JP2006071065A - 振動抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 形状もしくは構造に制約を受けずに、圧電素子を使用して振動の抑制もしくは減衰の可能な装置を提供する。
【解決手段】 振動する制振対象物の運動エネルギーを圧電素子によって電気エネルギーに変換して前記制振対象物の振動を抑制する振動抑制装置において、圧電素子7と、その圧電素子7の一部に固定された錘8と、その圧電素子7で発生した電力を熱に変化する電気回路9とによって制振用ユニット5が形成され、その制振用ユニット5が、前記制振対象物に取り付けられる中空部材1の内部に収容されるとともに前記錘8を取り付けた部分が自由端となるように前記圧電素子7が前記中空部材1の内部に固定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 振動する制振対象物の運動エネルギーを圧電素子によって電気エネルギーに変換して前記制振対象物の振動を抑制する振動抑制装置において、圧電素子7と、その圧電素子7の一部に固定された錘8と、その圧電素子7で発生した電力を熱に変化する電気回路9とによって制振用ユニット5が形成され、その制振用ユニット5が、前記制振対象物に取り付けられる中空部材1の内部に収容されるとともに前記錘8を取り付けた部分が自由端となるように前記圧電素子7が前記中空部材1の内部に固定されている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、圧電素子を使用して振動を抑制する装置に関し、特にパッシブ方式の振動抑制装置に関するものである。
圧電素子は、加えられた荷重に応じて起電力を生じるので、その電力を熱として消費すれば、運動エネルギーを熱エネルギーとして吸収し、消費できるので、圧電素子および電気回路によって振動を吸収し、あるいは抑制することができる。その例が特許文献1や特許文献2に記載されている。特許文献1に記載された装置は、圧電素子より弾性率の大きい一対の接続部材によって圧電素子を、その作動軸方向から保持し、その接続部材に設けた貫通孔にボルトなどの締結部材を挿入して制振対象物に固定し、その状態で圧電素子を外部回路に接続するように構成されている。したがって、このような構造によれば、制振対象物の変形あるいは移動を、弾性率の大きい接続部材を介して圧電素子に伝達でき、その結果、振動エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換できる、とされている。
また、特許文献2に記載された装置は、圧電素子をプロペラシャフトなどの駆動軸管の外面もしくは内面に取り付け、その圧電素子を外部の電気回路に接続し、圧電素子で発生した電力をその電気回路で熱として消費するようになっている。なお、この特許文献2の装置では、電気抵抗を変化させることにより、振動数に応じて作動するように構成されている。
特開2000−357824号公報
特開2001−145850号公報
振動エネルギー(もしくは運動エネルギー)を電気エネルギーに変換する上記の圧電素子は、チタン酸バリウムやPZTなどのセラミックから形成されているのが通常であり、そのために、上記の特許文献1や特許文献2に示されているように、矩形の平板体あるいは矩形ブロックなどの単純な形状に形成される。これを制振対象物に取り付ける場合、制振対象物の振動に伴う変形荷重を圧電素子に効率よく伝達するために、特許文献1の発明では、弾性率の大きい接続部材を使用している。しかしながら、圧電素子および接続部材を含む装置の全体としての形状は、平板状などの幾何学的に単純な形状にならざるをえない。
これに対して、車両用変速機のケースや適宜の動力装置あるいは駆動装置のケースは、強度や製造性あるいはスペース上の制約などの種々の要請によって複雑な形状をしている場合が多く、また多様な凹凸部を備えていることもある。この種のケースやこれに類する部材を制振対象とする場合、上記従来の構造では、圧電素子を制振対象物の面に沿わせて固定することができないので、圧電素子を用いた従来の装置にあっては、適用できる制振対象物が制限される可能性があり、言い換えれば、汎用性の点で改善する余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、制振対象物の形状による制約を低減することのできる振動抑制装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、制振対象物に取り付けられる部材を利用して圧電素子を含む制振用ユニットを制振対象物に装着するように構成したことを特徴としている。具体的には、請求項1の発明は、振動する制振対象物の運動エネルギーを圧電素子によって電気エネルギーに変換して前記制振対象物の振動を抑制する振動抑制装置において、圧電素子と、その圧電素子の一部に固定された錘と、その圧電素子で発生した電力を熱に変化する電気回路とによって制振用ユニットが形成され、その制振用ユニットが、前記制振対象物に取り付けられる中空部材の内部に収容されるとともに前記錘を取り付けた部分が自由端となるように前記圧電素子が前記中空部材の内部に固定されていることを特徴とする装置である。
その電気回路は、請求項2に記載してあるように、前記錘に一体化してもよく、また請求項3に記載してあるように、前記圧電素子が、複数の圧電素子片を、互いに電気的に導通した状態に積層して構成され、かつ前記回路が積層されて一方の端部に位置する圧電素子片と他方の端部に位置する圧電素子片とに接続されていてもよい。
請求項1の発明によれば、制振用ユニットに振動強制力が作用した場合、そのいわゆる自由端に錘が取り付けられているので、その重量と加速度に応じた力が圧電素子に作用し、その力に基づく起電力が生じる。その電流が電気回路に流れ、熱に変換されて消費されるので、結局、振動エネルギーもしくは運動エネルギーが熱エネルギーに変化されて消費されて、振動が抑制される。このように作用する制振用ユニットは、制振対象物に取り付けられる中空部材の内部に収容されているので、制振用ユニットを取り付けるための部位を、制振対象物に新たに設ける必要がなく、そのため圧電素子を使用して制振をおこなうにあたって制振対象物の形状による制約が解消され、もしくは制約が少なくなる。
また、請求項2の発明によれば、電気回路を一体に備えた構造になるので、制振対象物に対する取付上の制約が更に少なくなる。
さらに、請求項3の発明によれば、小さい圧電素子片を積層すればよいので、圧電素子片がセラミックであってもその製造性が良好になり、また圧電素子の全体としての静電容量を圧電素子片の数によって調整できるので、制振対象物の振動特性に合わせた制振用ユニットの製造が容易になる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。図1は、制振対象物に取り付けられる中空部材がボルト1である例を示している。ここに示すボルト1の形状は、従来の一般的なボルトと同様であって、六角などの適宜の角形状をなす頭部2と、外周面に雄ネジ(図示せず)が形成されたネジ軸部3とを備えている。そのネジ軸部3の中心軸線に沿って頭部2側からネジ軸部3の先端近くに到る中空部4が形成されている。その中空部4の内部に、制振用ユニット5が収容され、その状態で中空部4の開口端にカバー(もしくは栓)6が取り付けられて、中空部4が密閉されている。
制振用ユニット5は、振動エネルギー(もしくは運動エネルギー)を電気エネルギーに変換し、さらにその電気エネルギーを熱として消費することにより、振動を抑制もしくは減衰させるように機能する部材であって、振動エネルギー(もしくは運動エネルギー)を電気エネルギーに変換する部材として圧電素子7を備えている。この圧電素子7は、従来のものと同様に、チタン酸バリウムやPZTなどのセラミックからなるものであって、前記中空部4に遊嵌する軸状に形成され、その長さは、中空部4の深さより短くなっている。
その圧電素子7は、中空部4の底部すなわち前記ネジ軸部3の先端側の端面の中央部に接着などの適宜の接合手段によって固定されている。したがって圧電素子7の外周側に所定の空隙が設定され、また固定されている端部とは反対側の端部(図1では上端部)は自由端となっている。その自由端に、錘8が一体化するように取り付けられている。この錘8は、加速度を力に変換して圧電素子7に作用させるためのものであって、中空部4の内面に対して非接触となるように配置されている。また、この錘8には、圧電素子7で発生した電気エネルギーを熱に変換して消費するための電気回路9が一体化されている。この電気回路9は、等価回路で図示すれば、直列に接続した抵抗10とコイル11とを備えており、例えば前記圧電素子7の固定端側の端部と自由端側の端部とに電気的に接続されている。
上記のボルト1を制振対象物に取り付けた状態の一例を図2に示してある。ここに示す制振対象物は、車両用のトランスミッションであって、そのケーシングの一部をなすエンドカバー12の中央部にボルト1がトランスミッションの軸線方向に向けて外側からねじ込まれている。すなわち、エンドカバー12のほぼ中心部にボス部13が形成され、そのボス部13の内周面に密着させて嵌合させた軸受14によってロータ軸15が回転自在に保持されている。このロータ軸15は、ハイブリッド機構の一部を構成しているモータ・ジェネレータのロータ(それぞれ図示せず)と一体になっている軸であって、前後進切換機構や動力分配機構などの歯車機構(図示せず)に連結されている。そのロータの回転角度を検出するためのレゾルバー16が、ロータ軸15とエンドカバー12との間に設けられている。すなわち、ロータ軸15に可動コイル17が取り付けられるとともに、その外周側に固定コイル18が配置されており、その固定コイル18がボルト1によってエンドカバー12の内面に固定されている。
上記のロータ軸15が回転し、あるいはトルクを伝達するなど、トランスミッションが動作した場合、歯車の噛み合いや所定の回転部材の回転中心と重心とのズレなどが要因となって振動が生じ、それに伴ってエンドカバー12がいわゆる膜振動を生じることがある。その場合、エンドカバー12に取り付けられている前記ボルト1がその軸線方向に前後動するので、ボルト1と一体の制振用ユニット5に加速度が作用する。特に前記錘8には圧電素子7を介して加速度が作用し、その加速度と質量との積に応じた慣性力が発生し、圧電素子7に対して圧縮荷重と引っ張り荷重とが繰り返し作用する。特に図1に示す構成では、圧電素子7の自由端に錘8が取り付けられているので、錘8によって生じる慣性力が効率よく圧電素子7に作用する。
圧電素子7は応力に応じた誘電分極を生じ、起電力を発生するので、エンドカバー12の膜振動のエネルギーが制振用ユニット5によって電気エネルギーに変換されることになる。そして、その電流は、圧電素子7に接続されている前記電気回路9に流れ、主として、その抵抗10でジュール熱を生じ、熱として消費される。結局、エンドカバー12の膜振動の振動エネルギーが電気エネルギーに変換された後に熱として消費されるので、エンドカバー12の振動が抑制され、もしくは減衰される。したがって図1に示す構成によれば、圧電素子を取り付けるための箇所を特別に用意することなく、圧電素子7を使用してその振動を抑制もしくは減衰させることができる。
なお、上述した制振用ユニット5はボルト1と一体化していればよいので、図1に示す構成に替えて図3に示すように構成してもよい。すなわち図3に示す構成は、軸状もしくはブロック状の圧電素子7が、ボルト1の中空部4を閉じているカバー6の内面に取り付けられ、その圧電素子7の取り付け端とは反対側の自由端(図3のでの下端)に、電気回路9と一体の錘8が取り付けられている。
この図3に示すような構造であっても、ボルト1が制振対象物に取り付けられて振動した場合、錘8による慣性力が圧電素子7に作用して、振動エネルギーが電気エネルギーに変換されるとともに、その電気エネルギーが熱に変換されて消費されるので、制振対象物の振動を抑制もしくは減衰させることができる。
また、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、圧電素子7は積層体として構成してもよい。すなわち、圧電効果(ピエゾ効果)を生じる素子は結晶体であって製造できる形状が制限されるのみならず、大型化が困難であるから、例えば図4に示すように、圧電効果を生じる小片(圧電素子片)7Aを薄板状に作成し、これを積層するとともに電気的に導通した状態で一体化させることにより、上述した圧電素子7を構成してもよい。その場合、積層した状態で一方の端部に位置する小片7Aとこれとは反対側の端部に位置する小片7Aとに前記電気回路9を接続する。
この図4に示すように構成した場合であっても、上述した各具体例の装置と同様に、振動を抑制もしくは減衰させることができる。これに加え、図4に示す構成では、圧電素子7を大型の単一物で構成する必要がないので、その製造が容易になり、また積層する数によって圧電素子7の静電容量を調整できるから、周波数特性の調整もしくは変更が容易になる。
なお、上記の各具体例では、制振対象物に取り付けられる部材としてボルト1を挙げたが、この発明はボルトに限定されないのであって制振用ユニットを収容する部材は、コッターなどのピン状の部材、あるいは軸状の部材、ある程度厚みのある板状の部材など、中空構造とすることのできる部材であればよい。また、この発明における制振対象物は、上述した膜振動を生じるエンドカバーなどのケーシングを構成する部材あるいは薄板状の部材に限定されず、要は、振動する適宜の部材であってよい。この発明は、そのような適宜の部材に取り付けられる中空部材に制振用ユニットを内蔵させるのであるから、当該適宜の部材の構造あるいは形状が特に制約されることがない。
1…ボルト、 4…中空部、 5…制振用ユニット、 7…圧電素子、 7A…小片(圧電素子片)、 8…錘、 9…電気回路、 12…エンドカバー。
Claims (3)
- 振動する制振対象物の運動エネルギーを圧電素子によって電気エネルギーに変換して前記制振対象物の振動を抑制する振動抑制装置において、
圧電素子と、その圧電素子の一部に固定された錘と、その圧電素子で発生した電力を熱に変化する電気回路とによって制振用ユニットが形成され、
その制振用ユニットが、前記制振対象物に取り付けられる中空部材の内部に収容されるとともに前記錘を取り付けた部分が自由端となるように前記圧電素子が前記中空部材の内部に固定されている
ことを特徴とする振動抑制装置。 - 前記電気回路が、前記錘に一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の振動抑制装置。
- 前記圧電素子が、複数の圧電素子片を、互いに電気的に導通した状態に積層して構成され、かつ前記電気回路が積層されて一方の端部に位置する圧電素子片と他方の端部に位置する圧電素子片とに接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動抑制装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004258346A JP2006071065A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 振動抑制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004258346A JP2006071065A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 振動抑制装置 |
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JP2004258346A Pending JP2006071065A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 振動抑制装置 |
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Cited By (2)
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KR101520906B1 (ko) * | 2014-12-04 | 2015-05-18 | (주)태성계전 | 하이브리드 내진 수배전반 |
DE102019212107A1 (de) * | 2019-08-13 | 2021-02-18 | Zf Friedrichshafen Ag | Magnetostriktives Verbindungselement |
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2004
- 2004-09-06 JP JP2004258346A patent/JP2006071065A/ja active Pending
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