JP2006071766A - 光学部品の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学基板の貼り合わせ時において、貼り合わせ面に残留する気泡をなくし、ニュートンリングの発生を防止し、歩留まりを向上させることができる光学部品の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】 まず、接着剤45をホルダに保持された光学基板21の下面に供給する(第1工程)。次に、接着剤45の頂点が光学基板21の下方に位置する光学基板21aの上面に接触するまで光学基板21を光学基板21aに近付け、接着剤45の頂点が光学基板21aに接触した時点で光学基板21の移動を停止させる(第2工程)。その後、光学基板21の移動停止時点から1秒程度経過するまで待機する(第3工程)。次に、再び光学基板21を光学基板21aに近付け、光学基板21と光学基板21aとの距離が0.5mm程度に達した時点でホルダから光学基板21を離す(第4工程)。
【選択図】 図9

Description

この発明は光学部品の製造装置及び製造方法に関する。
複数のガラス基板等の光学基板を貼り合わせてなる光学部品(レンズ、光学ローパスフィルタ、プリズム等)に関し、光学基板の組み合わせによって種々の光学的な特性を得られることは周知である。所望の光学特性を得るためには、光学基板同士の貼り合わせ作業を慎重かつ正確に行う必要がある。
従来一般に行われている光学基板の貼り合わせは、真空貼り合わせ装置(特開2003−29035号公報参照)を用いて、以下の手順で行われていた。
真空貼り合わせ装置は、第1の光学基板を保持するチャッキングユニットと、このチャッキングユニットによって保持された第1の光学基板をこの第1の光学基板と対向する第2の光学基板に対して上下方向へ相対移動させる昇降機構と、第2の光学基板の貼り合せ面に接着剤を供給する塗布ユニットと、貼り合せ面を互いに対向させた第1の光学基板と第2の光学基板とを重ね合わせる前に、両光学基板の周囲を真空雰囲気にする真空チャンバとを備えている。
まず、台に載置した第2の光学基板に接着剤を供給し、その後貼り合わせる対象である第1の光学基板を第2の光学基板に対して所定間隔をおいた位置に移動させ、真空チャンバ内を真空引きした後、第1の光学基板の保持状態を解除し、更に両光学基板に上下方向の荷重を加え、接着剤を両光学基板の全面に広げる。
特開2003−29035号公報
ところで、光学基板同士を貼り合わせたとき、光学基板と接着剤とが触れる瞬間に接着剤の表面が振動を起こし貼り合せ面間に空気が気泡として残留し、ニュートンリングが発生する。
上記真空貼り合わせ装置によれば気泡を小さくすることはできるが、装置内を高真空(10-1〜10-5Pa)としているわけでないため、気泡をなくすことは原理的に困難である。
また、接着剤の塗布ムラ等によって光学基板同士が接近し過ぎるとニュートンリングが発生する。
ニュートンリングは光学部品の光学特性を劣化させ、歩留まり低下の原因となる。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は光学基板の貼り合わせ時において、貼り合わせ面に残留する気泡をなくし、ニュートンリングの発生を防止し、歩留まりを向上させることができる光学部品の製造装置及び製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、第1の光学基板を保持する保持手段と、この保持手段によって保持された前記第1の光学基板をこの基板と対向する第2の光学基板に対して上下方向へ相対移動させる移動手段と、前記第1の光学基板の一方の面の所定位置に接着剤を供給する接着剤供給手段と、前記接着剤供給手段によって前記第1の光学基板の一方の面に供給されて山形になった前記接着剤の頂点が前記第1の光学基板の下方に位置する前記第2の光学基板の上面に接触するまで前記移動手段によって前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記接着剤の頂点が前記第2の光学基板に接触した時点で前記第1の光学基板の移動を停止させ、その時点から所定時間経過後、再び前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記第1の光学基板と前記第2の光学基板との距離が所定値に達した時点で前記保持手段による前記第1の光学基板の保持状態を解除する光学基板制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学部品の製造装置において、前記重なり合った前記第1、第2の光学基板の周囲に突き当てて、それらの基板を整列させるとともに、前記第1、第2の光学基板間からはみ出た前記接着剤の一部を吸収する櫛の歯状の吸収部を有する整列手段を備えていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、保持手段によって保持された第1の光学基板の一方の面の所定位置に接着剤を供給する第1工程と、この第1工程の後、前記第1の光学基板の一方の面に供給されて山形になった前記接着剤の頂点が前記第1の光学基板の下方に位置する第2の光学基板の上面に接触するまで前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記接着剤の頂点が前記第2の光学基板に接触した時点で前記第1の光学基板の移動を停止させる第2工程と、この第2工程の後、前記第1の光学基板の移動停止時点から所定時間経過するまで待機する第3工程と、この第3工程の後、再び前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記第1の光学基板と前記第2の光学基板との距離が所定値に達した時点で前記保持手段による前記第1の光学基板の保持状態を解除し、所定時間放置する第4工程とを含むことを特徴とする。
接着剤の表面張力(接着剤と第1の光学基板との境界面(接着剤と第2の光学基板との境界面)に作用する界面張力)によって光学基板と接着剤との間から空気を排除しながら接着剤が光学基板の全面に行き渡る。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の光学部品の製造方法において、前記第4工程の後、櫛の歯状の吸収部を有する整列手段を前記重なり合った前記第1、第2の光学基板の周囲に突き当てて、それらの基板を整列させるとともに、前記第1、第2の光学基板間からはみ出た前記接着剤の一部を吸収させることを特徴とする。
光学基板を重ね合わせ、整列器51を用いて光学基板21の整列を行なったとき、光学基板21の周囲からはみ出した余分な接着材が整列器の吸収部に吸収される。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の光学部品の製造方法において、前記第1工程で、前記第1の光学基板の一方の面を下に向け、その光学基板の下方から前記接着剤を供給することを特徴とする。
接着剤を光学基板の下面に所定量に達するまで供給したとき、接着剤は山形形状になる。
この発明の光学部品の製造装置及び製造方法によれば、光学基板の貼り合わせ時において、貼り合わせ面に残留する気泡をなくし、ニュートンリングの発生を防止し、歩留まりを向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係る光学部品の製造装置の構成を説明する平面図である。
この光学部品の製造装置はホルダ10と供給マガジン20と回収マガジン30と接着剤塗布ユニット(接着剤供給手段)40と1次照射ユニット50と2次照射ユニット60と画像処理検査ユニット70とUV光源80とクリーンブース90とコントローラ5とを備えている。
供給マガジン20には光学ローパスフィルタ(光学部品)OLPFを製造するための複数の光学基板21(図2参照)が収容されている。5つの供給マガジン20にはそれぞれ種類の異なる光学基板21(図2参照)が100枚ずつ収納されている。光学基板21の大きさ、形状は例えば1辺の長さ30mmの正方形又は直径30mmの円形である。また、光学基板21の厚さは0.2〜1.0mmである。
回収マガジン30には製造された光学ローパスフィルタOLPFが収納される。回収マガジン30は、例えば良品(ニュートンリングがないもの)の光学ローパスフィルタOLPFを収納する良品用の回収マガジン31と、不良品(ニュートンリングがあるもの)の光学ローパスフィルタOLPFを収納する不良品用の回収マガジン32とで構成される。
ホルダ10は軸11を中心として回転できる。ホルダ10の先端部は長手方向へ伸縮する。
ホルダ10は供給マガジン20から光学基板21を取り出し、1次照射ユニット50に載置された光学基板21(21a)上に搬送する。
また、ホルダ10は1次照射ユニット50で1次硬化された複数の光学基板21を2次照射ユニット60に搬送する。
更に、ホルダ10は2次照射ユニット60で完成した光学ローパスフィルタOLPFを画像処理検査ユニット70へ搬送する。
また、ホルダ10は画像処理検査ユニット70でなされた良否の判別結果に基づいて光学ローパスフィルタOLPFを所定の回収マガジン30へ搬送し、収容する。
更に、ホルダ10は保持した光学基板21を上下方向へ移動させることができる。
すなわち、ホルダ10は保持手段及び移動手段として機能する。
接着剤塗布ユニット40は光学基板21に対して下方から接着剤(UV光硬化型)45(図6参照)を所定量だけ供給する。
接着剤45の粘度及び硬化エネルギはそれぞれ200〜20000mPas(好ましくは200〜20000mPas)及び2000〜3000mJ/cm2 程度である。
1次照射ユニット50では接着剤45を介して複数の光学基板21を重ね合わせる。1次照射ユニット50は昇降機構53と重ね合わせた複数の光学基板21を整列させる整列器(整列手段)51と光学基板21の上面を均一に加圧する平行維持機構55(図4参照)とを備えている。昇降機構53は軸53aを中心として回転可能であるとともに、重ね合わせた複数の光学基板21を上下方向へ移動可能である。
1次照射ユニット50には光ファイバ81を介してUV光源80からUV光が導かれる。
2次照射ユニット60には光ファイバ82を介してUV光源80からUV光が導かれる。
UV光源80として、波長及び出力がそれぞれ365nm及び300mW/cm2 (ファイバ先10mm)であるランプが用いられる。
クリーンブース90はホルダ10、供給マガジン20、回収マガジン30、接着剤塗布ユニット40、1次照射ユニット50、2次照射ユニット60、画像処理検査ユニット70、UV光源80等を収容する密閉された室である。
クリーンブース90内に微細なゴミ(パーティクル)があると光学ローパスフィルタOLPFの歩留まりが低下するため、クリーンブース90内は清浄レベルをクラス1000(直径1μm以上の粒子が1立方フィート当り1000個以下)とされている。
コントローラ5はホルダ10の動作を制御する。コントローラ5は例えばマイクロコンピュータで構成することができる。
図2はホルダの先端部の拡大斜視図である。
ホルダ10は導電性プラスチック製であり、その先端部は音叉形をしている。ホルダ10の先端部を構成する部材11a,11b,11cは正方形の光学基板21の3つの辺の上面とそれぞれ対向する。部材11a,11b,11cの下面には光学基板21の上面と対向して複数の孔(図では見えない)が設けられている。孔はエア源(図示せず)等に接続されている。エア源は−0.1MPa程度の圧力に設定されている。このホルダ10によれば光学基板21との接触面積が小さいので、ホルダ10との接触による光学基板21の汚染を減少させることができる。
図3は整列器の斜視図である。
4つの整列器51が1次照射ユニット50上に設けられている。整列器51は重ね合わせた複数の光学基板21の周囲に突き当てられる。白抜き矢印で示すように整列器51を押し当てることによって重ね合わされた複数の光学基板21が整列する。
整列器51はガラス製又は金めっきが施されたプラスチック製である。
整列器51の光学基板21と突き当たる部分には接着剤45(図8参照)を吸収する櫛の歯状の吸収部52が形成されている。櫛の歯の幅及び間隔はそれぞれ0.5mm及び0.5〜1mmである。
図4は平行維持機構の斜視図である。
平行維持機構55はクリーンブース90の床面に直立する柱91に図示しない上下動機構を介して支持されている。上下動機構は図示しないアクチュエータによって上下方向へ移動できる。
平行維持機構55はL字形のアーム56a,56bと平行バネ57a,57bと支持部材58a,58bと板材59とを備えている。アーム56a,56bのそれぞれの一端は上下動機構に支持されている。アーム56a,56bの他端には平行バネ57a,57bの一端を支持する支持部材58a,58bがそれぞれ固着されている。
平行バネ57a,57bの他端は1次照射ユニット50のステージ52上に重ね合わせた複数の光学基板21を加圧する板材(例えば光学基板21より大きい正方形の板材)59の側面にそれぞれ支持されている。
板材59の下面とステージ52の上面とは平行である。板材59の中央に形成された孔59aには接着剤45を硬化させるUV光を導入する光ファイバ81が挿入されている。
アーム56a,56bを下方へ移動させたとき、支持部材58a,58bが下方へ移動し、平行バネ57a,57bのバネ力によって板材59が光学基板21の上面を均一に加圧する。
図5は画像処理検査ユニットの斜視図である。
画像処理検査ユニット70はレンズユニット71とCCDカメラ72とを有する。ステージ75上に載置された光学ローパスフィルタOLPFに透過照明装置(図示せず)から光を照射する。レンズユニット71を通して得られた光学ローパスフィルタOLPFの画像はCCDカメラ72の受光面(図示せず)に結像する。
図6、7は光学ローパスフィルタの製造方法を説明する図である。
図6(a)は光学基板の下面に接着剤を所定量だけ供給した状態を示す図、図6(b)は光学基板の周囲からはみ出した余分な接着材を整列器によって吸収した状態を示す図、図6(c)は整列状態の光学基板を示す図、図6(d)は光学基板の中心部にUV光を照射して光学基板の中心部の接着剤だけを硬化させた状態を示す図、7(a)は光学基板の上面全体にUV光を照射して光学基板の全面で接着剤が硬化させた状態を示す図、図7(b)はCCDカメラで得られた画像に基づいて光学ローパスフィルタの外観検査を行なている状態を示す図、図7(c)は良品及び不良品の光学ローパスフィルタをそれぞれ所定の回収マガジンに収容した状態を示す図である。
(1)接着剤定量供給工程
まず、供給マガジン20(図1参照)から光学基板(第1の光学基板)21を取り出し、接着剤塗布ユニット40で光学基板21の下面の中心部(所定位置)に接着剤(UV光硬化型)45を所定量だけ供給する(図6(a)参照)。
(2)重ね合わせ工程
接着剤45が供給された光学基板21を1次照射ユニット50の昇降機構53(図1参照)に予め載置された別の光学基板(第2の光学基板)21上に重ね合せる。
上記作業を繰返して所定の枚数の光学基板21を重ね合わせた後、整列器51を用いて光学基板21の整列を行なう。余分な接着材45は光学基板21の周囲からはみ出し、ぬれ性の優れた整列器51の吸収部52に吸収される(図6(b)参照)。このとき、はみ出した接着材45の周縁部の断面形状は表面張力によってほぼ半円形となっている。
整列器51によって、図6(c)に示すように、整列され、光学基板21の表裏への接着材45の回り込みが防止される。
(3)UV1次硬化工程
その後、光学基板21の上面を平行維持機構55(図6では板材59だけが記載されている)を用いて均一に加圧する。このとき、接着剤45の流動性によって光学基板21間の平行度及び厚さが一定に保たれ、ニュートンリングの発生を防止することができる。
次に、光学基板21の中心部にUV光が照射される。UV光の照射によって接着剤45の層の中心部だけが硬化する。
その結果、接着剤45の層を厚みを一定に保った状態で光学基板21が結合される(図6(d)参照)。なお、接着剤45の層の厚みを加圧力、加圧時間、接着剤45の粘度等を変えることによって制御することができる。
(4)UV2次照射工程
次に、結合された複数の光学基板21を2次照射ユニット60(図1参照)へ搬送し、白抜き矢印で示すように光学基板21の上面全体にUV光を照射する。UV光の照射によって、接着剤45による光学基板21に生じたストレスが解放されるとともに、光学基板21の全面で接着剤45が硬化する。その結果、光学ローパスフィルタOLPFが完成する(図7(a)参照)。
(5)検査工程
その後、完成した光学ローパスフィルタOLPFを画像処理検査ユニット70(図1参照)に搬送し、CCDカメラ72で得られた画像に基づいて、光学ローパスフィルタOLPFの外観検査(気泡混入の有無及びニュートンリングの発生の有無)を行ない、良品と不良品とを判別する(図7(b)参照)。
(6)判別工程
良品と判別された光学ローパスフィルタOLPFは良品用の回収マガジン31に収容され、不良品と判別された光学ローパスフィルタOLPFは不良品用の回収マガジン32にそれぞれ収容される(図7(c)参照)。
次に、接着剤定量供給工程と重ね合わせ工程とを詳細に説明する。
図8は接着剤定量供給工程を説明する図である。
図8(a)は接着剤の光学基板の下面への供給開始時の状態を説明する図、図8(b)は所定量の接着剤が光学基板の下面に供給された状態を示す図である。
接着剤定量供給工程
接着剤45の供給は接着剤塗布ユニット40を用いて行なわれる。
接着剤塗布ユニット40は接着剤溜め41と接着剤供給管42とを備えている。
接着剤供給管42の一端は接着剤45を溜めておく接着剤溜め41に接続され、他端はスペーサ95によって保持された光学基板21の下面中央部に位置する。
接着剤溜め41にはエア源(図示せず)が接続され、このエア源は制御するコントローラ(図示せず)によって制御される。接着剤溜め41は支持部材92によって光学基板21の上方に配置されている。接着剤45の供給圧力及び時間を例えばそれぞれ0.05〜0.4MPa及び0.001〜9.999msの範囲で設定することができる。この接着剤塗布ユニット40によってμl単位で接着剤45の供給量を設定できる。
まず、接着剤供給管42の他端を光学基板21の下方から光学基板21の下面(一方の面)に接触する直前まで近付けた後、接着剤45を光学基板21の下面に供給する(図8(a)参照)(第1工程)。このとき、供給する接着剤45の頂点の曲率を小さくすることができ、気泡の発生を防止できる。
その後、所定量に達するまで接着剤45を光学基板21の下面に供給する。このとき、接着剤45は山形形状になる(図8(b)参照)。その形状は接着剤の表面張力及び密度によって変化する。
図9は重ね合わせ工程を説明する図である。
図9(a)は所定量の接着剤が光学基板の下面に供給された状態を示す図、図9(b)は接着剤の頂点が光学基板に接触した状態を示す図、図9(c)は接着剤に作用する表面張力によってその形状が安定した状態を示す図、図9(d)は光学基板間の距離が所定値に達した状態を示す図、図9(e)は接着剤が光学基板の全面に行き渡った状態を示す図である。
第1工程の後、接着剤45が供給された光学基板21(図9(a)参照)を、ホルダ10(図2参照)を用いて、接着剤45の頂点が光学基板21の下方に位置する光学基板21の上面に接触するまで、光学基板21aに近付け(移動速度1mm/sec程度)、接着剤45の頂点が光学基板21aに接触した時点で光学基板21の移動を停止させる(図9(b)参照)(第2工程)。
このとき、接着剤45の頂点の曲率が小さいため、気泡の発生が防止される。
接着剤45の粘度、供給量等に応じて、ホルダ10の移動量が予め設定されており、接着剤45の頂点が光学基板21aに接触した時点で光学基板21の移動を停止させることが可能である。
第2工程の後、光学基板21の移動停止時点から所定時間(1sec程度)経過するまで待機し、接着剤45に作用する表面張力によってその形状の安定を図る(図9(c)参照)(第3工程)。
第3工程の後、再び光学基板21を光学基板21aに近付け、光学基板21と光学基板21aとの距離が所定値(0.5mm程度)に達した時点(図9(d)参照)でホルダ10から光学基板21を離し、所定時間(3〜10sec程度)放置する(第4工程)。
このとき、接着剤45と光学基板21との境界面(接着剤45と光学基板21aとの境界面)に作用する界面張力によって光学基板21と接着剤45(光学基板21aと接着剤45)との間(貼り合わせ面)から空気を排除しながら接着剤45が光学基板21の全面に行き渡る(図9(e)参照)。
その結果、光学基板21と接着剤45(光学基板21aと接着剤45)との間に残留する気泡が除去され、ニュートンリングの発生が阻止される。また、接着剤45と光学基板21との境界面(接着剤45と光学基板21aとの境界面)に作用する界面張力によって光学基板21同士が接近し過ぎることがないので、ニュートンリングの発生を防止することができる。
この実施形態によれば、光学基板21の貼り合わせ時において、貼り合わせ面に気泡が残留せず、ニュートンリングの発生を防止でき、歩留まりが向上する。
また、光学基板21の間からはみ出した接着剤45は整列器51の吸収部52によって吸収されるため、光学基板21の表裏への接着材45の回り込みに起因する光学性能の劣化を防止を防止できる。
なお、上記実施形態では光学部品として光学ローパスフィルタを例示したが、この発明の適用対象はこれに限るものではなく、レンズやプリズム等の光学部品にも及ぶ。
図1はこの発明の一実施形態に係る光学部品製造装置の構成を説明する平面図である。 図2はホルダの拡大斜視図である。 図3は整列器の斜視図である。 図4は平行維持機構の斜視図である。 図5は画像処理検査ユニットの斜視図である。 図6は光学ローパスフィルタの製造方法を説明する図である。 図7は光学ローパスフィルタの製造方法を説明する図である。 図8は接着剤定量供給工程を説明する図である。 図9は重ね合わせ工程を説明する図である。
符号の説明
5 コントローラ(光学基板制御手段)
10 ホルダ(保持手段)
21,21a 光学基板
40 接着剤供給ユニット(接着剤供給手段)
45 接着剤
51 整列器(整列手段)
52 吸収部
OLPF 光学ローパスフィルタ(光学部品)

Claims (5)

  1. 第1の光学基板を保持する保持手段と、
    この保持手段によって保持された前記第1の光学基板をこの基板と対向する第2の光学基板に対して上下方向へ相対移動させる移動手段と、
    前記第1の光学基板の一方の面の所定位置に接着剤を供給する接着剤供給手段と、
    前記接着剤供給手段によって前記第1の光学基板の一方の面に供給されて山形になった前記接着剤の頂点が前記第1の光学基板の下方に位置する前記第2の光学基板の上面に接触するまで前記移動手段によって前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記接着剤の頂点が前記第2の光学基板に接触した時点で前記第1の光学基板の移動を停止させ、その時点から所定時間経過後、再び前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記第1の光学基板と前記第2の光学基板との距離が所定値に達した時点で前記保持手段による前記第1の光学基板の保持状態を解除する光学基板制御手段と
    を備えていることを特徴とする光学部品の製造装置。
  2. 前記重なり合った前記第1、第2の光学基板の周囲に突き当てて、それらの基板を整列させるとともに、前記第1、第2の光学基板間からはみ出た前記接着剤の一部を吸収する櫛の歯状の吸収部を有する整列手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の光学部品の製造装置。
  3. 保持手段によって保持された第1の光学基板の一方の面の所定位置に接着剤を供給する第1工程と、
    この第1工程の後、前記第1の光学基板の一方の面に供給されて山形になった前記接着剤の頂点が前記第1の光学基板の下方に位置する第2の光学基板の上面に接触するまで前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記接着剤の頂点が前記第2の光学基板に接触した時点で前記第1の光学基板の移動を停止させる第2工程と、
    この第2工程の後、前記第1の光学基板の移動停止時点から所定時間経過するまで待機する第3工程と、
    この第3工程の後、再び前記第1の光学基板を前記第2の光学基板に近付け、前記第1の光学基板と前記第2の光学基板との距離が所定値に達した時点で前記保持手段による前記第1の光学基板の保持状態を解除し、所定時間放置する第4工程と
    を含むことを特徴とする光学部品の製造方法。
  4. 前記第4工程の後、櫛の歯状の吸収部を有する整列手段を前記重なり合った前記第1、第2の光学基板の周囲に突き当てて、それらの基板を整列させるとともに、前記第1、第2の光学基板間からはみ出た前記接着剤の一部を吸収させることを特徴とする請求項3記載の光学部品の製造方法。
  5. 前記第1工程で、前記第1の光学基板の一方の面を下に向け、その光学基板の下方から前記接着剤を供給することを特徴とする請求項3又は4記載の光学部品の製造方法。
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