JP2007072506A - 座標入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】座標検出精度を保持したまま誤動作を防ぐことができる座標入力装置を提供する。
【解決手段】座標入力有効領域2003、投光手段、光電変換素子により検出する検出手段、再帰反射手段2004、再帰反射手段の入射側に設けられた不要光の透過及び前記再帰反射部材が外部に露出することを防止する光透過部材3001〜3003を備える。光透過部材3001〜3003は、再帰反射手段2004が直接外部に露出することを防止し、装置筐体の一部を構成する。即ち、光透過部材3001〜3003は、再帰反射手段2004の内側に沿い且つこの再帰反射手段2004の反射面全体を覆うようにして反射面との間に所定間隔を存して配置する。光透過部材3001〜3003の表面は座標入力有効領域の表面に略垂直に配置され、光透過部材3001及び3002は、光透過部材3003に対してなす座標入力領域側の角度が90°より大きくなるように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力画面上を指示具や指等によって指示した指示位置を検出することで、例えば、接続されているコンピュータを制御したり、文字や図形等を書き込むことができる座標入力装置、その座標入力装置を制御する制御方法、制御プログラム及びその制御プログラムを格納した記憶媒体に関する。
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されており、例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことができるタッチパネル等が広く用いられている。
その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがあるが、光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射シートを設け、投光手段からの光を再帰反射シートで反射し、その光量分布を受光手段により検出することにより、座標入力領域内の指等で遮光された遮光領域の方向を検出し、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、この種の光学式座標入力装置の概略構成について、図17を用いて説明する。
図17において、2001L,2001Rは左右のセンサユニットで、投光手段(発光手段)及び受光手段(検出手段)を有する。これらセンサユニット2001L,2001Rは、制御信号を後述する制御・演算ユニット2002から受け取ると共に、検出した信号を制御・演算ユニット2002に送信する。2002は制御・演算ユニットで、光学式座標入力装置全体を制御するものである。2003は座標入力有効領域(模式的に示す)で、この種の光学式座標入力装置が指や指示具等の指示手段により入力指示した位置の検出を行える領域である。2004は再帰反射手段で、座標入力有効領域2003の外側3辺を囲むような形(コ字形状)で配置されている。
再帰反射手段2004は、入射光を到来方向に再帰反射する再帰反射面を有する。再帰反射手段2004は、左右それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからθ°(略90°)範囲に投光された光を、センサユニット2001L,2001Rに向けて再帰反射する。再帰反射手段2004により再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布を示す信号が制御・演算ユニット2002に送られる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮られ、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮られた部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを識別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段の光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から遮光位置(座標)を幾何学的に算出すると共に、図示しない表示手段に接続されているPC(パーソナルコンピュータ)等に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
ここで用いられている再帰反射手段2004を構成する再帰反射部材としては、球体のビーズを反射面上に積層配置することで再帰反射特性を有するビーズタイプの再帰反射シート、若しくは光学反射面であるコーナキューブを機械加工等により規則正しく配列することで再帰反射現象を起こす再帰反射シート等が用いられる。
今、市場において、座標入力装置の再帰反射部材104にゴミ等が付着して再帰反射特性が変化したことを想定すれば、ユーザはそのゴミを除去するためには一般に「拭く」動作を実行する。しかし、この「拭く」動作は光学特性を有する再帰反射面を傷つけるため、推奨することができない。一般的には光学面のゴミを除去する処置としては、エア等の気体を吹き付けることが好ましい形態と言える。しかし、この種の座標入力装置は、例えば事業所の会議等に用いられるのが通例であり、ユーザにとって、会議を中断して上記のようなエア吹き付け等のメンテナンスを実行することは決して好ましい製品形態とはならない。
図17に示すように、座標入力有効領域を有する表示面は、筐体に対して光透過部材3001〜3003を介して配設されており、また、光透過部材3001〜3003の背面側には、再帰反射部材2004が配置されている。一般に表示装置は長方形であり、座標入力装置はその形状に合わせて装着される。従って、上記の通り、この長方形の長辺側の一辺にセンサユニット2001L,2001Rが装着され、残る3辺に再帰反射部材104が装着されるが、ここで、短辺の再帰反射材104に対して装着される光透過部材を3001と3002、長辺の再帰反射材104に対して装着される光透過部材を3003とする。この光透過部材3001〜3003今この光透過部材3001〜3003は、ガラスのみならず硬質なプラスチックでも容易に構成でき、ユーザによる「拭く」と言う動作に対しても再帰反射部材104に比べて傷が大幅につきにくい。従って、このような構成を採用することで、光透過部材3001〜3003に堆積するであろう「ほこり」、「ゴミ」等はユーザにより簡便に除去され、使い勝手の良い製品を信頼性の高い状態で使用し続けることができるようになる。
このような構成の座標入力装置において、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が、光透過部材3001〜3003を介して、再帰反射手段2004により再帰反射され、その再帰反射光がセンサユニット2001L,2001Rの受光手段(ラインCCD)で検出されることになる。
なお、図17において、水平線はX軸を、垂直線はY軸を、OはX軸とY軸との交点座標(0,0)を、それぞれ示す。そして、センサユニット2001L,2001Rは、座標入力有効領域2003のX軸に平行に且つY軸に対称な位置に、互いに所定距離離間して配置されている。
図18は、各部材の配置(図においては、左側のセンサユニット2001Lのみを示すが、右側のセンサユニット2001Rも対称な配置であり、以後の説明は同様である)を示す図であり、図19は、センサユニット2001Lの受光手段であるラインCCDの出力を模式的に示した図である。
図18において、2001Lはセンサユニット、2003は座標入力有効領域(座標入力面)、2004は再帰反射手段、(1)、(2)、(3)、(4)はセンサユニット2001Lの投光手段から投光された光の方向を、それぞれ示す。
図18においては、センサユニット2001Lの投光手段から投光された光の内の(2)の方向に向う光と座標入力有効領域2003の図において上辺部との間の角度は45°になっている。
また、図19において、横軸はラインCCDの画素番号(角度情報と等価)[N]を、縦軸は出力信号レベル[V]を、それぞれ示しており、信号レベルBの位置が光を全く検出できないレベルであり、検出光量が大きくなるに従って信号レベルAの方向に出力レベルが変化する。
この図19の光量分布について説明する。
ここでは説明を簡単にするために、投光手段の座標入力有効領域2003の面内方向の投光分布を略一定(角度依存性が小さい)と仮定する。この時、図18において、(1)の方向に投光された光は、再帰反射手段2004の反射面までの距離が最も近く、また、入射角θ°も小さい状態となっているが、(2)の方向に向かうに従って、再帰反射手段2004の反射面までの距離及び該反射面への入射角θ°が徐々に大きくなる。
しかしながら、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°前後となるまでは、略一定の再帰反射効率が得られているので、そのような状態にあっては、図18の(1)の方向の角度から(2)の方向の角度になるに従って、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量は徐々に多くなる。そして、再帰反射手段2004の反射面への入射角θ°が30°より大きくなり、更に、図18の(2)の方向から(3)の方向に向かうに従って、極端に再帰反射光率が低下することになるので、それに伴い、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量も極端に少なくなる。
特に、座標入力有効領域2003の縦横比が4:3から16:9になると、再帰反射手段2004への入射角θ°が大きくなり、再帰反射特性が悪くなるので、図18の(3)の方向で検出される光線の光量レベルは極端に低下することになる。
また、再帰反射部材を座標入力有効領域の周辺に配置すると共に、座標入力有効領域の角部2箇所に設けられたセンサユニットに、光を投光する投光手段と、再帰反射板により再帰反射した光を受光する受光手段とが一体に構成されると共に、このセンサユニットの光軸が座標入力有効領域の面内方向に略45°傾いた状態に設定するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許USP4507557号公報 特開2001−243002号公報
以上の、従来の埃よけ、不要光対策を主な目的とした光透過部材を装着した再帰反射光の遮光位置を検出する座標入力装置において、以下のような課題が存在した。
図20に、上記の座標入力装置に於いて、センサユニット2001L,2001R、座標入力領域の周囲3辺に再帰反射手段2004とそれに対応する光透過部材3001〜3003を模式的に示した。図中、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光は、その大部分は各方向に対して光透過部材3001〜3003を介して再帰反射手段2004により再帰反射され、その再帰反射光がセンサユニット2001L,2001Rの受光手段(ラインCCD)で検出されるのであるが、光透過部材3001〜3003自体は、その表面が平滑であることにより表面反射も一部発生する。しかし、これは、上記再帰反射光の受光量効率が低下はするものの、直接は弊害となるものではない。しかし、弊害となる場合があり、それが、図20で示すように、一旦センサユニット2001L(2001Rも同様なので省略)から対角方向に投光された光が、図の矢印のように長辺側の光透過部材3003で一部が表面で反射し、短辺側の光透過部材3002で再度反射して、また、センサユニット2001Lの受光手段で検出される場合である。もちろん、逆に、図には示さないが短辺側の光透過部材3002で一部が表面で反射し、長辺側の光透過部材3003で再度反射して、また、センサユニット2001Lの受光手段で検出される場合もある。本方式の座標入力装置は、原理的にセンサユニット2001から再帰反射手段2004までの同一経路の往復光を想定しており、このように、往復で経路の異なる光路は想定しておらず、この光路中に指示具等により指示された場合には、誤動作の原因となるという課題が生じる。
この不具合の原因は、その多重反射の対象である光透過部材3002と光透過部材3003のなす角度が90°よりわずかに小さいことにより生ずる。つまり、本来の設計に於いて、この光透過部材3002と光透過部材3003が90°に正確に配置されていれば本現象は発生しないが、なんらかの変形等によりわずかに内側に光透過部材3002が傾いた場合に、上記角部近傍でこの弊害となる多重反射が発生することとなる。上記角部から離れたところでは、より大きな傾きがないとこの多重反射は発生しない。
上記課題の解決法として、図24のように長辺側の光透過部材3003を例えば略45°座標入力面に平行な回転軸に対して傾きを持たせることも考えられるが、ここで問題なのは、光透過部材の入射方向に対する入射角が大きくなると光透過部材表面における反射率が増大し、透過効率が低下し、従って、本来必要とされる再帰反射光のセンサユニット2001L,2001Rにおける検出光量が低下してしまうという新たな課題が生じてしまう。特に、長辺の再帰反射手段領域に於いては、図19光量分布で示した通り、図18の(2)の方向から(3)の方向に向かうに従って、極端に再帰反射光率が低下することになるので、それに伴い、センサユニット2001Lの受光手段で検出される光量も極端に少なくなるので、ここの光量を更に低下させるのは必要とされるダイナミックレンジの増加をもたらしこのダイナミックレンジがセンサユニットの特性当で確保されない場合には、ノイズの影響や、飽和の影響により、誤動作、誤検出の原因となり不都合が生じる。
上記目的を達成するため、座標入力有効領域と、投光手段と、光電変換素子により検出する検出手段と、再帰反射手段と、前記再帰反射手段の入射側に設けられた不要光の透過及び前記再帰反射部材が外部に露出することを防止する光透過部材とを具え、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、前記座標入力有効領域が略長方形で構成され、前記座標入力有効領域の周囲の一長辺領域に、前記投光手段及び検出手段を装着し、他の3辺に前記再帰反射手段が配置され、前記3辺に具えられた光透過部材の内、長辺側に設けた光透過部材は、前記座標入力有効領域の表面に略垂直に配置し、短辺側に設けた光透過部材は、該長辺に配置した光透過部材に対する垂直配置に対して傾斜させて配置することを特徴とする。
更には、前記長辺側に設けた光透過部材と前記短辺側に設けた光透過部材とのなす座標入力領域側の角度が90°より大きいことを特徴とする。
更には、前記短辺側に設けた光透過部材は、前記座標入力有効領域の表面に略垂直に配置する。
本発明によれば、最小光量分布領域の状態を維持したまま、光量光透過部材による多重反射によりるセンサユニットに最入射する現象を避けることができるので、座標検出精度を保持したまま誤動作を防ぐことができる。
以下、本発明の座標入力装置の実施の形態について、図1を中心に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を、図1を中心に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る座標入力装置の構成を示す図であり、同図において、上述した従来例の図17と同一部分には、同一符号が付してある。
光透過部材3001〜3003は、特定の波長のみの光を透過することができるもので、不要な光の透過を防止すると共に、再帰反射手段2004が直接外部に露出することを防止し、装置筐体(製品外観)の一部を構成する。即ち、光透過部材3001〜3003は、再帰反射手段2004の内側に沿い且つこの再帰反射手段2004の反射面全体を覆うようにして反射面との間に所定間隔を存して配置されている。
このように光透過部材3001〜3003を設けることで、製品として使われている際に、経時に伴い光透過部材3001〜3003に『ほこり』、『ゴミ』の類が堆積しても、該光透過部材3001〜3003をユーザが掃除することにより、前記堆積した『ほこり』、『ゴミ』の類を簡単に除去できる。その結果として、再帰反射手段2004の光学特性を半永久的に維持することが容易となり、信頼性の高い座標入力装置を実現することが可能となる。光透過部材3001〜3003は、特定の波長域の光を透過させる特性を持ついわゆるフィルターであるが、単に着色されたものであってもよく、材質は、樹脂、ガラス等であり、形状は、一定の厚みを持つ細長い板状部材であるが、この部材の表面が以下に示す構成を満足するものであれば、これに限定するものではない。本発明の図1において図17と異なる点は、前記光透過部材3001〜3003、詳しくは、前記光透過部材3001〜3003の座標入力有効領域側の表面は座標入力有効領域の表面に略垂直に配置され、且つ、座標入力領域の両短辺側に設けられた光透過部材3001及び3002は、長辺側に設けられた光透過部材3003に対してなす座標入力領域側の角度が90°より大きくなるように配置されていることである。これは、本実施例で示すように、センサユニット2001L,2001Rを上部に配置した場合には、正面から見て逆ハの字型に光透過部材3001を構成することを意味する。
本発明のこの前記光透過部材3001〜3003の光路に関して、図6を用いて説明する。図20で示した従来例と異なり、センサユニット2001L(2001Rも同様なので省略)から対角角方向に投光された光が、図の矢印のように光透過部材3003で一部が表面で反射し、ここまでは、従来例と同様であるが、光透過部材3002が光透過部材3003に対してなす座標入力領域側の角度が90°より大きいように配置されているで、光透過部材3002表面で反射した光の光路は入射光路と少なくとも平行ではなくセンサユニット2001Lから離れた方向に反射することがわかる。最初に光透過部材3002で反射した場合も同様である。従って、従来例の課題のような往復で経路の異なる光路でセンサユニット2001Lに検出される光路は存在しないことになり、これによる誤検出を防ぐことができる。また、光透過部材3001〜3003はすべて座標入力面に対して垂直であり、特に光量分布においてもっとも光量の少ない長辺の角部に於いても光透過部材3003は座標入力面に対して傾斜させる場合に比べ、再帰反射手段2004への透過光量のロスを少なくすることができ、高精度座標検出のための特性を維持することができる。また、短辺側の光透過部材3001、3002に於いても、座標入力面に対して垂直であり、座標入力面に垂直な方向を回転軸としてほんのわずか傾きを光透過部材3003に対して持たせているだけであり、光透過部材3003は座標入力面に対して大きく45°ほど傾斜させる場合に比べ、再帰反射手段2004への透過光量のロスを少なくすることができる。また、この光透過部材3001、3002の座標入力面に垂直な方向を回転軸とする回転角は、1°前後もあれば十分に本発明の効果を発揮できるので、外観上のデザインにほとんど影響を与えることなく、対策が可能である。このわずかな傾斜を持たせることで上記不要反射を防ぐことは有効ではあるが、同じ傾斜でも工業上光透過部材を座標入力面に対して平行な方向を回転軸としてわずかに傾斜させるのは、座標入力面に垂直な方向を回転軸としてわずかに傾きを持たせる本発明構成に比べ保持構成、部品精度面等で困難さを伴う。従って、両サイド短辺の光透過部材3001、3002を座標入力面に対して平行な方向を回転軸として傾斜させる構成で、課題の多重反射を防ぐには、不図示だが、両サイド短辺の光透過部材3001、3002を例えば45°程度座標入力面に対して平行な方向を回転軸として傾斜させればよい。この場合でも、上記の通り、長辺の光透過部材3003は座標入力面に対して垂直に構成し、傾斜による透過光量低下により、もっとも光量分布の低い領域をさらに低下させることを防がなくてはならない。
再帰反射手段2004で再帰反射された光は、集光光学系とラインCCD等によって構成されたセンサユニット2001L,2001Rの受光手段によって1次元的に検出され、その光量分布データが制御・演算ユニット2002に送られる。
前述した座標入力有効領域2003は、PDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置の表示画面で構成することにより、インタラクティブな入力装置として利用可能となる。
このように構成することで、座標入力有効領域2003に指や指示具等の指示手段による入力指示がなされると、センサユニット2001L,2001Rの投光手段から投光された光が前記指示手段によって遮光され、センサユニット2001L,2001Rの受光手段では、前記指示手段によって遮光された遮光部位のみの光(再帰反射手段2004による反射光)を検出することができなくなり、その結果、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット(設定手段)2002は、左右のセンサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量変化から、前記指示手段により入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲の情報から遮光位置の方向(角度)をそれぞれ導出する。更に、前記導出された方向(角度)及びセンサユニット2001L,2001R相互間の距離情報等から、座標入力有効領域2003上の座標位置を算出すると共に、図示しない表示装置に接続されているPC(パーソナルコンピュータ等)に、USB等のインタフェースを経由して座標値を出力する。
このようにして、指や指示具等の指示手段によって、表示装置の表示画面上に線を描画したり、その表示画面上のアイコン操作によりPCの制御等が可能となる。
本実施の形態においては、センサユニット2001L,2001Rの投光手段からの光量分布は、略均一の投光分布とする。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004により形成されている。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、再帰反射手段2004を保護する光透過部材1001から成る。
また、座標入力有効領域2003の対角方向に形成される角部は、光透過性部材1001で、しかも装置筐体から成る。
また、再帰反射手段2004は、前述のように座標入力有効領域2003の周辺部に設けられ且つ再帰的に入射光を反射する。
また、センサユニット2001L,2201Rの投光手段は、再帰反射手段2004に向けて座標入力有効領域2003の面に略平行で且つ座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に光束を投光する。
以降、各部分毎にその構成及び動作について説明する。
〈センサユニット2001L,2201Rの説明〉
図2は、センサユニット2001L,2201Rの分解斜視図であり、センサユニット2001L,2201R中の投光手段及び受光手段の構成例を示したものである。
図2(A)において、30は投光手段で、赤外光を発光する赤外LED(発光ダイオード)31及び投光レンズ32より成り、赤外LED31で発光した光は、投光レンズ32によって、座標入力有効領域2003の面に略平行に、座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に光を投光する。
図3(A)は、センサユニット2001L,2201Rの組み立て状態における正面図で、同図における矢印は、投光手段30による光が座標入力有効領域2003の面内方向に扇状に分布している様子を示している。また、図3(B)は、図3(A)を側面から見た図であり、同様に座標入力有効領域2003の面に略平行に、上下方向に制限された光束として投光され、主に再帰反射手段2004に対して光が投光されている様子を示している。
再び図2(A)に戻って説明すると、40は受光手段で、一次元のラインCCD41、集光光学系としての集光レンズ42、入射光の入射方向を概略制限する絞り43、可視光等の余分な光の入射を防止する赤外フィルタ44から成る。そして、投光手段30で投光された光は、再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42によって、ラインCCD41内の検出素子群の面上に集光される。
また、図2(A)において、51は下筐体、52は上筐体であり、絞り43、上筐体52及び下筐体51は、再帰反射手段2004の再帰反射光のみを通過させるように、主に高さ方向(座標入力有効領域2003の面よりの高さ方向)の視野を制限しており、座標入力有効領域2003の面内方向の視野は、大まかに制限する構成となっている。
なお、本実施の形態においては、下筐体51と絞り43とは、互いに一体に成型されているが、これらを別部材で構成しても良いことは言うまでもない。
図4は、センサユニット2001L,2201Rの投光手段30による光が再帰反射手段2004により再帰反射して、受光手段であるラインCCD41で検出されるまでの光路を説明するための図であり、同図において図2(A)及び図3と同一部分には、同一符号が付してある。
図4(A)は、座標入力有効領域2003の面に対して垂直方向から見た正面図、図4(B)は、その側面図である。
図4(A)において、前述した略90°方向に投光された投光手段30の光は、光透過部材3001〜3003を介して再帰反射手段2004によって再帰反射され、赤外フィルタ44、絞り43を抜けて集光レンズ42に入射することになるが、その光は、集光レンズ42に対する入射角に応じてラインCCD41の画素45上に結像する(図4(B)参照)。従って、ラインCCD41の出力信号は、再帰反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD41の画素番号が角度情報を示すことになる。
また、本実施の形態の場合、投光手段30と検出手段である受光手段40は、互いに重ねて配置されており、その距離L(図3(B)参照)は、投光手段30から再帰反射手段2004までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離Lを有していても十分な再帰反射光を検出手段である受光手段40で検知することが可能な構成となっている。
図5は、本実施の形態に係る座標入力装置における受光光学系で観測されるラインCCD41の画素番号Nと導出すべき角度θとの関係を示す図であり、同図において、縦軸は導出すべき角度θを、横軸はラインCCD41の画素番号を、それぞれ示す。
ここでは、ラインCCD41の法線方向と受光光学系の対称軸βL,βRとを互いに一致させ、その方向を角度0°と定義する。この時、測定角度範囲が小さければ、ラインCCD41の画素番号Nと測定角度θとの関係が、例えば、良好な線形性を有する集光レンズ42を設計、製造することは容易であるが、測定角度範囲が大きくなると、集光レンズ42の端部で発生する光学的歪を除去することが困難となり、測定角度に大きな誤差が発生するようになる。
従って、図1に示すように、受光光学系の対称軸βL,βRは、座標入力有効領域2003のX軸に対して略45°傾けた方向に設定、若しくはセンサユニット2001L,2001Rと座標入力有効領域2003によって決まる光線A、及び光線Bの角度2等分線方向に、受光光学系の対称軸βL,βRを設けるのが好ましい設定となる。このように設定することで、受光光学系の測定角度範囲は、少なくとも±45°以下になる。
一方、本実施の形態に係る座標入力装置は、表示ディスプレイ(表示装置)と重ねて配置することによって、指や指示具等の指示手段による筆跡を表示ディスプレイに表示させて、恰も紙と鉛筆の様な使い勝手を実現できるものである。
表示ディスプレイの動向について述べれば、表示領域の縦横比(アスペクト比)は4:3のものが主流であったが、フルHD画像等に見られるように16:9のものが普及しつつある。つまり、座標入力装置の座標入力有効領域2003もそれに対応すべく横長の仕様となる。
従って、再帰反射手段2004に対する入射角、または再帰反射手段2004までの距離は、光学的にはより厳しい条件となり、課題の項でも述べた通り、図19で示される検出信号波形の最大信号レベルと最小信号レベルとの差は、より大きなものとなる。従って、ラインCCD41のダイナミックレンジでその信号差をカバーすることができなくなり、結果的に座標算出分解能が低下したり、或いは座標算出不能の状態を引き起こす。
本発明は、前述の通り、この点に鑑みてなされたものであり、その特徴は、上述したように、光透過部材3001〜3003自体の表面反射による誤動作を防ぐと上で、上記センサユニット2001L,2001RのラインCCD41のダイナミックレンジ内で検出信号レベル差を収めるために、ダイナミックレンジに影響を及ぼさない短辺側の光透過部材3001、3002のみに対し、傾斜を設ける構成とした。
〈制御・演算ユニット2002の説明〉
図1の制御・演算ユニット2002とセンサユニット2001L,2001Rの間では、ラインCCD41の制御信号、CCD用クロック信号、ラインCCD41の出力信号及びLED31の駆動信号がやり取りされている。
図8は、制御・演算ユニット2002の構成を示すブロック図であり、同図において、2001L,2001Rはセンサユニット、81L,81RはA/Dコンバータ、82はメモリ、83はワンチップマイコン等で構成されるCPU(中央演算処理装置)、84L,84RはLED駆動回路、85はCPU制御用の動作クロック、86はCCD制御用動作クロック(CLK)、87はシリアルインタフェースである。
図8において、CCD制御信号は、CPU83から出力されており、ラインCCD41のシャッタタイミングや、データの出力制御等を行っている。ラインCCD41用のクロックは、CLK86からセンサユニット2001L,2001Rに送られると共に、ラインCCD41との同期をとって、各種制御を行うために、CPU83にも入力されている。
LED駆動信号は、CPU83からLED駆動回路84L,84Rを経て、センサユニット2001L,2001R中の赤外LED31に供給されている。
センサユニット2001L,2001R中の検出手段であるラインCCD41からの検出信号は、制御・演算ユニット2002中のA/Dコンバータ81L,81Rに入力され、CPU83からの制御によってデジタル値に変換される。変換されたデジタル値は、必要に応じてメモリ82に記憶され、後述する方法で角度算出、さらには座標値が求められ、その結果を、外部PC(パーソナルコンピュータ)等にシリアルインタフェース87等を介して出力される。
〈光量分布検出の説明〉
図9は、制御信号のタイミングチャートであり、同図において、91,92,93がラインCCD41制御用の制御信号であり、91Sh信号の間隔でラインCCD41のシャッタ解放時間が決定される。92,93はそれぞれ左右のセンサユニット2001L,2001Rへのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読み出し部へ転送する信号である。
94,95は左右のセンサユニット2001L,2001RのLED31の駆動信号であり、Shの最初の周期で一方のLED31(この場合は、センサユニット2001L中のLED)を点灯するために94の駆動信号がLED駆動回路(この場合は、LED駆動回路84L)を経てLED31に供給される。次の周期で他方のLED(この場合は、センサユニット2001R中のLED)が駆動される。双方のLED31の駆動が終了した後に、ラインCCD41の信号が左右のセンサユニット2001L,2001Rから読み出される。
読み出される信号は、例えば、指、或いは指示具等による入力が無い場合、つまり、遮光部分が無い場合には、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rからの出力として、図10(A)のような光量分布が得られる。
図10は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
勿論、このような光量分布がどのシステムでも必ず得られるわけではなく、再帰反射手段2004の特性(前述した再帰反射手段2004の入射角による再帰反射特性)やLED31を含む投光手段30の特性、また、経時変化(再帰反射手段2004の反射面の汚れ等)によって、この光量分布は変化する。
図10(A)において、Aのレベルが最大光量を検出した時のレベルであり、Bのレベルが最低レベルであるものとし、従って、反射光のない状態では、得られるレベルはB付近になり、反射光量が増えるほどAのレベルに近づく事になる。この様に、ラインCCD41から出力されたデータは、逐次A/DコンバータによりA/D変換された後、CPU83にデジタルデータとして取り込まれる。
図10(B)は、指等で入力を行った、つまり、再帰反射手段2004の反射光を遮った場合の出力の例を示す図であり、同図のCの部分が指等で再帰反射手段2004の反射光が遮られたため、その部分のみの光量が低下している。
光量分布の検出は、この光量分布の変化を検知して行うものであり、具体的に説明すれば、まず、図10(A)のような入力の無い初期状態(以後、初期状態で得られたデータを初期データと記述する。)を予めメモリ82に記憶しておき、それぞれのサンプル期間で得られるデータと予めメモリ82に記憶しておいた初期データとの差分を算出することで、図10(B)のような変化があるか否かを判別する。
〈角度計算の説明〉
角度計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。
先にも述べたように、光量分布は経時変化等で一定ではないため、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することが望ましい。つまり、工場等の出荷時に初期データを設定し、そのデータの更新が逐次行われなければ、例えば、所定の位置の再帰反射手段2004の反射面にゴミが付着した場合、その部分での再帰反射効率が低下するので、恰もその位置(センサユニット2001L,2001Rから見た方向)で座標入力動作が行われた、即ち、誤検出してしまうと言う重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時等に前述した初期データを記憶することで、再帰反射手段2004の反射面が経時的にゴミ等で汚れて再帰反射効率が落ちていても、その状態を初期状態として設定し直すことができるので、誤動作を無くすことができる。
無論、再帰反射手段2004からの信号がゴミの付着した部分で全く受け取ることができなくなれば、座標検出不能の事態となり、何らかの方法で、そのゴミ等を除去しなければならないが、仮に、再帰反射手段2004からの光信号が大幅に減っている状態にあっては、S/N比の関係で信号の信頼性が低下(例えば、同一地点を指示しているにも拘らず座標が揺らぐ現象が発生し、座標算出分解能を低下させてしまう)するので、このような場合であっても、付着したゴミ等は除去することが好ましく、本発明においては、容易にそのゴミ等の除去が可能なように光透過部材1001が設けられている。
さて、電源投入時、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、まず、投光手段30から照明すること無しにラインCCD41の出力をA/Dコンバータ81L、81RによりA/D変換して、これをBas_data[N]として、メモリ82に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図10(A)のBのレベル付近のデータとなる。ここで、[N]はCCD画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。
次に、投光手段30から照明した状態での光量分布を記憶する。図10(A)の実線で表されたデータであり、Ref_data[N]とし、初期データの記憶を完了する。
これらのデータを用いて、まずは入力が行われたか、遮光範囲があるか否かの判定を行う。
あるサンプル期間のデータをNorm_data[N]とする。
まず、遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、入力の有無を判定する。これは、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。変化の絶対量を各々の画素において以下の式(1)の計算を行い、予め決定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_data_a[N]=Norm_data[N]−Ref_data[N] (1)
従って、Norm_data_a[N]は、各画素における絶対変化量に相当することになる。
この処理は、差を取って比較するだけなので、処理時間が短くて済むので、入力の有無の判定を高速に行うことが可能である。
Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出された時に入力があったと判定する。
次に、より高精度に検出するために、変化の比を計算して入力点の決定を行う。
図11は、再帰反射手段2004の再帰反射面を示す図であり、光透過部材3001〜3003は省略してある。同図において、910は再帰反射手段2004の反射面、911は指や指示具等の指示手段である。ここで反射面910の領域(10)の反射率が汚れ等により低下していたとすると、このときのRef_data[N]の分布は、図12(A)のように、領域(10)の反射光量が少なくなる。光透過部材3001〜3003は、これを防ぐ作用もある。
図12は、ラインCCD41の出力レベル(V)とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はラインCCD41の出力レベル(V)を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
図12(A)の状態で、図11のように、指や指示具等の指示手段911により再帰反射手段2004の略半分を覆ったとすると、反射光量は略半分となるため、図12(B)の太線で示した分布Norm_data[N]が観測される。この状態に対して、上記式(1)を適用すると、図13(A)のようになる。
図13(A)は、Norm_data_a[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_a[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
また、図13(B)は、Norm_data_r[N]とCCD画素番号[N]との関係を示す図であり、同図において、縦軸はNorm_data_r[N]を、横軸はCCD画素番号[N]を、それぞれ示す。
ここで、図13において、縦軸は初期状態との差分電圧になっている。
このデータに対して、閾値Vthaと比較すると、本来の入力範囲を外れてしまうような場合(図13(A)の破線領域)がある。勿論、閾値Vthaをより小さな値に設定することで、ある程度の検出は可能となるが、ノイズ等の影響を受ける可能性が高くなり、座標算出性能を劣化させると言う弊害が発生する。
そこで、指示手段911によって遮られる光量は、反射面910の領域(10)、領域(11)ともに最初の半分(領域(10)ではV1レベル相当、領域(11)ではレベルV2相当)であるので、次の式(2)で変化の比を計算する。
Norm_data_r[N]=Norm_data_a[N]/(Bas_data[N]-Ref_data[N]) (2)
この式(2)の計算結果を示すと、図13(B)のようになり、変動比で表されるため、反射率が異なる場合でも等しく扱うことが可能になり、このデータに対して、閾値Vthrを別途設定して、その立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号から、例えば、両者の中央を入力画素として、高精度に画素情報が取得可能となる。
ところで、図13(B)は、説明の便宜上、模式的に描いたものであり、実際の検出信号波形を詳細に表示すると、図14のようになる。
今、閾値Vthrと比較して遮光領域の立ち上がり部分は、Nr番目の画素で閾値Vthrを越えたとし、Nf番の画素で閾値Vthrを下まわったと仮定する。この時、出力すべきラインCCD41の画素番号Npを、先に説明したように、立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号の中央値として下記式(3)のように計算しても良いが、そうすると、ラインCCD41の画素間隔が出力画素番号の分解能になる。
Np=Nr+(Nf-Nr)/2 (3)
そこで、より高分解能に検出するために、画素の出力レベル情報を用いて演算を行う。
図14において、画素番号NrのラインCCD41の出力レベルをLr、画素番号Nr-1の出力レベルをLr-1とする。同様に、画素番号Nfの出力レベルをLf、画素番号Nf-1の出力レベルをLf-1とする。このとき検出すべき画素番号を、それぞれのNrv、Nfvとすれば、
Nrv=Nr-1+(Vthr-Lr-1)/(Lr-Lr-1) (4)
Nfv=Nf-1+(Vthr-Lf-1)/(Lf-Lf-1) (5)
と計算すれば、出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまり、ラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号を取得でき、出力される仮想中心画素Npvは、下記式(6)で決定される。
Npv=Nrv+(Nfv-Nrv)/2 (6)
このように、画素番号とその画素の出力レベルから仮想的な画素番号を計算することで、より分解能の高い検出が可能となる。
〈CCD画素情報から角度情報への変換〉
さて、得られた中央画素番号から、実際の座標値を計算するためには、前述の画素番号を角度情報に変換する必要がある。
図5は、得られた画素番号と角度θとの関係をプロットした図である。この関係の近似式(下記式7)
θ=f(N) (7)
を求め、この近似式よりデータの変換を行う。
本発明では、1次近似式を用いて近似できるように、先に説明したセンサユニット2001L,2001R中の受光手段のレンズ群を構成するが、レンズの光学的収差等により、より高次な近似式を用いた方が、より高精度に角度情報を得ることが可能となる場合がある。
どのようなレンズ群を採用するかは、製造コストと密接に関連し、レンズ群の製造原価を下げることによって一般的に発生する光学的な歪を、より高次の近似式を用いて補正する場合には、それなりの演算能力(演算速度)を要求されるので、目的とする製品に要求される座標算出精度を鑑みながら、その両者を適宜設定すれば良い。
〈座標計算方法の説明〉
図15は、本実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット2001L及びセンサユニット2001Rの位置関係を示す図であり、座標入力有効領域2003の水平方向にX軸、垂直方向にY軸を、そして、座標入力有効領域2003の中央を原点位置に配置するものとし、座標入力有効領域2003の上辺左右にセンサユニット2001L及びセンサユニット2001RをY軸に対称に取り付け、そのセンサユニット2001L,2001R相互間の距離をDsとする。
また、図示されているように、センサユニット2001L,2001RのラインCCD41の受光面は、その法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置され、その法線方向を0°(基準方向)と定義する。この時、角度の符号は、左側に配置されたセンサユニット2001Lの場合には、時計回りの方向を『+』方向に、また、右側に配置されたセンサユニット2001Rの場合には、反時計回りの方向を『+』方向と定義する。
さらには、図中Poは、各センサユニット2001L,2001Rの法線方向の交点位置であり、Y軸方向の原点からの距離をPoyと定義する。この時、それぞれのセンサユニット2001L,2001Rで得られた角度をθL、θRとして、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、下記式(8)、(9)で得られる。
Figure 2007072506
次に、本実施の形態に係る座標入力装置の一連の処理工程を、図16を用いて説明する。
図16は、本実施の形態に係る座標入力装置のデータ取得から座標計算までの処理動作の流れを示すフローチャートである。
電源投入が行われると、まず、ステップS1801でCPU83等のポート設定、タイマ設定等、様々な初期化が行われる。次に、ステップS1802で、後述する受光素子であるところのCCD画素の有効範囲を、例えば、メモリ82から読み出して設定する。次に、ステップS1803で、立ち上げ時のみに行うラインCCD41の不要電荷除去のための準備である初期読み込み回数を設定する。
ラインCCD41等の光電変換素子においては、動作させていない時に不要な電荷が蓄積している場合があり、そのデータをそのままリファレンスデータとして用いると、検出不能、或いは誤検出の原因となる。
それを避けるために、ステップS1804で、前述した投光手段30の照明無しの状態で、ラインCCD41からのデータを、前記ステップS1801において予め設定された回数読み出すことにより、ラインCCD41に蓄積されていた不要電荷の除去を行う。
次に、ステップS1805で、読み込み回数が所定回数に達したか否かを判断する。そして、読み込み回数が所定回数に達しないと判断された場合は、前記ステップS1804へ戻り、また、読み込み回数が所定回数に達したと判断された場合は、ステップS1806へ進む。
ステップS1806では、投光手段30の照明無しの状態でのデータの取り込みを行い、これは、リファレンスデータとして上述したBas_data[N]の取得に相当し、次のステップS1807で、前記ステップS1806において取得されたデータがメモリ82に記憶され、以降の計算に用いられる。
次に、ステップS1808で、投光手段30により照明したときの初期光量分布に相当するリファレンスデータRef_data[N]の取り込みを行い、次のステップS1809で、前記ステップS1808において取得したデータをメモリ82に記憶する。
以上のステップまでが電源投入時の初期設定動作であるが、この初期設定動作は、リセットスイッチ等により操作者の意図によって動作するように構成しても良いことは言うまでもなく、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行することになる。
通常の取り込み動作は、まず、ステップS1810で、光量分布を通常取り込みにより取り込む。次に、ステップS1811で、メモリデータ(Ref_data)との差分値を計算し、次のステップS1812で、遮光部分の有無を判断、つまり、座標入力が有るか否かを判断する。そして、座標入力が無いと判断された場合は前記ステップS1810へ戻り、同様にデータの取り込みを開始する。
一方、前記ステップS1812において座標入力が有ると判断された場合は、ステップS1813へ進んで、メモリデータとの比を前記式(2)を用いて計算する。次に、ステップS1814で、前記ステップS1813において得られた比に対して閾値で立ち上がり部、立ち下がり部を決定し、上記式(4)、(6)、(7)で画素番号を計算する。
次に、ステップS1815で、前記ステップS1814において得られた画素番号から、近似多項式より、例えば、Tanθを算出し、次のステップS1816で、左右のセンサユニット2001L,2001RでのTanθ値からx、y座標を前記式(8)、(9)を用いて算出する。次に、ステップS1817で、前記ステップS1816において算出したデータをホストPC等の外部機器へ送信する。このデータの送信手段としては、USB、RS232C等のシリアル通信等、任意のインタフェースで送れば良く、前記ステップS1817の送信処理を終了した後は、前記ステップS1810の処理に戻り、以降電源OFF、若しくは、操作者の意図によってリセット状態が設定されるまで、この処理を繰り返すことになる。
この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、本実施の形態に係る座標入力装置は、100回/秒の周期で指や指示具等の指示手段911により指示した座標を外部機器等に出力することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る座標入力装置によれば、検出信号波形の最大光量と最小光量との差を小さくすることができるので、座標入力装置の座標算出分解能を格段と向上させることができる。
(その他の実施の形態)
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態に限られるものではなく、図7に示すように、前記光透過部材3001〜3003の特に、短辺側の、前記光透過部材3001及び3002の角部近傍のみに於いて、光透過部材3001及び3002は、長辺側に設けられた光透過部材3003に対してなす座標入力領域側の角度が90°より大きくなるように配置する構成としてもよい。この場合も、いずれの光透過部材の表面も座標入力面に対しては略垂直となるように配置する。これは、前述の通り、センサユニットからの光の長辺と短辺の光透過部材による多重反射により再びセンサユニットに戻ってくる現象は、長辺と短辺の光透過部材がぶつかるコーナー部に近づくほど、そのお互いの光透過部材の成す角度が90°よりわずかに小さいだけで発生する可能性が高くなり、従って、このコーナー部のみに於いて対策を施せば十分であるからである。この他の実施例の構成の場合、表示領域と側面の再帰反射手段2004とのスペースに対し短距離で傾斜を設けることができるため、より大きな傾斜角をとることができ、多重反射発生に対する余裕度が増す。さらに、これら実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能を達成できる構成であれば、どのようなものであっても適用可能である。
第1の実施の形態に係る座標入力装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの分解斜視図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニットの外観図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置におけるセンサユニット中の検出手段の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における画素番号Nと角度θとの関係を示す図である。 第1の実施の形態に係るの光透過部材の概略構成を示す図である。 その他の実施の形態に係るの光透過部材の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における制御・演算ユニットの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の発光のタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における投光手段の光量分布の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における再帰反射手段の反射面の経時変化の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における光量変化量と光量変化率の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における遮光範囲検出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標算出の説明図である。 第1の実施の形態に係る座標入力装置における座標検出処理動作の流れを示すフローチャートである。 従来の座標入力装置における作用説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルの説明図である。 従来の座標入力装置における検出信号レベルとCCD画素番号との関係を示す図である。 従来の座標入力装置における光透過部材構成における課題の説明図である。
符号の説明
3001〜3003 光透過部材
2001L センサユニット
2001R センサユニット
2002 制御・演算ユニット(設定手段)
2003 座標入力有効領域
2004 再帰反射手段
2005 指示手段(遮光部材)
30 投光手段
31 赤外LED(発光ダイオード)
32 投光レンズ
40 受光手段(検出手段)
41 ラインCCD

Claims (3)

  1. 座標入力有効領域と、投光手段と、光電変換素子により検出する検出手段と、再帰反射手段と、前記再帰反射手段の入射側に設けられた不要光の透過及び前記再帰反射部材が外部に露出することを防止する板状の光透過部材とを具え、指示手段によって前記投光手段により投光された光束を遮光することによって生じる前記受光手段から得られる光量分布の変化により、前記指示手段による遮光部分の位置座標を算出する座標入力装置であって、
    前記座標入力有効領域が略長方形で構成され、前記座標入力有効領域の周囲の一長辺領域に、前記投光手段及び検出手段を装着し、他の3辺に前記再帰反射手段が配置され、
    前記3辺に具えられた光透過部材の内、長辺側に設けた光透過部材は、前記座標入力有効領域の表面に略垂直に配置し、短辺側に設けた光透過部材は、該長辺に配置した光透過部材に対する垂直配置に対して傾きをもって配置したことを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記短辺側に設けた光透過部材も前記座標入力有効領域の表面に略垂直に配置し、前記長辺側に設けた光透過部材と前記短辺側に設けた光透過部材とのなす角度が座標入力領域側の角度で90°より大きいことを特徴とする請求項1記載の座標入力装置。
  3. 前記長辺側に設けた光透過部材と前記短辺側に設けた光透過部材とのなす角度が座標入力領域側の角度で90°より大きい配置とする前記短辺側に設けた光透過部材の設置範囲は前記座標入力有効領域の角部近傍領域であることを特徴とする請求項2記載の座標入力装置。
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