以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<実施形態1>
本願発明の座標入力装置の概略構成を、図1を用いて説明する。
図中、1L及び1Rはそれぞれ、少なくとも2個のセンサユニット2−L1及び2−L2、及び2−R1及び2−R2(総称する場合は、センサユニット2と表記)を装備する筺体であるところのセンサバーである。
各々のセンサバー1L及び1R(総称する場合は、センサバー1と表記)は、図示のように矩形状の座標入力有効領域5の対向する2辺に設けられる。表示装置が仮にフロントプロジェクターとすれば、表示領域は座標入力有効領域5の範囲内であってかつ同一平面上に設定され、例えば、平面状のホワイトボード等の入力面6に投影される。無論、入力面6に限定されるものではなく、壁面等であっても良い。
センサバー1L及び1Rの側面にはそれぞれ、図示のように再帰反射部4L及び4R(総称する場合は、再帰反射部4と表記)が装着されている。そして、再帰反射部4L及び4Rはそれぞれ、対向する辺に設けられたセンサバー1Lあるいは1Rのセンサユニット2が投光した赤外光を再帰的に反射できるように構成してある。換言すれば、センサバー1L及び1Rの座標入力有効領域5への装着面とは異なる長手方向の側面に、再帰反射部4が装着されている。尚、再帰反射部4は、入力面6が凸状に湾曲している場合にも、投光制御後のセンサユニット2からの投光が十分に再帰反射する様な位置に装着される。これの詳細については後述する。
センサバー1Lにはセンサユニット2−L1及び2−L2が内蔵され、センサバー1Rにはセンサユニット2−R1及び2−R2が内蔵されている。センサバー1Lに内蔵される演算制御回路3Lはセンサユニット2−L1及び2−L2を制御して、その出力結果を演算処理すると共に、センサバー1Rの演算制御回路3Rを制御する。センサバー1Rの演算制御回路3Rは、センサユニット2−R1及び2−R2を制御して、その出力結果を演算処理して、センサバー1Lの演算制御回路3Lにその結果を送信する。そして、センサバー1Lの演算制御回路3Lは、4つのセンサユニット2−L1、2−L2、2−R1及び2−R2からの出力結果を処理して、タッチ位置を算出し、パーソナルコンピュータ等の外部機器へ結果を出力する。
図1では、センサバー1Lの演算制御回路3Lとセンサバー1Rの演算制御回路3Rとはコードで接続される構成(つまり、有線接続)となっているが、これに限定されない。例えば、無線等の通信機能を互いに搭載して、それらの通信機能を使用してデータの送受信(無線接続)を行っても良い。
尚、以後の説明にあっては、水平方向をX軸(図面右側が+)、天地方向をY軸(下側が+)として説明する。
図2はセンサユニット2−L1、2−L2、2−R1及び2−R2の詳細構成を示す図である。図2(A)は図1における断面A−Aであり、図2(B)及び(C)は図中の矢印方向から見た正面図である。
図2(A)において、センサユニット2は、センサバー1に収納されており、2つの投光部301及び302、及び受光部40で構成される。投光部301及び302と、受光部40の距離はそれぞれL_pdであり、その間及び近傍に再帰反射部4−1〜4−3(総称する場合は、再帰反射部4と表記)が図示のように設けられている。投光部301は入力面6に近い側に配置され、投光部302は入力面6に遠い側に配置される。つまり、投光部302は、投光部301と比べて、距離L_pd×2だけ、入力面6から離れた位置に配置されることになる。換言すれば、入力面6を基準とすると、投光部301は下段投光部(第1の投光部)、投光部302は上段投光部(第2の投光部)とも言える。投光部301と投光部302の投光形態は、演算制御回路3内の投光形態制御部61bにより変更される。この投光形態制御に関しては、後述する。
尚、図2の再帰反射部4を複数に分割して離間させた装着位置は、少なくとも、センサユニット2の投受光窓近傍のみの装着形態である。従って、センサユニット2以外の装着位置に関しては、入力面6から所定距離の範囲内に連続的に装着しても良い。
45は光透過性の部材であって、センサバー1内へのゴミ等の異物の侵入を防止するための保護部材である。
図2(B)において、投光部301は、発光部である赤外LED311、投光レンズ321、両者を固定するための接着層331で構成される。同様に、投光部302も、赤外LED312(図2(A))、投光レンズ322(図2(A))、及び接着層(不図示)で構成され、それらの機能については、投光部301と同一であるため、ここでは、投光部301に着目して説明する。
投光レンズ321は、赤外LED311の光を、座標入力面となる入力面6と略平行な光束となるように構成する。そして、対向する辺に設けられたセンサバー1の再帰反射部4の全領域を照明するように、投光範囲がg〜h範囲であって、頂点が点Oの位置(センサユニット2の重心位置)の扇状の光束を出射する。この時、投光部301の光軸はf方向に設定されることになるが、その理由は後述する。
図2(C)において、受光部40は、投光部301及び302が投光した光が、対向する辺に設けられたセンサバー1に装着されている再帰反射部4によって再帰反射された光を検出する。41は光電変換素子であるところのラインCCD、42は受光レンズ、43は視野絞り、44は赤外線通過フィルターである。また、保護部材45(図2(A))に赤外通過フィルター機能を設けることで、赤外線通過フィルター44を廃止してもかまわない。
受光部40の光軸はX軸方向に設定される。視野範囲はg〜h範囲であり、点Oの位置が光学的な中心位置となっている。また、受光部40は、図示のように光軸に対して非対称な光学系となっている。点Oの位置、及び方向g、方向hが略一致するように、投光部30と受光部40は、図2(A)のように重ねて配置される。また、受光部40は、入射する光の方向に応じて、ラインCCD41の画素に集光されるので、ラインCCD41の画素番号は入射する光の角度情報を表す。また、受光部40は、座標入力有効領域5の座標入力面と略平行な視野範囲を有し、その光軸方向は、ラインCCD41の受光面の法線方向と一致するように配置されている。
図3(A)は座標入力装置の概略と投光部301(投光部302でも同様、以下では、投光部301について着目して説明)及び受光部40の光学系の配置を示す図である。センサバー1Lの投光部301より対向する辺に設けられたセンサバー1Rに設けられた再帰反射部4Rに向けて照明される範囲はg〜h範囲である。そして、実際に再帰反射部4Rが装着されている範囲j〜fの方向の光が再帰反射され、受光部40で検出される。
図2(A)で模式的に示す投光部301で投光した光の光束は完全には平行とはならず、投光距離が延びるに従って、その光束幅は広くなる。従って、再帰反射部4Rで再帰反射される光の量は、再帰反射部4Rに到達する距離が長くなれば減少する。従って、投光地点Oから再帰反射部4Rまでの距離が近い方向jに比べて距離の遠い方向fは再帰反射効率が悪い。
更には、再帰反射部4Rは再帰反射面に垂直方向から入射した場合より、その角度が斜めになるに従って、再帰反射効率が低下する。言い換えれば、再帰反射部4Rに入射する光が再帰反射光として再帰反射する割合は、入射角に依存しており、方向fは最もその再帰反射効率が低下する方向と言える。
更には、受光部40の光軸は方向Xに設定されており、方向fが最も光軸となす角度が大きな方向となっている。一般的な光学レンズのレンズ特性は、光軸となす角度が大きくなるに従って性能が劣化することが知られており、例えば、方向fでの集光効率の低下により、その方向が最も暗くなる方向と言える。
以上より、仮に投光部301が方向によらず一定の強度で照明することができたとしても、方向jから帰ってくる再帰反射光に比べて、方向jから方向fに向かうに従って、受光部40で検出できる再帰反射光は弱くなる(図3(B)参照)。
一方で、赤外LED311は光軸方向に光の放射強度が最大となるように構成されるのが一般的である。そして、光軸からのなす角度が大きくなるに従って放射強度は低下することになるが、その度合いを、光軸方向の照明強度の半分となる角度『半値角』で定義することが通常である(図3(C)参照)。
そこで、再帰反射光レベルが最も弱い方向fに投光部301の光軸を向けることで、方向fの照明強度を増大させ、相対的に方向fから方向jに向かうに従って、照明強度を低下させている。その結果、方向jから方向fまでの間、検出できる再帰反射光の強度を均一化できるようになる(図3(D)参照)ので、方向によらずより安定した信号が得られるようになる。ここで、実施形態1では、例えば、図3(D)の受光部40での受光強度に対して破線で示すような閾値を設ける。もし、初期設定時において、受光判定部でこの受光強度がこの閾値未満であると判定された場合には、投光形態を変更する。これの詳細については後述する。
尚、本実施形態では、赤外LED311の放射強度分布を基に投光部301の光軸を再帰反射光レベルが最も弱い方向fに向ける構成を示しているが、投光部301の受光部40に対する傾斜角はこれに限られるものではない。例えば、投光レンズ321自体の光軸が非対称となる光学系を搭載する場合には、その光量分布も、図3(C)の放射強度分布も非対称性を有する。この場合、その非対称性を有する分布が最大となる方向と方向fとが一致するように、投光部301の受光部40に対する傾斜角を設定しても良い。
図4を用いて、センサバー1Lの構成の詳細を説明する。尚、図4では、センサバー1Lに着目して説明するが、センサバー1Rも同様の構成を有する。
上述のように、2本のセンサバー1L及び1Rを、例えば、平面状のホワイトボードや壁面に装着し、そのホワイトボードや壁面に投影されている表示画面を直接タッチして操作できるようにすることが本装置の狙いでもある。表示画面の大きさは、ホワイトボードの大きさや壁面の大きさに応じてユーザが適宜設定するものであり、固定値では無い。更には、市販されているホワイトボードには種々のサイズのものが有り、投影画面のスクリーンとして大画面を投影できる標準サイズとしては、縦横寸法900×1200mm、900×1800mm、1200×1800mmがある。
しかしながら、この寸法はホワイトボードとして有効に使える範囲を定義しているのではなく、入力面6となるホワイトボードの4辺周囲部の筺体枠を含んだ寸法であることが多い。従って、実際に使える平面領域はそれより小さく、その大きさも製造メーカによってまちまちとなっている現状が有る。
そこで、本願発明の座標入力装置は、センサバー1に伸縮機構(2つのセンサユニットの重心を結ぶ線分方向に伸縮する伸縮部)を設けている。これにより、センサバー1の長さを、言い換えればセンサバー1に内蔵される2つのセンサユニット2のセンサ間の距離を可変にできるように構成している。実際には、例えば、縦寸法900〜1200mmのホワイトボードの平面部分の大きさ820mmから1200mmに装着できるように、センサバー1の外形長さが820mmから1200mmまで可変できる構成とする。
尚、図1では、ホワイトボードの左右2箇所にセンサバーを装着するものとして、ホワイトボードの縦寸法を基準にして伸縮量を設定しているが、これに限定されるものではない。例えば、ホワイトボードの左右でなく、上下2箇所に装着することを想定する場合には、センサバー1を伸ばした時の最大寸法はより長く設定することになる。さらには、壁面等により大きな画面を投影した場合でも使えるようにすることを想定する場合には、想定する最大表示画面の大きさに応じて、センサバーの伸縮量を設定することになる。
また、ホワイトボードへセンサバーを装着することを前提とすると、センサバーを左右に装着することが、上下に装着することよりもより優位と考えられる。
第1の理由は、表示装置のアスペクト比とホワイトボードのアスペクト比を考慮すると、ホワイトボード上に可能な限り表示領域を最大に設定した場合に、ホワイトボードの左右領域に空白部分(表示されない領域)ができる。従って、その空白部分にセンサバー1を設置すれば、そのことによって、表示画像を小さくしなければならないと言った障害が発生することがない。言い換えれば、より大きな画面を使うことができる操作環境を提供することが可能になる。
第2の理由は、表示画面のアスペクト比は、例えば、16:9等の横長であることが通例である。表示画面と等しい領域をタッチ操作可能とするためには、センサユニット2を、表示画面の角部に設ける必要がある。従って、表示画面の左右にセンサバー1を設けることで、上下にセンサバー1を設ける場合より、そのセンサバー1の長さを抑えることが可能となる。
座標入力装置は、ユーザが所望する会議室等に持ち運んで、既に会議室に設置されているホワイトボードや、会議室の壁面を使って、直ぐに使えることを狙いの一つとしている。従って、センサバー1の大きさや重量は、より小さく、より軽いことが好適であり、センサバー1の長さを抑制することができる左右に装着する仕様がより好ましい形態である。
第3の理由は、左右装着仕様とすることで、設置が容易となる点である。言い換えれば、上下装着仕様の場合、表示画面が大きくなれば上側にセンサバー1を装着する際に脚立等を用意した上での高所作業が発生してしまう。従って、上下に装着する仕様は、表示サイズによっては設置容易性に欠ける場合がある。
図4(A)は、センサバー1の概略構成を示しており、センサバー1は、上側筺体51、及び下側筺体52で構成される。53は外側パイプ、54は内側パイプで有り、外側パイプ53の内径と内側パイプ54の外形が略勘合の関係にある。外側パイプ53は上側筺体51に固定され、内側パイプ54は下側筺体52に固定される。上側筺体51と下側筺体52とでセンサバー1の長さを伸縮させようとすると、外側パイプ53と内側パイプ54が勘合関係を維持した状態でスライドする(図4(B)参照)。これらのパイプを金属製とすることで、伸縮動作時のセンサバー1の伸縮方向や機械的強度を得ている。金属製パイプの一端は絞り加工が施され、押しつぶされた状態となり、その部分で筺体に機械的に結合されると共に、センサユニット2が装着される。
センサバー1の伸縮方向に対して直角な方向にセンサユニット2の受光部40の光軸が配置されている。先に説明したとおり、受光部40の視野範囲は光軸に対して非対称に設けられている。このように構成することで、センサバー1の筺体を細く構成することが可能となる。この理由として、ラインCCD41、及び、ラインCCD41が実装される実装面となる回路基板(不図示)の長手方向が、センサバー1の長手方向と一致し、首尾よく配置されることによる。
図4(C)は、従来技術であるところの軸対称な光学系を採用している投光部の例である。受光部40に必要な視野範囲を確保するために、センサバーのスライド方向に対して、受光部40の光学系の光軸は傾いた状態にならざるを得ない。その結果、その光学系を収納するセンサバー1の幅Lwが、実施形態1のセンサバー1の幅より大きくなってしまう。このことは、筺体がより大きくなることで重量増につながり、可搬性を低下させるだけではなく、センサバー1を装着するために必要な面積がより大きくなることを意味する。よって、ホワイトボード等に装着する場合には、表示装置の投影面積が小さくなってしまう。
図4(C)において、軸対称な光学系を用いて、かつセンサバー1のスライド方向に垂直な方向に受光部40の光学系を設定し、光学系で光線を折り曲げて必要な視野範囲を確保する場合を考える。当然のことながら、光路上にミラー等の新たな光学素子を設けることになり、センサユニット2がより大きくなることは避けられない。つまり、そのような構成としても、本願発明の非軸対称な光学系を用いる場合より、センサバー1の幅Lwは大きくなる。
更には、十分に大きな視野範囲を有する受光部40の光学系(例えば、光軸を中心として±50°の視野範囲を採用した場合を考える。図3(A)に於いて、受光光学系の視野範囲は方向hから方向mの範囲であり、光軸方向Xに対して、角度Xoh=角度Xom=50°の関係となる。座標入力装置が必要とする視野範囲は、対向する辺に設けられた再帰反射部4の全域をカバーする範囲(方向fから方向jの範囲)のみである。従って、片側略半分の視野範囲(方向jから方向mの範囲)は無効な領域となる。従って、このような場合であっても、受光部40の有効な視野範囲は、実質的に非対称な光学系を採用している構成した場合の視野範囲と同等と言える。
図5(A)は演算制御回路3のブロック図である。本実施形態におけるセンサバー1Lの演算制御回路3Lとセンサバー1Rの演算制御回路3Rは、外部へのインタフェース仕様を除き、いずれも同様の回路構成であり、接続される対応するセンサユニット2の制御、演算を行う。図5(A)は、特に、センサバー1Lの演算制御回路3Lの構成を示している。
センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41用のCCD制御信号は、ワンチップマイコン等で構成されるCPU61から出力され、ラインCCD41のシャッタータイミングやデータの出力制御等を行う。CCD用のクロックはクロック発生回路CLK62から各センサユニット2−L1及び2−L2に送信されるとともに、ラインCCD41との同期をとって各種制御を行うためにCPU61にも入力されている。尚、センサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED311を駆動するLED駆動信号は、CPU61から供給される。
センサユニット2−L1及び2−L2それぞれのラインCCD41からの検出信号は、A/Dコンバータ63に入力され、CPU61からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値はメモリ64に記憶され、角度計算に用いられる。そして、計算された角度情報から幾何学的なタッチ位置を算出し、外部PC等の情報処理装置にインタフェース68(例えば、USBインタフェース)を介して出力される。
先に示した通り、各センサバー1の演算制御回路3は、各々2つのセンサユニット2を制御している。仮に、センサバー1Lの演算制御回路3Lがメイン機能を果たすものとすれば、CPU61はシリアル通信部67を介して、センサバー1Rの演算制御回路3Rに制御信号を送信して、回路間の同期を行う。そして、演算制御回路3Rから、必要なデータの取得を行うことになる。
演算制御回路3L及び3R間の動作は、マスター・スレーブ制御にて動作する。本実施形態の場合、演算制御回路3Lがマスターで、演算制御回路3Rがスレーブである。尚、各演算制御回路は、マスター・スレーブのどちらにもなりうるが、ディップスイッチ(不図示)等の切替部で、CPUのポートに切替信号を入力することで、マスター・スレーブの切替が可能となっている。
マスターであるセンサバー1Lの演算制御回路3Lからは、対向する辺に設けられたセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2のデータを取得するために、制御信号がスレーブの演算制御回路3Rにシリアル通信部67を介して送信される。そして、センサユニット2−R1及び2−R2で得られた角度情報が算出され、シリアル通信部67を介してマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
尚、インタフェース68は、本実施形態の場合、マスター側の演算制御回路3Lに実装されることになる。
また、演算制御回路3Lは、上述のように、CPU61を中心に、クロック発生回路CLK62、A/Dコンバータ63、メモリ64を備える。そして、演算制御回路3L内に、受光部の受光状態を判定する受光判定部61a、及び、その判定結果に応じてセンサユニット2中の2つの投光部301及び302の投光形態を制御する投光形態制御部61bがCPU61によって実現される。投光形態の制御の詳細に関しては後述する。
また、66は、指示具として、赤外線を発光する専用ペン(不図示)を使用した時の赤外線受光部である。65は専用ペンからの信号をデコードするためのサブCPUである。専用ペンは、ペン先が入力面を押圧したことを検知するスイッチや、ペン筺体サイド部に種々のスイッチを有する。それらのスイッチの状態やペンの識別情報を専用ペンに設けられた赤外線発光部で送信することにより、専用ペンの操作状態を検知することが可能となる。
図5(B)はセンサユニット2を動作させるためにマスター側の演算制御回路3LのCPU61が出力する制御信号、及びセンサユニット2の動作を示すタイミングチャートである。
71、72、73がラインCCD41制御用の制御信号であり、SH信号71の間隔でラインCCD41のシャッター開放時間が決定される。ICGL信号72はセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号である。
CCDL信号74は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。ICGR信号73は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、シリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号を生成する。CCDR信号75は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。
尚、以下の駆動タイミングに関しては、投光部301の赤外LED311と投光部302の赤外LED312は点灯タイミングが異なる場合がある。しかしながら、ラインCCD関連の動作タイミングとの関係は共通であるので、ここでは併せて、赤外LED311で代表して示す。
LEDL信号76及びLEDR信号77は、各センサユニット2の赤外LED311の駆動信号である。SH信号71の最初の周期でセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED311を点灯するために、LEDL信号76が各々のLED駆動回路(不図示)を経て赤外LED311に供給される。
そして、SH信号71の次の周期で、対向する辺に設けられたセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2の赤外LED311を点灯するために、LEDR信号77がシリアル通信部67を介して演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3Rが各々のLED駆動回路に供給するための信号を生成する。
赤外LED311の駆動、及びラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算制御回路3Rの演算結果はマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
以上のように動作させることで、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2と対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2とは、異なるタイミングで動作するようになる。このように構成することで、対向する辺に設けられたセンサユニットの赤外光を検出することなく、センサユニット自身が発光した再帰反射光のみを検出できる。
図6を用いて、センサバー1のセンサユニット2から出力される信号について説明する。先ず、センサユニット2の投光部30の発光が無い状態である場合の受光部40の出力は図6(A)となり、発光が有る場合の受光部40の出力は図6(B)となる。図6(B)において、レベルAが検出した光量の最大レベルであり、レベルBが光を全く検出(受光)できてないレベルと言える。
センサユニット2が発光した赤外線は、対向する辺に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、自身のセンサユニット2で検出される。従って、光出力が得られ始める画素番号Njの方向は図3における方向jであり、同様に、画素番号Nfの方向は図3における方向fということになる。画素番号Njから画素番号Nfまでの光量は、表示画面の大きさやそのアスペクト比、それに対応したセンサバー1の配置状態(特に、2つのセンサバー1間の距離)や伸縮状態等によって変化する。
本願発明の座標入力装置は、最適な光量レベルが得られるように、SH信号を制御することによって、ラインCCD41のシャッター開放時間、及び赤外LED311の露光時間を調整する。センサユニット2から得られる光量が多ければ時間を短くし、逆に少なければ時間を長く設定することができる。さらには、検出光量レベルに応じて、赤外LED311に流す電流を調整しても良い。このように出力信号を監視することで、最適な光量が得られるように構成されている。このような調整を、レベル変動が有った場合に適宜行う仕様としても良い。もしくは、センサバー1が設置され、その状態が保持されている間は、安定した一定の信号が得られるはずであるので、このような光量の調整は、設置が完了した電源投入時に行えばよい。
再び、図6に戻り、座標入力有効領域5の入力面をタッチすることで光路を遮ると、図6(C)のように、例えば、画素番号Ncで光量が検出できなくなる。この図6(A)〜(C)の信号を用いて、タッチした方向、言い換えると、角度を算出する。
まず、システムの起動時、システムのリセット時、あるいは自動的に、基準データを取得する。以降、一つのセンサユニット2のデータ処理について説明するが、他のセンサユニットでも同様の処理を行っている。
電源投入時、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光部30の照明無しの状態でラインCCD41の出力をA/Dコンバータ63によりA/D変換して、この値をBase_Data[N]としてメモリ64に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図6(A)のレベルB付近のデータとなる。ここで、[N]はラインCCD41のCCD画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。
同様に、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光部30から投光した状態での光量分布を取得して記憶する。これは、図6(B)の実線で表されたデータであり、Ref_Data[N]としてメモリ64に記憶する。これにより、初期データとして2種類のデータの記憶を管理する。
その後、サンプリングを開始することになるが、タッチ操作が行われてなければ、図6(B)に示すデータは、タッチ操作が行われると、そのタッチ位置に応じて影Cが検出された図6(C)に示すデータが検出される。この投光部30の照明有りの状態で得られるサンプルデータをNorm_Data[N]と定義する。
これらのデータ(メモリ64に記憶されているBase_Data[N]とRef_Data[N])を用いて、まずは、指示具の入力の有無、遮光部分の有無の判定を行う。まず、遮光部分を特定するために、データの変化の絶対量を各々の画素において算出し、予め設定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_Data0[N] = Norm_Data[N] - Ref_Data[N] (1)
ここで、Norm_Data0[N]は、各画素における絶対変化量であり、閾値比較により、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出する。そして、閾値を超えるデータが、例えば、所定数以上の連続した画素で発生した場合に、タッチ操作が有ると判定する。この処理は、差を取り比較するだけなので、短時間での演算が可能であり、入力の有無判定を高速に行うことができる。
次に、より高精度に検出するために、画素データの変化の比を計算して入力点の決定を(2)式を用いて行う。
Norm_DataR[N] = Norm_Data0[N] / (Base_Data[N] - Ref_Data[N]) (2)
この画素データ(光量分布)に対して、別途設定される閾値Vthrを適用する。そして、その閾値Vthrを横切る点に対応する、光量分布中の遮光部分に対応する光量変動領域の立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号から、両者の中央を指示具による入力に対応する画素とすることで、角度を算出する。
図6(D)は変化の比の計算を終了後の検出結果の例である。今、閾値Vthrで検出すると、遮光部分の立ち上がり部分は、Ns番目の画素でレベルLsとなり閾値Vthrを超えたとする。さらに、Nt番目の画素でレベルLtとなり閾値Vthrを下まわったとする。
この時、出力すべきラインCCD41の画素番号Npを、立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号の中央値として式(3)のように計算しても良いが、そうすると、ラインCCD41の画素間隔が出力画素番号の分解能になる。
Np = Ns + (Nt - Ns) / 2 (3)
そこで、より高分解能に検出するために、それぞれの画素のデータレベルとその一つ前の隣接画素のデータレベルを用い、閾値Vthrを横切る仮想の画素番号を計算する。
画素NsのレベルをLs、画素Ns−1番のレベルをLs−1、そして、画素NtのレベルをLt、画素Nt−1のレベルをLt−1とすると、それぞれの仮想画素番号Nsv、Ntvは、
Nsv = Ns-1 + ( Vthr - Ls-1 ) / ( Ls -LS-1 ) (4)
Ntv = Nt-1 + ( Vthr - Lt-1 ) / ( Lt -Lt-1 ) (5)
と計算できる。この計算式によれば、出力レベルに応じた仮想画素番号、つまり、ラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号を取得できる。そして、これらの仮想画素番号Nsv、Ntvの仮想中心画素Npvは、式(6)で決定される。
Npv = Nsv + ( Ntv - Nsv ) / 2 (6)
このように、閾値Vthrを越えるデータレベルの画素の画素番号とその隣接する画素番号と、それらのデータレベルから、所定レベルの閾値Vthrを横切る仮想的な仮想画素番号を計算することで、より分解能の高い検出を実現できる。
このように得られた中心画素番号から、実際の指示具の座標値を計算するためには、この中心画素番号を角度情報に変換する必要がある。
後述する実際の座標計算では、角度そのものよりもその角度における正接(tangent)の値を計算するほうが都合がよい。尚、画素番号から、tanθへの変換には、テーブル参照や変換式を用いる。変換式は、例えば、高次の多項式を用いると精度を確保できるが、次数等は計算能力及び精度スペック等を鑑みて決定すればよい。
ここで、5次多項式を用いる場合の例を示すと、5次多項式を用いる場合には係数が6個必要になるので、出荷時等にこの係数データを不揮発性メモリ等のメモリに記憶しておけばよい。今、5次多項式の係数をL5、L4、L3、L2、L1、L0としたとき、tanθは
tanθ=((((L5*Npr+L4)*Npr+L3)*Npr+L2)*Npr+L1)*Npr+L0 (7)
であらわすことができる。同様なことを、各々のセンサユニットに対して行えば、それぞれの角度データを決定できる。もちろん、上記例では、tanθを計算しているが、角度データそのものを計算し、その後、tanθを計算しても構わない。
図7は、画面座標との位置関係を示す図である。センサバー1Lのセンサユニット2−L1の視野範囲は方向jから方向fの範囲であり、角度の正負を図示のように設定する。そして、センサユニット2−L1の光軸はX軸方向であり、その方向を角度0°と定義する。同様に、センサユニット2−L2の視野範囲は方向fから方向jの範囲であり、角度の正負を図示のように設定し、及び、センサユニット2−L2の光軸の方向を角度0°と定義する。そして、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分をY軸と定義すれば、各センサユニットの光軸はその線分の法線方向となる。また、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心との距離をdhと定義する。
今、点Pの位置でタッチ操作が行われた場合を想定する。
センサユニット2−L1で算出される角度はθL1であり、センサユニット2−L2で算出される角度はθL2である。この2つの角度情報と距離dhを用いて、幾何学的にタッチ位置Pの座標を算出することが可能となる。
x=dh・tan(π/2-θL2)・tan(π/2-θL1)/(tan(π/2-θL2)+tan(π/2-θL1)) (8)
y=dh・tan(π/2-θL2)/(tan(π/2-θL2)+tan(π/2-θL1)) (9)
また、一方のセンサユニットの出力がθL1=0、もしくはθL2=0の場合であっても、他方のセンサユニットが出力する角度情報に基づき、幾何学的に容易にタッチ位置を算出することが可能である。
ここで、センサユニット2−L1及びセンサユニット2−L2の視野範囲から、タッチ位置Pが図7(B)のハッチング部の範囲に有る場合のみ、そのタッチ位置を算出することが可能である。タッチ位置がその範囲に無い場合には、図7(C)、(D)及び(E)に示すように、演算に用いるセンサユニットの組み合わせを変更することで、座標入力有効領域5全域のタッチ位置を検出できるようになる。従って、各センサユニット2が検出した遮光方向の有無、及び遮光方向に基づき、座標算出に必要なセンサユニットを選択して、タッチ位置を算出する。そして、選択したセンサユニット2の組み合わせに応じて、式(8)、式(9)のパラメータを変更して、座標変換を行えばよい。
尚、図7(F)に示すように、センサユニット選択の境界領域近傍にタッチ位置Pが存在すると、この場合は、図7(B)もしくは図7(C)の状態のセンサユニットの組み合わせで、そのタッチ位置を算出できる。具体的な構成として、例えば、センサユニット2−L2の視野範囲と、センサユニット2−R1の視野範囲は、座標入力有効領域5の対角線方向で重複するように構成される。そして、重複した領域でタッチした場合には、複数通りのセンサユニットの組み合わせで座標算出が可能となる。その場合にあっては、両者の組み合わせで算出した座標値の平均値を確定座標として出力しても良い。
さて、このように算出された座標値は、座標入力装の第1の座標系(以後、デジタイザ座標系と称す)の値であって、位置算出が可能な有効領域は図3における座標入力有効領域5である。そして、この座標入力有効領域5の範囲内にディスプレイの表示面を設けることになる。ディスプレイが仮にフロントプロジェクターとすると、図8に示すように、投影画像である表示領域8が座標入力有効領域5内に設定されることになる。図8では、d1を原点としてdx軸、dy軸からなる表示座標系である第2の座標系(以後、スクリーン座標系と称す)からなる。表示されている画像を直接タッチすることで、アイコン等のタップ操作を行うためには、デジタイザ座標系とスクリーン座標系の相関をとる必要が有る。
通常、この種の相関を得るために、表示制御を行っているパーソナルコンピュータ(PC)には、専用のアプリケーションソフトがインストールされる。アプリケーションを起動すると、表示画面には十字クロス等の指標が表示され、ユーザにその指標が示す位置(クロス位置)をタッチするように促す。その動作を異なる位置で所定回数繰り返すことで得られるデジタイザ座標系の座標値と、指標が表示されている位置のスクリーン座標系の座標値とが一致するように、座標系の変換が行われる。
座標入力装置にあっては、アプリケーションソフトを使って指標の位置を表示させてタッチさせるのではなく、表示画面の4隅頂点をタッチすることで、この座標変換を行っている。このように構成することで、その場にあるPCに接続することで、特別なソフトをインストールすることなく直ぐに使えると言う優れた効果が得られる。特に、座標入力装置は、センサバー1を持ち運んで会議室に設置する可搬型であり、一緒にPCを持ち運ぶ必要が無いと言うことは大きな利点である。持ち運んだ先の、その場のPC、その場の表示装置を利用して、簡単に設置を完了させて直ぐに使えると言う優れた効果を発揮する。
この座標系を一致させるモードへの遷移は、例えば、センサバー1に設けられたモード遷移スイッチ(不図示)で行われる。モード遷移スイッチによりモードが遷移すると、センサバー1に内蔵されるスピーカ等の出力部により、4隅部を順次タッチするようにガイダンスする。また、隅部のタッチが完了する毎に、入力が完了したことを示すブザー音を報知しても良い。または、センサバー1に内蔵されるインジケータで、その操作を促しても良い。
さて、デジタイザ座標系での座標算出では、式(8)及び式(9)で演算に用いるセンサユニット2間の距離dhが既知である必要が有る。しかしながら、表示装置と組み合わせて使用する図1のような使用態様の場合、この距離dhは必ずしも既知である必要は無い。つまり、ディスプレイの大きさを示す4隅部の情報が、タッチ操作することにより順次デジタイザ座標系における各センサユニットでの角度情報として取得される。その結果、比による計算だけで、スクリーン座標系のタッチ位置座標を算出することが可能となるからである。
さて、座標入力装置は、種々の表示サイズの表示面に対して、ユーザが2本のセンサバー1を装着して使用することを想定している。そして、2本のセンサバー間の相対的な位置関係が図7(A)となる(2つのセンサバーが平行、同一長さ、かつX軸方向に他方のセンサバーのセンサユニットが配置される)ことで、デジタイザ座標系での高精度な位置検出が可能となる。2本のセンサバー1がこのような配置となる仕組みを設けることも可能であるが、その場合、ユーザにそれなりの慎重な設置作業を強いることになる。仮に、2つのセンサバーを目分量で簡単に装着できれば、利便性の向上、設置時間の大幅短縮へとつながる。そこで、利便性向上のために、座標検出モードとして第2の検出モードを有する。
図9(A)は第2の検出モードを説明するためのマスター側のセンサバー1LのCPU61が出力する制御信号、及びセンサユニット2の動作を示すタイミングチャートである。
91、92、93がラインCCD41制御用の制御信号であり、SH信号91の間隔でラインCCD41のシャッター開放時間が決定される。ICGL信号92はセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号である。
CCDL信号94は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。ICGR信号93は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、シリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号を生成することになる。CCDR信号95は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。
LEDL信号96及びLEDR信号97は、各センサユニット2の赤外LED311の駆動信号である。SH信号91の最初の周期でセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2の赤外LED311を点灯するために、LEDR信号97がシリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3Rが各々のLED駆動回路に供給するための信号を生成する。
そして、SH信号91の次の周期で、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED311を点灯するために、LEDL信号96が各々のLED駆動回路を経て赤外LED311に供給する。
赤外LED311の駆動、及びラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算制御回路3Rの演算結果はマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
以上のように動作させることで、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2が発光した赤外LED311の赤外光を直接検出する。同様に、センサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2は、対向するセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2が発光した赤外LED311の赤外光を直接検出する。
尚、図5(B)では、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2と対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2とを異なるタイミングで動作する座標検出モードであり、これが第1の検出モードとなる。
図9(B)は、第2の検出モードで動作する場合に、センサユニット2で得られる検出信号波形を示している。対向する辺に設けられた2つのセンサユニット2の投光部30からの発光をそれぞれ受光するので、ピーク信号が2つ生成される。そして、先に述べた角度算出の方法と同様な方法で、その方向を各々算出する。尚、図中の破線は、図6(B)で示す受光部40の出力(光量分布)を示すものであり、方向Nj、方向Nfの間にピーク信号が生成されることを示している。
上述のように、ユーザが2つのセンサバー1を目分量で装着した場合であっても、高精度な位置検出を実現することが本願発明の目的の一つである。そのために、各センサユニット2が、対向するセンサバー1に収納されているセンサユニット2の投光部30の光を検出することで、対向するセンサユニット2がどの方向に位置するかを検出する。
図10を用いて、その様子を説明する。
図10において、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分をY軸、その法線方向をX軸とすれば、センサユニット2−L1及び2−L2の光軸はX軸と平行である。そして、対向するセンサユニット2−R1は、センサユニット2−L1から見ると角度θ1の方向であり、センサユニット2−L2から見ると角度θ3の方向である。同様に、θ1からθ8までの角度を算出することが可能であり、その結果、センサバー1Lのセンサユニット2−L1の光軸と、センサバー1Rのセンサユニット2−R1の光軸の成す角度θ9が算出される。
言い換えると、センサバー1Lとセンサバー1Rの相対的な傾きを検出することができる。更には、センサバー1の長手方向の長さが伸縮することによって変化した場合であっても、各センサユニット2間の絶対的距離を知ることはできないが、4つのセンサユニットの相対的な位置関係を取得することが可能である。そして、先に述べたディスプレイの大きさを示す4隅部の情報を、タッチ操作することで取得すれば、比による演算だけでも、スクリーン座標系での座標を高精度で算出することが可能となる。
図11は電源投入時からの初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、投影画像である表示領域8の全領域を含む矩形状の座標入力有効領域5を形成するために、操作者によってセンサバー1が入力面6に装着されると、例えば、電源投入が行われて初期設定を行う(ステップS101)。
次に、CPU61のポート設定、タイマ設定等の座標入力装置に係る各種初期化を行うとともに、光電変換素子に残っている余分な電荷を除去する等のラインCCD41の初期化も行う(ステップS102)。次に、ラインCCD41が検出する光量の最適化を行う。上述のように、表示領域8の大きさは、入力面6の大きさにより一意では無い。そのような場合であっても、センサバー1の長さを伸縮させたり、センサバー1間の距離が適宜ユーザによって設定される。従って、装着の状態によって、検出される光の強度は異なるので、ラインCCD41のシャッター開放時間や赤外LED311の点灯時間、もしくは赤外LED311の駆動電流の設定を含む第2の検出モードで動作設定を行う(ステップS103)。次に、ラインCCD41の出力信号を取り込む(ステップS104)。
ここで、ステップS103における動作設定とは、対向するセンサユニット2から直接光を受ける動作の状態(図9における第2の検出モード)であって、4つのセンサユニット2の相対的な位置関係を導出することを目的とする。ステップS103で、仮に最初の動作設定を光量が最大に得られるように設定すると、ステップS105において、光が検出できない状態とは、センサユニット2の受光部40の視野範囲に、対向する位置にあるセンサユニット2が位置していないということになる。つまり、ユーザによるセンサバー1の配置/設置が不適な状態にあり、ステップS106でその旨を報知して、センサバーの再設置を促す。そして、ユーザによる再設置が完了すると、再び、ステップS101を開始することになる。尚、ステップS105及びステップS106で検出される信号は、図9(B)に示すような信号となり、本実施形態の場合は、2つの信号が出力されている状態が正常状態と言える。
次に、検出信号の波形のチェックを行う(ステップS107)。対向する位置にあるセンサユニット2の光が強すぎる場合、例えば、検出信号の波形(波形レベル)の少なくとも一部が所定の閾値を超える場合(ステップS107でNO)、ステップS103に戻り、例えば、露光時間をより短くする等の再設定を行う。そして、今度、ステップS107でチェックされる検出信号波形は、より光強度が弱い状態となっているはずである。そして、その信号レベルが適正である場合(ステップS107でYES)、例えば、検出信号波形の少なくとも一部が所定の閾値以下である場合、ステップS108に進む。この動作を、各センサユニット(本実施形態の場合、4つ)で実行し、すべての信号が最適化されると、センサユニット2の相対的な位置関係を算出する(ステップS108)。
ステップS1081降では、センサユニット2が投光した赤外光が、対向するセンサバー1に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、その光を自身の受光部40で検出した時の信号レベルを最適化する。上述したとおり、センサバー1の配置は一意では無く、その配置に応じた検出レベルを最適化することで、安定した信号を得ることを目的とする。設定する項目は、ラインCCD41のシャッター開放時間や赤外LED311の点灯時間もしくは赤外LED311の駆動電流の設定、そして、投光形態である。まず、既定状態として、投光形態制御部61bに対して、入力面6に距離が近い投光部301で投光するように制御信号を発行する。そして、第1の検出モードで動作設定を行う(ステップS109)。ステップS109で、仮に最初の動作設定を光量が最大に得られるように設定すると、その時のラインCCD41の出力信号を取り込む(ステップS110)。
取り込まれた出力信号は、照明時のデータであり、図6(B)のような波形となる。光が強すぎると、ラインCCD41のダイナミックレンジの範囲を超え、出力が飽和することになるので、正確な角度を算出することが困難となる。その場合は、ステップS111で、検出信号の波形が不適と判定され(ステップS111でNO)、ステップS109に戻り、検出信号の波形(波形レベル)がより小さくなるように、再設定が行われる。再帰反射光を検出するので、ステップS103〜ステップS108での処理(つまり、第2の検出モード)でセンサユニット2の投光を直接受光部40で検出する場合と比べて、格段に投光する光量が大きくなるように設定することになる。
そして、ステップS111で、波形レベルが最適と判断される場合(ステップS111でYES)、受光判定部61aにより、受光状態を判定する(ステップS1111)。受光判定部61aにおいて、検出信号波形のレベル(受光量)が図3(D)の閾値未満と判定された場合(ステップS1111でNO)、投光形態制御部61bに対して、その旨を示す判定信号を出力する。そして、ステップS1112において、投光形態制御部61bは、投光形態を変更し、つまり、入力面6に距離が離れた投光部302が投光するように変更し、再度。ステップS110に戻る。
この投光形態の変更に関し、更に、本発明の主な構成の概略図である図12を用いて、説明する。図12は、センサバー1L及び1Rを入力面6に装着した場合の側面から見た入力面6に垂直な方向の断面図である。図1(A)は、入力面6がフラットな場合を示し、図1(B)は、入力面6が凸状に湾曲している場合を示す。通常は、ステップS1081で説明した通り、既定状態として、投光形態制御部61bに対して、入力面6に距離が近い投光部301で投光するように制御信号を発行している。
図12(A)のように入力面6がフラットな場合には、図21(A)で示したように、入力面6に距離が近い投光部301で投光した場合にも投受光路が確保され、十分な受光強度が得られる。一方、図12(B)のように入力面6が凸状に湾曲している場合には、図21(B)で示したように、入力面6に距離が近い投光部301で投光した状態では、入力面の凸部分で投光の光路が遮られ、受光部40で十分な光強度が得られない。
つまり、図3(D)の受光部40での光の強度が、所定の閾値以下になってしまう。この場合の閾値は、演算制御回路3において、誤差なく検出できるS/N限界値により導出される値である。この場合、ステップS1111の判定によりステップS1112において投光形態制御部61bで入力面6に対し投光部301より距離が離れた投光部302で投光に変更するように制御する。この際、入力面6に距離が近い投光部301を消灯(非投光)しても、あるいは、そのまま投光を維持しても、どちらでも良い。
入力面6に距離が離れた投光部302は、図2(A)で説明した通り、投光部302は、投光部301と比べて、距離L_pd×2だけ、入力面6から離れて配置されている。この際、投光部302からの投光から受光までの光路において、想定される入力面の凸部分において光路が遮られないように設定される。つまり、投光部302と比べて、受光部40が、入力面6に距離が近い。投光部302の投光がセンサバー1の再帰反射部4で反射し受光部40への光路が、入力面の凸部分で遮られないように受光部40、再帰反射部4の入力面からの位置が予め設定される。
更に詳しく説明すると、入力面6が上に凸となる湾曲形状の場合、センサバー1Lの装着面が入力面6に平行な方向から上方向に傾斜しており、そこに装着するセンサユニット2の投光路も入力面に対して上方に向く。従って、対応する対向センサバー1Rに装着する再帰反射部4も入力面に対しより上方に装着する必要がある。従って、入力面6がフラットの場合と上に凸の湾曲面の場合、両方の場合の投受光路をカバーするためには、再帰反射部4を入力面に対して幅を広く配置する必要がある。
このように、入力面6の凸部分が存在する場合に、入力面6に投光部301より距離が離れた投光部302から投光することにより、入力面の凸部分で投光の光路が遮られることが無くなる。従って、受光部40で十分な光強度が得られる。再度、ステップS110を経て、ステップS111において、波形レベルが飽和していないか否かを判定する。これは、ステップS1112における投光形態制御部61bで投光部302を投光するように変更した制御により、受光強度が上がり過ぎる場合を想定した処理である。飽和していると判定断された場合には、再度、ステップS109に戻り、光の検出レベルがより小さくなるように、再設定が行われる。この際の再設定の程度は、投光形態変更後は段階を緩やかとするようにしても良い。引き続く、ステップS1111においては、投光部302からの投光であるから十分な光強度が得られ、受光強度が図3(D)の閾値以上となり(ステップS1111でYES)、出力レベルが最適と判定される。
そして、照明無しの状態の信号Base_Data[N](図6(A)参照)を取得してメモリ64に記憶する(ステップS112)。次に、照明有りの状態の信号Ref_Data[N](図6(B)参照)を取得してメモリ64に記憶する(ステップS113)。
このようにして、全てのセンサユニットでのデータが取得されると、一連の初期設定処理が完了する。
尚、図12では、センサバー1Lにおける処理に関して説明しているが、センサバー1Rにおける処理においても同様である。
以上の構成により、上記の初期設定において、凸部の湾曲している入力面6にセンサバー1を装着した場合にも、ユーザの特段の作業を伴うことなく、入力面の凸部に投受光路が遮られることなく光路が確保される。従って、以下に述べる高精度な指示位置座標検出を行うための十分な受光強度を確保できる。
図13(A)は初期設定処理後の通常のサンプリング動作を示すフローチャートである。
図11の初期設定処理を実行する(ステップS101)。その後、通常の取込動作(第1の検出モード)として、センサユニット2が投光した赤外光が、対向するセンサバー1に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、その光を自身の受光部40で検出した時の信号を検出する(ステップS201)。その時のデータは、Norm_data[N]であり、仮にタッチ操作があって光路を遮ると、図6(C)のように、画素番号Ncの辺りで光信号が検出できなくなる。
いずれかのセンサユニット2で、このような光の遮光部分が生成されたか否か、つまり、入力の有無を判定する(ステップS202)。入力が無いと判定される場合(ステップS202でNO)、再度、ステップS201に戻り、サンプリングを繰り返すことになる。一方、入力が有ると判定される場合(ステップS202でYES)、出力信号に遮光部分が生成されているセンサユニットを選択する(ステップS203)。その選択したセンサユニットを用いて、遮光部分が生成されている方向(角度)を各々算出する(ステップS204)。算出した角度に基づいて、デジタイザ座標系でのタッチ位置座標を算出する(ステップS205)。算出したタッチ位置座標を変換パラメータを用いてスクリーン座標系に変換して、パーソナルコンピュータの外部機器に、その座標値を出力(送信)する(ステップS206)。
尚、この際に、入力面6をタッチしている状態であるか否かを示すタッチダウン信号/タッチアップ信号をあわせて出力しても良い。この種の座標入力装置にあっては、タッチ面をタッチすることで、光路は100%遮断されることになるが、タッチ状態から少しずつ浮かせることによって、少しずつ光が透過するようになる。従って、光がどの程度遮られたかを演算することで、タッチ状態にあるのか、タッチはしてないが、光路を遮っている(角度演算は可能であり、その場合でもその位置を演算可能)状態であるのかを、閾値を設定することで判定できる。
センサバー1に構成されているスイッチ等の切替部の操作により、デジタイザ座標系とスクリーン座標系を一致させるためのキャリブレーションモード(第2の検出モード)に遷移することになる。そこで、図13(B)を用いて、そのキャリブレーションモードのフローチャートを説明する。
キャリブレーションモードは、センサバー1を装着した直後、あるいは設置完了後であっても、何らかの拍子でディスプレイの表示位置がずれてしまった場合に行われる。キャリブレーションモードに遷移すると、先ずは、初期設定処理を行う(ステップS101)。これは、センサバーが使用中に設置状態がずれた場合を想定して、光出力の最適化、センサユニットの位置ずれを補正することになる。
そして、ユーザによる表示領域8の4隅頂点のタッチ操作を行わせるために、ステップS201及びステップS202を経て、そのひとつの位置のタッチが行われたかを判定する。ステップS203及びステップS204で、必要な角度情報を算出する。ステップS205で、算出した角度情報に基づいて、デジタイザ座標系でのタッチ位置座標を算出する。その後、データの取得が完了したことを報知する(ステップS301)。この報知は、例えば、完了を示すビープ音を出力する。
次に、表示領域8の4隅頂点の全ての情報(タッチ位置座標)の取得が完了したか否かを判定する(ステップS302)。取得が完了していない場合(ステップS302でNO)、ステップS201に戻る。一方、取得が完了している場合(ステップS302でYES)、算出した4つのデジタイザ座標系でのタッチ位置座標の位置関係を認識する(ステップS303)。
例えば、図8におけるセンサバー1Lは表示領域8に対して左側に、センサバー1Rは表示領域8に対して右側に配置するように左右専用仕様とする。その場合、ステップS205で算出した4つのデジタイザ座標系でのタッチ位置座標d1、d2、d3、d4の位置関係、つまり、上下左右の位置関係を、ステップS303において、一意的に認識することができる。
尚、上記実施形態では、センサバー1L及び1Rの左右の特定は仕様に寄るとしたが、センサバーの位置の検出機能はこれに限定されるものではなく、更には、左右に限らず上下に配置する場合にも対応しても良い。例えば、センサバー1L及び1Rに角度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、識別切替スイッチ等の位置検出部を設けても良い。
以上説明したように、実施形態1によれば、入力面の状態に応じて、座標検出のための投受光路を調整することができるので、入力面の平面性が確保されていない状態でも、その状態に影響を受けることなく、高精度に座標入力を行うことができる。
<実施形態2>
実施形態1においては、演算制御回路3の受光判定部61aにおいて、検出信号波形のレベルを判定し、投光形態制御部61bにより投光形態を変更する構成となっている。更に、受光判定部61aにおいて、検出信号波形のレベルではなく、センサユニット2からの異なる方向(受光方向)、つまり、異なるラインCCDの画素領域におけるレベル比を判定して、投光形態制御部61bにより投光形態を変更してもよい。
この実施形態2を説明するために、入力面6の湾曲状態応じてセンサバー1を装着した場合の側面断面図と受発光光路図を図14を用いて説明する。また、その各湾曲状態応に対応した受光強度を図15を用いて説明する。また、実施形態2における処理を図16のフローチャートを用いて説明する。
尚、図14においては、再帰反射部4の装着位置を簡易的に一か所に装着して示しているが、実施形態1のように、センサユニットの投受光窓近傍では、垂直方向に複数個所に分散させて装着しても良い。また、実施形態2の図16のフローチャートにおいて、実施形態1の図11のフローチャートと異なる点は、ステップS1111aの受光強度の判定の処理のみであり、他の処理は図11のフローチャートの処理と同様である。
図14(A)のように、入力面6がフラットな場合には、図3(A)において、センサバー1Lのセンサユニット2−L1に関わる方向jと方向fのセンサバー1Rの再帰反射部4に関わる投受光光路を遮るものはなく、受光強度は、図15(A)のようになる。つまり、横軸がセンサユニット2に関わる受光角度方向jと方向fに対応する受光強度はほぼ等しくなる。従って、センサユニット2に関わる角度の方向jと方向fに対応する受光強度をそれぞれF、Jとすると、F≒Jとなる。ここでいうF≒Jとは、本来の投光特性、距離減衰特性、受光特性を併せた光量分布と同様という意味である。
図14(B)のように、入力面6が凸状に湾曲している場合には、図21(B)で示したように、入力面6に距離が近い投光部301で投光した状態では、入力面6の凸部114で投光の光路が遮られ、受光部40で十分な光強度が得られないのは前述の通りである。この入力面6が凸状に湾曲している状態を図3で2次元的にみてみると、通常の入力面6の凸状態は中央部の凸度が周辺より大きい球面状に凸となっている場合が多い。
この場合、センサユニット2に関わる角度の方向jに比べて方向fの方が入力面の凸度合いが大きく、より大きく投受光路が遮られることになる。従って、受光強度の分布において、方向jの受光強度Jより方向fの受光強度Fの方がより小さくなる傾向がある。この受光強度の比J/Fが、誤検出のない受光強度範囲、つまり、飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす所定値以上で有る必要がある。
従って、図16のフローチャートのステップS1111aでは、受光判定部61aにおいて、受光強度の比J/Fがこの飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす所定値以上であるか否かを判定する。ステップS1081で説明した通り、既定状態では、投光形態制御部61bに対して、入力面6に距離が近い投光部301で投光するように制御信号を発行している。
従って、図14(B)のように、入力面6の凸度が大きくなると、投光部301の投受光路が入力面6の凸部114で遮られ、受光強度の比J/Fが所定値より小さくなる場合がある。その場合は、ステップS1111aにおいて、受光判定部61aは、J/F<所定値との判定により(ステップS1111aでNO)、ステップS1112に進む。そして、ステップS1112において投光形態制御部61bで入力面6に対し投光部301より距離が離れた投光部302に変更して投光するように制御する。この際、入力面6に距離が近い投光部301を消灯しても、あるいは、そのまま投光を維持しても、どちらでも良いのは実施形態1と同様である。
入力面6に距離が離れた投光部302は、図2(A)で説明した通り、投光部302は、投光部301と比べて、距離L_pd×2だけ、入力面6から離れて配置されている。この際、投光部302からの投光から受光までの光路において、想定される入力面6の凸部114において受光強度の比J/Fが飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす所定値以上となるように設定される。つまり、投光部302と比べて、受光部40が、入力面6に距離が近い。従って、投光部302からの投光が対応するセンサバー1に装着された再帰反射部4で反射した反射光が受光部40に受光される光路が、次のように設定される。
つまり、入力面6の凸部114において光路が遮られず、受光強度の比J/Fが飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす所定値以上となるように、受光部40及び再帰反射部4の入力面6からの装着位置が予め設定されている。従って、投光部302からの投光の場合、図14(C)で示されるような受発光路となり、その際の受光強度分布は、図15(C)のようになる。そして、この際の受光強度の比J/Fは飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす所定値以上となる。ステップS1112後のステップS110、ステップS111は実施形態1と同様であり、再度、ステップS1111aにおいて、受光判定部61aによるJ/F≧所定値との判定により(ステップS1111aでYES)、ステップS112に進む。以降は、実施形態1と同様である。
一方、入力面6が凹状となっている場合には、図14(D)のような投受光光路となる。この場合、投光路は、入力面6に反射するように投光されるので、入力面6表面で反射して再帰反射部4に到達し、更に再帰反射し、再度、入力面6表面で反射して、受光される光路となる。この場合、入力面6が凸の場合と逆で、入力面6の中央の凹みが最も凹度合いが大きくなる。そのため、図3の方向jの受光路に比べて、方向fの受光路の方が相対的に遮えられる入力面6の高さが低くなり、受光する入力面6からの反射光が大きくなる。従って、受光強度の分布は、図15(D)のように、受光強度の比J/Fは所定値以上となる。従って、入力面が凹状となっている場合には、ステップS1111aでは、受光判定部61aによるJ/F≧所定値との判定により(ステップS1111aでYES)、ステップS112に進む。以降は、実施形態1と同様である。以上、図14では、センサバー1Lにおける処理に関して説明しているが、センサバー1Rにおける処理においても同様である。
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、入力面の状態による受光強度の変化を判定して、飽和レベルとノイズ限界レベルの間に収まるダイナミックレンジを満たす受光強度を得るように投光部の投光形態を制御する。これにより、より理想的な受光強度による座標検出環境を実現して、高精度な座標検出が可能となる。
<実施形態3>
実施形態1及び2においては、センサユニット2の構成として、受光部40を挟んで、入力面6に距離が近い位置と遠い位置の2箇所に投光部301及び302を配置する構成としている。そして、その2箇所の投光部301及び302の投光形態を変化させることにより、入力面6の湾曲凸状態による受光強度の変化に対応している。しかし、図17に示すように、センサユニット2の構成として、受光部40の近傍に1箇所、投光部301(基準投光部)を配置し、センサバー1の入力面6への装着面を裏表裏返して装着する構成でも良い。つまり、装着面として、表面(第1の装着面)と、表面に対向する裏面(第2の装着面)を備える。
図17は実施形態3の構成で入力面6にセンサバー1を装着した状態の断面図である。図17(A)は入力面6がフラットな場合、図17(B)は入力面6が凸で湾曲した場合を示している。センサユニット2の構成としては、従来と同様に受光部40近傍に投光部301を一箇所配置した構成である。更に、センサバー1Lには接触ボタン801が装着される。
入力面6がフラットな場合には、センサユニット2において、投光部301が受光部40より入力面6に距離が近い配置となるように入力面6に表面(第1の装着面)を装着する。この際、接触ボタン801が、入力面6とは反対側の裏面(第2の装着面)に配置されており、負荷がかかっていない状態である。つまり、投光部301は第1の装着面側に配置され、一方、接触ボタンは第2の装着面側に配置される。そして、この接触ボタン801の押下状態に応じて、投光部が入力面6に対して近い位置にあるのか遠い位置にあるのかを判定することができる。換言すれば、装着面が表面であるのか裏面であるのかを判定することができる。
ここで、この入力面6がフラットな場合には、実施形態1で説明した通り、入力面6による影響はないので、投受光路は確保され、十分な光量、または、適切な受光強度の分布が得られる。
一方、図17(B)のように、湾曲して凸状態となる入力面6にセンサバー1を装着し、投光部301が受光部40より入力面6に距離が近い配置の場合、実施形態1で説明した通り、入力面6の凸部で投受光路が遮られ、十分な受光強度が得られない。これを演算制御回路3の受光判定部61aで受光状態変化を検知し、センサバー1L側面に装着した表示ランプ900を点灯させてユーザに報知する。
尚、この検知に関しては、センサバー1Lのみならず、センサバー1Rに関しても受光判定の判定結果を表示ランプ900で報知する。この表示ランプ900における報知(座標入力有効領域への装着面の変更を促す報知)により、ユーザは、センサバー1L及びセンサバー1Rの裏表を裏返して入力面6に装着する。その場合を示しているのが、図17(B)である。この状態は、入力面に対するセンサユニットの配置が逆になり、投光部301が受光部40より入力面6に対し距離が遠い配置となり、投光形態が変化する。この場合は、実施形態1の図12(B)と同様の光学的配置となり、入力面6の凸部114で投受光路を遮られることなく、十分な受光強度を得ることができる。この場合、図17(A)と反対面が入力面に設置されるので、接触ボタン801が押下される。
図18は、実施形態3の平面構成図であり、図18(A)は入力面がフラットな場合、図18(B)は入力面が凸で湾曲した場合を示している。図18(A)と図18(B)では、入力面6に対して、センサユニット2の位置関係は、左右は同じだが、上下は逆になる。従って、座標の算出において、Y軸方向の符号を逆にする必要がある。従って、入力面が凸で湾曲した場合、図18(B)においては接触ボタン801の押下を検知し、座標算出において、Y軸方向の符号を逆にする処理を行う。
図18(A)及び図(B)においては、左右のセンサバー1L、1Rそれぞれに接触ボタン801及び802が配置されており、左右のセンサバー1L、1Rの裏表の装着状態が揃っていることを確認することもできる。従って、もし、揃っていないことが検知された場合には、報知部(不図示)でその状態を放置し、操作者に修正を促してもよい。
以上説明したように、実施形態3によれば、センサバーの表裏のいずれにおいても装着可能な構成とすることで、内蔵する投光部の物理的位置をセンサバーの表裏の装着状態で変更することが可能となる。これにより、実質的に、実施形態1や2のような、2つの投光部の投光形態を切り替えて投光する構成を実現することができ、1つの投光部でも、実施形態1や2と同様の効果を得ることができる。
<実施形態4>
実施形態1〜3では、再帰反射部4は、センサバー1の側面の一部の複数個所、あるいは、一か所に固定的に装着を行う構成としている。その装着位置は、上述のように、投光部302からの投光が対応するセンサバー1に装着された再帰反射部4で反射した反射光が受光部40に受光されるまでの光路が、想定される入力面の凸部分においても光路が遮られないように予め設定される。
具体的には、入力面6がフラットで、投受光路を遮るものがない場合に、入力面6に距離が近い投光部301で投光する場合には、入力面6からの距離が短い位置に再帰反射部4を装着する。一方、入力面6が湾曲して凸で、投受光路を確保するため、入力面6に距離が遠い投光部302で投光する場合には、再帰反射部4も入力面6からの距離が遠い位置に装着する。更に、上述のように、入力面6が上に凸となる湾曲形状の場合、センサバー1の装着面が入力面6に平行な方向から上向に傾斜しており、そこに装着するセンサユニット2の投受光路も入力面に対して上方に向く。
従って、対応する対向するセンサバー1に装着する再帰反射部4も入力面に対し更に上方に装着する必要がある。上記実施形態においては、この再帰反射部4の位置が固定的であるので、上記いずれの場合もカバーするために、入力面6からの距離が短い位置から遠い位置の幅の広い範囲に再帰反射部4を装着する必要がある。
但し、この固定的な装着形態の場合、入力面6がフラットな場合にも、幅の広い再帰反射部4からの反射光を受光することとなり、その場合、入力面6からの投受光路の幅が深くなる。この場合、入力面6からの距離が大きいところから指示による遮光が始まり、入力感が阻害される。
これに対応するため、実施形態4においては、入力面6がフラットな場合と湾曲して凸の場合とで、再帰反射部4の入力面6からの装着位置を変化させる構成(位置変更機構)とする。具体的には、図19に示すように、実施形態4の再帰反射部4は、再帰反射部材400と示す。再帰反射部材400は、保持部材402、再帰反射シート401、回転軸を形成するヒンジ403により構成される。保持部材402を挟んで裏表に再帰反射シート401が装着され、保持部材402はセンサバー1の側面の略中間位置に固定される。
入力面6がフラットの場合、再帰反射部材400は、保持部材402から入力面側下方に回転させておくことにより、入力面6に近い位置に配置される。入力面6がフラットの場合、投受光路を遮るものがないので、この再帰反射部材400の位置で十分な受光強度を確保でき、しかも、入力感を損なうことはない。
一方、入力面6が上に凸で湾曲した場合には、受光判定部61aにより受光強度不足と判定される。この場合には、図中、表示ランプ900が点灯し、操作者に再帰反射部材400を入力面から持ち上げて移動させるように警告(配置変更を促す報知)する。操作者の操作により、再帰反射部材400はヒンジ403を軸に約180°回転し、入力面6がフラットの場合と反対側の再帰反射シート401が、センサバー1の側面に入力面6からより上方に配置され、固定部材(不図示)により固定される。受光判定部61aの判定に伴う、実施形態4の投光形態変更に関わる構成に関しては、実施形態1、あるいは実施形態2と同様である。
つまり、受光強度の判定により、入力面6が上に凸で湾曲した場合には、投光形態制御部61bで入力面6に対し投光部301より距離が離れた投光部302が投光するように制御する。従って、実施形態4により、入力面6の状態によらず投受光路が確保できると同時に、入力面フラット時の入力感に影響を与えない構成を実現できる。
尚、実施形態4においては、受光強度不足と判定に基づき表示ランプ900を点灯させ操作者に再帰反射部材400の移動を促したが、ヒンジ403に動力機構を付加させ、受光強度に応じて、再帰反射部材400の位置を自動的に変更する構成としても良い。また、再帰反射部材400の位置を変更させる構成は、ヒンジ403を含んだ回転機構に限られるものではなく、入力面6に垂直方向に移動する機構を有しても良い。更には、別途高さの異なる再帰反射部材400を用意し、受光強度に応じて、つまり、報知に応じて、センサバーに装着する構成としても良い。
以上説明したように、実施形態4によれば、再帰反射部の配置位置を可変とすることで、複数個所に再帰反射部を配置しなくても、投光部の投光形態に最適な位置で再帰反射部を配置して、実施形態1や2と同様の効果を得ることができる。
<実施形態5>
実施形態1及び2においては、受光部40を挟んで、入力面6に距離が近い位置と遠い位置の2箇所に投光部301及び302を配置する構成としている。しかし、投光部301及び302は、必ずしも受光部40を挟んだ配置とする必要はなく、各々の投光部301及び302の入力面6からの距離が異なれば、それ以外の配置でも良い。また、投光部は、2箇所に限らず、入力面6からの距離が異なれば、3箇所以上配置する構成としても良い。
<<本願発明の特徴的な構成及び効果>>
上述のように、本願発明は、略矩形状の座標入力有効領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置であって、センサユニットを少なくとも2つ内蔵する第1の筺体及び第2の筺体(センサバー)を有する。各々の筺体には入射した光をもとの方向に戻すための再帰反射部が設けられ、略矩形状の座標入力有効領域の対向する2辺に、第1の筺体及び第2の筺体が各々設けられる。
各々の筺体に設けられたセンサユニットは、対向する辺に設けられた筺体の再帰反射部に向かって赤外線を投光する投光部と、該再帰反射部で再帰反射された光を受光する受光部よりなる。座標入力有効領域をタッチすることによって光路が遮られ、少なくとも2つのセンサユニットは、タッチ位置に応じた光が遮られた方向を検知することができる。少なくとも2つのセンサユニットが検出した角度情報と、当該2つのセンサユニット間の距離情報に基づき、幾何学的な演算によりタッチ位置を算出できる。
第1の筺体及び第2の筺体は座標入力面であるところのスクリーン面に装着、取り外し可能にするための着脱部が設けられ、第1の筺体及び第2の筺体を持ち運ぶことができるように構成される。
持ち運ぶことを考慮すると、第1の筺体及び第2の筺体はより小さく小型に、より軽量に構成されることが望ましい。本願発明のセンサユニットの受光光学系は予め指定された範囲(約50°程度)の視野範囲を有し、受光光学系の光軸は光電変換素子の画素の法線方向に設定されるものの、視野範囲は光軸対称には設定されておらず、光軸非対称な光学系を有する。そして、その光軸(もしくは光電変換素子の画素の法線方向)は、筺体に収納されている少なくとも2つのセンサユニット(受光光学系の光軸中心)を結ぶ直線と垂直になるように設定されている。このように構成することで、センサユニットを格納する筺体を、より小型に構成できる。
スクリーン面の大きさは種々のサイズ、あるいはアスペクト比が想定され、スクリーン面の大きさ、形状に合わせて、座標入力有効領域が設定されるのが好ましい。従って、第1の筺体及び第2の筺体には伸縮部が設けられ、伸縮量を調整することによって筺体内に設けられるセンサユニットの距離が可変し、スクリーン面の大きさに応じてセンサユニットを適宜配置できるように構成される。
さらには、センサユニットを具備する第1の筺体及び第2の筺体を装着する際、両者の相対的な位置関係が精密に位置決めされなくても、高精度にタッチ位置の検出が行えることが好ましい。従って、筺体を装着した際に、各々の筺体に格納されているセンサユニット間の相対的な位置情報を検出する検出部を設け、ユーザが意識することなく簡単に筺体を装着できる。
さらには、座標入力装置が出力した情報を受信する、例えば、パーソナルコンピュータ等に、専用のドライバソフトをインストールする必要が無ければ、どのパーソナルコンピュータ等に接続しても直ぐに使えることになる。従って、座標入力装置の座標系(デジタイザ座標系)と表示装置の座標系(スクリーン座標系)の一致(キャリブレーション)作業を、パーソナルコンピュータを介在させること無く行えるように構成している。
以上の座標入力装置における本願発明の主要部分は以下のようになる。
入力面を指示することにより座標を入力する座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置であって、
第1の筺体と前記第2の筺体であって、それぞれの筺体が、
前記座標入力有効領域に対して平行に向けて投光する投光部として、前記入力面からの距離が異なる第1の投光部と第2の投光部の少なくとも2つの投光部と、光を受光する受光部とを備えるセンサユニットを少なくとも2つ内蔵し、
前記筺体が装着される前記座標入力有効領域の装着面とは異なる長手方向の側面に、入射光を再帰的に反射する再帰反射部が装着されている、
第1の筺体と第2の筺体と、
前記第1の筺体と前記第2の筺体が前記座標入力有効領域の対向する2辺近傍に装着された状態で、前記第1の筺体と前記第2の筺体それぞれの前記受光部から得られる光量分布の変動に基づいて前記座標入力有効領域の前記指示位置を計算する計算手段と、
前記第1の筺体と前記第2の筺体それぞれについての前記受光部の受光状態を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の筺体と前記第2の筺体それぞれについての前記第1の投光部と前記第2の投光部を少なくとも一方を使用して投光を行うように、前記第1の投光部と前記第2の投光部による投光形態を制御する制御手段と
を有する。
以上説明したよう、本願発明によれば、タッチ位置の検出に必要な構成要素が、2つの筺体内に全て収納され、当該筺体を、例えば、平面状のホワイトボード、壁面等に装着することで、タッチ位置の検出が可能となる。つまり、本願発明の座標入力装置は、座標入力有効領域であるタッチ入力面を必須の構成要素として持っていない。従って、たとえ座標入力有効領域が大型(例えば、90インチクラス)になるとしも、当該2つの筺体のみを持ち運ぶことで、何処でもその操作環境を実現することができる。更には、タッチ入力面を構成要素として具備していないので、製品コストは当然のことながら大幅に低下させることができる。言い換えれば、ユーザが所有している既存のホワイトボード等を活用することで、導入コストを低下させることができる大きな効果が得られる。
更には、構成要素が2つの筺体に全て具備されているので、ユーザによるホワイトボードへの装着、配線等も容易にできる効果が得られる。無論、持ち運ぶことを想定すれば、より軽量/小型の筺体で有ることが好ましく、センサユニットの受光光学系を光軸非対称とすることで、筺体の軽量化/小型化を実現し、可搬性を向上させることができる。
更には、例えば、既存のホワイトボードに装着することを考慮すると、製造メーカ、製品の型番等により、そのサイズは種々存在する。従って、ユーザが既に購入して使用しているホワイトボードを活用して使用できると言うことは、導入コストの削減、あるいは資源の有効利用と言う点で優れた効果が得られる。
更には、高精度な位置検出を可能とする座標入力装置にあって、装着する筺体をそこそこの精度で装着可能とすることで、設置の煩わしさ、設置時間を大幅に削減する効果も得られる。
例えば、ホワイトボード、パーソナルコンピュータ、フロントプロジェクターが既に導入されている会議室に、2つの筺体からなる当該座標入力装置を運び入れて、画面を直接タッチして操作する環境を構築することを想定する。
この時、会議室に既に導入されているパーソナルコンピュータを直ぐに使えることが好ましく、座標入力装置を動作させるためにドライバー等のインストールを不要にすることで、設置容易性、可搬性が向上する。つまり、当該座標入力装置と共に、ドライバー等が既にインストールされている専用のパーソナルコンピュータを持ち運ぶ必要が無くなる。もしくは、会議室のパーソナルコンピュータへのインストール作業が不要であることから、余分なセットアップ時間がかからず、直ぐに会議を始めることができる優れた利点が得られるようになる。
また、座標入力装置を、凸/凹状の湾曲しているホワイトボード及び壁等の入力面に装着した場合にも、特段の部材を別途追加することなく、高精度な座標検出が可能となる。
尚、本発明の座標入力装置における処理(フローチャート)は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。