JP2017045336A - 入力装置及び検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱光の影響を低減させて、入力された位置の検出を高精度に行える技術を提供する。
【解決手段】指示手段によって入力領域に入力が行われる入力装置であって、入力領域の周辺に設けられ、光を投光する投光手段と、入力領域の周辺に設けられ、投光手段によって投光される光を反射する反射手段と、反射手段で反射された光のうちの特定の波長の光を透過する光学フィルター手段44と、所定の検出範囲から入射され、光学フィルター手段44を透過する光を検出する検出手段41とを有し、光学フィルター手段44は、その表面に対する法線方向nが、検出範囲の中間となる方向iと対応するように配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、指示手段によって入力面の入力領域に入力された位置を検出する入力装置及び検出方法に関する。
従来、入力装置としては、各種の方式による座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案され、また製品化されている。例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことがきるタッチパネル等が広く用いられている。その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、光や超音波を用いたもの等、種々のものがある。
例えば、光を用いたものとして、座標入力面の外側に再帰性反射材を設け、投光手段からの光を再帰反射手段で反射し、その光量分布を受光手段により検出する方式が知られている。そして、従来、座標入力領域内を指等で指示することによってこの光路を遮り、遮光された方向を求めることで、指示位置を算出する手法が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、特許文献2には、光学遮光方式の座標入力装置において、投光手段からの光線の波長成分を含まないノイズとなる外乱光を除去するために、光学フィルターを受光手段に備える構成が開示されている。
また、特許文献3には、光学遮光方式の座標入力装置において、受光手段における光量分布の均一化のため、投光手段からの光路方向によりフィルターの傾斜角度が異なる複数の面を有する構成が開示されている。
この種の座標入力装置を表示手段と一体とすることによって、表示手段の表示画面をタッチすることで、表示状態を制御したり、あたかも紙と鉛筆のような関係でタッチ位置の軌跡を筆跡として表示したりすることが可能となる。
特開2004−272353号公報 特開平6−169376号公報 特開2006−59153号公報
表示手段の表示画面をタッチすることで操作するユーザーインターフェースは、直観的であり誰でもが使えるということで、今や携帯機器では一般化している。当然のことながら、より大きな表示画面を有する装置であっても、そのような操作ができることが望まれている。大画面を使った具体的用途としては、会議用途でのプレゼンテーションやホワイトボード機能として、教育現場におけるICT化教育、デジタルサイネージといった市場からの要望が大きい。
この種の座標入力装置は、基本性能として常に安定して高精度に入力された座標位置を検知することが求められる。これを阻害する要因の1つに、外乱光の影響がある。つまり、受光手段のセンサの受光感度波長成分と重なる波長帯域の光が外部から入射し、受光手段で検出された場合に、投光手段で発した本来の光の検出に歪みを発生させて誤差の要因となる。これを防ぐために、背景技術で述べたように、投光手段で発した光の波長成分を透過し外乱光の波長成分をカットする光学フィルターを受光手段に備えた構成が上述の先行技術文献に開示されている。
外乱光の波長成分が十分に本装置の投光手段で発する光の波長帯域と離れている場合には、通常の波長カット特性がなだらかな光吸収式の光学フィルターを用いても、投光手段で発した光の波長成分の透過に影響を与えることはない。しかしながら、例えば、ある他の装置から発せられ外乱光の波長帯域が本装置の投光手段で発する光の波長帯域と近接している場合には事情が異なる。つまり、その場合には、通常の波長カット特性がなだらかな光吸収式の光学フィルターを用いた場合、投光手段で発した光の波長成分にも影響を与えてしまい受光量が減少する。この場合には、通常の波長カット特性が急峻な干渉フィルターを用いることとなる。しかしながら、この干渉フィルターは、原理的にフィルター表面の薄膜間の干渉により、特定の波長光に対して作用するものであり、入射角度により特性が変動してしまう。したがって、単に受光手段の形状に基づいて干渉フィルターを配置した場合、一部の受光範囲について十分な光量で、入力された座標位置の検知が行えないという懸念があった。
即ち、従来においては、外乱光の影響を低減させて、入力された座標位置の検知を高精度に行うことに関して、課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外乱光の影響を低減させて、入力された位置の検出を高精度に行える技術を提供することを目的とする。
本発明の入力装置は、指示手段によって入力領域に入力が行われる入力装置であって、前記入力領域の周辺に設けられ、光を投光する投光手段と、前記入力領域の周辺に設けられ、前記投光手段によって投光される光を反射する反射手段と、前記反射手段で反射された光のうちの特定の波長の光を透過する光学フィルター手段と、所定の検出範囲から入射され、前記光学フィルター手段を透過する光を検出する検出手段とを有し、前記光学フィルター手段は、その表面に対する法線方向が、前記検出範囲の中間となる方向と対応するように配置される。
また、本発明は検出方法を含む。
本発明によれば、外乱光の影響を低減させて、入力された位置の検出を高精度に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置に係る概略構成の一例を示す図である。 図1に示すセンサバー筐体に内蔵されるセンサユニットの内部構成の一例を示す図である。 図2(A)に示す矢印方向から見たセンサユニットに含まれる受光手段の構成図である。 図1に示す本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置の動作を説明するための図である。 図3に示す光学フィルター手段のフィルター特性の一例を示す図である。 図1に示す演算制御回路の内部構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、センサユニットをモード1で動作させるためにマスター側のCPUが出力する制御信号、及び、センサユニットのモード1における動作の一例を示すタイミングチャートである。 図1に示す各センサユニットから出力される信号の一例を示す図である。 図1に示すセンサユニットと座標入力面の座標入力有効領域との位置関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、デジタイザ座標系とスクリーン座標系を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態を示し、センサユニットをモード2で動作させるためにマスター側のCPUが出力する制御信号、及び、センサユニットのモード2における動作の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置による座標入力方法を示すものであって、電源投入時からの初期設定工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置による座標入力方法を示すものであって、図12のステップS101における初期設定後の通常のサンプリング動作及びキャリブレーション動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る座標入力装置に係る概略構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、1つのセンサユニットの内部に構成される複数の受光手段の内部構成の一例を示す図である。 一般的な座標入力装置の構成例を示す図である。 一般的な受光手段の構成図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
まず、一般的な座標入力装置の構成を図16を用いて説明する。図16には、座標を入力する際に使用する座標入力面に相当する座標入力有効領域5、座標入力有効領域5の両端に配置されたセンサユニット2−L及び2−R、演算制御回路3、及び、再帰反射手段4が示されている。図16に示す演算制御回路3は、センサユニット2−L及び2−Rを制御してセンサユニット2−L及び2−Rから取得した出力信号を処理し、その処理結果を外部装置等に出力する回路である。また、図16に示す再帰反射手段4は、座標入力有効領域(座標入力領域)5の周囲の3辺に設けられ、進入してきた光を進入してきた方向に再帰的に反射するものである。
図16において、センサユニット2−L及び2−Rは、不図示の投光手段及び受光手段を有して構成されている。投光手段は、座標入力有効領域5の入力面にほぼ平行に扇形に広がる光を投光する。また、受光手段は、投光手段から投光された光が再帰反射手段4で再帰反射され、戻ってきた光を受光する。図16に示す座標入力装置では、2つのセンサユニット2−L及び2−Rでそれぞれ検知された光の遮光蔽方向(遮光角度θL,θR)と当該センサユニット間の距離に基づいて、座標入力有効領域5に入力されたタッチ位置Pを算出する。
図16では、センサユニット2−L及び2−Rの光軸方向を対称線として、センサユニット2−L及び2−Rの検出範囲が図16に図示するように対称に設定される。レンズ光学系を使ったこの種の装置にあっては、光軸との成す角が増大すると、収差の影響により光学性能が劣化するのが常であり、軸対称な光学系を採用することでより高性能な装置を実現できる。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置(入力装置)100に係る概略構成の一例を示す図である。座標入力装置100は、図1に示すように、センサユニット2−L1及び2−L2並びに演算制御回路3−Lを含むセンサバー筐体1−Lと、センサユニット2−R1及び2−R2並びに演算制御回路3−Rを含むセンサバー筐体1−Rと、再帰反射手段4−L及び4−Rと、座標入力有効領域(座標入力領域)5を含む座標入力面6を有して構成されている。この座標入力装置100は、指等の指示手段によって座標入力面6の座標入力有効領域5に入力された座標位置を光学的に検知する座標入力装置である。
各々のセンサバー筐体1−L及び1−Rは、図1に示すように、矩形状の座標入力有効領域5の対向する2辺に設けられている。仮に表示装置がフロントプロジェクターとすれば、表示領域は座標入力有効領域5の範囲内に設定され、例えば平面状のホワイトボード等の座標入力面6に投影される。なお、座標入力面6は、ホワイトボードの座標入力面に限定されるものではなく、壁面等の座標入力面であってもよい。
各々のセンサバー筐体1−L及び1−Rの側面には、それぞれ、図1に示すように、再帰反射手段4−L及び4−Rが装着されている。各々の再帰反射手段4−L及び4−Rは、対向する辺に設けられたセンサバー筐体1中のセンサユニット2が投光した光(例えば赤外光)を、再帰的に反射できるように構成されている。即ち、再帰反射手段4−L及び4−Rは、座標入力有効領域5の周辺に設けられ、入射した光を再帰的に反射するものである。
上述したように、センサバー筐体1−Lに内蔵される演算制御回路3−Lは、センサユニット2−L1及び2−L2を制御して、その出力結果を演算処理するとともに、センサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rを制御する。センサバー筐体1−Rに内蔵される演算制御回路3−Rは、センサユニット2−R1及び2−R2を制御して、その出力結果を演算処理し、その演算処理結果をセンサバー筐体1−L中の演算制御回路3−Lに送信する。そして、センサバー筐体1−L中の演算制御回路3−Lは、4つのセンサユニット2からの出力結果を処理して、指等の指示手段によって座標入力面6に入力された座標位置を算出し、PC等の外部装置へその算出結果を出力する。
本実施形態では、センサバー筐体1−L中の演算制御回路3−Lとセンサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rとは、コードで接続されることを想定するものとするが、例えば無線等で通信接続する形態であってもよい。また、以後の説明においては、図1に示すように、座標入力面6の水平方向をX軸(図面右側が+)、座標入力面6の天地方向をY軸(下側が+)として説明する。
図2は、図1に示すセンサバー筐体1に内蔵されるセンサユニット2の内部構成の一例を示す図である。具体的に、図2(A)は、図1における断面A−Aを示す図であり、図2(B)は、図2(A)に示す矢印方向から見たセンサユニット2に含まれる投光手段30の構成図である。また、図3は、図2(A)に示す矢印方向から見たセンサユニット2に含まれる受光手段40の構成図である。
図2(A)において、センサユニット2は、センサバー筐体1に内蔵されており、図2(B)に示す投光手段30、及び、図3に示す受光手段40を含み構成されている。ここで、投光手段30と受光手段40との距離はL_pdであり、その間及び近傍の複数個所に再帰反射手段4が図2(A)に示すように設けられている。なお、図2(A)に示すように、再帰反射手段4は、少なくとも、センサユニット2の投受光窓近傍のみの位置に装着されている。したがって、再帰反射手段4は、センサユニット2以外の装着位置に関しては、座標入力面6から所定距離の範囲内に連続的に装着されていてもよい。
図2(B)に示すように、投光手段30は、赤外光等を発光する発光手段であるLED31、投光レンズ32、及び、両者を固定するための接着層33を有して構成される。なお、図2(B)に示す例では、LED31と投光レンズ32との間に接着層33を設ける態様を示しているが、LED31が投光レンズ32に密着或いは近接させて光学的に問題なく投光できるものであれば、接着層33を必ずしも設ける必要はない。例えば、LED31が投光レンズ32にばね性のある部材で付勢される構成であってもよい。また、本実施形態では、発光手段としてLEDを適用した例を示すが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、赤外光等を発光するレーザーダイオード(LD)であってもよい。この図2(B)に示す投光手段30は、図1に示す座標入力有効領域5の周辺に設けられ、再帰反射手段4に向けて投光するものである。
投光レンズ32は、LED31からの光を、ホワイトボード等の座標入力面6と略平行な光束となるようにする。なお、投光レンズ32を別途設けずに、例えはLED31自体に投光レンズ32の機能を持たせ、一体とした構成としてもよい。
そして、図1に示す場合、センサユニット2−L1の投光手段30は、対向する辺に設けられたセンサバー筐体1−Rの再帰反射手段4−Rの全領域を照明するように、投光範囲が図2(B)のgからhの範囲であって頂点が点Oの位置の扇状の光束を出射する。このとき、投光手段30の光軸は、図2(B)のfの方向に設定される。
図3において、受光手段40は、投光手段30により投光された光が、対向する辺に設けられたセンサバー筐体1に装着されている再帰反射手段4によって再帰反射された光を受光するものである。この受光手段40は、図2(B)に示す投光手段30と一体的に構成されており、これらはセンサユニット2を構成する。
図3に示すように、受光手段40は、検出手段としての光電変換素子であるラインCCD41、受光レンズ42、絞り43、赤外線を通過させる光学フィルター手段44、及び、保護部材45を有して構成される。保護部材45は、光透過性の部材であって、センサバー筐体1内へのゴミ等の異物の侵入を防止するための保護部材である。また、保護部材45に赤外通過フィルター機能を設けることで、光学フィルター手段44と併せて、更に効果的に外乱防止効果を発揮させる構成としてもよい。
光学フィルター手段44は、再帰反射手段4で再帰反射された光のうちの特定の波長光のみを透過するものであり、ラインCCD41は、光学フィルター手段44を透過した特定の波長光を検出する検出手段である。そして、本実施形態では、図1に示す演算制御回路3は、ラインCCD41の検出に係る情報に基づいて、指等の指示手段によって受光手段40で検出できなくなった光の方向を求めて指示手段によって座標入力有効領域5に入力された座標位置を算出する。
本実施形態では、光学フィルター手段44として特定の長波長側の光をカットするハイカットの干渉フィルターで形成されているものを適用し、保護部材45として短波長側の光をカットするローカットの吸収型フィルターで形成されているものを適用する。なお、本実施形態では、光学フィルター手段44として、干渉フィルターで形成されているものを適用するが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、光学フィルター手段44として、例えば多層薄膜フィルターで形成されているものも適用可能である。
本実施形態では、図3に示すように、光学フィルター手段44は、その表面に対する法線方向nが、受光手段40における座標入力有効領域5を見込む検出範囲(g〜hの検出範囲)の中間となる方向iと一致するように配置されている。なお、ここでいう座標入力有効領域5を見込む検出範囲とは、受光手段40から座標入力有効領域5の方向を見たときの検出範囲であり、絞り43によって制限された、受光手段40によって検出可能な範囲全てでもよいし、検出可能な範囲のうちの座標の算出に必要な範囲でもよい。また、ここでいう座標入力有効領域5を見込む検出範囲とは、座標入力有効領域5と平行な面における二次元的な範囲である。法線方向nについても座標入力有効領域5と平行にしてもよい。
なお、光学フィルター手段44が、光学フィルターとしての機能を有している部材と、その他の部材で構成されている場合、ここでいう光学フィルター手段44の表面とは、光学フィルターとしての機能を有している部材で構成される面であればよい。
また、図3に示す例では、光学フィルター手段44が、法線方向nと方向iとが一致するように配置される例を示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、法線方向nと方向iとが略一致するように配置されていれば(光学的に一致すると見なせる範囲内であれば)適用可能である。
なお、図17は、一般的な受光手段40'の構成図である。
この図17に示す受光手段40'では、光学フィルター手段44'の向きが、図3に示す本実施形態に係る光学フィルター手段44と異なっている。具体的に、図17に示す光学フィルター手段44'は、その表面に対する法線方向nが、受光手段40'における座標入力有効領域を見込む検出範囲(g〜hの検出範囲)の中間となる方向iと略一致するようには配置されておらず、異なる方向となっている。
ここで、再び、図2及び図3の説明に戻る。
受光手段40は、その光軸がX軸方向に設定され、図3に示すように、検出範囲がgからhの範囲となっており、点Oの位置が光学的な中心位置となっている。また、受光手段40は、図3に示すように、光軸に対して非対称な光学系となっている。また、図2(B)に示す投光手段30と図3に示す受光手段40は、点Oの位置並びに方向g及び方向hが略一致するように、図2(A)に示すように重ねて配置されている。また、受光手段40は、入射する光の方向に応じて、ラインCCD41の画素に集光されるので、ラインCCD41の画素番号は入射する光の角度情報を表すことになる。
図4は、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置100の動作を説明するための図である。具体的に、図4を用いて、投光手段30及び受光手段40の光学的な配置について説明する。
例えば、図4(A)のセンサユニット2−L1に内蔵されている投光手段30から対向する辺に設けられたセンサバー筐体1−Rに設けられた再帰反射手段4−Rに向けて投光される光の座標入力有効領域5に平行な水平方向範囲は、図4のgからhの範囲である。そして、実際に再帰反射手段4−Rが装着されている範囲を示す図4(A)のjからfの方向の光が再帰反射され、受光手段40で検出されることになる。
この際、投光手段30から投光した光の光束は完全には平行とはならず、投光距離が延びるに従って、その光束幅は広くなる。したがって、再帰反射手段4−Rで再帰反射される光の量は、再帰反射手段4−Rに到達する距離が長くなれば減少する。よって、投光地点Oから再帰反射手段4−Rまでの距離が近い方向jに比べて距離の遠い方向fは効率が悪い。さらに、再帰反射手段4−Rは、再帰反射面に垂直方向から入射した場合よりも、その角度が斜めになるのに従って、再帰反射効率が低下する。言い換えれば、再帰反射手段4−Rに入射する光が再帰反射光として再帰反射する割合は、入射角に依存しており、方向fは最もその効率が低下する方向といえる。さらに、本実施形態では、受光手段40の光軸は方向Xに設定されており、方向fが最も光軸となす角度が大きな方向となっている。一般的な光学レンズのレンズ特性は、光軸となす角度が大きくなるに従って性能が劣化することが知られており、例えば方向fでの集光効率の低下により、その方向が最も暗くなる方向といえる。
以上より、仮に投光手段30が方向によらず一定の強度で投光することができたとしても、方向jから帰ってくる再帰反射光に比べて、方向jから方向fに向かうに従って、受光手段40で検出できる再帰反射光は弱くなる(図4(B)参照)。
一方で、投光手段30に内蔵されているLED31は、光軸方向に光の放射強度が最大となるように構成されることが一般的である。そして、LED31においては、光軸からのなす角度が大きくなるに従って放射強度が低下することになるが、その度合いを、光軸方向の照明強度の半分となる角度「半値角」で定義することが通常である(図4(C)参照)。
そこで、再帰反射光レベルが最も弱い方向fに投光手段30の光軸を向けることで、方向fの照明強度を増大させ、相対的に方向fから方向jに向かうに従って照明強度を低下させている。その結果、方向jから方向fまでの間、検出できる再帰反射光の強度を均一化できるようになる(図4(D)参照)ので、方向によらずより安定した信号が得られるようになる。
なお、本実施形態では、LED31と投光レンズ32により形成される投光放射強度分布を基にして投光手段30の光軸を再帰反射光レベルが最も弱い方向fに向ける構成を示した。しかしながら、投光手段30の受光手段40に対する傾斜角は、これに限られるものではない。例えば、投光レンズ32自体に非対称を持たせた場合には、光量分布は、図4(C)も非対称性を持ったものとなる。この場合、その非対称性を持った分布が最大となる方向と方向fとが一致するように傾斜角を設定してもよい。
本願実施形態においては、センサバー筐体1の長手方向に対して直角な方向にセンサユニット2中の受光手段40の光軸が設定されている。また、受光手段40の検出範囲は、光軸に対して非対称に設定されている。このように構成することで、センサバー筐体1の筐体を細く構成することが可能となる。この理由としては、ラインCCD41、及び、ラインCCD41が実装される不図示の回路基板の長手方向が、センサバー筐体1の長手方向と一致し、首尾よく配置されることによるためである。
本実施形態に係る座標入力装置100が必要とする検出範囲は、対向する辺に設けられた再帰反射手段4の全域をカバーする範囲(方向fから方向jの範囲)である。ここで、光学フィルター手段44に関して、干渉フィルターで形成されているものを採用する理由、及び、その際の課題に関して説明を行う。
図5は、図3に示す光学フィルター手段44のフィルター特性の一例を示す図である。ここで、図5(A)〜図5(C)の「A」は検出使用光を示し、図5(A)〜図5(C)の「B」は他の装置の赤外光を示し、図5(A)〜図5(C)の「C」は吸収型HCフィルター特性を示し、図5(A)〜図5(C)の「D」は干渉HCフィルター特性を示す。
外乱光の波長成分が十分に本装置の投光手段30で発する光の波長帯域と離れている場合には、通常の波長カット特性がなだらかな光吸収式の光学フィルターを用いても、投光手段30で発した光の波長成分の透過に影響を与えることはない。この場合には、図5(A)に示すように、カット波長特性変化が緩やかである吸収型フィルターを用いても、問題は発生しない。しかしながら、例えば、ある他の装置から発せられ外乱光の波長帯域が本装置の投光手段30で発する光の波長帯域と近接している場合、通常の波長カット特性がなだらかな光吸収式の光学フィルターを用いた場合には事情が異なる。この場合、図5(B)で示すように、投光手段30で発した光の波長成分にも影響を与えてしまい、受光量が減少する。この場合、図5(C)に示すように、カット波長特性変化がシャープな干渉フィルターを使用することにより、使用光への影響が少なく光量が保たれる。しかも、干渉フィルターの方が、その性質上、細かな刻みでカット波長特性が選定できる。
しかしながら、この干渉フィルターは、原理的にフィルター表面の薄膜間の干渉により、特定の波長光に対し作用するものであり、入射角度により特性が変動してしまう。この角度特性を、横軸をフィルターの表面の法線方向(0°)に対するフィルターの透過角度、縦軸を透過光線の透過強度として模式的に示したものが、図5(D)と図5(E)である。図5(D)及び図5(E)において、Eで示す矢印の範囲は、受光手段40の検出範囲であり、iはこの検出範囲の中間方向を示す。図5(D)及び図5(E)ともに、干渉フィルターの特性として、フィルター表面法線方向付近の一定範囲Waにおいては、本体の透過波長帯域に対して安定的に高い透過率を示す。しかしながら、フィルター表面に対する法線方向から離れた角度範囲であるWbにおいては、本体の透過波長帯域に対して、急激に透過率が低下してしまう。図17に示した、検出範囲の中間方向iと光学フィルター手段44'の表面に対する法線方向n(0°)とがずれている従来配置の場合には、次のような特性となる。つまり、図5(D)のように、この光学フィルター手段44'の表面に対する法線方向n(0°)近傍の狭い範囲に関しては高い透過率は得られるが、はずれたWbの範囲においては透過率が低下してしまう。したがって、単に受光手段40の形状に基づいて、光学フィルター手段44'を配置した場合、一部の受光範囲から十分な光量で検出することが困難になる場合が生じる。
一方、本実施形態においては、図3を用いて上述したように、光学フィルター手段44の表面に対する法線方向nと、受光手段40における座標入力有効領域5を見込むg〜hの検出範囲の中間となる方向iとが略一致するように配置する。このように、センサユニット2の受光手段40を構成することにより、図5(E)に示すように、この場合の検出範囲Eが、干渉フィルターの高透過範囲Waより狭い場合には、透過率が低下する範囲Wbが含まれないことになる。したがって、この本実施形態に係る光学フィルター手段44の構成においては、常に所定の波長範囲において、干渉フィルターの高透過率特性を維持することができる。
次に、図1に示す演算制御回路3について説明する。
図6は、図1に示す演算制御回路3−Lの内部構成の一例を示す図である。本実施形態におけるセンサバー筐体1−L中の演算制御回路3−Lとセンサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rは、外部へのインターフェース仕様を除き、いずれも同様の回路構成で構成されており、接続されるセンサユニット2を制御し演算を行っている。
図1の演算制御回路3−Lは、図6に示すように、CPU61、クロック発生回路(CLK)62、A/Dコンバータ63、メモリ64、サブCPU65、赤外線受光手段66、シリアル通信手段67、及び、USBインターフェース68を有して構成されている。
センサユニット2中のCCD制御信号は、ワンチップマイコン等で構成されるCPU61から出力されており、ラインCCD41のシャッタータイミングや、データの出力制御等を行っている。ラインCCD41用のクロック信号は、クロック発生回路(CLK)62から各センサユニット2に送信されるとともに、ラインCCD41との同期をとって各種制御を行うためにCPU61にも入力されている。なお、センサユニット2中のLED31を駆動するLED駆動信号は、CPU61から供給されている。
センサユニット2の検出手段であるラインCCD41からの検出信号は、A/Dコンバータ63に入力され、CPU61からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値は、メモリ64に記憶され、CPU61において角度計算等に用いられる。そして、CPU61は、計算した角度情報から、指示手段によって座標入力有効領域5に入力された座標位置を算出し、外部PC等にUSBインターフェース68等を介して出力する。
図1に示すように、本実施形態においては、各センサバー筐体1−L及び1−Rの演算制御回路3−L及び3−Rは、それぞれ、2つのセンサユニット2を制御している。仮にセンサバー筐体1−L中の演算制御回路3−Lがメイン機能を果たすものとすれば、その内部のCPU61は、シリアル通信手段67を介して、センサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rに制御信号を送出して、回路間の同期を行う。そして、演算制御回路3−Lは、演算制御回路3−Rから、必要なデータの取得を行うことになる。演算制御回路3−Lと演算制御回路3−Rとの間の動作は、マスター・スレーブ制御にて動作する。本実施形態の場合、演算制御回路3−Lがマスターであり、演算制御回路3−Rがスレーブである。なお、各制御・演算ユニットは、マスター・スレーブのどちらにもなり得るが、不図示のディップスイッチ等で、CPU61のポートに切替え信号を入力することで切り替えることが可能となっている。
マスターである演算制御回路3−Lからは、対向する辺に設けられたセンサユニット2−R1及び2−R2のデータを取得するために、制御信号がスレーブの演算制御回路3−Rにシリアル通信手段67を介して送信される。そして、センサユニット2−R1及び2−R2で得られた角度情報が算出され、シリアル通信手段67を介してマスター側の演算制御回路3−Lに送信される。なお、上述したUSBインターフェース68は、本実施形態の場合、マスター側の演算制御回路3−Lに実装されることになる。
また、図6の赤外線受光手段66は、赤外線を発光する専用ペン(不図示)を使用した時の赤外線を受光する手段である。図6のサブCPU65は、専用ペンからの信号をデコードするためのCPUである。専用ペンは、ペン先が座標入力面6を押圧したことを検知するスイッチ手段や、ペン筐体サイド部に種々のスイッチ手段を有する。それらのスイッチ手段の状態やペンの識別情報をペンに設けられた赤外線発光手段で送信することにより、ペンの操作状態を検知することが可能となる。
図7は、本発明の第1の実施形態を示し、センサユニット2をモード1で動作させるためにマスター側のCPU61が出力する制御信号、及び、センサユニット2のモード1における動作の一例を示すタイミングチャートである。
図7に示すSH信号71、ICGL信号72及びICGR信号73は、CCD制御用の制御信号である。具体的に、SH信号71の間隔でラインCCD41のシャッター解放時間が決定される。ICGL信号72は、センサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送するための信号である。ICGR信号73は、対向するセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、図6に示すシリアル通信手段67を介してセンサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rに送信される。そして、演算制御回路3−RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号を生成することになる。
CCDL信号74は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41におけるシャッター解放時間を示す信号である。CCDR信号75は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41におけるシャッター解放時間を示す信号である。LEDL信号76は、センサユニット2−L1及び2−L2のLED31における駆動信号である。LEDR信号77は、センサユニット2−R1及び2−R2のLED31における駆動信号である。
SH信号71の最初の周期でセンサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2のLED31を点灯するために、LEDL信号76が各々のLED駆動回路(不図示)を経てLED31に供給される。そして、SH信号71の次の周期で対向する辺に設けられたセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2のLED31を点灯するために、LEDR信号77が、シリアル通信手段67を介して演算制御回路3−Rに送信される。そして、演算制御回路3−Rが各々のLED駆動回路(不図示)に供給するための信号を生成することになる。
LED31の駆動、及び、ラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、演算制御回路3において後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算結果はマスター側に送信されることになる。このように動作させることで、センサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2と対向するセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2とは、異なるタイミングで動作するようになる。このように構成することで、対向する辺に設けられた他のセンサユニット2の赤外光を検出することなく、当該センサユニット2自身が発光した再帰反射光のみを検出できるようになる。
図8は、図1に示す各センサユニット2から出力される信号の一例を示す図である。
まず、センサユニット2の投光手段30の発光が無い状態での受光手段40の出力は図8(A)のようになり、また、センサユニット2の投光手段30の発光が有る場合の受光手段40の出力は図8(B)のようになる。図8(A)及び図8(B)において、Aのレベルが検出した光量の最大レベルであり、Bのレベルが光を全く受光できてないレベルとである。
センサユニット2の投光手段30が投光した赤外線は、対向する辺に設けられた再帰反射手段4で再帰反射され、自身のセンサユニットで検出される。したがって、光出力が得られ始める画素番号Njの方向は図4における方向jであり、同様に画素番号Nfの方向は図4における方向fということになる。画素番号Njから画素番号Nfまでの光量は、表示画面の大きさやそのアスペクト比、それに対応したセンサバー筐体1の配置状態(特に2つのセンサバー筐体1間の距離)等によって変化する。
本実施形態に係る座標入力装置100は、最適な光量レベルが得られるように、SH信号71を制御することによって、ラインCCD41のシャッター開放時間、及び、LED31の露光時間を調整する。センサユニット2から得られる光量が多ければ時間を短くし、逆に少なければ時間を長く設定することができる。さらには、検出光量レベルに応じて、LED31に流す電流を調整してもよい。このように出力信号を監視することで、最適な光量を得ることができる。このような調整を、レベル変動が有った場合に適宜行う仕様としてもよい。もしくは、センサバー筐体1が設置され、その状態が保持されている間は、安定した一定の信号が得られるはずであるため、このような光量の調整は、設置が完了した電源投入時に行えばよい。
再び図8の説明に戻る。
座標入力面6の座標入力有効領域5を指示手段によってタッチすることで光路を遮ると、図8(C)のように、例えば画素番号Ncでの光量が検出できなくなる。本実施形態では、演算制御回路3は、この図8(A)、図8(B)及び図8(C)の信号を用いて、タッチした方向、言い換えると角度を算出して求める。
具体的に、まず、システムの起動時、システムのリセット時、或いは自動的に、基準データを取得する。以降1つのセンサユニット2のデータ処理について説明するが、他のセンサユニット2でも同様の処理を行っている。
演算制御回路3は、電源投入時、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光手段30の発光が無い状態でラインCCD41の出力をA/D変換して、これをBase_Data[N](NはラインCCD41の画素番号)としてメモリ64に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図8(A)のBのレベル付近のデータとなる。同様に、演算制御回路3は、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光手段30から投光した状態での光量分布を取得して、これを図8(B)の実線で表されたRef_Data[N]としてメモリ64に記憶する。
その後、サンプルを開始することになるが、タッチ操作が行われてなければ、図8(B)のようなデータが検出され、タッチ操作が行われると、そのタッチした座標位置に応じて影Cが検出された図8(C)のようなデータが検出される。ここでは、投光手段30から投光した状態で得られるサンプルデータをNorm_Data[N]と定義する。
演算制御回路3は、これらのデータを用いて、まず、入力がなされたか、遮光範囲があるかどうかの判定を行う。まず、遮光範囲を特定するために、変化の絶対量を各々の画素において行い、予め設定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_Data0[N]=Norm_Data[N]−Ref_Data[N]
・・・(1)
(1)式において、Norm_Data0[N]は、各画素における絶対変化量であり、閾値比較により、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためのものである。そして、演算制御回路3は、閾値を超えるデータが、例えば所定数以上の連続した画素で発生した場合に、タッチ操作が有ったものとして判定する。この処理は、差を取り比較するだけなので、短時間での演算が可能であり、入力の有無判定を高速に行うことができる。
続いて、演算制御回路3は、より高精度に検出するために、以下の(2)式に示す変化の比を計算して入力点の決定を行う。
Norm_DataR[N]=Norm_Data0[N]/(Base_Data[N]−Ref_Data[N]) ・・・(2)
そして、演算制御回路3は、このデータに対して、別途設定される閾値Vthrを適用して、その立ち上がり部と立下り部の画素番号から、両者の中央を入力画素として、角度を算出する。
図8(D)は、比計算が終わった後の検出の例を示す図である。いま、閾値Vthrで検出すると遮光領域の立ち上がり部分は、Ns番目の画素でレベルLsとなり閾値を超えたとする。さらに、Nt番目の画素でレベルLtとなり閾値Vthrを下まわったとする。このまま、中心画素Npを以下の(3)式により計算を行うものとする。
Np=Ns+(Nt−Ns)/2 ・・・(3)
そうすると、ラインCCD41の画素間隔が最小の分解能になってしまう。そこで、より細かく検出を行うために、それぞれの画素のレベルとその1つ前の画素のレベルを用いて閾値を横切った仮想の画素番号を計算する。
画素NsのレベルをLs、画素Ns−1番のレベルをLs−1、そして画素NtのレベルをLt、画素Nt−1のレベルをLt−1とすると、それぞれの仮想画素番号Nsv及びNtvは、それぞれ、以下の(4)式及び(5)式で計算することができる。
Nsv=Ns−1+(Vthr−Ls−1)/(Ls−Ls−1) ・・・(4)
Ntv=Nt−1+(Vthr−Lt−1)/(Lt−Lt−1) ・・・(5)
また、仮想中心画素Npvは、以下の(6)式で決定される。
Npv=Nsv+(Ntv−Nsv)/2 ・・・(6)
このように、画素番号とそのレベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出ができる。上記のように得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、角度情報に変換する必要がある。この際、実際の座標計算では、角度そのものよりもその角度における正接(tangent)の値を求めるほうが都合がよい。なお、画素番号からtanθへの変換には、テーブル参照や変換式を用いる。また、変換式は、例えば高次の多項式を用いると精度を確保できるが、次数等は計算能力及び精度スペック等を鑑みて決定すればよい。
ここで、5次多項式を用いる場合の例を示すと、5次多項式を用いる場合には係数が6個必要になるので、出荷時等にこのデータを不揮発性メモリ等に記憶しておけばよい。今、5次多項式の係数をL5,L4,L3,L2,L1,L0としたとき、tanθは、以下の(7)式で表すことができる。
tanθ=(L5*Npr+L4)*Npr+L3)*Npr+L2)*Npr+L1)*Npr+L0 ・・・(7)
同様の処理を各々のセンサユニット2に対して行えば、それぞれの角度情報を決定することができる。なお、上述した例ではtanθを求めているが、角度そのものを求め、その後、tanθを求めても構わない。
図9は、図1に示すセンサユニット2と座標入力面6の座標入力有効領域5との位置関係を示す図である。
センサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1の検出範囲は、方向jから方向fの範囲であり、また、角度の正負を図9に示すように設定する。そして、センサユニット2−L1の光軸はX軸方向であり、その方向を角度0°と定義する。同様に、センサユニット2−L2の検出範囲は方向fから方向jの範囲であり、また、角度の正負を図9に示すように設定し、センサユニット2−L2の光軸方向を角度0°と定義する。そして、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分をY軸と定義すれば、各センサユニット2の光軸はその線分の法線方向となる。またセンサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心との距離をdhと定義する。
今、点Pの位置でタッチ操作が行われた場合を想定する。
センサユニット2−L1について算出される角度は角度θL1であり、センサユニット2−L2について算出される角度は角度θL2である。この2つの角度の角度情報と距離dhを用いて、幾何学的にタッチ位置Pの座標位置(x,y)を以下の(8)式及び(9)式を用いて算出することが可能である。
x=dh・tan(π/2−θL2)・tan(π/2−θL1)/(tan(π/2−θL2)+tan(π/2−θL1) ・・・(8)
y=dh・tan(π/2−θL2)/(tan(π/2−θL2)+tan(π/2−θL1)) ・・・(9)
また、図9(A)において、一方のセンサユニット2の出力がθL1=0もしくはθL2=0の場合であっても、他方のセンサユニット2が出力する角度情報に基づき、幾何学的に容易にタッチ位置Pの座標位置を算出することが可能である。
ここで、センサユニット2−L1及びセンサユニット2−L2の検出範囲から、タッチ位置Pが図9(B)の灰色で示したハッチング部の範囲に有る場合のみ、当該タッチ位置Pの座標位置を算出することが可能である。なお、タッチ位置Pがその範囲に無い時には、図9(C),図9(D),図9(E)に示すように、演算に用いるセンサユニット2の組み合わせを変更することで、座標入力有効領域5の全域におけるタッチ位置Pの座標位置を算出することができる。したがって、演算制御回路3は、各々のセンサユニット2が検出した遮光方向の有無、及び、遮光方向に基づき、座標位置の算出に必要なセンサユニット2を選択して、タッチ位置Pの座標位置を算出する。そして、この場合、選択したセンサユニット2の組み合わせに応じて、(8)式、(9)式のパラメータを変更して、座標変換を行えばよい。
なお、図9(F)に示すように、センサユニット2の選択の境界領域近傍にタッチ位置Pが存在する場合には、図9(B)もしくは図9(C)に示す状態のセンサユニット2の組み合わせで、そのタッチ位置Pの座標位置を算出することができる。
また、具体的な構成として、例えばセンサユニット2−L2の検出範囲と、センサユニット2−R1の検出範囲は、座標入力有効領域5の対角線方向で重複するように構成される。そして重複した領域でタッチされた場合には、複数通りのセンサユニット2の組み合わせで、そのタッチ位置Pの座標位置の算出が可能となる。その場合にあっては、両者の組み合わせで算出した座標値の平均値を確定座標として出力してもよい。
そして、このように算出された座標値は、本実施形態に係る座標入力装置100が持つ座標系(以後、「デジタイザ座標系」と称す)の値であって、座標位置算出が可能な有効領域は図4における座標入力有効領域5である。そして、この座標入力有効領域5の範囲内にディスプレイの表示面を設けることになる。
図10は、本発明の第1の実施形態を示し、デジタイザ座標系とスクリーン座標系を説明するための図である。
ディスプレイが仮にフロントプロジェクターとすると、投影画像である図10に示す表示領域8が、座標入力有効領域5内に設定される。図10では、d1を原点として、dx軸、dy軸からなる表示座標系(以後、「スクリーン座標系」と称す)からなる。表示されている画像を直接タッチすることで、アイコン等のタップ操作を行うためには、デジタイザ座標系とスクリーン座標系の相関をとる必要がある。
通常、この種の相関を得るために、表示制御を行っているパーソナルコンピュータ(PC)には、専用のアプリケーションソフトがインストールされる。アプリケーションを起動すると、表示画面には十字クロス等が表示され、ユーザーにそのクロス位置をタッチするように促す。その動作を異なる位置で所定回数繰り返すことで得られるデジタイザ座標系の座標値と、十字クロスが表示されている位置のスクリーン座標系の座標値とが一致するように、座標系の変換が行われる。
本実施形態に係る座標入力装置100においては、アプリケーションソフトを使って十字クロスの位置を表示させてタッチさせるのではなく、表示画面の四隅をタッチすることで、この座標変換を行っている。このように構成することで、その場にあるPCに接続することで、特別なソフトをインストールすることなく直ぐに使えるという優れた効果が得られる。特に、本実施形態に係る座標入力装置100は、センサバー筐体1を持ち運んで会議室等に設置する可搬型であり、一緒にPCを持ち運ぶ必要が無いということは大きな利点である。本実施形態では、持ち運んだ先の、その場のPCや、その場の表示装置を利用して、簡単に設置を完了させて直ぐに使えるという優れた効果を発揮する。
この座標系を一致させるモードへの遷移は、センサバー筐体1等に設けられたスイッチ手段で行われる。スイッチ手段によりモードが遷移すると、センサバー筐体1に内蔵されるスピーカ手段等により、4隅を順次タッチするようにガイダンスする。また隅部のタッチが完了する毎に、入力が完了したことを示すブザー音を報知してもよい。または、センサバー筐体1に内蔵されるインジケータ手段で、その操作を促してもよい。
ここで、デジタイザ座標系での座標位置の算出では、(8)式、(9)式で演算に用いるセンサユニット2間の距離dhが既知である必要がある。しかしながら、表示装置と組み合わせて使用する図10のような場合、この距離dhは必ずしも既知である必要は無い。つまり、ディスプレイの大きさを示す4隅情報が、タッチ操作することにより順次デジタイザ座標系における各センサユニット2での角度情報として取得される。その結果、比による計算だけで、スクリーン座標系のタッチ位置の座標位置を算出することが可能となる。
本実施形態に係る座標入力装置100においては、種々の表示サイズの表示面に対して、ユーザーが2つのセンサバー筐体1を装着して使用することを想定している。そして、2つのセンサバー筐体1間の相対的な位置関係が図9(A)となる(2つのセンサバー筐体1が平行、同一長さ、かつX軸方向に他方のセンサバー筐体1のセンサユニット2が配置)ことで、デジタイザ座標系での高精度な位置検出ができる。2つのセンサバー筐体1が上述したような配置となるような仕組みを設けることも可能であるが、その場合、ユーザーに、それなりの慎重な設置作業を強いることになる。仮に、2つのセンサバー筐体1を目分量で簡単に装着できれば、利便性の向上、設置時間の大幅短縮へとつながる。そこで、本実施形態においては、利便性向上のために、センサユニット2のモード2を有する。
図11は、本発明の第1の実施形態を示し、センサユニット2をモード2で動作させるためにマスター側のCPU61が出力する制御信号、及び、センサユニット2のモード2における動作の一例を示すタイミングチャートである。
図11に示すSH信号91、ICGL信号92及びICGR信号93は、CCD制御用の制御信号である。具体的に、SH信号91の間隔でラインCCD41のシャッター解放時間が決定される。ICGL信号92は、センサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送するための信号である。ICGR信号93は、対向するセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、図6に示すシリアル通信手段67を介してセンサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rに送信される。そして、演算制御回路3−RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号を生成することになる。
CCDL信号94は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41におけるシャッター解放時間を示す信号である。CCDR信号95は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41におけるシャッター解放時間を示す信号である。LEDL信号96は、センサユニット2−L1及び2−L2のLED31における駆動信号である。LEDR信号97は、センサユニット2−R1及び2−R2のLED31における駆動信号である。
SH信号91の最初の周期でセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2のLED31を点灯するために、LEDR信号97がシリアル通信手段67を介してセンサバー筐体1−R中の演算制御回路3−Rに送信される。そして、演算制御回路3−Rが各々のLED駆動回路(不図示)に供給するための信号を生成することになる。そして、SH信号91の次の周期でセンサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2のLED31を点灯するために、LEDL信号96が各々のLED駆動回路(不図示)を経てLED31に供給される。
LED31の駆動、及び、ラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、演算制御回路3において後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算結果はマスター側に送信されることになる。このように動作させることで、センサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2は、対向するセンサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2に内蔵されたLED31による赤外光を直接検出することになる。同様に、センサバー筐体1−R中のセンサユニット2−R1及び2−R2は、対向するセンサバー筐体1−L中のセンサユニット2−L1及び2−L2に内蔵されたLED31による赤外光を直接検出することになる。
図11(B)は、その際にセンサユニット2で得られる検出信号波形の一例を示す図である。対向する辺に設けられた2つのセンサユニット2中の投光手段30からの発光をそれぞれ受光するので、図11(B)に示すように、ピーク信号が2つ生成される。そして、演算制御回路3は、上述した角度算出方法と同様な方法で、その方向を各々算出する。なお、図11(B)中の破線は、図8(B)のデータを示すものであり、方向Njと方向Nfとの間にピーク信号が生成されることを示している。
図12は、本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置100による座標入力方法を示すものであって、電源投入時からの初期設定工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、CPU61がメモリ64に読み込まれたプログラムに基づく処理を行うことで実行可能である。
まず、投影画像である表示領域8の全領域を含む矩形状の座標入力有効領域5を形成するために、操作者によってセンサバー筐体1がホワイトボード等の座標入力面6に装着され、例えば電源投入が行われると、ステップS101において、演算制御回路3は、初期設定を行う。
続いて、ステップS102において、演算制御回路3は、CPU61等のポート設定やタイマー設定等の様々な初期化の他に、光電変換素子に残っている余分な電荷を除去する等のラインCCD41の初期化を行う。
続いて、ステップS103において、演算制御回路3は、図11に示すモード2の動作設定を行う。その際、ラインCCD41が検出する光量の最適化が行われる。上述したように、表示領域8の大きさは、ホワイトボードの大きさ等により一意では無い。そのような場合であっても、センサバー筐体1間の距離が適宜ユーザーによって設定される。したがって、装着の状態によって検出される光の強度は異なるので、ラインCCD41のシャッター開放時間やLED31の露光時間、もしくはLED31の駆動電流を設定する。ここで、ステップS103におけるモード2の動作設定とは、対向するセンサユニット2から直接光を受ける動作の状態(図11参照)であって、4つのセンサユニット2の相対的な位置関係を導出することを目的とする。
続いて、ステップS104において、演算制御回路3は、ラインCCD41の出力信号を検出して、波形の取り込みを行う。
続いて、ステップS105において、演算制御回路3は、センサユニット2の配置がOKであるか否かを判断する。ここで、センサユニット2の配置がOKでない場合とは、例えば、仮にステップS103で最初の動作設定を光量が最大得られるように設定した際に、センサユニット2の受光手段40の検出範囲に、対向する位置にあるセンサユニット2が位置しておらず、光が検出できない状態の場合である。
ステップS105の判断の結果、センサユニット2の配置がOKでない(NGである)場合には(S105/No)、ステップS106に進む。
ステップS106に進むと、例えば演算制御回路3は、ユーザーによるセンサバー筐体1の配置/設置が不適な状態である旨を報知して、センサバー筐体1の再設置を促す。この場合、ユーザーによるセンサバー筐体1の再設置が完了すると、再び、初期設定を行うステップS101の処理から開始することになる。なお、ステップS105、ステップS106で検出される信号は、図11(B)のような信号となり、本実施形態の場合には、2つの信号が出力されている状態が正常状態といえる。
一方、ステップS105の判断の結果、センサユニット2の配置がOKである場合には(S105/Yes)、ステップS107に進む。
ステップS107に進むと、例えば演算制御回路3は、ステップS104で得られた検出信号波形のチェックを行い、検出信号波形レベルがOKであるか否かを判断する。
ステップS107において、例えば、対向する位置にあるセンサユニット2の光が強すぎる場合には、ラインCCD41のダイナミックレンジの範囲を超えて出力が飽和することになって正確な角度を算出することが困難となるため、検出信号波形レベルがOKでない(NGである)と判断され(S107/No)、ステップS103に戻る。そして、ステップS103において、例えば露光時間をより短くする等の再設定が行われる。この場合、再度、ステップS105で検出される信号は、より光強度が弱い状態となっているはずであり、そして、ステップS107において、検出信号波形レベルがOKであると判断され(S107/Yes)、ステップS108に進む。
この動作が、各センサユニット2(本実施形態の場合には4つのセンサユニット2)で行われ、全ての信号が最適化されると、続いて、ステップS108において、演算制御回路3は、センサユニット2の相対的な位置関係を算出する。
続いて、ステップS109において、演算制御回路3は、図7に示すモード1の動作設定を行う。その際、例えば、センサユニット2に内蔵されている投光手段30が投光した赤外光が、対向するセンサバー1に設けられた再帰反射手段4で再帰反射され、その光を自身の受光手段40で検出した時の信号レベルを最適化する。センサバー筐体1の配置は一意では無く、その配置に応じた検出レベルを最適化することで、安定した信号を得ることを目的とする。設定する項目としては、ラインCCD41のシャッター開放時間やLED31の露光時間、もしくはLED31の駆動電流、そして、本発明の主眼とする投光形態である。例えば、この際、既定状態として、座標入力面6に距離が近い投光手段30から投光するように制御を行い、また、本実施形態では、例えば最初の動作設定を光量が最大得られるように設定したものとする。
続いて、ステップS110において、演算制御回路3は、ラインCCD41の出力信号を検出して、波形の取り込みを行う。ここで取り込まれる波形は、照明時のデータであり、例えば図8(B)のような波形となる。
続いて、ステップS111において、例えば演算制御回路3は、ステップS110で得られた検出信号波形のチェックを行い、検出信号波形レベルがOKであるか否かを判断する。例えば、対向する位置にあるセンサユニット2の光が強すぎる場合には、ラインCCD41のダイナミックレンジの範囲を超えて出力が飽和することになって正確な角度を算出することが困難となるため、検出信号波形レベルがOKでない(NGである)と判断され(S111/No)、ステップS109に戻る。そして、ステップS109において、例えば露光時間をより短くする等の再設定が行われる。この場合、再度、検出される信号は、より光強度が弱い状態となっているはずであり、そして、ステップS111において、検出信号波形レベルがOKであると判断され(S111/Yes)、ステップS112に進む。
ステップS112に進むと、演算制御回路3は、図8(A)に示すBase_Data[N]を取得して、これをメモリ64に記憶する。
続いて、ステップS113において、演算制御回路3は、図8(B)に示すRef_Data[N]を取得して、これをメモリ64に記憶する。
このようにして、全てのセンサユニット2でのデータが取得されると、図12に示すフローチャートの処理が終了する。
図13は、本発明の第1の実施形態に係る座標入力装置100による座標入力方法を示すものであって、図12のステップS101における初期設定後の通常のサンプリング動作及びキャリブレーション動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。具体的に、図13(A)に、図12のステップS101における初期設定後の通常のサンプリング動作のフローチャートを示し、図13(B)に、図12のステップS101における初期設定後のキャリブレーション動作のフローチャートを示す。また、図13(B)において、図13(A)と同様の処理ステップについては同じステップ番号を付している。なお、図13に示すフローチャートは、CPU61がメモリ64に読み込まれたプログラムに基づく処理を行うことで実行可能である。
まず、図13(A)の説明を行う。
図12のステップS101における初期設定が行われると、続いて、ステップSS201において、演算制御回路3は、センサユニット2に内蔵されている投光手段30で投光した赤外光が、対向するセンサバー筐体1に設けられた再帰反射手段4で再帰反射され、その光を当該センサユニット2に内蔵されている受光手段40で検出した時の信号を取り込む(モード1が動作する)。その時のデータは、図8(A)に示すNorm_data[N]であり、仮にタッチ操作があって光路が遮られると、図8(C)のように、CCD画素番号Ncの辺りで光信号が検出できなくなる。
続いて、ステップS202において、演算制御回路3は、いずれかのセンサユニット2で、このような光の影が生成されたかを判断する。即ち、ステップS202では、入力あったか否かを判断する。
ステップS202の判断の結果、影が生成されなかった場合、即ち入力がなかった場合には(S202/No)、ステップS201に戻り、ステップS202において、入力があったと判断されるまで、待機する。
一方、ステップS202の判断の結果、影が生成された場合、即ち入力があった場合には(S202/Yes)、ステップS203に進む。
ステップS203に進むと、演算制御回路3は、出力信号に影が生成されているセンサユニット2を選択する。
続いて、ステップS204において、演算制御回路3は、ステップS203で選択したセンサユニット2における上述した方向(角度)を算出する。
続いて、ステップS205において、演算制御回路3は、デジタイザ座標系でのタッチ位置Pの座標位置を算出する。
続いて、ステップS206において、演算制御回路3は、ステップS205で算出された座標位置をスクリーン座標系に変換して、パーソナルコンピュータの外部機器に、その座標値を送信して出力する。なお、この際に、座標入力面6をタッチしている状態か否かを判定するタッチダウン信号/タッチアップ信号を併せて出力してもよい。この種の光学式座標入力装置にあっては、座標入力面6をタッチすることで、光路は100%遮断されることになるが、タッチ状態から少しずつ浮かせることによって、少しずつ光が透過するようになる。したがって、光がどの程度遮られたかを演算することで、タッチ状態にあるのか或いはタッチはしてないが光路を遮っている(角度演算は可能であり、その場合でもその位置を演算可能)状態かを、閾値を設定することで判別することができる。
図13(A)のステップS206の処理が終了すると、図13(A)のステップS201に戻る。
また、スイッチ手段等の操作により、デジタイザ座標系とスクリーン座標系を一致させるためのキャリブレーションモードに遷移することになる。このキャリブレーション動作について、図13(B)を用いて説明する。
キャリブレーションモードは、センサバー筐体1を装着した直後、或いは設置完了後であっても、何らかの拍子でディスプレイの表示位置がずれてしまった場合に行われる。
キャリブレーションモードに遷移すると、ステップS101における初期設定が行われる。これは、センサバー筐体1が使用中に設置状態がずれた場合を想定して、光出力の最適化、センサユニット2の位置ずれを補正することになる。
そして、ユーザーによる表示領域4隅のタッチ操作を行わせるために、ステップS201における通常取り込み処理及びステップS202における入力判断処理を経て、その1つの位置のタッチが行われたかを判定する。
続いて、ステップS203において、演算制御回路3は、出力信号に影が生成されているセンサユニット2を選択する。
続いて、ステップS204において、演算制御回路3は、ステップS203で選択したセンサユニット2における上述した方向(角度)を算出する。
続いて、ステップS301において、演算制御回路3は、データの取得が完了したことを報知するために、例えば完了を示すビープ音を出力する。
続いて、ステップS302において、演算制御回路3は、表示領域四隅の全ての情報が得られたか否かを判断する。この判断の結果、表示領域四隅の全ての情報については未だ得られていない場合には(S302/No)、図13(B)のステップS201に戻る。
一方、ステップS302の判断の結果、表示領域四隅の全ての情報が得られた場合には(S302/Yes)、ステップS303に進む。
ステップS303に進むと、演算制御回路3は、デジタイザ座標系からスクリーン座標系へと変換するためのパラメータを算出する。その後、図13(A)のステップS201に戻る(即ち、通常動作に戻る)。そして、このステップS303で算出されたパラメータは、図13(A)のステップS206における座標変換で使用される。
第1の実施形態では、光学フィルター手段44を、その表面に対する法線方向nが、受光手段40における座標入力有効領域5を見込むg〜hの検出範囲の中間となる方向iと略一致するように配置するようにしている。
かかる構成によれば、検出境界角方向における入射角を最小にすることができ、光量低下を抑えることができる。これにより、外乱光の波長帯域が本装置の投光手段で発する光の波長帯域と近接している場合においても波長カット特性が急峻な干渉フィルター特性等により、受光手段の検出範囲全域において外乱光の影響を低減することができる。これにより、常に安定的した高品質で高精度な座標検出が可能となる。即ち、第1の実施形態によれば、外乱光の影響を低減させて入力された座標位置の検知を高精度に行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、センサユニット2中の受光手段40に内蔵される光学フィルター手段44について、その表面に対する法線方向nが、当該受光手段40における座標入力有効領域5を見込む検出範囲の中間となる方向iと略一致するように配置する形態を示した。
第2の実施形態では、上述した第1の実施形態における座標入力装置100の構成に加えて、光学フィルター手段44の表面による正反射光の影響を軽減する構成について説明を行う。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る座標入力装置に係る概略構成の一例を示す図である。図14において、上述した図1等に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。また、図14では、センサバー筐体1−Lの一方のセンサユニット2−L1に着目する。このセンサユニット2−L1の構成要素として、第1の実施形態で説明したように、投光手段30や受光手段40等様々な構成要素があるが、ここでは、受光手段40に内蔵されている受光手段40の光学フィルター手段44のみを図示している。
図14に示すように、座標入力有効領域5における対向する2辺の近傍には、図2(B)に示す投光手段30及び図3に示す受光手段40を含むセンサユニット2を両端部近傍に備えたセンサバー筐体1−L及び1−Rが備えられている。また、それぞれのセンサバー筐体1−L及び1−Rに対応して座標入力有効領域5における対向する2辺の近傍に、それぞれ、再帰反射手段4−L及び4−Rが設けられている。
本実施形態では、図14に示す複数のセンサユニット2にそれぞれに内蔵されている各受光手段(複数の受光手段)のうち、センサユニット2−L1に内蔵されている受光手段40を第1の受光手段とする。そして、この第1の受光手段に対向して配置されているセンサバー筐体1−Rに含まれる受光手段であって第1の受光手段に対して正面方向に位置するセンサユニット2−R1に内蔵されている受光手段40を第2の受光手段とする。さらに、第1の受光手段に対向して配置されているセンサバー筐体1−Rに含まれる受光手段であって第1の受光手段に対して対角方向に位置するセンサユニット2−R2に内蔵されている受光手段40を第3の受光手段とする。
第2の投光手段から投光された光は、センサユニット2−L1内の光学フィルター手段44の表面で、センサバー筐体1−R中のもう一方のセンサユニット2−R2の方に正反射する。センサユニット2−L1内の光学フィルター手段44は、第1の実施形態で説明したように、その表面に対する法線方向n(図14では方向q)が、当該第1の受光手段における座標入力有効領域5を見込む検出範囲の中間となる方向iと略一致するように配置されている。
ここで、注意すべきは、以下の事項である。
ここでは、センサユニット2−R1に内蔵されている第2の受光手段とセンサユニット2−L1に内蔵されている第1の受光手段とを結ぶ第1の線分1401と、センサユニット2−R2に内蔵されている第3の受光手段とセンサユニット2−L1に内蔵されている第1の受光手段とを結ぶ第2の線分1402と、の2つの線分の成す角における中心方向pと、第1の受光手段に含まれている光学フィルター手段44の表面に対する法線方向(或いは当該第1の受光手段における座標入力有効領域5を見込む検出範囲の中間となる方向)qとの関係について説明する。上述した中心方向pと法線方向qとが接近している場合には、不都合が生じる。つまり、この場合、センサユニット2−R1に内蔵されている第2の投光手段から発せられた光は、センサユニット2−L1の光学フィルター手段44の表面で正反射して、センサバー筐体1−Rのもう一方のセンサユニット2−R2に内蔵されている第3の受光手段で検出されてしまうことになる。この正反射光は、本来の再帰反射光とは異なる経路で反射した光であり、誤検出の原因となる。したがって、本実施形態では、上述した中心方向pと法線方向qとが一致しないように(即ち異なる方向となるように)各構成部を配置する。この際、第1の実施形態で説明した、光学フィルター手段44の表面に対する法線方向と当該受光手段40における座標入力有効領域5を見込む検出範囲の中間となる方向と略一致するように配置する形態は維持する。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態における効果に加えて、さらに、光学フィルター手段の表面による正反射光の影響を軽減することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、1つのセンサユニット2の内部には、1組の投光手段30及び受光手段40が構成されることを前提とした形態であったが、本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、1つのセンサユニット2の内部に、複数組の投光手段30及び受光手段40が構成される形態も適用可能であるため、この形態を本発明の第3の実施形態として説明する。なお、以下の第3の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分について説明を行う。
図15は、本発明の第3の実施形態を示し、1つのセンサユニット2の内部に構成される複数の受光手段40の内部構成の一例を示す図である。なお、図15では、説明を簡単にするために、複数の受光手段40として、2つの受光手段40−1及び40−2を記載している。また、図15では、2つの受光手段40−1及び40−2に対応して設けられる投光手段30については図示していない。
図15では、2つの受光手段40−1及び40−2は、ラインCCD41及び保護部材45については共通のものが用いた例を示している。なお、2つの受光手段40−1及び40−2において、それぞれ異なるラインCCD41及び保護部材45を構成する形態も適用可能である。
本実施形態では、受光手段40−1は、図15に示すように、ラインCCD41、受光レンズ42−1、絞り43−1、光学フィルター手段44−1、及び、保護部材45を有して構成されている。また、受光手段40−2は、図15に示すように、ラインCCD41、受光レンズ42−2、絞り43−2、光学フィルター手段44−2、及び、保護部材45を有して構成されている。
この第3の実施形態における光学系により、例えば座標入力有効領域5の2か所で同時に入力指示を行う場合にも、遮光の影の重なりの影響を防ぐことができ、精度の高い座標位置の入力を行うことができる。
そして、本実施形態では、各受光手段40−1及び40−2に含まれている光学フィルター手段44は、それぞれ、その表面に対する法線方向nが、当該光学フィルター手段44が属する受光手段40における座標入力有効領域5を見込む検出範囲の中間となる方向iと略一致するように配置されている。
具体的に、図15では、受光手段40−1に含まれている光学フィルター手段44−1は、その表面に対する法線方向n1が、受光手段40−1における座標入力有効領域5を見込むg1〜h1の検出範囲の中間となる方向i1と一致するように配置されている。同様に、図15では、受光手段40−2に含まれている光学フィルター手段44−2は、その表面に対する法線方向n2が、受光手段40−2における座標入力有効領域5を見込むg2〜h2の検出範囲の中間となる方向i2と一致するように配置されている。なお、図15に示す例では、それぞれの光学フィルター手段44が、法線方向nと方向iとが一致するように配置される例を示しているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、法線方向nと方向iとが略一致するように配置されていれば(光学的に一致すると見なせる範囲内であれば)適用可能である。
第3の実施形態では、1つのセンサユニット2に内蔵される複数の受光手段40の各々の検出範囲毎に、光学フィルター手段44を個別の最適角度で配置するようにしている。
かかる構成によれば、第1の実施形態等における効果に加えて、さらに、1つのセンサユニット2に内蔵される複数の受光手段40の各々の検出範囲毎に最適な受光透過特性で外乱光対策を行うことができる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
40 受光手段、41 ラインCCD、42 受光レンズ、43 絞り、44 光学フィルター手段、45 保護部材

Claims (5)

  1. 指示手段によって入力領域に入力が行われる入力装置であって、
    前記入力領域の周辺に設けられ、光を投光する投光手段と、
    前記入力領域の周辺に設けられ、前記投光手段によって投光される光を反射する反射手段と、
    前記反射手段で反射された光のうちの特定の波長の光を透過する光学フィルター手段と、
    所定の検出範囲から入射され、前記光学フィルター手段を透過する光を検出する検出手段と
    を有し、
    前記光学フィルター手段は、その表面に対する法線方向が、前記検出範囲の中間となる方向と対応するように配置される、
    ことを特徴とする入力装置。
  2. 前記投光手段と、前記検出手段を含む受光手段とを有するセンサユニットを両端部近傍に備えたセンサバー筐体であって、前記入力領域における対向する2辺の近傍にそれぞれ設けられるセンサバー筐体を備えており、
    前記反射手段は、それぞれの前記センサバー筐体に対応して前記入力領域における対向する2辺の近傍に設けられ、
    複数の前記受光手段のうちの1つである第1の受光手段に対向して配置される前記センサバー筐体に含まれる前記受光手段であって前記第1の受光手段に対して正面方向に位置する第2の受光手段と前記第1の受光手段とを結ぶ第1の線分と、前記第1の受光手段に対向して配置される前記センサバー筐体に含まれる前記受光手段であって前記第1の受光手段に対して対角方向に位置する第3の受光手段と前記第1の受光手段とを結ぶ第2の線分と、の2つの線分の成す角における中心方向と、前記第1の受光手段に含まれる前記光学フィルター手段の表面に対する法線方向と、が異なる方向となることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記投光手段と、前記検出手段及び前記光学フィルター手段を含む受光手段とを含むセンサユニットを備えており、
    前記センサユニットは、複数の前記受光手段を含み、
    前記複数の受光手段における各受光手段に含まれている前記光学フィルター手段は、それぞれ、その表面に対する法線方向が、当該光学フィルター手段に対応する受光手段の前記検出範囲の中間となる方向に対応するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
  4. 前記光学フィルター手段は、干渉フィルターまたは多層薄膜フィルターで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の入力装置。
  5. 特定の波長の光を透過する光学フィルター手段を用いる検出方法であって、
    光を投光する投光工程と、
    前記投光工程にて投光される光を反射する反射工程と、
    前記反射工程で反射されて所定の検出範囲から入射され、前記光学フィルター手段を透過する光を検出する検出工程と
    を有し、
    前記光学フィルター手段は、その表面に対する法線方向が、前記検出範囲の中間となる方向と対応するように配置される、
    ことを特徴とする検出方法。
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