JP2006072107A - 平面表示装置および表示装置の輝度制御方法 - Google Patents
平面表示装置および表示装置の輝度制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】長期間の駆動による表示輝度の劣化を回路上で改善して経済的に有利な構成で長時間に亘り安定した表示輝度特性を維持することのできる平面表示装置および表示装置の輝度制御方法を提供する。
【解決手段】表示パネル1の累積駆動時間が設定時間に達した際に、電子放出素子11に印加される配線電圧を設定値に従い補正し更新して、電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの向きを変え、これにより蛍光体12の蛍光面上のビームスポット位置SPを変更して、蛍光面の劣化に伴う表示輝度の劣化を改善する。
【選択図】 図1
【解決手段】表示パネル1の累積駆動時間が設定時間に達した際に、電子放出素子11に印加される配線電圧を設定値に従い補正し更新して、電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの向きを変え、これにより蛍光体12の蛍光面上のビームスポット位置SPを変更して、蛍光面の劣化に伴う表示輝度の劣化を改善する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の蛍光体層と前記複数の蛍光体層に対応した複数の電子放出素子とにより形成される複数の表示画素をマトリクス状に配置した表示パネルを備えた平面表示装置および表示装置の輝度制御方法に関する。
近年、偏平な平面パネル構造の画像表示装置として、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等が知られている。また、FEDの一種として、表面伝導型の電子放出素子を備えたSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)の開発が進められている。
SEDは、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有する。これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部を互いに接合され、内部を真空にされて偏平な平面パネル構造の真空外囲器を構成している。前面基板の内面には3色(R,G,B)の蛍光体層を有する蛍光体スクリーンが設けられ、背面基板の内面には、蛍光体層を励起発光させる電子の放出源として、画素毎に対応する多数の電子放出素子が整列配置されている。また、背面基板の内面上には、電子放出素子を駆動するための多数本の配線がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器の外部に引き出されている。
このSEDを動作させる場合は、基板間に10[kV]程度の高電圧(アノード電圧)を与え、配線に接続した駆動回路を介して各電子放出素子に選択的に駆動電圧を印加することにより、各電子放出素子から選択的に電子ビームが放出され、これら電子ビームが所定の放物線軌道を描いて対応する蛍光体層に照射され、蛍光体層が励起発光されてカラー画像が表示されるようになっている。上記SEDの表示パネルにマトリクス状に配列された各電子放出素子は駆動回路により表示駆動される。この駆動回路は、複数の走査線の一端に接続される走査線ドライバ(Yドライバ)と、複数の信号線の一端に接続される信号線ドライバ(Xドライバ)を含む。Yドライバは走査信号を用いて複数の走査線を順次駆動し、Xドライバは各走査線が駆動される間に映像信号に応じてパルス変調された駆動信号を用いて複数の信号線を駆動する。各表示画素は上記走査線上の走査信号と上記信号線上の映像信号に応じてパルス幅変調された駆動信号とに対応した輝度で発光する。この際、上記SEDの表示パネルにマトリクス状に配列された各電子放出素子は上記配線電圧により定まる放物線軌道を描いて対応する蛍光体層に照射される。
特開2002−221933号公報
ところで、上述のようなSEDに於いては、長時間の駆動により表示輝度が劣化する。この表示輝度の劣化要因は、蛍光体(蛍光体スクリーン)の劣化に因るところが大きい。
本発明の目的は、長時間の駆動による表示輝度の劣化を回路上で改善して経済的に有利な構成で長時間に亘り安定した表示輝度特性を維持することのできる平面表示装置および表示装置の輝度制御方法を提供することにある。
本発明は、上記SEDが、蛍光体スクリーンの蛍光面に対して、電子ビームの当たる位置が一定であり、かつ蛍光体スクリーンの蛍光面に対して、電子放出素子から放出される電子ビームの当たる面積(蛍光面積)が40%程度であることに鑑み、表示輝度がある程度低下した時点で、電子放出素子に印加される配線電圧を補正値により補正し更新して、蛍光体スクリーンの蛍光面に当たる電子ビームの位置を変えることにより、蛍光面の劣化に伴う表示輝度の劣化を改善する。
すなわち、本発明によれば、複数の蛍光体層と前記複数の蛍光体層に対応した複数の電子放出素子とにより形成される複数の表示画素をマトリクス状に配置した表示パネルと、前記表示パネルに配置された複数の表示画素を走査線と信号線の駆動信号により駆動する駆動部と、前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達した際に、前記駆動信号の電圧値を変更して前記電子放出素子から放出されるビームの前記蛍光体層に当たる位置を変更するパネル管理手段とを具備した平面表示装置が提供される。
さらに、前記パネル管理手段に、前記表示パネルの駆動時間を計数し累積して保持する計数手段と、前記計数手段に保持された表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記計数手段を初期化し、前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記蛍光体層に当たる位置を変更する処理を繰り返し行う処理手段とを具備した平面表示装置が提供される。
また本発明によれば、複数の蛍光体層と前記複数の蛍光体層に対応した複数の電子放出素子とにより形成される複数の表示画素をマトリクス状に配置した表示パネルと、前記表示パネルに配置された複数の表示画素を走査線と信号線の駆動信号により駆動する駆動部とを備えた表示装置の輝度制御方法に於いて、前記表示パネルの累積駆動時間が設定時間に達したとき、前記駆動信号の電圧値を変化させて前記電子放出素子から放出される電子ビームの軌道を変え、前記蛍光体層に当たる前記電子ビームの位置を移動させて前記表示パネルの輝度劣化を補償する表示装置の輝度制御方法が提供される。
さらに、前記表示パネルの駆動時間を計数し累積して保持する計数手段と、前記計数手段に保持された表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記計数手段を初期化する手段とを有して、前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記蛍光体層に当たる位置を変更する処理を繰り返し行う表示装置の輝度制御方法が提供される。
長期間の駆動による表示輝度の劣化を回路上で改善したことにより、経済的に有利な構成で長時間に亘り安定した表示輝度特性を維持することができる。
本発明の実施形態に係る表示装置の概要ならびに輝度制御方法について図1乃至図4を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る平面表示装置は、図1に示すように、表示パネル1と、表示パネル1の管理手段を実現するビームスポット位置変更手段Aとを有して構成される。
表示パネル1は、複数の表示画素(PX)をマトリクス状に配置して構成される。マトリクス状に配置された複数の表示画素(PX)は、複数の蛍光体(蛍光体層)12と、この複数の蛍光体12に対応した電子源を構成する複数の電子放出素子11とを有して構成される。
本発明の実施形態に係る平面表示装置は、図1に示すように、表示パネル1と、表示パネル1の管理手段を実現するビームスポット位置変更手段Aとを有して構成される。
表示パネル1は、複数の表示画素(PX)をマトリクス状に配置して構成される。マトリクス状に配置された複数の表示画素(PX)は、複数の蛍光体(蛍光体層)12と、この複数の蛍光体12に対応した電子源を構成する複数の電子放出素子11とを有して構成される。
ビームスポット位置変更手段Aは、上記表示パネル1の累積駆動時間が予め設定された時間に達した際に、上記駆動信号の電圧値(配線電圧)を変更して上記電子放出素子11から放出される電子ビームBMの蛍光体12に当たる位置を変更する処理機能を有する。
ビームスポット位置変更手段Aは、表示パネル1の累積駆動時間が予め設定された時間(例えば15000時間)になるまでは、図1(a)に示すように、また図2に実線で示すように、電子ビーム(ここではツインビーム)BMが蛍光体12のほぼ中央に当たるように、すなわち、ビームスポットSPが蛍光体12のほぼ中央に位置するように、電子放出素子11に予め設定した配線電圧を供給制御している。従って、出荷後の設定期間内於いて、表示パネル1を駆動したとき、図1(a)に示すように、電子ビームBMが蛍光体12のほぼ中央に当り、ビームスポットSPが蛍光体12のほぼ中央に位置している。尚、この際、蛍光体12の蛍光面に対して、電子放出素子11から放出される電子ビームBMの当たる面積(蛍光面上のビームスポットSPの面積)は上述したように約40%程度であり、残る60%程度は未蛍光(未使用)状態にある。この際、電子放出素子11から放出される電子ビームBMは当初の設定電圧値に従う、例えば十数V程度の配線電圧(設定駆動電圧)である。この配線電圧により電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの軌跡を図2に実線で示している。
上記した図1(a)に示す、また図2に実線で示す、ビームスポットSPの表示状態下で、上記表示パネル1の累積駆動時間が予め設定された時間に達すると、ビームスポット位置変更手段Aは、表示パネル1の電子放出素子11に印加する配線電圧を設定された補正値に従い上げて配線電圧を更新する。
この配線電圧の更新タイミングを図3に示している。図3に於いて、表示パネル1の累積駆動時間が設定時間Taに達すると、電子放出素子11の配線電圧が設定値にもとづき変更(ここではプラス)され、この配線電圧の更新に伴って、電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの向きが変化し、蛍光体12の蛍光面上のほぼ中央部分に当たっていたビームスポットSPの位置が、その周辺部分に位置を変える。この配線電圧の変更(更新)に伴って変化した電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの軌跡を図2に破線で示している。
この蛍光体12の蛍光面上に当たるビームスポットSPの位置変更に伴い、蛍光体12の蛍光面のほぼ中央部分に於ける固定領域での長時間使用による機能劣化(蛍光面の蛍光劣化)に伴う表示パネル1の表示輝度劣化が改善され、表示パネル1が再び当初の表示輝度に近い状態に回復される。この様子を図3に示している。
上記した蛍光体12の蛍光面上に当たるビームスポットSPの位置変更を可能にする表示パネル1の構成例を図4に示している。
図4はSEDに於ける表示パネル1の要部の構成要素を示したもので、SEDの表示パネル1を構成する真空外囲器は、表示面となる前面基板10Aと電子放出側となる背面基板10Bとを有する。この前面基板10Aおよび背面基板10Bは、それぞれ矩形のガラス板により構成される。前面基板10Aと背面基板10Bは約1.0〜2.0mmの隙間をおいて互いに平行に対向配置されている。前面基板10Aおよび背面基板10Bは、図示しないガラスからなる矩形枠状の側壁を介して周縁部同志が接合され、内部が真空の扁平な平面パネル構造の真空外囲器を構成している。
図4はSEDに於ける表示パネル1の要部の構成要素を示したもので、SEDの表示パネル1を構成する真空外囲器は、表示面となる前面基板10Aと電子放出側となる背面基板10Bとを有する。この前面基板10Aおよび背面基板10Bは、それぞれ矩形のガラス板により構成される。前面基板10Aと背面基板10Bは約1.0〜2.0mmの隙間をおいて互いに平行に対向配置されている。前面基板10Aおよび背面基板10Bは、図示しないガラスからなる矩形枠状の側壁を介して周縁部同志が接合され、内部が真空の扁平な平面パネル構造の真空外囲器を構成している。
前面基板10Aの内面には画像表示面として機能する蛍光体スクリーン12Aが形成されている。この蛍光体スクリーン12Aは、赤、青、緑の蛍光体層R、G、B、および遮光層Sを並べて構成され、これらの蛍光体層はストライプ状あるいはドット状に形成されている。また、蛍光体スクリーン12上には、アルミニウム等からなるメタルバック14が形成されている。
背面基板10Bの内面には、蛍光体スクリーン12Aの蛍光体層R、G、Bを励起発光させるための電子を放出する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子11が設けられている。これらの電子放出素子11は、画素毎、すなわち蛍光体層R、G、B毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子11は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板10Bの内面上には、各電子放出素子11に駆動電圧を与えるための多数本の配線Cがマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器の外部に引き出されている。前面基板10Aと背面基板10Bとの間には、薄いガラス板を用いたスペーサSPが複数配設される。これら複数のスペーサSPは、前面基板10Aおよび背面基板10Bの外側から作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。前面基板10Aに設けられたメタルバック14と背面基板10Bとの間にアノード電圧を印加する図示しない電圧供給部を備えている。電圧供給部は、例えば、背面基板10Bの電位を0Vに設定し、メタルバック14の電位を10kV程度の高電圧にするよう、背面基板10Bに対しメタルバック14にアノード電圧を印加する。
上記SEDの表示パネル1において、画像を表示する場合、配線Sに接続した図示しない駆動回路を介して電子放出素子11の素子電極間に所定の駆動電圧を与え、任意の電子放出素子11の電子放出部から電子ビームを放出するとともに、メタルバック14にアノード電圧を印加する。電子放出素子11の電子放出部から放出された電子ビームは、アノード電圧により加速され、蛍光体スクリーン12Aの対応する蛍光体層に衝突する。これにより、蛍光体スクリーン12Aの蛍光体層R、G、Bが励起されて発光し、カラー画像を表示する。尚、この際、表示パネル1に表示されるカラー画像の各階調は配線電圧に含まれる、映像信号に従いパルス変調された信号用駆動電圧の幅(パルス幅)で決まる。
上記した構成の表示パネル1に対して、当該表示パネル1の管理手段を実現するビームスポット位置変更手段Aは、上述したように、表示パネル1の累積駆動時間が設定時間Taに達すると、電子放出素子11の配線電圧を設定値にもとづいて変更し、電子放出素子11から蛍光体スクリーン12Aの対応する蛍光体層R、G、Bに向けて放出される電子ビームBMの向きを変化させて、蛍光体12の蛍光面に当たるビームスポットSPの位置を変更し、表示パネル1の蛍光体劣化による表示輝度の劣化を改善する。
尚、上記した表示輝度の改善例は、表示パネル1の累積駆動時間が例えば1万時間以上の長期間に亘った際に配線電圧を変更し、蛍光体12の蛍光面に当たるビームスポットSPの位置を変更しているが、例えば表示パネル1の累積駆動時間が比較的短い設定時間(例えば1000時間)に達したならば、配線電圧を変更して蛍光体12の蛍光面に当たるビームスポットSPの位置を変更し、この際、上記表示パネル1の累積駆動時間を「0」に戻して(初期化して)、再び、表示パネル1の累積駆動時間を計数し、当該累積駆動時間が再び設定時間(例えば1000時間)に達したならば、上記同様に配線電圧を変更して蛍光体12の蛍光面に当たるビームスポットSPの位置を変更する処理を繰り返し行うことも可能である。このように、比較的短い表示パネル1の累積駆動時間毎に、ビームスポットSPの位置を変更することにより、ビームスポットSPの位置変更に伴う表示輝度の極端な変化をなくし、その輝度差を目立たなくさせることができる。
上記したビームスポット位置変更手段Aの機能を具現化した本発明の一実施形態に係る平面表示装置の構成ならびに動作を図5乃至図7を参照して説明する。ここではカラー表示画素数が横:縦=1280:720というXGA解像度の電子放出素子を備えたSEDを例に採る。
本発明の実施形態に係る平面表示装置の回路構成を図5に示す。この平面表示装置は、表示パネル1、画像電圧ドライバ(Xドライバ)2、走査電圧ドライバ(Yドライバ)3、入力信号処理回路5、電源制御部6等を備えて構成される。
表示パネル1は、横(水平)方向に配されたm(=720)本の走査線Y(Y1〜Ym)と、これら走査線Y1〜Ymに交差して縦(垂直)方向に配されたn(=1280×3)本の信号線X(X1〜Xn)と、これら走査線Y1〜Ymおよび信号線X1〜Xnの交差位置近傍に配置されて表示画面を構成するm×n(=約276万)個の表示画素PXとを支持基板上に有する。
各カラー表示画素は水平方向において隣接する3個の表示画素PXにより構成される。このカラー表示画素では、3個の表示画素PXがそれぞれ電子放出源となる電子放出素子11およびこれら電子放出素子11から放出される電子ビームにより発光する赤(R)、緑(G)、および青(B)の蛍光体12により構成される。すなわち蛍光体スクリーンの各表示画素と電子放出源とは一対一に対応している。各走査線Yは対応行の表示画素PXの電子放出素子11に接続される走査電極として用いられ、各信号線Xは対応列の表示画素PXの電子放出素子11に接続される信号電極として用いられる。
Xドライバ2、Yドライバ3、入力信号処理回路5、および電源制御部6はそれぞれ表示パネル1に対する表示用駆動回路として用いられ、表示パネル1の周囲に配置される。Xドライバ2は信号線X1〜Xnに接続され、Yドライバ3は走査線Y1〜Ymに接続される。
入力信号処理回路5は1水平ライン分の映像信号を一時記憶するラインメモリを有して外部の信号源から供給されるRGB映像信号および同期信号の入力処理を行う。入力信号処理回路5は上記ラインメモリに一時記憶した映像信号をXドライバ2に供給し、同期信号(垂直同期信号および水平同期信号)に従う動作タイミング信号をXドライバ2とYドライバ3に供給する。
電源制御部6は外部電源をもとに表示パネル1を含む表示装置全体の動作用電源を生成し供給制御するもので、マイクロプロセッサによるプログラム制御機能を有する。電源制御部6は表示パネル1の駆動用電源として、表示パネル1に、上述したアノード電圧に加え、Xドライバ2およびYドライバ3に駆動電圧(VDx,VDy)を供給する。Xドライバ2には信号線X1〜Xnを駆動するための映像信号の階調レベルに従い出力パルス幅が変化する信号用の駆動電圧(VDx)を供給し、Yドライバ3には走査線Y1〜Ymを駆動するための走査用の駆動電圧(VDy)を供給する。
Yドライバ3は上記電源制御部6から供給された走査用の駆動電圧(VDy)と上記入力信号処理回路5から入力した動作タイミング信号とをもとに走査線Y1〜Ymを順次駆動し、Xドライバ2は上記電源制御部6から供給された信号用の駆動電圧(VDx)と上記入力信号処理回路5から入力した1水平ライン分の映像信号および動作タイミング信号とをもとに、走査線Y1〜Ymの各々がYドライバ3によって駆動される間に入力信号処理回路5から出力される1水平ライン分の映像信号に対応して信号線X1〜Xnを駆動する。この際、Xドライバ2は上記信号用の駆動電圧(VDx)により電位が定まり、外部より供給される映像信号の階調レベルに従い出力パルス幅が変化する、信号用の駆動電圧(VDx)により信号線X1〜Xnを駆動する。本発明は表示パネル1の長期間使用による輝度劣化を駆動電圧(VDx,VDy)を微増し更新することにより補償するもので、この実施形態では一例として上記走査用の駆動電圧(VDy)を変更することで輝度劣化を補償している。
この輝度劣化を補償する機能を実現するため、上記電源制御部6は、本発明の第1実施形態に於いて、図6に示す初期化処理ルーチンに含まれる表示パネル管理処理ルーチン20と、図7(a)に示すパネル管理レジスタ21と、図7(b)に示すパネル駆動時間累積カウンタ22とを有する。図6に示す表示パネル管理処理ルーチン20は、図5に示す平面表示装置を用いる、例えばテレビジョン装置本体等の電源投入に伴う動作開始時、すなわち表示パネル1の起動(パワーオン)時に実行される。図7(a)に示すパネル管理レジスタ21には、予め設定された、輝度劣化を補償する時期、すなわち上記走査用の駆動電圧(VDy)を補正電圧値に従い上げて更新する時期を示す更新時間と、その更新を行う補正電圧値とが保持される。図7(b)に示すパネル駆動時間累積カウンタ22には、表示パネル1の累積駆動時間(パネル駆動時間)を保持している。上記パネル管理レジスタ21およびパネル駆動時間累積カウンタ22は不揮発性のメモリ領域に設けられてもよいし、起動時にRTCメモリ等の不揮発性メモリから読み出されて所定のレジスタ領域にセットされるものであってもよい。尚、ここでは平面表示装置内の電源制御部6にパネル駆動時間累積カウンタ22を設けて、電源制御部6が表示パネル1の累積駆動時間をカウントし管理する構成としているが、例えば図5に示す平面表示装置を用いるテレビジョン装置本体側に動作時間を累積し管理するカウンタを設けて、装置の起動時に、このカウンタから累積されたパネル駆動時間を取得する構成であってもよく、この際は上記パネル駆動時間累積カウンタ22を電源制御部6に設けなくともよい。
電源制御部6は、平面表示装置の起動(パワーオン)時に於いて、平面表示装置の各コンポーネントを駆動する動作用電源を生成し、平面表示装置の各コンポーネントに供給制御する。電源制御部6は表示パネル1の駆動用電源として、表示パネル1に、上述したアノード電圧に加え、Xドライバ2およびYドライバ3に駆動電圧(VDx,VDy)を供給する。この際、Yドライバ3には、例えば10V程度の走査用駆動電圧(VDy)を供給する。Yドライバ3は上記電源制御部6から供給された走査用の駆動電圧(VDy)と上記入力信号処理回路5から入力した動作タイミング信号とをもとに走査線Y1〜Ymを順次駆動し、Xドライバ2は上記電源制御部6から供給された信号用の駆動電圧(VDx)と上記入力信号処理回路5から入力した1水平ライン分の映像信号および動作タイミング信号とをもとに、走査線Y1〜Ymの各々がYドライバ3によって駆動される間に入力信号処理回路5から出力される1水平ライン分の映像信号に対応して信号線X1〜Xnを駆動する。これにより、表示パネル1には、例えば外部の信号源から供給されるRGB映像信号に従う横×縦比が1280×720のカラー表示画素でなるXGA解像度の表示画像が表示される。
電源制御部6は、上記平面表示装置の起動(パワーオン)時に於いて、図2に示す初期化処理ルーチンに含まれる表示パネル管理処理ルーチン20を実行する。
この処理は、まずパネル駆動時間累積カウンタ22から表示パネル1の累積駆動時間を取得し(ステップS10)、続いてパネル管理レジスタ21から更新時間を取得する(ステップS11)。上記取得した、パネル管理レジスタ21に設定された更新時間と、パネル駆動時間累積カウンタ22に保持された表示パネル1の累積駆動時間とを比較し、上記表示パネル1の累積駆動時間が上記更新時間と等しいとき若しくは上記更新時間を超えているとき、表示パネル1の累積駆動時間が設定された更新時間に達していると判定する(ステップS12 Yes)。例えば、パネル管理レジスタ21に更新時間として、15000時間(H)が設定されていたとすると、パネル駆動時間累積カウンタ22のカウント値が15000時間以上であれば、表示パネル1の累積駆動時間が設定された更新時間に達していると判定する。また上記表示パネル1の累積駆動時間が、設定された更新時間に達していないとき(ステップS12 No)は、この表示パネル管理処理ルーチン20を終了する。
表示パネル1の累積駆動時間が設定された更新時間に達していると判定した際(ステップS12 Yes)は、パネル管理レジスタ21から補正電圧値を取得して(ステップS13)、この補正電圧値をもとに走査用の駆動電圧(VDy)を増加し、以後の走査用の駆動電圧(VDy)を更新する(ステップS14)。ここでは、駆動電圧(VDy)を例えば0.5V乃至1V程度上げる。この走査用の駆動電圧(VDy)の更新に伴って、電子放出素子11から蛍光体12に向けて放出される電子ビームBMの向きが図1および図2を参照して説明したように変化し、蛍光体12の蛍光面上のほぼ中央部分に当たっていたビームスポットの位置が、その周辺部分に位置を変える。この蛍光体12の蛍光面上に当たるビームスポットの位置変更に伴い、蛍光体12の蛍光面のほぼ中央部分に於ける固定領域での長時間使用による機能劣化(蛍光面の蛍光劣化)に伴う表示パネル1の表示輝度劣化が改善され、表示パネル1が再び当初の表示輝度に近い状態に回復される。
また、上記図7(a)に示すパネル管理レジスタ21に、比較的短い更新時間(例えば1000時間)を設定し、図6に示す表示パネル管理処理ルーチン20の配線電圧を更新する処理(ステップS14)に於いて、当該処理に加え、図7(b)に示すパネル駆動時間累積カウンタ22のカウント値を「0」にクリアする(初期化)することにより、比較的短い表示パネル1の累積駆動時間毎に、ビームスポットの位置を変更することができ、これによってビームスポットの位置変更に伴う輝度差を目立たなくさせることができる。
なお、上述した実施形態ではSEDを対象に、表示輝度の改善を行っているが、SEDに限らず、例えばFED等の画像表示装置に於いても本発明を適用可能である。また本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
1…表示パネル、2…Xドライバ、3…Yドライバ、5…入力信号処理回路、6…電源制御部、11…表面伝導型電子放出素子、12…蛍光体、12A…蛍光体スクリーン、10A…前面基板、10B…背面基板、14…メタルバック、21…パネル管理レジスタ、22…パネル駆動時間累積カウンタ、A…ビームスポット位置変更手段、BM…電子ビーム、SP…ビームスポット、X…信号線、Y…走査線、PX…表示画素。
Claims (7)
- 複数の蛍光体層と前記複数の蛍光体層に対応した複数の電子放出素子とにより形成される複数の表示画素をマトリクス状に配置した表示パネルと、
前記表示パネルに配置された複数の表示画素を走査線と信号線の駆動信号により駆動する駆動部と、
前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達した際に、前記駆動信号の電圧値を変更して前記電子放出素子から放出されるビームの前記蛍光体層に当たる位置を変更するパネル管理手段と
を具備したことを特徴とする平面表示装置。 - 前記蛍光体層に当たるビームはツインビームである請求項1記載の平面表示装置。
- 前記パネル管理手段は、
前記表示パネルの駆動時間を計数し累積して保持する計数手段と、
前記計数手段に保持された表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記計数手段を初期化し、前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記蛍光体層に当たる位置を変更する処理を繰り返し行う処理手段と
を具備したことを特徴とする請求項1または2記載の平面表示装置。 - 前記信号線に印加される駆動信号は、外部より供給された映像信号の階調レベルに応じてパルス幅変調された所定電圧値の信号である請求項1または2または3記載の平面表示装置。
- 複数の蛍光体層と前記複数の蛍光体層に対応した複数の電子放出素子とにより形成される複数の表示画素をマトリクス状に配置した表示パネルと、前記表示パネルに配置された複数の表示画素を走査線と信号線の駆動信号により駆動する駆動部とを備えた表示装置の輝度制御方法に於いて、
前記表示パネルの累積駆動時間が設定時間に達したとき、前記駆動信号の電圧値を変化させて前記電子放出素子から放出される電子ビームの軌道を変え、前記蛍光体層に当たる前記電子ビームの位置を移動させて前記表示パネルの輝度劣化を補償することを特徴とする表示装置の輝度制御方法。 - 前記蛍光体層に当たる電子ビームはツインビームである請求項5記載の表示装置の輝度制御方法。
- 前記表示パネルの駆動時間を計数し累積して保持する計数手段と、前記計数手段に保持された表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記計数手段を初期化する手段とを有して、前記表示パネルの累積駆動時間が予め設定された時間に達する度に、前記蛍光体層に当たる位置を変更する処理を繰り返し行うことを特徴とする請求項5または6記載の表示装置の輝度制御方法。
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