JP2006069158A - 成形用の金型及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス抜き孔への成形材料の侵入を比較的簡易な手段で防止することができる金型と、この金型を用いた成形方法を提供する。
【解決手段】上金型11に、インサート部品としてのクリップ4が外嵌する保持部12と、クリップ4を磁気的に吸引保持するためのマグネット13と、凹条7を形成するための雄状部14と、上金型11を貫通するガス抜き孔15とが設けられている。ガス抜き孔15は、保持部12に保持されたクリップ4の延出片4cで覆われるように、保持部12の近傍に設けられている。上金型11の保持部12にクリップ4を保持させておき、キャビティ内に合成樹脂材料Rを供給して成形する。発泡成形時に発生したガスは、ガス抜き孔15を介して金型外に排出される。この場合、延出片4cがガス抜き孔15を覆っているので、樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことはない。樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことが防止されるため、成形されたEA材1にガス抜き孔15に由来する突起が生じない。
【選択図】図1
【解決手段】上金型11に、インサート部品としてのクリップ4が外嵌する保持部12と、クリップ4を磁気的に吸引保持するためのマグネット13と、凹条7を形成するための雄状部14と、上金型11を貫通するガス抜き孔15とが設けられている。ガス抜き孔15は、保持部12に保持されたクリップ4の延出片4cで覆われるように、保持部12の近傍に設けられている。上金型11の保持部12にクリップ4を保持させておき、キャビティ内に合成樹脂材料Rを供給して成形する。発泡成形時に発生したガスは、ガス抜き孔15を介して金型外に排出される。この場合、延出片4cがガス抜き孔15を覆っているので、樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことはない。樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことが防止されるため、成形されたEA材1にガス抜き孔15に由来する突起が生じない。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウレタンフォーム等の成形品を製造するための金型に係り、特にキャビティ内からのガス抜きを効率良く行うことができる金型に関する。また、本発明は、この金型を用いた成形方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームを成形する場合、上型及び下型よりなる金型の該下型内にウレタン原料液を供給し、型締めして発泡させ、固化(キュア)後に型開きして脱型を行う。この発泡成形時にキャビティ内からガス抜きを行うために、金型にガス抜き孔を設ける(特開平9−57765号)。
特開平9−57765号
ガス抜き孔を有する金型を用いてウレタンフォーム等を成形する場合、ウレタン等の成形材料の一部がガス抜き孔に入り込むと、成形品の表面に突起状に残る。このため、製品を得るためにはこの突起状部分を切断除去する必要があり、製品の製造に手間がかかる。また、切断除去しても、製品表面にガス抜き孔痕が残り易い。
また、従来の金型成形方法では、金型のガス抜き孔が成形材料で詰まり易い。
なお、ガス抜き孔内に成形材料が入ることを防止し、ガスのみがガス抜き孔を流れることを許容する弁装置をガス抜き孔に設けることがあるが、このような弁装置を設けると金型コストが高くなり、成形コストも余分にかかることになる。
本発明は、上記従来の問題点を解消し、ガス抜き孔への成形材料の侵入を比較的簡易な手段で防止することができる金型と、この金型を用いた成形方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の金型は、インサート部品の保持部がキャビティ内面に設けられている成形用の金型において、該キャビティ内面のうち該保持部に保持されたインサート部品によって覆われる部位に、キャビティと金型外部とを連通するガス抜き孔が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の金型は、請求項1において、該金型は上金型及び下金型を有しており、前記保持部及びガス抜き孔は該上金型に設けられていることを特徴とするものである。
請求項3の金型は、請求項1又は2において、該保持部は該キャビティ内面から突出する凸部よりなり、該凸部の近傍に前記ガス抜き孔が設けられていることを特徴とするものである。
本発明(請求項4)の成形方法は、金型内で成形を行う成形方法において、該金型が請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金型であることを特徴とするものである。
請求項5の成形方法は、請求項4において、該金型は請求項3の金型であり、前記インサート部品は、該保持部を挟む1対の脚状部と、各脚状部から互いに離反方向へ延出する延出片とを有しており、該延出片によって前記ガス抜き孔が覆われることを特徴とするものである。
請求項6の成形方法は、請求項4又は5において、該インサート部品のうち該ガス抜き孔を覆う部分と、ガス抜き孔周囲のキャビティ内面とが微小距離だけ離間していることを特徴とするものである。
請求項7の成形方法は、請求項4ないし6のいずれか1項において、成形時に成形材料が前記ガス抜き孔に入り込んだ場合、脱型後に該ガス抜き孔内の金型外方側から棒状体を挿入し、該成形材料をガス抜き孔から押し出すことを特徴とするものである。
本発明の金型及び成形方法にあっては、成形時にガス抜き孔からガス抜きが行われるが、このガス抜き孔のキャビティ内面側がインサート部品によって覆われるため、成形材料がガス抜き孔に入り込むことが防止され、ガス抜き孔内へはガスのみが流入する。
このガス抜き孔は、キャビティ内からのガスを抜き易くするために、上金型に設けられることが望ましい。
本発明では、保持部キャビティ内面から突出する凸部にて構成することが望ましく、インサート部品としては該保持部を挟む1対の脚状部と、各脚状部から互いに離反方向へ延出する延出片とを有しているものが好ましい。このインサート部品の延出片がガス抜き孔に対しキャビティ内側から被さることにより、ガス抜き孔内への成形材料の流入が十分に防止される。
本発明では、このガス抜きを十分に行うために、インサート部品とガス抜き孔周囲のキャビティ内面との間に、微小間隙を形成し、この間隙を通ってガスがガス抜き孔へ流入するようにするのが好ましい。この間隙は微小であるため、ガス抜き孔に成形材料が入り込むことが防止される。
万が一ガス抜き孔内に成形材料が入り込んだ場合でも、この入り込む成形材料量はごく僅かであるから、金型の外方側から棒状体をガス抜き孔に挿入し、成形材料を押し出すことができる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。この実施の形態は、自動車キャビンのドアトリムに取り付けられるEA材(衝撃吸収材)の成形用金型及び成形方法に関するものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1,2はリブ付きEA材の製造方法を説明する断面図と斜視図、図3はクリップの斜視図、図4はEA材取り付け途中の斜視図、図5(a)はEA材の取付構造を示す略水平方向の断面図、図5(b)はこのEA材の取付構造のリブ及びクリップの係合関係を示す斜視図である。
まず、硬質ウレタンフォーム等の合成樹脂フォームよりなるEA材1及びそのインサート部品としてのクリップ4について説明する。
図5の通り、EA材1はドアトリム2に対しリブ3及びクリップ4を介して取り付けられている。強磁性の金属(例えば鉄製)のクリップ4が該EA材1に一体に設けられており、リブ3は該クリップ4に係合している。
クリップ4は、1対の脚片4a,4aと、これら脚片4a,4a同士を連結している橋絡片4bとを有した略U字形状の金具よりなる。脚片4a,4aの先端同士から互いに離反方向へ延出する延出片4c,4cが設けられている。この脚片4a,4aからはそれぞれ爪片5が突設されている。各爪片5,5は、脚片4aの先端側(延出片4c側)から橋絡片4b側に向って舌片状に延設されている。爪片5,5同士は、それらの先端側ほど接近するように脚片4a,4aの板面に対し傾斜している。爪片5と脚片4aとの交角は20〜45°程度が好適である。リブ3とクリップ4とを係合していない状態において、爪片5,5の先端同士の間隔はリブ3の厚みよりも小さく、爪片5,5の先端同士は当接していてもよい。脚片4a,4aから互いに離反する方向へ膨出するようにアンカー片6が突設されている。
このクリップ4は、EA材1に設けられた凹条7の内面に沿うように、EA材1と一体化されている。脚片4a,4aは凹条7の側面に配置され、橋絡片4bは凹条7の奥底面に配置されている。延出片4cはEA材1の表面に沿って配置されている。
EA材1に直交2方向に延在するようにリブ3,3Aが設けられ、これに対応してEA材1にも2条の凹条7,7Aが設けられている。長い方の凹条7には多数個(図では2個)のクリップ4が設けられ、短い方の凹条7(7A)には少数個(図では1個)のクリップ4が設けられている。
このクリップ4付きのEA材1は、リブ3を凹条7に差し込ませながらトリム2に当てがうことにより該トリム2に取り付けられる。EA材1をトリム2に押し付けると、リブ3,3Aは各爪片5の先端と摺動しながら凹条7,7A内に押し込まれる。そして、各爪片5の先端がリブ3,3Aの側周面に食い込み、リブ3,3Aが凹条7,7Aから抜出不能となる。これにより、EA材1がトリム2に取り付けられる。
このクリップ4付きEA材1を成形する成形方法及びそのための金型について図1,2を参照して説明する。
この金型は、下金型10及び上金型11よりなる。上金型11には、インサート部品としてのクリップ4が外嵌する保持部12と、クリップ4を磁気的に吸引保持するためのマグネット13と、凹条7を形成するための雄状部14と、上金型11を貫通するガス抜き孔15とが設けられている。ガス抜き孔15は、保持部12に保持されたクリップ4の延出片4cで覆われるように、保持部12の近傍に設けられている。クリップ4は、この保持部12を挟持するようにして装着される。保持部12の表面が平滑であるため、脱型時には爪片5は保持部12の表面を滑動するので、クリップ4は成形されたEA材1と共にスムーズに脱型される。
図1(a)及び図2の通り、この上金型11の保持部12にクリップ4を保持させておき、キャビティ内に合成樹脂材料Rを供給して成形する。ウレタンフォーム等の場合であれば、下金型10内にウレタン等の原液を供給し、これを発泡させる。なお、射出発泡成形としてもよい。
この発泡成形時に発生したガスは、ガス抜き孔15を介して金型外に排出される。この場合、延出片4cがガス抜き孔15を覆っているので、樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことはない。
図1(b)のように樹脂が発泡すると、発泡した樹脂がクリップ4に付着し、クリップ4が一体となったEA材1が成形される。そこで、図1(c)のように上金型11を外して脱型することにより、クリップ4付きEA材1が成形される。
この実施の形態では、樹脂がガス抜き孔15へ入り込むことが防止されるため、成形されたEA材1にガス抜き孔15に由来する突起が生じない。そのため、突起の切断除去作業が不要であり、クリップ4付きのEA材1を効率よく成形することができる。また、製品となったEA材1にこの切断痕が無いので、見栄えも良好である。さらに、成形に際し樹脂がガス抜き孔15に入り込まないので、ガス抜き孔の清掃作業が不要であり、これによってもEA材1の成形効率が向上する。この成形用金型には、ガス抜き孔に樹脂流入防止用の弁が不要であり、金型コストも低廉である。
なお、万が一ガス抜き孔15に樹脂が入り込み、脱型後にこの樹脂がガス抜き孔15内に残留した場合には、上金型11の外方側から細棒をガス抜き孔15に差し込み、樹脂を簡単に取り出すことができる。
この実施の形態では、延出片4cと上金型11の内面との間に微小(例えば0.005〜0.02mm)の隙間をあけ、この隙間を通ってガスをガス抜き孔15に逃がすようにしてもよい。この隙間は微小であるため、樹脂は殆ど入り込まず、樹脂がガス抜き孔15にまで達することは殆どない。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。例えば、インサート部品はクリップ4以外の部品であってもよい。成形材料は樹脂以外のゴム等であってもよい。
1 EA材
2 トリム
3 リブ
4 クリップ
4a 脚片
4b 橋絡片
4c 延出片
5 爪片
6 アンカー片
7 凹条
10 下金型
11 上金型
12 保持部
13 マグネット
15 ガス抜き孔
2 トリム
3 リブ
4 クリップ
4a 脚片
4b 橋絡片
4c 延出片
5 爪片
6 アンカー片
7 凹条
10 下金型
11 上金型
12 保持部
13 マグネット
15 ガス抜き孔
Claims (7)
- インサート部品の保持部がキャビティ内面に設けられている成形用の金型において、
該キャビティ内面のうち該保持部に保持されたインサート部品によって覆われる部位に、キャビティと金型外部とを連通するガス抜き孔が設けられていることを特徴とする金型。 - 請求項1において、該金型は上金型及び下金型を有しており、前記保持部及びガス抜き孔は該上金型に設けられていることを特徴とする金型。
- 請求項1又は2において、該保持部は該キャビティ内面から突出する凸部よりなり、該凸部の近傍に前記ガス抜き孔が設けられていることを特徴とする金型。
- 金型内で成形を行う成形方法において、
該金型が請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金型であることを特徴とする成形方法。 - 請求項4において、該金型は請求項3の金型であり、
前記インサート部品は、該保持部を挟む1対の脚状部と、各脚状部から互いに離反方向へ延出する延出片とを有しており、
該延出片によって前記ガス抜き孔が覆われることを特徴とする成形方法。 - 請求項4又は5において、該インサート部品のうち該ガス抜き孔を覆う部分と、ガス抜き孔周囲のキャビティ内面とが微小距離だけ離間していることを特徴とする成形方法。
- 請求項4ないし6のいずれか1項において、成形時に成形材料が前記ガス抜き孔に入り込んだ場合、脱型後に該ガス抜き孔内の金型外方側から棒状体を挿入し、該成形材料をガス抜き孔から押し出すことを特徴とする成形方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004258570A JP2006069158A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 成形用の金型及び成形方法 |
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WO2022202059A1 (ja) * | 2021-03-24 | 2022-09-29 | 富士紡ホールディングス株式会社 | 研磨パッドの製造方法 |
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2004
- 2004-09-06 JP JP2004258570A patent/JP2006069158A/ja active Pending
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WO2022202059A1 (ja) * | 2021-03-24 | 2022-09-29 | 富士紡ホールディングス株式会社 | 研磨パッドの製造方法 |
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