JP2006066889A - プリント配線基板、その製造方法および半導体装置 - Google Patents

プリント配線基板、その製造方法および半導体装置 Download PDF

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宏明 栗原
Naoya Yasui
直哉 安井
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Abstract

【解決手段】絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に基材金属層および導電性金属層がこの順序で積層された基材フィルムにおける該導電性金属層の表面に、感光性樹脂層を露光・現像して所望のマスキングパターンを形成し、該パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングした後、該マスキング材を残したまま、露出した基材金属層を連続的にソフトエッチングして除去し、次いで形成された配線パターンを、還元性を有する有機化合物を含む水溶液で処理することを特徴としている。
【効果】導電性金属層を除去する際に、配線パターンの厚さを減少させることなく配線パターンを容易に製造することができ、マイグレーションの発生による絶縁抵抗の変動が少なく、信頼性の高いプリント配線基板を効率よく製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁フィルムの表面に配線パターンが直接形成されているプリント配線基板およびこのプリント配線基板を製造する方法ならびに電子部品が実装された半導体装置に関する。さらに詳しくは本発明は、絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの表面に、接着剤層を介さずに形成された金属層とからなる2層構成の基板フィルムから形成されるプリン
ト配線基板およびその製造方法ならびにこのプリント配線基板に電子部品が実装された半導体装置に関する。
従来からポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムの表面に接着剤を用いて銅箔を積層した銅貼積層板を用いて配線基板が製造されている。
上記のような銅貼積層板は、表面に接着剤層が形成された絶縁フィルムに、銅箔を加熱圧着することにより製造される。したがって、このような銅貼積層板を製造する際には、銅箔を単独で取り扱わなければならない。しかしながら、銅箔は薄くなるほど腰が弱くなり、単独で取り扱える銅箔の下限は9〜12μm程度であり、これよりも薄い銅箔を用いる場合には、例えば支持体付の銅箔を用いることが必要になるなど、その取り扱いが非常に煩雑になる。また、絶縁フィルムの表面に接着剤を用いて、上記のような薄い銅箔を貼着した銅貼積層板を使用して配線パターンを形成すると、銅箔を貼着するために使用した接着剤の熱収縮によりプリント配線基板に反り変形が生ずる。特に電子機器の小型軽量化に伴い、プリント配線基板も薄化、軽量化が進んでおり、このようなプリント配線基板には、絶縁フィルム、接着剤および銅箔からなる3層構造の銅貼積層板では対応できなくな
りつつある。
そこで、こうした3層構造の銅貼積層板に代わって、特許文献1(特開2003-188495号公
報)に示されるように、絶縁フィルム表面に接着剤を介さずに直接金属層を積層した2層
構造の積層体が使用されている。このような2層構造の積層体の製造方法の1つとしてス
パッタリング法があり、これは、ポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムの表面に、蒸着法、スパッタリング法などにより金属を析出後、銅などの導電性金属層を形成することにより製造される。特に2層構成の積層体は、金属層が薄いために、形成される配線パター
ンピッチ幅が30μmに満たないような非常に微細な配線パターンを製造するのに適している。
このようなプリント配線基板は、導電性金属層表面に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光、現像して所望のパターンを形成し、こうして形成された樹脂パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングして、パターンと相似形の配線パターンを形成し、次いでマスキング材として使用した樹脂パターンをアルカリ溶解などによって剥離した後、改めて残存する基材金属層に対するエッチングをすることにより形成されている。例えば、絶縁フィルムとしてポリイミドフィルムを使用し、基材金属層がニッケル-クロム合金層であり、導電性金属層が銅層である基材フィルムを用い
てプリント配線基板を製造する際には、まず銅層の表面に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光・現像して所望のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、銅層を、塩化第2鉄あるいは塩化第2銅などを含む酸性エッチング液を用いてエッチングした後、マスキング材をアルカリ溶解などにより除去し、次いで、基材金属層を例えば過マンガン酸塩、塩酸-硫酸、硫酸-硝酸などを含有するエッチング液を用いて除去することにより配線パターンが形成される。
このようにして形成される配線パターンは、図3に示すように、導電性金属層(銅層)
14をエッチングする際には、配線パターンの頂部(トップ)22に該当する部分の表面は、マスキングパターン17で被覆されており、銅層14は、ほぼマスキングパターン17の形状に近似した形状にエッチングされる。さらに、この銅層14のエッチングにより、銅層の下にある基材金属層12の一部も溶解除去される。
このようにして銅層のエッチング工程でマスキング材として使用された感光性樹脂からなるマスキングパターンは、この主として銅層14のエッチング工程終了後に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを含有するアルカリ溶液を用いて除去される。
ところが、上記のような主として銅層をエッチングする工程を経た絶縁フィルム11の表面には、依然として基材金属の一部が残存しており、この残留する基材金属を除去する必要がある。このために基材金属層12を形成する金属を溶解除去するために、基材金属層12を形成している金属に対応した処理液を用いた処理を行う必要がある。例えば基材金属層12がニッケル、クロム合金で形成されている場合には、まずニッケルを溶解する第1処理
液で処理した後、クロムを溶解可能な第2処理液を用いて処理することが必要になる。こ
こで使用する第1処理液および第2処理液は、基材金属層12に含有される目的金属を溶解除去するものであるが、これらの処理液が、既にエッチングされて配線パターンを形成している銅層14に対して全く影響を及ぼさないわけではない。すなわち、既に形成されている銅層14からなる配線パターンの頂部(トップ)22および側部(法面部)20は、基材金属層12を溶解するエッチング液により溶解される。例えば、図3に示すように頂部(トップ)22は、本来はマスキングパターン17と同等の幅を有しており、形成される配線パターンの厚さはH0となるはずであるが、マスキングパターン17を除去した後に、基材金属層12を溶解するための酸性エッチング液と接触することにより、頂部(トップ)22がエッチングされて実際の配線パターンの厚さが、H1となることがある。図3において、付番25で示された部分が銅層をエッチングした後のエッチング工程で消失した部分であり、特に付番25aは、配線パターンの厚さが消失して配線パターンが薄くなった部分である。
さらに、導電性金属層14のエッチング工程後にマスキングパターンを除去する際に、アルカリ水溶液を使用することから、エッチングにより露出した活性の高い金属面がアルカリ水溶液と接触することにより、金属表面に水酸化物膜などの薄膜が形成されることがあり、こうした水酸化物膜などの薄膜はパターンの変色を引き起こすことがあるので、マスキングパターンを除去した後、基材金属層12のエッチングを行う前に、形成された水酸化物膜等を除去するための処理(マイクロエッチング処理など)を行う場合がある。この水酸化物等を除去する処理も一種のエッチング処理であり、このような処理によっても銅層から形成されている配線パターンは全体にエッチングされて、その配線パターン幅、配線パターン厚さ(高さ)が減少する。このように銅層厚の薄い二層構成の配線パターンにおいては、配線パターンの厚さおよび幅が、電気的接続を安定に確保するのに余分な部分の許容幅が小さく、図3において付番25あるいは25aで示されるような消失部分が大きいと
、それ自体で接続不良の原因ともなりかねないのである。
他方、基材金属層であるニッケル-クロムを除去処理するために、特開2004-186597号公報(特許文献2)には、ニッケル-クロムの除去処理液として、被覆溶解剤、酸化剤、銅
の腐蝕抑制剤、界面活性剤、錯化剤およびアミン化合物で建浴した溶解処理剤が用いられることが記載されており、ここで使用される被覆溶解剤は、シアン化合物、硝酸、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、クロム酸、クエン酸および蟻酸から選ばれる少なくとも1種を
含有するものであることが開示されている。
しかしながら、上記のようなニッケル-クロムの除去処理液は、配線パターンを形成す
る銅に対しても相当のエッチング性を示すと考えられ、従って、このニッケル-クロムの
除去処理液には、配線パターンを形成する銅が過度に溶解されないように銅に対する腐蝕
抑制剤を配合する必要がある。
このようなニッケル-クロムの除去処理液を用いて処理すると、配線パターンを形成す
る銅の表面には銅の腐蝕抑制剤、錯化剤、アミン化合物などが吸着あるいは付着した状態で残りやすく、さらに、酸化剤も基板表面に残存しやすい。
従って、上記のようにニッケル-クロムの除去処理材を用いて後は、レジストを剥離し
、脱脂処理、酸洗処理などの清浄化処理により、上記のような吸着物あるいは付着物を除去した後にソルダーレジスト層形成およびメッキ処理を行う記載されている。しかしながら、上記のような処理には多数の工程を要し、工程管理が煩雑になるという問題がある。
特開2003-188495号公報 特開2004-186597号公報
本発明は、絶縁フィルムの表面に基材金属層と導電性金属層とが積層された基材フィルム(極薄金属被覆絶縁フィルム)を使用して形成されたプリント配線基板を製造する方法を提供することを目的としている。
さらに詳しくは本発明は、絶縁フィルムの表面に、基材金属層と導電性金属層との積層体から形成される配線パターンを有するプリント配線基板を製造するに際して、形成される配線パターンの厚さがエッチングにより薄くならず、配線パターンの線幅および高さ(厚さ)の減少を最小限度に抑えた配線パターンを有するプリント配線基板の製造方法および上記のようにして形成された配線パターンを有するプリント配線基板を提供することを目的としている。
さらに本発明は、上記のプリント配線基板に電子部品が実装された半導体装置を提供することを目的としている。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に基材金属層および導電性金属層がこの順序で積層された基材フィルムにおける該導電性金属層の表面に、感光性樹脂層を露光・現像して所望のマスキングパターンを形成し、該パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングした後、該マスキング材を残したまま、露出した基材金属層を連続的にソフトエッチングして除去し、次いで形成された配線パターンを、還元性を有する有機化合物を含む水溶液で処理することを特徴としている。
また、本発明のプリント配線基板は、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に基材金属層および導電性金属層がこの順序で積層された基材フィルムにおける該導電性金属層の表面に、感光性樹脂層を露光・現像して所望のマスキングパターンを形成し、該パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングした後、該マスキング材を残したまま、露出した基材金属層を連続的にソフトエッチングし、次いで還元性を有する有機化合物を含む水溶液で処理することにより形成された配線パターンが、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に形成されてなることを特徴としている。
さらに、本発明の半導体装置は、上記のプリント配線基板に、電子部品が実装されていることを特徴としている。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、絶縁フィルムの表面に基材金属層および絶縁金属層がこの順序で積層された基材フィルムを用いてプリント配線基板を製造する方法であり、導電性金属層の表面に感光性樹脂からなる所望の形状のマスキングパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、導電性金属層をエッチングし、さらにマスキング材を剥離することなく基材金属層を一気にエッチングしているので、銅厚の減少がなく、銅厚が一定でバラツキが少ない。このためアウターリードボンディング工程にて、例えばテープキャリアパッケージ(TCP)とLCDパネルとをACF接続(異方性導電フィルム接続
)する場合に、確実に接続を確立することができる。また、インナーリードボンディング工程において、TCP側のSnメッキされたインナーリードとICチップ側の金バンプとをキャ
ングボンディングする場合、リード線幅が増え、接合面積が確保させたボンディング強度の大きい接続を確立することができる。
また、エッチング工程で使用されるマスキングパターンの除去工程はアルカリ溶液で行われるが、本発明においては、このマスキングパターンは、基材金属層をエッチングした後に除去されるために、酸性溶液中で行われる導電性金属層のエッチング工程と、同じく酸性溶液中で行われる基材金属層のエッチング工程とを連続させることができ、効率よくプリント配線基板を製造することができる。
さらに、本発明のプリント配線基板および半導体装置は、絶縁フィルム近傍(基底部)に帯状の基材金属層が残っていないので、配線パターン間を狭く形成しても、マイグレーションなどによる絶縁不良が発生しにくい。
また、本発明では、基材金属層を除去した後に、還元性を有する有機化合物、好ましくは有機酸が溶解された水溶液を用いて表面処理を行うことにより、フィルムキャリアテープの表面に付着あるいは吸着している基材金属層の除去剤あるいはこれらの除去剤と基材金属等との反応物を除去することができる。従って、改めて脱脂処理、酸洗処理を行なわずに、ソルダーレジスト層あるいはカバーレイ層の形成およびメッキ処理を行うことができる。こうして形成されたソルダーレジスト層あるいはカバーレイ層は密着性がよく、また、メッキ工程におけるメッキ液の被覆性が向上し、均一性の高いメッキ層を形成することができる。
次に本発明のプリント配線基板およびその製造方法について、製造方法に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明のプリント配線基板を製造する工程における基材フィルムの断面の例を示す断面図である。また、図2は、本発明の方法によって形成された配線パターンの例を拡大して模式的に示す断面図である。
本発明のプリント配線基板を製造するに際しては、図1(a)〜(c)に示されるように、絶縁フィルム11の少なくとも一方の表面に、基材金属層12とこの基材金属層12の表面に形成された導電性金属層14とを有する基材フィルム10が使用される。
この基材フィルム10を形成する絶縁フィルム11としては、例えば、ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂および液晶ポリマー等を挙げることできる。すなわち、これらの絶縁フィルム11は、例えば基材金属層12を形成する際などの加熱によって変形することがない程度の耐熱性を有している。また、エッチングの際に使用されるエッチング液、あるいは、洗浄の際などに使用されるアルカリ溶液などに侵食されることがない程度の耐酸・耐アルカリ性を有しており、こうした特性を有する絶縁フィルム11としては、ポリイミドフィルムが好ましい。
このような絶縁フィルム11は、通常は7〜150μm、好ましくは7〜125μm、特に好ましくは15〜50μmの平均厚さを有している。本発明のプリント配線基板は、薄い基板を形成するのに適しているので、より薄いポリイミドフィルムを使用することが好ましい。なお、このような絶縁フィルム11の表面は、下記の基材金属層12の密着性を向上させるために、ヒドラジン・KOH液などを用いた粗化処理、プラズマ処理、UV処理など
が施されていてもよい。
このような絶縁フィルム11の表面には基材金属層12が形成されている。この基材金属層12は、絶縁フィルム11の少なくとも一方の表面に形成されており、従って、本発明では基材フィルム10として、絶縁フィルム11の一方の面に、基材金属層12と導電性金属層14とが積層された構成のフィルム(片面被覆基材フィルム)、あるいは、絶縁フィルム11の両面に、上記基材金属層12と導電性金属層14とが積層された構成のフィルム(両面被覆基材フィルム、図示なし)のいずれの基材フィルムを使用することができる。
この基材フィルム10において、基材金属層12を設けることにより、この基材金属層12の表面に形成される導電性金属層14の絶縁フィルム11に対する密着性が向上する。
本発明において、基材金属層12は、例えば、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、シリコン、パラジウム、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、マンガン、アルミニウム、亜鉛、スズおよびタンタルなど金属から形成することができる。これらの金属は単独であるいは組み合わされていてもよい。特に本発明では、基材金属層12がニッケル、クロムあるいはこれらの金属を含む合金で形成されていることが好ましい。このような基材金属層12は、絶縁フィルム11の表面に蒸着法、スパッタリング法などの乾式の製膜法を使用して形成することが好ましい。このような基材金属層の厚さは、通常は、1〜100nm、好ましくは2〜50nmの範囲内にある。この基材金属層12は、この層の上に導電性金属層14を安定に形成するためのものであり、基材金属の一部が絶縁フィルム表面に物理的に食い込む程度の運動エネルギーを持って絶縁フィルムと衝突することにより形成されたものであることが好ましい。従って、本発明では、この基材金属層12は、上記のような基材金属のスパッタリング層であることが特に好ましい。
このような基材金属層12の表面には、導電性金属層14が形成されている。この導電性金属層14は、通常は、銅あるいは銅合金で形成されている。このような導電性金属層14は、メッキ法により、基材金属層12の表面に、銅あるいは銅合金を析出させることにより形成することができる。ここで導電性金属層14を形成するためのメッキ法には、電気メッキ法、無電解メッキ法などの湿式法、スパッタリング法、蒸着法などの乾式法があり、導電性金属層14は、いずれの方法で形成されていてもよい。また、乾式法と湿式法とを組み合わせて導電性金属層14を形成することもできる。
特に本発明では、電気メッキあるいは無電解メッキなどの湿式メッキ法により導電性金属層14を形成することが好ましい。このようにして形成される導電性金属層14の平均厚さは、通常は0.5〜40μm、好ましくは1〜18μm、さらに好ましくは2〜12μmの範囲内にある。なお、導電性金属層14を形成する際に、上記の湿式法と乾式法とを組み合わせる場合には、一般に、基材金属層12の表面に、例えばスパッタリング法などにより、スパッタリング導電性金属層を形成した後、このスパッタリング導電性金属層の表面に湿式法導電性金属層を形成する。
このようにして形成された基材金属層12と導電性金属層14との合計の平均厚さは、通常は1〜40μm、好ましくは2〜12μmの範囲内にある。また、このような基材金属層13と導電性金属層14との平均厚さの比は、通常は1:40000〜1:10、好ましくは1:5000〜1:50の範囲内にある。
本発明のプリント配線基板を製造するに際しては、図1(d)〜(h)に示すように、このような基材金属層12と導電性金属層14とが絶縁フィルム11の少なくとも一方の表面に形成された基材フィルム10を用いて、基材金属層12と導電性金属層14とを複数のエッチング工程で選択的にエッチングすることにより配線パターンを形成する。
配線パターンは、図1(e)に示されるように、基材フィルム10の導電性金属層14の上に
感光性樹脂層16を形成し、この感光性樹脂層16を所望のパターンに露光・現像して感光性樹脂からなるパターン17を形成し、こうして形成されたパターン17をマスキング材としてエッチングすることにより形成することができる。
本発明におけるエッチング工程は、主として導電性金属層をエッチングする導電性金属エッチング工程と、主として基材金属層をソフトエッチングする工程を有している。
導電性金属エッチング工程は、主として導電性金属層14を形成する銅あるいは銅合金をエッチングする工程であり、ここで使用するエッチング剤は、導電性金属である銅あるいは銅合金に対するエッチング剤(すなわち、Cuエッチング液)である。
このような導電性金属エッチング剤の例としては、塩化第2鉄を主成分とするエッチン
グ液、塩化第2銅を主成分とするエッチング液、硫酸+過酸化水素を主成分とするエッチング剤などを挙げることができる。このような導電性金属エッチング液の中でも塩化第2鉄
を主成分とするエッチング液、あるいは、塩化第2銅を主成分とするエッチング液が好ま
しい。このような導電性金属に対するエッチング剤は、導電性金属層14を優れた選択性でエッチングして配線パターンを形成することができるものであると共に、このエッチング液は導電性金属層14と絶縁フィルム11との間にある基材金属層12に対してもかなりのエッチング機能を有している。
この導電性金属エッチング工程において、上記のような導電性金属エッチング液を用いた場合の処理温度は、通常は30〜55℃で、処理時間は、通常は5〜100秒間である。上記のようにして導電性金属エッチング剤を用いてエッチングすることにより、例えば図1(f)に示すように、主として導電性金属層14のトップ面が用いたマスキング材のマス
ク幅よりも狭くなるようにエッチングされた配線パターンが形成される。さらに、この導電性金属エッチング液は、導電性金属層14を所望の形状にエッチングすると共に、基材金属層12も相当の深さでエッチングすることができるが、基材金属層12は、この導電性金属エッチング工程では、完全には除去されない。
本発明では、上記のようにしてマスキング材の存在下に、主として導電性金属層14をエッチングし、必要により水洗工程を経て、上記導電性金属エッチング工程では除去し切れなかった基材金属層12を、導電性金属層に対するマスキング材(感光性樹脂からなるマスキングパターン)17を除去することなく、ソフトエッチングして溶解除去する。
本発明では、上記図1(e)、(f)のようにして感光性樹脂からなるマスキングパターン17をマスキング材として導電性金属層14をエッチングした後、図1(g)に示されるように
、このマスキングパターン17を除去することなく、基材金属層12をエッチングするソフトエッチング工程に移行させる。
すなわち、上記の導電性金属エッチングする上記工程では、マスキングパターン17が形成されていない部分の導電性金属層14が溶解除去されると共に、この部分の基材金属層12も相当溶解除去されるが、配線パターン間の絶縁フィルム11上には、依然として基材金属層が残留する。この残留基材金属層は、図1(f)に付番18で示されている。本発明におけ
るソフトエッチング工程は、配線パターン間の絶縁フィルム11上に残留する残留基材金属
層18を除去する工程である。
基材金属層12は、上述のように、例えば、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、アルミニウム、亜鉛、スズおよびタンタルなど金属から形成されており、このソフトエッチング工程では、基材金属層12を形成する金属を溶解除去可能なソフトエッチング液を使用する。
このソフトエッチング工程で使用されるエッチング液の例としては、過硫酸含有ソフトエッチング液、過硫酸カリウム含有ソフトエッチング液、過硫酸ナトリウム含有ソフトエッチング液、過硫酸カリウム-硫酸含有ソフトエッチング液、過硫酸ナトリウム-硫酸含有ソフトエッチング液、硫酸-過酸化水素含有ソフトエッチング液、硝酸-硫酸含有ソフトエッチング液、塩酸含有ソフトエッチング液、塩酸-硫酸含有ソフトエッチング液、塩酸-硝酸含有ソフトエッチング液、および、ホウフッ酸含有ソフトエッチング液を挙げることができ、これらの中でも、特に過硫酸カリウム-硫酸含有ソフトエッチング液、過硫酸ナト
リウム-硫酸含有ソフトエッチング液、硫酸-過酸化水素含有ソフトエッチング液、硝酸-
硫酸含有ソフトエッチング液、塩酸-硝酸ソフトエッチング液、ホウフッ酸含有ソフトエ
ッチング液のいずれかを使用することが好ましい。
なお、このエッチング工程の前処理として塩酸で2〜20秒間程度酸洗処理してもよい。
このようなソフトエッチング工程で、配線パターン間に残存する基材金属層14の形成金属を溶解除去するが、既に形成された配線パターンの上端部22には、図2に示すように、マスキングパターン17がそのまま残っているので、形成された導電性金属からなる配線パターンの厚み方向は極めてエッチングされにくい状態にある。従って、上記のようなソフトエッチング液を使用することにより、形成された配線パターン間に残留基材金属層18を選択的にエッチングすることができる。上記のようなソフトエッチング液を用いた処理においては、処理温度は、通常は25〜55℃、好ましくは35〜45℃で、処理時間は、通常は2〜50秒間、好ましくは2〜30秒間である。
上記のようにしてマスキングパターンを除去せずに、ソフトエッチングを行うことにより、配線パターン間に残存する基材金属層形成金属はほとんど除去され、しかも形成された配線パターンの銅厚の減少はなく、サイドエッチング量も5〜50%程度少なくなる。
上記のようにして主として導電性金属層14をエッチングする工程と、主として基材金属層12をエッチングするソフトエッチング工程とは、共に無機酸を含む酸性雰囲気下で行われるエッチング工程であり、この導電性金属層14のエッチング工程と、これに続くソフトエッチング工程とは連続させることができるが、通常は、導電性金属エッチング工程後に、水洗工程を経てソフトエッチング工程に移行する。なお、ソフトエッチング工程の前に酸洗工程をおいてもよい。
上記のようにマスキングパターンを除去することなく、ソフトエッチングを行うことにより、配線パターン間に残存する基材金属層12の形成金属はほぼ完全に除去することが可能であるが、基材金属層12は、上述のように複数の金属を用いてスパッタリングにより形成されていることから、絶縁フィルム表面に突起状あるいは島状に残存することもあり、このように絶縁フィルム11表面に強固に基材金属層12形成金属が付着している場合には、ソフトエッチング工程を、基材金属層12を形成する金属に対応させた複数のエッチング液を使用した複数の工程にすることも可能である。
例えば基材金属層12がニッケル、クロムから形成されている場合、このソフトエッチング工程を、ニッケルを溶解する第1処理液を用いて除去する工程と、次いでクロムを溶解
する第2処理液を用いて除去あるいは不働態化する工程とに分割することができる。
ここでニッケルを溶解させるための第1処理液としては、例えば、それぞれの濃度が5
〜15重量%程度の硫酸・塩酸混合液、および、過硫酸カリウムと硫酸との混合液を使用することができる。
この第1処理液を用いて処理することにより、基材金属層を形成する金属のうち、主と
してニッケルなどの金属が溶解、除去される。この第1処理液を用いた処理においては、
処理温度は、通常は30〜55℃、好ましくは35〜45℃で、処理時間は、通常は2〜40秒間、好ましくは2〜30秒間である。
上記のようにして第1処理液で基材フィルム10を処理することにより、露出している基
材金属層12に含有されるニッケルなどの金属を溶解、除去することができるが、基材金属層12に含有されるクロムなどの金属は、上記第1処理液によっては除去されにくく、絶縁
フィルム上に残留しやすい。
従って、クロムのように基材金属層12を形成する残留金属を、第2処理液を用いて溶解
、除去し、さらに除去しきれずに残存する金属は不働態化する。ここで使用する第2処理
液は、クロムなどの基材金属層形成金属を溶解除去することができ、かつ絶縁フィルム表面にクロムなどが極微量残留する場合にも、この極微量の残留クロムを不働態化することができる処理液である。このような第2処理液の例としては、過硫酸カリウム+KOH水溶液、過マンガン酸カリウム・KOH水溶液、重クロム酸カリウム水溶液、および、過マンガン
酸ナトリウム+NaOH水溶液を挙げることができるが、これらの水溶液は強アルカリ性であ
り、マスキングパターンは溶解されるので、これらの水溶液を使用する場合には、一旦通常のマスキングパターン除去工程を経た後に処理することが好ましい。本発明において、マスキングパターン除去工程の後に、第2処理液として過マンガン酸カリウム+KOH水溶液を使用する場合、過マンガン酸カリウムの濃度は、好ましくは25〜55g/リットルであり、KOHの濃度は、好ましくは10〜30g/リットルである。本発明において、上記
のような第2処理液を用いた処理においては、処理温度は、通常は40〜70℃、好まし
くは50〜65℃で、処理時間は、通常は10〜60秒間、好ましくは15〜45秒間である。
このような第2処理液は、酸化性の処理液であり、導電性金属層14を形成する銅ある
いは銅合金に対するエッチング作用はほとんどなく、基材金属層12を形成するクロムのような被酸化性の金属を酸化して除去すると共に、金属を酸化することにより不働態化することができる。また、この第2処理液は、高い酸化力を有しており、例えばポリイミド
フィルムのような絶縁フィルムにスパッタリングされたクロムが非常に強固に結合している場合であっても、その酸化力によりポリイミドフィルム(絶縁フィルム)の表層と共に残留するスパッタリングクロムを除去することができる。
なお、基材金属層中の残留クロムを除去するために、第2処理液として、過酸化水素と
硫酸などの鉱酸とを含む酸化性の処理剤を使用することもできる。このような鉱酸を含有する処理剤は、通常は酸性であり、このような工程を経て配線パターンを形成するに際しては、マスキングパターン17を残したまま、第2処理を行うことができる。ただし、第2処理時間が短時間である場合には、導電性金属層からなる配線パターンが過度にエッチングされることがない。従って、上記のようにして形成される配線パターンの高さH0は、使用した基材フィルム10における基材金属層12と絶縁金属層14との合計の厚さと、実質的に同一である。
上記のようにして複数のエッチング工程を経て配線パターンを形成した後、配線パター
ンの端子部分が露出するように樹脂保護層を形成することもできるが、上記のようにして基材金属層12に含有されるクロムなどを除去するために、第2処理液のような酸化性のエ
ッチング液を使用した場合には、基板表面にエッチング液に由来する金属あるいはエッチング剤の形成成分と基剤金属とが反応した反応物が残存することがある。例えば、酸化性のエッチング液である第2処理液として過マンガン酸塩を使用した場合には、基板表面に
マンガンあるいはマンガン化合物が残留しやすく、これらは通常の水洗によっては除去しにくい。
このようなエッチング液由来の金属あるいはエッチング剤の形成成分と基剤金属とが反応した反応物は、還元性を有する物質を含有する水溶液で処理した後に、水洗することにより非常に効率よく除去することができる。従って、本発明では、上記のようにして酸化性のエッチング液で処理した場合には、還元性を有する有機化合物を含有する水溶液で処理し、次いで水洗処理することが好ましい。ここで使用することができる還元性を有する有機化合物の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、無水フタル酸、フマル酸およびアスコルビン酸のような有機酸あるいはその誘導体、さらに、ナフトキノン、アントラキノン、アルキルアミンおよびアクリルアミンを挙げることができる。これらの有機化合物は単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの還元性を有する有機化合物の中でも有機酸およびその誘導体を使用することが好ましく、特に蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、無水フタル酸、フマル酸およびアスコルビン酸のような有機酸を使用することが好ましい。なお、これらの有機酸は塩を形成していてもよい。
このような還元性を有する有機化合物は、形成された配線パターンには影響を及ぼさず、かつエッチング液に由来の金属、即ち基材金属層を除去するために使用した成分およびこのエッチング液と基材金属層を形成する金属との反応生成物を水に可溶な成分に変えて、水に溶解して除去することができる。しかも、無機化合物を使用した場合と比較して、これらの成分の除去効率が格段に優れている。上記のような還元性を有する有機化合物は水溶液として使用される。このときの還元性を有する有機化合物は、残存するエッチング液由来の金属あるいはエッチング液の形成成分と基材金属との反応生成物を除去可能な濃度で水に溶解して使用され、通常は2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の濃度で水に溶解して使用される。
このような還元性処理液は、通常は25〜60℃、好ましくは30〜50℃の範囲内の温度に調整されており、このような温度に調整された還元性処理液との接触時間は通常は2〜120秒間、好ましくは5〜60秒間である。このようにして還元性処理液との接触により、配線パターンおよび絶縁フィルム表面に残留していたエッチング液由来の金属あるいは反応生成物は効率よく除去される。
このようにして還元性処理液と接触処理した配線基板(絶縁フィルムとこの表面に形成された配線パターン)は、そのまま次の工程で処理することができるが、水洗した後に次の工程で処理することが好ましい。
この水洗工程は、上記のように還元性処理液との接触により表面に残留していたエッチング液由来の金属の大部分は除去されているので、この水洗に要する時間を、通常の水洗工程に要する時間よりも短縮することができる。また、後の工程で使用されるメッキ液などがエッチング液由来の金属で汚染されにくくなる。
上記のようにして好適には還元性処理液で処理後に水洗することによりプリント配線基板の表面におけるエッチング液由来の金属の残存量は、0.05μg/cm2以下、好ましくは0.000002〜0.03μg/cm2の範囲内になる。
こうしてプリント配線基板に形成された配線パターンは、端子部分が露出するように樹脂保護層で被覆されるが、樹脂保護層を形成する前に、形成された配線パターンの少なくとも基材金属層を被覆するようにメッキして、マイグレーションの発生を予防することもできる。
ここでメッキ層の例としては、スズメッキ層、金メッキ層、ニッケル-金メッキ層、ハ
ンダメッキ層、鉛フリーハンダメッキ層、Pdメッキ層、Niメッキ層、Znメッキ層、および、Crメッキ層などがあり、これらのメッキ層は単層であっても複数のメッキ層を積層した複合メッキ層であってもよく、無電解メッキでも電解メッキでもよく、特に本発明では、スズメッキ層、金メッキ層、ニッケルメッキ層、ニッケル-金メッキ層が好ましい。
このようなメッキ層の厚さは、メッキの種類によって適宜選択することができるが、通常は0.005〜5.0μm、好ましくは0.005〜3.0μmの範囲内の厚さに設定される。また、全面にメッキをし、端子部分を露出させて樹脂保護層を形成した後、さらに樹脂保護層から露出する部分に端子部分に再度同一の金属を用いてメッキ処理しても、同一、異種の金属を組み合わせてメッキ処理してもよい。このようなメッキ層は、電解メッキ法あるいは無電解メッキ法などにより形成することができる。
このようにして必要によりメッキ層を形成した後、配線パターンの端子部分を残して配線パターンおよびこの配線パターンが形成されている部分の絶縁フィルムを覆うように樹脂保護層を形成する。この樹脂保護層は、例えば、スクリーン印刷技術を利用して、ソルダーレジストインクを所望の部分に塗布することにより形成することもできるし、さらに接着剤層を有する樹脂フィルムまたはソルダーレジストをフィルム状に成形した樹脂フィルムを予めプレス打ち抜きなどにより所望の形状に賦形して、この賦形された樹脂フィルムを貼着することにより形成することもできる。
このようにして樹脂保護層を形成した後、この樹脂保護層から露出した部分の配線パターン表面にメッキ層を形成する。このメッキ処理は、このプリント配線基板に電子部品を実装する際に電子部品に形成されたバンプ電極などとこのプリント配線基板の端子とを電気的に接続させるものであり、さらに、この電子部品が実装されたプリント配線基板(半導体装置)を、電子機器に組み入れる際にプリント配線基板と他の部材との電気的接続を確立するためのものである。
このようにして形成されるメッキ層としては、例えば、スズメッキ層、金メッキ層、銀メッキ層、ニッケル-金メッキ層、ハンダメッキ層、鉛フリーハンダメッキ層、パラジウ
ムメッキ層、ニッケルメッキ層、亜鉛メッキ層、および、クロムメッキ層などを挙げることができる。このメッキ層は単層であっても複数のメッキ層が積層された複合メッキ層であってもよい。また、上記のような金属メッキ層は、上記の金属からなる純金属層であっても、他の金属が拡散した拡散層を有していてもよい。拡散層を形成する場合には、拡散させようとする金属(あるいは金属メッキ層)の表面に拡散層を形成する金属からなるメッキ層を形成し、例えば加熱処理などにより、下層の金属と上層の金属とを相互に拡散させて拡散層が形成される。
また、このようなメッキ層は、通常は単一のプリント配線基板においては同一の金属からなるメッキ層であるが、必ずしも単一のプリント配線基板においてこの金属メッキ層が同一の金属から形成されていることは必要ではなく、端子によってメッキ層を形成する金属の種類が異なっていてもよい。
上記のようなメッキ層は、電気メッキ法あるいは無電解メッキ法などの通常のメッキ法
により形成することができる。
このようなメッキ層の平均厚さは、形成するメッキ層の種類によって異なるが、通常は1〜12μmの範囲内にある。なお、配線パターンが複数のメッキ層を有する場合には、上記のメッキ層の平均厚さは、配線パターンに形成されたメッキ層の全体の厚さである。
上記のようにして形成されたプリント配線基板の端子と、電子部品に形成されたバンプ電極などの電極とを電気的に接続してICチップ等の電子部品を実装し、この接続部分を含めて電子部品およびその周囲を樹脂封止することにより、半導体装置を製造することができる。
このように本発明のプリント配線基板の製造方法によれば、形成された配線パターン間にマイグレーションなどが生じにくく、従って、本発明のプリント配線基板あるいは半導体装置は、長時間電圧を印加し続けた後の絶縁抵抗と、電圧を印加する前の絶縁抵抗との間に実質的な変動が認められず、プリント配線基板として非常に高い信頼性を有する。
本発明のプリント配線基板は、配線パターン(あるいはリード)の幅が30μm以下、好適には25〜5μmの幅の配線パターンを有し、またピッチ幅が50μm以下、好適には40〜10μmのピッチ幅を有するプリント配線基板に適している。
このような本発明のプリント配線基板には、プリント回路基板(PWB)、FPC(Flexible Printed Circuit)、TAB(Tape Automated Bonding)テープ、COF(Chip On Film)、CSP(Chip Size Package)、BGA (Ball Grid Array)、μ-BGA(μ- Ball Grid Array)など
がある。
〔実施例〕
次に本発明のプリント配線基板等およびその製造方法について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、絶縁抵抗値は、全て恒温恒湿槽外における室温での測定値である。
平均厚さ38μmのポリイミドフィルムの表面にNi-7重量%Cr合金からなる平均厚さ
7nmの基材金属層を有し、この基材金属層の表面に平均厚さ8μmの電解銅層が形成された基材フィルムを用意した。
この基材フィルムの電解銅層表面に、感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチ30μm(ライン幅;15μm、スペース幅;15μm)となるように櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、導電性金属層を、HCl;100g/リットルを含む濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして配線パターンを製造した。
上記のようにして形成された導電性金属層からなる櫛形の配線パターンの表面にマスキング材を残したまま、配線パターンが形成された基材フィルムを、エッチング後の水洗に引き続いて過硫酸カリウム(K2S2O8)を100g/リットルの量で含有するソフトエッチング液を用いて、35℃で10秒間処理して、基材金属層をソフトエッチングした。
得られた配線パターン上の感光性樹脂で形成されたマスキング材を、NaOH+NaCO3溶液
で40℃×30秒間処理することにより除去し、次いで、還元性を有する有機酸であるシュウ酸が4重量%の量で溶解された水溶液で35℃×30秒間処理し、水洗し、乾燥させた。
さらに、上記のようにして配線パターンを形成した後、接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成した。
次いで、ソルダーレジスト層から露出している内部接続端子および外部接続端子に、0.5μm厚のSnメッキ層を形成した。
こうして形成された配線パターンの断面形状は、図2に近似した形状を有しており、配線パターンの厚さの減少はなかった。
こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電
圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。この導通試験は促進試験であり、短絡が生ずるまでの時間(例えば絶縁抵抗値が1×108Ω未満になるまでの時間)
を、一応1000時間程度に設定した試験であり、1000時間を経過時点で、絶縁抵抗値が1×108Ω未満のものは、一般的な基板として使用することはできない。
この実施例1で製造したプリント配線基板は、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は、5.5×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は5.5×1014Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。また、エッチングによって配線パターンの銅厚さH0に実質的な減少は認められなかった。また、配線パターンのトップ面において、以下に示す参考例1の場合よりもサイドエッチング量が25%少なくなり、線幅が増加した。
これに対して、ソフトエッチングをする前にマスキング材をNaOH+NaCO3溶液を用いて
40℃×30秒間処理することにより除去した後、ソフトエッチングをして形成したプリント配線基板(参考例1)では、絶縁抵抗値はほぼ同じであったが、銅厚が平均1.5μm減少し、ACF接続する際のアウターリードボンディング時に不良となる可能性のある銅
厚が6μm未満の配線があった。
実施例1において、ソフトエッチング工程の前に35℃、10秒間の塩酸酸洗工程を設けたこと、および、過硫酸カリウムを含有するソフトエッチング液の代わりに、硫酸20g/リットルおよび過酸化水素15g/リットルを含有するソフトエッチング液を使用したことの2点以外は同様にしてプリント配線基板を製造した。
この実施例2で製造したプリント配線基板は、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は、6×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は6×1014Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。また、エッチングによって配線パターンの銅厚さH0に実質的な減少は認められなかった。また、トップ面のサイドエッチング量が以下に示す参考例2の場合よりも20%抑制され、線幅が増加した。
これに対して、ソフトエッチングをする前にマスキング材をNaOH+NaCO3溶液を用いて
40℃×30秒間処理することにより除去した後、ソフトエッチングをして形成したプリント配線基板(参考例2)では、絶縁抵抗値はほぼ同じであったが、銅厚が平均1.5μm減少し、ACF接続とのアウターリードボンディング時に不良となる可能性のある銅厚が
6μm未満の配線があった。
上記のように本発明のプリント配線基板の方法によれば、図2に示されるように、配線パターンの銅厚を一定に保つことができる。さらに、配線パターン間の絶縁フィルム上に金属が残留しにくく残留金属に起因するマイグレーションの発生などを防止することができ、たいへん信頼性の高いプリント配線基板および半導体装置を得ることができる。しかも、マスキングパターンを除去するためのアルカリ溶解工程が、酸性雰囲気下で行われる
ソフトエッチング工程の後にあるので、エッチング工程を一貫して酸性雰囲気下で行うことができる。このため、形成される配線パターンの表面に酸化膜などが形成されないので、均一にエッチングを行うために水酸化物膜などを除去する操作(例えばマイクロエッチング)などを、エッチング工程の間に行う必要がなく、工程が短縮される。
図1は、本発明のプリント配線基板を製造する工程における配線パターンの断面の例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明のプリント配線基板の製造方法により形成された配線パターンの断面の例を拡大して模式的に示す断面図である。 図3は、従来の方法により形成されている配線パターンの断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10・・・基材フィルム
11・・・絶縁フィルム
12・・・基材金属層
14・・・導電性金属層
16・・・感光性樹脂層
17・・・マスキングパターン(マスキング材)
20・・・側部(法面部)
22・・・配線パターンの上端部(トップ)
23・・・基材金属層の上端部
25、25a・・・エッチングなどにより消失した部分
H0、H1・・・配線パターンの高さ

Claims (10)

  1. 絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に基材金属層および導電性金属層がこの順序で積層された基材フィルムにおける該導電性金属層の表面に、感光性樹脂層を露光・現像して所望のマスキングパターンを形成し、該パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングした後、該マスキング材を残したまま、露出した基材金属層を連続的にソフトエッチングして除去し、次いで形成された配線パターンを、還元性を有する有機化合物を含む水溶液で処理することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  2. 上記導電性金属層のエッチングを、塩化第2銅および/または塩化第2鉄を含有するエッチング液を用いて行うことを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板の製造方法
  3. 上記基材金属層のソフトエッチングを、過硫酸含有ソフトエッチング液、過硫酸カリウム-硫酸含有ソフトエッチング液、過硫酸ナトリウム-硫酸含有ソフトエッチング液、硫酸-過酸化水素含有ソフトエッチング液、硝酸-硫酸含有ソフトエッチング液、塩酸-硫酸含
    有ソフトエッチング液、塩酸-硝酸含有ソフトエッチング液、および、ホウフッ酸含有ソ
    フトエッチング液よりなる群から選ばれるソフトエッチング液を用いて行うことを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板の製造方法。
  4. 上記マスキングパターンが形成された基材フィルムを、導電性金属のエッチング工程で導電性金属層をエッチングした後、水洗工程を介して、基材金属を除去するソフトエッチング工程に直接移行させることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板の製造
    方法。
  5. 上記基材金属層のソフトエッチング工程を経た後、マスキングパターンを除去する工程に移行させることを特徴とする請求項第1項または第4項記載のプリント配線基板の製造方法。
  6. 上記還元性を有する有機化合物を含む水溶液が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、無水フタル酸、フマル酸、ナフトキノン、アントラキノン、アスコルビン酸およびアルキルアミンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の有機化合物の水溶液であることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板の製造方法。
  7. 絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に基材金属層および導電性金属層がこの順序で積層された基材フィルムにおける該導電性金属層の表面に、感光性樹脂層を露光・現像して所望のマスキングパターンを形成し、該パターンをマスキング材として、主として導電性金属層を選択的にエッチングした後、該マスキング材を残したまま、露出した基材金属層を連続的にソフトエッチングし、次いで還元性を有する有機化合物を含む水溶液で処理することにより形成された配線パターンが、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に形成されてなることを特徴とするプリント配線基板。
  8. 上記配線パターンが、導電性金属層表面に形成されたマスキングパターンを用いて、主として導電性金属層を選択的にエッチングして露出した基材金属層を、該マスキングパターンの存在下にソフトエッチングし、次いで、還元性を有する有機化合物を含有する水溶液で処理することにより形成されたものであることを特徴とする請求項第7項記載のプリント配線基板。
  9. 上記絶縁フィルムの表面に形成された配線パターンには、端子部分が露出するように樹脂被覆層が形成されていると共に、該樹脂被覆層から露出している配線パターンの表面に
    はメッキ処理が施されていることを特徴とする請求項第7項記載のプリント配線基板。
  10. 上記請求項第7乃至9項のいずれかの項記載のプリント配線基板に、電子部品が実装されていることを特徴とする半導体装置。
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