JP2006071257A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 膨張機によるエネルギー回収を行うとともに圧縮機における消費エネルギーの低減を併せ行うことにより、全体として効率向上を行った冷凍サイクル装置を提供すること。
【解決手段】 低段側圧縮機1と高段側圧縮機2とからなる2段圧縮装置3と、高圧ガス冷媒を冷却する放熱器4と、放熱器4で冷却された後の高圧冷媒を膨張させる膨張機5を含む減圧装置と、減圧装置により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器8と、減圧装置で減圧された中間圧ガス冷媒を高段側圧縮機2の吸入側に導入するガスインジェクション回路10とを備え、前記膨張機5と低段側圧縮機1とを同軸で連結している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エネルギー回収用の膨張機を備えた冷凍サイクル装置に関する。
近年、冷媒による地球環境破壊の問題からHFC32、HFC32を含む混合冷媒などの代替フロンや二酸化炭素、アンモニアなどの自然冷媒が使用されつつある。ところがこのような冷媒を用いた冷凍サイクル装置では高低圧力差が大きくなることから、従来のフロンを冷媒として用いた冷凍サイクル装置に比し成績係数(COP)が低いという問題があった。特に、実用化段階を向かえた二酸化炭素を用いる冷凍サイクル装置に関して、冷媒を高圧から低圧に減圧する減圧工程中に膨張機を設けることによりエネルギーを回収し、回収したエネルギーを圧縮機の動力に利用して、冷凍サイクル装置のCOPを改善しようとする試みが多く成されている。
このエネルギー回収型の冷凍サイクル装置の基本冷凍サイクルは、例えば、特許文献1の図6に記載されているように、従来一般の冷媒回路における減圧工程の部分に略等エントロピー膨張を行う容積型膨張機を設け、この膨張機と圧縮機とを同軸で連結することにより、膨張機で回収したエネルギーを圧縮機の動力として利用するものである。このような特許文献1の図6に記載されている冷凍サイクル装置を以下従来技術1という。ところが、この従来技術1の場合は、圧縮機を流通する冷媒の質量循環量と膨張機を循環する冷媒の質量循環量が等しくなければならず、一方、両者を通過する体積循環量は、それぞれ「シリンダ容積×回転数」で決定されることから、次式に示される密度比一定の制約が課せられる。
DE/DC=VC/VE=一定
ここに、DE:膨張機に吸入される吸入ガス冷媒の密度
DC:圧縮機に吸入される吸入ガス冷媒の密度
VE:膨張機に吸入される冷媒の体積循環量
VC:圧縮機に吸入される冷媒の体積循環量
上式において、VC及びVEは冷凍サイクル装置固有の値であるので、VC/VEは一定値である。
また、この冷凍サイクル装置を運転した場合は、特許文献1の段落番号0011、段落番号0012及び図7に記載されているように、運転条件により低圧が低下した場合に、モリエル線図上のサイクルの形状が横長四角状から縦長四角状に変化し、運転効率が低下する。このため、上記のようにエネルギー回収用膨張機を備えていても効率の向上を図ることが困難になってくるという問題があった。
この従来技術1における問題を解決したのが特許文献1の出願発明(特許文献1の図1〜4参照)である。以下特許文献1の出願発明を従来技術2という。この従来技術2は、特許文献1の図1に記載されているように、膨張機と並列に、流量制御弁を介在させたバイパス回路を設けている。そして、従来技術2は、特許文献1の段落番号0023、段落番号0024及び図2に示すように、運転条件の変化に対応してバイパス回路を流通する冷媒流量を調節することにより、膨張機を通過する冷媒流量を調節し、密度比一定という冷凍サイクル上の制約を解消して効率の向上を行っている。
特開2001−116371号公報
ところで、この従来技術1及び従来技術2では、高圧冷媒全てを、膨張機又は絞り機構を通過させて低圧まで変化させており、このときの冷媒を等エントロピー変化させる膨張機を使用してエネルギー回収している。しかしながら、膨張機におけるエネルギーの回収効率は、特に実用化研究が活発に行われている二酸化炭素を冷媒に使用した冷凍サイクル装置では、あまり大きくないのが実態である。このため、更なる効率改善が要望されている。
本発明は、このような背景に基づきなされたものであって、膨張機によるエネルギー回収を行うとともに圧縮機における消費エネルギーの低減を併せ行うことにより、全体として効率向上を行った冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍サイクル装置は上記課題を解決するためになされたものであって、第1の発明は、低段側圧縮機と高段側圧縮機とからなる2段圧縮装置と、高圧ガス冷媒を冷却する放熱器と、放熱器で冷却された後の高圧冷媒を膨張させる膨張機を含む減圧装置と、減圧装置により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器と、減圧装置で減圧された中間圧ガス冷媒を高段側圧縮の吸入側に導入するガスインジェクション回路とを備え、前記膨張機と低段側圧縮機とは同軸で連結されていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、中間圧冷媒を気液分離する気液分離器が設けられ、前記減圧装置は、放熱器出口側と気液分離器との間に接続されて、放熱器で冷却された後の高圧冷媒を中間圧まで膨張させる膨張機と、気液分離器の液部分と蒸発器入口側との間に接続された、気液分離器で気液分離された中間圧液冷媒を低圧まで減圧する絞り装置とを有し、前記ガスインジェクション回路は、気液分離器のガス部分と高段側圧縮機の吸入側とを連通するように接続されてなることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、高圧冷媒を流通させる高圧側経路と中間圧冷媒を流通させる中間圧側経路とが熱交換可能に構成されてなる熱交換器が設けられ、この熱交換器の高圧側経路の入口側は、放熱器の出口側に接続され、前記減圧装置は、放熱器の出口側と熱交換器の中間圧側経路の入口側との間に接続された、放熱器で冷却された後の高圧冷媒の一部を中間圧まで減圧する絞り装置と、熱交換器の高圧側経路の出口側と蒸発器の入口側との間に接続された、放熱器及び熱交換器で冷却された後の残部の高圧冷媒を低圧まで膨張させる膨張機とを有し、前記ガスインジェクション回路は、熱交換器の中間圧側経路の出口側と高段側圧縮機の吸入側との間に接続されてなることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、前記減圧装置は、膨張機をバイパスするバイパス回路を有し、このバイパス回路には流量制御弁が設けられていることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、前記低段側圧縮機は、容量可変型圧縮機に構成されていることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記低段側圧縮機は、容量可変型斜板式圧縮機であることを特徴とする。
また、第7の発明は、第2の発明において、前記低段側圧縮機は容量可変型斜板式圧縮機とされ、この低段側圧縮機と膨張機とは、隔壁を介して一つのケーシング内に上下に収納され、かつ、低段側圧縮機を収納する室内がアキュムレータを兼用するように構成されていることを特徴とする。
また、第8の発明は、第2の発明において、前記膨張機を収納する室が気液分離器として兼用されていることを特徴とする。
また、第9の発明は、第1〜8の何れかの発明において、冷媒として二酸化炭素が使用されていることを特徴とする。
また、第10の発明は、第9の発明において、低段側圧縮機の吸入側に冷媒回路内の冷媒量を調節可能とする容積に形成されたアキュムレータを備えてなることを特徴とする。
また、第11の発明は、第1〜10の何れかの発明において、膨張機が非容積型膨張機であることを特徴とする。
また、第12の発明は、第11の発明において、低段側圧縮機は、起動時の負荷を軽減できる負荷軽減装置を備えた容積型圧縮機であることを特徴とする。
第1の発明に係る冷凍サイクル装置によれば、中間圧ガス冷媒を高段側圧縮機の吸入側に導入するガスインジェクション回路を設けているので、従来技術1及び2に比較し高圧ガス冷媒を減圧する膨張機において回収するエネルギーが減少するが、2段圧縮装置における圧縮仕事量が減少する。また、従来技術におけるエネルギー回収効率はあまり大きくない。このような要因により、本発明は、圧縮装置におけるエネルギー消費量を低減させることにより、エネルギー効率を向上させることができる。
また、第2の発明によれば、放熱器出口側と気液分離器との間に放熱器で冷却された後の高圧冷媒を中間圧まで膨張させる膨張機が設けられ、膨張機で減圧された中間圧冷媒が気液分離器で気液分離される。そして、気液分離器で分離された中間圧ガス冷媒はガスインジェクション回路により高段側圧縮機に導入される。また、気液分離器から蒸発器に至る減圧工程には、膨張機が設けられていないで絞り装置しか設けられていない。このため、気液分離器から蒸発器に至る減圧工程には膨張機がない分だけ膨張機によるエネルギー回収量は減少する。しかし、高段側圧縮機の吸入側に導入する中間圧ガス冷媒分の低段側圧縮機での圧縮仕事が減少するためエネルギー効率が向上する。
また、第3の発明によれば、第1の発明において、高圧冷媒を流通させる高圧側経路と中間圧冷媒を流通させる中間圧側経路とが熱交換可能に構成されてなる熱交換器が設けられ、放熱器の出口側と熱交換器の中間圧側経路の入口側との間に、放熱器で冷却された後の高圧冷媒の一部を中間圧まで減圧する絞り装置が設けられているので、放熱器で冷却された後の冷媒の一部が減圧する絞り装置により気液混合の中間圧ガス冷媒に減圧される。さらに、この気液混合の中間圧ガス冷媒と放熱器で冷却された残部の高圧ガス冷媒とを熱交換させて高圧ガス冷媒を冷却するため、膨張機を経由して蒸発器に流通させる冷媒のエンタルピーを小さくすることができ、冷凍サイクルにおける効率を改善することができる。また、熱交換器の高圧側経路の出口側と蒸発器の入口側との間に、放熱器及び熱交換器で冷却された後の残部の高圧冷媒を低圧まで膨張させる膨張機を設けているので、膨張機でエネルギーが回収される。この場合、膨張機で回収されるエネルギーは、従来技術1及び2の場合に比し小さくなる。これは、ガスインジェクション回路を通じて中間圧ガス冷媒が高段側圧縮機に流通するためである。しかし、熱交換器を介して高段側圧縮機に導入される冷媒循環量分の低段側圧縮機における圧縮仕事量が減少するため、エネルギー効率は改善される。
また、第4の発明によれば、第1〜第3の何れかの発明において、膨張機をバイパスするバイパス回路を設け、このバイパス回路に流量制御弁を設けているので、この流量制御弁の開度を調節してバイパス回路の冷媒循環量を制御することにより、膨張機に流入する冷媒の密度と圧縮機に流入する冷媒の密度との比を一定に保持しなければならないという密度比一定の制約から解放され、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができる。
また、第5の発明によれば、第1〜3の何れかの発明において、低段側圧縮機は、容量可変型圧縮機とされているので、運転条件の変化に対応して圧縮機の吸入側の密度比を調節することが可能となり、膨張機に流入する冷媒の密度と圧縮機に流入する冷媒の密度との比を一定に保持しなければならないという密度比一定の制約から解放され、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができる。
また、第6の発明によれば、第5の発明において、低段側圧縮機が容量可変型斜板式圧縮機とされているので、圧縮機に吸入する冷媒の体積冷媒循環量を無段階に調節することが可能になり、膨張機に流入する冷媒の密度と圧縮機に流入する冷媒の密度との比により制約されることがないので、より一層エネルギー効率を向上させることができる。
また、第7の発明によれば、第1〜6の何れかの発明において、低段側圧縮機と膨張機とが隔壁を介して一つのケーシング内に収納され、さらに、低段側圧縮機の収納された室内がアキュムレータとして兼用されているので、低段側圧縮機1、膨張機5及びアキュムレータを個別に製作して取り付ける場合に比し、機器がコンパクトになるとともに、アキュムレータを接続する配管が簡素化される。
また、第8の発明によれば、第2の発明において、前記低段側圧縮機と膨張機とが隔壁を介して一つのケーシング内に収納され、さらに、低段側圧縮機の収納された室内がアキュムレータとして兼用されるとともに、前記膨張機を収納する室が気液分離器として兼用されているので、低段側圧縮機、膨張機、気液分離器及びアキュムレータを個別に製作して取り付ける場合に比し機器がコンパクトになるとともに、これら機器を接続する配管が簡素化される。
また、第9の発明によれば、第1〜第8の何れかの発明において、冷媒として二酸化炭素を使用するので、フロンで指摘されているオゾン層の破壊、地球温暖化といった問題がなくなる。また、可燃性や毒性もないことから取り扱い上も危険がない。
また、第10の発明によれば、第9の発明において、低段側圧縮機の吸入側に冷媒回路内の冷媒量を調節可能とする容積に形成されたアキュムレータを設けているので、冷媒として二酸化炭素を使用する冷凍サイクル装置における必要冷媒充填量の変化をこのアキュムレータで調節することが可能となる。なお、冷媒として二酸化炭素を使用する冷凍サイクル装置においては超臨界冷凍サイクルに形成されるので、高圧側での冷媒量調節が困難であるが、アキュムレータを上記のように形成することによりこの問題を解決することができる。
また、第11の発明によれば、第1〜10の何れかの発明において、膨張機を非容積型膨張機としているので、膨張機の起動負荷を軽減させることができる。この結果、膨張機と低段側圧縮機との組み合わせ起動負荷が軽減され、駆動用電動機を用いずに膨張機のみで低段側圧縮機を駆動することが可能となる。
また、第12の発明によれば、第11の発明において、低段側圧縮機を、起動時の負荷を軽減できる負荷軽減装置を備えた容積型圧縮機としているので、より一層膨張機と低段側圧縮機との組み合わせ起動負荷を軽減することができる。この結果、低段側圧縮機として小中容量の用途に最適の、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機などの容積型圧縮機を使用しながら、駆動用電動機を用いずに膨張機のみで低段側の容積型圧縮機を駆動することが可能となる。
(実施の形態1)
以下に、本発明を具体化した実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成を図1及び図2に基づいて説明する。なお、図1は実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図であり、図2は同冷凍サイクル装置のモリエル線図である。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置は、低段側圧縮機1と高段側圧縮機2とからなる2段圧縮装置3、高圧ガス冷媒を冷却する放熱器4、放熱器4で冷却された高圧冷媒を中間圧まで減圧する膨張機5、膨張機5で減圧された中間圧冷媒を気液分離する気液分離器6、気液分離器6の液部と蒸発器8との間に接続された絞り装置7、絞り装置7で減圧された低圧冷媒を蒸発気化させる蒸発器8、蒸発器8と低段側圧縮機1の吸入側との間に接続されたアキュムレータ9、気液分離器6のガス部と高段側圧縮機2の吸入側とを連通するガスインジェクション回路10、膨張機5と並列に接続されたバイパス回路11などから構成されている。
上記冷凍サイクル装置において、低段側圧縮機1及び高段側圧縮機2はロータリ圧縮機のような容量一定の圧縮機である。そして、低段側圧縮機1と膨張機5とは同軸に連結されている。また、ガスインジェクション回路10には開閉弁12が設けられ、この開閉弁の開度を調節することによりガスインジェクション回路10の流量を適切に設定するようにしてもよい。なお、この開閉弁12を流量設定に使用しないのであれば、この開閉弁12を省略してもよい。また、バイパス回路11には流量制御弁13が設けられている。この流量制御弁13は低段側圧縮機1の吸入圧力により開度制御するように構成されており、低圧が上がれば流量制御弁13の開度を大きくするように制御されている。なお、上記実施の形態1の冷凍サイクル装置においては、膨張機5と絞り装置7とが本発明にいう減圧装置を構成する。また、このように構成された冷凍サイクル装置には、冷媒としてHFC32又はHFC32などの通常の冷凍サイクルを形成する冷媒(超臨界冷凍サイクルを形成しない冷媒)が充填されているものとする。
上記構成の冷凍サイクル装置の動作を、図2を用いて説明する。なお、説明文中、図2の符合に対応する状態には括弧を付して図2の符号を記載する。低段側圧縮機1から吐出された吐出ガス(a1)は、気液分離器6からガスインジェクション回路10を経由して高段側圧縮機2の吸入側に導入された中間圧ガス冷媒(a8)と混合して(a2)、高段側圧縮機2に吸入される。高段側圧縮機2から吐出された高圧ガス冷媒(a3)は放熱器4で冷却される(a4)。放熱器4で冷却された高圧冷媒は膨張機5により略等エントロピー変化の減圧作用を受けて中間圧まで減圧される(a5)。このとき、膨張機5と低段側圧縮機1とが同軸に接続されていることにより、膨張機5により回収されたエネルギーが低段側圧縮機1を回転するのに消費されるエネルギーとして利用される。
中間圧まで減圧された冷媒(a5)は気液分離器6で気液分離される。分離されたガス冷媒(a8)は前述のように高段側圧縮機2の吸入側に導入されて低段側圧縮機1の吐出ガス(a1)と混合される(a2)。一方、気液分離器6で分離された液冷媒(a7)は、絞り装置7により減圧されて低圧冷媒(a8)となる。この低圧冷媒は蒸発器8で蒸発気化され(a9)、アキュムレータ9を経由して低段側圧縮機1に吸入される。このアキュムレータ9は、低段側圧縮機1の吸入側に未蒸発の液冷媒が流れてきた場合に、この液冷媒を分離して貯留することにより、低段側圧縮機1における液圧縮を防止するものである。
また、上記冷凍サイクル装置においては、蒸発温度を運転許容範囲における最低温度(例えば−35℃)とした場合に、バイパス回路11の流量制御弁13の開度を最少(つまり閉鎖状態)としておくことで、密度比一定の制約を満たすようにする。そして、蒸発器8の蒸発負荷が増大して低段側圧縮機1の吸入圧力の増加とともに高段側圧縮機2の吸入圧力が上昇した場合に、その増加に対応して流量制御弁13の開度を大きくしてバイパス回路11の冷媒循環量を増大させるように制御する。これにより、放熱器4で冷却された高圧冷媒のうち膨張機5を通過させない余剰冷媒を、バイパス回路11を通じて気液分離器6に流す。このとき、この高圧冷媒は流量制御弁13により中間圧まで減圧される(a6)。そして、前述の膨張機5を介して気液分離器6に流されてきた中間圧冷媒と混合し、気液分離器6で気液分離される。
上記構成の実施の形態1によれば、膨張機5と並列に流量制御弁13を備えたバイパス回路11を設け、蒸発温度の上昇に対応してバイパス量を増加するように制御することにより密度比一定の制約から解放されるので、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができ、効率を向上することができる。
また、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置によれば、中間圧ガス冷媒を高段側圧縮機2の吸入側に導入するガスインジェクション回路10を設けているので、従来技術1及び2に比較し高圧ガス冷媒を減圧する膨張機5における回収エネルギーが減少するが、2段圧縮装置3における圧縮仕事量が従来技術1及び2よりも減少する。また、膨張機5によるエネルギー回収効率が低いことから、膨張機5による回収エネルギーの減少よりも2段圧縮装置3における圧縮エネルギーの減少量のほうが大きくなる結果、従来技術1及び2より効率が改善される。図3はこの結果を示した例である。
図3は、実施の形態1の冷凍サイクル装置を冷凍装置(又は冷房装置)とした場合において、蒸発温度の変化に対応する冷凍(又は冷房)COP比を、前述の従来技術2と比較できるように示している。この場合における冷凍(又は冷房)COP比とは、膨張機5によるエネルギー回収を行わない古くからある一般的な冷凍装置(又は冷房装置)の各蒸発温度における冷凍(又は冷房)COPに対する、実施の形態1及び後記する実施の形態2及び3の同COPの比で表したものである。この図に示すように、蒸発温度が低いときは高段側圧縮機2の吸入圧力も低くなり、バイパス回路11からバイパスされる冷媒量が減少するので、膨張機5によるエネルギー回収量が多くなりCOP比が大きくなる。また、従来技術2と比較すると、膨張機5による回収エネルギーの減少よりも2段圧縮装置3における圧縮エネルギーの減少量が大きくなる結果、従来技術2の冷凍(又は冷房)COP比に対し実施の形態1の冷凍(又は冷房)COP比が大きくなっている。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図4に基づき説明する。図4は実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。この図には実施の形態1と同一の個所には同一の符号を付してその説明を簡略化する。
実施の形態2は、実施の形態1において、低段側圧縮機1を容量可変型として、流量制御弁13を備えたバイパス回路11、及びガスインジェクション回路10中の開閉弁12を除去したものである。また、低段側圧縮機1と膨張機5とは同一ケーシング21内に収納し、このケーシング21内を隔壁22により上下に分離し、上部を低段側圧縮機1が収納された圧縮機室23とし、下部を膨張機5が収納された膨張機室24としている。また、アキュムレータ9の出口側が圧縮機室23内に直接接続され、低段側圧縮機1はこの圧縮機室23内の冷媒を吸入するように構成している。また、実施の形態2の冷凍サイクル装置におけるモリエル線図は、基本的には実施の形態1と同様のモリエル線図で表すことができるが、図2と一部で異なる。すなわち、実施の形態2ではバイパス回路11が省略されているので、実施の形態2のモリエル線図は、図2において、流量制御弁13による略等エンタルピー変化(a4→a6)を示す破線部分を省略した線図となる。なお、前述の容量可変型の低段側圧縮機1として容量可変型の斜板式圧縮機を用いている。
また、容量可変型の低段側圧縮機1は次のように設定され、制御される。すなわち、蒸発温度を運転許容範囲における最低温度(例えば−35℃)とした場合に、低段側圧縮機1の回転数が最大となるように設定することで、密度比一定の制約を満たすようにする。そして、蒸発器8の蒸発負荷が増大して低段側圧縮機1の吸入圧力の上昇に伴って高段側圧縮機2の吸入圧力が上昇した場合に、その増加に対応して低段側圧縮機1の容量を減少するように制御している。
上記構成の実施の形態2によれば、低段側圧縮機1を容量可変型圧縮機として、運転条件の変化に対応して低段側圧縮機1の能力を制御することにより密度比一定の制約から解放されるので、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができる。また、実施の形態1の場合のように膨張機をバイパスして密度比一定の制約から解放されるものに較べて、低段側圧縮機の容量を制御することで、より一層の効率改善を図ることができる。
また、上記実施の形態2によれば、実施の形態1の場合と同様に、中間圧ガス冷媒を高段側圧縮機2の吸入側に導入するガスインジェクション回路10から中間圧ガス冷媒が高段側圧縮機2の吸入側にバイパスされることにより、従来技術1及び2のように、高圧冷媒を全量低圧まで減圧するものに比し、効率が改善される。
また、上記実施の形態2によれば、低段側圧縮機1が容量可変型斜板式圧縮機とされているので、膨張機5に流入する冷媒の密度比と高段側圧縮機2に流入する冷媒の密度比とを無段階に調節することが可能となり、より一層エネルギー効率を向上させることができる。図2の線図は、上記効果を総合した結果を示すものであって、従来技術2及び実施の形態1に比し、COP比が高くなっている。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図5に基づき説明する。図5は実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。この図には実施の形態2と同一に個所には同一の符号を付してその説明を簡略化する。
実施の形態3は、実施の形態2において、低段側圧縮機1と、気液分離器6と、アキュムレータ9とを一体化したものである。すなわち、実施の形態3においては、実施の形態2における圧縮機室23の下部をアキュムレータに兼用している。このために、蒸発器8の出口側を直接圧縮機室23に接続するとともに、低段側圧縮機1は圧縮機室23内の冷媒を直接吸入するように構成している。これにより、蒸発器8から液冷媒が戻ってきた場合は圧縮機室23の下部、つまり隔壁22の上方に液冷媒が貯留されることにより、圧縮機室23がアキュムレータ兼用とされている。
また、実施の形態3においては、膨張機室24が気液分離器に兼用されている。このために、膨張機5の出口側を膨張機室24内に開放するとともに、膨張機室24の下部を蒸発器8に絞り装置7を介し接続している。この結果、膨張機5を通過した中間圧冷媒が圧縮機室23内に放出される。そして、圧縮機室23の空間内で重力差により気液混合の中間圧冷媒が気液分離される。また、分離された液冷媒は、絞り装置7を介して蒸発器8に流出される。なお、実施の形態3のモリエル線図は、実施の形態2の場合と同様である。したがって、図3に示すように蒸発温度の変化に対するエネルギー効率は実施の形態2と同一となる。
上記のように構成される実施の形態3によれば、実施の形態と同一の低段側圧縮機1と膨張機5とが隔壁22を介して一つのケーシング21内に収納され、さらに、低段側圧縮機1の収納された圧縮機室23内がアキュムレータとして兼用されているので、低段側圧縮機1、膨張機5及びアキュムレータを個別に製作して取り付ける場合に比し、機器がコンパクトになるとともに、アキュムレータを接続する配管が簡素化される。
また、実施の形態3によれば、さらに、前記膨張機5を収納した膨張機室24が気液分離器として兼用されているので、低段側圧縮機、膨張機、気液分離器及びアキュムレータを個別に製作して取り付ける場合に比し機器がコンパクトになるとともに、これら機器を接続する配管が簡素化される。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の構成を図6及び図7に基づいて説明する。なお、図6は実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図であり、図7は同冷凍サイクル装置のモリエル線図である。なお、実施の形態1の図1と同一の部分には同一の符号を付し説明を簡略化する。
実施の形態4に係る冷凍サイクル装置は、低段側圧縮機1と高段側圧縮機2とからなる2段圧縮装置3、高圧ガス冷媒を冷却する放熱器4、放熱器4で冷却された高圧冷媒の一部を略等エンタルピー変化させて減圧する絞り装置31、絞り装置31を通過した中間圧冷媒と残部の高圧冷媒とを熱交換させる熱交換器32、熱交換器32で冷却された中間圧冷媒を低圧まで減圧する膨張機33、膨張機33で減圧された低圧冷媒を蒸発気化させる蒸発器8、蒸発器8と低段側圧縮機1の吸入側との間に接続されたアキュムレータ9などから構成されている。なお、熱交換器32は、絞り装置31を通過した中間圧冷媒と残部の高圧冷媒とを熱交換させるために、高圧冷媒を流通させる高圧側経路32aと中間圧冷媒を流通させる中間圧側経路32bとが熱交換可能に構成されている。そして、熱交換器32の高圧側経路32aの入口側は放熱器4の出口側に接続され、高圧側経路32aの出口側は膨張機33に接続されている。また、中間圧側経路32bの入口側は絞り装置31に接続され、中間圧側経路32bの出口側はガスインジェクション回路34により高段側圧縮機2の吸入側に接続されている。
また、上記冷凍サイクル装置において、低段側圧縮機1は実施の形態2の場合と同様に、容量可変型の斜板式圧縮機であり、高段側圧縮機2はロータリ圧縮機のような容量一定の圧縮機である。そして、低段側圧縮機1と膨張機33とは同軸に連結されている。また、冷媒としてHFC32又はHFC32などの通常の冷凍サイクルを形成する冷媒(超臨界冷凍サイクルを形成しない冷媒)が充填されているものとする。
上記構成の冷凍サイクル装置の動作を、図6を用いて説明する。なお、説明文中、図6の符合に対応する状態には括弧を付して図6の符号を記載する。低段側圧縮機1から吐出された吐出ガス(b1)は、熱交換器32からの中間圧ガス冷媒(b9)と混合して(b2)、高段側圧縮機2に吸入される。高段側圧縮機2から吐出された高圧ガス冷媒(b3)は放熱器4で冷却される(b4)。放熱器4で冷却された一部の高圧冷媒(b4)は絞り装置31により略等エンタルピー変化の減圧作用を受けて中間圧まで減圧される(b8)。減圧された冷媒(b8)は、熱交換器32で残部の高圧冷媒と熱交換して気化し(b9)、低段側圧縮機1からの吐出ガス(b1)と混合して(b2)、高段側圧縮機2の吸入側に導入される。
一方、熱交換器32で冷却された高圧冷媒(b5)は、膨張機33により略等エントロピー変化を受けて低圧まで減圧される(b6)。このとき、膨張機33と低段側圧縮機1とが同軸に接続されていることにより、膨張機33により回収されたエネルギーが低段側圧縮機1を回転するためのエネルギーとして利用される。低圧冷媒(b6)は、蒸発器8で蒸発気化して(b7)、低段側圧縮機1に吸入される。
また、容量可変型の低段側圧縮機1は、実施の形態2の場合と同様に設定され、制御される。すなわち、蒸発温度を運転許容範囲における最低温度(例えば−35℃)とした場合に、低段側圧縮機1の回転数が最大となるように設定することで、密度比一定の制約を満たすようにする。そして、蒸発器8の蒸発負荷が増大して高段側圧縮機2の吸入圧力が上昇した場合に、その増加に対応して低段側圧縮機1の容量を減少するように制御している。
上記構成の実施の形態4によれば、低段側圧縮機1が容量可変型斜板式圧縮機とされているので、運転条件の変化に対応して圧縮機の吸入側の密度比を調節することが可能となり、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができる。また、実施の形態1の場合のように膨張機をバイパスして密度比一定の制約を解除するものに較べて、低段側圧縮機1の容量を制御することで、より一層の効率改善を図ることができる。
また、上記実施の形態4によれば、放熱器4で冷却された一部の高圧冷媒を絞り装置31で中間圧まで減圧し、この減圧した気液混合の冷媒と、残部の高圧冷媒とを熱交換器32で熱交換させているので、膨張機33を経由して蒸発器8に流通させる冷媒のエンタルピーを小さくすることができ、冷凍サイクル上の効率を改善することができる。
また、熱交換器32の高圧側経路の出口側と蒸発器8の入口側との間に、放熱器4及び熱交換器32で冷却された後の残部の高圧冷媒を低圧まで膨張させる膨張機33を設けているので、膨張機33でエネルギーが回収される。この場合、膨張機33で回収されるエネルギーは、ガスインジェクション回路34を通じて中間圧ガス冷媒が高段側圧縮機2に流通するため、その分従来技術1及び2の場合に比し小さくなるが、熱交換器32を介して高段側圧縮機2に導入される冷媒循環量分だけ低段側圧縮機1における圧縮仕事量が減少するため、エネルギー効率が改善される。
また、上記実施の形態4によれば、低段側圧縮機1を容量可変型圧縮機として、運転条件の変化に対応して低段側圧縮機1の能力を制御することにより密度比一定の制約から解放されるので、モリエル線図が非効率的な縦長の線図になることを防止することができる。
なお、この実施の形態4については、図3において、蒸発温度の変化に対するCOP比の変化を特に示していないが、実施の形態2及び3と同等のCOP比を得ており、従来技術2及び実施の形態1に比し高効率の運転を行うことができる。
(実施の形態5)
次に実施の形態5について説明する。実施の形態5は、図示しないが、実施の形態1の冷媒回路を備え、冷媒として二酸化炭素を使用した冷凍サイクル装置である。また、放熱器4において水を加熱して温水を得て、この温水を給湯又は暖房に使用するようにしたものである。なお、この場合のモリエル線図は、図2のようなサイクルではあるが、超臨界サイクルとなり、高段側圧縮機2出口の吐出ガス及び放熱器4で冷却された高圧冷媒は、何れも臨界点以上の圧力の高圧ガス冷媒となる。したがって、この実施の形態5においては、高圧側回路には液冷媒の存在する余地がないので、アキュムレータ9で冷媒量が調節される。このために、アキュムレータ9の大きさを、余剰冷媒を貯留可能とする大きさに設定している。
したがって、実施の形態5の冷凍サイクル装置によれば、放熱器4で加熱された温水を給湯又は暖房に使用することにより、高温の給湯水又は高温の吹き出し空気を得ることができる。また、二酸化炭素を冷媒として使用した冷凍サイクル装置としては、従来に比し大幅な効率の改善を行うことができる。図8は、実施の形態5の冷凍サイクル装置において、放熱器4出口の温水温度の変化(間接的には、高圧の変化)に対する給湯(又は暖房)COP比の効果を示している。この場合における給湯(又は暖房)COP比とは、膨張機5によるエネルギー回収を行わない古くからある一般的な冷凍サイクル装置を応用した給湯装置(又は暖房装置)の凝縮器出口の温水温度が変化した場合の給湯(又は暖房)COPに対する、実施の形態5の同COPの比を表したものである。この図に示すように、放熱器4出口の温水温度が低いときは(つまり高圧圧力が低いときは)、高段側圧縮機2の吸入圧力も低くなり、バイパス回路11からバイパスされる冷媒量が減少するので、膨張機5によるエネルギー回収量が多くなり給湯(又は暖房)COP比が大きくなる。また、従来技術2と比較すると、膨張機5による回収エネルギーの減少よりも2段圧縮装置3における圧縮エネルギーの減少量のほうが大きくなる結果が、従来技術2の給湯(又は暖房)COPに対し実施の形態5の給湯(又は暖房)COP比が大きくなる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の構成を図9に基づいて説明する。
図9は実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図であって、実施の形態1に係る図1と同一の部分には同一の符号を付し説明を簡略化する。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態1において、膨張機5として非容積型のタービン型膨張機を用い、低段側圧縮機1として非容積型のタービン型圧縮機を用いたものであって、冷媒回路自体は実施の形態1と同一である。なお、図9では、膨張機5がタービン型膨張機であり、低段側圧縮機1がタービン型圧縮機であることを模式的に図示している。
このような実施の形態6によれば、実施の形態1に記載の効果を奏することができるとともに、膨張機5を非容積型膨張機としているので、膨張機5の起動負荷を軽減させることができ、膨張機5と低段側圧縮機1との組み合わせ起動負荷を軽減することができる。また、この実施の形態6によれば、低段側圧縮機1としてタービン型圧縮機を用いているので、容積型圧縮機を用いる場合に比し、低段側圧縮機1の起動負荷を軽減し、惹いては、膨張機5と低段側圧縮機1との組み合わせ起動負荷をより一層軽減することができる。
(変形例)
上記各実施の形態は、以下のように変形して適用することも可能である。
(1) 実施の形態2〜4及び6において、実施の形態5と同様に冷媒として二酸化炭素を使用することができる。この場合は、実施の形態5において説明したように冷凍サイクルは超臨界サイクルとなる。
(2) 実施の形態2〜4においては、容量可変の低段側圧縮機1として容量可変の斜板式圧縮機を用いているが、これに限定されるものではなく、インバータ駆動のロータリ式圧縮機など他の容量可変方法を用いた他形式の圧縮機としてもよい。
(3) 実施の形態3においては、低段側圧縮機1、アキュムレータ9、膨張機5及び気液分離器6が一体化されているが、これら全てを一体化する必要はなく任意の何れかを一体化して、機器構成及び機器接続配管の簡素化を行ってもよい。
(4) 実施の形態2〜4においては、一つのケーシング内を隔壁により上下に区画し、上方の室に低段側圧縮機1を収納し、下方に膨張機5、33を収納しているが、この構成に限定されるものではなく、一つのケーシングを横方向に区画し、低段側圧縮機1と膨張機5、33を横方向に並べて配置するようにしてもよい。また、上方の室に膨張機5、33を配置し、下方に低段側圧縮機1を配置してもよい。
(5) 実施の形態4において、低段側圧縮機1を容量可変型圧縮機とせずに、容量固定圧縮機とし、実施の形態1の場合と同様に膨張機33と並列に、流量制御弁を備えたバイパス回路を設け、高段側圧縮機の吸入圧力の上昇に応じて流量制御弁の開度を増大させるように制御してもよい。
(6) 絞り装置7、31としては電動膨張弁、キャピラリーチューブ、感温式膨張弁など種々のものを使用することができる。
(7) 実施の形態2〜5において、膨張機5或いは低段側圧縮機1として実施の形態6のような非容積型のタービン型膨張機を用いてもよい。この場合、実施の形態6に記載したように膨張機5と低段側圧縮機1との組み合わせ起動負荷を軽減することができる。
(8) 実施の形態1〜6において、膨張機5或いは低段側圧縮機1として、他の非容積型膨張機を用いてもよい。
(9) 実施の形態1〜5において、膨張機5或いは低段側圧縮機1として容積型の膨張機、例えば、ロータリー型、スクロール型、スクリュウ型、ベーン型、斜板型、バンケル型、ヘリカル型を用いてもよい。また、膨張機5或いは低段側圧縮機1として、定流量型である歯車型、ルーツ型、ねじ型を用いてもよい。
(10) 実施の形態1〜5において、低段側圧縮機1として起動時の負荷を軽減できる起動負荷軽減装置を備えた容積型圧縮機を用い、低段側圧縮機1の起動負荷を軽減するようにしてもよい。このようにすれば、中小容量に最適な上述のような容積型圧縮機を使用しながら、駆動用電動機を用いずに膨張機5のみで低段側圧縮機1を起動させることが可能になる。この場合に適用し得る起動負荷軽減装置は、例えば、起動時の回転数を減速させる方式、吸入容積を減少させる方式など一般的なものでよい。なお、この場合において、膨張機としてタービン型等の非容積型膨張機を用いればさらに起動負荷を軽減することができる。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 同冷凍サイクル装置のモリエル線図である。 実施の形態1に係る冷凍サイクル装置における冷凍(又は冷房)COP比線図である。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 同冷凍サイクル装置のモリエル線図である。 実施の形態5に係る冷凍サイクル装置における給湯(又は暖房)COP比線図である。 実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
符号の説明
1 低段側圧縮機
2 高段側圧縮機
3 2段圧縮装置
4 放熱器
5 膨張機
6 気液分離器
7 絞り装置
8 蒸発器
9 アキュムレータ
10 ガスインジェクション回路
11 バイパス回路
13 流量制御弁
21 ケーシング
22 隔壁
23 圧縮機室
24 膨張機室
31 絞り装置
32 熱交換器
32a 高圧側経路
32b 中間圧側経路
33 膨張機
34 ガスインジェクション回路

Claims (12)

  1. 低段側圧縮機と高段側圧縮機とからなる2段圧縮装置と、高圧ガス冷媒を冷却する放熱器と、放熱器で冷却された後の高圧冷媒を膨張させる膨張機を含む減圧装置と、減圧装置により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器と、減圧装置で減圧された中間圧ガス冷媒を高段側圧縮機の吸入側に導入するガスインジェクション回路とを備え、前記膨張機と低段側圧縮機とは同軸で連結されていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1において、中間圧冷媒を気液分離する気液分離器が設けられ、前記減圧装置は、放熱器出口側と気液分離器との間に接続されて、放熱器で冷却された後の高圧冷媒を中間圧まで膨張させる膨張機と、気液分離器の液部分と蒸発器入口側との間に接続された、気液分離器で気液分離された中間圧液冷媒を低圧まで減圧する絞り装置とを有し、前記ガスインジェクション回路は、気液分離器のガス部分と高段側圧縮機の吸入側とを連絡するように接続されてなることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 請求項1において、高圧冷媒を流通させる高圧側経路と中間圧冷媒を流通させる中間圧側経路とが熱交換可能に構成されてなる熱交換器が設けられ、この熱交換器の高圧側経路の入口側は、放熱器の出口側に接続され、前記減圧装置は、放熱器の出口側と熱交換器の中間圧側経路の入口側との間に接続された、放熱器で冷却された後の高圧冷媒の一部を中間圧まで減圧する絞り装置と、熱交換器の高圧側経路の出口側と蒸発器の入口側との間に接続された、放熱器及び熱交換器で冷却された後の残部の高圧冷媒を低圧まで膨張させる膨張機とを有し、前記ガスインジェクション回路は、熱交換器の中間圧側経路の出口側と高段側圧縮機の吸入側との間に接続されてなることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  4. 前記減圧装置は、膨張機をバイパスするバイパス回路を有し、このバイパス回路には流量制御弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記低段側圧縮機は、容量可変型圧縮機に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記低段側圧縮機は、容量可変型斜板式圧縮機であることを特徴とする請求項5記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記低段側圧縮機と膨張機とが隔壁を介して一つのケーシング内に収納され、さらに、低段側圧縮機の収納された室内がアキュムレータとして兼用されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記低段側圧縮機と膨張機とが隔壁を介して一つのケーシング内に収納され、さらに、低段側圧縮機の収納された室内がアキュムレータとして兼用されるとともに、前記膨張機を収納する室が気液分離器として兼用されていることを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項において、冷媒として二酸化炭素が使用されていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  10. 請求項9において、低段側圧縮機の吸入側に冷媒回路内の冷媒量を調節可能とする容積に形成されたアキュムレータを備えてなることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  11. 前記膨張機は、非容積型膨張機であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記低段側圧縮機は、起動時の負荷を軽減できる負荷軽減装置を備えた容積型圧縮機であることを特徴とする請求項11記載の冷凍サイクル装置。
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