない構成とすることも可能である。
なお、本実施形態では、上記基板4601、絶縁膜4602、半導体膜4603aおよび4603b、ゲート絶縁膜4604、絶縁膜4606または絶縁膜4607のうち少なくともいずれか一層に、プラズマ処理を用いて酸化または窒化を行うことにより半導体膜または絶縁膜を酸化または窒化することによって、図46に示した表示装置を作製する。このように、プラズマ処理を用いて半導体膜または絶縁膜を酸化または窒化することによって、当該半導体膜または絶縁膜の表面を改質し、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁膜と比較してより緻密な絶縁膜を形成することができるため、ピンホール等の欠陥を抑制し表示装置の特性等を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、上記図46における半導体膜4603a、4603bまたはゲート絶縁膜4604にプラズマ処理を行い、当該半導体膜4603a、4603bまたはゲート絶縁膜4604を酸化または窒化することによって表示装置を作製する方法について図面を参照して説明する。
はじめに、基板上に設けられた島状の半導体膜において、当該島状の半導体膜の端部を直角に近い形状で設ける場合について示す。
まず、基板4601上に島状の半導体膜4603a、4603bを形成する(図47(A))。島状の半導体膜4603a、4603bは、基板4601上にあらかじめ形成された絶縁膜4602上にスパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料を用いて非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜を結晶化させ、半導体膜を選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、非晶質半導体膜の結晶化は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法またはこれら方法を組み合わせた方法等の結晶化法により行うことができる。なお、図47では、島状の半導体膜4603a、4603bの端部を直角に近い形状(θ=85〜100°)で設ける。
次に、プラズマ処理を行い半導体膜4603a、4603bを酸化または窒化することによって、当該半導体膜4603a、4603bの表面にそれぞれ酸化膜または窒化膜4621a、4621b(以下、絶縁膜4621a、絶縁膜4621bとも記す)を形成する(図47(B))。例えば、半導体膜4603a、4603bとしてSiを用いた場合、絶縁膜4621aおよび絶縁膜4621bとして、酸化シリコン(SiOx)または窒化シリコン(SiNx)が形成される。また、プラズマ処理により半導体膜4603a、4603bを酸化させた後に、再度プラズマ処理を行うことによって窒化させてもよい。この場合、半導体膜4603a、4603bに接して酸化シリコン(SiOx)が形成され、当該酸化シリコンの表面に窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)が形成される。なお、プラズマ処理により半導体膜を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下または酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下または一酸化二窒素と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。一方、プラズマ処理により半導体膜を窒化する場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下または窒素と水素と希ガス雰囲気下またはNH3と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。そのため、絶縁膜4621a、4621bは、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでおり、Arを用いた場合には絶縁膜4621a、4621bにArが含まれている。
また、プラズマ処理は、上記ガスの雰囲気中において、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下であり、プラズマの電子温度が0.5eV以上1.5eV以下で行う。プラズマの電子密度が高密度であり、基板4601上に形成された被処理物(ここでは、半導体膜4603a、4603b)付近での電子温度が低いため、被処理物に対するプラズマによる損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高密度であるため、プラズマ処理を用いて、被照射物を酸化または窒化することよって形成される酸化物または窒化膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。また、プラズマの電子温度が1eV以下と低いため、従来のプラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で酸化または窒化処理を行うことができる。たとえば、ガラス基板の歪点温度よりも100度以上低い温度でプラズマ処理を行っても十分に酸化または窒化処理を行うことができる。なお、プラズマを形成するための周波数としては、マイクロ波(2.45GHz)等の高周波を用いることができる。なお、以下に特に断らない場合は、プラズマ処理として上記条件を用いて行うものとする。
次に、絶縁膜4621a、4621bを覆うようにゲート絶縁膜4604を形成する(図47(C))。ゲート絶縁膜4604は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いて、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。例えば、半導体膜4603a、4603bとしてSiを用い、プラズマ処理により当該Siを酸化させることによって当該半導体膜4603a、4603b表面に絶縁膜4621a、4621bとして酸化シリコンを形成した場合、当該絶縁膜4621a、4621b上にゲート絶縁膜として酸化シリコン(SiOx)を形成する。また、上記図47(B)において、プラズマ処理により半導体膜4603a、4603bを酸化または窒化することによって形成された絶縁膜4621a、4621bの膜厚が十分である場合には、当該絶縁膜4621a、4621bをゲート絶縁膜として用いることも可能である。
次に、ゲート絶縁膜4604上にゲート電極4605等を形成することによって、島状の半導体膜4603a、4603bをチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610a、Pチャネル型トランジスタ4610bを有する表示装置を作製することができる(図47(D))。
このように、半導体膜4603a、4603b上にゲート絶縁膜4604を設ける前に、プラズマ処理により半導体膜4603a、4603bの表面を酸化または窒化することによって、チャネル領域の端部4651a、4651b等におけるゲート絶縁膜4604の被覆不良に起因するゲート電極と半導体膜のショート等を防止することができる。つまり、島状の半導体膜の端部が直角に近い形状(θ=85〜100°)を有する場合には、CVD法やスパッタ法等により半導体膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成した際に、半導体膜の端部においてゲート絶縁膜の段切れ等による被覆不良の問題が生じる恐れがあるが、あらかじめ半導体膜の表面にプラズマ処理を用いて酸化または窒化しておくことによって、半導体膜の端部におけるゲート絶縁膜の被覆不良等を防止することが可能となる。
また、上記図47において、ゲート絶縁膜4604を形成した後にプラズマ処理を行うことによって、ゲート絶縁膜4604を酸化または窒化させてもよい。この場合、半導体膜4603a、4603bを覆うように形成されたゲート絶縁膜4604(図48(A))にプラズマ処理を行い、ゲート絶縁膜4604を酸化または窒化することによって、ゲート絶縁膜4604の表面に酸化膜または窒化膜4623(以下、絶縁膜4623とも記す)を形成する(図48(B))。プラズマ処理の条件は、上記図47(B)と同様に行うことができる。また、絶縁膜4623は、プラズマ処理に用いた希ガスを含んでおり、例えばArを用いた場合には絶縁膜4623にArが含まれている。
また、図48(B)において、一旦酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによりゲート絶縁膜4604を酸化させた後に、再度窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより窒化させてもよい。この場合、半導体膜4603a、4603b型に酸化シリコン(SiOx)または酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)が形成され、ゲート電極4605に接して窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)が形成される。その後、絶縁膜4623上にゲート電極4605等を形成することによって、島状の半導体膜4603a、4603bをチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610a、Pチャネル型トランジスタ4610bを有する表示装置を作製することができる(図48(C))。このように、ゲート絶縁膜にプラズマ処理を行うことにより、当該ゲート絶縁膜の表面を酸化または窒化することによって、ゲート絶縁膜の表面を改質し緻密な膜を形成することができる。プラズマ処理を行うことによって得られた絶縁膜は、CVD法やスパッタ法で形成された絶縁膜と比較して緻密でピンホール等の欠陥も少ないため、トランジスタの特性を向上させることができる。
なお、図48においては、あらかじめ半導体膜4603a、4603bにプラズマ処理を行うことによって、当該半導体膜4603a、4603bの表面を酸化または窒化させた場合を示したが、半導体膜4603a、4603bにプラズマ処理を行わずにゲート絶縁膜4604を形成した後にプラズマ処理を行う方法を用いてもよい。このように、ゲート電極を形成する前にプラズマ処理を行うことによって、半導体膜の端部においてゲート絶縁膜の段切れ等による被覆不良が生じた場合であっても、被覆不良により露出した半導体膜を酸化または窒化することができるため、半導体膜の端部におけるゲート絶縁膜の被覆不良に起因するゲート電極と半導体膜のショート等を防止することができる。
このように、島状の半導体膜の端部を直角に近い形状で設けた場合であっても、半導体膜またはゲート絶縁膜にプラズマ処理を行い、当該半導体膜またはゲート絶縁膜を酸化または窒化することによって、半導体膜の端部におけるゲート絶縁膜の被覆不良に起因するゲート電極と半導体膜のショート等を防止することができる。
次に、基板上に設けられた島状の半導体膜において、当該島状の半導体膜の端部をテーパー形状(θ=30〜85°)で設ける場合について示す。
まず、基板4601上に島状の半導体膜4603a、4603bを形成する(図49(A))。島状の半導体膜4603a、4603bは、基板4601上にあらかじめ形成された絶縁膜4602上にスパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)等を用いて非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜をレーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法などの結晶化法により結晶化させ、選択的に半導体膜をエッチングして除去することにより設けることができる。なお、図49では、島状の半導体膜の端部をテーパー形状(θ=30〜85°)で設ける。
次に、半導体膜4603a、4603bを覆うようにゲート絶縁膜4604を形成する(図49(B))。ゲート絶縁膜4604は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いて、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。
次に、プラズマ処理を行い、ゲート絶縁膜4604を酸化または窒化することによって、当該ゲート絶縁膜4604の表面にそれぞれ酸化膜または窒化膜4624(以下、絶縁膜4624とも記す)を形成する(図49(C))。なお、プラズマ処理の条件は上記と同様に行うことができる。例えば、ゲート絶縁膜4604として酸化シリコン(SiOx)または酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を用いた場合、酸素雰囲気下でプラズマ処理を行いゲート絶縁膜4604を酸化することによって、ゲート絶縁膜の表面にはCVD法やスパッタ法等により形成されたゲート絶縁膜と比較してピンホール等の欠陥の少ない緻密な膜を形成することができる。一方、窒素雰囲気下でプラズマ処理を行いゲート絶縁膜4604を窒化することによって、ゲート絶縁膜4604の表面に絶縁膜4624として窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)を設けることができる。また、一旦酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによりゲート絶縁膜4604を酸化させた後に、再度窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより窒化させてもよい。また、絶縁膜4624は、プラズマ処理に用いた希ガスを含んでおり、例えばArを用いた場合には絶縁膜4624中にArが含まれている。
次に、ゲート絶縁膜4604上にゲート電極4605等を形成することによって、島状の半導体膜4603a、4603bをチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610a、Pチャネル型トランジスタ4610bを有する表示装置を作製することができる(図49(D))。
このように、ゲート絶縁膜にプラズマ処理を行うことにより、ゲート絶縁膜の表面に酸化膜または窒化膜からなる絶縁膜を設け、ゲート絶縁膜の表面の改質をすることができる。プラズマ処理を行うことによって酸化または窒化された絶縁膜は、CVD方やスパッタ法で形成されたゲート絶縁膜と比較して緻密でピンホール等の欠陥も少ないため、トランジスタの特性を向上させることができる。また、半導体膜の端部をテーパー形状とすることによって、半導体膜の端部におけるゲート絶縁膜の被覆不良に起因するゲート電極と半導体膜のショート等を抑制することができるが、ゲート絶縁膜を形成した後にプラズマ処理を行うことによって、より一層ゲート電極と半導体膜のショート等を防止することができる。
次に、図49とは、異なる表示装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、テーパー形状を有する半導体膜の端部に選択的にプラズマ処理を行う場合に関して示す。
まず、基板4601上に島状の半導体膜4603a、4603bを形成する(図50(A))。島状の半導体膜4603a、4603bは、基板4601上にあらかじめ形成された絶縁膜4602上にスパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)等を用いて非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜を結晶化させ、レジスト4625a、4625bをマスクとして半導体膜を選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、非晶質半導体膜の結晶化は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法またはこれら方法を組み合わせた方法等の結晶化法により行うことができる。
次に、半導体膜のエッチングのために使用したレジスト4625a、4625bを除去する前に、プラズマ処理を行い島状の半導体膜4603a、4603bの端部を選択的に酸化または窒化することによって、当該半導体膜4603a、4603bの端部にそれぞれ酸化膜または窒化膜4626(以下、絶縁膜4626とも記す)を形成する(図50(B))。プラズマ処理は、上述した条件下で行う。また、絶縁膜4626は、プラズマ処理に用いた希ガスを含んでいる。
次に、半導体膜4603a、4603bを覆うようにゲート絶縁膜4604を形成する(図50(C))。ゲート絶縁膜4604は、上記と同様に設けることができる。
次に、ゲート絶縁膜4604上にゲート電極4605等を形成することによって、島状の半導体膜4603a、4603bをチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610a、Pチャネル型トランジスタ4610bを有する表示装置を作製することができる(図50(D))。
半導体膜4603a、4603bの端部をテーパー形状に設けた場合、半導体膜4603a、4603bの一部に形成されるチャネル領域の端部4652a、4652bもテーパー形状となり半導体膜の膜厚やゲート絶縁膜の膜厚が中央部分と比較して変化するため、トランジスタの特性に影響を及ぼす場合がある。そのため、ここではプラズマ処理によりチャネル領域の端部を選択的に酸化または窒化して、当該チャネル領域の端部となる半導体膜に絶縁膜を形成することによって、チャネル領域の端部に起因するトランジスタへの影響を低減することができる。
なお、図50では、半導体膜4603a、4603bの端部に限ってプラズマ処理により酸化または窒化を行った例を示したが、もちろん上記図49で示したようにゲート絶縁膜4604にもプラズマ処理を行って酸化または窒化させることも可能である(図52(A))。
次に、上記とは異なる表示装置の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、テーパー形状を有する半導体膜にプラズマ処理を行う場合に関して示す。
まず、基板4601上に上記と同様に島状の半導体膜4603a、4603bを形成する(図51(A))。
次に、プラズマ処理を行い半導体膜4603a、4603bを酸化または窒化することによって、当該半導体膜4603a、4603bの表面にそれぞれ酸化膜または窒化膜4627a、4627b(以下、絶縁膜4627a、絶縁膜4627bとも記す)を形成する(図51(B))。プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。例えば、半導体膜4603a、4603bとしてSiを用いた場合、絶縁膜4627aおよび絶縁膜4627bとして、酸化シリコン(SiOx)または窒化シリコン(SiNx)が形成される。また、プラズマ処理により半導体膜4603a、4603bを酸化させた後に、再度プラズマ処理を行うことによって窒化させてもよい。この場合、半導体膜4603a、4603bに接して酸化シリコン(SiOx)または酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)が形成され、当該酸化シリコンの表面に窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)が形成される。そのため、絶縁膜4627a、4627bは、プラズマ処理に用いた希ガスを含んでいる。なお、プラズマ処理を行うことにより半導体膜4603a、4603bの端部も同時に酸化または窒化される。
次に、絶縁膜4627a、4627bを覆うようにゲート絶縁膜4604を形成する(図51(C))。ゲート絶縁膜4604は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等を用いて、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。例えば、半導体膜4603a、4603bとしてSiを用いてプラズマ処理により酸化させることによって、当該半導体膜4603a、4603b表面に絶縁膜4627a、4627bとして酸化シリコンを形成した場合、当該絶縁膜4627a、4627b上にゲート絶縁膜として酸化シリコン(SiOx)を形成する。
次に、ゲート絶縁膜4604上にゲート電極4605等を形成することによって、島状の半導体膜4603a、4603bをチャネル領域として用いたNチャネル型トランジスタ4610a、Pチャネル型トランジスタ4610bを有する表示装置を作製することができる(図51(D))。
半導体膜の端部をテーパー形状に設けた場合、半導体膜の一部に形成されるチャネル領域の端部4653a、4653bもテーパー形状となるため、半導体素子の特性に影響を及ぼす場合がある。そのため、プラズマ処理により半導体膜を酸化または窒化することによって、結果的にチャネル領域の端部も酸化または窒化されるため半導体素子への影響を低減することができる。
なお、図51では、半導体膜4603a、4603bに限ってプラズマ処理により酸化または窒化を行った例を示したが、もちろん上記図49で示したようにゲート絶縁膜4604にプラズマ処理を行って酸化または窒化させることも可能である(図52(B))。この場合、一旦酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことによりゲート絶縁膜4604を酸化させた後に、再度窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより窒化させてもよい。この場合、半導体膜4603a、4603b型に酸化シリコン(SiOx)または酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)が形成され、ゲート電極4605に接して窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)が形成される。
また、上述したようにプラズマ処理を行うことによって、半導体膜や絶縁膜に付着したゴミ等の不純物の除去を容易に行うことができる。一般的に、CVD法やスパッタ法等により形成された膜にはゴミ(パーティクルともいう)が付着していることがある。例えば、図53(A)に示すように、絶縁膜または導電膜または半導体膜等の膜4671上にCVD法やスパッタ法等により形成された絶縁膜4672上にゴミ4673が形成される場合がある。このような場合であっても、プラズマ処理を行い絶縁膜4672を酸化または窒化することによって、絶縁膜4672の表面に酸化膜または窒化膜4674(以下、絶縁膜4674ともいう)が形成される。絶縁膜4674は、ゴミ4673が存在しない部分のみならず、ゴミ4673の下側の部分にも回り込むように酸化または窒化されることによって、絶縁膜4674の体積が増加する。一方、ゴミ4673の表面もプラズマ処理によって酸化または窒化され絶縁膜4675が形成され、その結果ゴミ4673の体積も増加する(図53(B))。
このとき、ゴミ4673は、ブラシ洗浄等の簡単な洗浄により、絶縁膜4674の表面から容易に除去される状態になる。このように、プラズマ処理を行うことによって、当該絶縁膜または半導体膜に付着した微細なゴミであっても当該ゴミの除去が容易になる。なお、これはプラズマ処理を行うことによって得られる効果であり、本実施の形態のみならず、他の実施の形態においても同様のことがいえる。
このように、プラズマ処理を行い半導体膜またはゲート絶縁膜を酸化または窒化して表面を改質することにより、緻密で膜質のよい絶縁膜を形成することができる。また、絶縁膜の表面に付着したゴミ等を洗浄によって、容易に除去することが可能となる。その結果、絶縁膜を薄く形成する場合であってもピンホール等の欠陥を防止し、トランジスタ等の半導体素子の微細化および高性能化を実現することが達成できる。
なお、本実施形態では、上記図46における半導体膜4603aおよび4603bまたはゲート絶縁膜4604にプラズマ処理を行い、当該半導体膜4603aおよび4603bまたはゲート絶縁膜4604を酸化または窒化を行ったが、プラズマ処理を用いて酸化または窒化を行う層は、これに限定されない。例えば、基板4601または絶縁膜4602にプラズマ処理を行ってもよいし、絶縁膜4606または絶縁膜4607にプラズマ処理を行ってもよい。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態5で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施形態では、トランジスタを始めとする表示装置を作製するプロセスとして、ハーフトーン方式について説明する。
図54はトランジスタ、容量素子、抵抗素子を含む表示装置の断面構造を示す図である。図54は、Nチャネル型トランジスタ5401、Nチャネル型トランジスタ5402、容量素子5404、抵抗素子5405、Pチャネル型トランジスタ5403が示されている。各トランジスタは半導体層5505、絶縁膜5508、ゲート電極5509を備えている。ゲート電極5509は、第1導電層5503と第2導電層5502の積層構造で形成されている。また、図55(A)〜(E)は、図54で示すトランジスタ、容量素子、抵抗素子に対応する上面図であり、合わせて参照することができる。
図54において、Nチャネル型トランジスタ5401は、チャネル長方向(キャリアの流れる方向)において、ゲート電極の両側に低濃度ドレイン(LDD)とも呼ばれ、配線5504とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する不純物領域5506の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域5507が半導体層5505に形成されている。不純物領域5506と不純物領域5507には、Nチャネル型トランジスタ5401を構成する場合、N型を付与する不純物としてリンなどが添加されている。LDDはホットエレクトロン劣化や短チャネル効果を抑制する手段として形成される。
図55(A)で示すように、Nチャネル型トランジスタ5401のゲート電極5509において、第1導電層5503は、第2導電層5502の両側に広がって形成されている。この場合において、第1導電層5503の膜厚は、第2導電層の膜厚よりも薄く形成されている。第1導電層5503の厚さは、10〜100kVの電界で加速されたイオン種を通過させることが可能な厚さに形成されている。不純物領域5507はゲート電極5509の第1導電層5503と重なるように形成されている。すなわち、ゲート電極5509とオーバーラップするLDD領域を形成している。この構造は、ゲート電極5509において、第2導電層5502をマスクとして、第1導電層5503を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的に不純物領域5507を形成している。すなわち、ゲート電極とオーバーラップするLDDを自己整合的に形成している。
図54において、Nチャネル型トランジスタ5402は、ゲート電極の片側に不純物領域5506の不純物濃度よりも低濃度にドープされた不純物領域5507が半導体層5505に形成されている。図55(B)で示すように、Nチャネル型トランジスタ5402のゲート電極5509において、第1導電層5503は、第2導電層5502の片側に広がって形成されている。この場合も同様に、第2導電層5502をマスクとして、第1導電層5503を通して一導電型の不純物を添加することにより、自己整合的にLDDを形成することができる。
片側にLDDを有するトランジスタは、ソース及びドレイン電極間に正電圧のみ、もしくは負電圧のみが印加されるトランジスタに適用すればよい。具体的には、インバータ回路、NAND回路、NOR回路、ラッチ回路といった論理ゲートを構成するトランジスタや、センスアンプ、定電圧発生回路、VCOといったアナログ回路を構成するトランジスタに適用すればよい。
図54において、容量素子5404は、第1導電層5503と半導体層5505とで絶縁膜5508を挟んで形成されている。容量素子5404を形成する半導体層5505には、不純物領域5510と不純物領域5511を備えている。不純物領域5511は、半導体層5505において第1導電層5503と重なる位置に形成される。また、不純物領域5510は配線5504とコンタクトを形成する。不純物領域5511は、第1導電層5503を通して一導電型の不純物を添加することができるので、不純物領域5510と不純物領域5511に含まれる不純物濃度は同じにすることもできるし、異ならせることも可能である。いずれにしても、容量素子5404において、半導体層5505は電極として機能させるので、一導電型の不純物を添加して低抵抗化しておくことが好ましい。また、第1導電層5503は、図55(C)に示すように、第2導電層5502を補助的な電極として利用することにより、電極として十分に機能させることができる。このように、第1導電層5503と第2導電層5502を組み合わせた複合的な電極構造とすることにより、容量素子5404を自己整合的に形成することができる。
図54において、抵抗素子5405は、第1導電層5503によって形成されている。第1導電層5503は30〜150nm程度の厚さに形成されるので、その幅や長さを適宜設定して抵抗素子を構成することができる。
抵抗素子は、高濃度に不純物元素を含む半導体層や、膜厚の薄い金属層によって構成すればよい。抵抗値が膜厚、膜質、不純物濃度、活性化率などに依存する半導体層に対して、金属層は、膜厚、膜質で抵抗値が決定するため、ばらつきが小さく好ましい。抵抗素子5405の上面図を図55(E)に示す。
図54において、Pチャネル型トランジスタ5403は、半導体層5505に不純物領域5512を備えている。この不純物領域5512は、配線5504とコンタクトを形成するソース及びドレイン領域を形成する。ゲート電極5509の構成は第1導電層5503と第2導電層5502が重畳した構成となっている。Pチャネル型トランジスタ5403はLDDを設けないシングルドレイン構造のトランジスタである。Pチャネル型トランジスタ5403を形成する場合、不純物領域5512にはP型を付与する不純物として硼素などが添加される。一方、不純物領域5512にリンを添加すればシングルドレイン構造のNチャネル型トランジスタとすることもできる。Pチャネル型トランジスタ5403の上面図を図55(E)に示す。
半導体層5505及びゲート絶縁膜5508の一方若しくは双方に対してマイクロ波で励起され、電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下、電子密度が1011〜1013/cm3程度である高密度プラズマ処理によって酸化又は窒化処理してもよい。このとき、基板温度を300〜450℃とし、酸化雰囲気(O2、N2Oなど)又は窒化雰囲気(N2、NH3など)で処理することにより、半導体層5505とゲート絶縁膜5508の界面の欠陥準位を低減することができる。ゲート絶縁膜5508対してこの処理を行うことにより、この絶縁膜の緻密化を図ることができる。すなわち、荷電欠陥の生成を抑えトランジスタのしきい値電圧の変動を抑えることができる。また、トランジスタを3V以下の電圧で駆動させる場合には、このプラズマ処理により酸化若しくは窒化された絶縁膜をゲート絶縁膜5508として適用することができる。また、トランジスタの駆動電圧が3V以上の場合には、このプラズマ処理で半導体層5505の表面に形成した絶縁膜とCVD法(プラズマCVD法若しくは熱CVD法)で堆積した絶縁膜とを組み合わせてゲート絶縁膜5508を形成することができる。また、同様にこの絶縁膜は、容量素子5404の誘電体層としても利用することができる。この場合、このプラズマ処理で形成された絶縁層は、1〜10nmの厚さで形成され、緻密な膜であるので、大きな電荷容量を持つ容量素子を形成することができる。
図54及び図55を参照して説明したように、膜厚の異なる導電層を組み合わせることにより、さまざまな構成の素子を形成することができる。第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域は、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて形成することができる。すなわち、フォトリソグラフィー工程において、フォトレジストを露光する際に、フォトマスクの透過光量を調節して、現像されるレジストマスクの厚さを異ならせる。この場合、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて上記複雑な形状を有するレジストを形成してもよい。また、現像後に約200℃のベークを行ってフォトレジスト材料で形成されるマスクパターンを変形させてもよい。
また、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いることにより、第1導電層のみが形成される領域と、第1導電層と第2導電層が積層されている領域を連続して形成することができる。図55(A)に示すように、第1導電層のみが形成される領域を半導体層上に選択的に形成することができる。このような領域は、半導体層上において有効であるが、それ以外の領域(ゲート電極と連続する配線領域)では必要がない。このフォトマスク若しくはレチクルを用いることにより、配線部分は、第1導電層のみの領域を作らないで済むので、配線密度を実質的に高めることができる。
図54及び図55の場合には、第1導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物を30〜50nmの厚さで形成する。また、第2導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物で300〜600nmの厚さに形成する。例えば、第1導電層と第2導電層をそれぞれ異なる導電材料を用い、後に行うエッチング工程でエッチングレートの差が生じるようにする。一例として、第1導電層をTaNを用い、第2導電層としてタングステン膜を用いることができる。
本実施形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、電極構造の異なるトランジスタ、容量素子、抵抗素子を、同じパターニング工程によって作り分けることができることを示している。これにより、回路の特性に応じて、形態の異なる素子を、工程を増やすことなく作り込み、集積化することができる。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態6で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施形態では、トランジスタを始めとする表示装置を作製する際のマスクパターンの例について、図56〜図58を参照して説明する。
図56(A)で示す半導体層5610、5611はシリコン若しくはシリコンを成分とする結晶性の半導体で形成することが好ましい。例えば、シリコン膜をレーザアニールなどによって結晶化された多結晶シリコン、単結晶シリコンなどが適用される。その他にも半導体特性を示す、金属酸化物半導体、アモルファスシリコン、有機半導体を適用することも可能である。
いずれにしても、最初に形成する半導体層は絶縁表面を有する基板の全面若しくは一部(トランジスタの半導体領域として確定されるよりも広い面積を有する領域)に形成する。そして、フォトリソグラフィー技術によって、半導体層上にマスクパターンを形成する。そのマスクパターンを利用して半導体層をエッチング処理することにより、トランジスタのソース及びドレイン領域及びチャネル形成領域を含む特定形状の島状の半導体層5610、5611を形成する。その半導体層5610、5611はレイアウトの適切さを考慮して決められる。
図56(A)で示す半導体層5610、5611を形成するためのフォトマスクは、図56(B)に示すマスクパターン5630を備えている。このマスクパターン5630は、フォトリソグラフィー工程で用いるレジストがポジ型かネガ型かで異なる。ポジ型レジストを用いる場合には、図56(B)で示すマスクパターン5630は、遮光部として作製される。マスクパターン5630は、多角形の頂部Aを削除した形状となっている。このフォトマスクのパターンは、例えば、角部において一辺が10μm以下の直角三角形を切り取るように面取りされている。また、屈曲部Bにおいては、その角部が直角とならないように屈曲する形状となっている。屈曲Bを拡大すると、複数段に渡って屈曲する形状となっている。
図56(B)で示すマスクパターン5630は、その形状が、図56(A)で示す半導体層5610、5611に反映される。その場合、マスクパターン5630と相似の形状が転写されてもよいが、マスクパターン5630の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていてもよい。すなわち、マスクパターン5630よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けてもよい。
半導体層5610、5611の上には、酸化シリコン若しくは窒化シリコンを少なくとも一部に含む絶縁層が形成される。この絶縁層を形成する目的の一つはゲート絶縁層である。そして、図57(A)で示すように、半導体層と一部が重なるようにゲート配線5712、5713、5714を形成する。ゲート配線5712は半導体層5610に対応して形成される。ゲート配線5713は半導体層5610、5611に対応して形成される。また、ゲート配線5714は半導体層5610、5611に対応して形成される。ゲート配線は、金属層又は導電性の高い半導体層を成膜し、フォトリソグラフィー技術によってその形状を絶縁層上に作り込む。
このゲート配線を形成するためのフォトマスクは、図57(B)に示すマスクパターン5731を備えている。このマスクパターン5731は、L字形に折れ曲がった各コーナー部であって、直角三角形の一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除し、コーナー部を丸みをおびるパターンを有せしめる。即ち、上面からみたコーナー部におけるマスクパターン5731の外周は曲線を形成するようにする。具体的には、コーナー部の外周縁に丸みを帯びさせるため、コーナー部を挟む互いに垂直 な2つの第1直線と、これら2つの第1直線と約45度の角度をなす一つの第2直線と、で形成される直角 2等辺三角形の部分に相当するマスクパターン5731の一部を除去する。除去すると新たに2つの鈍 角の部分がマスクパターン5731に形成されるが、マスク設計や、エッチング条件を適宜設定することにより、各鈍角部分に第1直線と第2直線との両方に接する曲線が形成されるようにマスクパターン5731をエッチングすることが好ましい。なお、前記直角2等辺三角形の互いに等しい2辺の長さは、配線幅の1/5以上1/2以下とする。またコーナー部の内周についても、コーナー部の外周に沿って内周が丸みを帯びるよう形成する。図57(B)で示すマスクパターン5731は、その形状が、図57(A)で示すゲート配線5712、5713、5714に反映される。その場合、マスクパターン5731と相似の形状が転写されてもよいが、マスクパターン5731の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていてもよい。すなわち、マスクパターン5731よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けてもよい。すなわち、ゲート配線5712、5713、5714の角部は、線幅の1/2以下であって1/5以上にコーナー部に丸みをおびさせる。凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。
層間絶縁層はゲート配線5712、5713、5714の次に形成される層である。層間絶縁層は酸化シリコンなどの無機絶縁材料若しくポリイミドやアクリル樹脂などを使った有機絶材料を使って形成する。この層間絶縁層とゲート配線5712、5713、5714の間には窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を介在させてもよい。また、層間絶縁層上にも窒化シリコン若しくは窒化酸化シリコンなどの絶縁層を設けてもよい。この絶縁層は、外因性の金属イオンや水分などトランジスタにとっては良くない不純物により半導体層やゲート絶縁層を汚染するのを防ぐことができる。
層間絶縁層には所定の位置に開孔が形成されている。例えば、下層にあるゲート配線や半導体層に対応して設けられる。金属若しくは金属化合物の一層若しくは複数層で形成される配線層は、フォトリソグラフィー技術によってマスクパターンが形成され、エッチング加工により所定のパターンに形成される。そして、図58(A)で示すように、半導体層と一部が重なるように配線5815〜5820を形成する。配線はある特定の素子間を連結する。配線は特定の素子と素子の間を直線で結ぶのではなく、レイアウトの制約上屈曲部が含まれる。また、コンタクト部やその他の領域において配線幅が変化する。コンタクト部では、コンタクトホールが配線幅と同等若しくは大きい場合には、その部分で配線幅が広がるように変化する。
この配線5815〜5820を形成するためのフォトマスクは、図58(B)に示すマスクパターン5832を備えている。この場合においても、配線は、L字形に折れ曲がった各コーナー部であって直角三角形の一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除し、コーナー部を丸みをおびるパターンを有せしめる。即ち、上面からみたコーナー部における配線の外周は曲線を形成するようにする。具体的には、コーナー部の外周縁に丸みを帯びさせるため、コーナー部を挟む互いに垂直 な2つの第1直線と、これら2つの第1直線と約45度の角度をなす一つの第2直線と、で形成される直角 2等辺三角形の部分に相当する配線の一部を除去する。除去すると新たに2つの鈍 角の部分が配線に形成されるが、マスク設計や、エッチング条件を適宜設定することにより、各鈍角部分に第1直線と第2直線との両方に接する曲線が形成されるように配線をエッチングすることが好ましい。なお、前記直角2等辺三角形の互いに等しい2辺の長さは、配線幅の1/5以上1/2以下とする。またコーナー部の内周についても、コーナー部の外周に沿って内周が丸みを帯びるよう形成する。このような配線は、凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。配線の角部がラウンドをとることにより、電気的にも伝導させることが期待できる。また、多数の平行配線では、ゴミを洗い流すのにはきわめて好都合である。
図58(A)には、Nチャネル型トランジスタ5821〜5824、Pチャネル型トランジスタ5825、5826が形成されている。Nチャネル型トランジスタ5823とPチャネル型トランジスタ5825及びNチャネル型トランジスタ5824とPチャネル型トランジスタ5826はインバータ5827、5828を構成している。なお、この6つのトランジスタを含む回路はSRAMを形成している。これらのトランジスタの上層には、窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁層が形成されていてもよい。
なお、本実施の形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態7で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態は、エレクトロルミネセンス素子(EL素子)を画素に用いた表示装置を製造するときに用いる蒸着装置について図面を参照して説明する。
表示パネルは、トランジスタによって画素回路及び/又は駆動回路が形成された素子基板に、EL層を形成して製造される。EL層はエレクトロルミネセンスを発現する材料を少なくとも一部に含んで形成される。EL層は機能の異なる複数の層で構成されても良い。その場合、EL層は、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層などとも呼ばれる機能の異なる層を組み合わせて構成する場合がある。
トランジスタが形成された素子基板に、EL層を形成するための蒸着装置の構成を図69に示す。この蒸着装置は、搬送室60、61に複数の処理室を連結している。処理室には、基板を供給するロード室62、基板を回収するアンロード室63、その他、加熱処理室68、EL材料を蒸着する成膜処理室69〜75、EL素子の一方の電極として、アルミニウム若しくはアルミニウムを主成分とする導電膜を形成する成膜処理室76を含んでいる。また、搬送室と各処理室の間にはゲートバルブ77a〜77lが設けられていて、各処理室の圧力は独立して制御可能とされており、処理室間の相互汚染を防いでいる。
ロード室62から搬送室60に導入された基板は、回転自在に設けられたアーム方式の搬送手段66により、所定の処理室へ搬入される。また、基板は搬送手段66により、ある処理室から他の処理室へ搬送される。搬送室60と搬送室61とは成膜処理室70で連結され、ここで搬送手段66と搬送手段67により基板の受け渡しが行う。
搬送室60及び搬送室61に連結する各処理室は減圧状態に保持されている。従って、この蒸着装置では、基板は大気に触れることなく連続してEL層の成膜処理が行われる。EL層の成膜処理が終わった表示パネルは、水蒸気などにより劣化する場合があるので、この蒸着装置では、品質を保持するために大気に触れさせる前に封止処理を行うための封止処理室65が搬送室61に連結されている。封止処理室65は大気圧若しくはそれに近い減圧下におかれているので、搬送室61と封止処理室65の間にも中間処理室64が備えられている。中間処理室64は基板の受け渡しと、室間の圧力を緩衝するために設けられている。
ロード室、アンロード室、搬送室及び成膜処理室には室内を減圧に保持するための排気手段が備えられている。排気手段としては、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプなど各種の真空ポンプを用いることができる。
図69の蒸着装置において、搬送室60及び搬送室61に連結される処理室の数やその構成は、EL素子の積層構造に応じて適宜組み合わせることができる。以下に、その組み合わせの一例を示す。
加熱処理室68は、最初に下部電極や絶縁隔壁等が形成された基板を加熱して脱ガス処理を行う。成膜処理室72は、下地電極表面を希ガスや酸素プラズマ処理を行う。このプラズマ処理は、表面を清浄化、表面状態の安定化、表面の物理的若しくは化学的状態(例えば、仕事関数など)を安定化させるために行う。
成膜処理室69は、EL素子の一方の電極と接触する電極バッファ層を形成する処理室である。電極バッファ層はキャリア注入性(正孔注入若しくは電子注入)があり、EL素子の短絡や暗点欠陥の発生を抑制する層である。代表的には、電極バッファ層は、有機無機混合材料であって、抵抗率が5×104〜1×106Ωcmであり、30〜300nmの厚さに形成される。また、成膜室71は正孔輸送層を成膜する処理室である。
EL素子における発光層は、単色発光をする場合と白色発光をする場合とで、その構成が異なる。蒸着装置において成膜処理室もそれに応じて配置することが好ましい。例えば、表示パネルに発光色が異なる三種類のEL素子を形成する場合には、各発光色に対応した発光層を成膜する必要がある。この場合、成膜処理室70を第1の発光層の成膜用として、成膜処理室73を第2の発光層の成膜用として、成膜処理室74を第3の発光層の成膜用として用いることができる。発光層ごとに成膜処理室を分けることで、異なる発光材料による相互汚染を防止することが出来、成膜処理のスループットを向上させることが出来る。
また、成膜処理室70、成膜処理室73、成膜処理室74のそれそれで、発光色が異なる三種類のEL材料を順次蒸着しても良い。この場合、シャドーマスクを使い、蒸着する領域に応じて当該マスクをずらして蒸着を行うことになる。
白色発光するEL素子を形成する場合には、異なる発光色の発光層を縦積みにして形成する。その場合にも、素子基板が成膜処理室を順次移動して、発光層ごとに成膜することができる。また、同じ成膜処理室で異なる発光層を連続して成膜することもできる。
成膜処理室76では、EL層の上に電極を成膜する。電極の形成は、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法を適用することもできるが、好ましくは抵抗加熱蒸着法を用いることが好ましい。
電極の形成まで終了した素子基板は、中間処理室64を経て封止処理室65に搬入される。封止処理室65は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、若しくは窒素などの不活性な気体が充填されており、その雰囲気下で素子基板のEL層が形成された側に封止板を貼り付けて封止する。封止された状態において、素子基板と封止板との間には、不活性気体が充填されていても良いし、樹脂材料を充填しておいても良い。封止処理室65には、シール材を描画するディスペンサーや、素子基板に対向して封止板を固定する固定ステージやアームなどの機械的要素、樹脂材料を充填するディスペンサー若しくはスピンコーターなどが備えられている。
図70は、成膜処理室の内部構成を示す。成膜処理室は減圧下に保たれていて、図70では天板91と底板92で挟まれる内側が室内であり、減圧状態に保たれる室内を示している。
処理室内には、一つ又は複数個の蒸発源が備えられている。組成の異なる複数の層を成膜する場合や、異なる材料を共蒸着する場合は、複数個の蒸発源を設けることが好ましいからである。図70では、蒸発源81a、81b、81cが蒸発源ホルダ80に装着されている。蒸発源ホルダ80は多関節アーム83によって保持されている。多関節アーム83は関節の伸縮によって、蒸発源ホルダ80の位置をその可動範囲内で自在に移動可能としている。また、蒸発源ホルダ80に距離センサー82を設け、蒸発源81a〜101cと基板89との間隔をモニターして、蒸着時における最適な間隔を制御しても良い。その場合には、多関節アームに上下方向(Z方向)にも変位する多関節アームとしても良い。
基板ステージ86と基板チャック87は一対となって基板89を固定する。基板ステージ86はヒータを内蔵させて基板89を加熱できるように構成しても良い。基板89は、基板チャック87の禁緩により、基板ステージ86に固定されまた搬出入される。蒸着に際しては、必要に応じて蒸着するパターンに対応して開口部を備えたシャドーマスク90を用いることもできる。その場合、シャドーマスク90は、基板89と蒸発源81a〜81cの間に配置されるようにする。シャドーマスク90はマスクチャック88により、基板89と密着若しくは一定の間隔を持って固定される。シャドーマスク90のアライメントが必要な場合には、処理室内にカメラを配置し、マスクチャック88にX−Y−θ方向に微動する位置決め手段を備えることで、その位置合わせを行う。
蒸発源81には、蒸着材料を蒸発源に連続して供給する蒸着材料供給手段が付加されている。蒸着材料供給手段は、蒸発源81と離れた位置に配置される蒸着材料供給源85a、85b、85cと、その両者の間を繋ぐ材料供給管84を有している。典型的には、蒸着材料供給源85a、85b、85cは蒸発源81に対応して設けられている。図70の場合は、蒸着材料供給源85aと蒸発源81aが対応している。蒸着材料供給源85bと蒸発源81b、蒸着材料供給源85cと蒸発源81cについても同様である。
蒸着材料の供給方式には、気流搬送方式、エアロゾル方式などが適用できる。気流搬送方式は、蒸着材料の微粉末を気流に乗せて搬送するもので、不活性ガスなどを用いて蒸発源81に搬送する。エアロゾル方式は、蒸着材料を溶剤中に溶解または分散させた原料液を搬送し、噴霧器によりエアロゾル化し、エアロゾル中の溶媒を気化させながら行う蒸着である。いずれの場合にも、蒸発源81には加熱手段が設けられ、搬送された蒸着材料を蒸発させて基板89に成膜する。図70の場合、材料供給管84は柔軟に曲げることができ、減圧状態下においても変形しない程度の剛性を持った細管で構成されている。
気流搬送方式やエアロゾル方式を適用する場合には、成膜処理室内を大気圧若しくはそれ以下であって、好ましくは133Pa〜13300Paの減圧下で成膜を行えば良い。成膜処理室内にはヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、若しくは窒素などの不活性気体を充填し、または当該気体を供給しながら(同時に排気しながら)、圧力の調節を行うことができる。また、酸化膜を形成する成膜処理室では、酸素、亜酸化窒素などの気体を導入して酸化雰囲気としておいても良い。また、有機材料を蒸着する成膜処理室内には水素などの気体を導入して還元雰囲気にしておいても良い。
その他の蒸着材料の供給方法として、材料供給管84の中にスクリューを設け蒸着材料を蒸発源に向けて連続的に押し出す構成としても良い。
本実施の形態の蒸着装置によれば、大画面の表示パネルであっても、均一性良く、連続して成膜することができる。また、蒸発源に蒸着材料が無くなる度に、その都度蒸着材料を補給する必要がないので、スループットを向上することができる。
(実施の形態10)
本実施形態では、実施の形態1から実施の形態4までで述べた駆動方法を制御するハードウェアについて述べる。
大まかな構成図を図59に示す。基板5901の上に、画素部5904、信号線駆動回路5906や走査線駆動回路5905が配置されている。それ以外にも、電源回路やプリチャージ回路やタイミング生成回路などが配置されてもよい。なお、信号線駆動回路5906や走査線駆動回路5905が配置されていなくてもよい。その場合、基板5901に配置されていないものを、ICに形成してもよい。そのICは、基板5901の上に、COG(Chip On Glass)によって配置されてもよい。あるいは、周辺回路基板5902と基板5901とを接続する接続基板5907の上に、ICが配置されてもよい。
周辺回路基板5902には、信号5903が入力される。そして、コントローラ5908が制御して、メモリ5909、5910などに信号が保存される。信号5903がアナログ信号の場合は、アナログ・デジタル変換を行った後、そして、メモリ5909、5910などに保存されることが多い。そして、コントローラ5908がメモリ5909、5910などに保存された信号を用いて、基板5901に信号を出力する。
実施の形態1〜実施の形態4で述べた駆動方法を実現するために、コントローラ5908が、サブフレームの出現順序などを制御して、基板5901に信号を出力する。
なお、本実施形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態9で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態11)
本実施形態では、本発明の表示装置を用いたELモジュール及びELテレビ受像機の構成例について説明する。
図60は表示パネル6001と、回路基板6002を組み合わせたELモジュールを示している。表示パネル6001は画素部6003、走査線駆動回路6004及び信号線駆動回路6005を有している。回路基板6002には、例えば、コントロール回路6006や信号分割回路6007などが形成されている。表示パネル6001と回路基板6002は接続配線6008によって接続されている。接続配線にはFPC等を用いることができる。
コントロール回路6006が、実施の形態9における、コントローラ5908やメモリ5909、5910などに相当する。主に、コントロール回路6006において、サブフレームの出現順序などを制御している。
表示パネル6001は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にトランジスタを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)などで表示パネル6001に実装するとよい。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いて表示パネル6001に実装してもよい。
また、走査線や信号線に設定する信号をバッファによりインピーダンス変換することで、1行毎の画素の書き込み時間を短くすることができる。よって高精細な表示装置を提供することができる。
また、さらに消費電力の低減を図るため、ガラス基板上にトランジスタを用いて画素部を形成し、全ての信号線駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)表示パネルに実装してもよい。
例えば、表示パネルの画面全体をいくつかの領域に分割し、各々の領域に一部もしくは全ての周辺駆動回路(信号線駆動回路、走査線駆動回路など)を形成したICチップを配置し、COG(Chip On Glass)などで表示パネルに実装してもよい。この場合の表示パネルの構成を図61に示す。
図61では、画面全体を4つの領域に分割し、8個のICチップを用いて駆動させる例である。表示パネルの構成は、基板6110、画素部6111、FPC6112、ICチップ6113〜6120を有する。8個のICチップのうち、6113、6114、6115、6116には信号線駆動回路を形成しており、6117、6118、6119、6120には走査線駆動回路を形成している。そして、任意のICチップを駆動させることにより、4つの画面領域のうち任意の画面領域のみを駆動させることが可能となる。例えば、ICチップ6113と6117のみを駆動させると、4つの画面領域のうち、左上の領域のみを駆動させることができる。このようにすることにより、消費電力を低減させることが可能となる。
図71の表示パネルは基板20上に、サブ画素30が複数配列された画素部21、走査線33の信号を制御する走査線駆動回路22、データ線31の信号を制御するデータ線駆動回路23を有している。また、サブ画素30に含まれる発光素子37の輝度変化を補正するためのモニタ回路24が設けられていても良い。発光素子37とモニタ回路24に含まれる発光素子は同じ構造を有している。発光素子37の構造は一対の電極間にエレクトロルミネセンスを発現する材料を含む層を挟んだ形となっている。
基板20の周辺部には、走査線駆動回路22に外部回路から信号を入力する入力端子25、データ線駆動回路23に外部回路から信号を入力する入力端子26、モニタ回路24に信号を入力する入力端子29を有している。
サブ画素30には、データ線31に接続するトランジスタ34と、電源線32と発光素子37との間に直列に挿入されて接続するトランジスタ35を含んでいる。トランジスタ34のゲートは走査線33の接続し、走査信号で選択されたとき、データ線31の信号をサブ画素30に入力する。入力された信号はトランジスタ35のゲートに与えられ、また、保持容量部36を充電する。この信号に応じて、電源線32と発光素子37は導通状態となり、発光素子37が発光する。
サブ画素30に設けた発光素子37を発光させるためには外部回路から電力を供給する必要がある。画素部21に設けられる電源線32は、入力端子27で外部回路と接続される。電源線32は引き回す配線の長さにより抵抗損失が生じるので、入力端子27は基板20の周辺部に複数箇所設けることが好ましい。入力端子27は基板20の両端部に設け、画素部21の面内で輝度ムラが目立たないように配置されている。すなわち、画面の中で片側が明るく、反対側が暗くなってしまうことを防いでいる。また、一対の電極を備えた発光素子37であって、電源線32と接続する電極とは反対側の電極は、複数のサブ画素30で共有する共通電極として形成されるが、この電極の抵抗損失も低くするために、端子28を複数個備えている。
このような表示パネルは、電源線がCuなどの低抵抗材料で形成されているので、特に画面サイズが大型化したときに有効である。例えば、画面サイズが13インチクラスの場合対角線の長さは340mmであるが、60インチクラスの場合には1500mm以上となる。このような場合には、配線抵抗を無視することが出来ないので、Cuなどの低抵抗材料を配線に用いることが好ましい。また、配線遅延を考慮すると、同様にしてデータ線や走査線を形成しても良い。
上記のようなパネル構成を備えたELモジュールにより、ELテレビ受像機を完成させることができる。図62は、ELテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ6201は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路6202と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路6203と、その映像信号を駆動回路の入力仕様に変換するためのコントロール回路6006により処理される。コントロール回路6006は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路6007を設け、入力デジタル信号をM個に分割して供給する構成としてもよい。
チューナ6201で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路6204に送られ、その出力は音声信号処理回路6205を経てスピーカー6206に供給される。制御回路6207は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部6208から受け、チューナ6201や音声信号処理回路6205に信号を送出する。
ELモジュールを筐体に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。ELモジュールにより、表示部が形成される。また、スピーカー、ビデオ入力端子などが適宜備えられている。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
このように、本発明の表示装置、およびその駆動法を用いることにより、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることが出来る。よって、人間の肌のように、階調が微妙に変化するような画像であっても、綺麗に表示出来るようになる。
なお、本実施形態で述べた内容は、実施の形態1〜実施の形態10で述べた内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態12)
本発明の表示装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機、電子書籍等)、記憶媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記憶媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)等が挙げられる。それらの電子機器の具体例を図63に示す。
図63(A)は発光装置であり、筐体6301、支持台6302、表示部6303、スピーカー部6304、ビデオ入力端子6305等を含む。本発明は、表示部6303を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(A)に示す発光装置が完成される。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、発光装置は、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図63(B)はデジタルスチルカメラであり、本体6306、表示部6307、受像部6308、操作キー6309、外部接続ポート6310、シャッター6311等を含む。本発明は、表示部6307を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(B)に示すデジタルスチルカメラが完成される。
図63(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体6312、筐体6313、表示部6314、キーボード6315、外部接続ポート6316、ポインティングマウス6317等を含む。本発明は、表示部6314を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(C)に示すノート型パーソナルコンピュータが完成される。
図63(D)はモバイルコンピュータであり、本体6318、表示部6319、スイッチ6320、操作キー6321、赤外線ポート6322等を含む。本発明は、表示部6319を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(D)に示すモバイルコンピュータが完成される。
図63(E)は記憶媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体6323、筐体6324、表示部A6325、表示部B6326、記憶媒体(DVD等)読み込み部6327、操作キー6328、スピーカー部6329等を含む。表示部A6325は主に画像情報を表示し、表示部B6326は主に文字情報を表示するが、本発明は、表示部A6325、表示部B6326を構成する表示装置に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(E)に示すDVD再生装置が完成される。
図63(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体6330、表示部6331、アーム部6332等を含む。本発明は、表示部6331を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(F)に示すゴーグル型ディスプレイが完成される。
図63(G)はビデオカメラであり、本体6333、表示部6334、筐体6335、外部接続ポート6336、リモコン受信部6337、受像部6338、バッテリー6339、音声入力部6340、操作キー6341等を含む。本発明は、表示部6334を構成する表示装置に用いることができる。また本発明により、また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(G)に示すビデオカメラが完成される。
図63(H)は携帯電話であり、本体6342、筐体6343、表示部6344、音声入力部6345、音声出力部6346、操作キー6347、外部接続ポート6348、アンテナ6349等を含む。本発明は、表示部6344を構成する表示装置に用いることができる。なお、表示部6344は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。また本発明により、擬似輪郭の低減された、綺麗な画像で見ることができるようになり、図63(H)に示す携帯電話が完成される。
なお、発光輝度が高い発光材料を用いれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。発光材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが望ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが望ましい。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施の形態の電子機器は、実施の形態1〜実施の形態11に示したいずれの構成の表示装置を用いてもよい。