JP2011066970A - 圧電発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行時や走行時の振動を駆動源としつつ、携帯性と発電効率とを両立して高めることのできる圧電発電機を提供する。
【解決手段】圧電発電機10は、筐体30と、筐体30に固定され、筐体30に対する往復揺動によって生じる応力により発電する圧電式の発電ユニット40とを備え、発電ユニット40の共振周波数が10Hzである。発電ユニット40は、湾曲形状の板状をなす振動体20と、その少なくとも一方の主面に接合されて振動体20とともに揺動する圧電体42と、を含んでもよい。また、発電ユニット40は、振動体20が、その延在方向に対して直交する複数方向に対して共に可撓性を有し、当該複数方向の共振周波数がともに10Hz以下であってもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電材料により発電する圧電発電機に関する。
近年、地球環境の維持改善のため、環境負荷の少ない発電装置の研究開発が活発に行われている。その中で、自然の力あるいは人為的な力や振動による機械エネルギーを電気エネルギーに変換することにより、通常無意識かつ無駄に消費されているエネルギーを電気エネルギーに変換して電源として利用する発電装置が提供されている。
機械エネルギーを電気エネルギーに変換する装置としては、圧電体を用いる方法が提案されている。
この種の技術に関し、特許文献1には、板状の圧電体を表面に接合した板バネ状の片持梁の一端を筺体に固定し、自由端である他端に錘を設けた圧電発電機が記載されている。
また、特許文献2には、自由端に錘が設けられた板バネ状の片持梁を表裏より一対の圧電体で挟持して、振動の半周期ごとに発生させた電力を連続的に取り出す圧電発電機が記載されている。
特開2005−45988号公報 特開2005−312269号公報
しかしながら、圧電体を構成する圧電材料は一般にきわめて高い剛性を有していることから、圧電体が接合された振動体の揺動変形は抑制される。このため、人間や動物の歩行時等の振動や、自動車や自転車等の走行振動を駆動源とし、特に携帯性を考慮して装置の小型化を図った場合、特許文献1、2に記載の圧電発電機では十分な発電効率を得ることが困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、歩行時や走行時の振動を駆動源としつつ、携帯性と発電効率とを両立して高めることのできる圧電発電機を提供するものである。
本発明の圧電発電機は、筐体と、前記筐体に固定され前記筐体に対する往復揺動によって生じる応力により発電する圧電式の発電ユニットと、を備えるとともに、前記発電ユニットの共振周波数が10Hz以下であることを特徴とする。
また本発明の圧電発電機においては、より具体的な実施の態様として、前記発電ユニットが、前記筐体に対して基端部が固定された振動体と、前記振動体の少なくとも一方の主面に接合されて前記振動体とともに揺動する圧電体と、を含み、かつ、前記振動体が、湾曲形状の板状をなしてもよい。
また本発明の圧電発電機においては、より具体的な実施の態様として、前記発電ユニットが、前記筐体に対して先端部が往復揺動する振動体と、前記振動体の基端部と前記筐体とに挟持されて前記振動体の揺動により生じる応力を受けて発電する圧電体と、を含み、前記振動体が、該振動体の延在方向に対して直交する複数方向に対して共に可撓性を有し、かつ、前記発電ユニットの前記複数方向の共振周波数がともに10Hz以下であってもよい。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。特に、振動体と圧電体とは別部材で構成してもよく、または共通部材としてもよい。すなわち、いわゆるユニモルフ型やバイモルフ型の圧電素子で発電する場合、金属等の振動体に対して、これと別部材の圧電体を接合して用いるとよい。一方、いわゆるモノポーラ型の圧電素子で発電する場合、振動体と圧電体とを共通の部材で構成してよい。
本発明の圧電発電機によれば、振動体の共振周波数が10Hz以下であるため、人間や動物の歩行時等の振動や、自動車や自転車等の走行振動を駆動源とした場合にも振動体が良好に共振するため、携帯性と高い発電効率とを得ることができる。
第一実施形態の圧電発電機の一例を示す斜視図である。 (a)は第一実施形態の圧電発電機の平面図であり、(b)はそのB−B断面図である。 (a)はユニモルフ型の圧電素子の縦断面図であり、(b)および(c)はバイモルフ型の圧電素子の縦断面図である。 (a)〜(c)は圧電素子が揺動変形する様子を示す立面模式図である。 第二実施形態の圧電発電機の平面図である。 第三実施形態の圧電発電機の一例を示す斜視図である。 (a)は第三実施形態の圧電発電機の平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図であり、(c)は(b)のC−C断面図である。 圧電体の近傍に関する図7(a)の拡大図である。 (a)は圧電体をその高さ方向に切った断面図であり、(b)は圧電体を高さ方向に押圧した場合の変形図である。 (a)は第四実施形態の圧電発電機の平面図であり、(b)はそのB−B断面図である。 (a)は第五実施形態の圧電発電機の平面図であり、(b)はそのB−B断面図であり、(c)は(b)のC−C断面図である。 比較例1にかかる圧電発電機の平面図である。 (a)は比較例2にかかる圧電発電機の平面図であり、(b)はそのB−B断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態の圧電発電機10の一例を示す斜視図である。
また、図2(a)は筐体蓋60を取り外した状態の圧電発電機10の平面図であり、同図(b)は同図(a)のB−B断面図である。
はじめに、本実施形態の圧電発電機10の概要について説明する。
圧電発電機10は、筐体30と、圧電式の発電ユニット40とを備える。
発電ユニット40は、筐体30に固定され、筐体30に対する往復揺動によって生じる応力により発電する装置である。
そして、本実施形態の圧電発電機10は、発電ユニット40の共振周波数が10Hzである。
以下、本実施形態の圧電発電機10について詳細に説明する。便宜上、図2(a)の上下方向を圧電発電機10および振動体20の長手方向といい、同図の左右方向を幅方向という。そして、長手方向と幅方向とをあわせて圧電発電機10の平面方向という場合がある。
また、図2(b)の上下方向を厚み方向または平面視方向という。本実施形態において、振動体20の揺動方向は圧電発電機10の厚み方向である。
なお、振動体20をはじめとする圧電発電機10の各構成要素に関し、断り無く「形状」と表現した場合は平面視形状をいうものとする。
ここで、平面方向や厚み方向とは、圧電発電機10の構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定したものであり、圧電発電機10の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
すなわち、本実施形態の圧電発電機10は、筐体30に加速度荷重を印加することで発電ユニット40を厚み方向に揺動させるものであるが、筐体30の厚み方向は必ずしも重力方向に一致させる必要はない。筐体30に印加された外力のうち、筐体30の厚み方向成分によって発電ユニット40を揺動させることができる。
本実施形態では、発電ユニット40として、圧電材料からなる圧電体42および導電性の電極膜44が金属製の振動体20の主面に接合された、ユニモルフ型またはバイモルフ型の圧電素子を例示する。
すなわち、本実施形態の発電ユニット40は、筐体30に対して基端部24が固定された振動体20と、振動体20の少なくとも一方の主面に接合されて振動体20とともに揺動する圧電体42と、を含む。そして、振動体20が面直方向に往復揺動することで、振動体20の表裏面には交互に引張状態と圧縮状態が生じる。かかる引張応力と圧縮応力は、振動体20の主面に接合された圧電体42に伝達されて圧電体42に歪みを与え、圧電発電効果により圧電体42に起電力を生じる。
なお、本実施形態において、振動体20の基端部24とは、振動体20が筐体30に対して直接的に、または他の部材を介在して間接的に支持されている所定の長さ領域をいい、必ずしも振動体20の端点を含むものではない。
なお、本発明においては、後述する第三から第七実施形態のように、発電ユニット40は、振動体20の基端部24と筐体30との間に圧電体42を挟持したものでもよい。
圧電発電機10の幅方向と長手方向の寸法およびその大小は特に限られないが、本実施形態の筐体30は平面視矩形状、より具体的には略正方形状をなしており、幅寸法と長手方向寸法とは互いに略等しく、数ミリメートルから数センチメートル程度である。
図1、2に示すように、圧電発電機10の外部構造は、筐体30と、筐体30の開口部を覆う筐体蓋60と、筐体30の外部に露出して設けられた外部電極70と、を備えている。
筐体30は、発電ユニット40を内部で往復揺動可能に収容する容器である。筐体30は上面が開口した箱形をなし、その中空内部の対向する二つのコーナー部には、一対のブロック状のベース32が立設されている。
ベース32は、発電ユニット40の両端を支持する基台である。発電ユニット40は、一対のベース32に対して両端がそれぞれ固定支持された状態で架設されている。
ベース32の上面と、本実施形態の板状の発電ユニット40の板厚中心は、筐体30の中空内部の略中間深さにある。
本実施形態の振動体20は、その主面の一方または両方に圧電体42が接合されて発電ユニット40を構成する金属製の基板である。また、振動体20は、圧電体42で発電された交流電流を外部電極70に送るための金属電極としても機能する。
振動体20を構成する金属材料は特に限定されるものではなく、ステンレス鋼やリン青銅を例示することができる。尚、金属材料のほか、振動体20には、片面又は両面にメッキされた樹脂板もしくは導電性樹脂板も使用できる。更に、導電性樹脂を用いることもできる。
振動体20は面直方向に所定の可撓性と曲げ剛性とを有している。このため、筐体30に加速度荷重を加えて、錘50の慣性力によって筐体30と錘50との間に相対速度を発生させると、以後、錘50を支持する振動体20は筐体30に対して相対的に往復揺動する。
図2(a)に示すように、本実施形態の振動体20は湾曲形状の板状をなしている。
より具体的には、振動体20(発電ユニット40)は、平面視螺旋形状の板状をなしている。
振動体20(発電ユニット40)の螺旋形状は、二巻きの等間隔螺旋(アルキメデス螺旋)である。なお、振動体20(発電ユニット40)の湾曲形状としては、螺旋形状のほか、波形や鍵型、鋸歯形などを採用してもよい。
振動体20は、それぞれ平面視螺旋形状の板状をなす複数の振動素片21、22を有している。
振動素片21、22の少なくとも一方の主面には、ほぼその全面に、圧電体42および電極膜44(図3を参照)が接合されている。
振動素片21、22は、それぞれ一方の基端部24が筐体30に対して固定され、先端部25に共通の錘50が装着されている。
振動素片21、22は、同一平面上で互いに隣接する渦巻形状をなしており、それぞれの先端が錘50に固定されている。振動素片21、22は、それぞれ等間隔螺旋である。
本実施形態の振動素片21、22は、一連の渦巻状の帯状部材として作製されて、錘50を中心に放射状に形成されている。すなわち、振動素片21、22は、互いに別部材で作製されることを必須とするものではない。
振動素片21、22は、錘50を中心として共通の螺旋方向にカーブしている。また、振動素片21、22は錘50を挟んで長手方向で180度回転対称位置に設けられている。
振動素片21、22の各基端部24a、24bは、平面視矩形状の筐体30の辺に沿って直線状に形成されている。基端部24a、24bは、一対のベース32にそれぞれ固定されている。基端部24a、24bとベース32とは互いに固着されている。
本実施形態の発電ユニット40は、振動素片21、22の主面の少なくとも一方に圧電体42および電極膜44を積層したものである。したがって、発電ユニット40は、両端が筐体30に固定支持されて中央に錘50の集中荷重を受ける、両端支持梁である。
錘50は、振動素片21、22の渦巻きの中心部の表裏両面に接合されている。錘50の重さ、形状、寸法などは、ベース32に両端支持された発電ユニット40の共振周波数が10Hz以下となるよう調整されている。
図3(a)〜(c)は、発電ユニット40の縦断面図である。同図(a)は、金属製の板状体である振動体20の一方の主面(同図では上面)に圧電体42が接合されたユニモルフ型の発電ユニット40の縦断面図である。同図(b)および(c)は、振動体20の両方の主面に板状の圧電体42が接合されたバイモルフ型の発電ユニット40の縦断面図である。
発電ユニット40の圧電体42の表面には、導電性の薄膜である電極膜44が積層されている。
圧電体42を構成する圧電材料には、例えばペロブスカイト型結晶構造をなす強誘電体を用いることができる。一例として、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZR,Ti)O)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛((Pb,La)(Zr,Ti)O)を挙げることができる。
圧電体42と振動体20とは、極薄く塗布されたエポキシ接着剤などの熱硬化性接着剤により接着接合されている。また、圧電体42は、図3各図に矢印で示すように厚み方向に分極されている。
そして、上述のように発電ユニット40の一端または両端を固定した状態で振動体20を面直方向に往復揺動させると、圧電体42は引張応力または圧縮応力を交互に受けて、面内方向に伸縮する。これにより、圧電体42には分極方向の両端面にあたる表裏面の間に交流の起電力が生じる。
電極膜44と振動体20とは、それぞれ外部電極70aまたは外部電極70bに個別に接続されている。図3(a)〜(c)に、交流電流の取り出し方法を示す。具体的には、図3(a)のユニモルフ型の発電ユニット40の場合、圧電体42の分極方向の正方向にあたる電極膜44と、負方向にあたる振動体20から、互いに逆位相の交流電流が出力されて外部電極70a、70bにそれぞれ接続される。
図3(b)のバイモルフ型の発電ユニット40は、振動体20を挟む一対の圧電体42の分極方向が互いに反対である。具体的には、振動体20の上面側の圧電体42tは上面側から下面側に向かって分極し、振動体20の下面側の圧電体42bの分極方向はその逆である。ここで、往復振動する振動体20の上面と下面には引張と圧縮が反対に生じることから、振動体20の上面側の圧電体42tと下面側の圧電体42bとは、往復振動の腹において、一方が面内方向に圧縮されて厚み方向(分極方向)に増大変形し、他方が引っ張られて厚み方向(分極方向)に減少変形する。すなわち、分極方向が互いに反対の圧電体42tと圧電体42bとは、振動体20の振動にあわせて生じる厚み方向(分極方向)の変位も正負反対である。したがって、圧電体42tと圧電体42bの上面側同士、および下面側同士は同極の電位が生じる。そして、直列に接続された圧電体42tおよび圧電体42bの両外面にあたる電極膜44tと電極膜44bとの間には、加算された電位差が生じる。このため、同図の発電ユニット40では、電極膜44tと電極膜44bに外部電極70a、70bをそれぞれ接続して交流電流を出力する。
図3(c)のバイモルフ型の発電ユニット40は、振動体20を挟む一対の圧電体42の分極方向が共通である。このため、図3(b)とは反対に、振動体20の往復振動によって、電極膜44tと電極膜44bには互いに同極(同位相)の電位が生じ、振動体20にはその逆位相の電位が生じる。このため、図3(c)の発電ユニット40では、電極膜44tおよび電極膜44bを一方の外部電極(外部電極70a)に共に接続し、振動体20を他方の外部電極(外部電極70b)に接続して交流電流を出力する。
なお、本発明においては、発電ユニット40としてモノモルフ型の圧電素子を用いてもよい。すなわち、図3各図の態様に代えて、導電性の薄膜である電極膜が両面に形成された圧電材料からなる所定厚さの板状の圧電体42を筐体30に固定して往復揺動させ、金属製の振動体20を排除してもよい。
ここで、発電ユニット40の共振周波数が10Hz以下であるとは、10Hz以下の周期的振動を筐体30に印加することで発電ユニット40に共振が生じて圧電体42に起電力が生じることをいう。すなわち、本実施形態のように振動体20の主面に圧電体42と電極膜44が積層されてユニモルフ型やバイモルフ型の圧電素子からなる発電ユニット40の場合、当該圧電素子の一次固有振動数が10Hz以下であることをいう。
また、発電ユニット40がモノモルフ型の圧電素子からなる場合、発電ユニット40の共振周波数が10Hz以下であるとは、圧電体42の一次固有振動数が10Hz以下であることをいう。
図4(a)〜(c)は、発電ユニット40(圧電素子)が揺動変形する様子を示す立面模式図である。圧電体42と電極膜44(図3を参照)は図示を省略している。
同図(a)は、錘50とともに振動する振動体20の上死点の状態を示している。振動体20は、その自然状態(中立面NP)よりも、矢印のように上方に変位している。同図(b)は、振動体20の振動の腹の状態を示し、振動体20は中立面NPと一致している。同図(c)は、振動体20の下死点の状態を示している。振動体20は、中立面NPよりも、矢印のように下方に変位している。
そして、同図(b)の中立状態から上方または下方に変位するまでの間、振動体20は、基端部24を支持端として全体に曲げ撓みが増大する。一方、同図(a)の上死点または同図(c)の下死点から中立状態に戻る間、振動体20の曲げ撓みは漸減する。
そして、同図(a)に示す上死点では、振動体20の上面側に大きな圧縮が生じ、下面側には引張が生じる。同図(c)に示す下死点では、その逆である。
このように、厚み方向に分極(図3を参照)された発電ユニット40が往復揺動することで、発電ユニット40がユニモルフ型であるかバイモルフ型であるかによらず、電極膜44と振動体20(図3を参照)の間に起電力が生じる。
以下、本実施形態の圧電発電機10では、圧電体42の表面に電極膜44が被着され、裏面に振動体20が金属電極として露出して設けられた、ユニモルフ型を例に説明する。
外部電極70(70a、70b)は、筐体30の対向辺の辺央外部にそれぞれ装着されている。
外部電極70はL字状に曲げ形成された金属材料からなり、筐体30の外部側面30aおよび外部側面30bに被着されている(図1を参照)。
図2に戻り、外部電極70aには接続線72、73が接続され、外部電極70bには接続線74、75が接続されている。
接続線72と接続線73は、振動素片22の上面および振動素片21の上面にそれぞれ積層された電極膜44に接続されている。
接続線74と接続線75は、振動素片22の下面および振動素片21の下面にそれぞれ接続されている。
接続線72〜75は、それぞれ発電ユニット40の基端部24a、24bの近傍に接続されており、錘50を中心として往復揺動する振動体20との干渉を防止している。
筐体30の上面には、接続線72〜75をそれぞれ筐体30の内部から外部電極70に案内する溝部34が設けられている。
溝部34に代えて、外部電極70が接合された筐体30の立壁面33を内外方向に貫通する通孔を設けて、接続線72〜75を筐体30の中空内部から外部電極70に案内してもよい。
振動素片21、22の上面、より具体的には、基端部24a、24b近傍の上面には、それぞれ接続線72、73が接合されて、外部電極70aは圧電体42の上面(電極膜44)と同電位となっている。
一方、振動素片21、22の下面、より具体的には、基端部24a、24b近傍の下面には、それぞれ接続線74、75が接合されて、外部電極70bは圧電体42の下面(振動体20)と同電位となっている。
そして、外部電極70に対して整流回路やコンバータ(図示せず)を任意で接続することにより、圧電発電機10は、他の機器の電源や、充電器(充電池)への充電電流を供給する発電機として用いることができる。
また、図2(b)に示すように、筐体蓋60の裏面と筐体30の内側底面31には、錘50の上死点と下死点の高さ位置を規制する変位ストッパー62、36が互いに内向きに立設されている。変位ストッパー62、36は、筐体蓋60および筐体30のそれぞれ複数箇所に設けてもよい。
筐体蓋60の裏面の変位ストッパー62は、錘50の上端面と当接して、発電ユニット40の上死点を所定以下の高さに規制する。これにより、発電ユニット40が許容振幅を超えることがなく、圧電体42の保護が図られる。
また、筐体30の内側底面31の変位ストッパー36は、錘50の下端面と当接して、発電ユニット40の下死点を所定以上の高さに規制する。これにより、発電ユニット40が許容振幅を超えることがなく、圧電体42の保護が図られる。
なお、本発明においては、変位ストッパー62、36を設けることなく、筐体蓋60の下面および筐体30の内側底面31と、発電ユニット40とのクリアランスを所定に調整することによって、発電ユニット40が許容振幅を超えることを抑制してもよい。これにより、圧電体42に負荷される引張または圧縮応力が破壊限界応力以下に抑えられる。
本実施形態の(発電ユニット40)圧電素子の作製方法の一例を、以下に具体的に示す。
(1)ユニモルフ構造の圧電素子の場合
(第一工程)圧電セラミックスの粉末材料に、樹脂および溶剤と、必要に応じて可塑剤などの添加物とを加え、撹拌分散してペースト状とする。
(第二工程)ドクターブレードや、グラビア印刷、スクリーン印刷等の方法で、100μm以下に成膜し、乾燥する。
(第三工程)必要な大きさに膜体を切断した後、焼成炉で脱バインダおよび焼成処理を行い、シート状の圧電体42の焼成体を得る。
(第四工程)金属電極板(振動体20)に、極薄く接着剤を塗布して、焼成体(圧電体42)を圧着して接着する。
(第五工程)焼成体(圧電体42)の露出面に、導電性の接着剤を薄く塗布し、必要な温度で硬化接着することで電極膜44を得る。また、電極膜44は、金属蒸着法やスパッタ法の方法で成型してもよい。
そして、電極膜44と振動体20との間に、3KV/mm以下の電界を加えて分極処理して、圧電体42が図3各図のように分極される。
(第六工程)圧電体42と電極膜44とが積層され振動体20を、レーザー加工法や打ち抜き法、NC加工法などの方法で加工することにより、図2(a)に示すようなスパイラル形状の圧電素子を得る。
なお、上記方法で作成された圧電素子は、筐体30の絶縁性のベース32に固定装着した後、振動体20および電極膜44をそれぞれ外部電極70a、70bに接続線72〜75で接続する。
(2)バイモルフ構造の圧電素子の場合
(第一工程)ユニモルフ構造の製造方法と同様に、圧電セラミックスの粉末材料のペーストを作製し、2枚の圧電セラミックスシートを成膜する。
(第二工程)ユニモルフ構造の製造方法と同様に、脱バインダおよび焼成処理を行う。
(第三工程)金属電極板(振動体20)に、極薄く接着剤を塗布して、上記2枚の圧電セラミックスシートが振動体20を挟むように貼り合わせて圧着する。
(第四工程)ユニモルフ構造の製造方法と同様に、露出した焼成体(圧電体42)の両面に、導電性の接着剤を薄く塗布し、必要な温度で硬化接着することにより、電極膜44を得る。その後、電極膜44と振動体20との間に、3KV/mm以下の電界を加えて分極処理して、圧電体42が図3各図のように分極される。
以降は、上記のユニモルフ構造の圧電素子の製造方法の第六工程以降と同様である。
なお、上記各工程は、この順に行うことを必ずしも要するものではなく、同時に、または順番を適宜入れ替えて行ってもよい。
また、上記の第三工程に代えて、銀とパラジウムの混合粉末、または、銀−パラジウムの合金粉末などに例示される金属粉末をペースト化した導電性ペーストを作製するペースト作製工程を行った後に、圧電セラミックスシートにこの導電性ペーストを塗布し、更にもう一枚の圧電セラミックスシートを貼り合わせて互いに圧着してもよい。この場合、第二工程として上記した焼成処理は、導電性ペーストによる貼り合わせ工程(第三工程)の後に行ってもよい。
上記本実施形態の圧電発電機10の作用および効果について説明する。
本実施形態の発電ユニット40(圧電素子)は平面視湾曲形状、より具体的には平面視螺旋形状の板状をなしている。これにより、螺旋外周の基端部24から、螺旋中央(先端部25)の錘50までの経路長を長くすることができ、筐体30の外形寸法に対して発電ユニット40の共振周波数を低減することができる。
このとき、振動体20の平面視形状を円形のスパイラルとして、基端部24の近傍を除く略全体を曲線状に形成したことで、基端部24が固定された振動体20(振動素片21、22)には全体に曲げ変形が生じる。
これに対し、かりに振動体20の螺旋形状を方形のスパイラルとした場合、方形の辺にあたる直線部分には捩り変形が生じて発電効率が低下する。したがって、本実施形態のように円形のスパイラルからなる渦巻き状の振動体20を発電ユニット40に用いた圧電発電機10の場合、小型化とともに高い発電効率を実現することができる。
また、図2(a)に示すように、ともに螺旋帯状をなす振動素片21、22は、互いに隣接して隙間なく嵌め合わされる。このため、小型化した筐体30の内部に、比較的大面積の振動体20を収容することができる。
<第二実施形態>
図5は、本実施形態の圧電発電機10の平面図である。
本実施形態の圧電発電機10は、筐体30が平面視矩形状をなし、振動体20は4本の振動素片21(21a〜21d)を有し、振動素片21の基端部24が筐体30の4つの角部(ベース32)にそれぞれ固定されている。
本実施形態の筐体30は、矩形状の内側底面31の四隅にそれぞれベース32が設けられている。各々のベース32は上端面の高さが均一である。
4本の振動素片21a〜21dは、いずれも渦巻き形状をなし、基端がベース32に固定され、先端が筐体30の中央に寄せ集められている。各振動素片21a〜21dの先端には錘50に固定されている。振動素片21a〜21dの先端は、錘50の周囲に90度ずつずれた位置に固定されている。
振動素片21a〜21dは、互いに隙間なく嵌めあわされて、全体に平面視略円形の振動体20を構成している。
より具体的には、本実施形態の振動素片21a〜21dは、錘50を中心とする4筋の螺旋放射状に一体形成された、それぞれ等間隔の螺旋である。
本実施形態の発電ユニット40(圧電素子)は、振動素片21a〜21dの主面の少なくとも一方に圧電体42と電極膜44(図3を参照)とを積層して構成されている。
以下、簡単のため、本実施形態の発電ユニット40は、振動素片21a〜21dの上面にのみ圧電体42と電極膜44とが積層された、ユニモルフ型を例示する。
外部電極70aには、接続線72a、72b、73a、73bの4本の接続線が接続されており、それぞれ振動素片21a〜21dの基端部24近傍の上面の電極膜44に接続されている。
外部電極70bには、接続線74a、74b、75a、75bの4本の接続線が接続されており、それぞれ振動素片21a〜21dの基端部24近傍の下面に接続されている。振動素片21a〜21dの下面には金属電極(振動体20)が露出している。
すなわち、外部電極70aは電極膜44と同電位であり、外部電極70bは振動体20と同電位である。
これにより、振動体20が往復揺動して電極膜44と振動体20との間に生じた交流電流が、外部電極70a、70bより外部に取り出される。
筐体30の立壁面33は、接続線72a〜75bの一本以上を筐体30の中空内部から外部電極70に案内するための通孔を有している。言い換えると、接続線72a〜75bは、筐体30の立壁面33の内部を通じて発電ユニット40の基端部24の近傍から外部電極70まで這い回されている。
本実施形態の圧電発電機10では、振動体20を3つ以上、具体的には4つの細幅の帯状の振動素片21a〜21dで構成し、各振動素片21a〜21dを筐体30の内側底面31の各角部に固定している。これにより、振動素片21a〜21dの面直方向の曲げ剛性を十分に低下させて発電ユニット40の共振周波数を、歩行時や走行時の振動に見られる10Hz以下としつつも、振動体20の平面方向の変位を安定的に抑制している。
<第三実施形態>
図6は、本実施形態の圧電発電機10の一例を示す斜視図である。
図7(a)は本実施形態の圧電発電機10の平面図であり、同図(b)は同図(a)のB−B断面図、同図(c)は同図(b)のC−C断面図である。なお、同図(b)におけるB−B断面図では、螺旋状の振動体20の紙面手前側半分を仮想線で図示している。
本実施形態の圧電発電機10は、筐体30および筐体蓋60が細長形状である点と、筐体30の対向する外部側面30aに2対の外部電極70、71が設けられている点で、図1、2に示す第一実施形態の圧電発電機10と相違している。
以下、圧電発電機10に関し、図7(a)の左右方向を長手方向、同図の上下方向を幅方向、図7(b)の上下方向を厚み方向とする。
本実施形態の発電ユニット40は、筐体30に対して先端部25が往復揺動する振動体20と、振動体20の基端部24と筐体30とに挟持されて振動体20の揺動により生じる応力を受けて発電する圧電体42(42a〜42d)と、を含む。そして、本実施形態の振動体20は、その延在方向(圧電発電機10の長手方向)に対して直交する複数方向(幅方向および厚み方向)に対して共に可撓性を有し、かつ、発電ユニット40の当該複数方向の共振周波数がともに10Hz以下である。
本実施形態の振動体20は、振動体20の延在方向(長手方向)にさらに可撓性を有する螺旋バネである。
振動体20の材料は特に限定されず、導電性の有無も任意である。具体的には、金属材料のほか、プラスチックやセラミックス材料を使用してもよい。
すなわち、本実施形態の振動体20は、少なくとも振動体20の延在方向およびこれに直交する方向に可撓性を有している。また、圧電体42は、振動体20の基端部24と筐体30との間に設けられている。
また、振動体20を螺旋バネとしたことで、幅方向および厚み方向の共振周波数を10Hz以下まで容易に低減することができる。
本実施形態の振動体20は、先端側が螺旋巻回されて先端部25に錘50が設けられ、基端部24には直線棒状の軸部が形成されている。
螺旋バネの巻軸方向は圧電発電機10の長手方向である。基端部24の軸部は、螺旋バネの基端より巻軸上に一体に延在している。
振動体20の基端部24は、4式の圧電体42a〜42dによって、箱形の筐体30の内壁面に固定されている。
圧電体42a〜42dは、固定端(下端)の幅に比べて上端は細幅に形成され、かかる上端によって、互いに干渉することなく振動体20の基端部24を支持している。
図9を用いて後述するように、本実施形態の圧電体42は、一層または二層以上の金属製の内層電極441、442と、圧電材料からなる複数層の圧電層421とを交互に積層した積層構造をなしている。なお、圧電体42には、図3各図に示したように、分極した圧電材料の正極側と負極側とにそれぞれ電極膜(本実施形態では図示せず)を被着したバルク構造の圧電発電体を用いてもよい。
振動体20の基端部24と筐体30との間には、振動体20の延在方向に並ぶ複数の圧電体42a〜42dが挟持されている。また、圧電発電機10は、筐体30の外部に露出して設けられ、複数の圧電体42a〜42dと電気的に接続された外部電極70a、70b、71a、71bをさらに備えている。
そして、本実施形態においては、振動体20の揺動により圧電体42a〜42dで発電された起電力が互いに加算される向きに、圧電体42a〜42dと外部電極70a、70b、71a、71bとは接続されている。
具体的には、図7(a)、(c)に示すように、圧電体42aと圧電体42bは、互いに対向して長手方向に延びる立壁面33a、33b上に、長手方向に互いにずれた位置に立設されている。すなわち、本実施形態において、複数の圧電体42が振動体20の延在方向に並んで配置されているとは、複数の圧電体42が当該延在方向に関して異なる位置に設けられていることをいう。したがって、複数の圧電体42が当該延在方向に一直線状に並んでいる場合のほか、圧電体42aと42bのように、圧電発電機10の幅方向または厚み方向に互いにずれた位置で延在方向に並んでいる場合を含む。
圧電体42aと圧電体42bは、互いに先端部を内向きに対向させて、かつ互いに長手方向にずれた位置に配置されている。そして、圧電体42aと圧電体42bの両先端部により、振動体20の基端部24は幅方向への並進移動、および並進方向への回転(厚み方向軸まわりの回転)移動が規制されている。
一方、同図(a)、(b)に示すように、圧電体42cと圧電体42dは、ともに内側底面31上に、長手方向に互いにずれた位置に立設されている。
圧電体42cと圧電体42dは、共に先端部を上向きにして内側底面31に固定されている。そして、圧電体42cと圧電体42dの両先端部により、振動体20の基端部24は厚み方向への並進移動、および厚み方向への回転(幅方向軸まわりの回転)移動が規制されている。
以下、圧電体42a〜42dの設置面からの立設方向を、当該圧電体の高さ方向という。
また、振動体20の基端部24は、圧電体42a〜42dによって、長手方向への並進移動が規制されている。
以上より、振動体20は圧電体42を固定端とする片持ち状態にある。
すなわち、本実施形態の発電ユニット40は、圧電体42を固定端とし、圧電体42に片持ち支持された振動体20と、その先端に設けられた錘50とからなる。
本実施形態の圧電発電機10は、高硬度ゆえ共振周波数の高い圧電体42と、振動体20における柔軟な揺動部分とを分離して、10Hz以下の低い共振周波数で振動体20を固有振動させるものである。また、本実施形態の圧電発電機10では、振動体20の保持点である基端部24に生じる荷重を、圧電体42に周期的に印加する。すなわち、本実施形態の圧電発電機10は、圧電体42自体を共振させるのではなく、他の部材を低周波で共振させて得られる荷重を圧電体42に印加して、圧電効果によって交番電流を得るものである。
筐体30に任意の方向の加速度荷重が印加されると、錘50の慣性力によって錘50は筐体30に対して相対振動する。
ここで、本実施形態の圧電発電機10は、圧電体42が振動体20の基端部24よりも筐体30側に配置されていることから、材料硬度の高い圧電体42の影響を受けることなく、振動体20と錘50の物理特性によって共振周波数を調整することができる。
そして、振動体20の曲げ剛性および錘50の重さは、振動体20の共振周波数が長手方向、幅方向および厚み方向ともに10Hz以下となるよう調整されている。これにより、圧電発電機10は、振動体20の共振周波数と略一致する歩行時や走行時の10Hz以下の周期的な振動を筐体30に印加することで、錘50および振動体20は固有振動し、圧電体42にはその拘束点反力が負荷されて歪みが生じる。
より具体的には、錘50が幅方向に往復揺動すると、圧電体42aと圧電体42bは、共に圧縮された状態、または共に引っ張られた状態を繰り返す。すなわち、図7(a)の上方に錘50が移動した場合、圧電体42a、42bは、共に圧縮応力を受ける。また、同図の下方に錘50が移動した場合、圧電体42a、42bは、共に引張応力を受ける。
また、錘50が厚み方向に往復揺動すると、圧電体42cと圧電体42dは、圧縮状態または引張状態を互いに逆転させて繰り返す。すなわち、図7(b)の上方に錘50が移動した場合、圧電体42cは圧縮応力を受け、一方、圧電体42bは引張応力を受ける。また、同図の下方に錘50が移動した場合、圧電体42aは引張応力を受け、圧電体42bは圧縮応力を受ける。
図8は、圧電体42の近傍に関する図7(a)の拡大図である。ただし、説明のため、振動体20の図示は省略している。
圧電体42aと圧電体42bは、対向する立壁面33からそれぞれ幅方向(図8の上下方向)の内向きに立設されており、圧電体42cと圧電体42dは、内側底面31から共に厚み方向(図8の紙面上方)に立設されている。
図9(a)は、圧電体42をその立設方向(高さ方向)に切った断面図である。圧電体42は、圧電材料からなる複数層の圧電層421と、内層電極441、442とを交互に積層した積層構造をなしている。また、最上層の圧電層421aの上面と、最下層の圧電層421bの下面には、電極膜44が被着されている。
本実施形態の圧電層421は、それぞれ厚み方向に分極している。分極のプラス側からマイナス側に向かう矢印を同図に示す。
そして、積層された複数の圧電層421のうち、分極方向の正方向にあたる表面同士が電極45によって互いに電気的に接続されている。同様に、圧電層421のうち、分極方向の負方向にあたる表面同士が電極46によって互いに電気的に接続されている。
より具体的には、積層された圧電層421は交互に分極方向が反転しており、奇数番目の圧電層421の上面と偶数番目の圧電層421の下面とが電極45で接続されている。また、奇数番目の圧電層421の下面と偶数番目の圧電層421の上面とが電極46で接続されている。
電極45と電極46とは圧電体42の両側に対向して設けられており、互いに電気的に絶縁されている。
図9(b)は、圧電体42を高さ方向に押圧した場合の変形図である。
同図に矢印で示すように圧電体42を高さ方向に押圧して圧電層421をそれぞれ厚み方向に圧縮変形させると、圧電層421は分極方向の両端面(上下面)の間に起電力が生じる。具体的には、圧電層421は、プラスに分極された側の表面が正の電位となり、マイナスに分極された側の表面が負の電位となる。ここで、本実施形態の圧電体42は、複数層の圧電層421の分極方向が共通の表面同士が電極45、46によって互いに接続されており、この場合は電極45に負の電位(−出力)、電極46に正の電位(+出力)が発生する。
一方、図9(b)とは逆に、圧電体42が図9(a)の自然状態から高さ方向に伸張された場合(図示せず)には、各圧電層421が厚み方向に厚くなるように変形し、電極45に正の電位(+出力)、電極46に負の電位(−出力)が発生する。
そして、各圧電層421に対して圧縮または引張応力が周期的に付与されることで、電極45、46には互いに逆位相の交流電流が連続的に出力される。
図8に戻り、本実施形態の圧電発電機10において、圧電体42aと圧電体42bは、それぞれに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極同士が同電位となるよう、電気的に接続されている。そして、圧電体42aと圧電体42bは、それぞれに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極同士が同電位となるよう、電気的に接続されている。
これに対し、圧電体42cと圧電体42dは、圧電体42cに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極と、圧電体42dに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極とが電気的に接続されている。そして、圧電体42cに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極と、圧電体42dに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極とが電気的に接続されている。
具体的には、圧電体42aと圧電体42bは、それぞれに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極45a、46aが、接続線72aおよび72bを介して外部電極70aと同電位に接続されている。同様に、圧電体42aと圧電体42bは、それぞれに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極46a、46bが、接続線73aおよび73bを介して外部電極71aと同電位に接続されている。
一方、圧電体42cに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極45cと、圧電体42dに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極45dが、接続線72cおよび72dを介して外部電極70bと同電位に接続されている。そして、圧電体42cに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極46cと、圧電体42dに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極46dが、接続線73cおよび73dを介して外部電極71bと同電位に接続されている。
錘50が幅方向に揺動した場合、圧電体42aと42bは高さ方向に同時に圧縮され、または引っ張られて圧電効果が生じる。したがって、生じた電流が加算されて外部電極70aと外部電極71aには交番電流が取り出される。
また、錘50が厚み方向に揺動した場合、圧電体42cと42dは高さ方向に反対に圧縮され、または引っ張られて圧電効果が生じる。したがって、生じた電流が加算されて外部電極70bと外部電極71bには交番電流が取り出される。
なお、幅方向の加速度に基づいて外部電極70aと71aとの間に出力された交番電流と、厚み方向の加速度に基づいて外部電極70bと71bとの間に出力された交番電流とは、互いに位相が一致していない可能性がある。このため、各出力電流は、それぞれダイオード(図示せず)で整流したうえで互いに合流するとよい。
本実施形態の振動体20は螺旋バネであり、圧電発電機10の幅方向と厚み方向のみならず、長手方向軸まわりに360度のあらゆる方向に略等しい共振周波数を有している。
また、上述のように、圧電体42aと42b、および圧電体42cと42dは、それぞれで生じた交番電流が接続線72a〜73dで加算されて外部電極70a、70b、71a、71bに接続されている。
したがって、振動体20の振動方向、すなわち筐体30への加速度負荷方向が、長手方向軸まわりに360度のいずれの方向であっても、本実施形態の圧電発電機10によれば外部電極70a、70b、71a、71bにて交番電流を取り出すことができる。
<第四実施形態>
図10(a)は本実施形態の圧電発電機10の平面図であり、同図(b)はそのB−B断面図である。同図(a)では、筐体蓋60の図示を省略している。
本実施形態の圧電発電機10は、振動体20の基端部24と筐体30との間に、振動体20の延在方向に並ぶ複数の圧電体42a、42bが挟持されている点と、振動体20の揺動により圧電体42a、42bで発電された起電力が互いに加算される向きに圧電体42a、42bと外部電極70a、70bとが電気的に接続されている点で、第三実施形態と共通している。
本実施形態の振動体20は、平面視が細長矩形状(帯状)の平板であり、先端部25に錘50が装着されている。
振動体20の基端部24は、筐体30の内側底面31との間に圧電体42a、42bが挟持されている。
圧電体42a、42bは、それぞれブロック状をなし、下端面が内側底面31に、そして上端面が振動体20に、それぞれ固着されている。
圧電体42a、42bは、互いに長手方向に並んでいる。
本実施形態の圧電発電機10においては、筐体30に固定された圧電体42a、42bと、基端部24が圧電体42a、42bに支持された振動体20と、振動体20の先端部25に設けられた錘50とで発電ユニット40が構成されている。
接続線72aは、圧電体42aの負極側と圧電体42bの正極側とを電気的に接続している。また、接続線72bは、圧電体42aの正極側と圧電体42bの負極側とを電気的に接続している。
また、接続線73aは、圧電体42bの正極側と外部電極70aとを電気的に接続している。したがって、圧電体42aの負極側、圧電体42bの正極側、および外部電極70aは互いに同電位である。
一方、接続線73bは、圧電体42bの負極側と外部電極70bとを電気的に接続している。したがって、圧電体42aの正極側、圧電体42bの負極側、および外部電極70bは互いに同電位である。
そして、発電ユニット40の一次固有振動では、錘50が厚み方向に揺動する。かかる一次固有振動数が10Hzとなるよう、振動体20の曲げ剛性と錘50の質量とが調整されている。
筐体30に厚み方向に周期的な加速度荷重が印加されて錘50が筐体30に対して相対振動すると、圧電体42a、42bには、錘50の往復振動に応じて、圧縮応力と引張応力が逆向きに、かつ交互に反転して生じる。
本実施形態の圧電体42aと42bは、図9に示した積層構造をなしている。そして、上記のように、圧電体42aに圧縮力が付与された場合に+出力となる電極45aと、圧電体42bに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極46bとが接続線72bによって電気的に接続されている。そして、圧電体42aと42bは、圧電体42aに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極46aと、圧電体42bに圧縮力が付与された場合に−出力となる電極46bとが接続線72aによって電気的に接続されている。
よって、錘50が厚み方向に揺動して圧電体42a、42bで交番電流が発生すると、かかる電流は接続線72a、72b、73a、73bで互いに加算されて外部電極70a、70bに出力される。
なお、本実施形態の圧電発電機10に代えて、圧電体42aと42bの正極または負極からの交番電流を、それぞれ独立して4式の外部電極に出力してもよい。この場合、4式の外部電極に出力された交番電流は、互いに加算方向に合成して出力してもよく、またはそれぞれダイオード(図示せず)で整流されたのちに合成して出力してもよい。
<第五実施形態>
図11(a)は第五実施形態の圧電発電機10の平面図であり、同図(b)はそのB−B断面図であり、同図(c)は同図(b)のC−C断面図である。
本実施形態の圧電発電機10は、振動体20が棒状体であって、その延在方向にそれぞれ直交する複数方向(幅方向および厚み方向)に等しい共振周波数を有している点で第四実施形態と相違する。
また、本実施形態では、筐体30の幅方向に対向する立壁面の一方(立壁面33a)に圧電体42aが固定され、筐体30の内側底面31に圧電体42bが固定されている。
圧電体42aは振動体20の基端部24を立壁面33aより幅方向に支持し、圧電体42bは振動体20の基端部24を内側底面31より厚み方向に支持する。
筐体30の基端側(図11(a)、(b)における左方)の立壁面33cには、振動体20の基端部24の最基端26を嵌め込むための凹部35が設けられている。
振動体20は、基端部24の最基端26を凹部35に嵌合固定し、圧電体42aと42bに支持されて片持ち状態にある。
振動体20の先端部25には錘50が装着されている。
本実施形態の振動体20は、延在方向(圧電発電機10の長手方向)に対する直交断面(以下、横断面)が正方形である。また、振動体20の横断面の四辺は、圧電発電機10の幅方向および厚み方向とそれぞれ一致している。
また、振動体20は横断面内に等方性の材料からなる。具体的には、金属製の角棒や、押出成形されたプラスチック材料を例示することができる。
また、本実施形態の錘50は、横断面が正方形であり、幅方向と厚み方向の慣性モーメントが互いに等しい。
これにより、本実施形態の振動体20は、その延在方向(圧電発電機10の長手方向)に対して直交する複数方向(幅方向および厚み方向)に対して共に可撓性を有し、かつ、発電ユニット40の当該複数方向の共振周波数がともに10Hz以下である。
最基端26が立壁面33cに固定された振動体20は、錘50が圧電発電機10の幅方向に振動すると、基端部24から圧電体42aに対して厚み方向の圧縮または引張応力を周期的に付与する。
本実施形態の圧電体42aと42bは、図9に示した積層構造をなしている。そして、圧電体42aの長手方向の両側にそれぞれ設けられた電極45a、46aの間には、圧電体42aが振動体20の基端部24から幅方向に周期的な応力を受けることで交番電流が生じる。
電極46aと外部電極71aとは接続線73aで電気的に接続されている。また、電極45aと外部電極70aとは接続線72aで電気的に接続されている。
これにより、錘50が筐体30に対して幅方向に往復揺動すると、外部電極70a、71aには電位が反転した交番電流が出力される。
なお、図11(c)は、接続線の図示を省略する。
一方、錘50が圧電発電機10の厚み方向に振動すると、基端部24から圧電体42bに対して厚み方向の圧縮または引張応力が周期的に付与される。
圧電体42bの長手方向の両側にそれぞれ設けられた電極45b、46bの間には、圧電体42bが振動体20の基端部24から厚み方向に周期的な応力を受けることで交番電流が生じる。
電極46bと外部電極71bとは接続線73bで電気的に接続されている。また、電極45bと外部電極70bとは接続線72bで電気的に接続されている。
これにより、錘50が筐体30に対して厚み方向に往復揺動すると、外部電極70b、71bには電位が反転した交番電流が出力される。
幅方向の加速度に基づいて外部電極70aと71aとの間に出力された交番電流と、厚み方向の加速度に基づいて外部電極70bと71bとの間に出力された交番電流とは、互いに位相が一致していない可能性がある。このため、各出力電流は、それぞれダイオード(図示せず)で整流してから互いに合流するとよい。
本実施形態の圧電発電機10においては、振動体20の横断面を円形としてもよい。
また、錘50も円柱形状または球体状など、横断面が円形であるとよい。
これにより、振動体20は長手方向軸まわりに360度のあらゆる方向に略等しい共振周波数を有することとなる。
そして、振動体20の振動方向、すなわち筐体30への加速度負荷方向が、長手方向軸まわりに360度のいずれの方向であっても、本実施形態の圧電発電機10によれば外部電極70a、70b、71a、71bにて交番電流を取り出すことができる。
以下、本発明の圧電発電機について、実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1、2)
図2および5に記載の第一および第二実施形態にかかる圧電発電機を、それぞれ実施例1および2として作製した。以下、本実施例における要素名の符号は、上記実施形態または図面に記載のものに対応している。
実施例1および2の筐体30は、外形の辺長が20mmの平面視正方形状とした。
実施例1の2条の渦巻き状の振動体20(振動素片21、22)は、幅寸法を1mm、基端部24から先端部25までの螺旋状の経路長を64mmとした。
実施例2の4条の渦巻き状の振動体20(振動素片21a〜21d)は、幅寸法を0.5mm、基端部24から先端部25までの螺旋状の経路長を35mmとした。
振動体20と圧電体42と電極膜44とを積層した帯状の圧電素子の積層厚さ寸法は、実施例1、2とも0.1mmで共通とした。
実施例1の圧電発電機10は、振動素片21、22の先端部25に、鉄製の0.07gの錘50を装着した。
実施例2の圧電発電機10は、振動素片21a〜21dの先端部25に、鉄製の0.125gの錘50を装着した。
(比較例1)
図12は、比較例1の圧電発電機100の平面図である。ただし、外部電極や接続線は、図示を省略している。
比較例1の圧電発電機100は、非絶縁材料からなるベース32に片持ち状態に支持された振動体20が、平面視直線板状である。振動体20の寸法は、実施例1および2と共通の筐体30に収容可能なサイズとして、幅寸法を3mm、長さ寸法を15mmとした。厚み寸法は実施例1、2と共通の0.1mmとした。
また、比較例1の振動体20の材料、およびその上面の圧電体42および電極膜44の材料および寸法は、実施例1および2と共通とした。
また、比較例1の振動体20の先端に装着した錘50の質量は、実施例2と同様に0.125gとした。
かかる実施例1、2および比較例1について、振動体20、圧電体42および電極膜44の弾性率を適宜設定して振動体20の共振周波数(一次固有振動数)を数値シミュレーションで求めた。
結果として、実施例1の共振周波数は5.4Hz、実施例2の共振周波数は7.2Hzと、ともに10Hz以下とすることができたのに対し、比較例1の共振周波数は62Hzとなり、10Hzを大幅に上回った。
これにより、実施例1、2のように、振動体20を渦巻き状の複数条の振動素片とすることで、20mm四方という小型の圧電発電機10において、発電ユニット40の共振周波数を歩行時や走行時に見られる10Hz以下にできることが分かった。これに対し、従来の発電機のように矩形板状の振動体を用いた場合には、同等の寸法の筐体30に収容される発電ユニット40において10Hz以下の共振周波数を実現するのは極めて困難であることが分かった。
(実施例3〜5)
図7、10および11に記載の第三、第四および第五実施形態にかかる圧電発電機10を、それぞれ実施例3〜5として作製した。
振動体20には、曲げ弾性率が0.23GPaのポリカーボネート(PC)樹脂を用いた。
図7に示す実施例3の振動体20は、φ0.3mm、長さ45mmの円柱状のPC樹脂棒を、巻径4mm、ピッチ2mmにて6巻きに螺旋巻回して螺旋バネ部を作製し、これに続けて長さ5mmの基端部24を直線状に延在したものである。振動体20の先端部25には、鉄製の0.585gの錘50を装着した。
また、実施例3の筐体30は、長さ20mm、幅8mm、厚さ8mmの直方体とした。
図10に示す実施例4の振動体20は、幅寸法1mm、厚さ0.1mm、長さ寸法13mmの帯状とした。振動体20の先端部25には、鉄製の0.07gの錘50を装着した。
また、実施例4の筐体30は、長さ20mm、幅5mm、厚さ3mmの直方体とした。
図11に示す実施例5の振動体20は、幅寸法と厚み寸法が0.3mm、長さ寸法14mmの横断面正方形の角棒とした。振動体20の先端部25には、鉄製の0.585gの錘50を装着した。
また、実施例5の筐体30は、長さ20mm、幅8mm、厚さ8mmの直方体とした。
(比較例2)
図13(a)は比較例2の圧電発電機100の平面図、同図(b)はそのB−B断面図である。
比較例2の圧電発電機100は、実施例4の圧電発電機10に対して、振動体20の主面に板状の圧電体42が被着されたものである。圧電体42の表面に設けられる電極膜は、図示を省略している。かかる態様は、特許文献1に記載の従来の発電機に対応するものである。
比較例2の圧電素子(振動体20および圧電体42)の弾性率は90GPa、幅寸法は1mm、厚み寸法は0.2mm、長さ寸法は14mmとした。
また、比較例2の振動体20の先端部25には、鉄製の0.07gの錘50を装着した。
また、比較例2の圧電素子は、基端部24を筐体30に嵌合し、かつ、振動体20の下面にベース32を固着した。
なお、比較例2の筐体30は、長さ20mm、幅5mm、厚さ5mmの直方体とした。
かかる実施例3から5および比較例2について、振動体20の共振周波数(一次固有振動数)を数値シミュレーションで求めた。
結果として、実施例3の共振周波数は8.51Hz、実施例2の共振周波数は9.7Hz、実施例3の共振周波数は8.57Hzと、ともに10Hz以下とすることができたのに対し、比較例2の共振周波数は156Hzとなり、10Hzを大幅に上回った。
これにより、実施例3から5のように、振動体20の揺動部分を圧電体42と分離して、振動体20の基端部24と筐体30との間に圧電体42を設けたことにより、圧電体42の材料硬度の影響を受けることなく発電ユニット40の共振周波数を容易に10Hz以下に低減できることが分かった。
なお、本発明の圧電発電機においては、振動体を揺動させて圧電体に歪みを生じさせるものであるかぎり、外力の発生源は特に限られない。上記各実施形態では、人間や動物の歩行時等の振動や、自動車や自転車等の走行振動を例示したが、これに限定されるものではない。
上記実施形態および実施例は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)筐体と、前記筐体に固定され前記筐体に対する往復揺動によって生じる応力により発電する圧電式の発電ユニットと、を備えるとともに、
前記発電ユニットの共振周波数が10Hz以下であることを特徴とする圧電発電機;
(2)前記発電ユニットが、前記筐体に対して基端部が固定された振動体と、前記振動体の少なくとも一方の主面に接合されて前記振動体とともに揺動する圧電体と、を含み、かつ、
前記振動体が、湾曲形状の板状をなすことを特徴とする上記(1)に記載の圧電発電機;
(3)前記発電ユニットが、前記筐体に対して先端部が往復揺動する振動体と、前記振動体の基端部と前記筐体とに挟持されて前記振動体の揺動により生じる応力を受けて発電する圧電体と、を含み、
前記振動体が、該振動体の延在方向に対して直交する複数方向に対して共に可撓性を有し、かつ、前記発電ユニットの前記複数方向の共振周波数がともに10Hz以下であることを特徴とする上記(1)に記載の圧電発電機;
(4)前記振動体が螺旋形状の板状をなしている上記(2)に記載の圧電発電機;
(5)前記振動体が、それぞれ螺旋形状の板状をなす複数の振動素片と、前記振動素片の少なくとも一方の主面にそれぞれ接合された前記圧電体と、を含み、かつ、
複数の前記振動素片は、それぞれ基端が前記筐体に対して固定され、先端に共通の錘が装着されていることを特徴とする上記(2)に記載の圧電発電機;
(6)前記筐体が矩形状をなし、
前記振動体が4本の前記振動素片を有し、前記振動素片の前記基端が前記筐体の4つの角部にそれぞれ固定されている上記(5)に記載の圧電発電機;
(7)前記圧電体が、前記振動体の前記基端部と前記筐体との間に設けられている上記(1)に記載の圧電発電機;
(8)前記振動体が、該振動体の延在方向にさらに可撓性を有する螺旋バネである上記(3)に記載の圧電発電機;
(9)前記振動体が棒状体であって、該振動体の延在方向にそれぞれ直交する複数方向に等しい共振周波数を有する上記(3)に記載の圧電発電機;
(10)前記振動体の前記基端部と前記筐体との間に、前記延在方向に並ぶ複数の前記圧電体が挟持され、
前記筐体の外部に露出して設けられ、前記複数の圧電体と電気的に接続された外部電極をさらに備え、かつ、
前記振動体の揺動により前記複数の圧電体で発電された起電力が互いに加算される向きに前記複数の圧電体と前記外部電極とが接続されていることを特徴とする上記(3)、(8)または(9)に記載の圧電発電機。
10 圧電発電機
20 振動体
21、22 振動素片
24 基端部
25 先端部
26 最基端
30 筐体
30a、30b 外部側面
31 内側底面
32 ベース
33 立壁面
34 溝部
35 凹部
36、62 変位ストッパー
40 発電ユニット
42 圧電体
421 圧電層
44 電極膜
441、442 内層電極
45、46 電極
50 錘
60 筐体蓋
70、71 外部電極
72〜75 接続線
100 圧電発電機
NP 中立面

Claims (3)

  1. 筐体と、前記筐体に固定され前記筐体に対する往復揺動によって生じる応力により発電する圧電式の発電ユニットと、を備えるとともに、
    前記発電ユニットの共振周波数が10Hz以下であることを特徴とする圧電発電機。
  2. 前記発電ユニットが、前記筐体に対して基端部が固定された振動体と、前記振動体の少なくとも一方の主面に接合されて前記振動体とともに揺動する圧電体と、を含み、かつ、
    前記振動体が、湾曲形状の板状をなすことを特徴とする請求項1に記載の圧電発電機。
  3. 前記発電ユニットが、前記筐体に対して先端部が往復揺動する振動体と、前記振動体の基端部と前記筐体とに挟持されて前記振動体の揺動により生じる応力を受けて発電する圧電体と、を含み、
    前記振動体が、該振動体の延在方向に対して直交する複数方向に対して共に可撓性を有し、かつ、前記発電ユニットの前記複数方向の共振周波数がともに10Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電発電機。
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