JP2008282283A - 座標入力装置、座標検出方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

座標入力装置、座標検出方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】表示画面に指示された座標の検出精度を向上させる。
【解決手段】座標入力有効領域3には、指示入力された画素番号から得られる角度と、実際の角度との差(角度検出誤差)が、指示入力された座標の算出精度に与える影響(敏感度)が大きい領域と、実用上問題が生じない領域とがあるという知見に基づき、指示入力された座標の算出精度に与える影響が大きい領域の角度検出誤差が最も小さくなるように、指示入力された画素番号を角度情報に変換するための近似式を補正した。そして、この補正した近似式を用いて、角度ΘL、ΘRを算出し、算出した角度ΘL、ΘRから、指示入力された座標Pを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、座標入力装置、座標検出方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、表示画面に指示された座標を検出するために用いて好適なものである。
従来から、指示具や指によってユーザが表示画面の一部を指示して座標を入力し、入力した座標に基づく処理を行う座標入力装置がある。座標入力装置では、入力された座標に基づいて、自身に接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形等を書き込んだりする。この種の座標入力装置として、各種方式のタッチパネルが提案又は製品化されている。ユーザは、タッチパネルを操作することにより、特殊な器具等を用いずに、表示画面上でコンピュータプログラム(PC)等の操作を簡単に行える。このため、タッチパネルは、種々の用途に幅広く用いられている。
タッチパネルの方式には、抵抗膜を用いたものや、超音波を用いたものや、光を用いたもの等、様々なものがある。近年、これらの方式のうち、光を用いたタッチパネルを備えた座標入力装置について、様々な提案がなされている。具体的に、座標入力領域の外側に再帰反射シートを設けるようにした座標入力装置が提案されている(特許文献1を参照)。この座標入力装置では、照明手段からの光を再帰反射シートで反射し、受光手段により光量分布を検出する構成になっている。そして、検出された光量分布に基づいて、座標入力面の、指等で遮蔽された領域の角度を検出し、検出した角度に基づいて、その遮蔽された位置、つまり入力位置の座標を決定する。
また、再帰反射部材を座標入力領域の周辺に構成し、再帰反射光が遮光される部分の座標を検出する座標入力装置が開示されている(特許文献2を参照)。この座標入力装置では、微分等の波形処理演算によって、指等で遮光された部分のピークを検出することにより、その遮光された部分の角度を検出するようにしている。また、センサ出力のレベルのパターンと、特定のレベルのパターンとの比較によって、指等で遮光された部分の一方の端と他方の端とを検出し、それらの中心を検出する座標入力装置が開示されている(特許文献3を参照)。
更には、座標入力領域の周辺に配置する角度センサの取り付け位置のずれを補正するために、位置合わせ用のマークを備える座標入力装置が開示されている(特許文献4を参照)。この座標入力装置では、角度センサにおけるマークの検出位置を基準として、角度センサの取り付け位置のずれを補正するようにしている。また、座標入力領域の周辺に取り付けられた角度センサの位置ずれを補正するために、PDP(プラズマディスプレイパネル)の表示光を用いて、角度センサの位置合わせを行う座標入力装置も開示されている(特許文献5を参照)。
米国特許第4507557号明細書 特開2000−105671号公報 特開2001−142642号公報 特開2000−222111号公報 特開2001−67176号公報
しかしながら、従来の座標入力装置では、前述した角度センサの取り付け誤差によって発生する精度劣化とは別に、角度センサを構成する光学系の構成や、光学系のばらつきによっても、精度劣化を招く。この種の角度センサの光学系として、f−θ特性やf−tanθ特性を有する光学系を用いることが考えられる。
しかしながら、これらの特性を高精度で実現するためには、光学系の構成要素の1つであるレンズを、複数種のレンズからなるレンズ群として構成したり、複数枚でレンズを構成したりする必要がある。このため、角度センサの大きさが増大したり、コストアップしたりすることが避けられない。
また、良好なf−θ特性を得るために、像面湾曲や収差を調整した非球面単レンズを用いることも考えられる。しかしながら、非球面単レンズの歪を完全に除去することは困難である。このような歪によって生じる座標の算出精度の劣化の程度は、座標入力装置の座標入力領域の大きさによって異なる。特に大きな座標入力領域で構成される座標入力装置の場合、このような歪みは、算出した座標に、無視することが出来ない誤差が生じてしまう原因となる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、座標入力領域に対して指示された位置の検出精度を向上させることを目的とする。
本発明の座標入力装置は、座標入力領域上に投光された光を受光する複数の受光手段と、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出手段と、前記角度導出手段により検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出手段と、前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに前記受光手段により受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出手段で導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶手段とを有し、前記角度導出手段は、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする。
本発明の座標検出方法は、座標入力領域上に投光された光を複数の受光手段を用いて受光する受光ステップと、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出ステップと、前記角度導出ステップにより検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出ステップと、前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに前記受光ステップにより受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出ステップで導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶ステップとを有し、前記角度導出ステップは、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、座標入力領域上に投光された光の光量分布を、複数の受光手段から取得する取得ステップと、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出ステップと、前記角度導出ステップにより検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出ステップと、前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出ステップで導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶ステップとをコンピュータに実行させ、前記角度導出ステップは、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする。
本発明によれば、座標入力装置の座標算出精度を向上させることができ、操作性に優れた座標入力装置を提供する事が可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、座標入力装置の概略構成の一例を示す図である。
図1において、センサユニット1L、1Rは、投光部30及び検出部40を有する(図2及び図3を参照)。本実施形態では、センサユニット1L、1Rは、図1に示す位置に取り付けられている。具体的に説明すると、センサユニット1L、1Rは、座標入力有効領域3のX軸に平行となる位置関係にあり、且つY軸に対称な位置関係にある。このような位置関係を有しているセンサユニット1L、1Rは、座標入力有効領域3の一辺から所定距離だけ離れた位置であって、座標入力有効領域3の角部近傍の位置に配置されている。
センサユニット1L、1Rは、制御・演算ユニット2に接続されている。センサユニット1L、1Rは、制御・演算ユニット2から制御信号を受信すると共に、座標入力有効領域3に対してユーザが行った指示入力に基づいて検出した信号を、制御・演算ユニット2に送信する。
再帰反射部材4は、センサユニット1L、1Rの投光部30から、座標入力有効領域3上に投光された光を、座標入力有効領域3の周辺部で、到来方向に反射する再帰反射面を有する。この再帰反射面を備えることによって、再帰反射部材4は、左右夫々のセンサユニット1L、1Rから、略90°の範囲に投光された光を、センサユニット1L、1Rに向けて再帰的に反射(再帰反射)することができる。
光透過部材8は、特定の波長のみの光を透過するためのものであり、座標入力装置の外観の一部を構成する。この光透過部材8は、不要な光が透過することを防止すると共に、再帰反射部材4が、外観に直接露出する事を防止する。このように構成する事によって、埃やゴミは、光透過部材8の表面に堆積する。光透過部材8の表面に堆積した埃やゴミは、光透過部材8の表面をユーザが拭く等して清掃することにより簡単に除去できる。したがって、埃やゴミが再帰反射部材4に付着することを防止できる。その結果として再帰反射部材4の光学特性を半永久的に維持することを容易に実現でき、信頼性の高い座標入力装置装置を実現する事が可能となる。
さて、再帰反射部材4で再帰反射された再帰反射光は、センサユニット1L、1Rが備える検出部40によって1次元的に検出される。そして、検出部40で検出された光の光量分布が、制御・演算ユニット2に送られる。尚、センサユニット1L、1Rが備える検出部40は、後述するように、集光光学系や、ラインCCD等を備えて構成されている。また、以下の説明では、再帰反射部材4で再帰反射された光を、必要に応じて再帰反射光と称する。
座標入力有効領域3は、PDP(プラズマディスプレイパネル)、リアプロジェクタ、及びLCDパネル(液晶ディスプレイパネル)等の表示装置の表示画面として構成される。以上のように、図1に示す座標入力装置は、インタラクティブな入力装置として利用することができるものである。
座標入力有効領域3に、指等による入力指示がなされると、センサユニット1L、1Rが備える投光部30から投光された光が、指等によって遮られる。そうすると、センサユニット1L、1Rが備える検出部40は、その遮られた部位のみの光(再帰反射による反射光)を検出する事ができなくなる。その結果、制御・演算ユニット2は、どの方向からの光が検出できなかったかを判別することが可能となる。
つまり、制御・演算ユニット2が備える演算制御回路83(図5を参照)は、左右のセンサユニット1L、1Rで検出された光の光量変化から、指示入力された部分の遮光範囲を検出する。そして、演算制御回路83は、検出した遮光範囲の情報に基づいて、遮光位置の方向(角度)を、左右のセンサユニット1L、1Rの夫々について導出する。更に、演算制御回路83は、導出した遮光位置の方向(角度)と、センサユニット1L、1R間の距離情報等から、指示入力がなされた「座標入力有効領域3上の座標」を幾何学的に算出する。そして、演算制御回路83は、座標入力装置に接続されているコンピュータ(PC)等に、USB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを経由して、算出した座標の値を出力する。
このようにして、図1に示す座標入力装置では、指等による指示入力によって、表示画面上に線を描画したり、表示画面上のアイコン操作によりコンピュータ(PC)を制御したりすること等、種々の処理を行うことができる。以降、座標入力装置の各部分の構成と、その動作の一例について詳細に説明を行う。
<センサユニット1>
図2は、センサユニット1が備える投光部30の構成の一例を示す図である。図2(a)は、投光部30を正面方向(座標入力有効領域3に対して垂直方向)から見た図である。また、図2(b)は、投光部30を側方向(座標入力有効領域3に対して水平方向)から見た図である。
図2において、赤外LED(Light Emitting Diode)31は、赤外光を発するLEDである。赤外LED31から発光された光は、投光レンズ32によって、略90°の範囲に投光される。図2(b)に示すように、赤外LED31から発光された光は、投光レンズ32により上下方向に制限された光束となって、再帰反射部材4に投光される。
図3は、センサユニット1が備える検出部40の構成の一例を示す図である。図3(a)は、検出部40を正面方向(座標入力有効領域3に対して垂直方向)から見た図であり、図3(b)は、検出部40を側方向(座標入力有効領域3に対して水平方向)から見た図である。尚、図3(a)に示す破線部分は、前述した投光部30を示すものである。本実施形態では、投光部30と検出部40とを上下方向に重ねて配置している。投光部30と検出部40との距離Lは、投光部30から再帰反射部材4までの距離に比べて十分に小さな値である。したがって、投光部30と検出部40とが距離Lを有していても、再帰反射部材4で再帰反射された再帰反射光を検出部40で十分に検出することが可能である。
図3に示すように、検出部40は、1次元のラインCCD41と、集光光学系としての集光用レンズ42、43と、入射光の入射方向を制限する絞り44と、可視光等の余分な光の入射を防止する赤外フィルター45とを備えている。投光部30から投光された光は、再帰反射部材4によって再帰反射され、赤外フィルター45及び絞り44を抜けて集光用レンズ42、43によって、ラインCCD41の検出面上に集光される。
具体的に説明すると、前述したように、投光部30から略90°の範囲に投光された光は、再帰反射部材4によって再帰反射される。再帰反射光は、前述した赤外フィルター45、絞り44を抜けて集光用レンズ42、43に入射される。そして、図3(a)に示すように、集光用レンズ42、43に入射された光は、その入射角に応じて、ラインCCD41の画素上に結像される。従って、ラインCCD41は、再帰反射光の入射角に応じた光量分布を示す出力信号を出力することになる。よって、ラインCCD41の画素番号(画素の番号)が、再帰反射光の角度情報を示すことになる。
検出部40の光学系(集光用レンズ42、43)は、f−Θ特性を実現するように構成されている。図4に、f−θ特性(ラインCCD41の画素番号と角度Θの関係)の一例を示す。図4に示すように、ラインCCD41の各画素番号と角度Θとが、(概ね)線形の関係となるように、集光用レンズ42、43が構成されている。
以上のように本実施形態では、例えば、四角形(ここでは長方形)の座標入力有効領域3を用いて、座標入力領域が実現される。そして、例えば、投光部30から、座標入力有効領域3上(座標入力領域上)に投光された光を、再帰反射部材4を介して受光する2つの検出部40を用いて受光手段(一方の受光手段及び他方の受光手段)が実現される。
<制御・演算ユニット2>
制御・演算ユニット2とセンサユニット1L、1Rとの間では、ラインCCD41の制御信号(CCD制御信号)と、ラインCCD41用のクロック信号と、ラインCCD41の出力信号と、赤外LED31の駆動信号(LED駆動信号)とが送受信される。
図5は、制御・演算ユニット2の構成の一例を示すブロック図である。CCD制御信号は、ワンチップマイコン等を備えて構成される演算制御回路83から出力される。演算制御回路83は、このCCD制御信号を用いて、ラインCCD41のシャッタタイミングや、データの出力制御等を行う。ラインCCD41用のクロック信号は、クロック発生回路87からセンサユニット1L、1Rに送信されると共に、ラインCCD41との同期をとって各種制御を行うために、演算制御回路83にも送信される。
LED駆動信号は、演算制御回路83からLED駆動回路84L、84Rを経て、センサユニット1L、1Rが備えている赤外LED31に供給される。センサユニット1L、1Rの検出部40に設けられているラインCCD41で検出された信号は、制御・演算ユニット2のA/Dコンバータ81L、81Rに入力される。A/Dコンバータ81L、81Rに入力された信号は、演算制御回路83からの制御によって、デジタル値に変換される。変換されたデジタル値は必要に応じてメモリ82に記憶される。演算制御回路83は、メモリ82に記憶されたデジタル値を用いて、後述する方法で、角度の算出と座標値の算出とを行う。演算制御回路83は、算出した結果をPC89等にシリアルインターフェース88等を介して、PC89に出力する。
<光量分布の検出>
図6は、演算制御回路83から送信される信号のタイミングチャートである。
ラインCCD41の制御信号は、SH信号91と、左右のセンサユニット1L、1Rへのゲート信号92、93である。SH信号91は、ラインCCD41のシャッタ開放時間を規定するための信号である。すなわち、SH信号91により規定される間隔で、ラインCCD41のシャッタ解放時間が決定される。左右のセンサユニット1L、1Rへのゲート信号92、93は、ラインCCD41の内部にある光電変換部の電荷を読み出して、制御・演算ユニット2へ転送させるための信号である。
SH信号91の最初の周期で、一方の赤外LED31(センサユニット1Lが備える赤外LED31)を点灯するために、LED駆動信号94がLED駆動回路84Lを経て、センサユニット1Lが備える赤外LED31に供給される。次の周期で、もう一方の赤外LED31(センサユニット1Rが備える赤外LED31)を点灯させるためのLED駆動信号95が、センサユニット1Rが備える赤外LED31に供給される。そして、双方の赤外LED31の駆動が終了した後に、ラインCCD41からの出力信号が左右のセンサユニット1L、1Rから読み出される。
指や指示具等による指示入力がない場合、つまり遮光部分が無い場合には、センサユニット1L、1Rから読み出される信号に基づいて、例えば、図7(a)に示すような光量分布が得られる。もちろん、この光量分布がどのシステムでも必ず得られるわけではない。再帰反射部材4の再帰反射特性や、赤外LED31を含む投光部30の特性や、座標入力装置の構成部品の経時変化(汚れ等)によって、この光量分布は、図7(a)に示すものとは異なるものになる。
図7(a)において、出力レベルAが最大光量を検出したときのレベルであり、出力レベルBが最低光量を検出したときのレベルであるとする。したがって、再帰反射光がない状態で得られるレベルは、出力レベルBの付近になる。再帰反射光の光量が増えるほど、得られるレベルは、出力レベルAに近づく事になる。この様な出力レベルは、ラインCCD41から出力された信号を、A/Dコンバータ81L、81Rで逐次A/D変換することにより得られる。
図7(b)は、指や指示具等で指示入力が行われた場合、つまり再帰反射光を遮った場合の光量分布の一例を示した図である。指や指示具等により、再帰反射光が遮られたため、画素番号Cの部分で光量が低下している。
光量分布の検出は、光量分布の変化に基づいて行われる。具体的に説明すると、まず、演算制御回路83は、図7(a)に示すような、指示入力の無い初期状態で得られた光量分布のデータをメモリ82に予め記憶しておく。尚、以下の説明では、初期状態で得られた光量分布のデータを、必要に応じて初期光量分布データと称する。そして、演算制御回路83は、実測定期間の光量分布データと、予めメモリ82に記憶しておいた初期光量分布データとの差分を算出する事で、図7(b)に示すような光量分布の変化があるか否かを判別する。
<角度の計算>
角度の計算にあたっては、まず、遮光範囲を検出する必要がある。前述したように、光量分布は、座標入力装置の構成部品の経時変化等によって、一定ではない。このため、システムの起動時等に、前述した初期光量分布データを記憶する事が望ましい。工場から出荷する際に、初期光量分布データをメモリ82に設定した後、設定した初期光量分布データの更新を行われなければ、例えば、光透過部材8の表面にゴミや埃が付着した場合、そのゴミや埃が付着した位置での再帰反射効率が低下する。そうすると、あたかもその位置で指示入力が行われたと検出してしまう(すなわち誤検出してしまう)という重大な結果を引き起こす。従って、システムの起動時等に、前述した初期光量分布データを更新する事で、光透過部材8の表面に付着したゴミや埃等で再帰反射効率が落ちていても、その再帰反射効率が落ちている状態を、初期状態として設定し直すことができる。よって、前述したような誤検出をする事を防止できるという優れた利点が得られる。
無論、光透過部材8に付着したゴミや埃等による影響で、再帰反射部材4からの再帰反射光の信号を、検出部40が全く受け取る事ができなくなると、指示入力された座標を検出することが不能になる。よって、何らかの方法で、そのゴミや埃等を除去しなければならない。仮に、再帰反射部材4からの再帰反射光の信号が大幅に減っている場合には、S/N比の関係で、再帰反射光の信号の信頼性が低下する。例えば、座標入力有効領域3の同一地点を指示入力しているのにも関わらず、指示入力された座標の算出結果が揺らぐ現象が発生し、座標の算出結果の分解能を低下させてしまう。よって、光透過部材8に付着したゴミや埃等を除去した上で、投光部30から投光された光を検出部40が受光するようにするのが好ましい。
座標入力装置に対する電源の投入時に、演算制御回路83は、入力の無い(遮光部分が無い)状態で、投光部30から光を投光すること無しに、ラインCCD41を駆動させる。そして、駆動させたラインCCD41から出力された信号は、A/Dコンバータ81L、81RでA/D変換される。演算制御回路83は、A/Dコンバータ81L、81RでA/D変換されることにより得られたデータ(Bas_data[N])を、メモリ82に記憶する。このデータ(Bas_data[N])は、ラインCCD41のバイアスのばらつき等を含んだデータであり、図7(a)に示す出力レベルBの付近のレベルを有するデータである。ここで、Nは画素番号である。この画素番号は、座標入力有効領域3に対応するものである。
次に、演算制御回路83は、投光部30から光が投光された状態で得られた光量分布のデータをメモリ82に記憶させる。このデータ(Ref_data[N])は、図7(a)の実線で表されたデータである。以上により、初期光量分布データの記憶を完了する。
次に、演算制御回路83は、これらのデータ(Bas_data[N]、Ref_data[N])を用いて、指示入力が成されたか否か(すなわち、遮光範囲があるか否か)を判定する。
ここで、実測定期間のデータをNorm_data[N]とする。演算制御回路83は、遮光範囲を特定するために、データの変化の絶対量によって、指示入力(遮光範囲)の有無を判定する。このようにするのは、ノイズ等による誤判定を防止し、所定量の確実な変化を検出するためである。演算制御回路83は、各々の画素において以下の式(1)の計算を行うことによって得られるデータの変化の絶対量(Norm_data_a[N])を、メモリ82に予め決定してある閾値Vthaと比較する。
Norm_data_a[N]=Norm_data[N]−Ref_data[N]・・・(1)
式(1)において、Norm_data_a[N]が、各画素におけるデータの変化の絶対量に相当する事になる。
データの変化の絶対量(Norm_data_a[N])と、閾値Vthaとを比較する処理は、減算と比較演算とを行うだけなので、処理時間をさほど長くない。よって、指示入力(遮光領域)の有無の判定を高速に行う事が可能である。
そして、演算制御回路83は、閾値Vthaを初めて超えた画素が所定数を超えて検出されたときに、指示入力(遮光領域)があると判定する。
次に、演算制御回路83は、より高精度に指示入力を検出するために、データの変化の比を計算して、指示入力された領域を決定する。
図8は、再帰反射部材4を光透過部材8側から見た様子の一例を示す図である。図8において、光透過部材8の表面910の領域αの透過率は、汚れ等により低下しているとする。そうすると、データ(Ref_data[N])の分布(初期状態における光量分布)は、図9(a)に示すようになる。図9(a)に示すように、領域αからの再帰反射光の光量が小さくなる。この状態で、図8に示すように、幅Wを有する指示具5が挿入され、再帰反射部材4の高さ方向の略半分の領域が覆われたとすると、再帰反射光の光量は略半分となる。このため、データ(Norm_data[N])の分布(光量分布)は、図9(b)に示すようになる。図9(a)及び図9(b)に示すデータの分布に対して、式(1)を適用すると、データの変化の絶対量(Norm_data_a[N])の分布(実測定期間における光量分布と初期状態における光量分布との差)は、図10(a)に示すようになる。尚、図10では、データの変化の絶対量(Norm_data_a[N])を電圧値で示している。
このデータの変化の絶対量(Norm_data_a[N])と、閾値Vthaとを比較すると、図10(a)に示すように、本来、指示入力されているはずの領域αにおける値が、閾値Vthaよりも低くなってしまう。もちろん、閾値Vthaをより小さな値に設定する事で、ある程度、指示入力されていることを検出することは可能となる。しかしながら、そのようにすると、ノイズ等の影響を受ける可能性が大きくなる。そうすると、指示入力された座標の算出性能を劣化させるという弊害が発生する。
そこで、本実施形態では、演算制御回路83は、式(2)で、データの変化の比(Norm_data_r[N])を計算する。
Norm_data_r[N]=Norm_data_a[N]/(Bas_data[N]−Ref_data[N])・・・(2)
図9に示した例では、指示具5によって遮られる再帰反射光の光量が、領域α、β共に最初の半分(領域αではレベルV1、領域βではレベルV2)である。よって、図9に示した出力レベルに対する式(2)の計算結果は、図10(b)に示すようになる。このように、データの変化の比(Norm_data_r[N])を計算することにより、光透過部材8の透過率が場所によって異なる場合でも、光透過部材8の場所によって区別せずに等しく取り扱う事が可能になる。そこで、本実施形態では、このデータの変化の比(Norm_data_r[N])を用いて、指示入力された座標の算出するために、データの変化の比(Norm_data_r[N])に対する閾値Vthrをメモリ82に予め設定しておく。
演算制御回路83は、以上のようにして得られたデータの変化の比(Norm_data_r[N])が、閾値Vthrを初めて上回ったとき(立ち上がり部)の画素番号と、閾値Vthrを初めて下回ったとき(立ち下り部)の画素番号とを求める。そして、演算制御回路83は、例えば、求めた画素番号の中央の画素番号を、指示入力された画素と判定することによって、指示入力された画素情報を高精度に取得することが可能となる。
ところで、図10(b)に示したデータの変化の比(Norm_data_r[N])は、説明のために模式的に描いたものである。データの変化の比(Norm_data_r[N])の実際の波形は、詳細に表示すると、図11に示す様になる。
図11において、データの変化の比(Norm_data_r[N])が、閾値Vthrを初めて上回ったときの画素番号が画素番号Nrであるとする。また、データの変化の比(Norm_data_r[N])が、閾値Vthrを初めて下回ったときの画素番号が、画素番号Nfであるとする。この場合、前述したように、演算制御回路83は、指示入力された画素情報としての画素番号Npを、画素番号Nr、Nfの中央値として、以下の式(3)の計算を行うことができる。
p=Nr+(Nf−Nr)/2・・・(3)
ただし、このようにして指示入力された画素番号を求めると、ラインCCD41の画素間隔が、指示入力された画素番号の分解能になる。そこで、演算制御回路83は、より高分解能に検出するために、データの変化の比(Norm_data_r[N])を用いて、以下のような演算を行って、指示入力された画素番号を求めるのが好ましい。
図11において、画素番号Nrのときの「データの変化の比(Norm_data_r[N])」の値をLrとし、画素番号Nr-1の「データの変化の比(Norm_data_r[N])」の値をLr-1とする。同様に、画素番号Nfのときの「データの変化の比(Norm_data_r[N])」の値をLfとし、画素番号Nf-1のときの「データの変化の比(Norm_data_r[N])」の値をLf-1とする。このとき、検出すべき画素番号を、夫々Nrv、Nfvとすれば、検出すべき画素番号Nrv、Nfvは、夫々以下の式(4)、式(5)で表される。
rv=Nr-1+{(Vthr−Lr-1)/(Lr−Lr-1)}・・・(4)
fv=Nf-1+{(Vthr−Lf-1)/(Lf−Lf-1)}・・・(5)
以上のようにすれば、ラインCCD41からの出力レベルに応じた仮想の画素番号、つまりラインCCD41の画素番号よりも細かい画素番号Nrv、Nfvを取得することができる。そうすると、指示入力された画素情報としての仮想画素番号Npvは、以下の式(6)で表される。
pv=Nrv+(Nfv−Nrv)/2・・・(6)
このように、演算制御回路83は、ラインCCD41の画素番号と、そのラインCCD41の画素の出力レベルとを用いて仮想的な画素番号(仮想画素番号Npv)を計算することで、指示入力された領域の分解能をより一層高くすることが可能となる。尚、以下の説明では、指示入力された画素情報が、仮想画素番号Npvである場合を例に挙げて説明する。
<画素番号から角度情報への変換>
以上のようにして得られた仮想画素番号Npvから、実際の座標値を計算するためには、仮想画素番号Npvを角度情報に変換する必要がある。
前述したように、図4は、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係をプロットしたものである。図4に示す関係の近似式である以下の式(7)を予め求めてメモリ82に記憶しておく。
Θ=f(N)・・・(7)
演算制御回路83は、この式(7)を用いて、検出された仮想画素番号Npvから角度情報への変換を行う。本実施形態では、前述したようにしてセンサユニット1の検出部40に、集光用レンズ42、43を備えたレンズ群を構成することで、図4に示したように、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係を線形近似することができる。
ただし、このように、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係を線形近似できるレンズ群を採用すれば、座標入力装置のコストがアップする。
更に、図3に示したような、集光用レンズ42、43を備えたレンズ群を用いることで、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係は、図4に示したように、一見、良好な線形関係となる。しかしながら、集光用レンズ42、43を備えたレンズ群を用いて、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係が線形であると近似することが必ずしも最適であるとは言えない。
そこで、レンズの光学的収差等を吸収するために、より高次な近似式を用いて、仮想画素番号Npvを角度情報に変換することが考えられる。このようにすれば、指示入力された座標を、高精度に且つ安価なレンズで検出することができるからである。本願発明者らは、実際に、図4に示した関係を高次の多項式で近似した。図12は、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係を近似した9次の多項式に、指示入力された画素番号として得られた仮想画素番号Npvを代入して算出される角度と、実際の角度との差(すなわち角度検出誤差)を示す図である。図12に示すように、ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係を9次の多項式で近似した場合でも、約±0.02[°]の角度検出誤差が発生する。
<角度検出誤差の影響>
ラインCCD41の画素番号と角度Θとの関係の近似誤差を小さくするために、9次の多項式近似を行った場合の角度検出誤差は、前述したように、約±0.02[°]であった(図12を参照)。この角度検出誤差は、検出部40の個体間差(つまり量産時の部品の加工精度、公差、及び光学系を組み立てる際の調整等)によって異なる。したがって、図4に示したようなf−Θ特性を個体毎に各々計測し、計測した結果に基づいて式(7)の近似式を算出することによって、その個体で発生する角度検出誤差を小さくすることが好ましい。このようにする場合、式(7)の近似式が検出部40毎に異なる。そこで、本実施形態では、センサユニット1が、この近似式等を記憶するメモリを備えるようにする。
このようにセンサユニット1を構成することで、例えば市場においてセンサユニット1が故障して交換する必要が生じた場合であっても、制御・演算ユニット2がセンサユニット1のメモリに記憶されている近似式等の必要な情報を読み出すことができる。よって、指示入力された座標を高精度に算出することができ、市場における座標入力装置の信頼性を維持することが可能となる。
尚、センサユニット1が備えるメモリには、近似式の他に、後述する基準点の情報等も記憶するようにするのが好適である。
図3に示したようなレンズ群を用いて光学的収差を取り除いたり、より高次の近似式を用いたりすれば、近似式により発生する角度検出誤差を小さくすることが可能となる。しかしながら、前者は部品コストが大幅にアップする弊害が生じるし、後者は近似式を取得するための検査工程がより複雑となり、量産性を劣化させる弊害が生じる。
そこで、本願発明者らは、角度検出誤差が、指示入力された座標の算出精度にどの程度影響するのを調査した。図13は、座標入力有効領域3内の任意の位置における敏感度を計算した際の座標入力装置における構成の一例を示す図である。図13に示すように、図1と同様に、センサユニット1L、1R、制御・演算ユニット2、座標入力有効領域3、及び再帰反射部材4が配置されているものとする。
まず、座標入力有効領域3内の任意の座標(α、β)において、センサユニット1L、1Rからの角度θを幾何学的に算出する。そして、算出した各々の角度θに、近似式による誤差(例えば0.1°)を加算(或いは減算)して、後述する式(8)、式(9)により、座標値(α+Δα,β+Δβ)を算出した。そして、誤差Δα、Δβの座標入力有効領域3内での分布を調べた。
その結果、X座標の誤差Δαは、座標入力有効領域3の四辺のうち、センサユニット1L、1Rに沿う位置にある一辺の央部付近の領域(図13の領域131)で極端に劣化した(すなわち、敏感度が他の領域よりも高くなった)。一方、Y座標の誤差Δβは、センサユニット1L、1Rが設けられた一辺に垂直な二辺の領域のうち、センサユニット1L、1Rに最も近い一辺の対辺側の領域(図13の領域132、133)で極端に劣化した(すなわち、敏感度が他の領域よりも高くなった)。以上のことから、領域131〜133以外の領域では、多少の角度検出誤差が存在していても、演算される座標値は実用の範囲内であることが分かった。つまり、領域131のX軸座標の算出精度と、領域132、133のY軸座標の算出精度とが保証されれば、座標入力装置は、指示入力された座標を、高精度に算出することができることが分かった。
また、算出される座標の敏感度は、座標入力有効領域3の一辺から、検出部40までのY軸方向の距離γに大きく依存している。具体的に説明すると、距離γが小さくなればなるほど領域131のX軸方向の敏感度が指数関数的に大きくなり、逆に距離γが大きくなればなるほど領域132、133のY軸方向の敏感度が大きくなる。したがって、角度検出誤差の影響を緩和するために、X軸方向の敏感度とY軸方向の敏感度とを勘案して距離γを設定する。
以上説明したように、X軸座標の算出精度(位置算出誤差)を保証するためには、領域131における角度検出誤差をより小さくし、Y軸座標の算出精度(位置算出誤差)を保証するためには、領域132、133における角度検出誤差を小さくすればよい。したがって、それらの領域131〜133に対応する角度範囲内のデータを重み付けする等して近似式を求める方法が考えられる。具体的に、複数の既知の角度に対する画素番号を測定する際に、領域131〜133に対応する角度を細かく設定して、データの数を増やすことができる。また、最小二乗法等を用いて近似式の係数を決定する際に、領域131〜133のデータに対して重みを加えるようにすることができる。
しかしながら、このような方法だけでは、近似式による角度検出誤差を小さくすることが出来ても、個体差による角度検出誤差を取り除くことができない。個体によって角度検出誤差の発生原因が異なるからである。よって、このような方法だけでは、必要とする領域(X軸座標については領域131に対応する角度範囲、Y軸座標については領域132、133に対応する角度範囲)における角度検出誤差を完全に取り除くことができる保証がない。そこで、本実施形態では、次のようにして、角度検出誤差を取り除くようにしている。
まず、図13に示すように、座標入力有効領域3の角部に設けられた2個のセンサユニット1L、1Rの中点近傍であり、且つ座標入力有効領域3の端部領域(一辺上)に第1の基準点P1を設定する。そして、第1の基準点P1の座標値と、センサユニット1L、1Rの検出部40とから幾何学的に算出される角度θL1、θR1をメモリ82に記憶する。更に、第1の基準点P1を指示入力することによって得られる仮想画素番号NpvL1、NpvR1を算出して(式(6)を参照)、センサユニット1L、1Rのメモリに記憶する。このように本実施形態では、例えば、2個のセンサユニット1L、1Rからの距離が等しい位置に、第1の基準点P1が設定される。
そして、センサユニット1Lの検出部40については、前述した式(7)の近似式を、以下の式(8)のようにすれば、第1の基準点P1における、近似式の影響による角度検出誤差は0(ゼロ)になる。
ΘL=fL(N)−fL(NpvL1)+θL1・・・(8)
同様に、センサユニット1Rの検出部40についても、前述した式(7)の近似式を、以下の式(9)のようにすれば、第1の基準点P1における、近似式の影響による角度検出誤差は0(ゼロ)になる。
ΘR=fR(N)−fR(NpvR1)+θR1 ・・・(9)
尚、fL(N)、fR(N)は、夫々センサユニット1L、1Rの検出部40に対する近似式(変換式)であり、ΘL、ΘRは、夫々センサユニット1L、1Rの検出部40で検出される角度である。
以上のように、式(8)及び式(9)を用いれば、第1の基準点P1の近傍で発生する角度検出誤差を0(ゼロ)とすることが出来るので、敏感度が他の領域よりも高い領域131〜133における座標の算出精度を高精度に保つことができる。尚、式(8)、式(9)の近似式は、センサユニット1のメモリに記憶されるようにするのが好ましい。
また、領域131内で、X軸に平行となり、且つY軸に対して対称となる位置関係を有するようにして、座標入力有効領域3の端部領域(一辺上)に設定される第2及び第3の基準点P1´、P1´´を、第1の基準点P1の代わりに用いることもできる。この場合、センサユニット1Lの検出部40に対する基準点を第3の基準点P1´´とし、センサユニット1Rの検出部40に対する基準点を第2の基準点P1´として、各々の検出部40に対して別々の基準点を設定する。そして、その第2及び第3の基準点P1´、P1´´における仮想画素番号を測定して、センサユニット1L、1Rのメモリに記憶して、第1の基準点P1に対する処理と同様の処理を行う。これにより、前述したのと同様に、敏感度が高い領域131〜133における座標の算出精度を高精度に保つことができる。
更に、式(7)で発生する角度検出誤差が、座標の算出精度に与える影響は、距離γの関数となっている。距離γが小さければ、領域131のX軸方向の敏感度が大きくなり、領域132、133のY軸方向の敏感度は小さい。よって、距離γが小さい場合には、例えば、前述したようにして第1の基準点P1の情報を用いることで、座標入力有効領域3の全領域における座標の算出精度を高精度に維持することが可能である。これに対し、距離γが大きくなると、領域132、133におけるY軸座標の算出精度が劣化する(Y軸座標の位置算出誤差が大きくなる)。このような場合にあっては、領域132、133での角度検出誤差を小さくする必要がある。
ここで、領域132内の点であって、座標入力有効領域3の4つの角部のうち、センサユニット1Rに最も近い角部と対角の関係にある角部の点を第4の基準点P2とする。また、領域133内の点であって、座標入力有効領域3の4つの角部のうち、センサユニット1Lに最も近い角部と対角の関係にある角部の点を第5の基準点P3とする。そうすると、センサユニット1L、1Rで検出された画素番号を角度情報に変換して、指示入力された座標を算出する場合、領域132については、次のことが理解される。すなわち、領域132については、センサユニット1Lの角度検出誤差よりも、センサユニット1Rの角度検出誤差の方が、Y軸座標の位置算出誤差に影響することが、幾何学的に理解される。すなわち、センサユニット1L、1Rに同じ角度検出誤差が含まれている場合、領域132のY軸座標に与える影響は、明らかにセンサユニット1Rの方が大きい。一方、領域133については、センサユニット1Rの角度検出誤差よりも、センサユニット1Lの角度検出誤差の方が、Y軸座標の検出誤差に影響する。
従って、式(7)の近似式を、以下の式(10)、式(11)のようにすれば、領域132、133における角度検出誤差が、検出される座標に与える影響を、最小にすることができる。
ΘL=fL(N)−fL(NpvL3)+θL3・・・(10)
ΘR=fR(N)−fR(NpvR2)+θR2・・・(11)
尚、fL(N)、fR(N)は、夫々センサユニット1L、1Rの検出部40に対する近似式であり、θL3は、センサユニット1Lと、第5の基準点P3とがなす幾何学的な角度である。また、NpvL3は、第5の基準点P3が指示入力されたときに、センサユニット1Lからの信号によって得られる仮想画素番号である。また、θR2は、センサユニット1Rと、第4の基準点P2とがなす幾何学的な角度である。更に、NpvR2は、第4の基準点P2が指示入力されたときに、センサユニット1Rからの信号によって得られる仮想画素番号である。
このように、本実施形態では、X軸座標を算出する際には、式(8)及び式(9)を用いて角度を導出すればよく、Y軸座標を算出する際には、式(10)及び式(11)を用いて角度を導出すればよい。これら式(8)〜式(11)で使用される近似式fL(N)、fR(N)は同じである。したがって、領域131における角度検出誤差を無くし、且つ領域132、133における角度検出誤差を無くすような近似式fを導出する必要が無い。つまり、本実施形態では、最小二乗法等により近似式fL(N)、fR(N)を導出し、基準点P1〜P3の情報に基づき近似式fL(N)、fR(N)を補正するだけなので、座標の算出を高精度に行うための近似式の導出工程を簡素化できる。
以上のように本実施形態では、例えば、第nの基準点Pnの位置、又は角度θL1、θR1、θL3、θR2が、基準点情報に対応する。また、第nの基準点Pnが指示入力されたときの光量分布、又は角度fL(NpvL1)、fR(NpvR1)、fL(NpvL3)、fR(NpvR2)が、基準点情報に対応する。また、例えば、これらの角度のうち、角度θL1、θR1、θL3、θR2が、第2の記憶手段により記憶される角度に対応する。また、例えば、角度fL(NpvL1)、fR(NpvR1)、fL(NpvL3)、fR(NpvR2)が、第1の記憶手段により記憶される角度に対応する。更に、例えば、角度fL(NpvL1)、fR(NpvR1)が、第1の角度及び第2の角度に対応し、fL(NpvL3)、fR(NpvR2)が、第3の角度及び第4の角度に対応する。
<座標の計算方法>
図14は、センサユニット1L、1Rと、座標入力有効領域3の座標(画面座標)との位置関係の一例を示す図である。
座標入力有効領域3の水平方向をX軸とし、垂直方向をY軸とする。そして、座標入力有効領域3の中央を原点とする。座標入力有効領域3の上辺の両端付近の所定の位置に、夫々センサユニット1L、1RをY軸に対称に配置する。センサユニット1L、1R間の距離をDsとする。
また、図14に示す様に、センサユニット1L、1Rは、ラインCCD41の受光面の法線方向がX軸と45°の角度を成すように配置される。すなわち、センサユニット1L、1Rは、ラインCCD41の受光面の法線が、互いに直交するように配置される。センサユニット1のラインCCD41の法線方向を0°(基準方向)と定義する。センサユニット1L(の受光面の中心)と座標入力有効領域3の点Pとを結ぶ線と、センサユニット1LのラインCCD41における受光面の法線とがなす角度ΘLの符号は、時計回りの方向を「+」とする。また、センサユニット1R(の受光面の中心)と座標入力有効領域3の点Pとを結ぶ線と、センサユニット1RのラインCCD41における受光面の法線とがなす角度ΘRの符号は、反時計回りの方向を「+」とする。尚、センサユニット1L(1R)と座標入力有効領域3の点Pとを結ぶ線と、センサユニット1L(1R)のラインCCD41における受光面の法線とがなす角度ΘL(ΘR)が、センサユニット1L(1R)により検出される角度ΘL(ΘR)である。
点P0は、前述した各センサユニット1L、1RのラインCCD41における受光面の法線の交点である。原点から点P0までの距離をP0yとする。そうすると、検出すべき点Pの座標P(x,y)は、以下の式(12)、式(13)で表される。
Figure 2008282283
したがって、前述した距離γの設定により、X軸方向の敏感度のみ考慮する場合、演算制御回路83は、式(8)、式(9)で導出した角度ΘL、ΘRに基づき、式(12)、式(13)を用いて、点Pの座標値(x、y)を導出すればよい。
また、X軸方向とY軸方向の双方の敏感度を考慮する場合、演算制御回路83は、式(8)、式(9)で導出した角度ΘL、ΘRを用いて、式(12)より、点PのX軸座標を算出する。そして、演算制御回路83は、式(10)、式(11)で導出した角度ΘL、ΘRを用いて、式(13)より、点PのY軸座標を算出すればよい。
更に、Y軸方向の敏感度のみを考慮する場合、演算制御回路83は、式(10)、式(11)で導出した角度ΘL、ΘRに基づき、式(12)、式(13)を用いて、点Pの座標値(x、y)を算出すれば、座標入力領域内の全領域で、高精度な座標検出を行える。
<制御フローチャートの説明>
図15は、基準点P1〜P3を設定する際の座標入力装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS101において、演算制御回路83は、基準点設定モードに移行するか否かを判定する。具体的に、演算制御回路83は、製造工程で作業者がリセットスイッチ等を操作したり、出荷後にユーザがリセットスイッチ等を操作したりして基準点設定モードへの移行を指示したか否かを判定する。この判定の結果、基準点設定モードに移行しない場合には、以降の処理を行う必要はないので、図15のフローチャートによる処理を終了する。
一方、基準点設定モードに移行する場合には、ステップS102に進む。ステップS102に進むと、演算制御回路83は、ポート設定やタイマ設定等の様々な初期化処理を行う。次に、ステップS103〜S105で、ラインCCD41の不要な電荷の除去を行う。ラインCCD41等の光電変換素子においては、動作させていないときに不要な電荷が蓄積している場合がある。このような状態でラインCCD41からデータ(Bas_data[N]、Ref_data[N])を読み出して使用すると、指示入力された座標の検出が不能となったり、誤検出となったりすることがある。
そこで、ステップS103において、演算制御回路83は、メモリ82に記憶されている初期読み出し回数を読み出して設定する。次に、ステップS104において、演算制御回路83は、投光部30から光を投光しない状態でラインCCD41を駆動させ、ラインCCD41にデータの読み出しを行わせる。尚、以下では、このデータを、必要に応じて、投光無しデータと称する。
次に、演算制御回路83は、ステップS103で設定した初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行ったか否かを判定する。この判定の結果、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行っていない場合には、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行うまで、ステップS104、S105を繰り返し行う。
そして、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行うと、ステップS106に進む。ステップS106に進むと、演算制御回路83は、ステップS104で読み出された投光無しデータを取り込んでA/D変換することを、A/Dコンバータ81L、81Rに指示する。
次に、ステップS107において、演算制御回路83は、ステップS106でA/D変換された投光無しデータ(Bas_data[N])を、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶する。
次に、ステップS108において、演算制御回路83は、投光部30に対して投光指示を行う。そして、演算制御回路83は、投光部30から光を投光した状態でラインCCD41を駆動させ、ラインCCD41にデータの読み出しを行わせる。尚、以下の説明では、このデータを、必要に応じて、投光有りデータと称する。そして、演算制御回路83は、ラインCCD41から読み出された投光有りデータを取り込んでA/D変換することを、A/Dコンバータ81L、81Rに指示する。
次に、ステップS109において、演算制御回路83は、ステップS108でA/D変換された投光有りデータ(Ref_data[N])を、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶する。これにより、初期の光量分布が得られる。
次に、ステップS110において、演算制御回路83は、例えばメモリ82に記憶されるカウンタnをインクリメントする。尚、カウンタnの初期値は0(ゼロ)である。
次に、ステップS111において、演算制御回路83は、第nの基準点の位置Pnが指示入力されたときのデータの読み出しをラインCCD41に行わせる。そして、演算制御回路83は、ラインCCD41により読み出された「第nの基準点の位置Pnが指示入力されたときのデータ」のA/D変換をA/Dコンバータ81L、81Rに指示する。そして、演算制御回路83は、第nの基準点の位置Pnが指示入力されたときの光量分布を取り込む。尚、第nの基準点Pnの位置と、センサユニット1と第nの基準点Pnとの位置関係を示す角度(例えば角度θL1、θL2)との少なくとも何れか一方は、例えば、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶されている。すなわち、第nの基準点Pnの位置と、センサユニット1と第nの基準点Pnとの位置関係を示す角度(例えば角度θL1、θL2)との少なくとも何れか一方は、既知である。
次に、ステップS112において、演算制御回路83は、ステップS111で取り込んだ光量分布に基づいて、指示入力された第nの基準点の位置に対応する「ラインCCD41の画素番号(仮想画素番号)」を計算する。このように本実施形態では、例えば、ステップS112に処理を行うことにより、画素番号導出手段が実現される。
そして、演算制御回路83は、第nの基準点の位置に対応する「ラインCCD41の画素番号」の計算結果が正常であるか否かを判定する。すなわち、演算制御回路83は、指示入力された第nの基準点の位置が正常であるか否かを判定する。その結果、指示入力された第nの基準点の位置が正常でない場合には、ステップS111に戻る。そして、演算制御回路83は、第nの基準点の位置Pnが指示入力されたときのデータの読み出しを、ラインCCD41に再度指示する。これにより、指示入力された第nの基準点の位置に対応する「ラインCCD41の画素番号(仮想画素番号)」が再度導出される。
このように本実施形態では、例えば、ステップS112の処理を行うことにより判定手段が実現される。
一方、指示入力された第nの基準点の位置が正常である場合には、ステップS113に進む。そして、演算制御回路83は、第nの基準点の位置Pnが指示入力されたときの光量分布と、第nの基準点の位置に対応する「ラインCCD41の画素番号」とを、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶する。このように本実施形態では、例えば、ステップS113の処理を行うことにより第3の記憶手段が実現される。
次に、ステップS114において、演算制御回路83は、ステップS110でインクリメント(設定)されたカウントnが、メモリ82に予め設定された閾値nmax以上であるか否かを判定する。この判定の結果、カウントnが、閾値nmax以上である場合には、図15のフローチャートによる処理を終了する。
一方、カウントnが、閾値nmax以上でない場合には、ステップS110に戻り、次の基準点Pに対して、ステップS111〜S113の処理を行う。尚、閾値nmaxの値は、指示入力された座標を算出する際に使用する基準点Pの個数に相当する。前述した通り、ラインCCD41の画素番号を角度情報に変換する近似式の影響により生じる角度検出誤差が、指示入力された座標の算出精度(位置算出誤差)に与える敏感度に応じて、基準点Pは、必要な箇所に、必要な個数設定される。
尚、市場において、不慣れなユーザが、基準点Pを指示入力する操作を行うと、基準点Pの位置を誤入力する虞がある。そうすると、座標入力装置における座標の算出精度が大幅に劣化する。そこで、ステップS112において、第nの基準点に対する正常な指示動作が行われたか否かを判定するだけでは十分でない場合がある。そこで、ある基準点Pの位置が指示入力された場合に得られる画素番号εは、工場出荷時の基準点設定モードの実行により既知であることを利用して以下の処理を行うことができる。すなわち、演算制御回路83は、画素番号εより大きくずれた画素番号が計算された場合(画素番号εと、計算された画素番号との差が閾値以上であった場合)、そのときの指示入力を無効にし、例えば、指示入力を再度行うことを促す表示をディスプレイに行う。
図15に示す処理は、工場の組立てラインで実施されるばかりでなく、前述した通り、市場においても実施される。これにより、市場において想定される操作環境(例えば温度や湿度)によって、例えば、座標入力装置の筐体が変形した場合であっても、ユーザが基準位置Pを指示入力して設定し直す事によって、信頼性の高い状態を座標入力装置が維持する事が可能である。例えば、座標入力有効領域3に画像を表示するディスプレイ(表示装置)が一体化された座標入力装置では、ユーザの操作により基準点設定モードに移行した場合、ディスプレイが、基準点Pの位置に、十字線等のマーカーを表示するようにすることができる。そして、表示されたマーカーの位置をユーザに指示入力させることで、基準点Pの位置を出来るだけ正確に指示入力させることが可能となる。このように本実施形態では、例えば、図15のフローチャートにおいて、基準点Pの位置に、十字線等のマーカーを表示した後に、ステップS111による処理を実行することにより、報知手段が実現される。
一般に、大画面のディスプレイと一体化した大型の座標入力装置では、その座標入力装置の設置状況によって、筐体が数mm単位で歪むことが予測される。その歪みによって、座標入力装置における座標の算出精度が劣化したり、座標入力装置の座標系と表示装置の座標系が例えばmm単位でずれてしまったりする場合がある。指示具5の軌跡を筆跡として表示するような、入出力一体の座標入力装置では、その数mm単位のずれが、製品の性能に大きく影響する。しかしながら、本実施形態では、そのずれを補正することが容易に行えるので、座標入力装置が大型化しても、筐体の剛性を必要以上に高めたり、設置基準を詳細に規定したりする必要が無くなる。したがって、座標入力装置の低重量化と低コスト化とを実現することが可能である。
図16は、指示入力された座標を算出する際の座標入力装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS201において、演算制御回路83は、電源が投入されるまで待機する。電源が投入されると、ステップS202に進む。ステップS202において、演算制御回路83は、ポート設定やタイマ設定等の様々な初期化処理を行う。
次に、ステップS203において、演算制御回路83は、近似式fL(N)、fR(N)を補正するために必要な情報を導出する。具体的に演算制御回路83は、基準点Pの位置と、その基準点Pに対する指示入力により得られたラインCCD41の光量分布と仮想画素番号NpvL1、NpvR1とを、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82から読み出す。この他、演算制御回路83は、ラインCCD41の画素番号と角度情報との関係を近似する近似式fL(N)、fR(N)等の情報も読み出す。そして、演算制御回路83は、読み出した情報に基づいて、必要な定数(例えば、式(8)、(9)におけるfL(NpvL1)、fR(NpvR1))を計算する。
前述したように、ラインCCD41等の光電変換素子においては、動作させていないときに不要な電荷が蓄積している場合がある。そこで、電源が投入されると、ステップS204〜ステップS206で、ラインCCD41の不要な電荷の除去を行う。
まず、ステップS204において、演算制御回路83は、メモリ82に記憶されている初期読み出し回数を読み出して設定する。次に、ステップS205において、演算制御回路83は、投光部30から光を投光しない状態でラインCCD41を駆動させ、ラインCCD41に投光無しデータの読み出しを行わせる。
次に、ステップS205において、演算制御回路83は、ステップS204で設定した初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行ったか否かを判定する。この判定の結果、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行っていない場合には、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行うまで、ステップS205、S206を繰り返し行う。
そして、初期読み出し回数の読み出しを、ラインCCD41が行うと、ステップS207に進む。ステップS207に進むと、演算制御回路83は、ステップS205で読み出された投光無しデータを取り込んでA/D変換することを、A/Dコンバータ81L、81Rに指示する。
次に、ステップS208において、演算制御回路83は、ステップS207でA/D変換された投光無しデータ(Bas_data[N])を、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶する。
次に、ステップS209において、演算制御回路83は、投光部30に対して投光指示を行う。そして、演算制御回路83は、投光部30から光を投光した状態でラインCCD41を駆動させ、ラインCCD41に投光有りデータの読み出しを行わせる。そして、演算制御回路83は、ラインCCD41から読み出された投光有りデータを取り込んでA/D変換することを、A/Dコンバータ81L、81Rに指示する。
次に、ステップS210において、演算制御回路83は、ステップS209でA/D変換された投光有りデータ(Ref_data[N])を、センサユニット1L、1Rのメモリ、又は制御・演算ユニット2のメモリ82に記憶する。
以上のステップS201〜S210までが、電源投入時の初期設定動作である。そして、この初期設定動作を経て、通常の取り込み動作状態に移行する。尚、この初期設定動作は、リセットスイッチ等によりユーザの意図によって動作するように構成してもよい。
通常の取り込み動作状態に移行すると、まず、ステップS211において、演算制御回路83は、投光部30から光を投光した状態でラインCCD41を駆動させ、ラインCCD41にデータの読み出しを行わせる。尚、以下の説明では、このデータを、必要に応じて指示入力データと称する。そして、演算制御回路83は、A/Dコンバータ81L、81RでA/D変換された指示入力データ(Norm_data[N])、すなわち光量分布を取り込む。
次に、ステップS212において、演算制御回路83は、ステップS210で取り込んだ指示入力データ(Norm_data[N])と、ステップS210で記憶された投光有りデータ(Ref_data[N])との差分値を計算する(式(1)を参照)。
次に、ステップS213において、演算制御回路83は、式(1)の計算によって得られたデータの変化の絶対量(Norm_data_a[N])を用いて、遮光部分があるか否か、すなわち、指示入力がなされたか否かを判定する。
この判定の結果、指示入力がない場合には、ステップS211に戻り、測定データの取り込みを再度行う。
一方、指示入力があった場合には、ステップS214に進む。ステップS214に進むと、演算制御回路83は、式(2)の計算を行って、データの変化の比(Norm_data_r[N])を算出する。
次に、ステップS215において、演算制御回路83は、ステップS214で得られたデータの変化の比(Norm_data_r[N])と閾値Vthrとを比較する。そして、演算制御回路83は、データの変化の比(Norm_data_r[N])が、閾値Vthrを初めて上回ったとき(立ち上がり部)の画素番号NfVと、閾値Vthrを初めて下回ったとき(立ち下り部)の仮想画素番号NrVとを求める。その後、演算制御回路83は、式(4)〜式(6)の計算を行って、指示入力された仮想画素番号Npvを計算する。そして、演算制御回路83は、例えば、指示入力された画素番号Npvと、ステップS203で得られた情報fL(N)、fR(N)、fL(NpvL1)、fR(NpvR1)とを用いて、式(8)、式(9)の計算を行う。これにより、補正された角度ΘL、ΘRが得られる。このように本実施形態では、例えば、ステップS215の処理を行うことにより、角度導出手段が実現される。
次に、ステップS216において、演算制御回路83は、tanΘL、tanΘRを求める。
次に、ステップS217において、演算制御回路83は、ステップS216で求められたtanΘL、tanΘRを用いて、式(12)、式(13)の計算を行って、指示入力された点PのX軸座標とY軸座標とを算出する。
このように本実施形態では、例えば、ステップS216、S217の処理を行うことにより、位置導出手段が実現される。
次に、ステップS218において、演算制御回路83は、ステップS217で算出した指示入力された点Pの座標を、シリアルインターフェース88を介して、PC89等の外部機器へ送信する。
次に、ステップS219において、演算制御回路83は、測定を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、電源がオフされたか否か、ユーザによってリセットが指示されたか否か、及び基準点設定モードへ移行することが指示されたか否かを判定することにより実行される。この判定の結果、測定を終了する場合には、図16のフローチャートによる処理を終了する。一方、測定を終了しない場合には、ステップS211に戻り、ステップS211〜S219を繰り返し行う。尚、この繰り返し周期を10[msec]程度に設定すれば、座標入力装置は100[回/秒]の周期で、指や指示具5等により指示入力された点Pの座標を外部機器等に出力する事が可能となる。
<座標算出精度>
図17は、座標入力装置における座標の算出精度を測定した結果の一例を示す図である。図17(a)は、従来の座標入力装置における座標の算出精度を測定した結果を示す図であり、図17(b)は、本実施形態の座標入力装置における座標の算出精度を測定した結果を示す図である。尚、図17では、X軸方向の座標の算出精度の測定結果を示している。
ここでは、約65インチ相当の座標入力有効領域3内を所定のピッチで走査し、測定位置においてセンサユニット1L、1Rから出力されるデータから、画素番号Nを算出した。そして、算出した画素番号Nを、角度ΘL、ΘRに変換し、変換した角度ΘL、ΘRを用いて、指示入力された座標を導出する。測定位置の座標は既知である。よって、導出した座標と、既知の測定位置の座標との差が、座標入力装置における座標の算出精度となる。この導出した座標と、既知の測定位置の座標との差を、その差に応じた濃度でプロットすることにより、図17のような測定結果を得ることができる。尚、図17(a)、図17(b)では、適切に比較を行うようにするために、センサユニット1から出力された同一のデータに対して計算を行って、座標を算出するようにしている。
従来の座標入力装置における測定結果では(図17(a))、座標入力有効領域3の四辺のうち、センサユニット1に最も近い一辺の央部付近(座標入力有効領域3の上端中央部分の領域)において、座標の算出精度が最も低下した。具体的に、座標入力有効領域3の上端中央部分の領域では、3[mm]以上の誤差が発生した。
これに対し、本実施形態の座標入力装置における測定結果では(図17(b))、座標入力有効領域3におけるX軸座標の算出精度は±3[mm]以下になった。
また、誤差平均の絶対値Avgと、その標準偏差σとを用いて、座標の算出精度をAvg+4σとして定義すれば、従来の座標入力装置(図17(a))における座標の算出精度は3[mm]となる。これに対し、本実施形態の座標入力装置(図17(b))における座標の算出精度は2[mm]となる。したがって、座標の算出精度を大幅に改善できることが分かる。
本願発明者らは、指示入力された画素番号から計算により得られる角度と、実際の角度との差(角度検出誤差)が、指示入力された座標の算出精度に与える影響(敏感度)が大きい領域と、実用上問題が生じない領域とがあるという知見を得た。
この知見に基づき、本実施形態では、指示入力された座標の算出精度(位置算出誤差)に与える影響が閾値よりも大きい領域の角度検出誤差が最も小さくなるように、指示入力された画素番号を角度情報に変換するための近似式を補正した(式(8)、式(9))。そして、この補正した近似式を用いて、角度ΘL、ΘRを算出し、算出した角度ΘL、ΘRから、指示入力された座標Pを算出するようにした。
したがって、レンズ群を用いて光学的収差を取り除いたり、より高次の近似式を用いたりしなくても、角度検出誤差を小さくする(座標算出精度を向上させる)ことができ、操作性に優れた座標入力装置を提供することができる。そして、座標入力装置を簡素な光学系で実現できるので、部品のコストアップの抑制(座標入力装置の大幅なコストダウン)と、近似式を取得するための検査工程の短縮による生産性の向上との双方を実現することができる。
また、ユーザによる指示により、市場においても基準点P1〜P3の設定を行えるようにすると共に、基準点P1〜P3に関わる情報を、センサユニット1側に記憶するようにした。したがって、輸送や市場における設置の際に、筐体が歪むことにより座標入力装置に発生する「座標の算出精度の低下」や、表示装置の座標系と座標入力装置の座標系とがずれることによる「座標の算出精度の低下」を、現場での操作により抑制することができる。したがって、座標入力装置の市場での信頼性を維持することができる。更には、前述したように、筐体が歪むことによる「座標の算出精度の低下」を抑制することができるので、座標入力装置を大型にする場合でも、座標入力装置の筐体の構造を簡素化できる。よって、座標入力装置の重量やコストの削減を行うことが可能になる。
尚、本実施形態では、光透過部材8を設けるようにして、埃やゴミが再帰反射部材4に付着することを防止できるにした。しかしながら、必ずしも光透過部材8を設ける必要はない。このようにした場合であっても、システムの起動時等に、初期光量分布データを更新する事で、再帰反射効率が低下している状態を、初期状態として設定し直すことができる。尚、再帰反射部材4の表面の汚れ等によって、再帰反射部材4の再帰反射率が低下している状態でも、光透過部材8の表面の汚れ等が生じた場合と同様に、データ(Ref_data[N])の分布(初期状態における光量分布)は、図9(a)に示すようになる。
(本発明の他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における座標入力装置を構成する各手段、並びに図15、図16の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図15、図16に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態を示し、座標入力装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、センサユニットが備える投光部の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、センサユニットが備える検出部の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、f−θ特性の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、制御・演算ユニットの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示し、演算制御回路から送信される信号のタイミングチャートである。 本発明の実施形態を示し、センサユニットの出力レベルと画素番号との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、再帰反射部材を光透過部材側から見た様子の一例を示した図である。 本発明の実施形態を示し、光透過部材の表面が汚れている状態における、センサユニットの出力レベルと画素番号との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、データの変化の絶対量と、画素番号との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、データの変化の比と、画素番号との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、ラインCCDの画素番号と角度との関係を近似した9次の多項式に、指示入力された画素番号として得られた仮想画素番号を代入して算出される角度と、実際の角度との差の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、座標入力有効領域内の任意の位置における敏感度を計算した際の座標入力装置における構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、センサユニットと、座標入力有効領域の座標(画面座標)との位置関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示し、基準点を設定する際の座標入力装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、指示入力された座標を算出する際の座標入力装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態を示し、座標入力装置における座標の算出精度を測定した結果の一例を示す図である。
符号の説明
1 センサユニット
2 制御・演算ユニット
3 座標入力有効領域
4 再帰反射部材
8 光透過部材
30 投光部
40 検出部
81 ADコンバータ
84 LED駆動回路
83 演算制御回路

Claims (13)

  1. 座標入力領域上に投光された光を受光する複数の受光手段と、
    前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出手段と、
    前記角度導出手段により検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出手段と、
    前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに前記受光手段により受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出手段で導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶手段とを有し、
    前記角度導出手段は、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記記憶手段は、前記基準点に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度とが、前記角度導出手段により導出されると、導出された角度を記憶媒体に記憶する第1の記憶手段と、
    前記基準点と、前記受光手段との位置関係を定める実際の角度を記憶媒体に記憶する第2の記憶手段とを有し、
    前記角度導出手段は、前記受光手段により受光された光の光量分布と、前記第1の記憶手段により記憶された角度と、前記第2の記憶手段により記憶された角度とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記受光手段により受光された光の光量分布に基づいて、前記受光手段が備える画素の番号であって、前記座標入力領域に対して指示された位置に対応する画素の番号を導出する画素番号導出手段を有し、
    前記角度導出手段は、前記画素番号導出手段により導出された画素の番号を、予め記憶されている変換式に従って、角度に変換することを特徴とする請求項1又は2に記載の座標入力装置。
  4. 前記基準点の位置を報知する報知手段と、
    前記報知手段により報知された後に前記基準点に対して指示された位置に対応する画素の番号が有効であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記基準点に対して指示された位置に対応する画素の番号が有効であると判定された場合には、その画素の番号を記憶媒体に記憶する第3の記憶手段とを有し、
    前記画素番号導出手段は、前記判定手段により、前記基準点に対して指示された位置に対応する画素の番号が有効でないと判定された場合には、前記座標入力領域に対して指示された位置に対応する画素の番号を再度導出することを特徴とする請求項3に記載の座標入力装置。
  5. 前記座標入力領域は、四角形であり、
    前記受光手段を、2つ有し、
    前記2つの受光手段は、前記座標入力領域の一辺に沿うように配置されると共に、その受光面の法線が互いに直交するように配置され、
    前記基準点の少なくとも一つのは、前記座標入力領域の前記一辺に設定されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の座標入力装置。
  6. 前記基準点は、前記2つの受光手段からの距離が等しい位置に設定されており、
    前記角度導出手段は、前記基準点に関する基準点情報と、前記2つの受光手段のうちの一方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記一方の受光手段との位置関係を定める第1の角度を導出し、
    前記基準点に関する基準点情報と、他方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記他方の受光手段との位置関係を定める第2の角度を導出することを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
  7. 前記基準点は、互いに異なる第1の基準点と第2の基準点とを有し、
    前記角度導出手段は、前記第1の基準点に関する基準点情報と、前記2つの受光手段のうちの一方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記一方の受光手段との位置関係を定める第1の角度を導出し、
    前記第2の基準点に関する基準点情報と、他方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記他方の受光手段との位置関係を定める第2の角度を導出することを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
  8. 前記位置導出手段は、前記角度導出手段により検出された第1及び第2の角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置の座標のうち、前記座標入力領域の前記一辺と平行な方向の座標を導出することを特徴とする請求項6又は7に記載の座標入力装置。
  9. 前記基準点は、前記座標入力領域の辺上の位置であって、前記座標入力領域の前記一辺に垂直な2つの辺上の位置のうち、前記座標入力領域の一辺の対辺側の位置に設定されている第3の基準点と第4の基準点とを有し、
    前記角度導出手段は、前記第3の基準点に関する基準点情報と、前記2つの受光手段のうち、前記第3の基準点からの距離が長い一方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記一方の受光手段との位置関係を定める第3の角度を導出し、
    前記第4の基準点に関する基準点情報と、前記2つの受光手段のうち、前記第4の基準点からの距離が長い他方の受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記他方の受光手段との位置関係を定める第4の角度を導出することを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載の座標入力装置。
  10. 前記位置導出手段は、前記角度導出手段により検出された第3及び第4の角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置の座標のうち、前記座標入力領域の前記一辺に垂直な方向の座標を導出することを特徴とする請求項9に記載の座標入力装置。
  11. 前記基準点は、前記角度導出手段により導出される角度と実際の角度との検出誤差が、位置算出誤差に与える影響が大きくなる領域に設定されることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の座標入力装置。
  12. 座標入力領域上に投光された光を複数の受光手段を用いて受光する受光ステップと、
    前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出ステップと、
    前記角度導出ステップにより検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出ステップと、
    前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに前記受光ステップにより受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出ステップで導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶ステップとを有し、
    前記角度導出ステップは、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とする座標検出方法。
  13. 座標入力領域上に投光された光の光量分布を、複数の受光手段から取得する取得ステップと、
    前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出する角度導出ステップと、
    前記角度導出ステップにより検出された角度に基づいて、前記座標入力領域に対して指示された位置を導出する位置導出ステップと、
    前記座標入力領域に設定された基準点の位置、もしくは前記基準点と前記受光手段との位置関係を定める角度、並びに前記基準点を指示したときに受光された光の光量分布、もしくはその光量分布を用いて前記角度導出ステップで導出された角度情報とを含む基準点情報を記憶媒体に記憶する記憶ステップとをコンピュータに実行させ、
    前記角度導出ステップは、前記基準点情報と、前記受光手段により受光された光の光量分布とを用いて、前記座標入力領域に対して指示された位置と、前記受光手段との位置関係を定める角度を導出することを特徴とするコンピュータプログラム。
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