JP2006070345A - フラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜およびAg基合金スパッタリングターゲット、並びにフラットパネルディスプレイ - Google Patents

フラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜およびAg基合金スパッタリングターゲット、並びにフラットパネルディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた電気伝導性を示すと共に、大気中で繰り返し高温加熱処理が施された場合であっても、優れた耐凝集性を示すフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜を提供する。
【解決手段】 フラットパネルディスプレイ用の配線電極膜であって、Biを0.01〜1.5at%含有し(Cu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含んでいてもよい)、残部実質的にAgからなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜。

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)用の配線膜または電極膜、及びその配線膜または電極膜をスパッタリング法で成膜する時に用いるスパッタリングターゲット、並びにその配線膜または電極膜を備えたFPDに関するものである。
TVやPC、その他の各種産業機器の平面表示装置として挙げられる液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display、具体例としてはアモルファスSi TFT LCDやポリSi TFT LCD)や、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field Emission Display )、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD:Electro Luminescence Display、具体例としては有機ELDや無機ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)等は、フラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)と総称される。
このFPDの表面画素の駆動形式として、アクティヴ型(薄膜トランジスタ駆動)とパッシヴ型の2種類がある。
上記アクティヴ型のFPDは、図1に例示する様に、反射電極膜1を備えた多数の表示画素を有する。また図1に示す様に、各々の表面画素はこれを駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)2を備えている。このTFT2に電流を供給するための2種の配線膜3、5が、各表示画素の周りに縦横に配置されており、一方の配線膜(ここではアドレス配線膜と呼ぶ)3は、ゲート電極膜4を介してTFT2に接続され、他方の配線膜(ここではデータ配線膜とよぶ)5は、ソース電極膜6を介してTFT2に接続され、TFT2からドレイン電極膜7を介して反射電極膜1に接続される。
一方、パッシヴ型のFPDでは、アクティヴ型にあるTFTは存在せず、図2に略示するように、上下に格子状に配置される配線膜または電極膜に電圧を印加することによって画素を表示させる。
上記各膜にはそれぞれ要求特性があり、前記反射電極膜1として、本発明者らは、純Agとほぼ同等レベルの高い反射率のものを得るべく、BiおよびSbよりなる群から選ばれた1種または2種の元素を合計量で0.01〜4原子%含有させたAg基合金からなる反射膜を提案している(例えば特許文献1)。
また前記配線膜(アドレス配線膜及びデータ配線膜)3、5並びに前記電極膜(ゲート電極膜、ソース電極膜、ドレイン電極膜)4、6、7(本発明ではこれらをまとめて配線電極膜と呼ぶ)は、前記反射電極膜1とは異なる特性が要求され、具体的には低電気抵抗率、および製造工程における高温加熱に耐えうる高耐熱性が要求されるが、近年のFPDの大画面化、高精細化、多様化に伴い該電気抵抗率、高耐熱性の要求レベルが高まっている。以下、配線電極膜の上記要求特性について詳述する。
まず、低電気抵抗率について説明する。大型テレビを例とするFPDの大画面化・高精細化に伴い、配線電極膜の線長が長くなるか線幅が狭くなる傾向にあるが、この様に線長が長くなるかまたは線幅が狭くなると、配線電極部分の電気抵抗が増加して電気信号遅延の問題が生じる。電気信号遅延を抑制するには、電気抵抗率のより低い配線電極膜材料を使用することが好ましい。しかし電気抵抗率の達成レベルをこれまでよりも更に低い値、例えば3.0μΩcm以下(300℃加熱処理後に得られる値)に設定すると、従来より使用されてきたAl系材料ではこの低電気抵抗率の実現が不可能となることから、低電気抵抗率を達成できるAg系材料が注目されている。
次に高耐熱性について説明する。FPDの種類として、従来のアモルファスSi TFT LCDに加え、近年では、低温ポリSi TFT LCDやFED等の新型FPDが登場し、FPDの多様化が進んでいる。これら新型FPDを製造する場合、形成された配線電極膜は、その後の製造工程で高温加熱を受け、例えば、低温ポリSi TFT LCDの場合には、ポリSiの活性化処理時に真空下で450〜500℃の加熱を一回受け、またFEDの場合には、ガラス封着時に大気下で450〜500℃の加熱を複数回受ける。
よって新型FPDを構成する配線電極膜には、従来のアモルファスSi TFT LCDでは要求されなかった高耐熱性も上記低電気抵抗性と共に要求されるが、従来使用されてきたAl系材料やCu系材料は酸化され易く耐熱性に劣るため、酸化し難いAg系材料が、高耐熱性を確保する観点からも注目されている。
この様に低電気抵抗率および高耐熱性を併せて達成し得るAg系材料とこれを用いた配線電極膜が種々提案されている。例えば特許文献2、3には、Agを主成分とし、合金元素としてAu、Cu、Ti、Zr等の合金元素を添加することで、低電気抵抗性や耐熱性の確保を図った配線用薄膜が開示されている。また特許文献4には、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜とシリサイド膜との積層構造とすることで低電気抵抗率を確保した配線用薄膜が示されており、特許文献5には、Ag、Cuの少なくとも1種を主成分とする合金からなる合金膜と、該合金の窒化物からなる窒化物膜とを積層した配線用薄膜とすれば低電気抵抗率を達成できる旨開示されている。
特開2004−126497号公報 特開2003−293054号公報 特開2004−2929号公報 特開2004−76079号公報 特開2004−76080号公報
上述の通り、FPDの中でも特にFEDを製造する場合には、形成された配線電極膜が、後工程であるガラス封着時に大気中で高温に何度も曝されるが、本件の様なAg基合金薄膜の場合、特に加熱によるAgの凝集を抑制する必要があることから、複数回の大気中高温加熱に対する耐熱性として「耐凝集性」に優れていることが重要となる。
しかし上記特許文献2〜5の技術では、低電気抵抗率や真空下での高耐熱性の確保は達成できるものの、低電気抵抗率を維持したまま上記耐凝集性までは確保し得ない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高耐凝集性および低電気抵抗率を兼備したフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜、および該配線電極膜の成膜に用いられるAg基合金スパッタリングターゲット、並びに該Ag基合金配線電極膜の備わったフラットパネルディスプレイを提供することにある。
本発明に係るAg基合金配線電極膜は、フラットパネルディスプレイ用の配線電極膜であって、Biを0.01〜1.5at%含有し、残部実質的にAgからなるところに特徴を有する。
上記Ag基合金配線電極膜として、更にCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含有させたものは、より優れた耐食性を示すので好ましい。
本発明は、上記フラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜の成膜に用いられるスパッタリングターゲットも規定するものであって、該スパッタリングターゲットは、Biを0.1〜9at%含有し、残部実質的にAgからなるところに特徴を有する。
またCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を更に含む上記Ag基合金配線電極膜の成膜に用いられるスパッタリングターゲットとして、上記Biに加えて更にCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含有するAg基合金スパッタリングターゲットが好ましく使用される。
また本発明には、上記配線電極膜を備えたところに特徴を有するフラットパネルディスプレイも含まれる。
本発明のFPD用Ag基合金配線電極膜は、高耐凝集性と低電気抵抗率を備えているため、FPDの性能と信頼性を格段に高めることができる。また、本発明のAg基合金スパッタリングターゲットは、前記Ag基合金配線電極膜の成膜に好適に使用され、これを用いて成膜されたAg基合金配線電極膜は、合金組成、合金元素分布および膜厚の膜面内均一性に優れているため、配線電極膜として優れた特性を発現し、結果として高性能かつ高信頼性を発揮する本発明のFPDが得られる。また本発明のFPDは、前記の優れた耐凝集性と低電気抵抗率を示すFPD用Ag基合金配線電極膜を備えているため、高性能かつ高信頼性を発揮し得る。尚、本発明のAg基合金配線電極膜は、アクティヴ型FPDにもパッシヴ型FPDにも好適に使用できるものである。
本発明者らは、既にフラットパネルディスプレイの表示画素を駆動させるための薄膜トランジスタに接続される配線電極膜であって、Ndを0.1〜1.5at%含有し、残部実質的にAgからなるAg基合金で形成された低電気抵抗率、高耐熱性および高微細加工性を示すフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜を提案している(特願2003−405476号)。
しかし該技術では、大気中500℃で30分間の加熱を繰り返し3回行なう程度の耐熱性は確保できるものの、更に厳しい条件、例えば500℃で30分間の加熱を繰り返し5回行う場合には、Agの凝集が起こり特性が劣化するなど更に繰り返される大気中の高温加熱に対しては耐熱性(耐凝集性)が十分とはいえなかった。
そこで本発明者らは、FPD用の配線電極膜に必要な上記高耐凝集性と低電気抵抗率を兼備したフラットパネルディスプレイ用Ag基合金薄膜を得るべく、種々の合金元素をAgに添加して調べたところ、特定量範囲のBi添加が非常に有効であることを見出し本発明を完成した。
即ち、Ag基合金配線電極膜として、Biを0.01at%以上含有し、残部Agおよび不純物からなるAg基合金で形成されたものとすれば、高温加熱を複数回行なった場合でもAgがほとんど凝集せず、優れた耐凝集性を発揮することが分かった。好ましくはBiを0.1at%以上、より好ましくは0.2at%以上含有させるのがよい。一方、Bi量が過剰であると、FED用配線電極膜に要求される低電気抵抗率を達成できないので、本発明ではBi量を1.5at%以下の範囲で含有させることとした。好ましくは1.0at%以下、より好ましくは0.7at%以下である。
Bi含有による上記効果について詳細に解明したわけではないが、次の様な現象が生じていると考えられる。即ち、本発明のAg−Bi合金薄膜の成膜時に、薄膜の表面にBi23層が形成されて大気とAg-Bi合金膜との接触が遮断されることによって、優れた耐凝集性を確保でき、更にその後の大気中での高温加熱によって、このBi23表面層が更に酸化されて緻密になり、大気とAg-Bi合金層との接触が十分に遮断されることで、その後に複数回の高温加熱を受けた場合でも、Ag凝集による特性の劣化を防ぐことができるものと考えられる。
また本発明の配線電極膜は、Bi23表面層/Ag-Bi合金膜の二層構造からなり、上記の通り薄膜の表面にBi23層が形成されることで極薄い表面層にBiが濃化し、通電部にあたる薄膜内層部のAg-Bi合金膜のBi量が減少することにより、純Agに近い優れた導電性(低電気抵抗率)を併せて確保することができるものと考えられる。
前記Biに加えて、Cu、AuおよびPdよりなる群から選択される1種以上の元素を更に含有させれば、耐食性(化学的安定性)を更に向上させることができるので好ましい。また該元素を含有させることで、塩素イオン等のハロゲンイオンを含む環境下において、Agのハロゲン化反応と該反応を起点とするAgの凝集をより一層抑制できるので好ましい。
この様な効果を十分に発揮させるには、Cu、AuおよびPdよりなる群から選択される1種以上の元素を、合計で0.1at%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.2at%以上、更に好ましくは0.3at%以上である。一方、これらの元素が過剰に含まれていると、FPD用(特にFED用)配線電極膜に要求される低電気抵抗率を確保できない。よってCu、AuおよびPdよりなる群から選択される1種以上の元素を含有させる場合でも、合計で1.5at%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは1.2at%以下、更に好ましくは1.0at%以下に抑える。
尚、上記「残部実質的にAg」とは、不可避的不純物元素として、C(炭素)、O(酸素)、N(窒素)をそれぞれ100ppm以下含みうることを意味する。
本発明のFPD用Ag基合金配線電極膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリング法などによって基板上に成膜することで得られるが、これらの薄膜形成方法の中でもスパッタリング法での成膜が推奨される。スパッタリング法により成膜されたAg基合金配線電極膜は、他の方法で成膜された薄膜と比べて、合金組成、合金元素分布および膜厚の膜面内均一性に優れており、得られた配線電極膜が優れた特性(高耐凝集性、低電気抵抗率)を良好に発揮することで、高性能かつ高信頼性のFPDの生産が可能となるからである。
本発明では、Biを0.01〜1.5at%含有する上記FPD用Ag基合金配線電極膜の成膜に用いるAg基合金スパッタリングターゲットとして、Biを0.1〜9at%含有し、残部実質的にAgからなるもの(Cu、AuおよびPdよりなる群から選択される1種以上の元素を更に含む上記FPD用Ag基合金配線電極膜の成膜用としては、更にCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含有するAg基合金スパッタリングターゲット)も規定する。
上記の様に、形成する薄膜よりもBi含有量の多いターゲットを該薄膜の形成に用いるのは、Biを含有するAg基合金からなるスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により薄膜を形成すると、得られる薄膜中のBi含有量がスパッタリングターゲット中のBi含有量の数%〜数十%程度でしかないことが認められているためである。この様な現象が生じる原因としては、AgとBiの融点の差が大きいために成膜中に基板上からBiが再蒸発すること、Agのスパッタ率がBiのスパッタ率に比べて大きいためにBiがスパッタされにくいこと、BiがAgに比べて酸化されやすいためにスパッタリングターゲット表面でBiのみが酸化されてスパッタされないことなどが考えられる。
上記ターゲットの製造方法までは限定されず、溶解・鋳造法や粉末焼結法、スプレイフォーミン法などのいずれの方法でも製造できる。しかしその中でも特に真空溶解・鋳造法で製造することが推奨される。該方法で製造すれば、他の方法で製造した場合と比較して、窒素や酸素などの不純物成分の少ないターゲットが得られ、該スパッタリングターゲットを用いて成膜された配線電極膜は、優れた特性(高耐凝集性、低電気抵抗率)を効果的に発揮し、高性能かつ高信頼性のFPDの生産が可能となるからである。
本発明のFPDは、本発明のAg基合金配線電極膜を備えるFPDであり、該Ag基合金配線電極膜が備わっていることにより格段に優れた性能と信頼性を実現することが可能となる。尚、本発明のFPDは、本発明のFPD用Ag基合金配線電極膜を備えていればよく、その他のFPDとしての構成は特に限定されず、FPD分野において公知のあらゆる構成を採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)評価用薄膜の作製
次の要領で評価用薄膜を作製した。ターゲットとして純Agスパッタリングターゲット(サイズφ101.6mm×t5mm)か、純Agスパッタリングターゲット上に合金元素のチップ(サイズ5mm×5mm×t1mm)を所定数配置した複合スパッタリングターゲット(サイズφ101.6mm×t5mm)、またはAg基合金スパッタリングターゲット(サイズφ101.6mm×t5mm)のいずれかを用い、スパッタリング装置〔(株) 島津製作所製HSM-552〕を使用して、DCマグネトロンスパッタリング法(背圧:0.27×10-3Pa以下,Arガス圧:0.27Pa,Arガス流量:30sccm,スパッタパワー:DC 200 W,極間距離:52mm,基板温度:150℃)で、ガラス基板(Corning社製♯1737,直径:50.8mm,厚さ:0.7mm)上に、表1または表2に示す目標膜厚300nmの純Ag薄膜またはAg基合金薄膜を成膜した。これらの評価用薄膜のうち、純Ag薄膜(試料No.1)を除くAg基合金薄膜(試料No.2〜15)の組成は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法またはICP質量分析法で調べた。この様にして得られた評価用薄膜の耐凝集性と電気抵抗率を下記の通り評価した。
(2)耐凝集性の評価
本発明では、耐凝集性を「加熱処理により生じるAgの凝集が抑制され、該凝集に起因する表面粗さ(平均粗さRa)の増加が抑制される性能」と定義し、以下の要領で測定した表面粗さの増加量によって耐凝集性を評価した。まず、走査型プローブ顕微鏡(Digital Instruments社製Nanoscope IIIa)を用いて、AFM(Atomic Force Microscope)観察モードにより、評価用薄膜の表面粗さを測定した。次に、これらの評価用薄膜に対し、下記の条件で加熱処理を行った。
・雰囲気:大気中(1条件)
・加熱温度:450℃,500℃,550℃(3条件)
・加熱時間:0.5h(1条件)
・加熱繰り返し回数:1,2,3,4,5回(5条件)
(以上、合計15条件)
そして、加熱処理後の評価用薄膜の表面粗さを上記と同様の方法で測定し、加熱処理による表面粗さの増加量[ (加熱処理後の表面粗さ)−(加熱処理前の表面粗さ) ]を算出した。表面粗さの増加量が1.0nm以下のものを耐凝集性に優れている(○)と評価し、1.0nmを超えるものを耐凝集性に劣っている(×)と評価した。この大気中の加熱処理に対する耐凝集性の評価結果を表1に示す。
Figure 2006070345
表1より、試料No.3〜7はBiを0.01at%以上含んでいるため、いずれの条件で加熱した場合にも耐凝集性に優れていることがわかる。尚、後述する通り、試料No.7はBi量が3.0at%と過剰であるため、電気抵抗率が高いといった不具合が生じている。
これらに対し、試料No.1はBiを添加しておらず、また試料No.2はBi量が0.005at%と少ないため、耐凝集性向上効果が過小であることがわかる。
試料No.13〜15は、規定量のBiと共に、第三元素としてCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を添加したものであるが、いずれの条件で加熱した場合にも高耐凝集性を示すことがわかる。これらに対し、試料No.8〜12は、上記第三元素を添加しているが、Biが添加されていないため耐凝集性に劣る結果となっている。
(3)電気抵抗率の測定(電気伝導性の評価)
次に、以下の要領で電気抵抗率を測定した。まず日置電機(株)製3226 mΩ Hi TESTERを用いて直流四探針法によりシート抵抗Rsを測定し、次にTENCOR INSTRUMENTS社製alpha-step 250を用いて膜厚tを測定し、これらの結果を基に、電気抵抗率ρ(シート抵抗Rs×膜厚t)を算出し、この電気抵抗率ρの数値から、いずれの薄膜も加熱処理前は凝集が生じていないことを確認した。
次に、これらの評価用薄膜に対し、大気中で加熱温度:300℃、加熱時間:0.5hの条件で加熱処理を行った。
そして、加熱処理後の評価用薄膜の電気抵抗率を上記と同様の方法で測定し、加熱処理後の電気抵抗率が5μΩcm以下のものを低電気抵抗率を示す(○)と評価し、5μΩcmを超えるものを電気抵抗率が高い(×)と評価した。この電気抵抗率の評価結果を表2に示す。
Figure 2006070345
表2より、試料No.3〜6はBi量が規定範囲にあるため、低電気抵抗率を示している。これらに対し、試料No.7はBi量が3.0at%と規定範囲を超えているため電気抵抗率が高くなっている。また、試料No.2は、Bi量が0.005at%と規定範囲未満であるため、加熱処理により凝集が生じて不連続状態(島状)の薄膜となり、導電性を示さず、電気抵抗率の測定が不可能であった。
アクティヴ型のFPDの表示画素の構造を示す平面説明図である。 パッシヴ型のFPDの表示画素の構造を示す斜視説明図である。

Claims (5)

  1. フラットパネルディスプレイ用の配線電極膜であって、Biを0.01〜1.5at%含有し、残部実質的にAgからなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜。
  2. 更にCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含有する請求項1に記載のフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載のフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜の成膜に用いられるスパッタリングターゲットであって、Biを0.1〜9at%含有し、残部実質的にAgからなることを特徴とするAg基合金スパッタリングターゲット。
  4. 更にCu、Au及びPdよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1〜1.5at%含有する請求項3に記載のAg基合金スパッタリングターゲット。
  5. 前記請求項1または請求項2に記載のフラットパネルディスプレイ用Ag基合金配線電極膜を用いたものであることを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
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