JP2006069308A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の操舵システムは、複数のサブシステムSUBa〜SUBcの誤作動履歴に基づき当該複数のサブシステムSUBa〜SUBcのうちから一のマスタサブシステムを選定するとともに、マスタサブシステムが、目標トルクに基づいて各サブシステムSUBa〜SUBcに指令情報(制御用電流指令値)を出力して、各サブシステムSUBa〜SUBcが、指令情報に基づいて転舵軸モータ11a〜11cを制御する。
【選択図】図2
Description
この種の操舵装置では、例えばラックアンドピニオン機構等で構成される転舵機構を駆動するための転舵軸モータとこの転舵軸モータを駆動する転舵コントローラとからなるサブシステムが、複数、例えば2つ設けられて構成されている。そして、各サブシステムでは、当該サブシステム毎に設けられた角度センサにより転舵軸の変位量を検出し、この変位量と、上位コントローラからの目標転舵角指令値とに基づいて、サブシステム毎に制御量を算出し、これに基づいて転舵軸モータを駆動するようになっている(例えば非特許文献1参照)。
その問題を解決するために、特許文献1に記載の技術では、静的に決められた優先順位(マスタ優先度)に基づいて、1つのサブシステムをマスタサブシステムに設定し、さらにその残りのサブシステムをスレーブサブシステムに設定して、サブシステムがマスタサブシステム又はスレーブサブシステムとして動作することで、アクチュエータを駆動させている。そして、このような構成において、マスタサブシステムが転舵用電流指令値を自サブシステムを含めてスレーブサブシステムに対して分配することで、各サブシステムで制御する転舵軸モータの相互干渉の抑制を可能にしている。
なお、故障が発生しても修理されない限り、当該故障したサブシステムはシステムに復帰することはない。また、一般的には、各サブシステムは故障に対する信頼性が設計上で同一であるから、各サブシステムが故障する確率は略同じになる。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、システムの変動の抑制を実現しつつマスタサブシステムの変更ができる車両の操舵装置の提供を目的とする。
ここで、指令情報に基づいてトルク発生手段を制御する制御ユニットには、代表制御ユニットも含まれるものとする。
本実施形態は、本発明を適用した車両の操舵システムである。図1は、その操舵システムの構成の概略構成図である。
図中、10は、ステアリングホイール1とは機械的に切り離された転舵装置、50は、ステアリングホイール1に対して操舵反力を付与するための反力装置である。
角度制御演算器21aは、角度センサ13aで検出した転舵軸の転舵角度及び転舵角速度、上位コントローラ60からの目標転舵角度指令値、他のサブシステムが正常動作しているか否かといった稼動状態、及び、予めサブシステムSUBa〜SUBcに対して設定された優先順位(マスタ優先度)に基づいて処理を行っている。これにより、角度制御演算器21aは、サブシステムSUBa〜SUBcのうち、自サブシステムの優先順位が最も高いときには、前記各種情報に基づいて転舵角度の制御量を算出するとともに、これを転舵角度の制御指令値として通信バス40を介して他のサブシステムに通知する。
誤作動カウント処理部23aは、例えば自サブシステムの誤作動回数を計数し、それにより得た誤作動カウント値(回数)を保持するように構成されている。この処理については、後で詳しく説明する。
なお、以下の説明では、サブシステムSUBa,SUBb,SUBc、転舵軸モータ11a,11b,11c、モータドライバ12a,12b,12c、角度センサ13a,13b,13c、電流センサ14a,14b,14c、角度制御演算器21a,21b,21c、電流制御演算器22a,22b,22c、誤作動カウント処理部23a,23b,23c及びマスタ優先度判定部24a,24b,24cそれぞれについて、特に特定して説明する必要がない場合には、サブシステムSUB、転舵軸モータ11、モータドライバ12、角度センサ13、電流センサ14、角度制御演算器21、電流制御演算器22、誤作動カウント処理部23及びマスタ優先度判定部24と総称することにする。
先ず、ステップS1で、各サブシステムSUBa〜SUBcの誤作動カウント処理部23a,23b,23cは、自サブシステムの誤作動カウント値初期化処理を行う。図4は、その処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
誤作動カウント値C=誤作動内容による重みα+一定期間による重みβ+過去の誤作動カウント値C1 ・・・(1)
誤差内容による重みα=最近の誤作動カウント値C0×誤作動内容別の重み定数 ・・・(2)
一定期間による重みβ=最近の誤作動カウント値C0×一定期間の重み定数 ・・・(3)
ここで、誤作動内容別の重み定数は、誤作動の内容に応じて決定されている値である。また、一定期間の重み定数は、誤作動時期等に応じて決定されている値である。
以上のような誤作動カウント値初期化処理により、各サブシステムSUBa〜SUBcは誤作動カウント値Cを算出する。そして、各サブシステムSUBa〜SUBcはステップS2に進む。
ステップS2では、各サブシステムSUBa〜SUBcは、通信バス40を介して他のサブシステムから通知された誤作動カウント値Cを取得する。
続いてステップS3において、各サブシステムSUBa〜SUBcのマスタ優先度判定部24a,24b,24cは初回マスタ優先度判定をする。
ここで、各マスタ優先度判定部24a,24b,24cは、それぞれのサブシステムSUBa〜SUBcにおいて、誤作動カウント処理部23a,23b,23cが得た自サブシステムの誤作動カウント値Cと他のサブシステムの誤作動カウント値Cとを比較してマスタ優先度(マスタ優先順位)を決定する。
各サブシステムSUBa〜SUBcは、このようなマスタ優先度に従って、自サブシステムがマスタサブシステムとして動作するのか、そのマスタサブシステムに従うスレーブサブシステムとして動作するのかを決定する。
ステップS8以降では、誤作動サブシステムSUBは、誤作動発生時処理として誤作動カウント重み付け処理等を行う。
先ずステップS8において、誤作動サブシステムSUBは、誤作動カウント重み付け処理を行う。図5は、その処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、誤作動内容による重みαの算出に用いる前記(2)式中の誤作動内容別の重み定数は、例えば前記ステップS5で自己診断処理部25が検出した誤作動内容に応じて決定されている。例えば、誤作動内容としては、角度センサ13の異常によるもの、電流センサ14の異常によるもの、通信バス40の異常によるもの等が挙げられ、誤作動内容別の重み定数は、このような異常内容に応じて決定されている。
そして、ステップS34において、誤作動サブシステムSUBの誤作動カウント処理部23は、前記ステップS31で更新した最近の誤作動カウント値C0と、前記ステップS32及びステップS33で算出した誤作動内容による重みα及び一定期間による重みβとに基づいて、前記(1)式により誤作動カウント値Cを算出する。
ステップS9では、誤作動サブシステムSUBの誤作動カウント処理部23は、誤作動履歴を保存する。図6は、その誤作動履歴の保存処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以上のような処理を行った後、誤作動サブシステムSUBは、図3に示すステップS10に進む。
ステップS14では、正常サブシステムSUBは、正常サブシステムの数について、今回値と前回値とを比較して、正常サブシステムの数が増加しているのか又は減少しているのかを判定する。ここで、正常サブシステムは、正常サブシステムの数が減少している場合、ステップS17に進み、正常サブシステムの数が増加している場合、ステップS15に進む。
ステップS16では、マスタサブシステム変更処理を行う。具体的には、前記ステップS15で得ているマスタ優先度に従ってマスタサブシステムの変更を行う。そして、マスタサブシステムを変更してから、再び前記ステップS5からの処理を開始する。
先ず、各サブシステムSUBa〜SUBcは、誤作動カウント値初期化処理により、前回における最近の誤作動カウント値C0(最近の誤作動カウント値C0の前回値)をもとに誤作動カウント値Cを取得して、その誤作動カウント値Cを通信バス40を介して他のサブシステムに通知する(前記ステップS1)。これにより、各サブシステムSUBa〜SUBcは、他のサブシステムの誤作動カウント値Cを取得する(前記ステップS2)。
続いて、誤作動サブシステムSUBは、再自己診断により、誤作動内容や誤作動回数に基づいて自システムが復帰可能であるか否かを判定する(前記ステップS10)。ここで、誤作動サブシステムは、復帰可能であると判定した場合、再び自サブシステムの自己診断からの処理を開始する(前記ステップS5)。さらにこの時、誤作動サブシステムは、誤作動状態から復帰する情報を他のサブシステムに通知する。
ここで、正常サブシステムSUBは、正常サブシステムの数が変化していない場合、マスタサブシステムが変更している可能性がないので、再び自サブシステムの自己診断からの処理を開始する(前記ステップS13及びステップS5)。すなわち、正常サブシステムSUBがマスタサブシステムであれば、当該正常サブシステムSUBはマスタサブシステムとしての通常動作を維持し、そうでない場合には、正常サブシステムSUBはサブシステムとしての通常動作を維持する。
ここで、正常サブシステムが増加している場合、正常サブシステムSUBは、マスタ優先度を再判定する(前記ステップS15)。ここで、正常サブシステムが増加するのは、誤作動していたサブシステムが正常動作に復帰したからである。このように正常サブシステムが増加すれば、マスタ優先度も当然変わってくるので、マスタ優先度を再決定する。そして、正常サブシステムは、そのように再決定したマスタ優先度に基づいてマスタサブシステム変更を実施する(前記ステップS16)。
(1)第1の具体例
例えば、第1サブシステムSUBaの誤作動カウント値Cが0回、第2サブシステムSUBbの誤作動カウント値Cが0回、第3サブシステムSUBcの誤作動カウント値Cが1回とする。そして、第1サブシステムSUBaがマスタサブシステムになっており、他の第2及び第3サブシステムSUBb,SUBcがスレーブサブシステムになっていると仮定する。
これにより、誤作動回数が多いサブシステムは、誤作動後たとえ復帰したとしても、マスタサブシステムとして選定され難くなり、この結果、マスタサブシステムの変更回数は少なくなり、システム変動を抑制することができる。
ここで、先ず下記表1を用いて、誤作動が発生した時期を考慮しないで誤作動回数だけに着目した場合のマスタサブシステムの変更について説明する。表1は、各サブシステムSUBa〜SUBcの過去の誤作動回数及び最近の誤作動回数の例を示す。
例えば、このような誤作動回数に基づいて、これまでの誤作動回数(過去の誤作動回数と最近の誤作動回数との加算値)が最も少ないサブシステムをマスタサブシステムにするようにすれば、これまでの誤作動回数が11回の第1サブシステムSUBaでなく、これまでの誤作動回数が4回の第2サブシステムSUBbがマスタサブシステムに選定されるようになる。
次に、本発明を適用したシステムにおけるマスタサブシステムの変更について、下記表2を用いて説明する。
これにより、近時に誤作動回数が多いサブシステムは、誤作動後たとえ復帰したとしても、マスタサブシステムとして選定され難くなり、この結果、マスタサブシステムの変更回数は少なくなり、システム変動を抑制することができる。
ここでは、誤作動内容とその重み定数(誤作動内容別の重み定数)との対応づけを主に説明する。
(3−1)システムの具体例
先ず、システム全体の通常動作、すなわちマスタサブシステムとスレーブサブシステムとの協調動作の具体的に説明する。その構成については、図1及び図2を参照する。
先ず、上位コントローラ60では、ステアリングホイール1の運転者による操舵量を検出する図示しない操舵角センサの検出信号等に基づいて公知の手順で目標転舵角指令値を算出しこれを転舵装置10に出力するとともに、公知の手順で転舵装置10における転舵軸の変位量、車速等に基づいて算出された、転舵トルクに応じた目標反力トルクに基づいて図示しない反力発生モータを駆動する。これによって、転舵トルクに見合った反力トルクがステアリングホイール1の回転中心部に取り付けられたコラムシャフト3に付与され、運転者に対し、操舵量に応じた操舵反力が付与される。
そして、第1サブシステムSUBaでは、上位コントローラ60から通知された目標転舵角指令値と、角度センサ13aから読み込んだ角度データと、に基づいてこの転舵角度が目標転舵角指令値に収束し得るために転舵機構5に付与すべき転舵トルクを算出し、この転舵トルクを発生し得る転舵電流指令値I*を算出する。
このとき、全てのサブシステムSUBa〜SUBcが正常であるから、正常サブシステムの数を“3”とする。そして、第1サブシステムSUBaは、転舵電流指令値Ia*をその“3”で等分してサブシステム当たりの転舵電流指令値を算出し、これを分割転舵電流指令値Is*として通信バス40を介して第2及び第3サブシステムSUBb,SUBcに通知する。
そして、第1サブシステムSUBaでは、この分割転舵電流指令値Isa*を制御用電流指令値とし、電流センサ14aで検出した転舵軸モータ11aに供給される電流値が、制御用電流指令値つまり分割転舵電流指令値Isa*と一致するよう、電流制御演算を行い、これに応じた駆動信号をモータドライバ12aに出力する。
さらに、第3サブシステムSUBcでは、第1サブシステムSUBaから分割転舵電流指令値Isa*を読み込んで、これを制御用電流指令値とし、電流センサ14cで検出した転舵軸モータ11cに供給される電流値を読み込み、この転舵軸モータ11cへの供給電流が、制御用電流指令値、つまり第1サブシステムSUBaで算出した分割転舵電流指令値Isa*と一致するよう電流制御演算を行い、これに応じた駆動信号をモータドライバ12cに出力する。
したがって、第2サブシステムSUBbは、角度センサ12bの検出信号を他の正常サブシステム、つまり第3サブシステムSUBcに通知するとともに、これに基づいて転舵電流指令値Ib*を算出し、現在の正常サブシステムの数、この場合“2”で等分した値を、分割転舵電流指令値Isb*として算出し、これを制御用電流指令値として設定するとともに、これを他の正常サブシステム、つまり第3サブシステムSUBcに通知する。
一方、第3サブシステムSUBcでは、第2サブシステムSUBbの次に優先順位が高いから、第2サブシステムSUBbから角度データを受信し、これに基づいて転舵電流指令値Ic*を算出しこれを所定の記憶領域に格納するとともに、第2サブシステムSUBbから分割転舵電流指令値Isb* を入力し、これと電流センサ14cの検出信号とに基づいて電流制御演算を行い、転舵軸モータ11cを駆動する。
一方、第3サブシステムSUBcでは、第2サブシステムSUBbが異常であることを認識するが、第1サブシステムSUBaの方がマスタ優先度が高いから、当該第1サブシステムSUBaから通知される分割転舵電流指令値Isa*に基づいて転舵軸モータ11cを駆動する。
よって、各転舵軸モータ11a〜11cはそれぞれ異なる下位コントローラ20a〜20cによって駆動制御されるが、同一の分割転舵電流指令値Is*に基づいて駆動制御されるから、同一方向にかつ同じトルクを発生するように動作することになる。したがって、各転舵軸モータ11a〜11cが互いに干渉することを回避することができる。
以上が、マスタ優先度に基づいてマスタサブシステムとスレーブサブシステムとして各サブシステムSUBa〜SUBcが協調動作するシステムの具体例である。
前述のようなシステムにおいて、誤作動内容とその重み定数とを次のように対応づけている。
(3−2−1)誤作動内容別の重み定数が大きい場合
サブシステムの誤作動がシステム全体に対して影響を及ぼすものであり、当該誤作動が発生すればシステム全体に急激な変動を与える可能性がある場合、誤作動内容別の重み定数(誤作動重み付け)を大きい値、例えば5とする。
例えば、角度センサ13a,13b,13cが異常になった場合、誤作動内容別の重み定数を5にする。これは、角度センサ13a,13b,13cが異常になった場合、適切でない角度に基づいて算出した分割転舵電流指令値Isa*,Isb*,Isc*をスレーブサブシステムである他のサブシステムに通知することになり、これにより全サブシステムが、そのような適切でない分割転舵電流指令値Isa*,Isb*,Isc*に基づいて転舵軸モータ11a,11b,11cを制御することになる。これでは、システム全体に急激な変動が発生する可能性がある。
サブシステムの誤作動がシステム全体に対して影響を及ぼすものであり、当該誤作動が発生すればシステム全体に急激ではないが変動を与える可能性がある場合、誤作動内容別の重み定数(誤作動重み付け)を中程度の値、例えば4とする。
サブシステムの誤作動がシステム全体に対して影響を与えない場合、誤作動内容別の重み定数(誤作動重み付け)を小さい値、例えば2とする。
例えば、電流センサ14a,14b,14cが異常になった場合、誤作動内容別の重み定数を2にする。これは、電流センサ14a,14b,14cが異常になった場合でも、その影響は当該電流センサを備えるサブシステム内で収まる。このようなことから、電流センサ14a,14b,14cが異常になった場合には、それによるサブシステムの誤作動がシステム全体に対して影響を与えないので、誤作動内容別の重み定数を2とする。
そして、前述したように、誤作動サブシステムSUBは、そのような誤作動内容に応じて決定した誤作動内容別の重み定数を用いて、前記(2)式により誤作動内容による重みαを算出し、その算出した誤作動内容による重みαを用いて、前記(1)式により誤作動カウント値Cを算出している(前記ステップS8)。そして、誤作動サブシステムSUBが算出した誤作動カウント値Cは、当該誤作動サブシステムが正常状態に復帰した時点で、他のサブシステムに通知される(前記ステップS6)。これにより、正常サブシステムSUBは、通知された誤作動カウント値Cに基づいてマスタ優先度を再決定している(前記ステップS16)。
これにより、マスタ優先度は、サブシステムの誤作動がシステム全体に及ぼす影響の度合いを考慮して決定されたものになり、この結果、システムに対する影響が大きい誤作動を過去に発生しているサブシステムはマスタサブシステムとして選定されにくくなる。
前述したように、各サブシステムの誤作動カウント値、すなわち誤作動履歴に基づいてマスタ優先度を決定しており、マスタサブシステム変更が生じた際には、その決定したマスタ優先度に基づいてマスタサブシステムを変更している。
これにより、サブシステムが誤作動する度に、誤作動カウント値が増加し、誤作動履歴が更新されるから、マスタ優先度も更新されるので、静的な優先順位ではなく、動的な優先順位に基づいて、マスタサブシステムの変更がなされるようになる。
これに対して、本発明を適用することで、最新の誤作動履歴に基づいて動的に優先順位を決定することで、静的な優先順位が一番高いサブシステムでも、誤作動が多い場合、特に近時に誤作動が多い場合、マスタサブシステムとして選定され難くなり、これにより、システム変動が頻発してしまうことを抑制できる。
ここで、ノイズ等による誤作動の発生頻度は、誤作動の内容、すなわちシステムにおかれている環境に影響される。さらに、そのような環境は時間とともに変化する。そして、サブシステムの誤作動は、そのようなシステムにおかれている環境や経時変化するその環境に大きく影響される。
また、前述したように、角度センサが異常になった場合には、誤作動内容別の重み定数を5にしており(前記(3−2−1)誤作動内容別の重み定数が大きい場合の説明)、サブシステムの誤作動が発生した場合のシステムの角度制御への影響が大きくなるようなときほど、当該サブシステムをマスタサブシステムとして選定され難くしている。
このようなことから、角度センサが異常になり、その異常によりサブシステムが誤作動している場合には、そのサブシステムをマスタサブシステムとして選定され難くしている。
すなわち、前述の実施形態では、本発明を転舵装置10に適用した場合について説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、反力装置50が図10に示すように、転舵装置10と同様に、複数の反力発生モータによってコラムシャフト3に操舵反力を付与するようにした構成であれば、反力装置50に適用することも可能である。
また、前述の実施形態では、誤作動履歴として考慮する誤作動内容や誤作動の発生時期を具体的に説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、誤作動の発生時期として、現在から一週間前の期間を考慮するようにしてもよい。
2L、2R 転舵輪
3 コラムシャフト
10 転舵装置
11a,11b,11c 転舵軸モータ
12a,12b,12c モータドライバ
13a,13b,13c 角度センサ
14a,14b,14c 電流センサ
20a,20b,20c 下位コントローラ
23a,23b,23c 誤作動カウント処理部
24a,24b,24c マスタ優先度判定部
25a,25b,25c 自己診断処理部
50 反力装置
60 上位コントローラ
101 ロバスト外乱補償器
111 逆算部
113 リミッタ
Claims (9)
- 操舵機構の操舵量に応じて当該操舵機構と機械的に分離された転舵機構を駆動制御する転舵装置と、前記転舵機構の転舵に伴う反力を前記操舵機構に付与する反力装置とを備え、前記転舵装置及び前記反力装置の少なくとも何れか一方は、前記転舵機構又は前記操舵機構にトルクを付与するトルク発生手段を有しかつ当該トルク発生手段のトルク発生量を制御する制御ユニットを複数備えて構成され、さらに前記転舵機構又は操舵機構に付与すべき目標トルクを前記複数の制御ユニットで発生するようにした車両の操舵装置であって、
前記複数の制御ユニットの誤作動履歴に基づき当該複数の制御ユニットのうちから一の代表制御ユニットを選定するとともに、前記代表制御ユニットは、前記目標トルクに基づいて各制御ユニットに指令情報を出力して、各制御ユニットは、前記指令情報に基づいて前記トルク発生手段を制御することを特徴とする車両の操舵装置。 - 前記複数の制御ユニットの誤作動履歴を取得する誤作動履歴取得手段と、前記誤作動履歴取得手段が取得した誤作動履歴に基づいて、前記複数の制御ユニットについて代表制御ユニットとして選定される優先度を決定する優先度決定手段とを備えており、
前記優先度決定手段が決定した優先度に基づいて、前記複数の制御ユニットのうちから一の代表制御ユニットを選定することを特徴とする請求項1記載の車両の操舵装置。 - 前記誤作動履歴は、前記制御ユニットが誤作動を発生する度に更新されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の操舵装置。
- 前記複数の制御ユニットのうちで誤作動回数が最も少ない制御ユニットを前記代表制御ユニットとして選定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の車両の操舵装置。
- 前記制御ユニットの誤作動内容に基づいて前記代表制御ユニットの選定をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の車両の操舵装置。
- 前記制御ユニットの誤作動が発生することで装置の動作への影響が大きくなるほど、当該制御ユニットを前記代表制御ユニットとして選定し難くすることを特徴とする請求項5記載の車両の操舵装置。
- 前記制御ユニットの誤作動の発生時期が最近のものであるほど、当該制御ユニットを前記代表制御ユニットとして選定し難くすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の車両の操舵装置。
- 前記制御ユニットの誤作動が前記転舵機構又は前記操舵機構の角度制御への影響度合いが大きいほど、当該制御ユニットを前記代表制御ユニットとして選定し難くすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の車両の操舵装置。
- 前記代表制御ユニットが前記各制御ユニットに出力する指令情報は、前記代表制御ユニットが前記目標トルクに基づいて当該制御ユニット毎に発生すべきトルクに応じた電流指令値であり、各制御ユニットは、前記電流指令値に基づいて前記トルク発生手段を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の車両の操舵装置。
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WO2017033884A1 (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | Ntn株式会社 | 車両操舵装置 |
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A02 | Decision of refusal |
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