JP2023101134A - ステアリングシステム - Google Patents

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Takahito Ishino
正治 山下
Masaharu Yamashita
憲治 柴田
Kenji Shibata
洋介 山下
Yosuke Yamashita
晋太郎 高山
Shintaro Takayama
一鑑 飯田
Kazuaki Iida
豊大 林
Toyohiro Hayashi
祐太 梶澤
Yuta Kajisawa
健一 安部
Kenichi Abe
亮 山▲崎▼
Akira Yamazaki
信頼 中島
Nobuyori Nakajima
弘泰 大竹
Hiroyasu Otake
来実 田附
Kumi Tatsuki
弘貴 富澤
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Abstract

【課題】温度センサに故障が発生した場合でも、旋回精度の低下を抑制することができるステアリングシステムを提供する。【解決手段】本発明は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、制御装置5は、複数の演算部51、54と、複数の温度センサ53、56と、複数の駆動回路52、55と、を備え、各演算部51、54は、複数の温度センサ53、56のうち何れか2つの温度センサ53、56の検出温度の差である検出温度差が所定閾値より大きい場合、独立演算制御として、自身以外の演算部51、54に対応する温度センサ53、56の検出温度にかかわらず、自身に対応する温度センサ53、56の検出温度に基づいて、転舵電流の上限値である電流制限値を個別に演算且つ設定するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリングシステムに関する。
一般的に、ステアリングシステムでは、駆動源であるモータの温度が閾値を超えた場合、モータ及びモータ駆動回路の発熱による故障を抑制するために、モータに印加する電流(以下、転舵電流という)を制限する電流制限制御が実行される。しかし、モータの温度が精度良く推定されていない場合には、過熱状態でないにもかかわらず、転舵電流が制限され、モータトルクが低減するおそれがある。そこで、例えば特開2012-148629号公報には、基板温度センサの今回値と前回値の差が所定閾値より大きくなった場合に、当該前回値をモータの温度推定の基準値として記憶する電動パワーステアリング装置が開示されている。この装置では、基板温度センサの異常状態が確定するまでは、基板温度が大きく変化する前の値である前回値に基づいてモータの温度が推定される。このため、この装置によれば、基板温度センサの異常が確定する前の早いタイミングで電流制限制御が実行されることを抑制することができる。
特開2012-148629号公報
温度センサの検出温度に基づく電流制限制御は、転舵モータが操作部材の操作力から独立して車輪を転舵するステアバイワイヤ型のステアリングシステムでも設定されている。ステアバイワイヤ型のステアリングシステムにおいて電流制限制御が実行されると、転舵電流の最高値が制限され且つ運転者の操作力が直接転舵に寄与しないため、運転者が意図する旋回が実現されない可能性がある。
ステアバイワイヤ型のステアリングシステムで用いられる温度センサは、検出温度が最高値又は最低値で固着する故障を検出する機能を有している。したがって、温度センサの固着故障が検出されると、演算部(例えばマイコン又はECU)は、検出温度が異常な値と判断し、電流制限制御を禁止することが可能となる。
しかしながら、温度センサ及び演算部には、検出温度が最高値と最低値との間で不定となるドリフト故障を検出する機能がない。したがって、ドリフト故障が原因で電流制限制御が実行された場合、本来電流制限が不要なタイミングで、旋回精度が低下するおそれがある。
本発明の目的は、温度センサに故障が発生した場合でも、旋回精度の低下を抑制することができるステアリングシステムを提供することである。
本発明のステアリングシステムは、転舵モータを有し、操作部材の操作力から機械的に独立して車輪を転舵する転舵装置と、転舵要求に応じて転舵電流を前記転舵モータに供給し、前記転舵モータを制御する制御装置と、を備えるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、前記制御装置は、互いに通信可能に接続され、それぞれ前記転舵要求に応じて前記転舵電流の電流値を演算する複数の演算部と、複数の前記演算部に個別に対応し、それぞれ対応する前記演算部の制御により前記転舵電流を前記転舵モータに供給する複数の駆動回路と、複数の前記演算部に個別に対応し、それぞれ対応する前記演算部の温度を検出する複数の温度センサと、を備え、各前記演算部は、複数の前記温度センサのうち何れか2つの前記温度センサの検出温度の差である検出温度差が所定閾値より大きい場合、独立演算制御として、自身以外の前記演算部に対応する前記温度センサの検出温度にかかわらず、自身に対応する前記温度センサの検出温度に基づいて、前記転舵電流の上限値である電流制限値を個別に演算且つ設定するように構成されている。
本発明は、複数の温度センサが同時にドリフト故障となる可能性は極めて低いことを前提として、1つの温度センサがドリフト故障になった場合でも旋回精度の低下が抑制される構成となっている。具体的に、本発明によれば、1つの温度センサの検出温度が故障(例えばドリフト故障)により正常な検出温度から乖離した値になったことが、他の正常の温度センサの検出温度との比較により、検出される。制御装置は、検出温度差が所定閾値より大きい場合、1つの温度センサが故障していると推定(判定)し、独立演算制御を実行する。
独立演算制御では、各演算部が、他の演算部に対応する温度センサの検出温度にかかわらず、自身の温度センサの検出温度に基づいて電流制限値を演算する。これにより、正常な温度センサに対応する演算部では、実際の検出温度に応じた電流制限値が設定され、必要以上に制限された電流制限値を演算するのは故障している温度センサに対応する演算部だけとなる。つまり、本発明によれば、実際の温度が電流を制限するほど高くない状況で、1つの温度センサに故障が発生したとしても、正常な温度センサに対応する演算部では電流制限値の不要な低減が抑制される。このように、本発明によれば、1つの温度センサに故障が発生した場合でも、転舵電流の制限によるトルクの不要な低減が抑制され、旋回精度の低下が抑制される。
本実施形態のステアリングシステムの構成図である。 本実施形態の転舵ECUの構成図である。 本実施形態の制限値マップを示す概念図である。 本実施形態の第1演算部の協調演算制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の第2演算部の協調演算制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の第1演算部の独立演算制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の第2演算部の独立演算制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の制限値マップを示す概念図である。 本実施形態の演算制御の切り替えに関するフローチャートである。 本実施形態の変形態様の構成図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例であるステアリングシステム1を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
図1に示すように、実施例のステアリングシステム1は、機械的に互いに独立した操作装置2及び前輪転舵装置(「転舵装置」に相当する)3を備えている。前輪転舵装置3は、一対の前輪10Fを転舵する。また、ステアリングシステム1は、転舵要求に応じて前輪転舵装置3を制御する制御装置としての転舵ECU5をさらに備えている。ステアリングシステム1は、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムである。なお、以下、前輪10Fと後輪10Rとを総称して車輪10という場合がある。また、駆動輪は例えば後輪10Rである。
(操作装置)
操作装置2は、操作部材としてのステアリングホイール21と、ステアリングシャフト22と、ステアリングコラム23と、反力付与機構24と、操作角センサ25と、を備えている。ステアリングホイール21は、運転者によって操舵操作(ステアリング操作)される操作部材である。ステアリングシャフト22は、先端にステアリングホイール21が取り付けられたシャフト部材である。ステアリングコラム23は、ステアリングシャフト22を回転可能に保持するとともに、インパネリインフォースメント(図示を省略)に支持される部材である。
反力付与機構24は、ステアリングコラム23に支持された電動モータである反力モータ26を力源として、操舵操作に対する反力(以下「操作反力」ともいう)を、ステアリングシャフト22を介して、ステアリングホイール21に付与する機構である。反力付与機構24は、減速機等を含む一般的な構造のものである。反力モータ26には、回転角センサ26aが設けられている。操作角センサ25は、ステアリング操作量としてステアリングホイール21の操作角を検出するセンサである。
また、ステアリングシステム1では、一般的ないわゆるパワーステアリングシステムと同様、ステアリングシャフト22に、トーションバー27が組み込まれている。操作装置2は、トーションバー27の捩じれ量に基づいて、運転者によってステアリングホイール21に加えられる操作力としての操作トルクを検出するための操作トルクセンサ28を有している。
(前輪転舵装置)
車輪10の各々は、サスペンション装置の一構成要素であるステアリングナックル90を介して、転向可能に車体に支持されている。前輪転舵装置3は、ステアリングナックル90を回動させることで、一対の前輪10Fを一体的に転舵する。前輪転舵装置3は、主要構成要素として、転舵アクチュエータ30を有している。
転舵アクチュエータ30は、ステアリングロッド31と、ハウジング32と、ロッド移動機構33と、転舵モータ35と、を備えている。ステアリングロッド31(「ラックバー」とも呼ばれる)は、両端がリンクロッド34を介して左右のステアリングナックル90にそれぞれ連結された部材である。ハウジング32は、ステアリングロッド31を左右に移動可能に支持するとともに、車体に固定的に保持された部材である。
ロッド移動機構33は、電動モータである転舵モータ35を駆動源として、ステアリングロッド31を左右に移動させるための機構である。ロッド移動機構33は、ステアリングロッド31に螺設されたボール溝と、そのボール溝とベアリングボールを介して螺合するとともに転舵モータ35によって回転させられるナットとによって構成されるボールねじ機構を主体とするものである。一般的な構造のものであるため、ロッド移動機構33についての詳しい説明は省略する。
転舵モータ35には、回転角センサ35a、及び自身に供給される電流を検出する電流センサ35bが設けられている。また、前輪転舵装置3は、前輪10Fの転舵角(転舵量)を検出するために、ステアリングロッド31の中立位置からの左右それぞれへの移動量を検出する転舵角センサ36を有している。このように、前輪転舵装置3は、ステアリングホイール21の操作力から機械的に独立し、転舵モータ35の力により前輪10Fを転舵するステアバイワイヤ型の転舵装置を構成している。
転舵ECU5は、CPU及びメモリ等を備える電子制御ユニットである。転舵ECU5は、通信線の図示は省略するが、各装置及び各センサに通信可能に接続されている。車両内の通信には、CAN(car area network or controllable area network)が用いられる。また、車両には、自動運転に関する制御を実行する自動運転ECU9が搭載されている。また、車両には、車輪速度センサ82等の各種センサが搭載されている。
転舵ECU5は、転舵要求、すなわち手動運転時のステアリングホイール21の操作角又は自動運転時の自動運転ECU9からの指令に応じて、前輪10Fを転舵するための転舵制御を実行する。転舵ECU5は、ステアリングホイール21の操作角を、回転角センサ26aで検出された反力モータ26の回転角に基づいて取得する。転舵ECU5は、操作角に基づいて、前輪10Fの転舵角の目標となる目標前輪転舵角を決定する。
転舵ECU5は、目標前輪転舵角に基づいて、転舵モータ35の回転角の目標である目標回転角を決定する。転舵ECU5は、回転角センサ35aを介して、転舵モータ35の実際の回転角(以下「実回転角」ともいう)を検出し、目標回転角に対する実回転角の偏差である回転角偏差を決定する。転舵モータ35が発生させるトルクを転舵トルクと呼べば、転舵ECU5は、回転角偏差に基づくフィードバック制御則に従って、発生させるべき転舵トルクを決定する。
転舵モータ35に供給される電流を転舵電流と呼べば、転舵トルクと転舵電流とは、概ね比例関係にある。その関係にしたがって、転舵ECU5は、決定された転舵トルクに基づいて、転舵モータ35に供給すべき転舵電流を決定し、その転舵電流を、転舵モータ35に供給する。
ステアリングシステム1は、運転者にステアリング操作に対する操作感を付与するための反力制御を実行する反力ECU4をさらに備えている。反力ECU4は、操作反力を、2つの成分である転舵負荷依拠成分FSと、操作力依拠減少成分FAとに基づいて決定する。転舵負荷依拠成分FSは、前輪10Fを転舵するために必要な転舵力(転舵モータ35の転舵トルク)に関する成分であり、転舵モータ35に供給されている転舵電流に基づいて決定される。詳しい説明は省略するが、転舵電流の電流値が高い程、前輪10Fの転舵負荷が大きいと認識され、転舵負荷依拠成分FSが大きな値に決定される。
一方、操作力依拠減少成分FAは、いわゆるパワーステアリングシステムにおける操作感を運転者に付与するための成分と考えることができる。パワーステアリングシステムでは、一般的に、操作トルクに応じたアシストトルクが、ステアリングシャフト22に付与される。反力ECU4は、操作トルクセンサ28を介して、操作トルクを検出する。反力ECU4は、操作反力に基づき、反力モータ26に供給する電流である反力電流を決定し、その決定した反力電流を、反力モータ26に供給する。
(転舵ECUの詳細構成)
転舵ECU5は、図2に示すように、主に、第1演算部としての第1マイコン51と、第1駆動回路52と、第1温度センサ53と、第2演算部としての第2マイコン54と、第2駆動回路55と、第2温度センサ56と、を備えている。第1マイコン51は、基板50上に配置された、CPUやメモリ等を備えるマイクロコンピュータである。第1マイコン51は、第1駆動回路52を介して転舵モータ35に供給する第1転舵電流の電流値を決定する。第1マイコン51は、第1転舵電流が転舵モータ35に供給されるように第1駆動回路52を制御(PWM制御)する。
第1駆動回路52は、転舵モータ35を駆動するモータ駆動回路であって、転舵モータ35の3相に対応するように複数のスイッチング素子を含んで構成されている。第1駆動回路52は、基板50上に配置され、第1マイコン51と通信可能に接続されている。第1駆動回路52は、第1マイコン51の制御に応じて、図示略のバッテリの電力を転舵モータ35に供給する。
第1温度センサ53は、第1マイコン51の温度を検出するための温度センサである。第1温度センサ53は、第1マイコン51の内部に配置されている。第1温度センサ53は、第1マイコン51と通信可能に接続されており、検出温度(検出結果)の情報を第1マイコン51に送信する。なお、第1温度センサ53は、第1マイコン51の温度が検出(推定)可能な範囲で第1マイコン51の近傍(周辺)の基板50上に配置されてもよい。
第2マイコン54は、第1マイコン51同様、基板50上に配置された、CPUやメモリ等を備えるマイクロコンピュータである。第2マイコン54は、第2駆動回路55を介して転舵モータ35に供給する第2転舵電流の電流値を決定する。第2マイコン54は、第2転舵電流が転舵モータ35に供給されるように第2駆動回路55を制御(PWM制御)する。第1マイコン51と第2マイコン54とは、互いに通信可能に接続されている。
第2駆動回路55は、転舵モータ35を駆動するモータ駆動回路であって、転舵モータ35の3相に対応するように複数のスイッチング素子を含んで構成されている。第2駆動回路55は、基板50上に配置され、第2マイコン54と通信可能に接続されている。第2駆動回路55は、第2マイコン54の制御に応じて、図示略のバッテリの電力を転舵モータ35に供給する。
第2温度センサ56は、第2マイコン54の温度を検出するための温度センサである。第2温度センサ56は、第2マイコン54の内部に配置されている。第2温度センサ56は、第2マイコン54と通信可能に接続されており、検出温度(検出結果)の情報を第2マイコン54に送信する。なお、第2温度センサ56は、第2マイコン54の温度が検出(推定)可能な範囲で第2マイコン54の近傍(周辺)の基板50上に配置されてもよい。
転舵モータ35は、第1駆動回路52に接続された巻線351と、第2駆動回路55に接続された巻線352とを備える二重巻線型の電気モータである。つまり、転舵モータ35は、第1駆動回路52から供給される第1転舵電流と、第2駆動回路55から供給される第2転舵電流との合計の転舵電流(総転舵電流ともいえる)に対応する転舵トルクを出力するように構成されている。バッテリから転舵ECU5を介して供給される転舵電流は、第1転舵電流と第2転舵電流との和である。
転舵モータ35の駆動に対して冗長性を持たせるため、転舵ECU5の第1マイコン51及び第2マイコン54は、互いに同等の演算を常時実施している。第1マイコン51と第2マイコン54とは、互いに演算結果の情報を送受信している。一方の演算部が故障した場合でも、他方の演算部により転舵モータ35を駆動させることができる。本実施形態では、第1マイコン51がマスターマイコンであり、第2マイコン54がスレーブマイコンである。
(過熱に対する電流制限)
転舵ECU5は、ECUの過熱からの保護のため、検出温度が所定の閾温度Tthを超えると転舵電流の上限値を低下させる電流制限制御を実行可能に構成されている。図3に示すように、転舵ECU5には、ECU又はマイコンの温度に対する電流制限値(上限値)を示す制限値マップが記憶されている。電流制限値は、転舵ECU5が転舵モータ35に供給することが許可された転舵電流の電流値の上限値(許可最高値)である。
転舵ECU5は、第1温度センサ53及び第2温度センサ56の検出温度に基づいて、電流制限値を設定する。検出温度が閾温度Tthを超えると、電流制限値は、温度上昇に伴い最低値Iminまで徐々に低下し、ある温度以上になると最低値Iminで一定となる。図3において、最高値Imaxは各駆動回路52、55に流すことができる最高の電流値に設定されている。また、最低値Iminは、例えば各駆動回路52、55に流すことができる最低の電流値であって、最高値Imaxの50%未満の値である。最高値Imaxの転舵電流が転舵モータ35に供給されることで、最大の転舵トルクが出力される。
本実施形態の転舵ECU5には、システムの動作モード(転舵電流の演算モードともいえる)として、協調演算制御と独立演算制御が設定されている。換言すると、転舵ECU5は、協調演算制御と独立演算制御とを互いに異なるタイミングで実行するように構成されている。
(協調演算制御)
協調演算制御は、第1マイコン51及び第2マイコン54がそれぞれ第1温度センサ53の検出温度T及び第2温度センサ56の検出温度Tに基づいて電流制限値を設定する制御(動作モード)である。協調演算制御は、各マイコン51、54が互いに同じ値の電流制限値を設定する制御である。また、協調演算制御は、各マイコン51、54が互いに同じ値の転舵電流を設定する制御である。
協調演算制御では、第1マイコン51及び第2マイコン54が、それぞれ検出温度T、Tのうち高い方の値(温度)に応じて電流制限値を演算する。協調演算制御は、第2マイコン54が第1マイコン51の演算結果を用いて第2制御電流の電流値を演算する制御であるともいえる。また、協調演算制御は、複数の演算部が協調して転舵電流を演算する制御であるともいえる。
より具体的に、図4に示すように、第1マイコン51は、転舵要求(手動運転時のステアリングホイール21の操作角又は自動運転時の自動運転ECU9からの指令)を受信すると、転舵要求に対応する転舵電流の電流値Jを演算する(S101)。以下、転舵要求に応じて演算された電流値を「演算値」とも称する。第1マイコン51は、後述するように電流制限値Ilimを設定し(S102)、演算値Jと電流制限値Ilimとを比較する(S103)。
第2マイコン54は、図5に示すように、第1マイコン51同様、転舵要求を受信すると、転舵要求に対応する転舵電流の電流値Jを演算する(S201)。第2マイコン54は、演算値Jの情報を第1マイコン51から受信している。協調演算制御において、第2マイコン54は、第1マイコン51の演算値Jを第2マイコン54で使用する演算値として設定する(S202)。つまり、協調演算制御において、第2マイコン54は、第1マイコン51の演算値Jに基づいて(演算値Jを用いて)第2転舵電流の電流値を演算する。第2マイコン54は、後述するように電流制限値Ilimを設定し(S203)、演算値Jと電流制限値Ilimとを比較する(S204)。
第1マイコン51は、制限値マップに基づいて、第1温度センサ53の検出温度Tに応じた電流制限値を仮制限値Iとして算出する。同様に、第2マイコン54は、制限値マップに基づいて、第2温度センサ56の検出温度Tに応じた電流制限値を仮制限値Iとして算出する。第1マイコン51及び第2マイコン54は、互いに仮制限値の情報を送受信している。協調演算制御において、第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ、仮制限値I及び仮制限値Iのうち低い方の値を電流制限値Ilimとして設定する(S102、S203)。換言すると、協調演算制御において、第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ、第1温度センサ53の検出温度及び第2温度センサ56の検出温度のうち高い方の値に対応する電流制限値を、共通の電流制限値Ilimとして設定する。
第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ、演算値J及び電流制限値Ilimのうち低い方の値を転舵電流の電流値(以下、指令値ともいう)に設定する。第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ、指令値に1/2を乗算した値(以下、最終演算値ともいう)Iを各々の転舵電流として設定する(S104,S205)。第1マイコン51は、最終演算値Iを第1転舵電流の電流値に設定し、第1転舵電流が転舵モータ35の巻線351に供給されるように第1駆動回路52を制御する。第2マイコン54は、最終演算値Iを第2転舵電流の電流値に設定し、第2転舵電流が転舵モータ35の巻線352に供給さえるように第2駆動回路55を制御する。
協調演算制御において、第1転舵電流と第2転舵電流とは、同じ電流値となる。第1転舵電流と第2転舵電流との和は、演算値J及び電流制限値Ilimのうち低い方の値(min(J,Ilim))となる。したがって、協調演算制御において、転舵モータ35には、電流値が転舵要求に応じた演算値Jに設定された転舵電流、又は電流値が電流制限値Ilimに制限された転舵電流が供給される。協調演算制御において、転舵モータ35に供給される転舵電流の電流値は、演算値Jが電流制限値Ilim未満である場合、演算値Jに設定され、演算値Jが電流制限値Ilim以上である場合、電流制限値Ilimに設定される。なお、協調演算制御は、協調動作モードや第1動作モードともいえる。
(独立演算制御)
独立演算制御は、第1マイコン51及び第2マイコン54が互いに独立して各々の転舵電流(第1転舵電流又は第2転舵電流)の電流値を演算する制御(動作モード)である。つまり、独立演算制御において、第1マイコン51は第2マイコン54の演算結果にかかわらず独立して第1転舵電流の電流値を演算し、第2マイコン54は第1マイコン51の演算結果にかかわらず独立して第2転舵電流の電流値を演算する。したがって、独立演算制御では、演算結果である最終演算値Iが第1マイコン51と第2マイコン54とで異なる場合がある。独立演算制御は、各マイコン51、54が互いに異なる値の電流制限値を設定可能な制御である。また、協調演算制御は、各マイコン51、54が互いに異なる値の転舵電流を設定可能な制御である。
図6に示すように、独立演算制御において、第1マイコン51は、転舵要求に対応する転舵電流の電流値(演算値)Jを演算する(S301)。第1マイコン51は、第2マイコン54の演算結果である演算値Jにかかわらず、演算値Jを第1転舵電流の演算に用いる。
第1マイコン51は、制限値マップに基づいて、第1温度センサ53の検出温度Tに対応する電流制限値を第1電流制限値Ilim1として設定する(S302)。第1電流制限値Ilim1は、協調演算制御における仮制限値Iに相当する値である。このように、独立演算制御では、第1マイコン51は、第2マイコン54で第2温度センサ56の検出温度Tに基づいて演算された電流制限値(後述する第2電流制限値Ilim2)にかかわらず、第1温度センサ53の検出温度Tに基づいて電流制限値(第1電流制限値Ilim1)を設定する。
第1マイコン51は、演算値Jと第1電流制限値Ilim1とを比較する(S303)。第1マイコン51は、演算値Jと第1電流制限値Ilim1のうち低い方の値(指令値)に1/2を乗算した値(第1最終演算値)Ie1を第1転舵電流の電流値として設定する(S304)。第1マイコン51は、設定した第1転舵電流が転舵モータ35の巻線351に供給されるように第1駆動回路52を制御する。
第2マイコン54は、図7に示すように、第1マイコン51同様、転舵要求に対応する転舵電流の電流値(演算値)Jを演算する(S401)。独立演算制御において、第2マイコン54は、第1マイコン51の演算結果である演算値Jにかかわらず、演算値Jを第2転舵電流の演算に用いる。なお、入力される転舵要求は、第1マイコン51と第2マイコン54とで同じであるため、通常、演算値Jと演算値Jとは同じ値となる。
第2マイコン54は、制限値マップに基づいて、第2温度センサ56の検出温度Tに対応する電流制限値を第2電流制限値Ilim2として設定する(S402)。第2電流制限値Ilim2は、協調演算制御における仮制限値Iに相当する値である。独立演算制御では、第2マイコン54は、第1電流制限値Ilim1にかかわらず、第2温度センサ56の検出温度Tに基づいて電流制限値を設定する。
第2マイコン54は、演算値Jと第2電流制限値Ilim2とを比較する(S403)。第2マイコン54は、演算値Jと第2電流制限値Ilim2とのうち低い方の値(指令値)に1/2を乗算した値(第2最終演算値)Ie2を第2転舵電流の電流値として設定する(S404)。第2マイコン54は、設定した第2転舵電流が転舵モータ35の巻線352に供給されるように第2駆動回路55を制御する。第1温度センサ53と第2温度センサ56とで検出温度が異なる場合があり得るため、第1電流制限値Ilim1と第2電流制限値Ilim2とが異なる場合がある。したがって、独立演算制御では、第1転舵電流の電流値と第2転舵電流の電流値とが異なる場合がある。なお、独立演算制御は、独立動作モードや第2動作モードともいえる。
独立演算制御における転舵電流の電流値は、以下のように場合によって異なる。演算値Jが第1電流制限値Ilim1未満であり、且つ演算値Jが第2電流制限値Ilim2未満である場合、転舵電流の電流値は、「J×1/2」と「J×1/2」との和となる。演算値Jが第1電流制限値Ilim1以上であり、且つ演算値Jが第2電流制限値Ilim2未満である場合、転舵電流の電流値は、「Ilim1×1/2」と「J×1/2」との和となる。演算値Jが第1電流制限値Ilim1未満であり、且つ演算値Jが第2電流制限値Ilim2以上である場合、転舵電流の電流値は、「J×1/2」と「Ilim2×1/2」との和となる。演算値Jが第1電流制限値Ilim1以上であり、且つ演算値Jが第2電流制限値Ilim2以上である場合、転舵電流の電流値は、「Ilim1×1/2」と「Ilim2×1/2」との和となる。なお、ここでのカッコ書きは、前者が第1転舵電流の電流値を示し、後者が第2転舵電流の電流値を示している。
(演算制御の切り替え)
第1マイコン51及び第2マイコン54は、互いの演算結果や検出温度の情報を通信により共有している。第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ、第1温度センサ53の検出温度及び第2温度センサ56の検出温度の情報を取得している。第1温度センサ51及び第2マイコン54は、動作モードの切り替えにあたり、それぞれ、第1温度センサ53の検出温度Tと第2温度センサ56の検出温度Tとの差である検出温度差ΔTを演算する(ΔT=|T-T|)。
第1マイコン51及び第2マイコン54は、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTth以下である場合、それぞれ協調演算制御を実行する。一方、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合、第1マイコン51及び第2マイコン54は、それぞれ独立演算制御を実行する。換言すると、転舵ECU5は、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTth以下である場合、動作モードを協調演算制御に設定し、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合、動作モードを独立演算制御に設定する。転舵ECU5は、例えば、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい状態が所定時間継続した場合、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きいと判定する。
第1温度センサ53及び第2温度センサ56は、同一ECU内(同一の基板50上)に配置されているため、正常であれば互いに同等の温度を検出すると推定できる。つまり、第1温度センサ53及び第2温度センサ56が正常である場合、検出温度差ΔTは小さい。したがって、第1温度センサ53及び第2温度センサ56が正常であれば、協調演算制御が実行され、第1転舵電流の電流値及び第2転舵電流の電流値は同じ値となる。協調演算制御が実行されている状況で、第1温度センサ53及び第2温度センサ56の少なくとも一方の検出温度が閾温度Tthを超えると、制限値マップに基づく電流制限制御により、第1マイコン51及び第2マイコン54の両方の演算における電流制限値が低下する。
一方、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合、一方の温度センサが故障している可能性が高い。この場合、継続して協調演算制御が実行されると、第1転舵電流の電流値及び第2転舵電流の電流値の両方の演算に対して、相対的に高い方の検出温度に対応した共通の電流制限値が設定される。したがって、第1転舵電流の電流値及び第2転舵電流の電流値は、両方とも、低い値に設定された電流制限値によって制限される。これによれば、一方の温度センサにドリフト故障が発生し、検出温度が正常時よりも高くなった場合、実際の温度が高くないにもかかわらず、転舵電流の電流値が低くなり、トルクの低減により旋回精度が低下するおそれがある。
しかしながら、本実施形態によれば、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合に、マイコンの演算制御(動作モード)が、協調演算制御から独立演算制御に切り替わる。これにより、故障している温度センサの検出温度によって実際の温度に対応しない制限を受けるのが、一方のマイコンのみとなり、他方のマイコンは正常時と同様の電流制限値により転舵電流を設定することができる。つまり、独立演算制御の実行により、少なくとも一方のマイコンが正常時同様に転舵電流を演算でき、実際の温度とは異なる温度が検出されることによる転舵電流の低下は抑制される。本実施形態によれば、電流制限制御の目的(過熱からの保護)に合わない場面での転舵電流の低下が抑制され、転舵要求に対する旋回精度の低下が抑制される。
一例として、第1温度センサ53の検出温度のみが閾温度Tthより高くなり、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きくなった場合、演算制御は協調演算制御から独立演算制御に切り替わる。第1マイコン51は、制限値マップに基づいて、第1電流制限値Ilim1を例えば最低値Iminに設定し、第1転舵電流の電流値を演算する。一方、第2マイコン54は、第2電流制限値Ilim2を最高値Imaxに設定し、第2転舵電流の電流値を演算する。ここで、最大限の転舵トルクが要求された場合、第1転舵電流の電流値は制限された最低値Iminの半分の値となるが(Imin×1/2)、第2転舵電流の電流値は最高値Imaxの半分の値となる(Imax×1/2)。最高値Imaxの半分の値は、転舵電流の出力可能な最高値の半分(50%)の値である。つまり、独立演算制御によれば、最大出力が要求される場面でも、第1転舵電流と第2転舵電流との和である転舵電流の電流値は、最大出力の50%以上の値に設定される。最大出力の50%の出力が確保されれば、トルク不足は生じず、旋回精度の低下は抑制される。第2温度センサ56の検出温度のみが閾温度Tthより高くなった場合でも、同様の作用効果が得られる。なお、2つの温度センサ53、56の両方が同時にドリフト故障になる可能性は極めて低い。
(本実施形態の効果のまとめ)
本実施形態のステアリングシステム1は、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合、第1マイコン51及び第2マイコン54がそれぞれ独立演算制御を実行するように構成されている。この構成によれば、1つの温度センサの検出温度が故障(例えばドリフト故障)により正常な検出温度から乖離した値になったことが、他の正常の温度センサの検出温度との比較により、検出される。具体的に、転舵ECU5は、検出温度差が所定閾値より大きい場合、1つの温度センサが故障していると推定(判定)し、独立演算制御を実行する。このように、本実施形態のステアリングシステム1は、複数の温度センサが同時にドリフト故障となる可能性が極めて低いことを前提として、1つの温度センサがドリフト故障になった場合でも旋回精度の低下が抑制される構成となっている。
独立演算制御では、各マイコン51、54が、他のマイコン51、54に対応する温度センサ53、56の検出温度にかかわらず、自身の温度センサ53、56の検出温度に基づいて電流制限値を演算する。これにより、正常な温度センサ53、56に対応するマイコン51、54では、実際の検出温度に応じた電流制限値が設定され、必要以上に制限された電流制限値を演算するのは故障している温度センサ53、56に対応するマイコン51、54だけとなる。つまり、本実施形態によれば、実際の温度が電流を制限するほど高くない状況で、1つの温度センサ53、56に故障が発生したとしても、正常な温度センサ53、56に対応するマイコン51、54では電流制限値の不要な低減が抑制される。このように、本実施形態によれば、1つの温度センサ53、56に故障が発生した場合でも、転舵電流の制限によるトルクの不要な低減が抑制され、旋回精度の低下が抑制される。
(切り替え条件の追加)
演算制御(動作モード)を協調演算制御から独立演算制御に切り替える条件として、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きいこと(第1条件)の他に、下記の条件が追加されてもよい。例えば、第2条件は、「演算された電流制限値Ilimが、閾電流値Ith未満であること」である。換言すると、第2条件は、「仮制限値I又は仮制限値Iが閾電流値Ith未満であること」である。閾電流値Ithは、最低値Iminより高く最高値Imax未満に設定されている(図8参照)。これにより、演算制御の切り替えは、実際に電流制限制御により電流制限値が低下した後に行われる。このため、切り替え条件に第2条件が加わることで、ドリフト故障により実際に転舵電流の電流値に影響が出る状況で、転舵ECU5が演算制御を切り替えることができる。第2条件の追加により、転舵電流の電流値に影響が出ない状況、すなわち演算制御の切り替えにより電流制限値が変化しない状況では、演算制御は切り替わらないようになる。
同様に、第3条件として、「検出温度T又は検出温度Tが、所定温度Tpsを超えていること」が切り替え条件に追加されてもよい。所定温度Tpsは、制限値マップにおいて、例えば、閾温度Tth以上で最低値Iminに対応する温度未満の値、又は図8に示すように閾温度Tthより少し低い温度に設定されてもよい。第2条件同様、第3条件によっても、実際に転舵電流の電流値に影響が出る状況、又は影響が出る蓋然性が高い状況で、転舵ECU5が演算制御を切り替えることができる。
転舵ECU5は、例えば図9に示すように、3つの条件が満たされた場合(S501:Yes、S502:Yes、S503:Yes)に、演算制御を協調演算制御から独立演算制御に切り替えるように設定されてもよい。これにより、転舵ECU5は、より適切な状況で、演算制御を切り替えることができる。このように、演算制御の切り替え条件は、必須条件としての第1条件に加えて、第2条件及び第3条件の少なくとも一方を含んでいてもよい。
(変形態様)
本発明は、上記開示内容に限られない。例えば、転舵ECU5は、3つ以上のマイコンを備えていてもよい。転舵ECU5には、マイコン、温度センサ、及び駆動回路のセットが3セット以上配置されていてもよい。例えば、図10に示すように、転舵ECU5は、上記実施形態の構成に加えて、第3マイコン57と、第3駆動回路58と、第3温度センサ59と、を備えてもよい。この場合、例えば、第1マイコン51がマスターマイコンとなり、第2マイコン54及び第3マイコン57がスレーブマイコンとなる。第3マイコン57は、上記実施形態の第2マイコン54と同様に動作する。第3温度センサ59は、第3マイコン57内に配置されている。
第3マイコン57は、第3転舵電流の電流値を演算する。協調演算制御では、第2マイコン54及び第3マイコン57は、自身の演算値ではなく、第1マイコン51の演算値Jを転舵電流の演算に用いる。第3マイコン57は、制限値マップに基づいて、第3温度センサ59の検出温度Tに対応する仮制限値Iを演算する。
各マイコン51、54、57で設定される電流制限値は、仮制限値I、I、Iのうち最低の値に設定される(min(I,I,I))。換言すると、各マイコン51、54、57は、検出温度T1、T2、T3のうち最も低い値に対応するように電流制限値を設定する。各マイコン51、54、57は、演算値Jと電流制限値min(I,I,I)とのうち低い方の値を指令値として設定する。転舵モータ35に供給される転舵電流の電流値は、第1転舵電流と第2転舵電流と第3転舵電流との和となる。したがって、各マイコン51、54、57で演算される転舵電流の電流値は、指令値に1/3を乗算した値となる(指令値×1/3)。
独立演算制御では、第3マイコン57も、第1マイコン51及び第2マイコン54同様、独立して第3転舵電流の電流値を演算する。第3マイコン57は、転舵要求に応じて演算値Jを演算する。第3マイコン57は、第3温度センサ59の検出温度Tに対応する電流制限値を第3電流制限値Ilim3として設定する。第3マイコン57は、演算値Jと第3電流制限値Ilim3のうち低い方の値を指令値として設定する。第3マイコン57は、指令値に1/3を乗算した値(第3最終演算値)を第3転舵電流の電流値として設定する。第3マイコン57は、第3転舵電流が転舵モータ35の3つ目の巻線353に供給されるように、第3駆動回路58を制御する。
演算制御の切り替え条件(第1条件)は、検出温度Tと検出温度Tとの差である第1検出温度差ΔT、検出温度Tと検出温度Tとの差である第2検出温度差ΔT、又は検出温度Tと検出温度Tとの差である第3検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きいことである(ΔT>ΔTth、ΔT>ΔTth、又はΔT>ΔTth)。この構成によっても、上記実施形態と同様の効果が発揮される。
また、切り替え条件に、第2条件及び/又は第3条件が追加されてもよい。第2条件は、例えば、仮制限値I、I、Iの何れかが閾電流値Ith未満となることである。第3条件は、例えば、検出温度T、T、Tの何れかが所定温度Tpsより高くなることである。この構成によっても、より適切な状況、すなわちドリフト故障により電流制限値の設定に影響が出る状況において、演算制御の切り替えが可能となる。
(本実施形態の構成のまとめ)
本実施形態のステアリングシステム1は、転舵モータ35を有し、ステアリングホイール21の操作力から機械的に独立して前輪10Fを転舵する前輪転舵装置3と、転舵要求に応じて転舵電流を転舵モータ35に供給し、転舵モータ35を制御する制御装置としての転舵ECU5と、を備えるステアバイワイヤ型のステアリングシステムである。転舵ECU5は、互いに通信可能に接続され、それぞれ転舵要求に応じて転舵電流の電流値を演算する複数の演算部としての複数のマイコン51、54と、複数のマイコン51、54に個別に対応し、それぞれ対応するマイコン51、54の制御により転舵電流を転舵モータ35に供給する複数の駆動回路52、55と、複数のマイコン51、54に個別に対応し、それぞれ対応するマイコン51、54の温度を検出する複数の温度センサ53、56と、を備えている。各マイコン51、54は、複数の温度センサ53、56のうち何れか2つの温度センサ53、56の検出温度の差である検出温度差が所定閾値より大きい場合、独立演算制御を実行するように構成されている。各マイコン51、54は、独立演算制御において、自身以外のマイコン51、54に対応する温度センサ53、56の検出温度にかかわらず、自身に対応する温度センサ53、56の検出温度に基づいて、転舵電流の上限値である電流制限値を個別に(他のマイコンから独立して)演算且つ設定する。
また、各マイコン51、54は、検出温度差が所定閾値以下である場合、協調演算制御として、すべての温度センサ53、56の検出温度のうち最も高い値に基づいて、共通の電流制限値を演算且つ設定する。
また、各マイコン51、54は、「検出温度差が所定閾値より大きい場合(第1条件)」で、且つ、「複数の温度センサ53、56、59のうちの少なくとも1つの温度センサの検出温度に対応する電流制限値が所定の閾電流値Ith未満である場合(第2条件)」及び/又は「複数の温度センサ53、56、59のうちの少なくとも1つの温度センサの検出温度が所定温度Tpsより高い場合(第3条件)」に、独立演算制御を実行するように構成されている。
また、本実施形態において、各マイコン51、54は、CPUやメモリを備えるマイクロコンピュータである。複数のマイコン51、54は、同一の電子制御ユニット5内(ケース内)、及び/又は、同一の基板50上に配置されている。換言すると、複数のマイコン51、54は、1つの共通の電子制御ユニット5内(ケース内)、及び/又は、1つの共通の基板50上に配置されている。転舵ECU5には、温度センサの検出温度と電流制限値との関係を表す制限値マップが予め記憶され、各マイコン51、54は、制限値マップに基づいて電流制限値を演算するように構成されている。
(制御装置が演算部を2つもつ構成)
上記構成において、「複数の演算部」は、第1転舵電流の電流値を演算する第1マイコン51、及び第2転舵電流の電流値を演算する第2マイコン54により構成されてもよい。この場合、「複数の温度センサ」は、第1マイコン51の温度を検出する第1温度センサ53、及び第2マイコン54の温度を検出する第2温度センサ56を含んでいる。また、「複数の駆動回路」は、第1マイコン51の制御により第1転舵電流を転舵モータ35に供給する第1駆動回路52、及び第2マイコン54の制御により第2転舵電流を転舵モータ35に供給する第2駆動回路55により構成される。そして、各マイコン51、54は、第1温度センサ53の検出温度と第2温度センサ56の検出温度との差である検出温度差ΔTが所定閾値ΔTthより大きい場合、独立演算制御を実行するように構成されている。第1マイコン51は、独立演算制御において、第1転舵電流を制限する電流制限値(第1電流制限値Ilim1)を、第2温度センサ56の検出温度にかかわらず、第1温度センサ53の検出温度に基づいて演算する。また、第2マイコン54は、独立演算制御において、第2転舵電流を制限する電流制限値(第2電流制限値Ilim2)を、第1温度センサ53の検出温度にかかわらず、第2温度センサ56の検出温度に基づいて演算する。
各マイコン51、54は、検出温度差ΔTが所定閾値ΔTth以下である場合、協調演算制御を実行するように構成されている。各マイコン51、54は、協調演算制御において、第1温度センサ53の検出温度及び第2温度センサ56の検出温度のうち高い方の値に基づいて、共通の電流制限値を演算する。
(制御装置が演算部を3つもつ構成)
上記構成において、「複数の演算部」は、第1転舵電流の電流値を演算する第1マイコン51、第2転舵電流の電流値を演算する第2マイコン54、及び第3転舵電流の電流値を演算する第3マイコン57により構成されてもよい。この場合、「複数の温度センサ」は、第1マイコン51の温度を検出する第1温度センサ53、第2マイコン54の温度を検出する第2温度センサ56、及び第3マイコン57の温度を検出する第3温度センサ59を含んでいる。また、「複数の駆動回路」は、第1マイコン51の制御により第1転舵電流を転舵モータ35に供給する第1駆動回路52、第2マイコン54の制御により第2転舵電流を転舵モータ35に供給する第2駆動回路55、及び第3マイコン57の制御により第3転舵電流を転舵モータ35に供給する第3駆動回路58により構成されている。そして、各マイコン51、54、57は、第1温度センサ53の検出温度と第2温度センサ56の検出温度との差である第1検出温度差、第2温度センサ56の検出温度と第3温度センサ59の検出温度との差である第2検出温度差、又は第3温度センサ59の検出温度と第1温度センサ53の検出温度との差である第3検出温度差が所定閾値より大きい場合、独立演算制御を実行するように構成されている。
第1マイコン51は、独立演算制御において、第1転舵電流を制限する電流制限値(第1電流制限値Ilim1)を、第2温度センサ56の検出温度及び第3温度センサ59の検出温度にかかわらず、第1温度センサ53の検出温度に基づいて演算する。第2マイコン54は、独立演算制御において、第2転舵電流を制限する電流制限値(第2電流制限値Ilim2)を、第1温度センサ53の検出温度及び第3温度センサ59の検出温度にかかわらず、第2温度センサ56の検出温度に基づいて演算する。第3マイコン57は、独立演算制御において、第3転舵電流を制限する電流制限値(第3電流制限値Ilim3)を、第1温度センサ53の検出温度及び第2温度センサ56の検出温度にかかわらず、第3温度センサ59の検出温度に基づいて演算する。
また、各マイコン51、54、57は、第1検出温度差、第2検出温度差、及び第3検出温度差のすべてが所定閾値ΔTth以下である場合、協調演算制御を実行するように構成されている。各マイコン51、54、57は、協調演算制御において、それぞれ、第1温度センサ53の検出温度、第2温度センサ56の検出温度、及び第3温度センサ59の検出温度のうち最も高い値に基づいて、共通の電流制限値を演算する。
(その他)
「演算部」は、マイコンに限らず、例えばECUであってもよい。つまり、制御装置は、複数のECUで構成されてもよい。例えば、ステアリングシステム1は、第1演算部としての第1ECUと、第1ECUの温度を検出する第1温度センサと、第1ECU内に配置された第1駆動回路と、第2演算部としての第2ECUと、第2ECUの温度を検出する第2温度センサと、第2ECU内に配置された第2駆動回路と、を備えていてもよい。この場合、第1温度センサと第2温度センサとは、同一の基板上に配置されておらず、さらには同一のECU(電子制御ユニット)内にも配置されていない。しかし、第1ECUが第2ECUの近傍に(例えば並んで)配置されている場合など、各温度センサの正常時の検出温度に差が出にくい配置状態であれば、同一ECU内又は同一基板上にある場合と同様の効果が発揮される。また、第1ECUと第2ECUとの配置位置によって、各温度センサの正常時の検出温度に差が出る場合、当該差を考慮して所定閾値を設定することで、ある程度の効果は発揮される。ただし、閾値等の設定の容易さの観点から、複数の温度センサは、互いの正常時の検出温度の差が所定範囲内に収まるように、配置されることが好ましい。
また、ステアリングシステム1において、転舵アクチュエータ30の駆動源である転舵モータは1つでなくてよく、例えば演算部(例えばマイコン)の数に対応した複数の転舵モータが設けられてもよい。また、マイコン内に複数の温度センサが配置されていてもよく、その場合、例えば、当該マイコンは、検出温度の平均値を当該マイコンの検出温度として演算に用いてもよい。また、本実施形態の制御を後輪10Rの転舵制御に適用してもよい。また、各種演算における詳細な部分は、本開示の技術的思想を逸脱しない限り、上記実施形態以外の演算方法であってもよい。また、制限値マップは、図3、8とは異なるように設定されてもよい。
本実施形態は、下記のように記載することもできる。すなわち、ステアリングシステム1は、転舵モータを有し、操作部材の操作力から機械的に独立して車輪を転舵する転舵装置と、転舵要求に応じて前記転舵モータに第1転舵電流及び第2転舵電流を供給し、前記転舵モータを制御する制御装置と、を備えるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、前記制御装置は、前記第1転舵電流の電流値を演算する第1演算部と、前記第1演算部の温度を検出する第1温度センサと、前記第1演算部と通信可能に接続され、前記第2転舵電流の電流値を演算する第2演算部と、前記第2演算部の温度を検出する第2温度センサと、を備え、前記第1温度センサの検出温度と前記第2温度センサの検出温度との差である検出温度差が所定閾値より大きい場合、前記第1転舵電流の上限値である第1電流制限値を前記第2温度センサの検出温度にかかわらず前記第1温度センサの検出温度に基づいて演算し、前記第2転舵電流の上限値である第2電流制限値を前記第1温度センサの検出温度にかかわらず前記第2温度センサの検出温度に基づいて演算する独立演算制御を実行するように構成されている。また、前記制御装置は、前記検出温度差が所定閾値以下である場合、前記第1電流制限値及び前記第2電流制限値を、前記第1温度センサの検出温度及び前記第2温度センサの検出温度に基づいて共通の値に設定する協調演算制御を実行するように構成されている。演算部が3つ以上の場合も同様に記載できる。
1:ステアリングシステム、3:前輪転舵装置(転舵装置)、5:転舵ECU(制御装置)、50:基板、51:第1マイコン(第1演算部)、52:第1駆動回路、53:第1温度センサ、54:第2マイコン(第2演算部)、55:第2駆動回路、56:第2温度センサ、57:第3マイコン(第3演算部)、58:第3駆動回路、59:第3温度センサ。

Claims (12)

  1. 転舵モータを有し、操作部材の操作力から機械的に独立して車輪を転舵する転舵装置と、
    転舵要求に応じて転舵電流を前記転舵モータに供給し、前記転舵モータを制御する制御装置と、
    を備えるステアバイワイヤ型のステアリングシステムであって、
    前記制御装置は、
    互いに通信可能に接続され、それぞれ前記転舵要求に応じて前記転舵電流の電流値を演算する複数の演算部と、
    複数の前記演算部に個別に対応し、それぞれ対応する前記演算部の制御により前記転舵電流を前記転舵モータに供給する複数の駆動回路と、
    複数の前記演算部に個別に対応し、それぞれ対応する前記演算部の温度を検出する複数の温度センサと、
    を備え、
    各前記演算部は、複数の前記温度センサのうち何れか2つの前記温度センサの検出温度の差である検出温度差が所定閾値より大きい場合、独立演算制御として、自身以外の前記演算部に対応する前記温度センサの検出温度にかかわらず、自身に対応する前記温度センサの検出温度に基づいて、前記転舵電流の上限値である電流制限値を個別に演算且つ設定するように構成されている、
    ステアリングシステム。
  2. 各前記演算部は、前記検出温度差が前記所定閾値以下である場合、協調演算制御として、すべての前記温度センサの検出温度のうち最も高い値に基づいて、共通の前記電流制限値を演算且つ設定するように構成されている、
    請求項1に記載のステアリングシステム。
  3. 各前記演算部は、前記検出温度差が前記所定閾値より大きい場合で、且つ、複数の前記温度センサのうちの少なくとも1つの前記温度センサの検出温度に対応する前記電流制限値が所定の閾電流値未満である場合に、前記独立演算制御を実行するように構成されている、
    請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
  4. 各前記演算部は、前記検出温度差が前記所定閾値より大きい場合で、且つ、複数の前記温度センサのうちの少なくとも1つの前記温度センサの検出温度が所定温度より高い場合に、前記独立演算制御を実行するように構成されている、
    請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
  5. 各前記演算部は、前記検出温度差が前記所定閾値より大きい場合で、複数の前記温度センサのうちの少なくとも1つの前記温度センサの検出温度に対応する前記電流制限値が所定の閾電流値未満である場合で、且つ、複数の前記温度センサのうちの少なくとも1つの前記温度センサの検出温度が所定温度より高い場合に、前記独立演算制御を実行するように構成されている、
    請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
  6. 各前記演算部は、マイクロコンピュータであり、
    複数の前記演算部及び複数の前記温度センサは、同一の電子制御ユニット内に配置されている、
    請求項1~5の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  7. 各前記演算部は、マイクロコンピュータであり、
    複数の前記演算部及び複数の前記温度センサは、同一の基板上に配置されている、
    請求項1~6の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  8. 前記制御装置には、前記温度センサの検出温度と前記電流制限値との関係を表す制限値マップが予め記憶され、
    各前記演算部は、前記制限値マップに基づいて、前記電流制限値を演算するように構成されている、
    請求項1~7の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  9. 複数の前記演算部は、第1転舵電流の電流値を演算する第1演算部、及び第2転舵電流の電流値を演算する第2演算部により構成され、
    複数の前記温度センサは、前記第1演算部の温度を検出する第1温度センサ、及び前記第2演算部の温度を検出する第2温度センサを含み、
    複数の前記駆動回路は、前記第1演算部の制御により前記第1転舵電流を前記転舵モータに供給する第1駆動回路、及び前記第2演算部の制御により前記第2転舵電流を前記転舵モータに供給する第2駆動回路により構成され、
    前記第1演算部及び前記第2演算部は、前記第1温度センサの検出温度と前記第2温度センサの検出温度との差である前記検出温度差が前記所定閾値より大きい場合、それぞれ前記独立演算制御を実行するように構成され、
    前記第1演算部は、前記独立演算制御において、前記第1転舵電流を制限する前記電流制限値を、前記第2温度センサの検出温度にかかわらず前記第1温度センサの検出温度に基づいて演算し、
    前記第2演算部は、前記独立演算制御において、前記第2転舵電流を制限する前記電流制限値を、前記第1温度センサの検出温度にかかわらず前記第2温度センサの検出温度に基づいて演算する、
    請求項1~8の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  10. 前記第1演算部及び前記第2演算部は、前記検出温度差が前記所定閾値以下である場合、協調演算制御として、それぞれ、前記第1温度センサの検出温度及び前記第2温度センサの検出温度のうち高い方の値に基づいて、共通の前記電流制限値を演算するように構成されている、
    請求項9に記載のステアリングシステム。
  11. 複数の前記演算部は、第1転舵電流の電流値を演算する第1演算部、第2転舵電流の電流値を演算する第2演算部、及び第3転舵電流の電流値を演算する第3演算部により構成され、
    複数の前記温度センサは、前記第1演算部の温度を検出する第1温度センサ、前記第2演算部の温度を検出する第2温度センサ、及び前記第3演算部の温度を検出する第3温度センサを含み、
    複数の前記駆動回路は、前記第1演算部の制御により前記第1転舵電流を前記転舵モータに供給する第1駆動回路、前記第2演算部の制御により前記第2転舵電流を前記転舵モータに供給する第2駆動回路、及び前記第3演算部の制御により前記第3転舵電流を前記転舵モータに供給する第3駆動回路により構成され、
    前記第1演算部、前記第2演算部、及び前記第3演算部は、
    前記第1温度センサの検出温度と前記第2温度センサの検出温度との差である第1検出温度差、前記第2温度センサの検出温度と前記第3温度センサの検出温度との差である第2検出温度差、又は前記第3温度センサの検出温度と前記第1温度センサの検出温度との差である第3検出温度差が前記所定閾値より大きい場合、それぞれ前記独立演算制御を実行するように構成され、
    前記第1演算部は、前記独立演算制御において、前記第1転舵電流を制限する前記電流制限値を、前記第2温度センサの検出温度及び前記第3温度センサの検出温度にかかわらず、前記第1温度センサの検出温度に基づいて演算し、
    前記第2演算部は、前記独立演算制御において、前記第2転舵電流を制限する前記電流制限値を、前記第1温度センサの検出温度及び前記第3温度センサの検出温度にかかわらず、前記第2温度センサの検出温度に基づいて演算し、
    前記第3演算部は、前記独立演算制御において、前記第3転舵電流を制限する前記電流制限値を、前記第1温度センサの検出温度及び前記第2温度センサの検出温度にかかわらず、前記第3温度センサの検出温度に基づいて演算する、
    請求項1~8の何れか一項に記載のステアリングシステム。
  12. 前記第1演算部、前記第2演算部、及び前記第3演算部は、前記第1検出温度差、前記第2検出温度差、及び前記第3検出温度差のすべてが前記所定閾値以下である場合、それぞれ、協調演算制御として、前記第1温度センサの検出温度、前記第2温度センサの検出温度、及び前記第3温度センサの検出温度のうち最も高い値に基づいて、共通の前記電流制限値を演算するように構成されている、
    請求項11に記載のステアリングシステム。
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