JP2006063100A - 形状保持性ゼラチン水性ゲルおよび製造方法 - Google Patents

形状保持性ゼラチン水性ゲルおよび製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ゼラチン濃度の低い場合でもゲル強度が高く、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能な高い形状保持性を有し、水分が分離せず、揮発成分の揮散性が高く、かつ透明で装飾性が高い形状保持性ゼラチン水性ゲル、およびこのようなゼラチン水性ゲルを効率よく製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】 分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン、および分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチンを含むゼラチン混合物と、架橋剤と、揮発成分とを容器3内で反応させ、ゼラチン混合物と架橋剤との反応物であるゲル形成剤1中に揮発成分が分散した空洞2を有する形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体1を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能な形状保持性を有するゼラチン水性ゲル、特に芳香剤、防虫剤等の揮発成分を含有する水性ゲルに適した形状保持性ゼラチン水性ゲル、およびその製造方法に関するものである。
室内、トイレ等に置いて使用される芳香剤、防虫剤などとして、香料、防虫成分等の揮発成分を含有する水性ゲルが用いられている。このような水性ゲルとして、アルギン酸、カラギーナン等のゲル形成成分を熱水に溶解してゾルとし、このゾルに香料、防虫成分等の揮発成分を配合し、必要によりさらに色素、殺菌剤、界面活性剤等の助剤成分を配合し、冷却等によりゲル化して水性ゲルを形成している。このようなゲルは室内、トイレ等の大気中において、ゲルが大気と接触するように配置して使用すると、ゲルに配合した香料、防虫成分等の揮発成分が大気中に揮散して、芳香剤、防虫剤などとしての機能を発揮するとともに、装飾機能も発揮する。
従来の水性ゲルはアルギン酸、カラギーナン等の多糖類をゲル形成成分として用いているため、透明な水性ゲルが得られず、装飾性に優れたゲル成形体とすることができなかった。透明な水性ゲルとしては、ゼラチンの水性ゲルがあるが、従来のゼラチンの水性ゲルはゼラチン濃度を高くすることにより形状保持性を得ることができるが、ゼラチン濃度を高くすると、水性媒体の量が少なくなり、揮発成分の揮発性が悪くなる。ゼラチン濃度を低くすると、形状保持性が悪くなり、複雑な形状にすることができず、容器に入れて蓋を取った状態で使用しなければならいため、揮発面を大きくできず、装飾性も得られなかった。また水性溶媒の量を多くしてゼラチン濃度を低くすると、未使用の状態で水が分離したり形状が崩れたりしやすい。このような水性ゲルは透明性、装飾性を強調するため、未使用の状態で水が分離したり形状が崩れたりすると、装飾性を損ない、商品価値が低下する。
特許文献1には、エチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体とゼラチンとの反応生成物からなる水性ゲルが提案され、特許文献2には、エチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体のアンモニア反応物とゼラチンとの反応生成物からなる水性ゲルが提案されている。いずれもエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体またはそのアンモニア反応物をゲル化剤(架橋剤)として用い、これらのゲル化剤をゼラチンと反応させてゲル化(架橋)し、ゼラチン水性ゲルを得るものである。
ゼラチンはコラーゲンを熱、酸、アルカリ、酵素等により変性した水溶性の蛋白であるが、水に対する溶解性は濃度、温度により変化する。このため高濃度の場合、通常はゼラチンを熱水に溶解してゾルとし、冷却することによりゲル化して水性ゲルを得ることができ、ゲル化剤を用いなくてもゲル化は可能である。低濃度の場合は、冷却することによりゲル化しても、形状保持性を有するゲル成形体を形成することができない。特許文献1、2の方法では、ゲル化剤をゼラチンと反応させて架橋することにより、低濃度の場合でもゲル成形体を形成することができる。
しかしこのような架橋ゲルの場合でも、ゼラチン濃度の低い場合に形成されるゲル成形体の形状保持性は高くなく、特に空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形したゲル成形体の形状保持性は低い。このような表面積の大きい複雑な形状に成形したゲル成形体を、常温または高温の未使用の状態あるいは使用状態で放置すると、その形状は次第に崩れて所定の形状を保持することができず、装飾性が損なわれる。
特開平1−297484号 特開平2000−192011号
本発明の課題は、ゼラチン濃度の低い場合でもゲル強度が高く、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能な高い形状保持性を有し、水分が分離せず、揮発成分の揮散性が高く、かつ透明で装飾性が高い形状保持性ゼラチン水性ゲル、およびこのようなゼラチン水性ゲルを効率よく製造できる製造方法を提供することである。
本発明は次の形状保持性ゼラチン水性ゲルおよび製造方法である。
(1) ゼラチン、架橋剤および揮発成分を含む水性ゾルの反応物であって、ゼリー強度15以上の多表面水性成形体からなる形状保持性ゼラチン水性ゲル。
(2) 空洞を有する成形体からなる上記(1)記載のゼラチン水性ゲル。
(3) 分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、架橋剤0.1〜1重量%、および揮発成分0.5〜10重量%を含む水性ゾルの反応物からなる上記(1)または(2)記載のゼラチン水性ゲル。
(4) 水性ゾルが分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%を含む上記(3)記載のゼラチン水性ゲル。
(5) 架橋剤がエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体、その開環物またはその塩である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のゼラチン水性ゲル。
(6) 分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、架橋剤0.1〜1重量%、および揮発成分0.5〜10重量%を含む水性ゾルを反応させてゲル化させる形状保持性ゼラチン水性ゲルの製造方法。
(7) 水性ゾルが分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%を含む上記(6)記載の製造方法。
(8) 架橋剤がエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体、その開環物またはその塩である上記(6)または(7)記載の製造方法。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、ゼラチン、架橋剤および揮発成分を含む水性ゾルの反応物であって、ゼリー強度15以上の多表面水性成形体からなるゼラチン水性ゲルであり、水分が分離せず、形状保持性に優れ、大表面形状に形成しても、形状を保持することが可能なゼラチン水性ゲルである。このような形状保持性ゼラチン水性ゲルとしては、空洞を有する成形体、特に一端が開放され、多端が閉じた空洞を有する成形体のような、表面積の大きい複雑な形状を有する多表面水性成形体からなるものが好ましい。
本発明の好ましい形状保持性ゼラチン水性ゲルは、分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%、架橋剤0.1〜1重量%、好ましくは0.4〜0.8重量%、および揮発成分0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%を含む水性ゾルの反応物からなるゼラチン水性ゲルである。上記の水性ゾルは、分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%を含むものが好ましい。
ゼラチンはコラーゲンを熱、酸、アルカリ、酵素等により変性した水溶性の蛋白であり、そのままの状態のもの、または架橋剤との反応物も、水性溶媒に膨潤して透明な水性ゲル状を形成することができ、優れた外観および特性を有する。ゼラチンとしては、上記の変性により低分子化した分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチンが市販され、一般に使用されている。このような一般のゼラチンを用いると、ゼラチン濃度の低い場合には、架橋剤で架橋してもゲル成形体の形状保持性は低くなる。
そこで本発明では、このような中分子量ゼラチンに替えて、あるいは中分子量ゼラチンとともに、分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチンを用いることにより、成形体の形状保持性を高くする。さらにこのような高分子量ゼラチンとともに、分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチンを用いることにより、透明性が高く、水分分離性が低い水性ゲルを形成することができる。ゼラチンはニカワとして接着剤に用いられることから分かるように、接着性に優れるため、複雑な形状に成形すると離型が困難であるが、さらに分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチンを含むゼラチン混合物を用いると、離型性がよくなり、複雑な形状に成形することが容易になる。
ゼラチンの分子量は、変性の条件、例えば変性に用いる薬剤および助剤の種類、濃度、温度、時間等により変わるので、変性の条件を選ぶことにより、目的とする分子量のゼラチンを得ることができる。ゼラチンの平均分子量は、パギイ法第9版(2002)により分子量分布を測定して求めることができる。また形状保持性の指標となるゲルの強度は、JIS K 6503のゼリー強度として測定することができる。
架橋剤としては、ゼラチンの官能基と反応して架橋できるものであればよいが、エチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体、その開環重合体またはその塩が好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1,ブテン−2、イソブチレン等のオレフィン類、その他のエチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。開環重合体はエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体に加水して開環した重合体、その塩は開環重合体のアンモニウム塩、ナトリウム塩等の塩である。塩は上記酸共重合体または開環重合体と水酸化アンモニウム、または水酸化ナトリウム塩等を反応させて形成することができる。
エチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体はこれらのエチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸との共重合体であり、エチレン性不飽和化合物と無水マレイン酸とのモル比は10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、平均分子量は、通常2,000〜5,000,000であり、好ましくは3,000〜3,000,000である。このようなエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体としては市販品が用いられる。その開環重合体、アンモニウム塩、ナトリウム塩等の塩における開環または塩に変換する割合は任意であるが、無水環の全部を変換するのが好ましい。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、これらのゼラチン、架橋剤および揮発成分を含む水性ゾルの反応物であって、ゼラチンと架橋剤とは揮発成分、水性溶媒、および必要により加えられる他の成分を抱き込むように反応して架橋し、水性ゲルを形成した反応物である。このような形状保持性ゼラチン水性ゲルは、上記水性ゾルを20〜70℃、好ましくは室温〜60℃で反応させることにより、製造することができる。こうして形成される形状保持性ゼラチン水性ゲルは、揮発成分、水性溶媒、および必要により加えられる他の成分を抱き込んだ状態でゼラチンが架橋した水性ゲルであり、ゲル形成剤の濃度が低い場合でも、形状保持性に優れる成形体を形成することができる。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルに配合する揮発成分は、ゼラチン水性ゲルを大気中に置いたときに、ゲルから揮散する成分であり、芳香剤、香料、防虫成分、薬剤成分等が挙げられる。これらの揮発成分は、水溶性でも油溶性でもよいが、容易にゲルの表面に浸透して揮散するものが好ましい。他の成分としては、揮発成分の溶解分散性を高める界面活性剤、色素、殺菌剤、保形剤、離型剤などが挙げられる。本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルおいて、他の成分の配合量は、0〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%とすることができる。
水性溶媒は、水を含む溶媒であり、水または、水と水溶性溶媒の混合物などが使用できる。このような水性溶媒としては、水、水とアルコールその他の水溶性成分等との混合物などが挙げられる。アルコールは水溶性溶媒としても、また殺菌剤としても用いることができ、他の水溶性成分も水溶性溶媒としても、また殺菌剤としても用いることができる。水と水溶性溶媒の比(重量比)は、例えば、1:0.1〜10、好ましくは1:0.5〜5とすることができる。本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルおいて、水溶性溶媒の配合量は、ゼラチン、架橋剤、揮発成分および他の成分の残部とされる。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは水分が分離せず、形状保持性に優れるため、表面積の大きい複雑な形状に成形することができ、このような複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能である。成形可能な形状としては、空洞を有する成形体、特に一端が開放され、多端が閉じた空洞を有する成形体、その他の表面積の大きい複雑な形状に成形することができ、これにより揮発成分の揮散性を高めるとともに、ゼラチン水性ゲルの透明性と相まって装飾性を高めることができる。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルの好ましい製造方法は、高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、中分子量ゼラチン0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.4重量%、架橋剤0.1〜1重量%、好ましくは0.4〜0.8重量%、および揮発成分0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、および必要により加えられる他の成分0〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、残部水の水性ゾルを反応させてゲル化させることにより、形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体として製造することができる。この場合、ゲル成形体は容器に入れた状態で製造してもよく、また成形型を用いて製造してもよい。
成形型を用いてゲル成形体を製造する場合は、上記の水性ゾルを、成形型と接触させた状態で反応させ、ゲル化後離型することにより、形状保持性ゼラチン水性ゲルを製造することができる。一端が開放する空洞を有する成形体の場合、棒状の成形型を表面側から挿入した状態で反応させ、ゲル化後成形型を引抜いて離型することにより、一端が開放する空洞を形成することができる。これらの場合、ゲル成形体の離型性がよいため、ゲル成形体として、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状の成形体に成形しても、容易に離型することができる。
こうして製造される本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、ゼラチン濃度の低い場合でもゲル強度が高く、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、常温または高温の未使用の状態あるいは使用状態で、長期にわたって形状を保持することが可能な高い形状保持性を有し、水分が分離せず、揮発成分の揮散性が高く、かつ透明で装飾性が高い形状保持性ゼラチン水性ゲルが得られる。ゼラチン水性ゲルのゼリー強度は15以上、好ましくは20以上である。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、室内、トイレ等の大気中に置いて、ゲルが大気と接触するように配置して使用される。このような使用状態では、水性ゲルに含まれる香料、防虫成分等の揮発成分はゲルの表面から大気中に揮散して、芳香剤、防虫剤などとしての機能を発揮する。ゼラチン水性ゲルは透明であるため、ゲルに当る光線の透過、屈折、反射等により、優れた美観が得られ、照明との組合せにより、装飾機能が高くなる。この場合、水性ゲルは形状保持性が高いので、長期にわたって成形体の形状を保持することができ、揮発成分が揮散して体積が減少しても、形状が崩れることなく、ほぼ元の形状を保持したまま、相似形に体積が減少し、美観を損なうことがない。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、ゼラチン、架橋剤および揮発成分を含む水性ゾルの反応物であって、ゼリー強度15以上の多表面水性成形体からなるため、透明で形状保持性が高く、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能であり、芳香剤、防虫剤等の揮発成分を効率よく大気中に揮散させることができ、装飾性も高く、未使用の状態で放置しても水が分離したり形状が崩れたりすることがなく、商品価値を長く維持することができる。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、架橋剤0.1〜1重量%、および揮発成分0.5〜10重量%を含む水性ゾルの反応物で形成すると、ゼラチン濃度の低い場合でもゲル強度が高く、空洞を有する成形体のように表面積の大きい複雑な形状に成形しても、形状を保持することが可能な高い形状保持性を有し、水分が分離せず、揮発成分の揮散性が高く、かつ透明で装飾性が高い形状保持性ゼラチン水性ゲルを製造することができる。
本発明の形状保持性ゼラチン水性ゲルは、水性ゾルが分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%を含むことにより、透明性および水分非分離性がよくなる。
本発明の製造方法は、上記の水性ゾルを反応させるため、上記のような形状保持性ゼラチン水性ゲルを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1(a)は実施形態の形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体を示す断面図、(b)はその製造方法を示す断面図である。
図1(a)において、1は形状保持性ゼラチン水性ゲルのゲル成形体であって、中央部に空洞を有し、透明容器3内に収容され、蓋4で密閉されている。
上記の形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体の製造方法は、図1(b)に示すように、透明容器3内に高分子量ゼラチンおよび低分子量ゼラチン、および必要によりさらに中分子量ゼラチン、架橋剤、揮発成分、水性溶媒、および必要により他の成分を含む反応液5を入れ、中央部に空洞2形成用の成形型(棒)6を挿入した状態で、反応液5を加熱して反応させてゲル化させ、ゲル成形体1を製造する。ゲル化後、成形型6を離型して空洞2を形成し、蓋4で密閉して形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体の製品とする。この製品は高い形状保持性を有し、常温または高温の未使用の状態で貯蔵しても、水分が分離せず、形状が保持され、高い商品価値を維持することができる。
上記により製造された形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体1は、蓋4を取って、室内、トイレ等の大気中に置いて、ゲルが大気と接触するように配置して使用される。このような使用状態では、ゲル成形体1に含まれる香料、防虫成分等の揮発成分は、ゲル成形体1の表面および空洞2から大気中に揮散して、芳香剤、防虫剤などとしての機能を発揮する。ゲル成形体1は透明であるため、ゲルに当る光線の透過、屈折、反射等により、優れた美観が得られる。例えば照明器具7と組合せて配置すると、ライト8a、8bの切換により、装飾機能を高くすることができる。この場合、ゲル成形体1は形状保持性が高いので、長期にわたって成形体の形状を保持することができ、揮発成分が揮散して体積が減少しても、形状が崩れることなく、ほぼ元の形状を保持したまま体積が減少し、美観を損なうことがない。
実施例1〜5、比較例1〜4:
図1に記載の透明容器3内に、ゼラチン混合物として分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン、および分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン、架橋剤としてイソブテン−無水マレイン酸共重合体を開環させ水酸化ナトリウム塩としたもの(平均分子量3,000〜3,000,000)、揮発成分として香料、他の成分として界面活性剤、水性溶媒として水を表1および表2に示す割合で入れ、図1(b)のように中央部に空洞形成用の成形型6(直径3cm)を上から挿入した状態で、反応液5を室温で24時間反応させてゲル化させ、ゲル成形体を製造した。24時間後、成形型6を離型することにより、離型性を測定した。得られたゼラチン水性ゲル成形体の離型直後のゲル強度を測定し、さらに密封状態で50℃に2週間保持して、水分分離性および形状保持性を測定した。配合比(重量%)および結果を表1および表2に示す。
Figure 2006063100
Figure 2006063100
*1: ゼリー強度:
JIS K 6503:2001に従い測定した。
*2: 形状保持性:
ゼラチン水性ゲル成形体を密封状態で50℃に2週間保持した後のゼラチン水性ゲル成形体の空洞底部の直径(成形直後は3cm)により評価した。
◎; 3〜2.5cm、○; 2.5〜2cm、△; 2〜1.5cm、×; 1.5cm未満。
*3: 水分分離性:
ゼラチン水性ゲル成形体を密封状態で50℃に2週間保持した後のゼラチン水性ゲル成形体の空洞に溜まっている水の量を、空洞底部の直径と深さから計算して評価した。
◎; 3mL未満、○; 3〜6mL、△; 6〜9mL、×; 9mLを越える。
*4: 離型性:
ゲルが剥離せず、形状を保持して離型するのに要する時間で評価した。
◎; 30秒間以内、○; 30秒を超え60秒間以内、△; 1分間を超え5分間以内、×; 5分間を超える。
*5: 透明性:
目視にて外観観察を行い、透明か濁っているかを評価した。
◎:概ね透明、○:半透明、△:やや白濁、×:白濁。
(a)は実施形態の形状保持性ゼラチン水性ゲル成形体を示す断面図、(b)はその製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1 ゲル成形体
2 空洞
3 透明容器
4 蓋
5 反応液
6 成形型(棒)
7 照明器具
8a、8b ライト

Claims (8)

  1. ゼラチン、架橋剤および揮発成分を含む水性ゾルの反応物であって、ゼリー強度15以上の多表面水性成形体からなる形状保持性ゼラチン水性ゲル。
  2. 空洞を有する成形体からなる請求項1記載のゼラチン水性ゲル。
  3. 分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、架橋剤0.1〜1重量%、および揮発成分0.5〜10重量%を含む水性ゾルの反応物からなる請求項1または2記載のゼラチン水性ゲル。
  4. 水性ゾルが分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%を含む請求項3記載のゼラチン水性ゲル。
  5. 架橋剤がエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体、その開環物またはその塩である請求項1ないし4のいずれかに記載のゼラチン水性ゲル。
  6. 分子量100,000以上、500,000未満の高分子量ゼラチン1.5〜5重量%、分子量3,000以上、10,000未満の低分子量ゼラチン0.05〜0.5重量%、架橋剤0.1〜1重量%、および揮発成分0.5〜10重量%を含む水性ゾルを反応させてゲル化させる形状保持性ゼラチン水性ゲルの製造方法。
  7. 水性ゾルが分子量10,000以上、100,000未満の中分子量ゼラチン0.1〜5重量%を含む請求項6記載の製造方法。
  8. 架橋剤がエチレン性不飽和化合物−無水マレイン酸共重合体、その開環物またはその塩である請求項6または7記載の製造方法。
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