JP2006064992A - 液晶基板保持盤とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面で全反射光を低反射とし、大型となっても高精度な液晶基板保持盤を提供すること。
【解決手段】基体上面に透明または半透明の液晶基板を保持する支持面と、該支持面よりも下がった非支持面とを有する液晶基板保持盤において、上記基体の比剛性が80GPa・cm/g以上の黒色系セラミックスから形成されるとともに、上記支持面の算術平均粗さが1.2μm以下で、且つ非支持面に樹脂膜を被覆したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイを製造するための露光装置等の液晶基板保持盤に関し、特に透明または半透明液晶基板を透過した照明光の反射によって露光、アライメントまたはフォーカス調整の精度を損なうことのない液晶基板保持盤及びその製造方法に関するものである。
従来、液晶ディスプレイを製造するための露光装置に使用される液晶基板保持盤は、アルミニウム系の金属からなる母材にアルマイトメッキを施したものや、ステンレスやアルマイト系のセラミックまたはアルマイトセラミックからなる母材にTiC等の被覆を施したものが用いられていた。
図6(a)は、従来の液晶基板保持盤の一例であるチャックの概略図を示す斜視図である。
従来から液晶基板保持盤11は、図6(a)に示すように基体14の上面に、透明または半透明の液晶基板6を保持する支持面12と、その支持面12よりも下がった非支持面13とを形成したものであり、液晶基板6を保持させて、露光用の照明光あるいはアライメントやフォーカス調整のために照明光を照射させていた。そして、液晶基板6に照射された照明光の一部分は、液晶基板6を透過して液晶基板保持盤11に到達するので、照射光の反射をできる限り抑えるためにも、支持面12を形成することによって、液晶基板6に当接する液晶基板保持盤11の面積を少なくし、照射光の多くが液晶基板保持盤11の非支持面12の表面で反射されるようにしていた。
これら液晶基板保持盤11は経年的に高精度に保持することが求められる為、一般的には高剛性を有したセラミックスが多用される。特に液晶ディスプレイを製造するための露光装置に搭載される液晶基板保持盤11には、黒色を呈するセラミックスが用いられるようになっていた。
一例を図6(b)に示す。図6(b)は(a)の液晶基板保持盤の一部を拡大した断面図である。図に示すように支持面12、非支持面13の表面にセラミックスからなる被覆層17を形成したものであり、具体的には、基体14の表面上に粗面化した表面をもつ反射率の低いSiCからなる第1の被覆層(不図示)と、この第1の被覆層上に平滑な表面をもつ透明材料Alからなる第2の被覆層(不図示)によって被覆されているものである(特許文献1参照)。
さらに、支持面12、非支持面13の表面に非晶質硬質炭素膜の被覆層17を形成し、反射率を低減する方法も提案されている(特許文献2参照)。
ところで、上述した反射率を下げる方法として、一般的には液晶基板保持盤11を形成するセラミックスの呈色として、光を反射しやすい白色や乳白色を呈するセラミックスよりも、光を吸収しやすい黒色を呈するセラミックスが適していることは知られているが、特に安価で加工費用の安いアルミナが望まれていた。
黒色を呈するアルミナの例としては、特許文献3に、Alを主成分とし、Mn、Fe、CoO、Crの成分を含有する黒色アルミナ焼結体が提案されている。また、特許文献4には、LiOが0〜2.5重量%含有する黒色低熱膨張セラミックス焼結体が提案されている。さらに、特許文献4には、Alを主成分とし、FeO、CoO、CuOの成分を含有する着色系セラミックスが提案されている。
また、特許文献6には、黒色を呈するアルミナセラミックを用いた液晶機器保持盤11の表面に釉薬や導電性物質を含んだ樹脂膜、またはガラス等の透明膜を形成し、さらに、透明膜の表面を粗面化することで、反射率を低減させる手段が提案されている。
特開平5−205997号公報 特開平9―45753号公報 特開平5−238810号公報 特開2001−19540号公報 特開平5−254922号公報 特開2004―128325号公報
しかしながら、液晶基板6に入射した照明光の一部分が、液晶基板保持盤11の表面によって反射されて再び液晶基板6の特定箇所に入射すれば、これによってエッチングを行わないレジストの不要な部分が露光し、アライメントやフォーカス調整の精度を低下させることや、照射光が液晶基板6を透過して、液晶基板保持盤11の表面で反射して、露光した像と同じ像を液晶基板6の下面から照射してしまうことが原因で二重露光が発生したり、線幅が太くなるようなピンボケが発生するといった課題があった。特に、液晶基板6は透明または半透明のガラスであるため、入射光は透過しやすいものであった。
その為、液晶基板6を透過した照明光の反射によって、レジストの不要部分が露光させない低反射率を有する液晶基板保持盤11が望まれていた。
ところで、黒色アルミナを用いた特許文献2、4は、上述のような低反射率に言及しているものではない。反射率を低くしたい場合には反射させる面の面状態を良くすれば反射率が低くなるものであるが、特許文献2、4のような単純に黒色アルミナを採用しても、近年の液晶ディスプレイの大型化に伴い、支持面12よりも鏡面に仕上げることは技術上困難な非支持面13の領域が大きく占めるため、十分にピンボケの発生を抑えることができなかった。
一方、特許文献4のセラミックスの材料特性は、ヤング率が165GPa以下、比剛性が68.5GPa・cm/g以下であり、露光装置の液晶基板保持盤11に使用される基体14には、他の部材への取り付け穴や溝加工など複雑な加工を行うことが多く、マシニング加工などを行う際の材質の変形を防ぐ目的や、それ自体で液晶基板6を支持することが必要となるので、比剛性が低いと高精度加工が困難といった課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、液晶基板6を透過した照明光の反射によって、レジストの不要な部分が露光し、アライメントやフォーカス調整の精度を低下させることなく、ピンボケを防止することのできる高精度、高精細な加工が可能な、安価で大型な液晶基板保持盤を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明の液晶基板保持盤は、基体上面に透明または半透明の液晶基板を保持する支持面と、該支持面よりも下がった非支持面とを有する液晶基板保持盤において、上記基体が比剛性80GPa・cm/g以上の黒色系セラミックスから形成されるとともに、非支持面に低反射率樹脂膜を被覆したことを特徴とするものである。
上記基体及び上記樹脂膜の呈色は、色立体(L,a,b)におけるLが60以下であることを特徴とするものである。
上記基体がTiO、CoO、MnO、またはFeのいずれか1種以上を含有したアルミナから形成されたことを特徴とするものである。
上記アルミナの純度が90%以上であることを特徴とするものである。
次に、本発明の液晶基板保持盤の製造方法は、黒色系セラミックスからなる基体を用意し、該基体の上面をブラスト加工にて、透明または半透明液晶基板を保持する支持面と非支持面を形成し、低反射率樹脂膜を基体上面に成膜し、しかる後、上記支持面の低反射率樹脂膜を除去することを特徴とするものである。
上記支持面の低反射率樹脂膜を除去した後に、低反射率樹脂膜の成膜温度よりも100℃以下の熱処理温度で再熱処理を行うことを特徴とするものである。
本発明の構成によれば、上記基体の比剛性が80GPa・cm/g以上の黒色系セラミックスから形成されるとともに、非支持面に低反射率樹脂膜を被覆したために、大型の液晶基板保持盤としても、液晶基板を透過する照射光の全反射率を低下させることができるので、照射光が液晶基板に生じるピンボケを防ぎ、高精細な露光を行うことができるとともに、加工時の材質の変形を防ぎ、高精度に加工が可能となる。
以下、本発明の実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係る液晶基板保持盤の一例であるチャックの概略図を示す図で、(a)はその斜視図を、(b)は上記液晶基板保持盤の一部を拡大した断面図をそれぞれ示している。また、図2は、本発明に係る液晶基板保持盤の支持部の一部を拡大して示す斜視図である。
本発明の液晶基板保持盤1は、比剛性が80GPa・cm/g以上の黒色系セラミックスからなる平板状の基体4からなり、その表面に複数の突起200が形成されており、各突起200は液晶基板6に接触してこれを支持する支持面2と、支持面2よりも下がった非支持面3とから構成されている。
ところで、液晶基板保持盤1において、表面に液晶基板6を支持して上部から露光を行った際、反射率を低くする方が、アライメントやフォーカス調整の精度を低下させることもなく、また、ピンボケを防止する点においても好ましいと考えられる。従って、液晶基板保持盤1の表面が黒色のものを利用し反射率を低下させると良いことは知られているが、本発明では、非支持面3に低反射率樹脂7を被覆することで、ピンボケが十分に防止できるものである。
低反射率樹脂膜7の材質としては、ポリイミドやフッ素樹脂でも良いが、好ましくは、黒色系フッ素樹脂がよい。
また、非支持面3には、低反射率樹脂膜7を膜厚20〜50μm被覆することで、全反射率を大幅に低減することができる。従って、膜厚が20μmよりも薄い場合は、膜の特性上、膜が形成しにくく、また基体4を形成する際、一度、支持面2と非支持面3両方に被覆した後、支持面2上に被覆された低反射樹脂膜7を研削や研磨加工で取り除くが、その際、加工と同時に非支持面に被覆した低反射樹脂膜も剥がれる可能性があるからである。
一方、膜厚を50μmより厚くすれば、基体4との線膨張係数の違いから内部応力が発生し、膜の形成が困難となる。
支持面2の算術平均粗さ(Ra)を0.3〜1.2μmの範囲とすることが良い。これは、液晶基板6に一番近い支持面2は、反射が低いものが好ましいことからであり、算術平均粗さ(Ra)が0.3μmよりも小さい値であると、照射光が反射する全反射率が高くなり、液晶基板6へのピンボケの原因となる。逆に、算術平均粗さが1.2μmよりも大きい値の場合、全反射率の観点だけでなく、支持面2に接触する液晶基板6の表面に傷を付けてしまうことがあり、液晶基板6の製品としての価値が損なわれてしまう。その為、支持面2の算術平均粗さ(Ra)は0.3〜1.2μmの範囲であることが必要で、好ましくは0.6〜1.0μmの範囲にあることが良い。
さらに、低反射率樹脂膜7は、特許文献1や2にあるSiCやAlの被覆や、非晶質硬質炭素膜とは異なり、真空容器を使用しないでも成膜ができるので、内部応力の緩和も充分可能となる。
ところで、基体4を形成する黒色系セラミックスとしては、TiO、CoO、MnO、及びFeを含有したアルミナから形成されるのがよく、アルミナ純度が90%以上であることを特徴とし、従来から焼結助剤として用いられる公知なSiO、MgO等を添加して形成される。好ましい範囲としては、Feを0.5〜1.0重量%、MnOを4.0〜5.5重量%、CoOを1.0〜2.0重量%、TiOを0.5〜1.0重量%混合すればよい。
その結果、得られたアルミナは黒色系セラミックスとなり、液晶基板を透過した照明光の多くは反射率の低い黒色の表面に吸収することが可能となる。
さらに、アルミナの純度は90%以上が望ましく、90%を下回れば、ヤング率の低下を招き、液晶基板保持盤1としての面精度を保つことができない。特に比剛性(ヤング率/比重)が液晶基板保持盤1において重要な要素となり、比剛性が80GPa・cm/gより小さい値となり、液晶基板保持盤1が大形化していくのに伴い設計上好ましくない。アルミナ純度が90%以上で、比剛性の高い材料であることから、支持面1を、例えば□600mm以上の大きさの液晶基板保持盤11であってもその平坦度を10μm以下の高精度に仕上げることが可能となる。
基体4は、ヤング率が300〜350GPa、ビッカース硬度(HV1)12〜14GPa、3点曲げ強度が300〜350MPaと機械的強度の高い材質を得ることができる。
さらに、ボイド占有率が4%以下で、平均ボイド径が4μm、見掛け密度が3.8〜3.9g/cmの緻密なアルミナを得ることができる。ここで、ボイド占有率が4%以下であれば、ボイドによって入射した光波が様々な方向に反射する確率が低くなり、拡散反射率を低減することができる。また、平均ボイド径が小さくなる程、同様のことが可能となる。さらに見掛け密度が前記の範囲になることが好ましく、その範囲よりも大きくなれば比剛性を低下させることになり、小さければ、ヤング率の低下を招き、同様に比剛性を低下させる要因になる。
なお、液晶基板保持盤1に支持される液晶基板6は公知の吸着手段によってこれに吸着される。例えば、大気中で使用する場合は液晶基板6を真空吸着することで吸着することができる。あるいは、単に載置して、液晶基板を機械的に取り付けて保持するのでも構わない。
ところで、基体4及び低反射率樹脂膜7の呈色は、それぞれ黒色系セラミックス及び黒色系樹脂であることが必要であるが、黒色系とは黒色に近い暗い色を呈するものを指し、茶褐色や茶色、赤褐色、緑褐色、群青色、小豆色などの呈色であればよい。好ましくは黒色を呈する色調のものが良い。
黒色系として日本の工業分野での色彩管理における色差の測定に最も広く用いられているL表色系を用いるとよい。ここで、本発明に用いられる黒色系セラミックスの色調は上述のL表色系における明度指数がL<60の範囲のものを用いるのが好ましい。明度指数がLが60よりも大きい値の範囲であれば、反射率が高くなり、本発明の構成であっても非支持面3からの反射の影響を受けてしまい、全体的にぼやけた像となる。その為、さらに好ましくは、明度指数がL<40の範囲であることが良い。
なお、L表色系において、Lは明度指数、即ち明暗知覚の度合いを示すもので、a及びbは、知覚色度指数、即ち色相と飽和度の二つの属性を総合して考えた視知覚の属性を示すものである。色相a及びbは反射率に影響を与える因子にはあまり関係がなく、一番に影響を与えるのが明度指数Lであることが解っており、この明度指数Lがどのような値になっているのかに注目すればよく、その場合のaの知覚色度指数の依存性が低いことから、黒色だけでなくそれに近い色調であってもよいことが解る。
本発明では日本電色(株)製,色差光沢計(Σ90)を用いて、JIS K 5600−4−5に準じて三刺激値を測定し、CIE1976(L,a,b)色空間の色座標を算出する。
なお、今回比較する材料が無いため、以下のJIS K 5600−4−5に準じた。
:明度を表す指数(0〜100)。0が最も暗く、100が最も明るい値となる
:+側は赤、−側は緑、0は無彩色を表し、絶対値が大きいほど彩度が高くなる
:+側は黄、−側は青、0は無彩色を表し、絶対値が大きいほど彩度が高くなる
液晶基板6への露光の際に使用される照射光としては、紫外線領域の照射光を用いることが多く、一般的に、紫外線領域400nm以下の波長領域で考えれば良いが、安全を見ると、450nmまでの波長領域の照射光が含まれることがあり、450nm以下の照射光で、全反射率が10%以下となることが望まれ、液晶基板6において、ピンボケは発生しない。
本発明によれば、高精度に加工した支持面2に反射率の低い材料を被覆させる必要がないため、被覆層による精度劣化や、該被覆層の剥離による不具合が無くなり、液晶基板保持盤1に吸着された液晶基板6の平坦度が、高精度に支持されたままで保持することが可能となる。
次に、本発明の製造方法について説明する。
まず、90重量%以上のAlに、従来から焼結助剤として用いられるSiO、MgO等を添加し、さらに黒色とするため、Fe、MnO、CoO、TiOを湿式にて混合、粉砕した後、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥・造粒を行い、2次原料を作製する。得られた2次原料は、CIP成形またはメカプレス成形にて80〜200MPaの範囲の圧力にて所望の形状に成形する。
次に、最高温度が1400〜1700℃の範囲となるように酸化雰囲気にて焼成を行うことでアルミナセラミックスを得る。そして、基体4の板状体を形成した後、上面を算術平均粗さが1.2μm以下の範囲に仕上げ、しかる後ブラスト加工にて透明または半透明液晶基板6を保持する支持面2と非支持面3を形成する。
そして、支持面2と非支持面3の形成方法は、研削加工やブラスト加工で形成すればよく、表面を粗い状態とすることで、算術平均粗さ(Ra)が1〜2μmの範囲の仕上げ面とすればよい。この範囲であれば、反射光が液晶基板の裏面に逆照射されても、ウエハ表面のレジスト膜を露光し、アライメントあるいはフォーカス調整の障害となることはない。
ところで、算術平均粗さ(Ra)が2μmよりも大きい値の場合、ブラストの砥粒を粗く大きなものにする必要があるが、その場合、ブラスト加工時のマスクのパターンを細かくすることができなかったり、またパターンが破れるといった不具合があった。逆に算術平均粗さ(Ra)が1μmよりも小さい値の場合、ブラストの砥粒を細かいものとする必要があるので加工に時間がかかるといった不具合が生じてしまう。その為、ブラスト加工に使用する砥粒は#200〜#1000の範囲を使用すれば良く、その結果得られる非支持面3の表面は算術平均粗さ(Ra)で1.0〜2.0μmの範囲となる。
次に、低反射率樹脂膜7を全面に成膜した後、支持面2の低反射率樹脂膜7を除去をする。具体的に低反射率樹脂膜7の成膜方法の一例を紹介すると、支持面2及び非支持面3をキシレン等の溶剤により又は空焼き手段により脱脂し、次いでショットブラスター等でブラスト処理を行い、該ブラスト処理面に直接若しくは溶射手段により金属溶射層を形成した後、下塗り用樹脂塗料を、スプレーガンを使用して塗布する。
その後、熱風循環電気炉等の加熱炉で所定の乾燥条件(250℃/30分)で指触乾燥する下塗りし、下塗り塗料塗布面上に上塗り用低反射率樹脂膜7を、スプレーガンを使用して塗布した後、前記加熱炉において所定の焼成条件(400℃/30〜60分)で焼成して自然冷却する上塗りする。しかる後、照明光を反射する表面である各支持面2は、研削もしくはラッピングによる研磨によって低反射率樹脂膜7を取り除くと同時に高精度加工され、支持面2以外の非支持面3には、低反射率樹脂膜7が残る。
また、本発明の液晶基板保持盤の製造方法は、上述の支持面2の低反射率樹脂膜7を除去した後、低反射率樹脂膜7の成膜温度よりも100℃以下の熱処理温度で再熱処理を行っても良い。
この方法を追加した場合、図2に示すように支持面2の端部において、熱処理によって低反射率樹脂膜7が溶けて支持面2になじんで密着力が向上する。また、低反射率樹脂膜7の断面が、液晶基板6との載置面とならないので反射率のコントロールがしやすくなる。
なお、本発明の液晶基板保持盤1の基体4は、円板形状や角板等形状を問わず、液晶基板6を保持するのに適した形状であればどのような形状であっても構わない。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実験例1)
91重量%のAlに、黒色とするため、Fe:0.7重量%、MnO:4.7重量%、CoO:1.6重量%、TiO:0.8重量%の焼結助剤として添加し、さらにSiOやMgOを添加して湿式にて混合し、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥を行った。その後、湿式状態にて混合、粉砕したあと、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥・造粒を行い、2次原料を作製する。得られた2次原料は、CIP成形にて80MPaの圧力にて板状体に成形した。次に1430℃の酸化雰囲気にて焼成し、アルミナ焼結体を得た後、φ100mm×15mmの円盤を製作する。
そして、その円盤の表面を算術平均粗さ(Ra)で0.12μm、0.33μm、0.63μm、1.30μmの4種類に仕上げ、基体の上面をブラスト加工にて、支持面と非支持面を形成し、支持面の頂面をφ0.8mmの面積とし、ピッチを6mm、高さ0.5mmにして全面に形成したものを用意し、それぞれの試料に対して、低反射率樹脂膜を成膜したものとしないものを準備し、低反射率樹脂膜を成膜したものに関しては、しかる後、上記支持面の低反射率樹脂膜を除去したこと試料を準備した。尚、低反射率樹脂膜として、黒色系のフッ素樹脂とポリイミド樹脂の2種類被覆し、400℃で焼き付けを行った。
さらに、低反射率樹脂膜を除去した後に、280℃以下の熱処理温度で再熱処理を行う試料も用意した。
そして、それぞれの試料に、レジストを塗布した0.5mmの液晶基板を載置して400nmの露光を照射し、レジストに1μmの線が正常に感光できるのか確認した。
結果は表1に示す。
Figure 2006064992
狙いの1±0.1μmの線幅で、正常に感光できたものは「○」とし、1±0.1μmの範囲外で線がピンボケして太くなったり、あるいは、二重に線が感光したものは「×」とした。
また、参考として、30mm×8mmの円盤を製作する。そして、その円盤の表面を算術平均粗さ(Ra)で0.12μm、0.33μm、0.63μm、1.30μmの4種類に仕上げ、さらに算術平均粗さ(Ra)1.30μmに仕上げた面に低反射率樹脂膜として、黒色系のフッ素樹脂とポリイミド樹脂を被覆し、計6種類の試料のそれぞれに360nm〜740nmの光を照射し、その反射率を測定した。尚、これらの反射率の測定は、ミノルタ社の分光測色計CM−3700d装置を用いて、波長範囲360nm〜740nmの範囲で測定した。
また、このLotと同一の製造方法にて製作されたアルミナであれば、ヤング率が314GPa、3点曲げ強度324MPa、ビッカース硬度(Hv1)12.7GPa、見掛密度3.86g/cmの材料特性が得られ、比剛性が81.3GPa・cm/gとなり、高精度加工が可能な材質を得ることができた。
本発明によれば、照射光によるピンボケのない透明または半透明液晶基板を保持するのに好適な液晶基板保持盤を提供することができる。
また、全反射光を低反射にする光吸収材として期待できる。
本発明に係る液晶基板保持盤の一例であるチャックの概略図を示す図で、(a)はその斜視図を、(b)は上記液晶基板保持盤の一部を拡大した断面図をそれぞれ示している。 本発明に係る液晶基板保持盤で、(a)はその分解斜視断面図、(b)はその拡大図である。 本発明の基体による反射率の測定データを示すグラフである。 従来の液晶基板保持盤の一例であるチャックの概略図を示す図で、(a)はその斜視図を、(b)は上記液晶基板保持盤の一部を拡大した断面図をそれぞれ示している。
符号の説明
1、11 …液晶基板保持盤
2、12…支持面
3、13… 非支持面
4、14…基体
5…液晶基板保持装置
6…液晶基板
7…樹脂膜
17…被覆層

Claims (6)

  1. 基体上面に透明または半透明の液晶基板を保持する支持面と、該支持面よりも下がった非支持面とを有する液晶基板保持盤において、上記基体が比剛性80GPa・cm/g以上の黒色系セラミックスから形成されるとともに、非支持面に低反射率樹脂膜を被覆したことを特徴とする液晶基板保持盤。
  2. 上記基体及び上記樹脂膜の呈色は、色立体(L,a,b)におけるLが60以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶基板保持盤。
  3. 上記基体がTiO、CoO、MnO、またはFeのいずれか1種以上を含有したアルミナから形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶基板保持盤。
  4. 上記アルミナの純度が90%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶基板保持盤。
  5. 黒色系セラミックスからなる基体を用意し、該基体の上面をブラスト加工にて、透明または半透明液晶基板を保持する支持面と非支持面を形成し、低反射率樹脂膜を基体上面に成膜し、しかる後、上記支持面の低反射率樹脂膜を除去することを特徴とする液晶基板保持盤の製造方法。
  6. 上記支持面の低反射率樹脂膜を除去した後に、低反射率樹脂膜の成膜温度よりも100℃以下の熱処理温度で再熱処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の液晶基板保持盤の製造方法。
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