JP2006068943A - ローラ成形金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、成形品の鬆や発泡ムラなど異常発泡がなく、隙間への原料進入を最小限に抑え、原料のオーバーフローを防止し、成形後の金型についた残存樹脂除去が容易で自動化し易いローラの成形金型を提供する。
【解決手段】 本発明の目的は、筒状金型に芯金の両端部を支持する下駒と上駒からなるローラ成形金型において、該上駒または該筒状金型の該上駒との嵌合部位に該金型外部と通気可能な1箇所以上の隙間を有し、成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周に、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計が0.009〜0.900であることを特徴とするローラ成形金型により,解決される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写装置,画像記録装置、プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘導体からなる像担持体上に形成した静電潜像を現像して、可視化するのに使用される現像装置に搭載される弾性体ローラ、特に発泡弾性体からなるトナー供給ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等を製造する際に用いられるローラ成形金型に関するものである。
近年、電子写真装置の小型化、高画質化、低価格化の要求にともない電子写真装置に組み込まれているトナー供給ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等の機能性ローラは、高精度化、低価格化が要求され、この要求に応じ、これらの機能性ローラの品質を維持しながら製造コストを下げる努力が払われてきた。また、ローラの量産においてはある程度の製造装置の自動化が不可欠であり、ローラの品質を維持しながら自動化容易な構造の製造装置が要望されてきた。こうした中で、発泡弾性体からなるローラは、パイプ状の成形金型の中心に芯金を配し、該成形金型の上端部または下端部の少なくとも一方の端部に原料を注入するための注入孔が設けられており、該注入孔から直接成形金型内部に原料を注入し、発泡、固化させているのが一般的な製造方法であり(例えば特許文献1)、成形金型への原料注入の際には、発泡弾性体の発泡ムラや密度差を極力小さくするために高い精度での圧力調整が必要とされており、成形金型には圧力を調整するためのガス抜きとなる隙間が施されている(例えば特許文献2)。
しかしながら、ガス抜き用の隙間の面積が適正でないと、成形の際に、原料が隙間から金型外にオーバーフローして、その他の製造装置を汚すなどの問題がおこる。また、隙間に浸入した原料は成形後にバリとなって筒状金型内及び上駒に残存するため、製造ラインでは、それらのバリ(残存樹脂または弾性体:以下単に樹脂と記載する。)が多すぎたり、バリの形状が除去しにくい構造になると、残存樹脂除去を自動化するのが容易ではない。該隙間の面積によっては、金型内圧の影響から、成形品の鬆(セルの連結等による大きなエアだまり)や発泡ムラなどの異常発泡が起こる。
特開2002−67059号公報 特開平10−076535号公報
本発明は、ローラ成形金型のガス抜きとなる隙間を規制することにより、成形品の鬆や発泡ムラなど異常発泡がなく、隙間への原料進入を最小限に抑え、原料のオーバーフローを防止し、特に本願は金型についたバリ(残存樹脂)が除去しやすい構造であり、さらには適正なガス抜き用の隙間が施されている構造にすることによって成形後の金型についた残存樹脂除去が容易で自動化し易いローラの成形金型を提供する。
前記目的を達成するために研究を重ねた結果、芯金と該芯金の外周に形成された発泡弾性体層を有するローラの成形金型において、以下の構成とすることにより、本発明の目的を達成した。
即ち、
筒状金型に芯金の両端部を支持する下駒と上駒からなるローラ成形金型において、該上駒または該筒状金型の該上駒との嵌合部位に該金型外部と通気可能な1箇所以上の隙間を有し、成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周に、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計が0.009〜0.900であることを特徴とするローラ成形金型による。
該隙間の1つあたりの平均断面積が0.55mm2以下であることを特徴とする請求項1記載のローラ成形金型による。材料が隙間部分に進入した際に、金型からの熱を受けて隙間部分で材料が硬化されることでオバーフローを防いでいるので、隙間の1つあたりの断面積が0.55mm2以下であれば、隙間部分で材料が硬化されてオーバーフローしにくいので特に好ましい。
原料を注入するための容器と1箇所以上の注入孔を有する該下駒が嵌合連結することで、該成形金型内に原料を発泡させることを特徴とするローラ成形金型による。
以上説明したように、本発明によれば、ローラ成形金型のガス抜きとなる隙間を規制することにより、成形品の鬆や発泡ムラなど異常発泡がなく、隙間への原料進入を最小限に抑え、原料のオーバーフローを防止し、成形後の金型についた残存樹脂除去が容易で自動化し易いローラの成形金型を得ることができる。
本発明は、筒状金型に芯金の両端部を支持する下駒と上駒からなるローラ成形金型において、該上駒または該筒状金型の該上駒との嵌合部位に該金型外部と通気可能な1箇所以上の隙間を有し、成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周に、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計が0.009〜0.900であることを特徴とするローラ成形金型である。
以下、図により説明する。
本発明によるローラ成形金型は図1に示されるように、筒状金型1に芯金4の両端部を支持する下駒3と上駒4からなり、該上駒または該筒状金型の該上駒側端部にガス抜きとなる隙間6が施されている。該隙間の面積を規制することで、成形品の鬆や発泡ムラのない成形が可能となり、また、該隙間からの原料のオーバーフローを防止できる。さらには、該隙間を上駒と筒状金型の嵌合部位にすることで、成形後の金型についた残存樹脂除去が容易となる。
該隙間の面積は成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周において、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計が0.009〜0.900であることが好ましく、さらに好ましくは0.120〜0.300である。
0.009未満であると、金型内圧が高くなり過ぎ、泡化反応による原料の体積増加に対するガス抜きの速度が遅くなり、発泡ムラやローラ長手方向での密度差が大きくなりやすい。さらには、原料が金型内部全域に行き渡らない状態になりかねない。また、0.900を超えると、該隙間から原料が金型外部にオーバーフローしてしまい、成形品が鬆になりやすくなる。さらには、他の製造装置、特に金型温調のための熱盤を汚すなどの問題が生じるため、製造装置のメンテナンスを頻繁に行なうこととなり、結果的に製造装置の稼動率が低下し、製造コストも高くなる。
該隙間1つあたりの平均断面積は、0.55mm2以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.30mm2以下である。また、該平均断面積が0.005
mm2以上であることが好ましい。
該平均断面積が0.55mm2以下であれば、該隙間から原料が金型外部にオーバーフローしないで、成形後の金型清掃の際にも、金型についた残存樹脂が少ないので清掃し易く、特に固化後の表面の粘着性が高い材料に関しても、金型面への固着が少ないので、清掃装置の自動化が容易であり、装置コストが高くなるといった問題が起こらないので好ましい。
該隙間は芯金を支持するための上駒と筒状金型の嵌合部位にあることが好ましい。さらには、成形後の金型清掃を樹脂の残存なく、より簡便に行なうためには、図2に示すように該上駒の側面を直線状にカットすることにより、側面が円滑になり清掃が簡便となる。
該隙間は、金型内部から外部へ、直線的に形成されている構造が、成型上容易であるが、金型内部に注入した液状の材料が、流れ出る可能性のある大きさの隙間は好ましくない。したがって、成型上の誤差を考慮し、若干隙間が大きく形成された際にも、隙間の経路に凹凸や屈曲部を設ける事で金型成型上のラチチュードを増加させる事ができる。
また、図3に示すように、上駒上部から貫通したガス抜き用の隙間を施した場合は、成形後、貫通穴に材料が残ってしまった際に、清掃が容易ではない。
本発明の金型の製造は、金型部材として特に限定されず、鉄などの鋼材にニッケルやクロムなどのメッキを施した金属部材、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属部材のほか、ポリカボネート、ポリアミドなどの合成樹脂やセラミックなどを適宜使用することができる。円筒金型部材の厚みは、所定寸法に対して±0.05mmとし、特に、内径については、金型から成形品を抜き出した状態で、表面の研磨・研削を不要とする場合、より高い精度を必要とするが、後工程で、表面研磨・研削をして所望精度を出す場合は、高い精度を必ずしも必要としない。上駒、下駒や成形キャビティーは離型剤を塗布したり、フッ素樹脂コーティングを施して離型性を良好にしても良い。また、金型内での芯金固定方法は特に限定されず、磁石やネジ、バネなどで固定することができる。
本発明においての、ローラ製造に用いられる原料はポリウレタン用原料が好ましい。さらに好ましくは、フリー発泡によるゲルタイムが10分以内のポリウレタン原料である。このポリウレタンフォームの製造においては、ポリウレタンフォーム形成材料として、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、発泡剤及び所望により用いられる導電性付与剤、触媒、整泡剤などを含有するものが使用される。
原料の注入方法においては、図1に示すような成型金型で、原料を注入するための容器10と1箇所以上の注入孔5を有する該下駒が嵌合連結することにより、該成形金型内に原料を発泡させるのが好ましい。また、原料注入を金型上部近傍より行なう場合は、注入ノズルと注入孔の隙間もガス抜きとなる隙間とする。
なお、使用するポリウレタン原料の量については用いる装置によって適宜調整することができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、比較例
まず、混合ポリオールとして、FA−908(商品名:三洋化成株式会社製ポリエーテルポリオール)100重量部、ジエタノールアミン0.5重量部、L5366(商品名:日本ユニカー株式会社製シリコーン系整泡剤)1重量部、ToyoCat−ET(商品名:東ソー株式会社製第3級アミン触媒)0.1重量部、TEDA−L33(商品名:東ソー株式会社製第3級アミン触媒)0.5重量部、水(発泡剤)2重量部を混合し、その後、T80(商品名:三井武田ケミカル株式会社製イソシアネート、NCO%=48)29.5重量部、M200(商品名:三井武田ケミカル株式会社製イソシアネート、NCO%=31)7.4部とをNCOインデックス100となるように混合攪拌し、次いで、成形金型に注型し、温度60℃の加熱を行ない発泡成形することにより、図4に示されるが如き回転軸となる芯金4の周りに、ウレタン発泡体層8を一体的に形成せしめてなるローラ9を製造した。このとき使用した芯金はΦ5.0mmの円柱であり、ローラの直径は14.0mmである。
その際に、ローラ成形金型は筒状金型に芯金の両端部を支持する下駒と上駒からなり、該上駒にガス抜きとなる隙間が該筒状金型との嵌合部位に3箇所施されている。該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計及び該隙間3箇所それぞれの該最小断面積を表1に示す値に設定した。また、成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周において、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を154mm2とし、該平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の割合及び該隙間3箇所それぞれの該最小断面積の割合を表1に合わせて示した。
そして、これらの条件にて得られた各種ローラの発泡ムラ及び鬆について評価し、その評価において、◎は発泡ムラや鬆がなく良好なものである一方、×は発泡ムラや鬆の発生が顕著であることを示し、それらの間を4段階に分けている。また、成形後の原料のオーバーフローについて評価し、◎は金型外へのオーバーフローがなく良好なものである一方、×は金型外へオーバーフローが見られることを示し、それらの間を4段階に分けている。さらには、成形後の金型に付着した残存樹脂を除去する際の作業性について評価し、○は容易に清掃ができるものである一方、×は残存樹脂の量も多く、清掃が困難であるものとした。これらの評価結果を、下記表2に示した。
金型部材はSUS304を使用し、フライス加工により上駒の円筒金型との嵌合部分に、通気の隙間を図2に示されるような位置に施した。また、上駒の芯金固定穴に平行(又は略平行)に通気の隙間を形成する場合は、ドリル等で加工するとする。
金型内部の断面積はピンゲージ若しくは3次元測定器にて、ローラの外周部分にあたる位置の円筒金型の内径を長手方向で3点測定し、その平均値から計算してウレタンが存在する部分の平均断面積とした。
また、通気の隙間は、3次元測定器にて、まず円筒金型の上駒との嵌合部分にあたる内径を測定して断面積を求め、次いで、上駒の円筒金型との嵌合部分にあたる外径を測定し、その差異から算出した。
Figure 2006068943
Figure 2006068943
かかる表1、表2の結果より明らかなように、本発明に従う実施例1〜3にあたっては、発泡ムラや鬆が発生せず、ローラ全体に均一なウレタンフォームが得られた。また、原料のオーバーフローに関しても最小限に抑えられ金型外に漏れることなく、残存樹脂の除去も容易である為、成形性においても優れていることが認められる。実施例4にあたっては、隙間(1)からの原料のオーバーフローが若干見られたが、発泡ムラや鬆といった異常発泡はなく、良好な結果となった。比較例1にあっては、成形の際に、金型内の圧力が高い為、材料が金型全体に行き渡らず、フォーム表面はスキン層となり、発泡ムラや鬆が発生した。また、比較例2にあたっては、金型外への材料のオーバーフローがみられ、フォーム表面に発泡ムラが発生した。さらには、残存樹脂も多いため、それらの除去が困難であることを認めた。比較例3にあたっては、異常発泡や原料のオーバーフローに関しては、実施例1〜3と同等であるが、貫通口に残った樹脂を除去するには大変な手間がかかる為、本発明と比較すると成形性の面で劣ることを認めた。
本発明の金型図(筒状金型及び上駒及び下駒及び容器) 本発明の上駒(隙間構造)の事例 従来技術の上駒(隙間構造)の事例 ローラ
符号の説明
1‥‥円筒金型
2‥‥上駒
3‥‥下駒
4‥‥芯金
5‥‥注入孔
6‥‥ガス抜き用隙間
7‥‥芯金固定穴
8‥‥ウレタン発泡体層
9‥‥ローラ
10‥‥容器

Claims (4)

  1. 溶融樹脂または弾性体を成形する筒状金型に芯金の両端部を支持する下駒と上駒からなるローラ成形金型において、該上駒または該筒状金型の該上駒との嵌合部位に該金型外部と通気可能な1箇所以上の隙間を有し、成形後のローラ外周部分にあたる該筒状金型の内周に、該筒状金型の軸と直交する平均断面積を100としたとき、該隙間の長手方向に直交する最小断面積の合計が0.009〜0.900であることを特徴とするローラ成形金型。
  2. 該隙間の1つあたりの平均断面積が0.55mm2以下であることを特徴とする請求項1記載のローラ成形金型。
  3. 該ローラがポリウレタンフォームからなることを特徴とする請求項1乃至2に記載のローラ成形金型。
  4. 原料を注入するための容器と1箇所以上の注入孔を有する該下駒が嵌合連結することで、該成形金型内に原料を発泡させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のローラ成形金型。
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