JP3803141B2 - 透明油性ゲル芳香剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明で美観に優れ、高温においても溶融せず、また、高湿度でも潮解せず、さらに、製造時に加温する必要がなく、任意の賦香を行うことができて製造が容易な芳香剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油性ゲル状芳香剤組成物はゲル化剤として、ステアリン酸ナトリウム、ベンジリデンソルビトールあるいはアミノ酸系ゲル化剤などが用いられてきたが、ステアリン酸ナトリウムやアミノ酸系ゲル化剤は、夏期高温となった車内で溶解液化したり、また、梅雨時の高湿度で吸湿して潮解してしまうという欠点を有し、かつ、ゲル自体が不透明で商品価値が低い。また、ベンジリデンソルビトールはリモネンや炭化水素系溶剤では、ゲルの生成が困難で、主としてアルコール系溶剤が用いられるが、アルコールは揮散が早く、特殊用途にしか用いられていない。
【0003】
近年、オクチル酸アルミ(ジ−2−エチルヘキサン酸アルミ)を用いたゲルが上市されたが、製造時に60℃以上の加温を必要とする欠点を有している(特公平1−320063)。また、特公平3−9758においては、加温を必要としないが、テルペン系炭化水素を40重量%以上必須成分としており、このため、香りの系統は柑橘系に限定される欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の油性ゲル状芳香剤組成物の欠点を改良し、透明で美観に優れ、広範囲の香りを付与することができ、かつ、製造が容易な油性ゲル状芳香剤組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、オクチル酸アルミとその6〜80モル%のC12〜C24の高級脂肪酸アルミとを併用、またはオクチル酸アルミ中のオクチル酸の3〜40モル%をC12〜C24の高級脂肪酸で置換したものをゲル化剤として用いると、リモネンなどのテルペン系溶剤は勿論、イソパラフィン、ノルマルパラフィンなども、テルペン系炭化水素を併用しなくても常温において透明で、かつ、安定な油性ゲルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、オクチル酸アルミおよびその6〜80モル%のC12〜C24の高級脂肪酸アルミからなるゲル化剤を、油性ゲル芳香剤組成物のゲル化剤として用いてなることを特徴とする透明油性ゲル芳香剤組成物である。また、本発明は、オクチル酸アルミ中のオクチル酸をC12〜C24の高級脂肪酸で3〜40モル%置換してなるゲル化剤を、油性ゲル芳香剤組成物のゲル化剤として用いてなることを特徴とする透明油性ゲル芳香剤組成物である。
【0007】
本発明において用いる高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、鯨油酸などが用いられる。また、多塩基性酸やオキシ脂肪酸は、石油系炭化水素やテルペン系炭化水素に不溶のものが多く使用し難いが、多価脂肪酸の場合、部分的にエステル化などの処理を行うことにより、溶剤に可溶にすることができるが、高価なものとなり一般的ではない。
【0008】
そして、C12未満の脂肪酸は、それ自体に強い匂いを有し、香りの製品には望ましくない。また、C24を超える脂肪酸になると、量的に多く必要となり、揮発残分が増え望ましくない。最も使用し易いのは、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などである。
高級脂肪酸アルミは公知の方法により容易に製造することができるが、その中で、オレイン酸、リノール酸などのアルミ塩は、製造過程で小粒状の餅状を呈する場合があるが、そのまま使用して支障はない。
【0009】
高級脂肪酸アルミの製造例を示すと、苛性ソーダ40gを水360gとメタノール400mlの混合液に溶かし、これにオレイン酸180gを加えて溶解し、この溶液を攪拌しつつ、常温で硫酸アルミ18水塩120gを500gの水に溶解した溶液を徐々に加え、3時間放置した後、沈澱を濾過、硫酸根がなくなるまで水洗した後、80℃で乾燥する。径約3mmの粒状のオレイン酸アルミが得られる(収量205g)。
【0010】
次に、オクチル酸アルミに対する高級脂肪酸アルミの割合は、オクチル酸アルミの6〜80モル%、望ましくは16〜50モル%である。この高級脂肪酸アルミの割合が6モル%未満になると、リモネン系炭化水素の場合はよいが、イソパラフィン、ノルマルパラフィンなどの場合、透明度が低下し好ましくない。また、80モル%を超えると、硬度が低下し、ゲル化剤の量を増やさなければないので好ましくない。
【0011】
次に、オクチル酸アルミ中のオクチル酸を高級脂肪酸で置換する方法について説明する。
メタノールやエタノールまたはプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMと略す)などの脂肪酸アルミとゲルを生成しない溶剤に、高級脂肪酸を溶かし、これにオクチル酸アルミを加えて均一に混合し、数時間加熱するか、または常温で数日放置した後、濾過し、少量の溶剤で洗浄した後、乾燥する。脂肪酸の量は、オクチル酸アルミの3〜40モル%が好適である。この高級脂肪酸の量が3モル%未満では、石油系炭化水素が透明にならず、また、40モル%を超えると、餅状になって使用に不便となるので好ましくない。置換するモル%によりゲル化時間を調整することができる。
【0012】
オクチル酸アルミと高級脂肪酸アルミを併用する場合、およびオクチル酸アルミ中のオクチル酸を高級脂肪酸で置換する場合のいずれも、ゲル化剤としての脂肪酸アルミの使用量は、2〜15重量%の範囲が好ましい。該使用量が2重量%未満では、ゲルが柔らかく、容器より流出する恐れがあり好ましくない。また、15重量%を超えると、揮発残分が増え、特殊用途以外では必要がない。
【0013】
本発明組成物の基材は、イソパラフィン、ノルマルパラフィンなどの石油系炭化水素、あるいはリモネンなどのテルペン系炭化水素であり、その使用量は、60〜98重量%が好ましい。
香料は嗜好に応じて適宜に選択でき、香料の添加量は、香料の種類により異なるが、0〜95重量%の添加が可能である。
その他の添加剤としては、酸化防止剤、防黴剤、紫外線吸収剤、色素などが用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
オクチル酸アルミ中のオクチル酸を高級脂肪酸で置換する置換例を示すと、次のとおりである。
(置換例1)
ミリスチン酸150gをPGM1kgに溶解し、これにオクチル酸アルミ500gを加え、均一に分散させる。この混合物を80℃に1時間加温した後、少量のPGMで洗浄して60℃で乾燥する。収量は520gである。
(置換例2)
ステアリン酸15gをエタノール200gに加え、60℃に加温して溶解させ、これにオクチル酸アルミ100gを加え、均一に分散させた後、1時間78℃に加温、放冷した後、濾過し、少量のエタノールで洗浄した後、風乾する。収量は99gである。
【0015】
(置換例3)
オレイン酸400gをメタノール700gに溶解し、これにオクチル酸アルミ400gを加え、均一に分散させ、常温で3日間放置し、この間朝晩一回づつ攪拌を行う。その後、濾過し、少量のメタノールで洗浄した後、風乾する。収量は408gである。
(置換例4)
リノール酸60gをメタノール350gに溶解し、これにオクチル酸アルミ200gを加え、均一に分散させ、還流冷却器を付けて2時間煮沸させ、放冷した後、濾過し、少量のメタノールで洗浄した後、約40℃で乾燥する。収量は198gである。
(置換例5)
リノレイン酸40gをPGM200gに溶解し、これにオクチル酸アルミ100gを加え、均一に分散させた後、80℃で1時間加温し、放冷した後、濾過し、少量のOGMで洗浄した後、60℃で乾燥する。収量は97gである。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
オクチル酸アルミ 5g
ステアリン酸アルミ 2g
リモネン 93g
酸化防止剤(BHT) 微量
色素 微量
上記配合材料を混合放置したところ、翌日透明なゲルが生成していた。
【0017】
(実施例2)
オクチル酸アルミ 3g
オレイン酸アルミ 2g
イソパラフィン(0号ソルベント、日本石油製) 90g
香料(ガーデニア、長谷川香料製) 5g
酸化防止剤(BHT) 微量
ラメ(シルバーC 0.1) 微量
防黴剤(PCMX) 微量
色素 微量
紫外線吸収剤 微量
上記配合材料を混合放置したところ、6時間後に透明なゲルが得られた。
【0018】
(実施例3)
置換例1のゲル化剤 6g
リモネン 94g
色素 微量
酸化防止剤 微量
上記配合材料を混合放置して、3時間後に透明なゲルが得られた。
【0019】
(実施例4)
置換例3のゲル化剤 6g
イソパラフィン(IPソルベント1620、出光石油製) 66g
リモネン 23g
香料(レモン、高砂香料製) 5g
色素 微量
酸化防止剤(BHT) 微量
防黴剤(PCMX) 微量
紫外線吸収剤 微量
ビーカーにゲル化剤6gを入れ、イソパラフィンとリモネンの混合液を注いで放置したところ、翌日透明で均一なゲルが得られた。
【0020】
(実施例5)
置換例4のゲル化剤 6g
ノルマルパラフィン(N−C10、日本鉱業製) 91g
香料(シンビジウム、長谷川香料製) 3g
酸化防止剤(BHT) 微量
防黴剤(PCMX) 微量
上記配合材料を混合放置したところ、翌日透明で均一なゲルが得られた。
【0021】
(実施例6)
置換例3のゲル化剤 6g
イソパラフイン(IPソルベント1620、出光石油製) 86g
香料(カーネーション、小林香料製) 8g
酸化防止剤(BHT) 微量
防黴剤(PCMX) 微量
上記配合材料を混合放置して、3時間後に透明なゲルが得られた。
【0022】
(実施例7)
置換例2のゲル化剤 4g
イソパラフィン(アイソバーG、エクソン製) 93g
香料(ローズ、長谷川香料製) 3g
酸化防止剤(BHT) 微量
色素 微量
防黴剤(PCMX) 微量
紫外線吸収剤(オイソレックス) 微量
ラメ(シルバーC 0.1) 微量
上記配合材料を混合放置して、4時間後に透明なゲルが得られた。
【0023】
(実施例8)
オクチル酸アルミ 5g
オレイン酸アルミ 2g
ノルマルパラフィン(N−C10、日本鉱業製) 73g
香料(スカシユ、長谷川香料製) 20g
酸化防止剤(BHT) 微量
防黴剤(PCMX) 微量
色素 微量
紫外線吸収剤 微量
上記配合材料を混合放置したところ、6時間後に透明なゲルが得られた。
【0024】
【発明の効果】
本発明の組成物は、透明で美観に優れ、高温においても溶解も潮解もすることなく、また、製造時に加温する必要がなく、任意の賦香を行うことができ、容易に製造することができる。

Claims (2)

  1. オクチル酸アルミおよびその6〜80モル%のC12〜C24の高級脂肪酸アルミからなるゲル化剤を、油性ゲル芳香剤組成物のゲル化剤として用いてなることを特徴とする透明油性ゲル芳香剤組成物。
  2. オクチル酸アルミ中のオクチル酸をC12〜C24の高級脂肪酸で3〜40モル%置換してなるゲル化剤を、油性ゲル芳香剤組成物のゲル化剤として用いてなることを特徴とする透明油性ゲル芳香剤組成物。
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