JP2006065654A - 座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 座標算出分解能を向上させることができる座標入力装置を提供する。
【解決手段】 センサユニット2001L,2001R中の受光手段の光軸方向と投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力画面上を指示具や指等によって指示した指示位置を検出することで、例えば、接続されているコンピュータを制御したり、文字や図形等を書き込むことができる座標入力装置、その座標入力装置を制御する制御方法、制御プログラム及びその制御プログラムを格納した記憶媒体に関する。
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されており、例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことができるタッチパネル等が広く用いられている。
その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがあるが、光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射シートを設け、投光手段からの光を再帰反射シートで反射し、その光量分布を受光手段により検出することにより、座標入力領域内の指等で遮光された遮光領域の方向を検出し、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、再帰反射部材を座標入力有効領域の周辺に配置すると共に、座標入力有効領域の角部2箇所に設けられたセンサユニットに、光を投光する投光手段と、再帰反射板により再帰反射した光を受光する受光手段とが一体に構成されると共に、このセンサユニットの光軸が座標入力有効領域の面内方向に略45°傾いた状態に設定するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、センサユニットの投光手段の光束を座標入力有効領域の面に向ける構成にすることで、指示手段による実際の描画動作(文字の筆記等)とその描画座標位置の検出動作との間に生じる空間的なずれを減少させ、その結果、尾引き(描画する人の意図した描画画像に対して、例えば、表示手段を通じて再現される描画画像上に生じるずれ)等の不具合を軽減することができることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
更には、点光源からの光を拡散レンズにより扇状に拡散させて射出する投光部(発光部)と、該投光部からの光を再帰反射部によって反射させた再帰反射光を受光する受光部を持つ光学ユニットを座標入力有効領域の2箇所の角部に設けると共に、センサユニットの光軸が座標入力有効領域の面内方向に一定となるように固定すると共に、拡散光の光軸を上下方向に調整する第1の回動機構と拡散光全体の左右のバランスを調整する第2の回動機構とをそれぞれ設けたものも知られている(例えば、特許文献4参照)。
米国特許USP4507557号公報 特開2001−243002号公報 特開2001−290583号公報 特開2002−149328号公報
ここで、この種の光学式座標入力装置の概略構成について、図20を用いて説明する。
図20において、2001L,2001Rは左右のセンサユニットで、投光手段(発光手段)及び受光手段(検出手段)を有する。これらセンサユニット2001L,2001Rは、制御信号を後述する制御・演算ユニット2002から受け取ると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2002に送信する。2002は制御・演算ユニットで、光学式座標入力装置全体を制御するものである。2003は座標入力有効領域(模式的に示す)で、この種の光学式座標入力装置が指や指示具等の指示手段により入力指示した位置の検出を行える領域である。2004は再帰反射手段で、座標入力有効領域2003の外側3辺を囲むような形(コ字形状)で配置されている。
再帰反射手段2004は、入射光を到来方向に再帰反射する再帰反射面を有する。再帰反射手段2004は、左右それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからθ°(略90°)範囲に投光された光を、センサユニット2001L,2001Rに向けて再帰反射する。再帰反射手段2004により再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布を示す信号が制御・演算ユニット2002に送られる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮られ、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮られた部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを識別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段の光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から遮光位置(座標)を幾何学的に算出すると共に、図示しない表示手段に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)等に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
ここで用いられている再帰反射手段2004を構成する再帰反射部材としては、球体のビーズを反射面上に積層配置することで再帰反射特性を有するビーズタイプの再帰反射シート、若しくは光学反射面であるコーナキューブを機械加工等により規則正しく配列することで再帰反射現象を起こす再帰反射シート等が用いられる。
このような構成の座標入力装置において、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が、再帰反射手段2004により再帰反射され、その再帰反射光がセンサユニット2001L,2001Rの受光手段(ラインCCD)で検出されることになる。
なお、図20において、水平線はX軸を、垂直線はY軸を、OはX軸とY軸との交点座標(0,0)を、それぞれ示す。そして、センサユニット2001L,2001Rは、座標入力有効領域2003のX軸に平行に且つY軸に対称な位置に、互いに所定距離離間して配置されている。
図21は、各部材の配置(図においては、左側のセンサユニット2001Lのみを示すが、右側のセンサユニット2001Rも対称な配置であり、以後の説明は同様である)を示す図であり、図22は、センサユニット2001Lの受光手段であるラインCCDの出力を模式的に示した図である。
図21において、2001Lはセンサユニット、2003は座標入力有効領域(座標入力面)、2004は再帰反射手段、(1)、(2)、(3)、(4)はセンサユニット2001Lの投光手段から投光された光の方向を、それぞれ示す。
図21においては、センサユニット2001Lの投光手段から投光された光の内の(2)の方向に向う光と座標入力有効領域2003の図において上辺部との間の角度は45°になっている。
また、図22において、横軸はラインCCDの画素番号(角度情報と等価)[N]を、縦軸は出力信号レベル[V]を、それぞれ示しており、信号レベルBの位置が光を全く検出できないレベルであり、検出光量が大きくなるに従って信号レベルAの方向に出力レベルが変化する。図示されているように、受光手段であるラインCCDで検出される再帰反射された光の量は、角度方向に依存して、その出力レベルは一様とならない。この様な現象が起こる要因としては、主に次のものが考えられる。
A)センサユニット2001Lの投光手段の投光特性
B)センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離
C)再帰反射手段2004の再帰反射特性
センサユニット2001Lの投光手段の投光特性は、投光レンズの光学特性に依存することが大きいが、この種の座標入力装置にあっては、赤外LED(発光ダイオード)等の発光素子の出力光を、座標入力有効領域2003の面内に扇状に且つ座標入力有効領域2003に略平行に投光するように投光レンズが構成される。
図23は、センサユニット2001Lの投光手段における投光レンズの構成を模式的に示す図であり、同図において、2300は投光レンズである。図23(A)は、座標入力有効領域2003と直角の方向から見た投光レンズの図、同図(B)、(C)は、座標入力有効領域2003と平行な方向から見た投光レンズの図である。
一般に、座標入力有効領域2003に平行な面内方向に対称軸(以後、主光線方向、図23(A)における1)の方向)を有し、その垂直方向に投光手段からの光が、座標入力有効領域2003に略平行な光束(図23(B)における矢印方向)となって投光される。
図24は、座標入力有効領域2003の面内方向の投光レンズ2300の投光分布を示す図であり、同図において、縦軸は投光レンズ2300の投光レベルを、横軸は投光レンズ2300の投光角度を、それぞれ示す。
図24においては、主光線方向1)に対称な投光分布が示されている。この投光分布は、投光レンズ2300の曲率、または、その投光角度方向の有効瞳の大きさ等により決定される。
座標入力有効領域2003に垂直な方向においては、座標入力有効領域2003に略平行に且つ光束が広がらないように投光レンズ2300の設計が行われるが、その設計は厳密には困難であり、光束は座標入力有効領域2003の垂直方向に投光距離と共に広がってしまう。
従って、その投光距離が長くなるに従って光エネルギーの密度は小さくなり、座標入力有効領域2003に垂直な方向の再帰反射手段2004に入射する光は少なくなる。その結果、座標入力有効領域2003に垂直な方向からの再帰反射光は少なくなり、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離が長くなるに従って、センサユニット2001Lの受光手段により検出される光量は少なくなる。
更には、座標入力有効領域2003に垂直な方向の主光線が座標入力有効領域2003に平行でなければ、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離と共にその高さが変わるので、再帰反射手段2004に投光される光量は、やはりセンサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離に依存する結果となる(図23(C)参照)。
図25は、ビーズタイプの再帰反射手段2004の反射面の一部拡大図であり、図26は、再帰反射手段2004の再帰反射特性を、入射角をパラメータに整理して示す図である。
図26において、横軸は入射角θ°を、縦軸は入射光量に対する再帰反射した光量の割合(再帰反射効率)を、それぞれ示す。
これら図25及び図26より、入射角θ°が小さければ、略100%近い光量を再帰反射させることができるが、入射角θ°が、例えば、30°を超えるような範囲では、急激に再帰反射効率が低下することが理解される。
以上のことを踏まえ、図22の光量分布について説明する。
ここでは説明を簡単にするために、投光手段の座標入力有効領域2003の面内方向の投光分布を図24のように、略一定(角度依存性が小さい)と仮定する。この時、図21において、(1)の方向に投光された光は、再帰反射手段2004の反射面までの距離が最も近く、また、入射角θ°も小さい状態となっているが、(2)の方向に向かうに従って、再帰反射手段2004の反射面までの距離及び該反射面への入射角θ°が徐々に大きくなる。
しかしながら、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°前後となるまでは、略一定の再帰反射効率が得られているので、そのような状態にあっては、図21の(1)の方向の角度から(2)の方向の角度になるに従って、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量は徐々に多くなる。そして、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°より大きくなり、更に、図21の(2)の方向から(3)の方向に向かうに従って、極端に再帰反射光率が低下することになるので、それに伴い、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量も極端に少なくなる。
更に、図21における光線の方向が(2)⇒(3)⇒(4)となる過程において、(3)の方向で再帰反射手段2004の反射面の角度が急激に変わる。つまり、(3)-の位置では、再帰反射手段2004への入射角θ°が大きいのに対し、(3)+の位置では、入射角θ°がより小さな値となり、入射角θ°の不連続が起こる。その結果、図22の(3)の位置で光量分布の不連続が発生する。そして、図21における光線が(3)の方向から(4)の方向へ変化すると、再帰反射手段2004の反射面までの距離が徐々に小さくなることで、該反射面に入射する入射角θ°もより小さくなるので、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量レベルは徐々に大きくなっていく。
しかしながら、図21における光線の(1)の方向と(4)の方向での再帰反射手段2004への入射角θ°は略等しいが、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004の反射面までの距離が、(4)の方向の方が遠いため、(4)の方向の光線の検出光量レベルは、(1)の方向での光線の検出光量レベルより小さくなる。
以上より、座標入力有効領域2003の縦横比と座標入力有効領域2003に対するセンサユニット2001L,2001Rの配置位置とによって、この光量分布は大きく変化することが理解される。
特に、座標入力有効領域2003の縦横比が4:3から16:9になると、再帰反射手段2004への入射角θ°が大きくなり、再帰反射特性が悪くなるので、図21の(3)の方向で検出される光線の光量レベルは極端に低下することになる。
一方、センサユニット2001L,2001Rの受光手段であるラインCCDについて述べれば、精度良く遮光部位を検出するためには、図21における光線が(1)の方向であっても、検出信号レベルが電気的に飽和することがあってはならない。
従って、図21における光線が(1)の方向であっても、検出信号レベルが電気的に飽和することがないように、センサユニット2001L,2001RのラインCCDのシャッタを制御、或いは投光手段の投光素子に流れる電流を制御する必要がある。
しかしながら、検出信号レベルが電気的に飽和を起こさないように制御すると、図21における(3)の方向の光線の信号レベルが極端に低下し、信号が検出できない、或いは信号が検出できたとしても、ノイズにより信号が安定しない等の問題が生じる。
つまり、その方向((3)の方向)で信号が検出できなければ座標算出不能となり、ノイズによる信号劣化は、例えば、所定位置を指や指示具等の指示手段により指示し続けた場合、一定の座標値を出力することができなくなるので、座標算出分解能を大幅に低下させると言う問題が生じる。
本発明の目的は、座標算出分解能を向上させることができる座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の座標入力装置は、入射光を反射する反射手段と、前記反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記反射手段で反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定手段を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の座標入力装置の制御方法は、入射光を反射する反射手段と、前記反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記反射手段で反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置の制御方法であって、前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、受光手段で検出される検出信号波形の最大光量と最小光量との差を小さくすることができるので、座標算出分解能を向上させることができる。
以下、本発明の座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体の実施の形態について、図1乃至図19に基づき説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を、図1乃至図18に基づき説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る座標入力装置の構成を示す図であり、同図において、上述した従来例の図20と同一部分には、同一符号が付してある。
図1において図20と異なる点は、図20の構成に光透過部材1001を付加し、且つ受光手段の光軸方向と投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定手段を設けたことである。
光透過部材1001は、特定の波長のみの光を透過することができるもので、不要な光の透過を防止すると共に、再帰反射手段2004が直接外部に露出することを防止し、装置筐体(製品外観)の一部を構成する。即ち、光透過部材1001は、再帰反射手段2004の内側に沿い且つこの再帰反射手段2004の反射面全体を覆うようにして反射面との間に所定間隔を存して配置されている。
このように光透過部材1001を設けることで、製品として使われている際に、経時に伴い光透過部材1001に『ほこり』、『ゴミ』の類が堆積しても、該光透過部材1001をユーザが掃除することにより、前記堆積した『ほこり』、『ゴミ』の類を簡単に除去できる。その結果として、再帰反射手段2004の光学特性を半永久的に維持することが容易となり、信頼性の高い座標入力装置を実現することが可能となる。
再帰反射手段2004で再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布データが制御・演算ユニット2002に送られる。
前述した座標入力有効領域2003は、PDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置の表示画面で構成することにより、インタラクティブな入力装置として利用可能となる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮光され、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮光された遮光部位のみの光(再帰反射手段2004による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット(設定手段)2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から、座標入力有効領域2003上の座標位置を算出すると共に、図示しない表示装置に接続されているPC(パーソナルコンピュータ等)に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
このようにして、指や指示具等の指示手段によって、表示装置の表示画面上に線を描画したり、その表示画面上のアイコン操作によりPCの制御等が可能となる。
本実施の形態においては、センサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量分布は、該投光手段により投光される光束の主光線方向を軸として対称な分布となる。
また、センサユニット2001L,2001Rの投光手段により投光される光束の主光線方向は、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部方向に設定される。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004により形成されている。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004を保護する光透過部材1001から成る。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、光透過性部材1001で、しかも装置筐体から成る。
また、センサユニット2001L,2001Rの投光手段の投光点(発光点)から座標入力有効領域2003の対角方向に形成される再帰反射手段2004から成る角部に向かう光線方向と、前記投光手段の投光点から座標入力有効領域2003の対角方向に形成される光透過部材1001によって構成される角部に向かう光線方向とが互いに異なる方向となる。
また、座標入力有効領域2003の水平方向に設けられた再帰反射手段2004の反射面より反射してセンサユニット2001L,2201Rの受光手段により検出される光量の最大レベルと、座標入力有効領域2003の垂直方向に設けられた再帰反射手段2004の反射面より反射して前記受光手段により検出される光量の最大レベルとが互いに等しくなるように、前記投光手段により投光される前記主光線の方向を設定する。
また、制御・演算ユニット2002は、センサユニット2001L,2201Rの投光手段の投光(発光)中心を中心として回動する回動手段を有する。
また、制御・演算ユニット2002は、センサユニット2001L,2201Rの投光手段の投光面の前面に開口部を有するスリットを設けることにより、センサユニット2001L,2201Rの受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する。
また、再帰反射手段2004は、座標入力有効領域2003の周辺部に設けられ且つ再帰的に入射光を反射する。
また、センサユニット2001L,2201Rの投光手段は、再帰反射手段2004に向けて座標入力有効領域2003の面に略平行に且つ座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に光束を投光する。
以降、各部分毎にその構成及び動作について説明する。
〈センサユニット2001L,2201Rの説明〉
図2は、センサユニット2001L,2201Rの分解斜視図であり、センサユニット2001L,2201R中の投光手段及び受光手段の構成例を示したものである。
図2において、30は投光手段で、赤外光を発光する赤外LED(発光ダイオード)31及び投光レンズ32より成り、赤外LED31で発光した光は、投光レンズ32によって、座標入力有効領域2003の面に略平行に、座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に光を投光する。
図3(A)は、センサユニット2001L,2201Rの組み立て状態における正面図で、同図における矢印は、投光手段30による光が座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に分布している様子を示している。また、図3(B)は、図3(A)を側面から見た図であり、同様に座標入力有効領域2003の面に略平行に、上下方向に制限された光束として投光され、主に再帰反射手段2004に対して光が投光されている様子を示している。更に、図3(C)は、図3(A)を反対側から見た図である。
再び図2に戻って説明すると、40は受光手段で、一次元のラインCCD41、集光光学系としての集光レンズ42、入射光の入射方向を概略制限する絞り43、可視光等の余分な光の入射を防止する赤外フィルタ44から成る。そして、投光手段30で投光された光は、再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42によって、ラインCCD41内の検出素子群の面上に集光される。
また、図2において、51は下筐体、52は上筐体であり、絞り43、上筐体52及び下筐体51は、再帰反射手段2004の再帰反射光のみを通過させるように、主に高さ方向(座標入力有効領域2003の面よりの高さ方向)の視野を制限しており、座標入力有効領域2003の面内方向の視野は、大まかに制限する構成となっている。
なお、本実施の形態においては、下筐体51と絞り43とは、互いに一体に成型されているが、これらを別部材で構成しても良いことは言うまでもない。
図4は、センサユニット2001L,2201Rの投光手段30による光が再帰反射手段2004により再帰反射して、受光手段であるラインCCD41で検出されるまでの光路を説明するための図であり、同図において図2及び図3と同一部分には、同一符号が付してある。
図4(A)は、座標入力有効領域2003の面に対して垂直方向から見た正面図、図4(B)は、その側面図である。
図4(A)において、前述した略90°方向に投光された投光手段30の光は、再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42に入射することになるが、その光は、集光レンズ42に対する入射角に応じてラインCCD41の画素45上に結像する(図4(B)参照)。従って、ラインCCD41の出力信号は、再帰反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD41の画素番号が角度情報を示すことになる。
また、本実施の形態の場合、投光手段30と検出手段である受光手段40は、互いに重ねて配置されており、その距離L(図3(B)参照)は、投光手段30から再帰反射手段2004までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を検出手段である受光手段40で検知することが可能な構成となっている。
図3(A)に示すように、投光手段30の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸αと受光手段40の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸βは、互いに所定角度異なる方向に設定されている。つまり、投光手段30の対称軸αと受光手段40の対称軸βとが所定角度を成すように、下筐体51及び上筐体52が構成される。
図5は、本実施の形態に係る座標入力装置における受光光学系で観測されるラインCCD41の画素番号Nと導出すべき角度θとの関係を示す図であり、同図において、縦軸は導出すべき角度θを、横軸はラインCCD41の画素番号を、それぞれ示す。
ここでは、ラインCCD41の法線方向と受光光学系の対称軸βL,βRとを互いに一致させ、その方向を角度0°と定義する。この時、測定角度範囲が小さければ、ラインCCD41の画素番号Nと測定角度θとの関係が、例えば、良好な線形性を有する集光レンズ42を設計、製造することは容易であるが、測定角度範囲が大きくなると、集光レンズ42の端部で発生する光学的歪を除去することが困難となり、測定角度に大きな誤差が発生するようになる。
従って、図1に示すように、受光光学系の対称軸βL,βRは、座標入力有効領域2003のX軸に対して略45°傾けた方向に設定、若しくはセンサユニット2001L,2001Rと座標入力有効領域2003によって決まる光線A、及び光線Bの角度2等分線方向に、受光光学系の対称軸βL,βRを設けるのが好ましい設定となる。このように設定することで、受光光学系の測定角度範囲は、少なくとも±45°以下になる。
一方、本実施の形態に係る座標入力装置は、表示ディスプレイ(表示装置)と重ねて配置することによって、指や指示具等の指示手段による筆跡を表示ディスプレイに表示させて、恰も紙と鉛筆の様な使い勝手を実現できるものである。
表示ディスプレイの動向について述べれば、表示領域の縦横比(アスペクト比)は4:3のものが主流であったが、フルHD画像等に見られるように16:9のものが普及しつつある。つまり、座標入力装置の座標入力有効領域2003もそれに対応すべく横長の仕様となる。
従って、再帰反射手段2004に対する入射角、または再帰反射手段2004までの距離は、光学的にはより厳しい条件となり、課題の項でも述べた通り、図22で示される検出信号波形の最大信号レベルと最小信号レベルとの差は、より大きなものとなる。従って、ラインCCD41のダイナミックレンジでその信号差をカバーすることができなくなり、結果的に座標算出分解能が低下したり、或いは座標算出不能の状態を引き起こす。
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、その特徴は、上述したように、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αと受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βとを互いに異なる方向に設定(若しくは調整)することができる設定手段を設けたことである。
図6乃至8図は、本願発明の効果を説明するための図であって、センサユニット2001L,2001R中の受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βL,βRを図1に示すように、座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾けて配置し、その方向を角度0°と定義すると共に、角度の符号を左側センサユニット2001Lでは時計回りに、右側センサユニット2001Rでは反時計回りに定義する(図1参照)。
図6(A)は、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸(座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾いた方向であって、図6(A)の角度0°方向相当)と同一の方向に投光手段30の対称軸を設け、且つ投光分布が略一様(角度依存性が小さい)となるような投光手段30の投光レベルを示す図であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
この時、図1の様な光学的部品配置にて受光手段40で出力される信号のレベル比を示したのが図6(B)であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。図6(B)に示すように、角度−14°付近、つまり、投光手段30により投光された光束のうち、投光(発光)点から対向する再帰反射手段2004により形成される角部へ向かう光線(図1においては、左側のセンサユニット2001LからAの領域へ向かう光線)の再帰反射レベルが最も小さくなる。つまり、このAの領域へ向かう光線は、再帰反射手段2004の反射面までの距離が遠いことに加え、再帰反射手段2004の反射面への入射角が大きいことから、受光手段40で検出される光量レベルが小さくなる。
一方、図1において、左側のセンサユニット2001LからC方向へ向かう光線(角度に換算して、略+45°方向)は、再帰反射手段2004までの距離も近く、入射角も小さいことから、受光手段40により十分な光量レベルが得られる。
一方、図1において、左側のセンサユニット2001LからD方向へ向かう光線(角度に換算して、略−45°方向)は、再帰反射手段2004への入射角は、左側のセンサユニット2001LからC方向へ向かう光線のそれと大差ないが、再帰反射手段2004までの距離が大きくなっているので、受光手段40により得られる光量レベルは、Cの方向へ向かう光線の光量レベルよりは小さな値となる。
従って、検出される光量のレベル差は約10倍にも達し、ラインCCD41のダイナミックレンジを考慮すると、図1のAの方向で検出される信号は、ノイズに弱い信号レベルとならざるを得ない。
従って、後述する方法で位置検出を行う際に、その方向での座標算出分解能が極端に低下する原因となる。
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、検出信号レベルの差を改善し、座標算出分解能を向上させることを目的とするものである。
図7(A)は、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸(座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾いた方向であって、図6(A)の角度0°方向相当)と同一方向に投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸を設け、且つ投光手段30の投光分布が図示の如く正規分布(角度依存性が小さい)となるような投光手段30の投光レベルを示す図であり、図7(B)は、この時得られる受光手段40で出力される信号のレベル比を示す図であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
図7(B)に示すように、角度−14°付近方向の再帰反射レベルが最も小さくなることは変わらないが、再帰反射手段2004の反射面への入射角が小さい領域(例えば、図1の領域C、領域D)への放射光強度が低下しているので、受光手段40で検出される光量のレベル差は約5倍程度に改善される。
図8(A)は、図7で用いた投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸のみを、投光手段30の投光(発光)点から対向する再帰反射手段2004により形成される角部へ向かう方向(図1においては、左側のセンサユニット2001LからAの領域へ向かう光線)へ回転させた状態のレベル比を示す図であり、その時の結果を示す図が図8(B)であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
この結果、光量が最も弱くなる領域は、図1の領域Aに向かう方向及び領域Cに向かう方向であり、また、光量が最大となる領域が、領域Cと領域Aとの間及び領域Aと領域Dとの間に形成される。この時、受光手段40で検出される光量レベルの差(=Max/Min)は約2.5倍程度に大幅に改善されており、ノイズの影響を受けない良好な信号波形、つまり、高分解能な座標入力装置を実現することができる。
上述した説明においては、最も検出信号レベルが低下するのは、センサユニット2001L,2001Rに対向する再帰反射手段2004で構成される角部であるとした。
しかしながら、本実施の形態に係る座標入力装置においては、座標入力有効領域2003と再帰反射手段2004との間には、特定の波長のみの光を透過することができる光透過部材1001を設けている。
図1に示すように、光透過部材1001で構成される角部(図中、領域B)は、座標入力有効領域2003の長手方向の光透過部材1001と短手方向の光透過部材1001とを重ねて構成している。従って、光の透過距離が他に比べて長くなること、また、接合面を有することによる乱反射等の影響で、その部分の光透過率が悪化する。
従って、光透過部材1001により形成される角部を通過する光線の光損失は、他の領域の光損失より大きくなるので、受光手段40により検出される光が最も小さくなる領域となる可能性がある。
つまり、再帰反射手段2004で構成される角部に向けられた光線の検出レベルと、光透過部材1001で構成される角部に向けられた光線の検出レベルとを比較して、仮に、後者の検出レベルが前者の検出レベルよりも低いものと仮定すれば、図8に示される投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸を光透過部材1001で構成される角部に向けることで、より光量レベルの差(=Max/Min)を小さくすることが可能となる。
これらは、座標入力有効領域2003の大きさや形状(アスペクト比)、再帰反射手段2004及び光透過部材1001、更にはセンサユニット2001L,2001Rの位置関係により決定され、適宜最適方向に投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸を設定することが好ましい。
更には、投光手段30の投光(発光)点から再帰反射手段2004によって構成される角部に向かう光線方向と、投光手段30の投光(発光)点から光透過部材1001によって構成される角部に向かう光線方向とが同一方向となると、その光線方向の検出レベルが極端に低下することになるので、それらの光線が互いに別の方向となるように、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸と、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸とを、互いに異なる方向に設定することが好ましい。
また、図6及び図7に示すような投光手段30の投光分布(例えば、ガウス分布)は、例えば、図9に示すように、投光レンズ32の有効レンズ径を変化(投光方向に依存して変化させる)させることによって実現可能であり、投光レンズ32は、型を用いて成型することにより容易に製造することが可能となる。
投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸と受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸とを、互いに異なる方向に設定することで、検出光量の角度依存性が改善されることが示された。
また、受光手段40の光学部品は、下筐体51により位置決めされ(図2〜図4参照)、投光手段30の光学部品は、上筐体52により位置決めされるが、この下筐体51と上筐体52とを一体にすることにより、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αと受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βとの角度差を精度良く設定できる。
本実施の形態においては、投光レンズ32に設けられた穴部と、上筐体52に設けられた突起部とが嵌合することにより、投光手段30と上筐体52との位置決めが行われる構成となっているが、その位置決め方法は、これに限られるものでなく、例えば、投光レンズ32の外形に嵌合するように上筐体52を構成しても良いことは言うまでもない。
また、本発明の座標入力装置においては、図1に示されるように、右側のセンサユニット2001R、左側のセンサユニット2001Lを有し、仮に投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αと受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βとが互いに同一方向、つまり、センサユニット2001R,2001Lが光学的に座標入力有効領域2003と平行な面内方向に対称軸を有すれば、センサユニット2001L及びセンサユニット2001Rを互いに同一部品で構成でき、製造上の利点(例えば、コストダウン)が得られる。
しかしながら、本発明においては、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αと受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βとが互いに異なる、つまり、センサユニット2001R,2001Lには、光学的な座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸が無いために、部品の共通化を図るためには、どちらか一方の対称軸の角度を設定する設定手段が必要となる。
そこで、例えば、投光手段30の発光点を中心に回動する回動機構を設け、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αを調節することにより、左右のセンサユニット2001R,2001Lを共通化することができる。
勿論、このような回動機構を設けることによって、例えば、製品のラインナップを考えたとき、座標入力有効領域2003の大きさが違う設定の製品を製造する場合であっても、同一のセンサユニットを用いることができ、コストメリット等が更に得られる。
一方、前記回動機構による投光手段30及び受光手段40の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸の角度調整、角度設定に限定されるものでなく、例えば、右側センサユニット2001R用、左側センサユニット2001L用に対称軸の角度が制御できる制御手段(例えば、穴部と突起部とを用いた嵌合手段)を設けても良い。
図3は、そのような具体的構成を示すものであり、図3(A)は、センサユニット2001L,2001Rの正面図、図3(B)は、同側面図、図3(C)は、同裏面図である。
図示するように、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βに対して、投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸αを所定角度設定できるように、上筐体52及び下筐体51にそれぞれ投光手段30を設けるように構成されている。そして、投光手段30を上筐体52側に設けた場合(図3(A)に相当)には、図1における右側センサユニット2001Rとなり、投光手段30を下筐体51側に設けた場合(図3(C)に相当)には、図1における左側センサユニット2001Lとなる。
勿論、センサユニット2001L,2001Rは、図3(B)に示されるように、光学的な座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸γを有し、投光手段30をどちらに設けても、光学的な差異がないように構成する。
〈制御・演算ユニット2002の説明〉
図1の制御・演算ユニット2002とセンサユニット2001L,2001Rの間では、ラインCCD41の制御信号、CCD用クロック信号、ラインCCD41の出力信号及びLED31の駆動信号がやり取りされている。
図10は、制御・演算ユニット2002の構成を示すブロック図であり、同図において、2001L,2001Rはセンサユニット、81L,81RはA/Dコンバータ、82はメモリ、83はワンチップマイコン等で構成されるCPU(中央演算処理装置)、84L,84RはLED駆動回路、85はCPU制御用の動作クロック、86はCCD制御用動作クロック(CLK)、87はシリアルインタフェースである。
図10において、CCD制御信号は、CPU83から出力されており、ラインCCD41のシャッタタイミングや、データの出力制御等を行っている。ラインCCD41用のクロックは、CLK86からセンサユニット2001L,2001Rに送られると共に、ラインCCD41との同期をとって、各種制御を行うために、CPU83にも入力されている。
LED駆動信号は、CPU83からLED駆動回路84L,84Rを経て、センサユニット2001L,2001R中の赤外LED31に供給されている。
センサユニット2001L,2001R中の検出手段であるラインCCD41からの検出信号は、制御・演算ユニット2002中のA/Dコンバータ81L,81Rに入力され、CPU83からの制御によってデジタル値に変換される。変換されたデジタル値は、必要に応じてメモリ82に記憶され、後述する方法で角度算出、さらには座標値が求められ、その結果を、外部PC(パーソナルコンピュータ)等にシリアルインタフェース87等を介して出力される。
〈光量分布検出の説明〉
図11は、制御信号のタイミングチャートであり、同図において、91,92,93がラインCCD41制御用の制御信号であり、91Sh信号の間隔でラインCCD41のシャッタ解放時間が決定される。92,93はそれぞれ左右のセンサユニット2001L,2001Rへのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号である。
94,95は左右のセンサユニット2001L,2001RのLED31の駆動信号であり、Shの最初の周期で一方のLED31(この場合は、センサユニット2001L中のLED)を点灯するために94の駆動信号がLED駆動回路(この場合は、LED駆動回路84L)を経てLED31に供給される。次の周期で他方のLED(この場合は、センサユニット2001R中のLED)が駆動される。双方のLED31の駆動が終了した後に、ラインCCD41の信号が左右のセンサユニット2001L,2001Rから読み出される。
読み出される信号は、例えば、指、或いは指示具等による入力が無い場合、つまり、遮光部分が無い場合には、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからの出力として、図12(A)のような光量分布が得られる。
図12は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
勿論、このような光量分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射手段2004の特性(前述した再帰反射手段2004の入射角による再帰反射特性)やLED31を含む投光手段30の特性、また、経時変化(再帰反射手段2004の反射面の汚れ等)によって、この光量分布は変化する。
図12(A)において、Aのレベルが最大光量を検出した時のレベルであり、Bのレベルが最低レベルであるものとし、従って、反射光のない状態では、得られるレベルはB付近になり、反射光量が増えるほどAのレベルに近づく事になる。この様に、ラインCCD41から出力されたデータは、逐次A/DコンバータによりA/D変換された後、CPU83にデジタルデータとして取り込まれる。
図12(B)は、指等で入力を行った、つまり、再帰反射手段2004の反射光を遮った場合の出力の例を示す図であり、同図のCの部分が指等で再帰反射手段2004の反射光が遮られたため、その部分のみの光量が低下している。
光量分布の検出は、この光量分布の変化を検知して行うものであり、具体的に説明すれば、まず、図12(A)のような入力の無い初期状態(以後、初期状態で得られたデータを初期データと記述する。)を予めメモリ82に記憶しておき、それぞれのサンプル期間で得られるデータと予めメモリ82に記憶しておいた初期データとの差分を算出することで、図12(B)のような変化があるか否かを判別する。
〈角度計算の説明〉
角度計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。
先にも述べたように、光量分布は経時変化等で一定ではないため、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することが望ましい。つまり、工場等の出荷時に初期データを設定し、そのデータの更新が逐次行われなければ、例えば、所定の位置の再帰反射手段2004の反射面にゴミが付着した場合、その部分での再帰反射効率が低下するので、恰もその位置(センサユニット2001L,2001Rから見た方向)で座標入力動作が行われた、即ち、誤検出してしまうと言う重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することで、再帰反射手段2004の反射面が経時的にゴミ等で汚れて再帰反射効率が落ちていても、その状態を初期状態として設定し直すことができるので、誤動作を無くすことができる。
無論、再帰反射手段2004からの信号がゴミの付着した部分で全く受け取ることができなくなれば、座標検出不能の事態となり、何らかの方法で、そのゴミ等を除去しなければならないが、仮に、再帰反射手段2004からの光信号が大幅に減っている状態にあっては、S/N比の関係で信号の信頼性が低下(例えば、同一地点を指示しているにも拘らず座標が揺らぐ現象が発生し、座標算出分解能を低下させてしまう)するので、このような場合であっても、付着したゴミ等は除去することが好ましく、本発明においては、容易にそのゴミ等の除去が可能なように光透過部材1001が設けられている。
さて、電源投入時、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、まず、投光手段30から照明すること無しにラインCCD41の出力をA/Dコンバータ81L、81RによりA/D変換して、これをBas_data[N]として、メモリ82に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図12(A)のBのレベル付近のデータとなる。ここで、[N]はCCD画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。
次に、投光手段30から照明した状態での光量分布を記憶する。図12(A)の実線で表されたデータであり、Ref_data[N]とし、初期データの記憶を完了する。
これらのデータを用いて、まずは入力が行われたか、遮光範囲があるか否かの判定を行う。
あるサンプル期間のデータをNorm_data[N]とする。
まず、遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、入力の有無を判定する。これは、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。変化の絶対量を各々の画素において以下の式(1)の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_data_a[N] = Norm_data[N] − Ref_data[N] (1)
従って、Norm_data_a[N]は、各画素における絶対変化量に相当することになる。
この処理は、差を取って比較するだけなので、処理時間が短くて済むので、入力の有無の判定を高速に行うことが可能である。
Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出された時に入力があったと判定する。
次に、より高精度に検出するために、変化の比を計算して入力点の決定を行う。
図13は、再帰反射手段2004の再帰反射面を示す図であり、同図において、910は再帰反射手段2004の反射面、911は指や指示具等の指示手段である。ここで反射面910の領域(10)の反射率が汚れ等により低下していたとすると、このときのRef_data[N]の分布は、図14(A)のように、領域(10)の反射光量が少なくなる。
図14は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
図14(A)の状態で、図13のように、指や指示具等の指示手段911により再帰反射手段2004の略半分を覆ったとすると、反射光量は略半分となるため、図14(B)の太線で示した分布Norm_data[N]が観測される。この状態に対して、上記式(1)を適用すると、図15(A)のようになる。
図15(A)は、Norm_data_a[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_a[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
また、図15(B)は、Norm_data_r[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_r[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
ここで、図15において、縦軸は初期状態との差分電圧になっている。
このデータに対して、閾値Vthaと比較すると、本来の入力範囲を外れてしまうような場合(図15(A)の破線領域)がある。勿論、閾値Vthaをより小さな値に設定することで、ある程度の検出は可能となるが、ノイズ等の影響を受ける可能性が高くなり、座標算出性能を劣化させると言う弊害が発生する。
そこで、指示手段911によって遮られる光量は、反射面910の領域(10)、領域(11)ともに最初の半分(領域(10)ではV1レベル相当、領域(11)ではレベルV2相当)であるので、次の式(2)で変化の比を計算する。
Norm_data_r[N]=Norm_data_a[N]/(Bas_data[N]-Ref_data[N]) (2)
この式(2)の計算結果を示すと、図15(B)のようになり、変動比で表されるため、反射率が異なる場合でも等しく扱うことが可能になり、このデータに対して、閾値Vthrを別途設定して、その立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号から、例えば、両者の中央を入力画素として、高精度に画素情報が取得可能となる。
ところで、図15(B)は、説明の便宜上、模式的に描いたものであり、実際の検出信号波形を詳細に表示すると、図16のようになる。
今、閾値Vthrと比較して遮光領域の立ち上がり部分は、Nr番目の画素で閾値Vthrを越えたとし、Nf番の画素で閾値Vthrを下まわったと仮定する。この時、出力すべきラインCCD41の画素番号Npを、先に説明したように、立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号の中央値として下記式(3)のように計算しても良いが、そうすると、ラインCCD41の画素間隔が出力画素番号の分解能になる。
Np=Nr+(Nf-Nr)/2 (3)
そこで、より高分解能に検出するために、画素の出力レベル情報を用いて演算を行う。
図16において、画素番号NrのラインCCD41の出力レベルをLr、画素番号Nr-1の出力レベルをLr-1とする。同様に、画素番号Nfの出力レベルをLf、画素番号Nf-1の出力レベルをLf-1とする。このとき検出すべき画素番号を、それぞれのNrv、Nfvとすれば、
Nrv=Nr-1+(Vthr-Lr-1)/(Lr-Lr-1) (4)
Nfv=Nf-1+(Vthr-Lf-1)/(Lf-Lf-1) (5)
と計算すれば、出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまり、ラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号を取得でき、出力される仮想中心画素Npvは、下記式(6)で決定される。
Npv=Nrv+(Nfv-Nrv)/2 (6)
このように、画素番号とその画素の出力レベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出が可能となる。
〈CCD画素情報から角度情報への変換〉
さて、得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、前述の画素番号を角度情報に変換する必要がある。
図5は、得られた画素番号と角度θとの関係をプロットした図である。この関係の近似式(下記式7)
θ=f(N) (7)
を求め、この近似式よりデータの変換を行う。
本発明では、1次近似式を用いて近似できるように、先に説明したセンサユニット2001L,2001R中の受光手段のレンズ群を構成するが、レンズの光学的収差等により、より高次な近似式を用いた方が、より高精度に角度情報を得ることが可能となる場合がある。
どのようなレンズ群を採用するかは、製造コストと密接に関連し、レンズ群の製造原価を下げることによって一般的に発生する光学的な歪を、より高次の近似式を用いて補正する場合には、それなりの演算能力(演算速度)を要求されるので、目的とする製品に要求される座標算出精度を鑑みながら、その両者を適宜設定すれば良い。
〈座標計算方法の説明〉
図17は、本実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット2001L及びセンサユニット2001Rの位置関係を示す図であり、座標入力有効領域2003の水平方向にX軸、垂直方向にY軸を、そして、座標入力有効領域2003の中央を原点位置に配置するものとし、座標入力有効領域2003の上辺左右にセンサユニット2001L及びセンサユニット2001RをY軸に対称に取り付け、そのセンサユニット2001L,2001R相互間の距離をDsとする。
また、図示されているように、センサユニット2001L,2001RのラインCCD41の受光面は、その法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置され、その法線方向を0°(基準方向)と定義する。この時、角度の符号は、左側に配置されたセンサユニット2001Lの場合には、時計回りの方向を『+』方向に、また、右側に配置されたセンサユニット2001Rの場合には、反時計回りの方向を『+』方向と定義する。
さらには、図中Poは、各センサユニット2001L,2001Rの法線方向の交点位置であり、Y軸方向の原点からの距離をPoyと定義する。この時、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rで得られた角度をθL、θRとして、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、下記式(8)、(9)で得られる。
Figure 2006065654
次に、本実施の形態に係る座標入力装置の一連の処理工程を、図18を用いて説明する。
図18は、本実施の形態に係る座標入力装置のデータ取得から座標計算までの処理動作の流れを示すフローチャートである。
電源投入が行われると、まず、ステップS1801でCPU83等のポート設定、タイマ設定等、様々な初期化が行われる。次に、ステップS1802で、後述する受光素子であるところのCCD画素の有効範囲を、例えば、メモリ82から読み出して設定する。次に、ステップS1803で、立ち上げ時のみに行うラインCCD41の不要電荷除去のための準備である初期読み込み回数を設定する。
ラインCCD41等の光電変換素子においては、動作させていない時に不要な電荷が蓄積している場合があり、そのデータをそのままリファレンスデータとして用いると、検出不能、或いは誤検出の原因となる。
それを避けるために、ステップS1804で、前述した投光手段30の照明無しの状態で、ラインCCD41からのデータを、前記ステップS1801において予め設定された回数読み出すことにより、ラインCCD41に蓄積されていた不要電荷の除去を行う。
次に、ステップS1805で、読み込み回数が所定回数に達したか否かを判断する。そして、読み込み回数が所定回数に達しないと判断された場合は、前記ステップS1804へ戻り、また、読み込み回数が所定回数に達したと判断された場合は、ステップS1806へ進む。
ステップS1806では、投光手段30の照明無しの状態でのデータの取り込みを行い、これは、リファレンスデータとして上述したBas_data[N]の取得に相当し、次のステップS1807で、前記ステップS1806において取得されたデータがメモリ82に記憶され、以降の計算に用いられる。
次に、ステップS1808で、投光手段30により照明したときの初期光量分布に相当するリファレンスデータRef_data[N]の取り込みを行い、次のステップS1809で、前記ステップS1808において取得したデータをメモリ82に記憶する。
以上のステップまでが電源投入時の初期設定動作であるが、この初期設定動作は、リセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良いことは言うまでもなく、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行することになる。
通常の取り込み動作は、まず、ステップS1810で、光量分布を通常取り込みにより取り込む。次に、ステップS1811で、メモリデータ(Ref_data)との差分値を計算し、次のステップS1812で、遮光部分の有無を判断、つまり、座標入力が有るか否かを判断する。そして、座標入力が無いと判断された場合は前記ステップS1810へ戻り、同様にデータの取り込みを開始する。
一方、前記ステップS1812において座標入力が有ると判断された場合は、ステップS1813へ進んで、メモリデータとの比を前記式(2)を用いて計算する。次に、ステップS1814で、前記ステップS1813において得られた比に対して閾値で立ち上がり部、立ち下がり部を決定し、上記式(4)、(6)、(7)で画素番号を計算する。
次に、ステップS1815で、前記ステップS1814において得られた画素番号から、近似多項式より、例えば、Tanθを算出し、次のステップS1816で、左右のセンサユニット2001L,2001RでのTanθ値からx、y座標を前記式(8)、(9)を用いて算出する。次に、ステップS1817で、前記ステップS1816において算出したデータをホストPC等の外部機器へ送信する。このデータの送信手段としては、USB、RS232C等のシリアル通信等、任意のインタフェースで送れば良く、前記ステップS1817の送信処理を終了した後は、前記ステップS1810の処理に戻り、以降電源OFF、若しくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、この処理を繰り返すことになる。
この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、本実施の形態に係る座標入力装置は、100回/秒の周期で指や指示具等の指示手段911により指示した座標を外部機器等に出力することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る座標入力装置によれば、検出信号波形の最大光量と最小光量との差を小さくすることができるので、座標入力装置の座標算出分解能を格段と向上させることができる。
また、投光手段の角度設定手段を設けることで、製品ラインナップに容易に対応することができるセンサユニットを安価に製造することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、図19に基づき説明する。
なお、本実施の形態に係る座標入力装置の基本的な構成は、上述した第1の実施の形態の図1と同一であるから、必要に応じて同図を流用して説明する。
本実施の形態は、センサユニット2001L,2001Rの投光手段30の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸αの方向と受光手段40の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸βの方向とを互いに一致させ且つ所定形状の開口部を有するスリット部材(設定手段)を設けて、投光手段30から投光された光の光量分布を設定するようにしたものである。
図19は、本実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット2001L,2001Rの投光手段30を説明するための図であり、同図(A)は、投光手段30とスリット部材の斜視図、同図(B)は、スリット部材の正面図、同図(C)は、スリット部材の開口部形状を示すための開口率を模式的に示す図である。
図19(A)において、図3と同一部分には、同一符号が付してある。
図19(A)において、61はスリット部材(設定手段)で、長方形板部材に開口部62が設けられている。この開口部62は、図19(B),(C)に示すように、投光手段30の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸α及び受光手段40の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸βの方向を「0゜」と定義して、角度δずれた方向の開口率を最大とし、その方向に対称軸を設けて開口分布を設定してある。
仮に、投光手段30の投光分布が図6(A)の様に、角度に依存することなく略一定のものとすれば、投光手段30から投光され、スリット部材61の開口部62を通過して再帰反射手段2004の反射面へ投光される光の光量分布は、スリット部材61の開口部62の形状に依存する。
従って、投光手段30の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸α及び受光手段40の座標入力有効領域2003の面内方向の対称軸βの方向を「0°」と定義すれば、角度δずれた方向の開口率を最大とし、その方向に対称軸を設けて開口分布を設定することにより、上述した第1の実施の形態と同様の光量分布を得ることができる。
このように構成することで、左右のセンサユニット2001L,2001Rを、互いに同一部材で構成できる。つまり、スリット部材61を左右裏返しに反転させるだけで、右側センサユニット2001R、左側センサユニット2001Lの光学特性を得ることができるので、製造上の最大メリットを得ることができる。
さらには、スリット部材61を用いることにより、次のような利点も容易に得られる。
先に説明したように、図6及び図7の様な、角度方向に略正規分布を有する光学系を設計することは比較的容易であるが、例えば、図7(B)で得られる受光分布を均一化するような光学系(例えば、レンズ)を設計することは容易でない。
しかしながら、本実施の形態のように、スリット部材61により投光手段30からの光の光量分布を制御する方法であれば、スリット部材61の開口部62の設計は容易であり、誤差要因としては、開口部62の形状の機械的な加工公差のみで決定されるので、上述した第1の実施の形態に比べて、投光手段30からの光の光量分布の最大レベルと最小レベルとの差をより小さく設定、つまり、より高分解能な座標入力装置を容易に実現することができるという優れた効果が得られる。
以上の説明においては、投光分布として対称軸を有するガウス分布で説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、ある投光分布を有する投光手段の光量分布が最大となる方向(以後、光量分布最大方向と記述する。従って、投光分布が対称軸を有するガウス分布であれば、その対称軸の方向は光量最大方向と一致する)を、上記説明にある、例えば、最も検出信号レベルが低下するセンサユニット2001L,2001Rに対向する再帰反射手段2004で構成される角部に向けて、座標入力有効領域2003の大きさや形状(アスペクト比)、再帰反射手段2004及び光透過部材1001、さらにはセンサユニット2001L,2001Rの位置関係により、その他の方向の光量分布を決定するように構成しても良い。
なお、本実施の形態に係る座標入力装置におけるその他の動作は、上述した第1の実施の形態と同一であるから、その説明は省略する。
(その他の実施の形態)
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能を達成できる構成であれば、どのようなものであっても適用可能である。
また、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体及びプログラムは本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
第1の実施の形態に係る座標入力装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの分解斜視図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの外観図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット中の検出手段の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における画素番号Nと角度θとの関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における均一な投光分布の場合の検出レベルを示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光分布が正規分布の場合の検出レベルを示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段による検出レベルを示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段のレンズの斜視図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における制御・演算ユニットの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の発光のタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の光量分布の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における再帰反射手段の反射面の経時変化の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化量と光量変化率の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における遮光範囲検出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標算出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標検出処理動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットとスリット部材の説明図である。 従来の座標入力装置における作用説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルの説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルとCCD画素番号との関係を示す図である。 従来の座標入力装置における投光手段の説明図である。 従来の座標入力装置における投光手段の投光レベルと角度との関係を示す図である。 従来の座標入力装置における再帰反射手段の説明図である。 従来の座標入力装置における再帰反射手段の特性図である。
符号の説明
1001 光透過部材
2001L センサユニット
2001R センサユニット
2002 制御・演算ユニット(設定手段)
2003 座標入力有効領域
2004 再帰反射手段
2005 指示手段(遮光部材)
30 投光手段
31 赤外LED(発光ダイオード)
32 投光レンズ
40 受光手段(検出手段)
41 ラインCCD
61 スリット部材(設定手段)
62 開口部

Claims (16)

  1. 入射光を反射する反射手段と、前記反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記反射手段で反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、
    前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定手段を有することを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記投光手段による光量分布は、該投光手段により投光される光束の主光線方向を軸として対称な分布となることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記投光手段により投光される光束の主光線方向は、座標入力有効領域の対角方向に形成される角部方向に設定されることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  4. 座標入力有効領域の対角方向に形成される角部は、前記反射手段により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  5. 座標入力有効領域の対角方向に形成される角部は、前記反射手段を保護する光透過性の保護部材から成ることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  6. 座標入力有効領域の対角方向に形成される角部は、光透過性の装置筐体から成ることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  7. 前記投光手段の発光点から前記座標入力有効領域の対角方向に形成される前記反射手段から成る角部に向かう光線方向と、前記投光手段の投光(発光)点から前記座標入力有効領域の対角方向に形成される光透過部材によって構成される角部に向かう光線方向とが互いに異なる方向となることを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
  8. 座標入力有効領域の水平方向に設けられた反射面より反射して前記受光手段により検出される光量の最大レベルと、前記座標入力有効領域の垂直方向に設けられた反射面より反射して前記受光手段により検出される光量の最大レベルとが互いに等しくなるように、前記投光手段により投光される前記主光線の方向を設定することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  9. 前記設定手段は、前記投光手段の発光中心を中心として回動する回動手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  10. 前記設定手段は、前記投光手段の投光面の前面に開口部を有するスリット部材を設けることにより、前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  11. 前記反射手段は、座標入力有効領域の周辺部に設けられ且つ再帰的に入射光を反射することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  12. 前記投光手段は、前記反射手段に向けて座標入力有効領域に略平行に且つ座標入力有効領域の面内方向に扇状に光束を投光することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  13. 入射光を反射する反射手段と、前記反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記反射手段で反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置の制御方法であって、
    前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定する設定工程を有することを特徴とする座標入力装置の制御方法。
  14. 前記設定工程は、前記投光手段の投光面の前面に開口部を有するスリットを設けることにより、前記受光手段の光軸方向と前記投光手段による投光分布が最大となる方向とを互いに異なる向きに設定することを特徴とする請求項13に記載の座標入力装置の制御方法。
  15. 請求項13または14に記載の座標入力装置の制御方法を実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを有することを特徴とする制御プログラム。
  16. 請求項15に記載の制御プログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
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