JP2006065138A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズを保持し光軸方向Lに移動自在に支持されたレンズ保持部材41,51、レンズ保持部材41,51に対して光軸方向にカム作用を及ぼすべく光軸方向に移動自在にかつ光軸回りに回動自在に支持されると共にその外周において駆動力が及ぼされる円弧状のラック部32を有するカム筒30、ラック部32に噛合して駆動力を及ぼすべく所定位置に回動自在に支持された歯車61を備え、ラック部32は、回転角度が異なる領域において光軸方向に偏倚する(ずれる)第1ラック部32a及び第2ラック部32bをもつように形成されている。これにより、カム筒の光軸方向への移動量(繰り出し量)を確保しつつ、歯車の長さを短くでき、それ故に、装置を小型化することができる。
【選択図】 図4
Description
また、特許文献1に示されるレンズ駆動装置においては、歯車そのものは小さくできても、歯車が光軸方向に移動するための空間を画定するケースが大きくなり、装置の大型化を招くことになる。
この構成によれば、ラック部に噛合した歯車が回転すると、カム筒が回転しつつ光軸方向に移動し、レンズ保持部材が光軸方向に移動させられる。この駆動に際して、歯車は、回転角度の変化に伴って光軸方向に偏倚する(ずれる)ように形成されたラック部と噛合するため、光軸方向の所定位置にだけ形成された従来のラック部に比べて、カム筒の光軸方向への移動量(繰り出し量)を確保しつつ、歯車の長さを短くでき、それ故に、装置を小型化することができる。
この構成によれば、ラック部が回転角度に応じて光軸方向に階段的に偏倚するように形成されているため、回転角度に応じた光軸方向の位置設定が容易であり、又、ラック部をカム筒の外周に容易に一体成型することができる。
この構成によれば、歯車が休止位置(沈胴位置)から回転すると、回転角度範囲の前側領域で第1ラック部と噛合してカム筒に回転力を伝達し、続いて、回転角度範囲の後側領域で第2ラック部と噛合してカム筒に回転力を伝達する。
このように、ラック部を二段構成とすることにより、周りの部品との相互関係を考慮したその位置設定を容易に行うことができる。
この構成によれば、歯車がラック部を介してカム筒を回転させると、カム筒はそのフォロワピンが固定筒のカム溝に案内されて光軸方向に移動し(繰り出し)、最も繰り出した領域において、そのフォロワピンは規制壁の前側において対向し、又、この状態において、第1ラック部を規制壁に干渉しないようにして規制壁の前側に移動させることができる。
したがって、固定筒及びカム筒の径方向において、規制壁とラック部との間に隙間を確保する必要がなく、それ故に、固定筒を小径化することができ、装置を小径化、小型化することができる。
この構成によれば、歯車とラック部との噛合領域が、第1ラック部から第2ラック部に遷移する際に、歯車は両方に噛合するため、噛合の遷移が滑らかに行われ、駆動力の伝達が円滑に行われる。
この構成によれば、第1ラック部と第2ラック部とを連続的に形成することにより、カム筒(の外周)への一体成型が容易になり、又、ラック部の機械的強度を高めることができる。
図1ないし図11は、本発明に係るレンズ駆動装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の正面図、図2及び図3は沈胴位置にある装置の断面図、図4及び図5はカム筒の正面図、側面図、及び背面図、図6は固定筒の展開図、図7は装置の一部を拡大し断面図、図8は広角撮影位置にある装置の断面図、図9は望遠撮影位置にある装置の断面図、図10及び図11はラック部とカム筒との関係を示す部分展開図である。
3つの規制壁22は、カム筒30が最も繰り出した領域にあるときに、略光軸方向に衝撃が加わった場合、フォロワピン31がカム溝21から光軸方向Lの後方に向けて抜け落ちるのを規制するものである。
カム筒30の外周面には、図2ないし図5に示すように、周方向において等間隔に配置された3つのフォロワピン31、光軸方向Lの後方領域において配置されて回転駆動力が及ぼされる円弧状のラック部32等が形成されている。
したがって、後述する歯車61が休止位置(沈胴位置)から回転すると、回転角度範囲の前側領域で第1ラック部32aと噛合してカム筒30に回転力を伝達し、続いて、回転角度範囲の後側領域で第2ラック部32bと噛合してカム筒30に回転力を伝達する。
また、ラック部32が回転角度に応じて光軸方向に階段的に偏倚するように二段階構成に形成されているため、周りの部品との相互関係を考慮して、回転角度に応じた光軸方向Lの位置設定を容易に行うことができ、又、ラック部32をカム筒30の外周に容易に一体成型することができる。
また、ラック部32と固定筒20の規制壁22とは、図3に示すように、径方向においてオーバラップするように形成されている。したがって、固定筒20の外径寸法φDを、従来に比べて小さくすることができ、装置を小径化することができる。
ガイド筒35は、図5(a)に示すように、第1レンズ群40を光軸方向Lに沿って案内する3つの直線状のガイド溝35a、第2レンズ群50を光軸方向Lに沿って案内する3つの直線状のガイド溝35bを有し、カム筒30に対して相対的に回動自在にかつ固定筒20及びベース10に回転不能に固定されている。
そして、3つのフォロワピン31は、固定筒20の3つのカム溝21に挿入されており、カム30筒が駆動機構60により回転させられることで、光軸方向Lにおいて自ら前進及び後退すると共に、第1レンズ群40及び第2レンズ群50を光軸方向Lに移動させて変倍駆動を行うようになっている。
すなわち、モータ62が回転すると、減速歯車列を介して歯車61が回転し、ラック部32を介して、カム筒30に回転駆動力を及ぼすようになっている。
また、レンズ保持部材42は、直接レンズG1を保持してレンズ保持部材41に対して光軸方向Lに相対的に移動させられるようになっている。
すなわち、レンズ保持部材41には、レンズ保持部材42を光軸方向Lに移動させる駆動機構70が設けられている。
すなわち、モータ71が回転すると、ピニオン72及び歯車73を介して、リードスクリュー74が回転し、ナット75すなわちレンズ保持部材42を、レンズ保持部材41に対して光軸方向Lに相対的に移動させて、フォーカシングを行うようになっている。
先ず、非撮影の沈胴状態において、第1レンズ群40及び第2レンズ群50は、図2に示すように、光軸方向Lの後方に向けて後退した沈胴位置にある。
このとき、カム筒30のフォロワピン31は、カム溝21に対して図10(a)中の符号31で示す位置に位置している。また、歯車61は、ラック部32の前方側にある第1ラック部32aと噛合している。
そして、カム筒30の繰り出しと同時に、ラック部32も角度位置を変えつつ前方に向けて移動し、図10(b)に示すように、第1ラック部32aが、干渉することなく固定筒20の規制壁22の間を通り抜け始める。
尚、駆動機構70の駆動により、レンズ保持部材42が適宜移動させられてフォーカシングが行われる。
そして、カム筒30の繰り出しと同時に、ラック部32も角度位置を変えつつ前方に向けて移動し、図11(a)に示すように、第1ラック部32aが、規制壁22の前方側に移動し始める前の状態に至る。また、歯車61は、第1ラック部32aから第2ラック部32bへと噛合関係を移行している。
尚、駆動機構70の駆動により、レンズ保持部材42が適宜移動させられてフォーカシングが行われる。
そして、カム筒30の回転により、ラック部32は光軸方向Lに移動することなく角度位置だけを変えて、図11(b)に示すように、第1ラック部32aが、規制壁22の前方側に隣接した位置に至る。
したがって、固定筒20及びカム筒30の径方向において、規制壁22とラック部32との間に隙間を確保する必要がなく、それ故に、カム筒30の繰り出し量を確保しつつ、固定筒20を小径化することができ、装置を小径化、小型化することができる。
すなわち、この実施形態において、カム筒30´の外周面には、図12に示すように、回転角度に応じて光軸方向に階段的に偏倚するように二段階構成をなすラック部32´が形成されている。
この場合においても、前述同様に、歯車61が、第1ラック部32a´との噛合状態から第2ラック部32b´との噛合状態に移行する際に、噛合の遷移が滑らかに行われ、駆動力の伝達が円滑に行われる。また、第1ラック部32a´と第2ラック部32b´とを、カム筒30´(の外周)に容易に一体成型することができる。
また、上記実施形態においては、ラック部32,32´として、階段状に偏倚量が変化するものを示したが、これに限定されるものではなく、連続的に滑らかに傾斜して偏倚量が変化するものを採用してもよい。
さらに、上記実施形態においては、カム筒30の内側に2つのレンズ群40,50を設けたレンズ駆動装置において、本発明に係る構成を採用したが、これに限定されるものではなく、カム筒30に対して一つのレンズ群又は3つ以上のレンズ群を設ける構成において、本発明を適用してもよい。
20 固定筒
21 カム溝
22 規制壁
30,30´ カム筒
31 フォロワピン
32,32´ 円弧状のラック部
32a,32a´ 第1ラック部
32b,32b´ 第2ラック部
33,34 カム溝
35 ガイド筒
40 第1レンズ群
G1 レンズ
41,42 レンズ保持部材
43 フォロワピン
50 第2レンズ群
G2 レンズ
51 レンズ保持部材
52 フォロワピン
60 駆動機構
61 歯車
62 モータ
70 駆動機構
L 光軸方向
Claims (6)
- レンズを保持し光軸方向に移動自在に支持されたレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材に対して光軸方向にカム作用を及ぼすべく光軸方向に移動自在にかつ光軸回りに回動自在に支持されると共にその外周において駆動力が及ぼされる円弧状のラック部を有するカム筒と、前記ラック部に噛合して駆動力を及ぼすべく所定位置に回動自在に支持された歯車と、を備え、
前記ラック部は、回転角度が異なる領域において、光軸方向に偏倚するように形成されている、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記ラック部は、回転角度が異なる領域において、光軸方向に段差をもつように階段的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 前記ラック部は、回転角度範囲の前側領域に対応するべく光軸方向の所定位置に形成された第1ラック部と、回転角度範囲の後側領域に対応するべく前記第1ラック部から光軸方向に偏倚した位置に形成された第2ラック部と、を含む、
ことを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。 - 前記カム筒を光軸回りに回動自在にかつ光軸方向に移動自在に支持する固定筒を有し、
前記固定筒は、その内周において、前記カム筒の外周に形成されたフォロワピンを受け入れて光軸方向にカム作用を及ぼすカム溝と、前記カム筒が最も繰り出す状態において、前記フォロワピンが前記カム溝から抜け落ちるのを規制する規制壁と、を含み、
前記第1ラック部は、前記第2ラック部よりも光軸方向において前方側に形成されている、
ことを特徴とする請求項3記載のレンズ駆動装置。 - 前記第1ラック部及び第2ラック部は、周方向においてオーバラップするように形成されている、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズ駆動装置。 - 前記第1ラック部及び第2ラック部は、連続的に形成されている、
ことを特徴とする請求項3ないし5いずれかに記載のレンズ駆動装置。
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