JP2015156115A - 座標入力装置 - Google Patents

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町井 律雄
Ritsuo Machii
律雄 町井
小林 克行
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
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Abstract

【課題】 設置の不具合を装置自身が判定し、その設置状況の改善を促すことができるとともに、既存のホワイトボードや会議室等の壁面を投影面とし、その投影面をタッチすることで、表示画面を制御する。
【解決手段】 少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する検出モードによる検出結果に基づいて、センサユニットの設置状態を判定する。判定の結果、設置状態が正常でない場合、そのことを示す設置エラーを報知する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、情報の入力や選択をするために指等の指示具によって座標入力面に入力された座標位置を光学的に検出する座標入力装置に関するものである。特に、着脱可能で、可搬性を有する座標入力装置に関するものである。
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されている。例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の端末の操作を簡単に行うことがきるタッチパネル等が広く用いられている。
座標入力方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがある。光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射材を設け、投光部からの光を再帰反射材で反射し、その光量分布を受光部により検出する方式(光学遮光方式)が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この方式は、座標入力領域内の指等で遮光された遮光部分(領域)の方向を検出し、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定する。
特許文献1の構成を一般化した例として、図20の構成を示す。図20は、座標入力面の両端に配置されたセンサユニット2L及び2Rと、座標を入力する際に使用する座標入力面である所の座標入力有効領域5が示される。そして、座標入力有効領域5の周囲3辺には、進入してきた光を進入してきた方向に再帰的に反射する再帰反射部4が設けられている。
センサユニット2L及び2Rは、投光部及び受光部(不図示)を有している。投光部は、座標入力有効領域5の入力面にほぼ平行に扇形に広がる光を投光し、受光部は、その光が再帰反射部4で再帰反射され、戻ってきた光を受光する。座標入力装置は、2つのセンサユニット2L及び2Rでそれぞれ検知された光の遮光方向(遮光角度θL及びθR)と当該センサユニット間の距離に基づいて、座標入力有効領域5に入力されたタッチ位置Pを算出することができる。
図中、センサユニット2L及び2Rの光軸方向を対称線として、センサユニット2L及び2Rの視野範囲が図示のように対称に設定される。レンズ光学系を使用する、この種の座標入力装置にあっては、光軸との成す角が増大すると、収差の影響により光学性能が劣化するのが常であり、軸対称な光学系を採用することでより高性能な装置を実現できる。
尚、図中3はセンサユニット2L及び2Rを制御し、また、取得したセンサユニット2L及び2Rの出力信号を処理、あるいはその処理結果を外部装置に出力する演算制御回路である。
特許文献2には、特許文献1で示される光学遮光方式の座標入力装置におけるセンサユニットの投光部及び受光部の具体的な構成の一例が示されている。
さらには、特許文献3には、各々のセンサユニットにおける投光部の点灯を制御する構成が開示されている。具体的には、特許文献3では、一方のセンサユニットの投光部から出射された光が他方のセンサユニットの受光部で外乱光として受光されることを防止するために、センサユニットの各投稿部からの光の出射が交互に行われる様に制御する。
さらには、特許文献4には、座標入力有効領域の対向する2辺に複数のセンサユニットを配置され、当該センサユニットが、再帰反射部材と座標入力面との隙間に設ける構成が開示されている。
この種の座標入力装置を表示装置と一体にすることによって、表示装置の表示画面をタッチすることで、表示状態を制御したり、あたかも紙と鉛筆の様な関係で、タッチ位置の軌跡を筆跡として表示したりすることが可能となる。
表示装置としては、液晶表示装置等の各種方式のフラットパネルディスプレイやフロントプロジェクターが知られている。フラットパネルディスプレイの場合には、座標入力装置を重ねて配置すれば、このような操作環境を実現でき、スマートフォン等の携帯機器はその代表例と言える。フラットパネルディスプレイの大型化に伴い、大型のタッチパネルと組み合わせて、例えば、デジタルサイネージと言った分野でもその導入が進んでいる。
大型の表示を可能とするフロントプロジェクターの場合には、その投影面であるスクリーンボード等に位置検出部を組み込み、そのスクリーンボードに画像を投影することになる。従って、座標入力装置の大きさは、タッチ操作面となるスクリーンボードの大きさに依存することになり、比較的大きな装置となる。そのため、スクリーンボードを移動するためのスタンドがスクリーンボードに装着される、あるいは、スクリーンボードを壁に固定的に据え付けて使用すると言うのが通例である。また、大きくなると共に販売価格が指数関数的に上昇し、大型の座標入力装置、あるいはそれを使ったアプリケーションの普及に、大きな妨げになっている。
図20に示す光学遮光方式の座標入力装置の場合、センサユニット2、演算制御回路3、及び再帰反射部4が主要部品であり、それらがスクリーンボードに装着される。従って、装置が大型化しても主要部品の構成はそのままであり、大型化によるコストアップ要因はスクリーンボードの材料費が大半を占めることになる。
特許文献5には、座標入力装置の光学ユニットで検知した照射光の受光強度及び予め設定された取付角度に基づいて、光学ユニットの発光部が発したプローブ光を光学ユニットの受光部で検知した受光強度を用いて、光学ユニットの取付ズレ角度を算出することが開示されている。これは、製造時の取付角度に対して、光学ユニットがずれて取り付けられた場合に直接光を検知して、そのずれ角度を算出することを開示してている。
特許文献6及び特許文献7には、座標入力面に対し、垂直方向に複数の投光部を配した構成が開示されている。これらは、垂直方向の投光部の発光形態が常に変化することなく一定な構成である。
米国特許第4507557号明細書 特開2004−272353号公報 特開2001−43021号公報 特許登録第4118664号公報 特開2001−84093号公報 特許登録第3830121号公報 特許公開2012−3434号公報
表示装置の表示画面をタッチすることで操作するユーザインタフェースは、直観的であり誰でもが使えると言うことで、今や携帯機器では一般化している。当然のことながら、より大きな表示画面を有する装置であっても、そのような操作ができることが望まれている。
大画面を使った具体的用途は、会議用途でのプレゼンテーションやホワイトボード機能として、教育現場におけるICT化教育、デジタルサイネージと言った市場からの要望が大きい。それに応えるためには、その操作環境を実現するための導入コストを大幅に低下させる必要が有る。
現状の会議室や教育現場には、備品としてホワイトボードやフロントプロジェクターが既に導入されていること例が多い。本願発明は、ユーザが既に購入しているこれらの装置を有効に活用して、大画面でも低価格でタッチ操作可能な操作環境を提供できるようにすることを目的としている。
先にも述べた通り、光学遮光方式の座標入力装置の主要構成部品は、タッチ操作により光路が遮られた方向を検出する少なくとも2つのセンサユニット2、演算制御回路3、及び再帰反射部4である。これらの主要構成部品を所定の位置寸法関係で、例えば、ホワイトボードに装着できれば、ホワイトボードのタッチ位置を検知することが可能となる。スクリーンボードとして既存のホワイトボードを流用すれば、コストの大半を占めるスクリーンボード自体が必須構成要素から無くなる。従って、製品価格を大幅に抑えることができ、大型であっても安価にタッチ操作環境を提供することができる。
この光学遮光方式の座標入力装置の位置検出原理は、少なくとも2つのセンサユニットが出力するタッチ位置の遮光方向(=角度)とそのセンサユニット間の距離情報に基づき幾何学的にタッチ位置を算出する。従って、高精度でタッチ位置を検出するためには、高精度でセンサユニットを位置決めして取り付けなければならない。更に望ましくは、その取り付けをユーザが簡単にできることが好ましい。
一方で、ユーザによるセンサユニットのラフな位置決めでの装着でも、高精度なタッチ位置検出が可能であれば、次のような使い勝手を実現することが可能となる。光学遮光方式の座標入力装置の主要構成部品のみを持ち運び、例えば、会議が行われる会議室に設置されているホワイトボードに簡単に短時間で装着して使用する。そして、会議終了と共に主要構成部品を取り外し持ち帰る、あるいは別の会議室に持って行ってそこで使用する。要は、着脱、可搬できることにより、『誰でも』が『何時でも』、『何処でも』、『簡単に』操作できるようになる。また、それらを実現するための製品そのものの構成部品点数も、より少ないのが好ましい。さらには、可搬を想定して小型、軽量であることが望まれる。
この主要構成部品を装着、取り外し可能な構成とするために、例えば、マグネットを用いることで、例えば、既に購入されているホワイトボードに装着可能となる。そして、ホワイトボードを投影面とすることで、入出力一体型のタッチ操作環境が提供される。一般にホワイトボードは種々のサイズのものが市販されており、当然のことながらより大きなホワイトボードを使用すれば、より大きな表示画面に投影することができる。従って、会議室に設置されている大小様々なホワイトボードの大きさに応じて、この主要構成部品の設置が可能であり、かつ高精度にタッチ位置を検出できることが好ましい。
しかしながら、一般にホワイトボードは種々のサイズのものが市販されており、学校の教室で使用される黒板のような横長寸法の場合、想定している距離に、複数のセンサユニットを内蔵するセンサバーが設置される保証はない。
図21は、光学遮光方式の座標入力装置を黒板のような横長寸法のホワイトボードに装着した状態を示す図である。図21(A)において、黒板のような横長寸法のホワイトボードの右端及び左端に、センサバー1L及び1Rが設置された場合を示している。この場合、センサバー1Lのセンサユニット2−L1において、方向jから方向fまでの投光部からの光をセンサバー1Rの再帰反射部4Rからの再帰反射光を受光して、その受光強度を検知することになる。しかし、想定していない距離まで、それぞれのセンサバーが離れているので受光強度がほぼ零となる(図21(B))。そのため、センサバーが傾いて設置されているために、センサユニットの受光部の視野範囲にあるのか、センサバー間の距離が離れて設置されているためにセンサユニットの受光部の受光強度が弱いのか、センサバーの不適切な設置の状態が判断できない。
また、市販されているホワイトボードを使用する場合や壁等を投射面として使用する場合、ホワイトボード及び壁の平面性が確保されているという保証はない。図22は、光学遮光方式の座標入力装置をホワイトボード、或は、壁に装着した状態の側面方向からの断面図である。図22(A)の状態が、ホワイトボード及び壁の平面性が確保されている場合である。一方、市販されているホワイトボードや壁等は、図22(B)の状態の様に、入力側が凸の湾曲している場合が起こり得る。従って、平面性が保たれない市販されたホワイトボード等に光学遮光方式の座標入力装置を設置した場合、問題が生じる。図22(b)は、その問題を説明するものである。図22(B)に示すように、座標入力装置のセンサバー1Lの投光部30から発せられた矢印で示す光は、ホワイトボード6の凸部114によって遮られる。この現象のため、光学遮光方式の座標入力装置の座標検出が難しくなる結果となる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、設置の不具合を装置自身が判定し、その設置状況の改善を促すことができるとともに、既存のホワイトボードや会議室等の壁面を投影面とし、その投影面をタッチすることで、表示画面を制御することができる座標入力装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置であって、
光を再帰的に反射する再帰反射手段と、
前記座標入力有効領域に向けて投光する投光部と到来光を受光する受光部とを備える、少なくとも2つのセンサユニットと、
前記少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、前記再帰反射手段を介して再帰反射光を受光する第1の検出モードと、前記1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する第2の検出モードの内、前記第2の検出モードによる検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する判定手段と
を備える。
本発明によれば、設置の不具合を装置自身が判定し、その設置状況の改善を促すことができるとともに、既存のホワイトボードや会議室等の壁面を投影面とし、その投影面をタッチすることで、表示画面を制御することができる。
実施形態1の座標入力装置の概略構成図である。 実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。 実施形態1の投光部と受光部の視野範囲を説明するための図である。 実施形態1のセンサバーの概略構成を示す図である。 実施形態1の演算制御回路の第1の検出モードの動作を説明するための図である。 実施形態1の検出信号波形の処理を説明する図である。 実施形態1の座標算出を説明する図である。 実施形態1の相対座標系と表示座標系を説明するための図である。 実施形態1の演算制御回路の第2の検出モードの動作を説明するための図である。 実施形態1のセンサユニットの相対的な位置関係の算出を説明するための図である。 実施形態1の初期設定処理を示すフローチャートである。 実施形態1の座標入力装置を横長寸法のホワイトボードの両端に装着した状態を示す説明図である。 実施形態1の座標入力装置を横長寸法のホワイトボードに装着した場合の設置位置を修正した状態を示す説明図である。 実施形態1の通常動作及びキャリブレーションの処理を示すフローチャートである。 実施形態1のセンサユニットの相対的な位置関係の算出を説明するための図である。 実施形態2のセンサユニットの詳細構成を示す図である。 実施形態2の初期設定処理を示すフローチャートである。 実施形態2の座標入力装置を平面及び凸である入力面に取り付けた状態を示す説明図である。 実施形態3の初期設定処理を示すフローチャートである。 従来の光学遮光方式座標入力装置の基本構成を説明するための図である。 光学遮光方式座標入力装置を横長寸法のホワイトボードの両端に装着した状態を示す説明図である。 座標入力装置を平面及び凸である入力面に取り付けた状態を示す説明図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<実施形態1>
実施形態1の座標入力装置の概略構成を、図1を用いて説明する。
図中、1Lは少なくとも2個の角度検出センサ部であるところのセンサユニット2−L1及び2−L2(第1のセンサユニット及び第2のセンサユニット)を装備する筺体であるところのセンサバーである。また、1Rは、2−R1及び2−R2(第3のセンサユニット及び第4のセンサユニット)を装備する筺体であるところのセンサバーである。
各々のセンサバー1L及び1R(総称する場合は、センサバー1と表記)は、図示のように矩形状の座標入力有効領域5の対向する2辺に設けられる。表示装置が仮にフロントプロジェクターとすれば、表示領域は座標入力有効領域5の範囲内に設定され、例えば、平面状のホワイトボード6に投影される。無論、ホワイトボード6に限定されるものではなく、壁面等であっても良い。
センサバー1L及び1Rの側面にはそれぞれ、図示のように再帰反射部4L及び4R(総称する場合は、再帰反射部4と表記)が装着されている。そして、再帰反射部4L及び4Rはそれぞれ、対向する辺に設けられたセンサバー1Lあるいは1Rのセンサユニットが投光した赤外光を再帰的に反射できるように構成してある。
センサバー1Lにはセンサユニット2−L1及び2−L2が内蔵され、センサバー1Rにはセンサユニット2−R1及び2−R2が内蔵されている。センサバー1Lに内蔵される演算制御回路3Lはセンサユニット2−L1及び2−L2を制御して、その出力結果を演算処理すると共に、センサバー1Rの演算制御回路3Rを制御する。センサバー1Rの演算制御回路3Rは、センサユニット2−R1及び2−R2を制御して、その出力結果を演算処理して、センサバー1Lの演算制御回路3Lにその結果を送信する。そして、センサバー1Lの演算制御回路3Lは、4つのセンサユニット2−L1、2−L2、2−R1及び2−R2からの出力結果を処理して、タッチ位置を算出し、パーソナルコンピュータ等の外部機器へ結果を出力する。
図1では、センサバー1Lの演算制御回路3Lとセンサバー1Rの演算制御回路3Rとはコードで接続される構成(つまり、有線接続)となっているが、これに限定されない。例えば、無線等の通信機能を互いに搭載して、それらの通信機能を使用してデータの送受信(無線接続)を行っても良い。
尚、以後の説明にあっては、水平方向をX軸(図面右側が+)、天地方向をY軸(下側が+)として説明する。
図2はセンサユニット2−L1、2−L2、2−R1及び2−R2(総称する場合は、センサユニット2と表記する)の詳細構成を示す図である。図2(A)は図1における断面A−Aであり、図2(B)及び(C)は図中の矢印方向から見た正面図である。
図2(A)において、センサユニット2は、センサバー1に収納されており、座標入力有効領域5に向けて光を投稿する投光部30及び到来光を受光する受光部40で構成される。投光部30と受光部40の距離はL_pdであり、その間に再帰反射部4が図示のように設けられている。45は光透過性の部材であって、センサバー1内へのゴミ等の異物の侵入を防止するための保護部材である。
図2(B)において、投光部30は、発光部である赤外LED31、投光レンズ32、両者を固定するための接着層33で構成される。投光レンズ32は、赤外LED31の光を、座標入力面となるホワイトボード6と略平行な光束となるように構成する。そして、対向する辺に設けられたセンサバー1の再帰反射部4の全領域を照明するように、投光範囲がg〜h範囲であって、頂点が点Oの位置(センサユニット2の重心位置)の扇状の光束を出射する。この時、投光部30の光軸はf方向に設定されることになるが、その理由は後述する。
図2(C)において、受光部40は、投光部30が投光した光が、対向する辺に設けられたセンサバー1に装着されている再帰反射部4によって再帰反射された光を検出する。41は光電変換素子であるところのラインCCD、42は受光レンズ、43は視野絞り、44は赤外線通過フィルターである。また、保護部材45に赤外通過フィルター機能を設けることで、赤外線通過フィルター44を廃止してもかまわない。
受光部40の光軸はX軸方向に設定される。視野範囲はg〜h範囲であり、点Oの位置が光学的な中心位置となっている。また、受光部40は、図示のように光軸に対して非対称な光学系となっている。点Oの位置、及び方向g、方向hが略一致するように、投光部30と受光部40は、図2(A)のように重ねて配置される。また、受光部40は、入射する光の方向に応じて、ラインCCD41の画素に集光されるので、ラインCCD41の画素番号は入射する光の角度情報を表す。
また、受光部40は、座標入力有効領域5の座標入力面と略平行な視野範囲を有し、その光軸方向は、ラインCCD41の受光面の法線方向と一致するように配置されている。
図3(A)は座標入力装置の概略と投光部30及び受光部40の光学系の配置を示す図である。センサバー1Lの投光部30より対向する辺に設けられたセンサバー1Rに設けられた再帰反射部4Rに向けて照明される範囲はg〜h範囲である。そして、実際に再帰反射部4Rが装着されている範囲j〜fの方向の光が再帰反射され、受光部40で検出される。
図2(A)で模式的に示す投光部30で投光した光の光束は完全には平行とはならず、投光距離が延びるに従って、その光束幅は広くなる。従って、再帰反射部4Rで再帰反射される光の量は、再帰反射部4Rに到達する距離が長くなれば減少する。従って、投光地点Oから再帰反射部4Rまでの距離が近い方向jに比べて距離の遠い方向fは再帰反射効率が悪い。
更には、再帰反射部4Rは再帰反射面に垂直方向から入射した場合より、その角度が斜めになるに従って、再帰反射効率が低下する。言い換えれば、再帰反射部4Rに入射する光が再帰反射光として再帰反射する割合は、入射角に依存しており、方向fは最もその再帰反射効率が低下する方向と言える。
更には、受光部40の光軸は方向Xに設定されており、方向fが最も光軸となす角度が大きな方向となっている。一般的な光学レンズのレンズ特性は、光軸となす角度が大きくなるに従って性能が劣化することが知られており、例えば、方向fでの集光効率の低下により、その方向が最も暗くなる方向と言える。
以上より、仮に投光部30が方向によらず一定の強度で照明することができたとしても、方向jから帰ってくる再帰反射光に比べて、方向jから方向fに向かうに従って、受光部40で検出できる再帰反射光は弱くなる(図3(B)参照)。
一方で、赤外LED31は光軸方向に光の放射強度が最大となるように構成されるのが一般的である。そして、光軸からのなす角度が大きくなるに従って放射強度は低下することになるが、その度合いを、光軸方向の照明強度の半分となる角度『半値角』で定義することが通常である(図3(C)参照)。
そこで、再帰反射光レベルが最も弱い方向fに投光部30の光軸を向けることで、方向fの照明強度を増大させ、相対的に方向fから方向jに向かうに従って、照明強度を低下させている。その結果、方向jから方向fまでの間、検出できる再帰反射光の強度を均一化できるようになる(図3(D)参照)ので、方向によらずより安定した信号が得られるようになる。
尚、実施形態1では、赤外LED31の放射強度分布を基に投光部30の光軸を再帰反射光レベルが最も弱い方向fに向ける構成を示しているが、投光部30の受光部40に対する傾斜角はこれに限られるものではない。例えば、投光レンズ32自体の光軸が非対称となる光学系を搭載する場合には、その光量分布も、図3(c)の放射強度分布も非対称性を有する。この場合、その非対称性を有する分布が最大となる方向と方向fとが一致するように、投光部30の受光部40に対する傾斜角を設定しても良い。
図4を用いて、センサバー1Lの構成の詳細を説明する。尚、図4では、センサバー1Lに着目して説明するが、センサバー1Rも同様の構成を有する。
上述のように、2本のセンサバー1L及び1Rを、例えば、平面状のホワイトボードや壁面に装着し、そのホワイトボードや壁面に投影されている表示画面を直接タッチして操作できるようにすることが本装置の狙いでもある。表示画面の大きさは、ホワイトボードの大きさや、壁面の大きさに応じてユーザが適宜設定するものであり、固定値では無い。更には、市販されているホワイトボードには種々のサイズのものが有り、投影画面のスクリーンとして大画面を投影できる標準サイズとしては、縦横寸法900×1200mm、900×1800mm、1200×1800mmがある。
しかしながら、この寸法はホワイトボードとして有効に使える範囲を定義しているのではなく、ホワイトボード6の4辺周囲部の筺体枠を含んだ寸法であることが多い。従って、実際に使える平面領域はそれより小さく、その大きさも製造メーカによってまちまちとなっている現状が有る。
そこで、実施形態1の座標入力装置は、センサバー1に伸縮機構(2つのセンサユニットの重心を結ぶ線分方向に伸縮する伸縮部)を設けている。これにより、センサバー1の長さを、言い換えればセンサバー1に内蔵される2つのセンサユニット2のセンサユニット間の距離(及び再帰反射部4の長さ)を可変にできるように構成している。実際には、例えば、縦寸法900〜1200mmのホワイトボードの平面部分の大きさ820mmから1200mmに装着できるように、センサバー1の外形長さが820mmから1200mmまで可変できる構成(位置変更部)とする。
尚、図1では、ホワイトボードの左右2箇所にセンサバーを装着するものとして、ホワイトボードの縦寸法を基準にして伸縮量を設定しているが、これに限定されるものではない。例えば、ホワイトボードの左右でなく、上下2箇所に装着することを想定する場合には、センサバー1を伸ばした時の最大寸法はより長く設定することになる。さらには、壁面等により大きな画面を投影した場合でも使えるようにすることを想定する場合には、想定する最大表示画面の大きさに応じて、センサバーの伸縮量を設定することになる。
また、実施形態1において、ホワイトボードへセンサバーを装着することを前提とすると、センサバーを左右に装着することが、上下に装着することよりもより優位と考えられる。
第1の理由は、表示装置のアスペクト比とホワイトボードのアスペクト比を考慮すると、ホワイトボード上に可能な限り表示領域を最大に設定した場合に、ホワイトボードの左右領域に空白部分(表示されない領域)ができる。従って、その空白部分にセンサバー1を設置すれば、そのことによって、表示画像を小さくしなければならないと言った障害が発生することがない。言い換えれば、より大きな画面を使うことができる操作環境を提供することが可能になる。
第2の理由は、表示画面のアスペクト比は、例えば、16:9等の横長であることが通例である。表示画面と等しい領域をタッチ操作可能とするためには、実施形態1のセンサユニットを、表示画面の角部に設ける必要がある。従って、表示画面の左右にセンサバー1を設けることで、上下にセンサバー1を設ける場合より、そのセンサバー1の長さを抑えることが可能となる。
実施形態1の座標入力装置は、ユーザが所望する会議室等に持ち運んで、既に会議室に設置されているホワイトボードや、会議室の壁面を使って、直ぐに使えることを狙いの一つとしている。従って、センサバー1の大きさや重量は、より小さく、より軽いことが好適であり、センサバー1の長さを抑制することができる左右に装着する仕様がより好ましい形態である。
第3の理由は、左右装着仕様とすることで、設置が容易となる点である。言い換えれば、上下装着仕様の場合、表示画面が大きくなれば上側にセンサバー1を装着する際に脚立等を用意した上での高所作業が発生してしまう。従って、上下に装着する仕様は、表示サイズによっては設置容易性に欠ける場合がある。
図4(A)は、センサバー1の概略構成を示しており、センサバー1は、上側筺体51、及び下側筺体52で構成される。53は外側パイプ、54は内側パイプで有り、外側パイプ53の内径と内側パイプ54の外形が略勘合の関係にある。外側パイプ53は上側筺体51に固定され、内側パイプ54は下側筺体52に固定される。上側筺体51と下側筺体52とでセンサバー1の長さを伸縮させようとすると、外側パイプ53と内側パイプ54が勘合関係を維持した状態でスライドする(図4(B)参照)。実施形態1にあっては、これらのパイプを金属製とすることで、伸縮動作時のセンサバー1の伸縮方向や機械的強度を得ている。金属製パイプの一端は絞り加工が施され、押しつぶされた状態となり、その部分で筺体に機械的に結合されると共に、センサユニット2が装着される。
実施形態1にあっては、センサバー1の伸縮方向に対して直角な方向にセンサユニット2の受光部40の光軸が配置されている。先に説明したとおり、受光部40の視野範囲は光軸に対して非対称に設けられている。このように構成することで、センサバー1の筺体を細く構成することが可能となる。この理由として、ラインCCD41、及び、ラインCCD41が実装される実装面となる回路基板(不図示)の長手方向が、センサバー1の長手方向と一致し、首尾よく配置されることによる。また、光電変換素子であるラインCCD41を実装する回路基板の実装面が、座標入力有効領域5に対して略垂直となるように構成されている。
図4(C)は、従来技術であるところの軸対称な光学系を採用している投光部の例である。受光部40に必要な視野範囲を確保するために、センサバーのスライド方向に対して、受光部40の光学系の光軸は傾いた状態にならざるを得ない。その結果、その光学系を収納するセンサバー1の幅Lwが、実施形態1のセンサバー1の幅より大きくなってしまう。このことは、筺体がより大きくなることで重量増につながり、可搬性を低下させるだけではなく、センサバーを装着するために必要な面積がより大きくなることを意味する。よって、ホワイトボード等に装着する場合には、表示装置の投影面積が小さくなってしまう。
図4(C)において、軸対称な光学系を用いて、かつセンサバー1のスライド方向に垂直な方向に受光部40の光学系を設定し、光学系で光線を折り曲げて必要な視野範囲を確保する場合を考える。当然のことながら、光路上にミラー等の新たな光学素子を設けることになり、センサユニット2がより大きくなることは避けられない。つまり、そのような構成としても、実施形態1の非軸対称な光学系を用いる場合より、センサバー1の幅Lwは大きくなる。
更には、十分に大きな視野範囲を有する受光部40の光学系(例えば、光軸を中心として±50°の視野範囲を採用した場合を考える。図3(A)に於いて、受光光学系の視野範囲は方向hから方向mの範囲であり、光軸方向Xに対して、角度Xoh=角度Xom=50°の関係となる。実施形態1の座標入力装置が必要とする視野範囲は、対向する辺に設けられた再帰反射部4の全域をカバーする範囲(方向fから方向jの範囲)のみである。従って、片側略半分の視野範囲(方向jから方向mの範囲)は無効な領域となる。従って、このような場合であっても、受光部40の有効な視野範囲は、実質的に非対称な光学系を採用している構成した場合の視野範囲と同等と言える。
図5(A)は演算制御回路3のブロック図である。実施形態1におけるセンサバー1Lの演算制御回路3Lとセンサバー1Rの演算制御回路3Rは、外部へのインタフェース仕様を除き、いずれも同様の回路構成であり、接続される対応するセンサユニット2の制御、演算を行う。図5(A)は、特に、センサバー1Lの演算制御回路3Lの構成を示している。
センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41用のCCD制御信号は、ワンチップマイコン等で構成されるCPU61から出力され、ラインCCD41のシャッタータイミングやデータの出力制御等を行う。CCD用のクロックはクロック発生回路CLK62から各センサユニット2−L1及び2−L2に送信されるとともに、ラインCCD41との同期をとって各種制御を行うためにCPU61にも入力されている。尚、センサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED31を駆動するLED駆動信号は、CPU61から供給される。
センサユニット2−L1及び2−L2それぞれのラインCCD41からの検出信号は、A/Dコンバータ63に入力され、CPU61からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値はメモリ64に記憶され、角度計算に用いられる。そして、計算された角度情報から幾何学的なタッチ位置を算出し、外部PC等の情報処理装置にインタフェース68(例えば、USBインタフェース)を介して出力される。
先に示した通り、各センサバー1の演算制御回路3は、各々2つのセンサユニット2を制御している。仮に、センサバー1Lの演算制御回路3Lがメイン機能を果たすものとすれば、CPU61はシリアル通信部67を介して、センサバー1Rの演算制御回路3Rに制御信号を送信して、回路間の同期を行う。そして、演算制御回路3Rから、必要なデータの取得を行うことになる。
演算制御回路3L及び3R間の動作は、マスター・スレーブ制御にて動作する。実施形態1の場合、演算制御回路3Lがマスターで、演算制御回路3Rがスレーブである。尚、各演算制御回路は、マスター・スレーブのどちらにもなりうるが、ディップスイッチ(不図示)等の切替部で、CPUのポートに切替信号を入力することで、マスター・スレーブの切替が可能となっている。
マスターであるセンサバー1Lの演算制御回路3Lからは、対向する辺に設けられたセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2のデータを取得するために、制御信号がスレーブの演算制御回路3Rにシリアル通信部67を介して送信される。そして、センサユニット2−R1及び2−R2で得られた角度情報が算出され、シリアル通信部67を介してマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
尚、インタフェース68は、実施形態1の場合、マスター側の演算制御回路3Lに実装されることになる。また、66は、指示具として、赤外線を発光する専用ペン(不図示)を使用した時の赤外線受光部である。65は専用ペンからの信号をデコードするためのサブCPUである。専用ペンは、ペン先が入力面を押圧したことを検知するスイッチや、ペン筺体サイド部に種々のスイッチを有する。それらのスイッチの状態やペンの識別情報を専用ペンに設けられた赤外線発光部で送信することにより、専用ペンの操作状態を検知することが可能となる。
図5(B)はセンサユニット2を動作させるためにマスター側の演算制御回路3LのCPU61が出力する制御信号、及びセンサユニット2の動作を示すタイミングチャートである。
71、72、73がラインCCD41制御用の制御信号であり、SH信号71の間隔でラインCCD41のシャッター開放時間が決定される。ICGL信号72はセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号である。
CCDL信号74は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。ICGR信号73は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、シリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号を生成する。CCDR信号75は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。
LEDL信号76及びLEDR信号77は、各センサユニット2の赤外LED31の駆動信号である。SH信号71の最初の周期でセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED31を点灯するために、LEDL信号76が各々のLED駆動回路(不図示)を経て赤外LED31に供給される。
そして、SH信号71の次の周期で、対向する辺に設けられたセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2の赤外LED31を点灯するために、LEDR信号77がシリアル通信部67を介して演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3Rが各々のLED駆動回路に供給するための信号を生成する。
赤外LED31の駆動、及びラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算制御回路3Rの演算結果はマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
以上のように動作させることで、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2と対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2とは、異なるタイミングで動作するようになる。このように構成することで、対向する辺に設けられたセンサユニットの赤外光を検出することなく、センサユニット自身が発光した再帰反射光のみを検出できる。
図6を用いて、センサバー1のセンサユニット2から出力される信号について説明する。先ず、センサユニット2の投光部30の発光が無い状態である場合の受光部40の出力は図6(A)となり、発光が有る場合の受光部40の出力は図6(B)となる。図6(B)において、レベルAが検出した光量の最大レベルであり、レベルBが光を全く検出(受光)できてないレベルと言える。
センサユニット2が発光した赤外線は、対向する辺に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、自身のセンサユニット2で検出される。従って、光出力が得られ始める画素番号Njの方向は図3における方向jであり、同様に、画素番号Nfの方向は図3における方向fということになる。画素番号Njから画素番号Nfまでの光量は、表示画面の大きさやそのアスペクト比、それに対応したセンサバー1の配置状態(特に、2つのセンサバー1間の距離)や伸縮状態等によって変化する。
実施形態1の座標入力装置は、最適な光量レベルが得られるように、SH信号を制御することによって、ラインCCD41のシャッター開放時間、及び赤外LED31の露光時間を調整する。センサユニット2から得られる光量が多ければ時間を短くし、逆に少なければ時間を長く設定することができる。さらには、検出光量レベルに応じて、赤外LED31に流す電流を調整しても良い。このように出力信号を監視することで、最適な光量が得られるように構成されている。このような調整を、レベル変動が有った場合に適宜行う仕様としても良い。もしくは、センサバー1が設置され、その状態が保持されている間は、安定した一定の信号が得られるはずであるので、このような光量の調整は、設置が完了した電源投入時に行えばよい。
再び、図6に戻り、座標入力有効領域5の入力面をタッチすることで光路を遮ると、図6(C)のように、例えば、画素番号Ncで光量が検出できなくなる。実施形態1では、この図6(A)〜(C)の信号を用いて、タッチした方向、言い換えると、角度を算出する。
まず、システムの起動時、システムのリセット時、あるいは自動的に、基準データを取得する。以降、一つのセンサユニット2のデータ処理について説明するが、他のセンサユニットでも同様の処理を行っている。
電源投入時、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光部30の照明無しの状態でラインCCD41の出力をA/Dコンバータ63によりA/D変換して、この値をBase_Data[N]としてメモリ64に記憶する。これは、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータとなり、図6(A)のレベルB付近のデータとなる。ここで、[N]はラインCCD41のCCD画素番号であり、有効な入力範囲に対応する画素番号が用いられる。
同様に、操作者によるタッチ操作が行われてない状態で、投光部30から投光した状態での光量分布を取得して記憶する。これは、図6(B)の実線で表されたデータであり、Ref_Data[N]としてメモリ64に記憶する。これにより、初期データとして2種類のデータの記憶を管理する。
その後、サンプリングを開始することになるが、タッチ操作が行われてなければ、図6(B)に示すデータは、タッチ操作が行われると、そのタッチ位置に応じて遮光部分Cが検出された図6(C)に示すデータが検出される。この投光部30の照明有りの状態で得られるサンプルデータをNorm_Data[N]と定義する。
これらのデータ(メモリ64に記憶されているBase_Data[N]とRef_Data[N])を用いて、まずは、指示具の入力の有無、遮光部分の有無の判定を行う。まず、遮光部分を特定するために、データの変化の絶対量を各々の画素において算出し、予め設定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_Data0[N] = Norm_Data[N] - Ref_Data[N] (1)
ここで、Norm_Data0[N]は、各画素における絶対変化量であり、閾値比較により、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出する。そして、閾値を超えるデータが、例えば、所定数以上の連続した画素で発生した場合に、タッチ操作が有ると判定する。この処理は、差を取り比較するだけなので、短時間での演算が可能であり、入力の有無判定を高速に行うことができる。
次に、より高精度に検出するために、画素データの変化の比を計算して入力点の決定を(2)式を用いて行う。
Norm_DataR[N] = Norm_Data0[N] / (Base_Data[N] - Ref_Data[N]) (2)
この画素データ(光量分布)に対して、別途設定される閾値Vthrを適用する。そして、その閾値Vthrを横切る点に対応する、光量分布中の遮光部分に対応する光量変動領域の立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号から、両者の中央を指示具による入力に対応する画素とすることで、角度を算出する。
図6(D)は変化の比の計算を終了後の検出結果の例である。今、閾値Vthrで検出すると、遮光部分の立ち上がり部分は、Ns番目の画素でレベルLsとなり閾値Vthrを超えたとする。さらに、Nt番目の画素でレベルLtとなり閾値Vthrを下まわったとする。
この時、出力すべきラインCCD41の画素番号Npを、立ち上がり部と立ち下がり部の画素番号の中央値として式(3)のように計算しても良いが、そうすると、ラインCCD41の画素間隔が出力画素番号の分解能になる。
Np = Ns + (Nt - Ns) / 2 (3)
そこで、より高分解能に検出するために、それぞれの画素のデータレベルとその一つ前の隣接画素のデータレベルを用い、閾値Vthrを横切る仮想の画素番号を計算する。
画素NsのレベルをLs、画素Ns−1番のレベルをLs−1、そして、画素NtのレベルをLt、画素Nt−1のレベルをLt−1とすると、それぞれの仮想画素番号Nsv、Ntvは、
Nsv = Ns-1 + ( Vthr - Ls-1 ) / ( Ls -LS-1 ) (4)
Ntv = Nt-1 + ( Vthr - Lt-1 ) / ( Lt -Lt-1 ) (5)
と計算できる。この計算式によれば、出力レベルに応じた仮想画素番号、つまり、ラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号を取得できる。そして、これらの仮想画素番号Nsv、Ntvの仮想中心画素Npvは、式(6)で決定される。
Npv = Nsv + ( Ntv - Nsv ) / 2 (6)
このように、閾値Vthrを越えるデータレベルの画素の画素番号とその隣接する画素番号と、それらのデータレベルから、所定レベルの閾値Vthrを横切る仮想的な仮想画素番号を計算することで、より分解能の高い検出を実現できる。
このように得られた中心画素番号から、実際の指示具の座標値を計算するためには、この中心画素番号を角度情報に変換する必要がある。
後述する実際の座標計算では、角度そのものよりもその角度における正接(tangent)の値を計算するほうが都合がよい。尚、画素番号から、tanθへの変換には、テーブル参照や変換式を用いる。変換式は、例えば、高次の多項式を用いると精度を確保できるが、次数等は計算能力及び精度スペック等を鑑みて決定すればよい。
ここで、5次多項式を用いる場合の例を示すと、5次多項式を用いる場合には係数が6個必要になるので、出荷時等にこの係数データを不揮発性メモリ等のメモリに記憶しておけばよい。今、5次多項式の係数をL5、L4、L3、L2、L1、L0としたとき、tanθは
tanθ=(L5*Npr+L4)*Npr+L3)*Npr+L2)*Npr+L1)*Npr+L0 (7)
であらわすことができる。同様なことを、各々のセンサユニットに対して行えば、それぞれの角度データを決定できる。もちろん、上記例では、tanθを計算しているが、角度データそのものを計算し、その後、tanθを計算しても構わない。
図7は、画面座標との位置関係を示す図である。センサバー1Lのセンサユニット2−L1の視野範囲は方向jから方向fの範囲であり、角度の正負を図示のように設定する。そして、センサユニット2−L1の光軸はX軸方向であり、その方向を角度0°と定義する。同様に、センサユニット2−L2の視野範囲は方向fから方向jの範囲であり、角度の正負を図示のように設定し、及び、センサユニット2−L2の光軸の方向を角度0°と定義する。そして、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分をY軸と定義すれば、各センサユニットの光軸はその線分の法線方向となる。また、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心との距離をdhと定義する。
今、点Pの位置でタッチ操作が行われた場合を想定する。
センサユニット2−L1で算出される角度はθL1であり、センサユニット2−L2で算出される角度はθL2である。この2つの角度情報と距離dhを用いて、幾何学的にタッチ位置Pの座標を算出することが可能となる。
x=dh・tan(π/2-θL2)・tan(π/2-θL1)/(tan(π/2-θL2)+tan(π/2-θL1)) (8)
y=dh・tan(π/2-θL2)/(tan(π/2-θL2)+tan(π/2-θL1)) (9)
また、一方のセンサユニットの出力がθL1=0、もしくはθL2=0の場合であっても、他方のセンサユニットが出力する角度情報に基づき、幾何学的に容易にタッチ位置を算出することが可能である。
以上の説明にあっては、2つのセンサユニット間の距離dhが既知であることを前提に説明しているが、センサバーの伸縮によって距離dhが可変し、たとえ距離dhが未知な場合であっても位置検出可能とすることが特徴となる。説明を簡略化するために、距離dhは既知として説明するが、未知であっても位置検出可能な構成については、後述する事とする。
ここで、センサユニット2−L1及びセンサユニット2−L2の視野範囲から、タッチ位置Pが図7(B)のハッチング部の範囲に有る場合のみ、そのタッチ位置を算出することが可能である。タッチ位置がその範囲に無い場合には、図7(C)、(D)、(E)に示す様に、演算に用いるセンサユニットの組み合わせを変更することで、座標入力有効領域5全域のタッチ位置を検出できるようになる。従って、各センサユニット2が検出した遮光方向の有無、及び遮光方向に基づき、座標算出に必要なセンサユニットを選択して、タッチ位置を算出する。そして、選択したセンサユニット2の組み合わせに応じて、式(8)、式(9)のパラメータを変更して、座標変換を行えばよい。
尚、図7(F)に示すように、センサユニット選択の境界領域近傍にタッチ位置Pが存在すると、この場合は、図7(B)もしくは図7(C)の状態のセンサユニットの組み合わせで、そのタッチ位置を算出できる。具体的な構成として、例えば、センサユニット2−L2の視野範囲と、センサユニット2−R1の視野範囲は、座標入力有効領域5の対角線方向で重複するように構成される。そして、重複した領域でタッチした場合には、複数通りのセンサユニットの組み合わせで座標算出が可能となる。その場合にあっては、両者の組み合わせで算出した座標値の平均値を確定座標として出力しても良い。
さて、このように算出された座標値は、実施形態1の座標入力装置が持つ第1の座標系(以後、座標入力装置の相対座標系と称す)の値であって、位置算出が可能な有効領域は図3における座標入力有効領域5である。そして、この座標入力有効領域5の範囲内にディスプレイの表示面を設けることになる。ディスプレイが仮にフロントプロジェクターとすると、図8に示すように、投影画像である表示領域8が座標入力有効領域5内に設定されることになる。図8では、d1を原点としてdx軸、dy軸からなる表示座標系である第2の座標系(以後、表示座標系と称す)からなる。表示されている画像を直接タッチすることで、アイコン等のタップ操作を行うためには、相対座標系と表示座標系の相関をとる必要が有る。
通常、この種の相関を得るために、表示制御を行っているパーソナルコンピュータ(PC)には、専用のアプリケーションソフトがインストールされる。アプリケーションを起動すると、表示画面には十字クロス等が表示され、ユーザにそのクロス位置をタッチするように促す。その動作を異なる位置で所定回数繰り返すことで得られる相対座標系の座標値と、十字クロスが表示されている位置の表示座標系の座標値とが一致するように、座標系の変換が行われる。
実施形態1の座標入力装置にあっては、アプリケーションソフトを使って十字クロスの位置を表示させてタッチさせるのではなく、表示画面の四隅をタッチすることで、この座標変換を行っている。このように構成することで、その場にあるPCに接続することで、特別なソフトをインストールすることなく直ぐに使えると言う優れた効果が得られる。特に、実施形態1の座標入力装置は、センサバー1を持ち運んで会議室に設置する可搬型であり、一緒にPCを持ち運ぶ必要が無いと言うことは大きな利点である。持ち運んだ先の、その場のPC、その場の表示装置を利用して、簡単に設置を完了させて直ぐに使えると言う優れた効果を発揮する。
この座標系を一致させるモードへの遷移は、例えば、センサバー1に設けられたモード遷移スイッチ(不図示)で行われる。モード遷移スイッチによりモードが遷移すると、センサバー1に内蔵されるスピーカ等の出力部により、4隅部を順次タッチ(指示)するようにガイダンスする。また、隅部のタッチが完了する毎に、入力が完了したことを示すブザー音を報知しても良い。または、センサバー1に内蔵されるインジケータで、その操作を促しても良い。
さて、相対座標系での座標算出では、式(8)及び式(9)で演算に用いるセンサユニット2間の距離dhが既知である必要が有る。しかしながら、表示装置と組み合わせて使用する図8のような使用態様の場合、この距離dhは必ずしも既知である必要は無い。つまり、ディスプレイの大きさを示す4隅部の情報が、タッチ操作することにより順次相対座標系における各センサユニットでの角度情報として取得される。その結果、比による計算だけで、表示座標系のタッチ位置の座標を算出することが可能となるからである。
さて、実施形態1の座標入力装置は、種々の表示サイズの表示面に対して、ユーザが2本のセンサバー1を装着して使用することを想定している。そして、2本のセンサバー間の相対的な位置関係が図7(A)となる(2つのセンサバーが平行、同一長さ、かつX軸方向に他方のセンサバーのセンサユニットが配置される)ことで、相対座標系での高精度な位置検出が可能となる。2本のセンサバー1がこのような配置となる仕組みを設けることも可能であるが、その場合、ユーザにそれなりの慎重な設置作業を強いることになる。仮に、2つのセンサバーを目分量で簡単に装着できれば、利便性の向上、設置時間の大幅短縮へとつながる。そこで、実施形態1にあっては、利便性向上のために、座標検出モードとして第2の検出モードを有する。
図9(A)は第2の検出モードを説明するためのマスター側のセンサバー1LのCPU61が出力する制御信号、及びセンサユニット2の動作を示すタイミングチャートである。
91、92、93がラインCCD41制御用の制御信号であり、SH信号91の間隔でラインCCD41のシャッター開放時間が決定される。ICGL信号92はセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2へのゲート信号であり、ラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号である。
CCDL信号94は、センサユニット2−L1及び2−L2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。ICGR信号93は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2へのゲート信号であり、シリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3RがラインCCD41内部の光電変換部の電荷を読出部へ転送する信号を生成することになる。CCDR信号95は、センサユニット2−R1及び2−R2のラインCCD41のシャッター開放時間を示す信号である。
LEDL信号96及びLEDR信号97は、各センサユニット2の赤外LED31の駆動信号である。SH信号91の最初の周期でセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2の赤外LED31を点灯するために、LEDR信号97がシリアル通信部67を介してセンサバー1Rの演算制御回路3Rに送信される。そして、演算制御回路3Rが各々のLED駆動回路に供給するための信号を生成する。
そして、SH信号91の次の周期で、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2の赤外LED31を点灯するために、LEDL信号96が各々のLED駆動回路を経て赤外LED31に供給する。
赤外LED31の駆動、及びラインCCD41のシャッター開放が終了した後に、ラインCCD41の信号がセンサユニット2から読み出され、後述する方法で角度情報を算出する。そして、スレーブ側の演算制御回路3Rの演算結果はマスター側の演算制御回路3Lに送信される。
以上のように動作させることで、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2は、対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2が発光した赤外LED31の赤外光を直接検出する。同様に、センサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2は、対向するセンサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2が発光した赤外LED31の赤外光を直接検出する。
尚、図5では、センサバー1Lのセンサユニット2−L1及び2−L2と対向するセンサバー1Rのセンサユニット2−R1及び2−R2とを異なるタイミングで動作する座標検出モードであり、これが第1の検出モードとなる。
図9(B)は、第2の検出モードで動作する場合に、センサユニット2で得られる検出信号波形を示している。対向する辺に設けられた2つのセンサユニット2の投光部30からの発光をそれぞれ受光するので、ピーク信号が2つ生成される。そして、先に述べた角度算出の方法と同様な方法で、その方向を各々算出する。尚、図中の破線は、図6(B)で示す受光部40の出力(光量分布)を示すものであり、方向Nj、方向Nfの間にピーク信号が生成されることを示している。
上述のように、ユーザが2つのセンサバー1を目分量で装着した場合であっても、高精度な位置検出を実現することが実施形態1の目的の一つである。そのために、各センサユニット2が、対向するセンサバー1に収納されているセンサユニット2の投光部30の光を検出することで、対向するセンサユニット2がどの方向に位置するかを検出する。
図10(A)を用いて、その様子を説明する。対向するセンサユニット2−R1は、センサユニット2−L1から見ると角度θ1の方向であり、センサユニット2−L2から見ると角度θ3の方向である。同様に、θ1からθ8までの角度を算出することが可能であり、その結果、センサバー1Lのセンサユニット2−L1の光軸と、センサバー1Rのセンサユニット2−R1の光軸の成す角度θ9が算出される。
言い換えると、センサバー1Lとセンサバー1Rの相対的な傾き(姿勢)を検出することができる。更には、センサバー1の長手方向の長さが伸縮することによって変化した場合であっても、各センサユニット2間の絶対的距離を知ることはできないが、4つのセンサユニットの相対的な位置関係を取得することが可能である。そして、先に述べたディスプレイの大きさを示す4隅部の情報を、タッチ操作することで取得すれば、比による演算だけでも、表示座標系での座標を高精度で算出することが可能となる。
図11は電源投入時からの初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、投影画像である表示領域8の全領域を含む矩形状の座標入力有効領域5を形成するために、操作者によってセンサバー1がホワイトボード6に装着されると、例えば、電源投入が行われて初期設定を行う(S101)。
次に、CPU61のポート設定、タイマ設定等の座標入力装置に係る各種初期化を行うとともに、光電変換素子に残っている余分な電荷を除去する等のラインCCD41の初期化も行う(S102)。次に、ラインCCD41が検出する光量の最適化を行う。上述のように、表示領域8の大きさは、ホワイトボード6の大きさにより一意では無い。そのような場合であっても、センサバー1の長さを伸縮させたり、センサバー1間の距離が適宜ユーザによって設定される。従って、装着の状態によって、検出される光の強度は異なるので、ラインCCD41のシャッター開放時間や赤外LED31の点灯時間、もしくは赤外LED31の駆動電流の設定により、センサユニット2で検出される信号波形が最大となるような設定を含む第2の検出モードで動作設定を行う(S103)。次に、その状態で、センサバー1のセンサユニット2それぞれにおいて、対応する位置に設けられたセンサユニット2から投光される直接光を受光することで、各センサユニット2の出力信号を取り込む(S104)。
ここで、S103で、最初の動作設定を光量が最大に得られるように設定(例えば、赤外LED31の駆動電流の最大値に設定)してある。この状態で、光が検出できない状態とは、センサユニット2の受光部40の視野範囲に、対向する位置にあるセンサユニット2が位置していないということになる。そこで、その光の検出状態(受光信号の受光レベル)に基づいて、視野範囲が正常であるか否かを判定する(S105)。視野範囲が正常でない場合(S105でNO)、つまり、ユーザによるセンサバー1の配置/設置が傾いた不適切な状態にある場合、その旨を報知(センサバー傾き再配置指示)して、センサバー1の傾きを直すための再設置を行うことを案内する(S106)。再設置が完了したか否かを判定する(S116)。再設置が完了していない場合(S116でNO)、完了するまで待機する。再設置が完了した場合(S116でYES)、つまり、ユーザによる再設置が完了すると、再び、S101を開始することになる。
尚、センサバー1には、例えば、表示機能付きスイッチ(不図示)が設けられていて、その表示機能付きスイッチ(センサバー再設置スイッチ)の表示状態で、S116の判定を行う。例えば、再設置が未完了の場合は第1の表示形態(例えば、赤表示/点滅等)で表示機能付きスイッチを表示する。そして、ユーザによる再設置が完了すると、再設置が完了済の場合は第2の表示形態(例えば、緑表示/消灯等)で表示する。
一方、視野範囲が正常である場合(S105でYES)、つまり、検出される信号(受光信号)が正常である場合には、図9(B)に示すような信号となり、実施形態1の場合は、2つの信号が出力されている状態が正常状態と言える。
次に、検出信号波形のチェックを行う(S107)。このチェックを行うために、S105での動作と同様に、ラインCCD41のシャッター開放時間や赤外LED31の点灯時間、もしくは赤外LED31の駆動電流を設定して、検出信号レベルの最適化動作を行う。この最適化動作を行うことによって、検出信号の波形レベルが正常である(所望の信号レベルである)か否かを判定する。この判定は、例えば、検出信号波形の少なくとも一部が所定の閾値以下であるか否かで判定する。検出信号の波形レベルが正常でない場合(S107でNO)、波形レベルが所定の最適範囲より大きいか否かを判定する(S120)。
この判定は、最適動作を行った結果、信号レベルが所定の最適範囲に収まらず、その最適範囲よりも大きいレベルしか得られないかどうかを判定するものである。波形レベルが所定の最適範囲よりも大きい場合(S120でYES)、センサバー1間の距離が近いものと判定して、センサバー1間を離して再配置することを報知(センサバー離間再配置指示)する。その後、再配置の完了を指示する(S116)。一方、波形レベルが所定の最適範囲よりも大きくない場合(S120でNO)、つまり、最適範囲よりも小さい波形レベルしか検出できない場合には、センサバー間の距離が遠いものと判定して、センサバー1間を近接して再配置することを報知(センサバー近接再配置指示)する(S121)。その後、再配置の完了を指示する(S116)。
尚、S103で設定した状態は、光量が最大に得られる状態での、例えば、赤外LED31の電流値の許容最大値である。それに対し、S107での設定は、例えば、赤外LED31の電流値の最大値は、許容最大値に比べて十分小さい電流値の範囲で行われる。理由を述べると、今、設定されている動作モード(第2の検出モード)は、対向する辺に設けられたセンサユニットからの直接光を検出するモードである。
それに対し、S109以降で行う動作モードは、センサユニット自らが投光した光が対向する辺に設けられた再帰反射部4で再帰反射された光を検出する第1の検出モードである。従って、前者の直接光を検出するモード(第2の検出モード)と、後者の再帰反射光を検出するモード(第1の検出モード)では、後者は前者の略2倍の光路長を経て検出される光であって、後者ではより大きな電流を流さないと検出することができない。更には、再帰反射部4での再帰反射特性による光損失等を考慮すると、後者は前者の数十倍から数百倍の電流を流さなければならなくなる。従って、赤外LED31の許容最大電力を流した時に再帰反射光を検出できるように、S107では十分小さな電流値の範囲でスイープさせて、適正レベルの光量が得られるかを判定することになる。
更には、S120において、光が弱すぎる状態とは、センサユニット2の受光部40の視野範囲に、対向する位置にあるセンサユニットが位置しているが、センサバー1間の距離が離れていると言うことになる。つまり、ユーザによるセンサバー1の配置/設置が離れた不適切な状態、例えば、図12(A)のように光学遮光方式の座標入力装置を横長寸法のホワイトボードの両端に装着した状態にある。つまり、図12(B)に示すように、受光部40が受光する投光部30の直接光の受光強度が下限値(センサバー1の最大設定距離の場合の受光強度)より低い場合である。この状態の場合、S115でその旨を報知して、センサバー1の距離を近づける旨の再設置を促す。この場合、図12(C)は、その時の再帰反射光の受光強度の状態を示している。直接光の受光強度が下限値より低い状態の場合は、その直接光を再帰反射する再帰反射光の受光強度は、更に低くなる。
このような状態に対し、図13(A)は、センサバー1の距離を近づける旨の再設置を促されて(S115)、図12(A)の状態から、右側のセンサバー1Rを左側のセンサバー1Lに近付くように移動させた様子を示している。ここでは、図13(B)に示すように、受光部40が受光する投光部30の直接光の受光強度が下限値に成る程度に、センサバー1を近づけた場合を示している。この場合、図13(C)は、その時の再帰反射光の受光強度の状態を示している。直接光の受光強度が下限値の場合は、その直接光を再帰反射する再帰反射光の受光強度は、その下限値に近付くことになる。
以上の処理を経て、検出信号の波形レベルが正常(適正)である場合(S107でYES)、例えば、検出信号波形の少なくとも一部が所定の閾値以下である場合、S108に進む。この動作を、各センサユニット(実施形態1の場合、4つ)で実行し、すべての信号が最適化されると、センサユニット2の相対的な位置関係を算出する(S108)。
S108における、各センサユニットの位置算出方法の一例を以下に説明する。まず、前述したように、各センサユニットで得られた検出信号の波形に基づいて、図10(A)に示すθ1からθ7を算出する。尚、実施形態1における処理においては、θ8は使用しないので、θ8の算出は行わない。
次に、図10(B)に示すように、センサユニット2−L1を原点として、原点からセンサユニット2−R1を結ぶ方向をX軸、X軸の垂直方向をY軸とする。そして、センサユニット2−R1の座標(X,Y)を、(1,0)という値に設定することで、相対的な座標系を定める。
次に、θ1からθ6の値から、図10(B)に示す、θ10からθ12を算出する。
θ10=θ2−θ1 (10)
θ11=θ3+θ4 (11)
θ12=θ6−θ5 (12)
ここで、実施形態1における処理においては、θ13は使用しないので算出しない。またここで、それぞれの角度を算出するための他の方法の例を説明する。
図10(B)より、次の式が成立する。
θ10+θ12=θ11+θ13 (13)
式(13)より、θ10からθ13の内、いずれか3個が分かれば、残る1個の角度を算出することができる。従って、θ10からθ13のうち任意の3個を算出して、式(13)によって残り1個の角度を算出するようにしても良い。例えば、θ10、θ12、θ13を算出し、式(13)によりθ11を算出するという方法がある。
次に、図10(A)において説明したように、センサユニット2−L1の光軸と、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分のなす角度はπ/2[rad]となるように設計されている。
しかし、実際には、センサユニット2−L1を筐体に取り付けるときの精度により、π/2[rad]から多少のずれ角度θeを発生する。回転方向のずれは、指示座標の算出精度を低下させる影響が大きい。そのため、例えば、工場において装置を組み立てる時、センサユニット2−L1を筐体に取り付けた状態で、回転方向のずれ角度θeを測定する。その方法としては、例えば、筐体に取り付けられたセンサユニット2−L1に対して、筐体の正面方向にLEDを設置したような治具を用いる。LEDを発光させて、センサユニット2−L1で受光することで、センサユニット2−L1の正面方向に対応する画素番号を検出する。そして、画素番号から角度に変換した値θeを、センサユニット2−L1から見た正面方向を示す基準角度情報としてプログラム(メモリ64(基準角度情報記憶部))上に記憶する。あるいは、画素番号の値のまま基準角度情報として記憶するようにしてもよい。
ずれ角度θeを考慮すると、センサユニット2−L1の光軸と、センサユニット2−L1の光軸中心とセンサユニット2−L2の光軸中心を結ぶ線分のなす角度は、π/2+θe[rad]となる。従って、図10(A)及び図10(B)から、θ14は次のように計算される。
θ14=π/2+θe−θ2 (14)
尚、実施形態1では、θeの値を基準角度情報としているが、実際に計算で使用されるπ/2+θeを予め計算して、この値を基準角度情報として記憶しておくようにしてもよい。
θ10からθ14を用いて、センサユニット2−L2及びセンサユニット2−R2の座標を算出する。ここで、センサユニット2−L2の座標を(XL2,YL2)、また、センサユニット2−R2の座標を(XR2,YR2)とすると、図10(B)より以下の式が成立する。
YL2=XL2×tan(θ10+θ14) (15)
YL2=(1−XL2)×tanθ12 (16)
YR2=XR2×tanθ10 (17)
YR2−YL2=(XR2−XL2)×tan(θ11−θ12) (18)
式(15)及び式(16)より、
XL2=tanθ12/(tan(θ10+θ14)+tanθ12) (19)
また、式(17)及び式(18)より、
XR2=(YL2−XL2×tan(θ11−θ12))/(tanθ10−tan(θ11−θ12)) (20)
まず、式(19)により、XL2を算出する。そして、算出されたXL2と式(15)により、YL2を算出する。
次に、算出されたXL2、YL2、及び式(20)により、XR2を算出する。そして、算出されたXR2と式(17)により、YR2を算出する。
以上の手順によって、センサユニット2−L2の座標(XL2,YL2)及びセンサユニット2−R2の座標(XR2,YR2)が算出される。尚、ここで説明した各センサユニットの座標値処理方法は一つの例であって、もちろん他の式や手順による算出を行っても良い。
S109以降では、センサユニット2が投光した赤外光が、対向するセンサバー1に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、その光を自身の受光部40で検出した時の信号レベルを最適化する。上述したとおり、センサバー1の配置は一意では無く、その配置に応じた検出レベルを最適化することで、安定した信号を得ることを目的とする。設定する項目は、ラインCCD41のシャッター開放時間や赤外LED31の点灯時間、もしくは赤外LED31の駆動電流の設定を含む第1の検出モードで動作設定を行う(S109)。S109で、仮に最初の動作設定を光量が最大に得られるように設定すると、その時のラインCCD41の出力信号を取り込む(S110)。
取り込まれた出力信号は、照明時のデータであり、図6(B)の様な波形となる。光が強すぎると、ラインCCD41のダイナミックレンジの範囲を超え、出力が飽和することになるので、正確な角度を算出することが困難となる。その場合は、S111で、検出信号の波形が不適と判定され(S111でNO)、S109に戻り、検出信号の波形(波形レベル)がより小さくなるように、再設定が行われる。再帰反射光を検出するので、S103〜S108での処理(つまり、第2の検出モード)でセンサユニット2の投光を直接受光部40で検出する場合と比べて、格段に投光する光量が大きくなるように設定することになる。
そして、波形レベルが最適と判定される場合(S111でYES)、照明無しの状態の信号Base_Data[N](図6(A)参照)を取得してメモリ64に記憶する(S112)。次に、照明有りの状態の信号Ref_Data[N](図6(B)参照)を取得してメモリ64に記憶する(S113)。
このようにして、全てのセンサユニットでのデータが取得されると、一連の初期設定処理が完了する。
図14(A)は初期設定処理後の通常のサンプリング動作を示すフローチャートである。
図11の初期設定処理を実行する(S101)。その後、通常の取込動作(第1の検出モード)として、センサユニット2が投光した赤外光が、対向するセンサバー1に設けられた再帰反射部4で再帰反射され、その光を自身の受光部40で検出した時の信号を検出する(S201)。その時のデータは、Norm_data[N]であり、仮にタッチ操作があって光路を遮ると、図6(C)のように、画素番号Ncの辺りで光信号が検出できなくなる。
いずれかのセンサユニット2で、このような光の遮光部分が生成されたか否か、つまり、入力の有無を判定する(S202)。入力が無いと判定される場合(S202でNO)、再度、S201に戻り、サンプリングを繰り返すことになる。一方、入力が有ると判定される場合(S202でYES)、出力信号に遮光部分が生成されているセンサユニットを選択する(S203)。その選択したセンサユニットを用いて、遮光部分が生成されている方向(角度)を各々算出する(S204)。
ここで、タッチによる遮光部分(影)が発生したときの例を図15に示す。
図15(A)は、図7(C)の領域に遮光部分が発生した場合である。センサユニット2−L1が検出した遮光部分の角度をθ15、センサユニット2−R1が検出した遮光部分の角度をθ16とする。同様に、図15(B)は、図7(E)の領域に遮光部分が発生した場合である。センサユニット2−L2が検出した遮光部分の角度をθ17、センサユニット2−R2が検出した遮光部分の角度をθ18とする。ここで、θ17及びθ18は、各センサユニットとX軸に平行な方向(点線で示した方向)を基準としたときの角度となっている。
センサユニット2−L2とX軸に平行な方向は、各センサユニットの相対座標を算出するとき、センサユニット2−L2からセンサユニット2−R1を検出した方向からθ12回転した方向(角度)として算出される。センサユニット2−R2においても同様で、X軸に平行な方向は、センサユニット2−R2からセンサユニット2−L1を検出した方向からθ10回転した方向(角度)として算出される。
算出した角度に基づいて、相対座標系でのタッチ位置の座標を算出する(S205)。具体的には、以下のようになる。
図15(A)より、センサユニット2−L1で検出した角度と遮光部分の座標(x,y)について次の関係式が成立する。
y=x×tanθ15 (21)
同様に、センサユニット2−R1で検出した角度と遮光部分の座標については次の式が成立する。
y=(1−x)×tanθ16 (22)
同様に、図15(B)より、センサユニット2−L2で検出した角度と遮光部分の座標については次の式が成立する。
YL2−y=(x−XL2)×tanθ17 (23)
同様に、センサユニット2−R2で検出した角度と遮光部分の座標について次の式が成立する。
YR2−y=(XR2−x)×tanθ18 (24)
ここで、図7で説明したように、4つの領域でそれぞれ遮光部分が検出されるセンサユニットの組み合わせが異なる。
まず、図7(B)の領域においては、センサユニット2−L1及びセンサユニット2−L2で遮光部分が検出される。センサユニット2−L1で成立する式(21)及びセンサユニット2−L2で成立する式(23)より、
x=(YL2+XL2×tanθ17)/(tanθ15+tanθ17) (25)
式(25)によりxを算出する。そして、算出されたxと式(21)によりyを算出する。
次に、図7(C)の領域では、センサユニット2−L1及びセンサユニット2−R1で遮光部分が検出される。センサユニット2−L1で成立する式(21)及びセンサユニット2−R1で成立する式(22)より、
x=tanθ16/(tanθ15+tanθ16) (26)
式(26)によりxを算出し、算出されたxと式(21)によりyを算出する。
図7(D)の領域においても、同様に、センサユニット2−R1で成立する式(22)及びセンサユニット2−R2で成立する式(24)より、
x=(tanθ16+XR2×tanθ18―YR2)/(tanθ16+tanθ18) (27)
式(27)によりxを算出し、算出されたxと式(22)によりyを算出する。
図7(E)の領域においても、同様に、センサユニット2−L2で成立する式(23)及びセンサユニット2−R2で成立する式(24)より、
x=(XL2×tanθ17+XR2×tanθ18+YL2−YR2)/(tanθ17+tanθ18) (28)
式(28)によりxを算出し、算出されたxと式(23)によりyを算出する。
以上により、タッチ位置の座標(x,y)が算出される。
そして、算出したタッチ位置の座標を表示座標系に変換して、パーソナルコンピュータの外部機器に、その座標値を出力(送信)する(S206)。
尚、この際に、入力面をタッチしている状態であるか否かを示すタッチダウン信号/タッチアップ信号をあわせて出力しても良い。この種の座標入力装置にあっては、タッチ面をタッチすることで、光路は100%遮断されることになるが、タッチ状態から少しずつ浮かせることによって、少しずつ光が透過するようになる。従って、光がどの程度遮られたかを演算することで、タッチ状態にあるのか、タッチはしてないが、光路を遮っている(角度演算は可能であり、その場合でもその位置を演算可能)状態であるのかを、閾値を設定することで判定できる。
スイッチ等の切替部の操作により、相対座標系と表示座標系を一致させるためのキャリブレーションモード(第2の検出モード)に遷移することになるが、図14(B)を用いて、そのキャリブレーションモードのフローチャートを説明する。
キャリブレーションモードは、センサバー1を装着した直後、あるいは設置完了後であっても、何らかの拍子でディスプレイの表示位置がずれてしまった場合に行われる。キャリブレーションモードに遷移すると、先ずは、初期設定処理を行う(S101)。これは、センサバーが使用中に設置状態がずれた場合を想定して、光出力の最適化、センサの位置ずれを補正することになる。
そして、ユーザによる表示領域8の4隅のタッチ操作を行わせるために、S201及びS202を経て、そのひとつの位置のタッチが行われたかを判定する。S203及びS204で、必要な角度情報を算出する。その後、データの取得が完了したことを報知する(S301)。この報知は、例えば、完了を示すビープ音を出力する。
次に、表示領域8の4隅の全ての情報の取得が完了したか否かを判定する(S302)。取得が完了していない場合(S302でNO)、S201に戻る。一方、取得が完了している場合(S302でYES)、相対座標系から表示座標系へと変換するためのパラメータを算出する(S303)。その後、通常動作に戻る。そして、ここで算出されたパラメータは、S206における座標変換で使用される。
ここで、図3(A)に示したように、タッチを有効とする座標入力有効領域5は予め定められている。これは、座標入力有効領域5から上に外れた部分や下に外れた部分では、図15におけるθ15からθ18の値が0に近くなるために、算出される座標の誤差が大きくなるためである。誤差の程度は、主に、センサの角度分解能やノイズ等の要因により決まってくるが、座標入力有効領域5の範囲は、どの程度の誤差まで許容するかを考慮した上で決められる。
上述のキャリブレーション処理によって、装置の設置位置に対する表示画面の位置が対応付けることができるので、このとき、表示画面が装置の有効範囲の中にあるかどうかを検査することができる。例えば、有効範囲の検査を行った結果、表示画面が有効範囲から外れていると判定した場合に、ユーザに対して、例えば、ビープ音や音声等によって表示画面の再調整を促す通知をする処理を行ってもよい。
あるいは、接続されたPCに画面調整を行うためのドライバソフトウェアを予め動作させておく方法もある。この方法では、キャリブレーション処理によって表示画面が有効範囲から外れていると判定したとき、ドライバソフトウェアに対して、有効範囲に対する表示画面のずれ量を示す情報を送信する。ドライバソフトウェアはその情報を受信し、表示画面の調整を自動的に行うことができる。
以上説明したように、実施形態1によれば、ユーザによるセンサバー設置の不具合を装置自身が判定し、その設置状況の改善を促すことができる。その結果、既存のホワイトボードや会議室等の壁面を投影面とし、その投影面をタッチすることで、表示画面を制御することができる。
<実施形態2>
実施形態2では、演算制御回路3において、受光判定部として、検出信号波形のレベルを判定し、投光形態制御部として、投光部を下側投光から上側投光へ切り換える構成を備える。この構成により、センサバー1をホワイトボードや壁の入力面に設置した場合、入力面の凹凸状態(湾曲状態)を判定し、その判定結果に基づいて、入力面の凹凸を回避する案内を行い、適切な設置位置にセンサバー1を設置することを促すことができる。
この実施形態2を説明するために、実施形態2におけるセンサユニットの詳細構成を図16を用いて説明する。
図16はセンサユニット2の詳細構成を示す図である。図16(A)は図1における断面A−Aであり、図16(B)及び(C)は図中の矢印方向から見た正面図である。実施形態2では、実施形態1の図2(A)のセンサユニット2における投光部30に対応する投光部301に加えて、もう1つ投光部302を追加している。図16(A)に示すように、実施形態2では、センサユニット2の受光部40を挟むようにして、下側に投光部301、上側に投光部302を備えている。
尚、図16において、図2と同一の構成要素については、同一の参照番号を付加して、その詳細については省略する。
図16(A)において、センサユニット2は、センサバー1に収納されており、2つの投光部301及び302、及び受光部40で構成される。投光部301及び302と受光部40の距離はそれぞれL_pdであり、その間、及び、近傍の複数個所に再帰反射部4が図示のように設けられている。投光部301はホワイトボード6に近い側に配置され、投光部302はホワイトボード6に遠い側に配置される。投光部302は、投光部301と比べて、所定距離(距離L_pd×2)だけ、ホワイトボード6から離れて配置されることになる。
入力面であるホワイトボード6を基準とすると、投光部301を下段投光部、投光部302は、上段投光部ということになる。投光部301と投光部302の投光形態は、投光形態制御部として機能する演算制御回路3により変更される。この投光形態制御に関しては後述する。尚、図1及び図16の再帰反射部4の複数分割された装着位置は、少なくとも、センサユニット2の投受光窓近傍のみの装着形態である。従って、センサユニット2以外の装着位置に関しては、ホワイトボード6から所定距離の範囲内に連続的に装着しても良い。
図16(B)において、投光部301は、発光部である赤外LED311、投光レンズ321、両者を固定するための接着層331で構成される。投光部302の赤外LED312及び投光レンズ322も同様の構成を備える。
実施形態2では、例えば、図6(D)の受光部40での受光強度に対して破線で示すような閾値Vthrを設ける。もし、初期設定時において、受光部40の受光強度がこの閾値未満であると判定された場合には、投光形態を変更する。詳細は後述する。
また、演算制御回路3は、受光部の受光状態を判定する受光判別部、及び、その判定結果に応じてセンサユニット2中の2つの投光部301及び302の投光形態を制御する投光形態制御部を実現する。
尚、以下の駆動タイミングに関しては、赤外LED311と赤外LED312は点灯タイミングが異なる場合があるが、受光部40のラインCCD41関連の動作タイミングとの関係は共通であるので、ここでは併せて赤外LED31で代表して示す。
図17は電源投入時からの初期設定処理を示すフローチャートである。
尚、図17は、実施形態1の図11のフローチャートで示す処理の応用例であり、図11と同一のステップについては、同一のステップ番号を付加し、その詳細説明は省略する。図17では、図11のフローチャートに対して、センサバー1をホワイトボードや壁の入力面に設置した場合、その入力面の凹凸を反転する構成を追加している。また、初期状態では、各センサユニット2では、下段の投光部301で投光を行っている。
S101、S102の処理を経て、第2の検出モードでの動作設定を行う(S103)。ここでの動作設定とは、対向するセンサユニット2から直接光を受ける動作の状態(図9参照)であって、4つのセンサユニット2の相対的な位置関係を導出することを目的とすることは実施形態1と同一である。S103で、仮に最初の動作設定を光量が最大に得られるように設定すると、S105において、光が検出できない状態とは、センサユニット2の受光部40の視野範囲に、対向する位置にあるセンサユニット2が位置していないということになる。つまり、ユーザによるセンサバーの配置/設置が傾いた状態やホワイトボードや壁等の入力面が凹凸である状態という不適切な状態にある。
この状態の場合、S117で、投光部の投光形態を、下段の投光部301から上段の投光部302による投光に切り換える。図18(A)及び(B)はそれぞれ、ホワイトボードや壁が、平面であるホワイトボード6及び凸であるホワイトボード6に取り付けた状態を示す図である。図18(B)において、凸であるホワイトボード6に取り付けた場合で、センサバー1のセンサユニット2Lの投光部301から発せられた矢印で示す光は、ホワイトボード6の凸部114によって遮られる。そのため、ホワイトボード6に凸部114がある場合には、対向するセンサユニット2Rの受光部40で光を検出できない。その状態の場合、下段の投光部301から上段の投光部302に投光を切り換える(S117)。
上段の投光部302において、再度、センサユニットの受光部40での検出状態に基づいて、入力面であるホワイトボード6の状態を判定する(S118)。視野範囲内に2つの光を検出した場合、ホワイトボード6が凸であると判定し、その旨を報知(センサバー凹凸再配置指示)して、ホワイトボード6の平面部分にセンサバー1を再設置することを案内する(S119)。尚、センサバー凹凸再配置指示によって、センサバー1の再設置が完了した後(センサバー再設置スイッチが押下された後)は、演算制御回路3は、投光部の投光形態を、上段の投光部302から下段の投光部301に投光に切り換えた上で、S101に戻り、以降の処理を実行する。但し、ホワイトボード6が凸である状態でも、上段の投光部302による座標検出は可能であるため、センサバー1の再設置を行うことなくセンサバー再設置スイッチを押下した場合には、投光部301への切換を行うことなく、投光部302による座標検出を行う構成としても良い。
一方、視野範囲に1つの光のみ検出した場合、センサバー1が傾いていることを報知(センサバー傾き再配置指示)して、センサバー1の傾きを直すための再設置を行うことを案内する(S106)。加えて、視野範囲に光を検出できない場合、センサバー1のセンサユニット2が投影面側に向いていない可能性があるので、その旨を報知(センサバー傾き再配置指示)して、センサバー1のセンサユニットが投影面側になるように再設置することを案内する(S116)。
尚、再設置の完了を判定するためのセンサバー再設置スイッチの動作については、実施形態1と同様とするが、その報知方法としては、実施形態1に説明される内容に限定されない。例えば、センサバー1を再設置する原因の種類、センサバーの傾き、センサバー刊の距離、及び凸部を有する入力面に対する設置を表示するそれぞれの表示部を個別に有していても良い。例えば、複数の表示部の1つをエラー時に赤ランプで点灯し、センサバーの設置状態が正常である場合には緑ランプを点灯する。ここでは、設置エラー表示部として、ランプの色の変更を行ない、エラーの有無を判断させているが、ランプの点灯・非点灯で行なってもよい。
または、設置エラー表示部として機能する赤ランプと緑ランプの内、エラー時は赤ランプを点灯させ、設置の直す方向があっている場合にはランプを点滅させる。そして、センサバー1の設置が正常となる状態に近づくと、赤ランプと緑ランプを交互に点灯させ、設置が正常となった場合には、緑ランプを点灯するようにしても良い。
または、センサバー1の設置エラー表示部として、エラー時はランプを赤色に点灯し、エラー内容に応じてランプの点灯間隔を変更して、センサバーの設置が正常となった場合には、ランプを緑色に点灯するようにしても良い。
以上は、設置状態の報知を、設置エラー表示部としてのランプで実現する構成としているが、音声出力部による音声出力形態(音源の音の高低や間隔)を変更したり、ランプと音源とを組み合わせてもよい。
または、センサバー1に液晶等の設置エラー表示部を搭載して、エラー時はその設置エラー表示部にエラー内容を表示し、センサバー1の設置状態が正常である場合には、設置エラー表示部にその旨を表示するようにしても良い。
または、センサバー1に音源等の設置エラー報知部を搭載して、エラー時は音声でそのエラー内容を音声出力し、センサバーの再設置方法を案内し、その案内によって、センサバー1の設置状態が正常となった場合に、その旨を音声出力するようにしても良い。
尚、図16では、受光部40を挟んで、2つの投光部を搭載する構成としているが、これに限定されない。ホワイトボード6に対して鉛直方向(垂直方向)に3個以上の投光部を搭載して、入力面の凹凸状態に応じて、使用する投光部を選択するようにしても良い。
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、センサバー1を設定するホワイトボード6の凹凸の状態を検知して、その検知結果に基づいて、センサバー1における投光部の投光形態を切り換え、更に、センサバー1の再設置を促す。これにより、ホワイトボード6の凹凸の影響を受けることなく、座標入力を行うことができる。
<実施形態3>
センサバー1はユーザによって任意の位置に設置されるため、そのセンサバー1に収納するセンサユニット2の相対位置関係は一意には決まらない。従って、センサユニット2間の距離は任意であって、対向する辺に設けられたセンサユニット2からの光を直接受光できても、その光量はセンサユニット2間の距離に応じて変化する。更には、自らが対向する辺に設けられた再帰反射部4に向けて投光し、その再帰反射光を受光する場合であっても、同様に、再帰反射部4までの距離に応じてその受光量は変化する。
さて、センサユニット2に設けられた投光部30としての赤外LED31は、流す電流に応じて、発光強度が変化する。但し、流すことが可能な電流量は赤外LED31の破壊防止の観点で制限が有り(例えば、その値を最大限界電流=200mAとする)、より低レベルで動作させることで、赤外LED31の寿命を長くすることが可能となる。
センサユニット2は、対向する辺に設けられたセンサユニット2からの投光を直接検知するモード(第2の検出モード)と、センサユニット2からの発光を再帰反射光として受光する2つのモード(第1の検出モード)を有する。直接光を検知する場合には、再帰反射光を受光する場合に比べて、赤外LED31に流す電流は十分小さな値ですむ。その理由は、直接光を検出する場合の光路の長さ(片道分)が、再帰反射光を検出する場合の光路の長さ(往復分)に比べて半分であること、再帰反射部4によって再帰反射することによる光の損失が有ること、等が挙げられる。
座標入力装置が位置検出可能な範囲程度に、センサユニットがユーザによって設置された場合、直接光を検知できる適正な最大電流値(例えば、10mA)を第1の電流値として定義する。この電流値で、お互いに対向するセンサユニットの直接光を検出できれば、自らの光を再帰反射光として検出できる電流値(例えば、赤外LED31の最大限界電流=200mAより低い、例えば、180mA)の設定が可能となる。言い換えると、直接光を検知可能な赤外LED31の電流から、再帰反射光を検出する時の赤外LED31の電流レベルを設定することが可能と言える。
それに対して、適正な第1の電流値より高いレベルの電流値(例えば、20mA)で、対向する辺に設けられたセンサユニットからの直接光を検出できたものとする。その場合、センサユニット自らが発光して得られる再帰反射光を得るためには、正比例するものとして、360mAの電流設定が必要となる。この値は、赤外LED31の最大限界電流=200mAを超えるものであって、赤外LED31の破壊をもたらすので、実動作させることは避けなければならない。
実施形態3では、この赤外LED31に対する電流設定を含む初期設定処理を実行する。
図19は電源投入時からの初期設定処理を示すフローチャートである。
尚、図18は、実施形態1の図11のフローチャートで示す処理の応用例であり、図11と同一のステップについては、同一のステップ番号を付加し、その詳細説明は省略する。
S101、S102の処理を経て、適正な範囲にセンサバー1が装着された場合に、対向するセンサユニット2から直接光を検出できる適正な第1の電流値(例えば、10mA)に設定して、赤外LED31を投光する(S503)。その状態で、センサバー1のセンサユニット2それぞれにおいて、対応する位置に設けられたセンサユニット2から投光される直接光を受光することで、各センサユニット2の出力信号を取り込む(S504)。
センサユニット2での光の検出状態に基づいて、視野範囲が正常であるか否かを判定する(S505)。直接光を正常に受光できた場合、つまり、視野範囲が正常である場合(S505でYES)、センサユニットが適正な位置に装着されたものとして判定(正常判定)する(S506)。
一方、直接光を正常に受光できない場合、つまり、視野範囲が正常でない場合(S506でNO)、赤外LED31の電流を、第2の電流値(最大限界電流=200mA)に設定して、赤外LED31を投光する(S507)。その状態で、センサバー1のセンサユニット2それぞれにおいて、対応する位置に設けられたセンサユニット2から投光される直接光を受光することで、各センサユニット2の出力信号を取り込む(S508)。
センサユニット2での光の検出状態に基づいて、視野範囲が正常であるか否かを判定する(S509)。直接光を正常に受光できた場合、つまり、視野範囲が正常である場合(S509でYES)、センサユニットの視野範囲内に対向するセンサユニットが位置しているものの、センサユニット間の距離が遠いと判定(センサバー間距離範囲外判定)する(S510)。つまり、この場合は、最大限界電流で赤外LED31を投光した上で初めて直接光を受光することができている状態であることを意味するため、第1の電流値での投光では直接光を検出できない程度に、センサユニット間の距離が離間していることがわかる。
一方、直接光を正常に受光できない場合、つまり、視野範囲が正常でない場合(S508でNO)、センサユニットの視野範囲内に対向するセンサユニットが位置してないものとして判定(センサバー傾き範囲外判定)する。
尚、S506の処理後は、実施形態1の図11の処理を実行することになる。また、S510の処理後は、例えば、実施形態1の図11のS115の処理を実行することで、センサバー間の距離を近付けるための再設置を促すことができる。更に、S511の処理後は、S106の処理を実行することで、センサバーの傾きを直すための再設置を促すことができる。
以上説明したように、実施形態3によれば、実施形態1及び2の効果に加えて、センサユニットがどのような状態で設置されているかを検出できるので、その判定結果を報知することで、ユーザに設置状況の改善を促すことが可能となる。また、そのような設置状態の改善を促すことで、赤外LEDの破壊を防止することも可能となる。
<実施形態4>
実施形態1乃至3においては、2個のセンサユニット2を内蔵するセンサバー1が2本で構成される座標入力装置としているが、これに限定されるものではない。例えば、各センサユニット2と再帰反射部4を別々とする構成であっても良い。
図10(C)に示すように、4個のセンサユニット2−L1、2−L2、2−R1及び2−R2を座標入力有効領域5の周囲に設置し、さらに再帰反射部4L及び4Rを各センサユニットの間に位置するように設置する。このような装置構成でも、実施形態1で説明する原理を適用することができる。
また、実施形態1乃至3の構成を、用途や目的に応じて、任意に組み合わせて座標入力装置の設置状態を判定するようにしても良い。例えば、
<<本願発明の特徴的な構成及び効果>>
上述のように、本願発明は、略矩形状の座標入力有効領域に対する指示位置の座標を算出する座標入力装置であって、投光部と受光部を有するセンサユニットを少なくとも2つ内蔵する第1の筺体及び第2の筺体(センサバー)を有する。各々の筺体には入射した光を元の方向に戻すための再帰反射部が設けられ、略矩形状の座標入力有効領域の対向する2辺に、第1の筺体及び第2の筺体が各々設けられる。
各々の筺体に設けられたセンサユニットは、対向する辺に設けられた筺体の再帰反射部に向かって赤外線を投光する投光部と、該再帰反射部で再帰反射された光を受光する受光部よりなる。座標入力有効領域をタッチすることによって、各々のセンサユニットで発光された光のいずれかの光路が遮られると、それらのセンサユニットは、タッチ位置に応じた光が遮られた方向を検知することができる。このように、少なくとも2つのセンサユニットが検出した方向に対応する角度情報と、当該2つのセンサユニット間の距離情報に基づき、幾何学的な演算によりタッチ位置を算出できる。
第1の筺体及び第2の筺体は座標入力面であるところのスクリーン面に装着、取り外し可能にするための着脱部が設けられ、第1の筺体及び第2の筺体を持ち運ぶことができるように構成される。
持ち運ぶことを考慮すると、第1の筺体及び第2の筺体はより小さく小型に、より軽量に構成されることが望ましい。本願発明のセンサユニットの受光光学系は予め指定された範囲(約50°程度)の視野範囲を有し、受光光学系の光軸は光電変換素子の画素の法線方向に設定されるものの、視野範囲は光軸対称には設定されておらず、光軸非対称な光学系を有する。そして、その光軸(もしくは光電変換素子の画素の法線方向)は、筺体に収納されている少なくとも2つのセンサユニット(受光光学系の光軸中心)を結ぶ直線と垂直になるように設定されている。このように構成することで、センサユニットを格納する筺体を、より小型に構成できる。
スクリーン面の大きさは種々のサイズ、あるいはアスペクト比が想定され、スクリーン面の大きさ、形状に合わせて、座標入力有効領域が設定されるのが好ましい。従って、第1の筺体及び第2の筺体には伸縮部(伸縮機構)が設けられ、伸縮量を調整することによって筺体内に設けられるセンサユニットの距離が可変し、スクリーン面の大きさに応じてセンサユニットを適宜配置できるように構成される。
さらには、センサユニットを具備する第1の筺体及び第2の筺体を装着する際、両者の相対的な位置関係が精密に位置決めされなくても、高精度にタッチ位置の検出が行えることが好ましい。従って、筺体を装着した際に、各々の筺体に格納されているセンサユニット間の相対的な位置情報を検出する検出部を設け、ユーザが意識することなく簡単に筺体を装着できる。
さらには、座標入力装置が出力した情報を受信する、例えば、パーソナルコンピュータ等に、専用のドライバソフトをインストールする必要が無ければ、どのパーソナルコンピュータ等に接続しても直ぐに使えることになる。従って、座標入力装置の座標系(相対座標系)と表示装置の座標系(表示座標系)の一致(キャリブレーション)作業を、パーソナルコンピュータを介在させること無く行えるように構成している。
以上の座標入力装置における本願発明の主要部分は以下のようになる。
座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置であって、
光を再帰的に反射する再帰反射手段と、
前記座標入力有効領域に向けて投光する投光部と到来光を受光する受光部とを備える、少なくとも2つのセンサユニットと、
前記少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、前記再帰反射手段を介して再帰反射光を受光する第1の検出モードと、前記1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する第2の検出モードの内、前記第2の検出モードによる検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする座標入力装置。
以上説明したよう、本願発明によれば、次のような効果を得ることができる。
タッチ位置の検出に必要な構成要素は、2つの筺体内に全て収納され、当該筺体を、例えば、平面状のホワイトボード、壁面等に装着することで、タッチ位置の検出が可能となる。つまり、本願発明の座標入力装置は、座標入力有効領域であるタッチ入力面を必須の構成要素として持っていない。従って、たとえ座標入力有効領域が大型(例えば、90インチクラス)になるとしも、当該2つの筺体のみを持ち運ぶことで、何処でもその操作環境を実現することができる。更には、タッチ入力面を構成要素として具備していないので、製品コストは当然のことながら大幅に低下させることができる。言い換えれば、ユーザが所有している既存のホワイトボード等を活用することで、導入コストを低下させることができる大きな効果が得られる。
更には、構成要素が2つの筺体に全て具備されているので、ユーザによるホワイトボードへの装着、配線等も容易にできる効果が得られる。無論、持ち運ぶことを想定すれば、より軽量/小型の筺体で有ることが好ましく、センサユニットの受光光学系を光軸非対称とすることで、筺体の軽量化/小型化を実現し、可搬性を向上させることができる。
更には、例えば、既存のホワイトボードに装着することを考慮すると、製造メーカ、製品の型番等により、そのサイズは種々存在する。従って、ユーザが既に購入して使用しているホワイトボードを活用して使用できると言うことは、導入コストの削減、あるいは資源の有効利用と言う点で優れた効果が得られる。
更には、高精度な位置検出を可能とする座標入力装置にあって、装着する筺体をそこそこの精度で装着可能とすることで、設置の煩わしさ、設置時間を大幅に削減する効果も得られる。
例えば、ホワイトボード、パーソナルコンピュータ、フロントプロジェクターが既に導入されている会議室に、2つの筺体からなる当該座標入力装置を運び入れて、画面を直接タッチして操作する環境を構築することを想定する。
この時、会議室に既に導入されているパーソナルコンピュータを直ぐに使えることが好ましく、座標入力装置を動作させるためにドライバー等のインストールを不要にすることで、設置容易性、可搬性が向上する。つまり、当該座標入力装置と共に、ドライバー等が既にインストールされている専用のパーソナルコンピュータを持ち運ぶ必要が無くなる。もしくは、会議室のパーソナルコンピュータへのインストール作業が不要であることから、余分なセットアップ時間がかからず、直ぐに会議を始めることができる優れた利点が得られるようになる。
また、座標入力装置を、教室の横長黒板の両端に装着された場合や入力側が凸状の湾曲しているホワイトボード及び壁に装着した場合にも、センサバーの設置位置の判断を装置自身で判定することができる。センサバーが傾いて使えないのか、センサバーが離れすぎていて使えないのか、あるいは、入力面が凸となっていて使えないのか、装置自身で判定することができる。さらに、ユーザによる装着の問題を装置自身が報知することで、どのようにセンサバーの設置を修正すれば良いかのガイダンスをすることができる。
尚、本発明の座標入力装置における処理(フローチャート)は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1 センサバー
2L、2R センサユニット
3 演算制御回路
4 再帰反射部
5 座標入力有効領域

Claims (15)

  1. 座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置であって、
    光を再帰的に反射する再帰反射手段と、
    前記座標入力有効領域に向けて投光する投光部と到来光を受光する受光部とを備える、少なくとも2つのセンサユニットと、
    前記少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、前記再帰反射手段を介して再帰反射光を受光する第1の検出モードと、前記1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する第2の検出モードの内、前記第2の検出モードによる検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記判定手段の判定の結果、前記設置状態が正常である場合、前記第1の検出モードの検出結果に基づいて、前記指示位置を算出する算出手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記判定手段は、前記第2の検出モードによる検出結果として得られる受光信号の受光レベルあるいは信号波形に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の座標入力装置。
  4. 前記センサユニットは、前記座標入力有効領域に対して鉛直方向に配置される第1の投光部と、前記第1の投光部よりも前記座標入力有効領域から所定距離、離されて配置される第2の投光部を備え、
    前記判定手段は、前記第1の投光部を投光している状態での前記第2の検出モードの検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定した結果、その設置状態が正常でない場合は、前記第1の投光部から前記第2の投光部へ投光を切り換えた上での前記第2の検出モードの検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の座標入力装置。
  5. 前記判定手段は、第1の電流値で前記投光部を投光している状態での前記第2の検出モードの検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定した結果、その設置状態が正常でない場合は、前記第1の電流値よりも大きい第2の電流値で前記投光部を投光している状態での前記第2の検出モードの検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の座標入力装置。
  6. 前記判定手段において、前記第2の電流値が最大限界電流値である
    ことを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
  7. 前記センサユニットとして、第1のセンサユニット、第2のセンサユニット、第3のセンサユニット及び第4のセンサユニットを備える場合、
    前記第1のセンサユニットと前記第2のセンサユニットの間に前記再帰反射手段を備え、
    前記第3のセンサユニットと前記第4のセンサユニットの間に前記再帰反射手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の座標入力装置。
  8. 前記センサユニットとして、第1のセンサユニット、第2のセンサユニット、第3のセンサユニット及び第4のセンサユニットを備える場合、
    前記再帰反射手段を有する第1の筺体の両端の位置に、前記第1のセンサユニットと前記第2のセンサユニットが設けられ、
    前記再帰反射手段を有する第2の筺体の両端の位置に、前記第1のセンサユニットと前記第2のセンサユニットが設けられ、
    前記第1の筐体と前記第2の筐体は、前記座標入力有効領域を挟さむようにして対向している
    ことを特徴とする請求項7に記載の座標入力装置。
  9. 前記センサユニットの位置を変更する位置変更手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の座標入力装置。
  10. 前記設置状態は、前記センサユニットの間の距離あるいは方向、前記座標入力有効領域の湾曲状態の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の座標入力装置。
  11. 前記判定手段の判定の結果、前記設置状態が正常でない場合、そのことを示す設置エラーを報知する報知手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の座標入力装置。
  12. 前記報知手段は、表示部であり、
    前記報知手段は、前記設置状態が正常であるか否かに基づいて、前記表示部による表示形態を変更する
    ことを特徴とする請求項11に記載の座標入力装置。
  13. 前記報知手段は、音声出力部であり、
    前記報知手段は、前記設置状態が正常であるか否かに基づいて、前記音声出力部による音声出力形態を変更する
    ことを特徴とする請求項11または10に記載の座標入力装置。
  14. 座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置として、
    光を再帰的に反射する再帰反射部と、
    前記座標入力有効領域に向けて投光する投光部と到来光を受光する受光部とを備える、少なくとも2つのセンサユニットと
    を備える座標入力装置の制御方法であって、
    前記少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する検出モードによる検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する判定工程と、
    前記判定工程の判定の結果、前記設置状態が正常でない場合、そのことを示す設置エラーを報知する報知工程と
    を備えることを特徴とする座標入力装置の制御方法。
  15. 座標入力有効領域に対する指示位置を検出する座標入力装置として、
    光を再帰的に反射する再帰反射部と、
    前記座標入力有効領域に向けて投光する投光部と到来光を受光する受光部とを備える、少なくとも2つのセンサユニットと
    を備える座標入力装置の制御をコンピュータに機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記少なくとも2つのセンサユニットの1つのセンサユニットの受光部において、他のセンサユニットの投光部から直接光を受光する検出モードによる検出結果に基づいて、前記センサユニットの設置状態を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定の結果、前記設置状態が正常でない場合、そのことを示す設置エラーを報知する報知手段と
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024014653A1 (ko) * 2022-07-15 2024-01-18 삼성전자 주식회사 상태 정보를 제공하기 위한 전자 장치 및 방법

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