JP2007072587A - 座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】座標算出分解能を向上させることができる座標入力装置を提供する。更には、検出レベルの光量分布の大小差を小さくする。
【解決手段】均一投光だと光量分布がピークとなってしまう投光範囲のみの投光光量を低下させる。(光量が最小となる)入射角が最大となるのは長方形の長辺なので、この辺に対応する投光角度で投光強度の強弱を設ける。本件は、投光分布を投光対象となる再帰反射材への入射角度で規定し、ピークと谷との差(比を)小さくする。結果として光軸に対して非対称な投光分布となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力画面上を指示具や指等によって指示した指示位置を検出することで、例えば、接続されているコンピュータを制御したり、文字や図形等を書き込むことができる座標入力装置、その座標入力装置を制御する制御方法、制御プログラム及びその制御プログラムを格納した記憶媒体に関する。
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されており、例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことができるタッチパネル等が広く用いられている。
その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがあるが、光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射シートを設け、投光手段からの光を再帰反射シートで反射し、その光量分布を受光手段により検出することにより、座標入力領域内の指等で遮光された遮光領域の方向を検出し、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、再帰反射部材を座標入力有効領域の周辺に配置すると共に、座標入力有効領域の角部2箇所に設けられたセンサユニットに、光を投光する投光手段と、再帰反射板により再帰反射した光を受光する受光手段とが一体に構成されると共に、このセンサユニットの光軸が座標入力有効領域の面内方向に略45°傾いた状態に設定するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、センサユニットの投光手段の光束を座標入力有効領域の面に向ける構成にすることで、指示手段による実際の描画動作(文字の筆記等)とその描画座標位置の検出動作との間に生じる空間的なずれを減少させ、その結果、尾引き(描画する人の意図した描画画像に対して、例えば、表示手段を通じて再現される描画画像上に生じるずれ)等の不具合を軽減することができることも知られている(例えば、特許文献3参照)。
米国特許USP4507557号公報 特開2001−243002号公報 特開2001−290583号公報
ここで、この種の光学式座標入力装置の概略構成について、図19を用いて説明する。
図19において、2001L,2001Rは左右のセンサユニットで、投光手段(発光手段)及び受光手段(検出手段)を有する。これらセンサユニット2001L,2001Rは、制御信号を後述する制御・演算ユニット2002から受け取ると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2002に送信する。2002は制御・演算ユニットで、光学式座標入力装置全体を制御するものである。2003は座標入力有効領域(模式的に示す)で、この種の光学式座標入力装置が指や指示具等の指示手段により入力指示した位置の検出を行える領域である。2004は再帰反射手段で、座標入力有効領域2003の外側3辺を囲むような形(コ字形状)で配置されている。
再帰反射手段2004は、入射光を到来方向に再帰反射する再帰反射面を有する。再帰反射手段2004は、左右それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからθ°(略90°)範囲に投光された光を、センサユニット2001L,2001Rに向けて再帰反射する。再帰反射手段2004により再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布を示す信号が制御・演算ユニット2002に送られる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮られ、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮られた部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを識別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段の光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から遮光位置(座標)を幾何学的に算出すると共に、図示しない表示手段に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)等に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
ここで用いられている再帰反射手段2004を構成する再帰反射部材としては、球体のビーズを反射面上に積層配置することで再帰反射特性を有するビーズタイプの再帰反射シート、若しくは光学反射面であるコーナキューブを機械加工等により規則正しく配列することで再帰反射現象を起こす再帰反射シート等が用いられる。
このような構成の座標入力装置において、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が、再帰反射手段2004により再帰反射され、その再帰反射光がセンサユニット2001L,2001Rの受光手段(ラインCCD)で検出されることになる。
なお、図19において、水平線はX軸を、垂直線はY軸を、OはX軸とY軸との交点座標(0,0)を、それぞれ示す。そして、センサユニット2001L,2001Rは、座標入力有効領域2003のX軸に平行に且つY軸に対称な位置に、互いに所定距離離間して配置されている。
図20は、各部材の配置(図においては、左側のセンサユニット2001Lのみを示すが、右側のセンサユニット2001Rも対称な配置であり、以後の説明は同様である)を示す図であり、図21は、センサユニット2001Lの受光手段であるラインCCDの出力を模式的に示した図である。
図20において、2001Lはセンサユニット、2003は座標入力有効領域(座標入力面)、2004は再帰反射手段、(1)、(2)、(3)、(4)はセンサユニット2001Lの投光手段から投光された光の方向を、それぞれ示す。
図20においては、センサユニット2001Lの投光手段から投光された光の内の(2)の方向に向う光と座標入力有効領域2003の図において上辺部との間の角度は45°になっている。
また、図21において、横軸はラインCCDの画素番号(角度情報と等価)[N]を、縦軸は出力信号レベル[V]を、それぞれ示しており、信号レベルBの位置が光を全く検出できないレベルであり、検出光量が大きくなるに従って信号レベルAの方向に出力レベルが変化する。図示されているように、受光手段であるラインCCDで検出される再帰反射された光の量は、角度方向に依存して、その出力レベルは一様とならない。この様な現象が起こる要因としては、主に次のものが考えられる。
A)センサユニット2001Lの投光手段の投光特性
B)センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離
C)再帰反射手段2004の再帰反射特性
センサユニット2001Lの投光手段の投光特性は、投光レンズの光学特性に依存することが大きいが、この種の座標入力装置にあっては、赤外LED(発光ダイオード)等の発光素子の出力光を、座標入力有効領域2003の面内に扇状に且つ座標入力有効領域2003に略平行に投光するように投光レンズが構成される。
図22は、センサユニット2001Lの投光手段における投光レンズの構成を模式的に示す図であり、同図において、2300は投光レンズである。図22(A)は、座標入力有効領域2003と直角の方向から見た投光レンズの図、同図(B)、(C)は、座標入力有効領域2003と平行な方向から見た投光レンズの図である。
一般に、座標入力有効領域2003に平行な面内方向に対称軸(以後、主光線方向、図22(A)における1)の方向)を有し、その垂直方向に投光手段からの光が、座標入力有効領域2003に略平行な光束(図22(B)における矢印方向)となって投光される。
図23は、座標入力有効領域2003の面内方向の投光レンズ2300の投光分布を示す図であり、同図において、縦軸は投光レンズ2300の投光レベルを、横軸は投光レンズ2300の投光角度を、それぞれ示す。
図23においては、主光線方向1)に対称な投光分布が示されている。この投光分布は、投光レンズ2300の曲率、または、その投光角度方向の有効瞳の大きさ等により決定される。
座標入力有効領域2003に垂直な方向においては、座標入力有効領域2003に略平行に且つ光束が広がらないように投光レンズ2300の設計が行われるが、その設計は厳密には困難であり、光束は座標入力有効領域2003の垂直方向に投光距離と共に広がってしまう。
従って、その投光距離が長くなるに従って光エネルギーの密度は小さくなり、座標入力有効領域2003に垂直な方向の再帰反射手段2004に入射する光は少なくなる。その結果、座標入力有効領域2003に垂直な方向からの再帰反射光は少なくなり、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離が長くなるに従って、センサユニット2001Lの受光手段により検出される光量は少なくなる。
更には、座標入力有効領域2003に垂直な方向の主光線が座標入力有効領域2003に平行でなければ、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離と共にその高さが変わるので、再帰反射手段2004に投光される光量は、やはりセンサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004までの距離に依存する結果となる(図22(C)参照)。
図24は、ビーズタイプの再帰反射手段2004の反射面の一部拡大図であり、図25は、再帰反射手段2004の再帰反射特性を、入射角をパラメータに整理して示す図である。
図25において、横軸は入射角θ°を、縦軸は入射光量に対する再帰反射した光量の割合(再帰反射効率)を、それぞれ示す。
これら図24及び図25より、入射角θ°が小さければ、略100%近い光量を再帰反射させることができるが、入射角θ°が、例えば、30°を超えるような範囲では、急激に再帰反射効率が低下することが理解される。
以上のことを踏まえ、図21の光量分布について説明する。
ここでは説明を簡単にするために、投光手段の座標入力有効領域2003の面内方向の投光分布を図23のように、略一定(角度依存性が小さい)と仮定する。この時、図20において、(1)の方向に投光された光は、再帰反射手段2004の反射面までの距離が最も近く、また、入射角θ°も小さい状態となっているが、(2)の方向に向かうに従って、再帰反射手段2004の反射面までの距離及び該反射面への入射角θ°が徐々に大きくなる。
しかしながら、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°前後となるまでは、略一定の再帰反射効率が得られているので、そのような状態にあっては、図20の(1)の方向の角度から(2)の方向の角度になるに従って、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量は徐々に多くなる。そして、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°より大きくなり、更に、図20の(2)の方向から(3)の方向に向かうに従って、極端に再帰反射光率が低下することになるので、それに伴い、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量も極端に少なくなる。
更に、図20における光線の方向が(2)→(3)→(4)となる過程において、(3)の方向で再帰反射手段2004の反射面の角度が急激に変わる。つまり、(3)−の位置では、再帰反射手段2004への入射角θ°が大きいのに対し、(3)+の位置では、入射角θ°がより小さな値となり、入射角θ°の不連続が起こる。その結果、図21の(3)の位置で光量分布の不連続が発生する。そして、図20における光線が(3)の方向から(4)の方向へ変化すると、再帰反射手段2004の反射面までの距離が徐々に小さくなることで、該反射面に入射する入射角θ°もより小さくなるので、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量レベルは徐々に大きくなっていく。
しかしながら、図20における光線の(1)の方向と(4)の方向での再帰反射手段2004への入射角θ°は略等しいが、センサユニット2001Lの投光手段から再帰反射手段2004の反射面までの距離が、(4)の方向の方が遠いため、(4)の方向の光線の検出光量レベルは、(1)の方向での光線の検出光量レベルより小さくなる。
以上より、座標入力有効領域2003の縦横比と座標入力有効領域2003に対するセンサユニット2001L,2001Rの配置位置とによって、この光量分布は大きく変化することが理解される。
特に、座標入力有効領域2003の縦横比が4:3から16:9になると、再帰反射手段2004への入射角θ°が大きくなり、再帰反射特性が悪くなるので、図20の(3)の方向で検出される光線の光量レベルは極端に低下することになる。
一方、センサユニット2001L,2001Rの受光手段であるラインCCDについて述べれば、精度良く遮光部位を検出するためには、図20における光線が(1)の方向であっても、検出信号レベルが電気的に飽和することがあってはならない。
従って、図20における光線が(1)の方向であっても、検出信号レベルが電気的に飽和することがないように、センサユニット2001L,2001RのラインCCDのシャッタを制御、或いは投光手段の投光素子に流れる電流を制御する必要がある。
しかしながら、検出信号レベルが電気的に飽和を起こさないように制御すると、図20における(3)の方向の光線の信号レベルが極端に低下し、信号が検出できない、或いは信号が検出できたとしても、ノイズにより信号が安定しない等の問題が生じる。
つまり、その方向((3)の方向)で信号が検出できなければ座標算出不能となり、ノイズによる信号劣化は、例えば、所定位置を指や指示具等の指示手段により指示し続けた場合、一定の座標値を出力することができなくなるので、座標算出分解能を大幅に低下させると言う問題が生じる。
更に、このような光量分布の大小差の改善は、さらには、入力領域に垂直な深さ方向の光量分布を均一性を保持したまま実現されることが望ましい。これは、もし深さ方向の光量分布が角度領域、或いは、入力領域により異なると、入力感、具体的にはペンダウンのタイミング判定が入力領域により異なることとなり、また、同一入力位置において一方の受光手段における信号情報と他方の受光手段における信号情報とが異なることとなり、誤検出の原因となる。
本発明の目的は、座標算出分解能を向上させることができる座標入力装置を提供することにある。更には、検出レベルの光量分布の大小差(ダイナミックレンジ)を小さくすることを目的とする。更には、これを、入力面に垂直な深さ方向に均一な光量分布を保ったまま実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、入射光を再帰反射する再帰反射手段と、前記再帰反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、前記投光手段から前記再帰反射手段への入射角が最大となる再帰反射手段が存在する辺に対して、前記最大角より入射角が小さい領域の前記再帰反射手段への投光量を前記最大角となる領域への投光量より減少させる投光量制御手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、受光手段で検出される検出信号波形の最大光量と最小光量との差を小さくすることができるので、座標算出分解能を向上させることができる。
以下、本発明の座標入力装置、座標入力装置の制御方法、制御プログラム及び記憶媒体の実施の形態について、図1乃至図18に基づき説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を、図1乃至図18に基づき説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る座標入力装置の構成を示す図であり、同図において、上述した従来例の図19と同一部分には、同一符号が付してある。
図1において図19と異なる点は、図19の構成に光透過部材1001を付加し、略均一の投光分布とした場合図1の長辺方向で受光分布が最大となる角度範囲及びその近傍角度範囲で、投光手段30による投光分布を不連続に減光する後述する調光手段3001を設けたことである。
光透過部材1001は、特定の波長のみの光を透過することができるもので、不要な光の透過を防止すると共に、再帰反射手段2004が直接外部に露出することを防止し、装置筐体(製品外観)の一部を構成する。即ち、光透過部材1001は、再帰反射手段2004の内側に沿い且つこの再帰反射手段2004の反射面全体を覆うようにして反射面との間に所定間隔を存して配置されている。
このように光透過部材1001を設けることで、製品として使われている際に、経時に伴い光透過部材1001に『ほこり』、『ゴミ』の類が堆積しても、該光透過部材1001をユーザが掃除することにより、前記堆積した『ほこり』、『ゴミ』の類を簡単に除去できる。その結果として、再帰反射手段2004の光学特性を半永久的に維持することが容易となり、信頼性の高い座標入力装置を実現することが可能となる。
再帰反射手段2004で再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布データが制御・演算ユニット2002に送られる。
前述した座標入力有効領域2003は、PDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置の表示画面で構成することにより、インタラクティブな入力装置として利用可能となる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮光され、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮光された遮光部位のみの光(再帰反射手段2004による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット(設定手段)2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から、座標入力有効領域2003上の座標位置を算出すると共に、図示しない表示装置に接続されているPC(パーソナルコンピュータ等)に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
このようにして、指や指示具等の指示手段によって、表示装置の表示画面上に線を描画したり、その表示画面上のアイコン操作によりPCの制御等が可能となる。
本実施の形態においては、センサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量分布は、略均一の投光分布とした場合図1の長辺方向で受光分布が最大となる角度範囲及びその近傍角度範囲で投光手段による投光分布を不連続に減光され、光軸に対して非対称な分布となる。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004により形成されている。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004を保護する光透過部材1001から成る。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、光透過性部材1001で、しかも装置筐体から成る。
また、センサユニット2001L,2001Rの投光手段の投光点(発光点)から座標入力有効領域2003の対角方向に形成される再帰反射手段2004から成る角部に向かう光線方向と、前記投光手段の投光点から座標入力有効領域2003の対角方向に形成される光透過部材1001によって構成される角部に向かう光線方向とが互いに異なる方向とすることが望ましい。
また、座標入力有効領域2003の水平方向に設けられた上記長辺の再帰反射手段2004の反射面より反射してセンサユニット2001L,2201Rの受光手段により検出される光量の最大レベルと、座標入力有効領域2003の垂直方向に設けられた上記短辺の再帰反射手段2004の反射面より反射して前記受光手段により検出される光量の最大レベルとが互いに等しくなるように、前記投光調光手段により投光される光量分布を設定することが望ましい。
また、再帰反射手段2004は、座標入力有効領域2003の周辺部に設けられ且つ再帰的に入射光を反射する。
また、センサユニット2001L,2201Rの投光手段は、再帰反射手段2004に向けて座標入力有効領域2003の面に略平行で且つ座標入力有効領域2003の面内方向に光軸に対して非対称な一部角度領域が不連続に減光され且つ座標入力有効領域2003の面内方向で座標入力有効領域2003の面に垂直な方向(深さ方向)の光量分布が略均一な光束を投光する。
以降、各部分毎にその構成及び動作について説明する。
〈センサユニット2001L,2201Rの説明〉
図2は、センサユニット2001L,2201Rの分解斜視図であり、センサユニット2001L,2201R中の投光手段及び受光手段の構成例を示したものである。
図2(A)において、30は投光手段で、赤外光を発光する赤外LED(発光ダイオード)31及び投光レンズ32より成り、赤外LED31で発光した光は、投光レンズ32によって、座標入力有効領域2003の面に略平行に、座標入力有効領域2003の面内方向に光軸に対して非対称な一部角度領域が不連続に減光され且つ座標入力有効領域2003の面内方向で座標入力有効領域2003の面に垂直な方向(深さ方向)の光量分布が略均一に光束を投光する。
図3(A)は、センサユニット2001L,2201Rの組み立て状態における正面図で、同図における矢印は、投光手段30による光が座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に分布している様子を示している。また、図3(B)は、図3(A)を側面から見た図であり、同様に座標入力有効領域2003の面に略平行に、上下方向に制限された光束として投光され、主に再帰反射手段2004に対して光が投光されている様子を示している。
つまり、透光レンズ32は、座標入力有効領域2003の面に垂直方向には上記LED31の発光部からの光束を入力面に平行な方向にコリメートするためのレンズ曲率形状で形成され、しかも座標入力有効領域2003の面に平行方向には前記LED31の発光部から同一径の曲面を形成しているので、透光レンズ表面の一定領域の減光処理がない場合には、座標入力有効領域2003の面に平行方向には扇型に均一な透光分布を生じる。本発明においては、座標入力有効領域2003の面内方向に仮に減光処理がない場合、前記の通り略均一の投光分布となるが、この場合図1の長辺(水平)方向で受光分布が最大となる一定の角度を中心とした一定角度範囲に対し、投光手段による投光分布を不連続に減光し、結果として光軸に対して非対称な分布となるような調光手段を前記投光手段に具える。これに関しては投光分布と受光分布の関係において後に詳述する。調光手段としては、図中3001に一部表面に拡散処理を施した投光レンズ32を示す。赤外LED31で発光した光は、拡散処理されていない領域に関する方角では従来の光量の光束が投光されるが、拡散処理を施された投光領域はに関する方角では拡散面で拡散し、従来の光量に対して減光された光束が投光される。座標入力有効領域2003の面に垂直な方向に均一に処理されているので、座標入力有効領域2003の面に垂直な方向である指示入力に対する深さ方向に光量分布の偏りが生じることなく均一に投光される。その座標入力有効領域2003の面に垂直な方向の拡散処理面の幅も非処理面の幅と同一であるので、座標入力有効領域2003の面内方向で投光量の差は生じるが、座標入力有効領域2003の面に垂直な方向である指示入力に対する深さ方向の幅は均一に保たれる。
この拡散処理は、仮に略均一の投光分布の場合図1の長辺(水平)方向で受光分布が最大となる一定の角度に施されるので、座標入力有効領域2003の面内方向に図3(A)に示す矢印の大きさで模式的に示されるように拡散非処理面角度方向の投光量に比べて拡散処理面角度方向の投光量が減少する。図3(A)に示す本発明の実施例では、略45°方向の左半分は拡散非処理で、右半分は拡散処理を施している。拡散処理の表面荒さは必要とされる減光量に応じてヘイズ値、表面粗さ等の数値により一定に管理されたもので、工業的には前記投光レンズ32の成型型に対して所定の表面処理を施す。この処理は、一度成型型に前記処理を施せば、通常の成型品と同様に一定の高品質の光学部品を量産できるので、投光レンズ32の光路上にフィルター等の別部品を設ける場合に比べコスト的に安価に安価に製品を製造することができる。また、上記フィルターの場合、従来スリット、或いは透過率の異なる透光フィルターを座標入力有効領域2003の面に垂直な方向(深さ方向)の幅を変化させることにより座標入力有効領域2003の面内方向への投光分布を調整する場合に比べ、前述のように座標入力有効領域2003の面に垂直な方向(深さ方向)への投光光束分布を一定に保つことができる。
以上の投光手段への調光手段として投光レンズ表面への拡散処理を示したが、減光処理であればこれに限るものではない。例えば、図2(B)で投光レンズの曲率に変化を持たせる手段(上図が入力面に対し垂直方向から見た図、下図が平行方向(光束方向)から見た図 以下同)、図2(C)で投光レンズに入力面に対し水平方向に溝を設ける手段、図2(D)で表面に凹凸を設けるのではなく印刷により細かな遮光部分を設け投光面積を深さ方向に均一に調整する手段、等でも良い。図2(B)の場合投光レンズの曲率、有効レンズ径を変化させる場合について補足説明を行うと、図2(B)の最下段の垂直断面図で示されるように、透光レンズ向かって左半分が、座標入力有効領域2003の面に発光部を中心とした垂直断面方向には上記LED31の発光部からの光束を入力面に平行な方向にコリメートするためのレンズ形状で形成されているが、透光レンズ向かって右半分の座標入力有効領域2003の面に発光部を中心とした垂直断面方向には左半分に比べて正面方向を除く発光部からの入射角が小さくなるようなレンズ形状となっており、コリメートされずに座標入力有効領域2003の面に非平行な光束として投光されるので、前記再帰反射手段への光量は減少する。レンズの前記深さ方向の厚みは透光方向(左右)で等しくする。
再び図2(A)に戻って説明すると、40は受光手段で、一次元のラインCCD41、集光光学系としての集光レンズ42、入射光の入射方向を概略制限する絞り43、可視光等の余分な光の入射を防止する赤外フィルタ44から成る。そして、投光手段30で投光された光は、再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42によって、ラインCCD41内の検出素子群の面上に集光される。
また、図2(A)において、51は下筐体、52は上筐体であり、絞り43、上筐体52及び下筐体51は、再帰反射手段2004の再帰反射光のみを通過させるように、主に高さ方向(座標入力有効領域2003の面よりの高さ方向)の視野を制限しており、座標入力有効領域2003の面内方向の視野は、大まかに制限する構成となっている。
なお、本実施の形態においては、下筐体51と絞り43とは、互いに一体に成型されているが、これらを別部材で構成しても良いことは言うまでもない。
図4は、センサユニット2001L,2201Rの投光手段30による光が再帰反射手段2004により再帰反射して、受光手段であるラインCCD41で検出されるまでの光路を説明するための図であり、同図において図2(A)及び図3と同一部分には、同一符号が付してある。
図4(A)は、座標入力有効領域2003の面に対して垂直方向から見た正面図、図4(B)は、その側面図である。
図4(A)において、前述した略90°方向に投光された投光手段30の光は、再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42に入射することになるが、その光は、集光レンズ42に対する入射角に応じてラインCCD41の画素45上に結像する(図4(B)参照)。従って、ラインCCD41の出力信号は、再帰反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD41の画素番号が角度情報を示すことになる。
また、本実施の形態の場合、投光手段30と検出手段である受光手段40は、互いに重ねて配置されており、その距離L(図3(B)参照)は、投光手段30から再帰反射手段2004までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を検出手段である受光手段40で検知することが可能な構成となっている。
図5は、本実施の形態に係る座標入力装置における受光光学系で観測されるラインCCD41の画素番号Nと導出すべき角度θとの関係を示す図であり、同図において、縦軸は導出すべき角度θを、横軸はラインCCD41の画素番号を、それぞれ示す。
ここでは、ラインCCD41の法線方向と受光光学系の対称軸βL,βRとを互いに一致させ、その方向を角度0°と定義する。この時、測定角度範囲が小さければ、ラインCCD41の画素番号Nと測定角度θとの関係が、例えば、良好な線形性を有する集光レンズ42を設計、製造することは容易であるが、測定角度範囲が大きくなると、集光レンズ42の端部で発生する光学的歪を除去することが困難となり、測定角度に大きな誤差が発生するようになる。
従って、図1に示すように、受光光学系の対称軸βL,βRは、座標入力有効領域2003のX軸に対して略45°傾けた方向に設定、若しくはセンサユニット2001L,2001Rと座標入力有効領域2003によって決まる光線A、及び光線Bの角度2等分線方向に、受光光学系の対称軸βL,βRを設けるのが好ましい設定となる。このように設定することで、受光光学系の測定角度範囲は、少なくとも±45°以下になる。
一方、本実施の形態に係る座標入力装置は、表示ディスプレイ(表示装置)と重ねて配置することによって、指や指示具等の指示手段による筆跡を表示ディスプレイに表示させて、恰も紙と鉛筆の様な使い勝手を実現できるものである。
表示ディスプレイの動向について述べれば、表示領域の縦横比(アスペクト比)は4:3のものが主流であったが、フルHD画像等に見られるように16:9のものが普及しつつある。つまり、座標入力装置の座標入力有効領域2003もそれに対応すべく横長の仕様となる。
従って、再帰反射手段2004に対する入射角、または再帰反射手段2004までの距離は、光学的にはより厳しい条件となり、課題の項でも述べた通り、図21で示される検出信号波形の最大信号レベルと最小信号レベルとの差は、より大きなものとなる。従って、ラインCCD41のダイナミックレンジでその信号差をカバーすることができなくなり、結果的に座標算出分解能が低下したり、或いは座標算出不能の状態を引き起こす。
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、その特徴は、上述したように、座標入力有効領域2003の面内方向に仮に略均一の投光分布の場合図1の長辺(水平)方向で受光分布が最大となる一定の角度を中心とした一定角度範囲で投光手段による投光分布を不連続に減光され、結果として光軸に対して非対称な分布となるような調光手段を前記投光手段に具えることである。
図6乃至8図は、本願発明の効果を説明するための図であって、センサユニット2001L,2001R中の受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸βL,βRを図1に示すように、座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾けて配置し、その方向を角度0°と定義すると共に、角度の符号を左側センサユニット2001Lでは時計回りに、右側センサユニット2001Rでは反時計回りに定義する(図1参照)。
図6(A)は、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸(座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾いた方向であって、図6(A)の角度0°方向相当)と同一の方向に投光手段30の対称軸を設け、且つ投光分布が略一様(角度依存性が小さい)となるような投光手段30の投光レベルを示す図であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
この時、図1の様な光学的部品配置にて受光手段40で出力される信号のレベル比を示したのが図6(B)であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。図6(B)に示すように、角度−14°付近、つまり、投光手段30により投光された光束のうち、投光(発光)点から対向する再帰反射手段2004により形成される角部へ向かう光線(図1においては、左側のセンサユニット2001LからAの領域へ向かう光線)の再帰反射レベルが最も小さくなる。つまり、このAの領域へ向かう光線は、再帰反射手段2004の反射面までの距離が遠いことに加え、再帰反射手段2004の反射面への入射角が大きいことから、受光手段40で検出される光量レベルが小さくなる。
一方、図1において、左側のセンサユニット2001LからC方向へ向かう光線(角度に換算して、略+45°方向)は、再帰反射手段2004までの距離も近く、入射角も小さいことから、受光手段40により十分な光量レベルが得られる。
一方、図1において、左側のセンサユニット2001LからD方向へ向かう光線(角度に換算して、略−45°方向)は、再帰反射手段2004への入射角は、左側のセンサユニット2001LからC方向へ向かう光線のそれと大差ないが、再帰反射手段2004までの距離が大きくなっているので、受光手段40により得られる光量レベルは、Cの方向へ向かう光線の光量レベルよりは小さな値となる。
従って、検出される光量のレベル差は約10倍にも達し、ラインCCD41のダイナミックレンジを考慮すると、図1のAの方向で検出される信号は、ノイズに弱い信号レベルとならざるを得ない。
更にこれは、本発明の第一の実施例に直関係するものではないが、同じ前記A方向の角部から検出される再帰反射レベルは最も小さな値となるのではあるが、さらに詳しく説明すると、同じ前記A方向へ投光される光束に対して、長辺方向の再帰反射手段に対する入射角は図に示すように∠Eであり、短辺方向の再帰反射手段に対する入射角は∠Fであるが、表示領域の縦横比(アスペクト比)が例えば16:9のものに対応した座標入力有効領域2003においては∠F<∠Eは顕著であり、従って再帰反射手段n入射角特性により再帰反射光の光量は短辺側から長辺側へ大きく不連続に低下する図6(B)の様な段差を生じることとなる。
従って、後述する方法で位置検出を行う際に、その方向での座標算出分解能が極端に低下する原因となる。更に、これは、再帰反射手段への入射角が最大となる長辺に関わる対角角部に対して最も顕著となる。
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、検出信号レベルの差を改善し、座標算出分解能を向上させることを目的とするものである。
図7(A)は、受光手段40の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸(座標入力有効領域2003のX軸方向に45°傾いた方向であって、図6(A)の角度0°方向相当)と同一方向に投光手段30の座標入力有効領域2003と平行な面内方向の対称軸に対して、長辺側の0°以上の半分に投光手段30の光源LEDからの光束を減光する減光手段3001を設けた場合の投光手段30の投光レベルを示す図であり、図7(B)は、この時得られる受光手段40で出力される信号のレベル比を示す図であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
座標入力有効領域2003の面内方向に仮に略均一の投光分布の場合図1の長辺(水平)方向で受光分布が最大となる一定の角度を中心とした一定角度範囲で投光手段による投光分布を不連続に減光され、結果として光軸に対して非対称な分布となるような調光手段3001を前記投光手段に具えることである。本発明における調光手段は実質的には減光手段であり、前述のとおり拡散処理を施している。この拡散処理は座標入力有効領域2003の面に垂直な方向(深さ方向)に対しては均一に処理されているので、その深さ方向の投光光束分布を一定に保つことができる。投光レンズ32の出射側に施された拡散処理により、非処理面に比べ、光が拡散し、或いはロスが生じ、再帰反射手段方向への光量が減少する。拡散させる場合には、投光レンズ32から投光される光束の方向は、深さ方向に対して広がる場合もあるが、再帰反射手段の深さ方向の幅より前記拡散光の幅の方が広い場合には結局再帰反射手段の幅内において受光手段への再帰反射が起こるので、拡散非処理面と拡散処理面の深さ方向の幅は均一となる。
上記減光処理は、投光手段の対称軸から+側の角度方向のみに行った。これは、投光対象再帰反射手段として長辺の再帰反射手段の方向に対してのみ行うということである。これは、上記長方形のアスペクト比を持つ入力領域に対応する場合、幾何学的に自明なこととして短辺に比べて長辺の再帰反射手段に対する光量分布が、図6(B)に示されるように、入射角が小さく距離が短い最大検出レベルと前記角部の入射角が最大で距離が最長の最小検出レベルの両方を示す、つまり、ダイナミックレンジの決定要因を長辺に対する検出レベル特性が握っているということである。特に、本発明の目的は、この長辺に対する検出レベルで最大となる角度領域(図6(B) のG)に対して、投光量を減じ、全体の検出レベルにおける検出信号レベルの差、もしくは比、つまり、ダイナミックレンジを改善するものである。従って、従来のような、対称系の投光量制御ではなく、本発明においては、従来の均一投光を行った場合図6(B)のような検出レベル分布を示す場合の最大検出レベル角度領域のみに対して光軸(この場合は0°方向)に対して非対称な減光処理を行うものである。更に効果的に調光処理を行うためには、従来の連続的な光量分布における配光分布の調整ではなく、図7に示す様な不連続な投光調整を行うことにより、必要とする角度領域、つまり、最大検出レベル近傍の角度領域のみに対して減光処理を行う。これにより、本来これ以上投光レベルを下げるのが望ましくない角度領域(本実施例の場合には、角度方向の最低検出レベル領域)に対しては、影響を与えることなく、最大検出レベル領域に対してのみ減光処理ができるので、連続的な調光を行うのに対し、検出レベルのダイナミックレンジの改善を効率的に行うことが可能となる。
調光(減光)の対象となる再帰反射手段の辺を短辺でなく長辺と規定するのは、前述のように投光手段からの入射角が最大となる辺として規定する。
以上のように光量レベルが最も小さい再帰反射手段への入射角が最大となる角部の長辺に対して、最小レベルより検出光量の大きい前記最大入角より入射角が小さい角度領域、望ましくは入力面に平行な方角に均一な分布の投光の場合最も検出光量が最大になる、角度領域に投光量制御(調光)手段を設けて、最小レベルはそのまま、最大レベルを減少させることで、ダイナミックレンジの改善を図る。
調光による減衰率は、その調光による検出レベルの低下後に検出レベルの最小値である長辺の角部における検出レベルを下回らないように設定する。具体的には、図7(B)に示すような検出レベル分布の場合には、調光手段を設けた領域の内、調光前の検出光量レベルがもっとも小さい角度領域である、最も入射角最大値である角部から近い調光領域で検出レベルの最小値を下回らないように設定する。図7(B)の場合には、もっとも最も入射角最大値である角部から近い調光開始角度領域である0°(図中B)において減光後の検出レベルが角部の検出るレベル(図中A)となるように減衰率40%とした。減衰率は調光角度領域は一定とすることにより工業上コスト的に安価に実施することができる。
結果として、図7(B)に示すように、角度−14°付近方向の再帰反射レベルが最も小さくなることは変わらないが、再帰反射手段2004の反射面への入射角が小さい領域(例えば、図1の領域C)への放射光強度が低下しているので、受光手段40で検出される光量のレベル差は約6倍程度に改善される。
図8(A)は、本発明の他の実施例であり、図7で用いた投光手段30に対する調光と再帰反射手段のカバーである前記光透過部材1001に対する調光部材を装着することにより調光とを組み合わせた場合の状態のレベル比を示す図であり、その時の結果を示す図が図8(B)であり、縦軸はレベル比を、横軸は角度を、それぞれ示す。
図8(C)には、本実施例の具体的な構成を示す図である。本実施例の目的は、前記実施例の場合前記実施例と同様の角度範囲で投光手段を減光し更に最大検出レベルを下げようし減衰率を60%とすると点Bにおいて本来の最小検出レベルである点Aの検出レベルを下回ってしまうので、本来のダイナミックレンジ改善の目的は達成されない。そこで、図に示すように減衰率を60%とする角度範囲を点Cの角度までのDの角度範囲(図8(C)で∠H領域)とし、角度Cから角度Bまでの角度範囲E((図8(C)で拡散シートJ)では、減衰率を下げて40%となるように上記前記光透過部材1001に対する調光部材を装着する。ここで、角度Cにおける検出レベルが角部の図中Aの角度の最低検出レベル光量を上回るように角度Cが決定される。角度Bでは、前記実施例のようにAの角度の最低検出レベル光量を上回るように設定される。上記では、角度範囲Dは投光手段、角度範囲Eは、上記前記光透過部材の夫々に対する光制御手段で構成したが、角度範囲Eも透光手段に対する光制御手段で構成しても良い。
以上のように、光路に対して複数の減衰率の光調整手段を投光軸に対して非対称に組み合わせることにより、図8の(B)の検出レベルで示されるように減衰率60%の減光で最大値が40%になり、
この結果、光量が最も弱くなる領域は、図1の領域Aに向かう方向の角度A領域で変わらないが、光量が最大となる領域が40%に下がって、領域Hに形成される。この時、受光手段40で検出される光量レベルの差(=Max/Min)は約4倍程度に改善されており、ノイズの影響を受けない良好な信号波形、つまり、高分解能な座標入力装置を実現することができる。
上記説明では、簡単のため、角度領域Eにおいて前記光透過部材1001に対する調光部材を装着した影響は片方の受光手段のみについて検出レベルを示したが、実際には、角度領域Eの減光効果は、もう一方の受光手段に対しても影響する。従って、実際には、前記光透過部材1001に対して光制御手段を設ける場合には、更にもう一方の受光手段に対する光量減衰を合わせて考慮する必要がある。透過部材1001に対して光制御手段の方法としては、透過部材1001表面の所定の領域で前記座標入力領域に垂直な深さ方向に均一に拡散処理を施す手法あるいは同領域に拡散テープを装着する手法により、光拡散により透過光量を低下させる。或いは、同領域に、透光率が一定値に低下するフィルター効果をもたせる為の透光制御テープを装着してもよい。
上述のとおり、透過部材1001に対して光制御手段を設ける場合には、投光及び受光手段は一方のみならず他方の影響も受けるために、例えば、図(B)の角度領域Dに光減衰率60%の拡散テープ等の光制御手段を装着すると、当該対象の投光及び受光手段の角度領域Dに対しては最大検出光量が40%になりダイナミックレンジが改善されるが、同一対称再帰反射手段(透過部材)領域に対応する他方の投光及び受光手段にとっての角度領域Eでは、不図示ではあるが、検出量が角度領域Aの光量が現在の最小値の更に40%になり、更にダイナミックレンジは改善されない。従って、透過部材1001に対して光制御手段は、角部近傍領域である角度領域A及びH近傍では用いない、或いは、用いるにしても低減衰制御にとどめ、上記実施例のように、角度領域Eのような、長辺の中央領域、角度0°近傍領域に適応するのが望ましい。透過部材1001に対して光制御手段は、単独ではダイナミックレンジは改善には限界があり、前記実施例のように、投光制御手段との組み合わせにより用いることにより、より顕著な検出レベルのダイナミックレンジ改善効果が得られる。
但し、透過部材1001に対する光制御手段はより角度分布に対して正確にその透過部材1001に対する装着領域に対して正確な角度領域に対して光制御効果を及ぼす。図6〜8(B)検出レベル分布に示すように、前述のとおり同じ角度領域に対しても長辺と短辺では入射角の違い(∠E<∠F)により検出レベルの不連続分布が生じ、いくら他の部分で均一な分布としてもこの角部の不連続分布を解消しないと、その不連続分布分のダイナミックレンジは残ってしまう。図9の矢印Kに示すように、少なくとも短辺の角部近傍に減衰後に長辺の検出レベルとなるような減衰手段を透過部材1001に装着し、長編の角部近傍には制御手段は非装着とする、不連続な制御手段を設けることにより、不連続分布分を解消し、全体のダイナミックレンジを小さくすることができる。この場合の実施例の主眼とは異なるが、図9の矢印Lの領域は矢印Kの領域より相対的に検出光量分布が大きい領域なので、矢印Lの領域には矢印Kの領域に比べて減衰率の大きな減衰手段を透過部材1001に装着することによりより全体としての角度均一化が図れる。透過部材1001へ装着する減衰手段としては前述の拡散テープ、透光制御テープ、更には、透過部材1001に対する直接的な表面処理等が考えられる。
もちろんこの不連続制御は透過部材1001に対する光制御手段のみならず、前述の投光手段に対する調光において実現してもよいことは言うまでもない。
また、上記実施例においては、特に限定したものではないが主に投光レンズの投射側のレンズ表面に対して減光処理を施した例を示したが、投光量制御手段としてはこの形態に限定されるものではなく、例えば、光源であるLED等自体に同様の処理を施しても良く、また、投光レンズの投光側にフィルター板を設け、そのフィルター板対して、深さ方向のスリット幅等を変化させたり深さ方向の透光特性の幅を変化させる等の手法ではなく深さ方向に均一な減光処理を一部角度領域に相当する領域に施し、入力領域に平行な方向に対して均一な透光分布を持つLEDと透光レンズに対して、前記のような一部角度領域に対して不連続な減光効果を及ぼす構成としても良い。
〈制御・演算ユニット2002の説明〉
図1の制御・演算ユニット2002とセンサユニット2001L,2001Rの間では、ラインCCD41の制御信号、CCD用クロック信号、ラインCCD41の出力信号及びLED31の駆動信号がやり取りされている。
図10は、制御・演算ユニット2002の構成を示すブロック図であり、同図において、2001L,2001Rはセンサユニット、81L,81RはA/Dコンバータ、82はメモリ、83はワンチップマイコン等で構成されるCPU(中央演算処理装置)、84L,84RはLED駆動回路、85はCPU制御用の動作クロック、86はCCD制御用動作クロック(CLK)、87はシリアルインタフェースである。
図10において、CCD制御信号は、CPU83から出力されており、ラインCCD41のシャッタタイミングや、データの出力制御等を行っている。ラインCCD41用のクロックは、CLK86からセンサユニット2001L,2001Rに送られると共に、ラインCCD41との同期をとって、各種制御を行うために、CPU83にも入力されている。
LED駆動信号は、CPU83からLED駆動回路84L,84Rを経て、センサユニット2001L,2001R中の赤外LED31に供給されている。
センサユニット2001L,2001R中の検出手段であるラインCCD41からの検出信号は、制御・演算ユニット2002中のA/Dコンバータ81L,81Rに入力され、CPU83からの制御によってデジタル値に変換される。変換されたデジタル値は、必要に応じてメモリ82に記憶され、後述する方法で角度算出、さらには座標値が求められ、その結果を、外部PC(パーソナルコンピュータ)等にシリアルインタフェース87等を介して出力される。
〈光量分布検出の説明〉
図11は、制御信号のタイミングチャートであり、同図において、91,92,93がラインCCD41制御用の制御信号であり、91Sh信号の間隔でラインCCD41のシャッタ解放時間が決定される。92,93はそれぞれ左右のセンサユニット2001L,2001Rへのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号である。
94,95は左右のセンサユニット2001L,2001RのLED31の駆動信号であり、Shの最初の周期で一方のLED31(この場合は、センサユニット2001L中のLED)を点灯するために94の駆動信号がLED駆動回路(この場合は、LED駆動回路84L)を経てLED31に供給される。次の周期で他方のLED(この場合は、センサユニット2001R中のLED)が駆動される。双方のLED31の駆動が終了した後に、ラインCCD41の信号が左右のセンサユニット2001L,2001Rから読み出される。
読み出される信号は、例えば、指、或いは指示具等による入力が無い場合、つまり、遮光部分が無い場合には、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからの出力として、図12(A)のような光量分布が得られる。
図12は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
勿論、このような光量分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射手段2004の特性(前述した再帰反射手段2004の入射角による再帰反射特性)やLED31を含む投光手段30の特性、また、経時変化(再帰反射手段2004の反射面の汚れ等)によって、この光量分布は変化する。
図12(A)において、Aのレベルが最大光量を検出した時のレベルであり、Bのレベルが最低レベルであるものとし、従って、反射光のない状態では、得られるレベルはB付近になり、反射光量が増えるほどAのレベルに近づく事になる。この様に、ラインCCD41から出力されたデータは、逐次A/DコンバータによりA/D変換された後、CPU83にデジタルデータとして取り込まれる。
図12(B)は、指等で入力を行った、つまり、再帰反射手段2004の反射光を遮った場合の出力の例を示す図であり、同図のCの部分が指等で再帰反射手段2004の反射光が遮られたため、その部分のみの光量が低下している。
光量分布の検出は、この光量分布の変化を検知して行うものであり、具体的に説明すれば、まず、図12(A)のような入力の無い初期状態(以後、初期状態で得られたデータを初期データと記述する。)を予めメモリ82に記憶しておき、それぞれのサンプル期間で得られるデータと予めメモリ82に記憶しておいた初期データとの差分を算出することで、図12(B)のような変化があるか否かを判別する。
〈角度計算の説明〉
角度計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。
先にも述べたように、光量分布は経時変化等で一定ではないため、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することが望ましい。つまり、工場等の出荷時に初期データを設定し、そのデータの更新が逐次行われなければ、例えば、所定の位置の再帰反射手段2004の反射面にゴミが付着した場合、その部分での再帰反射効率が低下するので、恰もその位置(センサユニット2001L,2001Rから見た方向)で座標入力動作が行われた、即ち、誤検出してしまうと言う重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することで、再帰反射手段2004の反射面が経時的にゴミ等で汚れて再帰反射効率が落ちていても、その状態を初期状態として設定し直すことができるので、誤動作を無くすことができる。
無論、再帰反射手段2004からの信号がゴミの付着した部分で全く受け取ることができなくなれば、座標検出不能の事態となり、何らかの方法で、そのゴミ等を除去しなければならないが、仮に、再帰反射手段2004からの光信号が大幅に減っている状態にあっては、S/N比の関係で信号の信頼性が低下(例えば、同一地点を指示しているにも拘らず座標が揺らぐ現象が発生し、座標算出分解能を低下させてしまう)するので、このような場合であっても、付着したゴミ等は除去することが好ましく、本発明においては、容易にそのゴミ等の除去が可能なように光透過部材1001が設けられている。
さて、電源投入時、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、まず、投光手段30から照明すること無しにラインCCD41の出力をA/Dコンバータ81L、81RによりA/D変換して、これをBas_data[N]として、メモリ82に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図12(A)のBのレベル付近のデータとなる。ここで、[N]はCCD画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。
次に、投光手段30から照明した状態での光量分布を記憶する。図12(A)の実線で表されたデータであり、Ref_data[N]とし、初期データの記憶を完了する。
これらのデータを用いて、まずは入力が行われたか、遮光範囲があるか否かの判定を行う。
あるサンプル期間のデータをNorm_data[N]とする。
まず、遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、入力の有無を判定する。これは、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。変化の絶対量を各々の画素において以下の式(1)の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_data_a[N] = Norm_data[N] − Ref_data[N] (1)
従って、Norm_data_a[N]は、各画素における絶対変化量に相当することになる。
この処理は、差を取って比較するだけなので、処理時間が短くて済むので、入力の有無の判定を高速に行うことが可能である。
Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出された時に入力があったと判定する。
次に、より高精度に検出するために、変化の比を計算して入力点の決定を行う。
図13は、再帰反射手段2004の再帰反射面を示す図であり、同図において、910は再帰反射手段2004の反射面、911は指や指示具等の指示手段である。ここで反射面910の領域(10)の反射率が汚れ等により低下していたとすると、このときのRef_data[N]の分布は、図14(A)のように、領域(10)の反射光量が少なくなる。
図14は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
図14(A)の状態で、図13のように、指や指示具等の指示手段911により再帰反射手段2004の略半分を覆ったとすると、反射光量は略半分となるため、図14(B)の太線で示した分布Norm_data[N]が観測される。この状態に対して、上記式(1)を適用すると、図15(A)のようになる。
図15(A)は、Norm_data_a[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_a[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
また、図15(B)は、Norm_data_r[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_r[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
ここで、図15において、縦軸は初期状態との差分電圧になっている。
このデータに対して、閾値Vthaと比較すると、本来の入力範囲を外れてしまうような場合(図15(A)の破線領域)がある。勿論、閾値Vthaをより小さな値に設定することで、ある程度の検出は可能となるが、ノイズ等の影響を受ける可能性が高くなり、座標算出性能を劣化させると言う弊害が発生する。
そこで、指示手段911によって遮られる光量は、反射面910の領域(10)、領域(11)ともに最初の半分(領域(10)ではV1レベル相当、領域(11)ではレベルV2相当)であるので、次の式(2)で変化の比を計算する。
Norm_data_r[N]=Norm_data_a[N]/(Bas_data[N]-Ref_data[N]) (2)
この式(2)の計算結果を示すと、図15(B)のようになり、変動比で表されるため、反射率が異なる場合でも等しく扱うことが可能になり、このデータに対して、閾値Vthrを別途設定して、その立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号から、例えば、両者の中央を入力画素として、高精度に画素情報が取得可能となる。
ところで、図15(B)は、説明の便宜上、模式的に描いたものであり、実際の検出信号波形を詳細に表示すると、図16のようになる。
今、閾値Vthrと比較して遮光領域の立ち上がり部分は、Nr番目の画素で閾値Vthrを越えたとし、Nf番の画素で閾値Vthrを下まわったと仮定する。この時、出力すべきラインCCD41の画素番号Npを、先に説明したように、立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号の中央値として下記式(3)のように計算しても良いが、そうすると、ラインCCD41の画素間隔が出力画素番号の分解能になる。
Np=Nr+(Nf-Nr)/2 (3)
そこで、より高分解能に検出するために、画素の出力レベル情報を用いて演算を行う。
図16において、画素番号NrのラインCCD41の出力レベルをLr、画素番号Nr-1の出力レベルをLr-1とする。同様に、画素番号Nfの出力レベルをLf、画素番号Nf-1の出力レベルをLf-1とする。このとき検出すべき画素番号を、それぞれのNrv、Nfvとすれば、
Nrv=Nr-1+(Vthr-Lr-1)/(Lr-Lr-1) (4)
Nfv=Nf-1+(Vthr-Lf-1)/(Lf-Lf-1) (5)
と計算すれば、出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまり、ラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号を取得でき、出力される仮想中心画素Npvは、下記式(6)で決定される。
Npv=Nrv+(Nfv-Nrv)/2 (6)
このように、画素番号とその画素の出力レベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出が可能となる。
〈CCD画素情報から角度情報への変換〉
さて、得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、前述の画素番号を角度情報に変換する必要がある。
図5は、得られた画素番号と角度θとの関係をプロットした図である。この関係の近似式(下記式7)
θ=f(N) (7)
を求め、この近似式よりデータの変換を行う。
本発明では、1次近似式を用いて近似できるように、先に説明したセンサユニット2001L,2001R中の受光手段のレンズ群を構成するが、レンズの光学的収差等により、より高次な近似式を用いた方が、より高精度に角度情報を得ることが可能となる場合がある。
どのようなレンズ群を採用するかは、製造コストと密接に関連し、レンズ群の製造原価を下げることによって一般的に発生する光学的な歪を、より高次の近似式を用いて補正する場合には、それなりの演算能力(演算速度)を要求されるので、目的とする製品に要求される座標算出精度を鑑みながら、その両者を適宜設定すれば良い。
〈座標計算方法の説明〉
図17は、本実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット2001L及びセンサユニット2001Rの位置関係を示す図であり、座標入力有効領域2003の水平方向にX軸、垂直方向にY軸を、そして、座標入力有効領域2003の中央を原点位置に配置するものとし、座標入力有効領域2003の上辺左右にセンサユニット2001L及びセンサユニット2001RをY軸に対称に取り付け、そのセンサユニット2001L,2001R相互間の距離をDsとする。
また、図示されているように、センサユニット2001L,2001RのラインCCD41の受光面は、その法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置され、その法線方向を0°(基準方向)と定義する。この時、角度の符号は、左側に配置されたセンサユニット2001Lの場合には、時計回りの方向を『+』方向に、また、右側に配置されたセンサユニット2001Rの場合には、反時計回りの方向を『+』方向と定義する。
さらには、図中Poは、各センサユニット2001L,2001Rの法線方向の交点位置であり、Y軸方向の原点からの距離をPoyと定義する。この時、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rで得られた角度をθL、θRとして、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、下記式(8)、(9)で得られる。
Figure 2007072587
次に、本実施の形態に係る座標入力装置の一連の処理工程を、図18を用いて説明する。
図18は、本実施の形態に係る座標入力装置のデータ取得から座標計算までの処理動作の流れを示すフローチャートである。
電源投入が行われると、まず、ステップS1801でCPU83等のポート設定、タイマ設定等、様々な初期化が行われる。次に、ステップS1802で、後述する受光素子であるところのCCD画素の有効範囲を、例えば、メモリ82から読み出して設定する。次に、ステップS1803で、立ち上げ時のみに行うラインCCD41の不要電荷除去のための準備である初期読み込み回数を設定する。
ラインCCD41等の光電変換素子においては、動作させていない時に不要な電荷が蓄積している場合があり、そのデータをそのままリファレンスデータとして用いると、検出不能、或いは誤検出の原因となる。
それを避けるために、ステップS1804で、前述した投光手段30の照明無しの状態で、ラインCCD41からのデータを、前記ステップS1801において予め設定された回数読み出すことにより、ラインCCD41に蓄積されていた不要電荷の除去を行う。
次に、ステップS1805で、読み込み回数が所定回数に達したか否かを判断する。そして、読み込み回数が所定回数に達しないと判断された場合は、前記ステップS1804へ戻り、また、読み込み回数が所定回数に達したと判断された場合は、ステップS1806へ進む。
ステップS1806では、投光手段30の照明無しの状態でのデータの取り込みを行い、これは、リファレンスデータとして上述したBas_data[N]の取得に相当し、次のステップS1807で、前記ステップS1806において取得されたデータがメモリ82に記憶され、以降の計算に用いられる。
次に、ステップS1808で、投光手段30により照明したときの初期光量分布に相当するリファレンスデータRef_data[N]の取り込みを行い、次のステップS1809で、前記ステップS1808において取得したデータをメモリ82に記憶する。
以上のステップまでが電源投入時の初期設定動作であるが、この初期設定動作は、リセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良いことは言うまでもなく、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行することになる。
通常の取り込み動作は、まず、ステップS1810で、光量分布を通常取り込みにより取り込む。次に、ステップS1811で、メモリデータ(Ref_data)との差分値を計算し、次のステップS1812で、遮光部分の有無を判断、つまり、座標入力が有るか否かを判断する。そして、座標入力が無いと判断された場合は前記ステップS1810へ戻り、同様にデータの取り込みを開始する。
一方、前記ステップS1812において座標入力が有ると判断された場合は、ステップS1813へ進んで、メモリデータとの比を前記式(2)を用いて計算する。次に、ステップS1814で、前記ステップS1813において得られた比に対して閾値で立ち上がり部、立ち下がり部を決定し、上記式(4)、(6)、(7)で画素番号を計算する。
次に、ステップS1815で、前記ステップS1814において得られた画素番号から、近似多項式より、例えば、Tanθを算出し、次のステップS1816で、左右のセンサユニット2001L,2001RでのTanθ値からx、y座標を前記式(8)、(9)を用いて算出する。次に、ステップS1817で、前記ステップS1816において算出したデータをホストPC等の外部機器へ送信する。このデータの送信手段としては、USB、RS232C等のシリアル通信等、任意のインタフェースで送れば良く、前記ステップS1817の送信処理を終了した後は、前記ステップS1810の処理に戻り、以降電源OFF、若しくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、この処理を繰り返すことになる。
この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、本実施の形態に係る座標入力装置は、100回/秒の周期で指や指示具等の指示手段911により指示した座標を外部機器等に出力することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る座標入力装置によれば、検出信号波形の最大光量と最小光量との差を小さくすることができるので、座標入力装置の座標算出分解能を格段と向上させることができる。
(その他の実施の形態)
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能を達成できる構成であれば、どのようなものであっても適用可能である。
第1の実施の形態に係る座標入力装置の概略構成図である。 (A)第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの分解斜視図である。 (B)−(D)第1の実施の形態に係る座標入力装置における他の投光手段の実施例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの外観図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット中の検出手段の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における画素番号Nと角度θとの関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における均一な投光分布の場合の検出レベルを示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段に投光量制御手段を設けたの場合の投光分布及び検出レベルを示す図である。 (A)、(B)は第2の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段に投光量制御手段を設けたの場合の投光分布及び検出レベルを示す図である。(C)は第2の実施の形態に係る座標入力装置の概略構成図である。 第3の実施の形態に係る座標入力装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の発光のタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の発光のタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の光量分布の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における再帰反射手段の反射面の経時変化の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化量と光量変化率の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における遮光範囲検出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標算出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標検出処理動作の流れを示すフローチャートである。 従来の座標入力装置における作用説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルの説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルとCCD画素番号との関係を示す図である。 従来の座標入力装置における投光手段の説明図である。 従来の座標入力装置における投光手段の投光レベルと角度との関係を示す図である。 従来の座標入力装置における再帰反射手段の説明図である。 従来の座標入力装置における再帰反射手段の特性図である。
符号の説明
1001 光透過部材
2001L センサユニット
2001R センサユニット
2002 制御・演算ユニット(設定手段)
2003 座標入力有効領域
2004 再帰反射手段
2005 指示手段(遮光部材)
3001 投光量制御手段
30 投光手段
31 赤外LED(発光ダイオード)
32 投光レンズ
40 受光手段(検出手段)
41 ラインCCD

Claims (10)

  1. 入射光を再帰反射する再帰反射手段と、前記再帰反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、前記投光手段から前記再帰反射手段への入射角が最大となる再帰反射手段が存在する辺に対して、前記最大角より入射角が小さい領域の前記再帰反射手段への投光量を前記最大角となる領域への投光量より減少させる投光量制御手段を有することを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記投光手段からの投光分布が前記投光手段の光軸に対して非対称となる投光量制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記投光手段からの投光量を不連続に制御する投光量制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  4. 前記指示手段で座標入力面に入力する際の深さ方向に均一に上記投光量制御を行う投光量制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  5. 前記座標入力を行う入力領域は略長方形であって、該長方形の長辺の一方の両端近傍に前記投光手段及び受光手段を配置し、前記投光手段から前記再帰反射手段への入射角が最大となる再帰反射手段が存在する辺が、該投光手段及び受光手段をその近傍に配置しない、他方の辺の長辺であり、前記入射角が最大となる領域が、該投光手段及び受光手段の対角の角部領域であることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  6. 前記投光量減少角度領域外の前記最大角より入射角が小さい領域に再帰反射材近傍領域に透光制御手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  7. 方形の座標入力領域周囲の辺を形成する領域に設けられた入射光を再帰反射する再帰反射手段と、前記再帰反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、夫々の辺を形成する前記再帰反射手段への投射光量が辺により異なる投光量制御手段を有することを特徴とする座標入力装置。
  8. 前記投光手段から対角位置にある前記再帰反射手段の角部に対する投光量が2辺で不連続となる投光量制御手段を有することを特徴とする請求項7に記載の座標入力装置。
  9. 方形の座標入力領域周囲の辺を形成する領域に設けられた入射光を再帰反射する再帰反射手段と、前記再帰反射手段に向けて光束を投光する投光手段と、前記再帰反射手段で再帰反射した光束を受光する受光手段とを有し、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、夫々の辺を形成する前記再帰反射手段への一つの投光手段からの入射光量が辺により異なるように再帰反射材近傍領域に透光制御手段を設けることを特徴とする座標入力装置。
  10. 前記投光手段から対角位置にある前記再帰反射手段の角部に対する一つの投光手段からの入射光量が隣り合う2辺で不連続となるように再帰反射材近傍領域に透光制御手段を設けることを特徴とする請求項9に記載の座標入力装置。
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