JP2006068273A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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栄治 松田
Koichi Yagi
功一 八木
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Abstract

【課題】水槽の大きな振動を未然に防ぎ、製品の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができ、信頼性の高いドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】略水平方向または斜め方向に回転中心軸を有するドラム6と、ドラム6を回転駆動する洗濯モータ7と、ドラム6を内包しかつ衣類の出し入れ用の開口部4aを有する水槽4と、水槽4を弾性吊持するサスペンション2と、水槽4を防振支持するダンパ3と、水槽4の振動を検出する振動センサ16と、洗濯モータ7を制御する制御部17とを備え、制御部17は、振動センサ16の検知した振動値に応じてドラム6の脱水回転数を設定するもので、例えば、大きな水槽4の振動を脱水立ち上げの過程で検出し、最大脱水回転数を下げることで、水槽4の大きな振動を未然に防ぎ、本体の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑え、信頼性の高いドラム式洗濯機を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、略水平方向または斜め方向に回転中心軸を有する回転ドラム内で洗濯、すすぎ、脱水などの各行程を行うドラム式洗濯機に関するものである。
従来の、この種のドラム式洗濯機について、図8を用いて説明する。
図8において、ドラム式洗濯機は、本体1に複数のサスペンション2とダンパ3で支持された水槽4と、水槽4の開口部4aを開閉するドア5と、前記水槽4内に回転自在に配設されたドラム6と、前記ドラム6を駆動する洗濯モータ7と、前記ドラム6に設けられた多数の通水孔8とバッフル9と、洗濯用給水弁10と、前記水槽4に設けられた排水口11と、排水コック12と、前記洗濯モータ7を逐次制御すると同時にドラム6の始動時の洗濯モータ7の回転数むらを検出する等によって、衣類のアンバランス量を判定する制御部13とから構成されている。
上記構成によるドラム式洗濯機の動作は以下の通りである。
ドア5を開けてドラム6内に洗濯物を投入し洗濯行程を開始すると、洗濯用給水弁10が開き水槽4内に所定の水位まで給水される。次にドラム6が約35r/minで回転し、投入された衣類はバッフル8によって持ち上げられては落下するといった動作を繰り返し、洗剤水と水面に落下したときの衝撃力によって洗浄される。洗濯行程が終わると排水コック12が開き洗濯水を排水する。再び給水され、すすぎ行程が実施され、それが終わると脱水行程へ移行し、前記洗濯モータ7により、ドラム6を約900r/minで高速回転し、遠心力で洗濯衣類から脱水を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−201987号公報
しかしながら、このような従来のドラム式洗濯機の構成では、洗濯後の衣類が必ず回転ドラムの底面に偏り、回転ドラムを高速回転する過程において、偏った衣類が大きなアンバランスとなり製品の振動や騒音を引き起こし、著しく製品の使い勝手を損なうという問題があった。さらにアンバランス量を検知する方式の精度が低く、アンバランス量に応じた立ち上げができずに脱水を頻繁に中断するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水槽の大きな振動を未然に防ぎ、本体の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができるドラム式洗濯機を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、略水平方向または斜め方向に回転中心軸を有するドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動手段と、前記ドラムを内包しかつ衣類の出し入れ用の開口部を有する水槽と、前記水槽を弾性吊持するサスペンションと、前記水槽を防振支持するダンパと、前記水槽の振動を検出する振動センサと、前記駆動手段を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記振動センサの検知した振動値に応じて前記ドラムの脱水回転数を設定するものである。
これによって、例えば、大きな水槽の振動を脱水立ち上げの過程で検出し、最大脱水回転数を下げることによって、水槽の大きな振動を未然に防ぎ、製品の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができ、信頼性の高いドラム式洗濯機を提供することができる。
本発明のドラム式洗濯機は、水槽の大きな振動を未然に防ぎ、製品の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができ、使い勝手が良いものである。
第1の発明は、略水平方向または斜め方向に回転中心軸を有するドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動手段と、前記ドラムを内包しかつ衣類の出し入れ用の開口部を有する水槽と、前記水槽を弾性吊持するサスペンションと、前記水槽を防振支持するダンパと、前記水槽の振動を検出する振動センサと、前記駆動手段を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記振動センサの検知した振動値に応じて前記ドラムの脱水回転数を設定するもので、例えば、大きな水槽の振動を脱水立ち上げの過程で検出し、最大脱水回転数を下げることによって、水槽の大きな振動を未然に防ぎ、製品の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができ、信頼性の高いドラム式洗濯機を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の制御部は、水槽の振幅があらかじめ設定した所定振幅を越えないように、ドラムの回転数を制御するもので、過大な振動によって本体が大きく振動したり、過大な騒音の発生を防止することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の制御部は、ドラムを所定の回転数で回転させたときの水槽の振幅に応じて、前記ドラムの最大回転数を設定するもので、振動が大きいとき一律の閾値で脱水を中断するのではなく、アンバラ値の大小に応じて、最大脱水回転数を変えることにより、脱水の中断を少なくし使い勝手を向上させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の制御部は、ドラムの回転開始時の水槽の1次、2次等の各共振振幅に応じた閾値を有し、振動センサで検知された水槽の振幅が前記閾値を超えたとき、前記ドラムの起動をやりなおす制御を行うもので、各共振点における水槽振動モードに応じた検知が実現でき、一律の閾値で脱水を頻繁に中断するという不具合を解消することができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の制御部は、ドラムの高速回転時、振動センサが所定の振幅値を超えた水槽振幅を検出した場合、強制的に駆動手段の運転を停止するもので、ドラムの高速回転時の不測の異常振動による機体の破損を防止し、安全性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機について、図1〜3を用いて説明する。なお、従来例と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図1に示すように、ドラム式洗濯機は、本体1と、本体1に複数のサスペンション2とダンパ3で弾性支持された水槽4と、水槽4の開口部4aを開閉するドア5と、前記水槽4内に回転自在に配設されたドラム6と、前記ドラム6を駆動する駆動手段である洗濯モータ7と、前記水槽4と本体1との間に自由継子され、ピストン14とシリンダー15からなる振動センサ16と、前記洗濯モータ7を逐次制御すると同時に前記振動センサ16によって検出された水槽4の振動振幅によって、衣類のアンバランス量を判定する制御部17とから構成されている。
上記構成によるドラム式洗濯機の洗濯・脱水行程時の動作を説明する。
ドア5を開けてドラム6内に洗濯物を投入し、洗濯行程を開始すると、洗濯用給水弁10が開き水槽4内に所定の水位まで給水が行われる。次にドラム6が約35r/minで回転し、投入された衣類はバッフル9によって持ち上げられては落下するといった動作を繰り返し、洗剤水と水面に落下したときの衝撃力によって洗浄される。
洗濯行程が終わると排水コック12が駆動し洗濯水を排水する。排水が終わると脱水行程へ移行し、前記洗濯モータ7により、ドラム6を始動し約900r/minで高速回転し遠心力で洗濯衣類から脱水を行う。
図2は、ドラム6の回転数制御と水槽振幅を示したタイムチャートである。図2において排水が終わりドラム6は区間aにおいて、約40r/minで正転、逆転の間欠運転を行う。この回転によってドラム6底面に絡まって偏った衣類は、適度にほぐされる。さらに区間bでは回転数が次第に上がる行程である。
この行程においてアンバラ量が大きい状態で回転数が上がると、水槽4の振幅も次第に大きくなっていく。この現象は樹脂で成型された水槽4の強度に起因するもので、限界強度を超えると破壊にいたるものである。このとき水槽4が振動すると前記ピストン14が前記シリンダー15内を摺動し、前記ピストン14のストロークを電気的に検出することによって、水槽4の振動の振幅の大きさを検出することができる。図3は一連の制御におけるフローチャートで、ドラム6を所定の回転数Nで回転し、その時の振動の振幅Yに応じて最大回転数Ntを任意に設定するようにする。
具体的には、ドラム6内の衣類の偏りが少なく振動振幅が小さい場合は、最大回転数を上げ高速でドラム6を回転させて脱水効率を高め、逆にドラム6内の衣類の偏りが大きく振動振幅が大きい場合は、最大回転数を下げて低速でドラム6を回転させることで、ある程度の脱水を行うと共に、ドラム6の破壊や、本体1の異常振動を押さえることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機の制御を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、同図4に示すように、脱水の進行とともに衣類が軽くなり、洗濯モータ7の負荷が軽減され、ドラム6の回転数が上昇傾向になるが、制御部17は、振動センサ16が検出する実際の振幅が、あらかじめ設定した所定振幅Yを越えないように、ドラム6の回転数Ntを制御するもので、過大な振動が発散してドラム6が破壊するということを、回避すると共に、脱水の進行とともに衣類か軽くなり、振幅が小さくなってきたらさらにドラム6の回転数を上げることで、脱水効率を上げることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるドラム式洗濯機の脱水開始時の水槽の振幅の推移を示す図で、図6は、同ドラム式洗濯機の制御を示すフローチャートある。なお、上記第1および第2の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
W1が1次共振点で、水槽4は横方向に大きく揺れ、W2は2次共振点で水槽4は縦方向に大きく揺れる。ここで図7のフローチャートに示すように、前記振動センサ16が所定の閾値K1以上のアンバラ値を検知した場合、ドラム6を一旦停止し約40r/minでの左右間欠回転による衣類のほぐしを行い、再びドラム6の起動を行う。
この行程は、水槽振幅が所定の閾値K1以下になるまで、所定の回数M回繰り返されるが、所定の回数M回を経ても、振幅が所定の閾値K1以下にならない場合は、脱水を中断し異常として使用者に報知する。ここで振動センサ16は水槽4の上下方向に取り付けられているため、2次共振点の方の振動を大きく検知する。このため1次共振の大きい閾値K1のままだと、2次共振で必ずドラム6の軌道をやり直すことになり、脱水を中断する結果となる。そこで実際本体1にぶつかり製品の振動を引き起こすのは水槽4の左右方向の振動が主であるため、このときの左右方向と上下方向の振動の相関をとり、1次共振と2次共振時の閾値K1、K2を個別に設定することによって、効果的に脱水起動時の振動を検出でき、検知のばらつきを抑えることができる。これによって必要以上にドラム6の起動をやり直す必要がなく、使い勝手を向上させることが可能となる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態におけるドラム式洗濯機の制御を示すフローチャートである。なお、上記第1〜3の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、図7に示すように、制御部17は、ドラム6の高速回転時、振動センサ16が所定の振幅Zを超えた水槽振幅を検出した場合、強制的に洗濯モータ7を停止させるもので、ドラム6の高速回転時の不測の異常振動による機体の破損を防止し、安全性を向上させることができる。
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、水槽の大きな振動を未然に防ぎ、本体の振動や騒音のレベルを所定の水準に抑えることができるもので、片持ちの回転部材を有すると共にそのバランス制御を必要とする各種機器に適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の縦断面図 同ドラム式洗濯機のドラムの回転数と水槽振幅の推移を示すタイムチャート 同ドラム式洗濯機の制御を示すフローチャート 本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の制御を示すフローチャート 本発明の実施の形態3におけるドラム式洗濯機の脱水開始時の水槽の振動の推移を示す図 同ドラム式洗濯機の制御を示すフローチャート 本発明の実施の形態4におけるドラム式洗濯機の制御を示すフローチャート 従来のドラム式洗濯機の縦断面図
符号の説明
2 サスペンション
3 ダンパ
4 水槽
4a 開口部
6 ドラム
7 洗濯モータ(駆動手段)
16 振動センサ
17 制御部

Claims (5)

  1. 略水平方向または斜め方向に回転中心軸を有するドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動手段と、前記ドラムを内包しかつ衣類の出し入れ用の開口部を有する水槽と、前記水槽を弾性吊持するサスペンションと、前記水槽を防振支持するダンパと、前記水槽の振動を検出する振動センサと、前記駆動手段を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記振動センサの検知した振動値に応じて前記ドラムの脱水回転数を設定することを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 制御部は、水槽の振幅があらかじめ設定した所定振幅を越えないように、ドラムの回転数を制御する請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 制御部は、ドラムを所定の回転数で回転させたときの水槽の振幅に応じて、前記ドラムの最大回転数を設定する請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  4. 制御部は、ドラムの回転開始時の水槽の1次、2次等の各共振振幅に応じた閾値を有し、振動センサで検知された水槽の振幅が前記閾値を超えたとき、前記ドラムの起動をやりなおす制御を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
  5. 制御部は、ドラムの高速回転時、振動センサが所定の振幅値を超えた水槽振幅を検出した場合、強制的に駆動手段の運転を停止する請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯機。
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